JP2009235910A - 気体圧縮機 - Google Patents

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Hiroshi Nishiyama
宏 西山
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Abstract

【課題】オイルセパレータ用の部品コストと取り付け作業を不要にし、コストを低減する。
【解決手段】圧縮した気体3とオイル5とが混合されてオイルミスト7になる圧縮機構9と、圧縮機構9を収容するケーシング11とを有し、多数の屈曲部13を有する迷路状通路15を既存の部材であるケーシング11とブロック部材17に設け、迷路状通路15にオイルミスト7を通過させ、オイルミスト7を屈曲部13と繰り返し衝突させることによって気体3とオイル5とに分離する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、気体圧縮機に関する。
特許文献1に「圧縮機、空気調和装置、及び圧縮機のオイルセパレータ」が記載されている。
この圧縮機のオイルセパレータは、蛇行溝の折り返し部にオイルミストを衝突させて冷媒とオイルとを分離するように構成され、圧縮機側の部材にボルトによって固定されている。
また、図4〜図6に示す圧縮機201もオイルセパレータ203を備えたものであり、このオイルセパレータ203は、金網205を取り付けたサイクロンブロック207を、Oリング209を挟んで、圧縮機201のサイドブロック211に3本のボルト213で固定して構成され、サイドブロック211に設けられた2箇の吐出口215から吐出されたオイルミスト217は矢印のように衝突しながら金網205と通過して冷媒219とオイル221とに分離し、冷媒219は吐出ポート223から吐出され、オイル221はオイル溜り225に滴下する。
特開2005−240678号公報
特許文献1の圧縮機と図4〜図6の圧縮機201は、いずれも、別体に形成されたオイルセパレータやサイクロンブロック207がボルトを用いて圧縮機側に固定されており、また、オイルミストの漏れを防止するためにはシールが必要であるから、シールと金網とボルトのコストと、シールと金網とボルトとオイルセパレータを取り付ける作業の工数が発生し、それだけコスト高になっている。
そこで、この発明は、オイルセパレータの部品コストと取り付け作業を不要にし、コストを低減した気体圧縮機の提供を目的としている。
請求項1の気体圧縮機は、気体を圧縮して吐出し、吐出された気体とオイルとが混合されてオイルミストになる圧縮機構と、前記圧縮機構を収容するケーシングとを有する気体圧縮機であって、多数の屈曲部を有する迷路状通路を、既存の部材に設け、前記迷路状通路に前記オイルミストを通し、オイルミストを前記多数の屈曲部と繰り返し衝突させることによって気体とオイルとに分離することを特徴とする。
請求項2の発明は、請求項1に記載された気体圧縮機であって、前記既存の部材が、前記ケーシングであることを特徴とする。
請求項3の発明は、請求項1に記載された気体圧縮機であって、前記圧縮機構が、前記ケーシングと対向するブロック部材を有し、前記既存の部材が、前記ケーシングと前記ブロック部材であることを特徴とする。
請求項1の気体圧縮機は、オイルミストを繰り返して衝突させることにより気体とオイルとを分離する多数の屈曲部を有する迷路状通路(オイルセパレータ)を、既存の部材に設けたから、特許文献1の圧縮機と図4〜図6の圧縮機201と異なって、金網とボルトとシールが不要になると共に、取り付け作業の工数が発生しないから、コストをそれだけ低減しながら、上記のようにオイルセパレータ機能が得られる。
請求項2の気体圧縮機は、ケーシングを利用してオイルセパレータを設けたことにより請求項1と同等の効果が得られる。
また、迷路状通路は補強リブの機能も持つから、迷路状通路を設けたことにより、ケーシングの強度がそれだけ向上している。
請求項3の気体圧縮機は、ケーシングとブロック部材を利用してオイルセパレータを設けたことにより請求項1と同等の効果が得られる。
また、迷路状通路を設けたことにより、ケーシングとブロック部材の強度がそれだけ向上している。
<一実施形態>
図1〜図3によってベーン形圧縮機1(気体圧縮機)の説明をする。図1はベーン形圧縮機1の縦断面図、図2は図1のX−X断面図、図3は図2のY−Y断面図である。また、図1の右方はベーン形圧縮機1の前方である。
ベーン形圧縮機1は、冷媒3(気体)を圧縮して吐出し、吐出された冷媒3とオイル5とが混合されてオイルミスト7になる圧縮機構9と、圧縮機構9を収容するケーシング11とを有する気体圧縮機であって、多数の屈曲部13を有する迷路状通路15をケーシング11(既存の部材)とこれと対向するリアブロック17(ブロック部材:既存の部材)に設け、迷路状通路15にオイルミスト7を通過させ、オイルミスト7を多数の屈曲部13と繰り返し衝突させることによって冷媒3とオイル5とに分離する。
次に、ベーン形圧縮機1の構造を説明する。
ベーン形圧縮機1は、車両用空調装置の冷却システムに用いられており、エバポレータから流入した冷媒を圧縮してコンデンサ側に吐出する。冷媒には適量の潤滑オイルが混入されている。
ベーン形圧縮機1は、ケーシング11、フロントケーシング19、吸入ポート21、吐出ポート23、フロントブロック25、シリンダブロック27、リアブロック17、ロータ29、複数のベーン31、ロータ軸33、入力プーリ35、電磁クラッチ37などを有し、ケーシング11とフロントケーシング19はボルトで一体に固定され、各ブロック17,27,25はボルト38でフロントケーシング19に固定されている。
吸入ポート21はエバポレータ側に連通し、フロントケーシング19に設けられている。また、吸入ポート21には逆止弁39が取り付けられており、吸入ポート21と圧縮機構9側とを連通する気体吸入通路を圧縮と吐出の各行程で閉塞し冷媒とオイルの外部への漏れを防止する。吐出ポート23はコンデンサ側に連通し、ケーシング11に設けられている。
ロータ軸33の左端部と中央部はリアブロック17とフロントブロック25の各支持部41,43によって回転自在に支持され、シリンダブロック27にはほぼ楕円形のカム面が設けられており、ロータ29はこのカム面の内側でロータ軸33に固定されている。ロータ29には複数のベーン溝が周方向等間隔で放射状に形成され、各ベーン31はベーン溝によって進退自在に支持されている。
入力プーリ35はベアリング45によってフロントケーシング19に支持されており、電磁クラッチ37は電磁ソレノイド47でアーマチャ49を吸引し入力プーリ35に押圧することによって入力プーリ35とロータ軸33とを連結し、ベーン形圧縮機1は、電磁クラッチ37が連結されるとエンジンの駆動力によって回転駆動され、連結が解除されるとエンジン側から切り離される。
カム面とロータ29の外周面と各ベーン31との間には複数の圧縮室が形成されており、ベーン形圧縮機1が駆動されロータ29が回転すると、各ベーン31は自身に掛かる遠心力とベーン溝に供給される下記の背圧(オイル圧)を受け、ベーン溝から突き出して頂部をカム面に接触させる。各圧縮室はロータ29の回転とこれに伴う各ベーン31のベーン溝からの進退によって容積が変化し、吸入行程と圧縮行程と吐出行程とを繰り返し、吸入行程ではエバポレータ側からの冷媒3を吸入ポート21と気体吸入通路とを介して吸入し、圧縮行程では吸入した冷媒3を圧縮し、吐出行程では圧縮された冷媒3(オイルミスト7)を、図2のように2箇所に設けられた吐出口51,51から迷路状通路15に吐出する。
図3のように、迷路状通路15はケーシング11とリアブロック17の対向部にフィン状の凸部53,55を互い違いに設けることによって構成されており、迷路状通路15にオイルミスト7を通すと、凸部53,55の間に形成された多数の屈曲部13にオイルミスト7が繰り返し衝突し、比重の差によって冷媒3とオイル5とが分離し、冷媒3は吐出ポート23からコンデンサ側に吐出され、オイル5はケーシング11とリアブロック17との間に設けられたオイル溜り57に溜まる。オイル溜り57のオイルは、各ブロック17,27,25を通して設けられた油路59を通り、ロータ軸33の支持部41,43を潤滑すると共に、ベーン溝に供給され各ベーン31に背圧を与える。
次に、ベーン形圧縮機1の効果を説明する。
オイルミスト7を冷媒3とオイル5に分離する迷路状通路15(オイルセパレータ)を既存の部材であるケーシング11とリアブロック17に設けたので、従来技術と異なって、金網や、オイルセパレータを組み付けるためのシールとボルトが不要になると共に、取り付け作業の工数が発生しないから、コストをそれだけ低減しながらオイルセパレータ機能が得られる。
また、迷路状通路15を構成するフィン状の凸部53,55には補強リブの機能もあるから、ケーシング11とリアブロック17は強度がそれだけ向上している。
[本発明の範囲に含まれる他の態様]
なお、本発明は上述した実施形態のみに限定解釈されるものではなく、本発明の技術的な範囲内で様々な変更が可能である。
例えば、本発明の気体圧縮機は、ベーン形圧縮機以外の形式の圧縮機を用いて構成してもよく、また、冷媒を扱う冷却システム以外に用いてもよく、さらに、気体は冷媒以外でもよい。
ベーン形圧縮機1の縦断面図である。 図1のX−X断面図である。 図2のY−Y断面図である。 従来例の縦断面図である。 従来例に用いられたサイドブロック211を一側から見た側面図である。 従来例に用いられたサイドブロック211を他側から見た側面図である。
符号の説明
1 ベーン形圧縮機(気体圧縮機)
3 冷媒
5 オイル
7 オイルミスト
9 圧縮機構
11 ケーシング(既存の部材)
13 屈曲部
15 迷路状通路
17 リアブロック(ブロック部材:既存の部材)

Claims (3)

  1. 気体(3)を圧縮して吐出し、吐出された気体(3)とオイル(5)とが混合されてオイルミスト(7)になる圧縮機構(9)と、前記圧縮機構(9)を収容するケーシング(11)とを有する気体圧縮機(1)であって、
    多数の屈曲部(13)を有する迷路状通路(15)を、既存の部材に設け、
    前記迷路状通路(15)に前記オイルミスト(7)を通し、オイルミスト(7)を前記多数の屈曲部(13)と繰り返し衝突させることによって気体(3)とオイル(5)とに分離することを特徴とする気体圧縮機(1)。
  2. 請求項1に記載された発明であって、
    前記既存の部材が、前記ケーシング(11)であることを特徴とする気体圧縮機(1)。
  3. 請求項1に記載された発明であって、
    前記圧縮機構(9)が、前記ケーシング(11)と対向するブロック部材(17)を有し、
    前記既存の部材が、前記ケーシング(11)と前記ブロック部材(17)であることを特徴とする気体圧縮機(1)。
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