JP2009234843A - ドーソナイト微粒子とその製造方法。 - Google Patents
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Abstract
【課題】安価に高い収率で均一な粒径を有するドーソナイト微粒子を製造することができる製造方法とそのドーソナイト微粒子を提供する。
【解決手段】ロジン−ラムラ粒度分布式における均等数が4以上であり、好ましくは、平均粒子径が5.0μm〜50.0μmの均一な粒径を有するドーソナイト微粒子、および、炭酸ガスが供給されている炭酸水または重曹水に、ナトリウムおよびアルミニウム含有水溶液を少量ずつ添加してドーソナイト沈澱を生成させる方法において、炭酸ガスを強制的に微細化した微細気泡の炭酸ガスを供給することによって、上記ドーソナイト微粒子を製造することを特徴とする製造方法。
【選択図】図2
【解決手段】ロジン−ラムラ粒度分布式における均等数が4以上であり、好ましくは、平均粒子径が5.0μm〜50.0μmの均一な粒径を有するドーソナイト微粒子、および、炭酸ガスが供給されている炭酸水または重曹水に、ナトリウムおよびアルミニウム含有水溶液を少量ずつ添加してドーソナイト沈澱を生成させる方法において、炭酸ガスを強制的に微細化した微細気泡の炭酸ガスを供給することによって、上記ドーソナイト微粒子を製造することを特徴とする製造方法。
【選択図】図2
Description
本発明は、均一な粒径を有するドーソナイト微粒子とその製造方法に関し、より詳しくは、簡単な操作および装置構成によって安価に高い収率で均一な粒径を有するドーソナイト微粒子を製造することができる製造方法とそのドーソナイト微粒子に関する。
ドーソナイト〔NaAl(OH)2CO3〕の製造方法として、アルミン酸ナトリウム水溶液に加熱下または加圧下で尿素を添加する方法(特許文献1、2)、アルミン酸ナトリウム水溶液に炭酸ガスを40℃以上で吹き込む方法(特許文献3)、ヒドロキシカルボン酸の存在下で水酸化アルミニウム等と炭酸ナトリウム等を反応させる方法(特許文献4)などが知られている。
従来の上記製造方法は何れも反応の制御が面倒であり、生成するドーソナイトの収率が低いと云う問題がある。例えば、特許文献2ではドーソナイト収率は98%程度と高いものの、125℃、1.5気圧という高温、高圧を必要とする。他方、アルミン酸ナトリウム水溶液に炭酸ガスを吹き込む特許文献4の方法では、操作は簡便であるものの副生する水酸化アルミニウム量が非常に多く、ドーソナイトの生成量は水酸化アルミニウム生成量の1.3倍程度に止まり、ドーソナイトの生成量に近い水酸化アルミニウムが同時に生成する。
さらに、従来の方法によって製造されたドーソナイト粒子は粒子径が不均一であり、粒子径を十分に制御することが難しいと云う問題がある。
特公昭54−17718号公報
特公昭57−44604号公報
特開昭58−99118号公報
特開平3−271116号公報
本発明は、従来の上記問題を解決したものであり、均一な粒径を有するドーソナイト微粒子と、該ドーソナイト微粒子を収率よく製造することができる製造方法を提供する。
本発明は、以下[1]〜[5]に示す構成によって上記課題を解決したドーソナイト微粒子とその製造方法に関する。
〔1〕ロジン−ラムラ粒度分布式における均等数が4以上であること特徴とするドーソナイト微粒子。
〔2〕平均粒子径が5.0μm〜50.0μmであって、ロジン−ラムラ粒度分布式における均等数が4以上である均一な粒径を有する上記[1]に記載するドーソナイト微粒子。
〔3〕ナトリウムおよびアルミニウム含有水溶液に炭酸を反応させて製造したドーソナイト微粒子であって、平均粒子径5.0μm〜50.0μm、ロジン−ラムラ粒度分布式における均等数4以上である均一な粒径を有する上記[1]または上記[2]に記載するドーソナイト微粒子。
〔4〕炭酸ガスが供給されている炭酸水または重曹水に、ナトリウムおよびアルミニウム含有水溶液を少量ずつ添加してドーソナイト沈澱を生成させる方法において、炭酸ガスを強制的に微細化した微細気泡の炭酸ガスを供給することによって、ロジン−ラムラ粒度分布式における均等数が4以上であるドーソナイト微粒子を製造することを特徴とするドーソナイト微粒子の製造方法。
〔5〕炭酸ガスを強制的に微細化した微細気泡の炭酸ガスが供給されている炭酸水または重曹水に、pH7.5〜pH10.5の液性下で、ナトリウムおよびアルミニウム含有水溶液を少量ずつ添加してドーソナイト沈澱を生成させる上記[4]に記載するドーソナイト微粒子の製造方法。
〔1〕ロジン−ラムラ粒度分布式における均等数が4以上であること特徴とするドーソナイト微粒子。
〔2〕平均粒子径が5.0μm〜50.0μmであって、ロジン−ラムラ粒度分布式における均等数が4以上である均一な粒径を有する上記[1]に記載するドーソナイト微粒子。
〔3〕ナトリウムおよびアルミニウム含有水溶液に炭酸を反応させて製造したドーソナイト微粒子であって、平均粒子径5.0μm〜50.0μm、ロジン−ラムラ粒度分布式における均等数4以上である均一な粒径を有する上記[1]または上記[2]に記載するドーソナイト微粒子。
〔4〕炭酸ガスが供給されている炭酸水または重曹水に、ナトリウムおよびアルミニウム含有水溶液を少量ずつ添加してドーソナイト沈澱を生成させる方法において、炭酸ガスを強制的に微細化した微細気泡の炭酸ガスを供給することによって、ロジン−ラムラ粒度分布式における均等数が4以上であるドーソナイト微粒子を製造することを特徴とするドーソナイト微粒子の製造方法。
〔5〕炭酸ガスを強制的に微細化した微細気泡の炭酸ガスが供給されている炭酸水または重曹水に、pH7.5〜pH10.5の液性下で、ナトリウムおよびアルミニウム含有水溶液を少量ずつ添加してドーソナイト沈澱を生成させる上記[4]に記載するドーソナイト微粒子の製造方法。
本発明のドーソナイト微粒子は、ロジン−ラムラ粒度分布式における均等数が4以上である粒子径が均一な微粒子であり、例えば、平均粒子径5.0μm〜50.0μmであって上記均等数4.11以上である粒子径の均一性が高い微粒子であるので、容器に充填して使用する際に均一に充填することができ、均質かつ安定な効果を得ることができる。
本発明のドーソナイト微粒子は粒子径が均一な微粒子であるので、例えば、(1)合成終了後の濾過速度が格段に速くなる、(2)洗浄効率が向上する、(3)粉体製品の充填性が改善する、(4)サイロ内保存時等の流動性が改善するなどの効果を有する。さらに使用する場面によっては、(5)圧力損失の低減効果、(6)反応特性が安定化するなどの効果が得られる。
本発明の製造方法は、炭酸ガスが供給されている炭酸水または重曹水に、ナトリウムおよびアルミニウム含有水溶液を少量ずつ添加してドーソナイト沈澱を生成させる方法において、炭酸ガスを強制的に微細化して供給することによって、上記均等数が4以上のドーソナイト微粒子を容易に高収率で製造することができる。
以下、本発明を実施例と共に具体的に説明する。
本発明のドーソナイト微粒子は、ロジン−ラムラ粒度分布式における均等数が4以上である粒子径が均一な微粒子である。本発明のドーソナイト微粒子は、炭酸ガスが供給されている炭酸水または重曹水に、ナトリウムおよびアルミニウム含有水溶液を少量ずつ添加してドーソナイト沈澱を生成させる方法において、炭酸ガスを強制的に微細化して供給することによって製造することができる。
本発明のドーソナイト微粒子は、ロジン−ラムラ粒度分布式における均等数が4以上である粒子径が均一な微粒子である。本発明のドーソナイト微粒子は、炭酸ガスが供給されている炭酸水または重曹水に、ナトリウムおよびアルミニウム含有水溶液を少量ずつ添加してドーソナイト沈澱を生成させる方法において、炭酸ガスを強制的に微細化して供給することによって製造することができる。
〔ドーソナイト微粒子〕
本発明のドーソナイト微粒子は、ロジン−ラムラ粒度分布式における均等数が4以上である粒子径が均一な微粒子である。ロジン−ラムラ粒度分布式は以下の一般式[1]によって表される。この分布式は微粒子や粉体の粒子径の分布を示す指標であり、その均等数[n]は分布を示す定数であって、均等数[n]が大きいほど分布がシャープであり(分布の幅が狭く)、粒径の均一性が高く、均等数[n]が小さいほど分布がブロードであり(分布の幅が広く)、粒径の均一性が低い。
本発明のドーソナイト微粒子は、ロジン−ラムラ粒度分布式における均等数が4以上である粒子径が均一な微粒子である。ロジン−ラムラ粒度分布式は以下の一般式[1]によって表される。この分布式は微粒子や粉体の粒子径の分布を示す指標であり、その均等数[n]は分布を示す定数であって、均等数[n]が大きいほど分布がシャープであり(分布の幅が狭く)、粒径の均一性が高く、均等数[n]が小さいほど分布がブロードであり(分布の幅が広く)、粒径の均一性が低い。
R(Dp)=100exp(−b・Dpn) … [1]
上記分布式[1]において、一般に、粉砕物ではn≦1になることが多く、また、焼却炉や焼成炉から排出される煤塵や粉塵などではnは1前後である。一方、本発明のドーソナイト微粒子は、上記分布式の均等係数nが4以上であり(実施例では4.11以上)、従って、粒子径の均一性が格段に高い微粒子である。
〔製造方法〕
本発明のドーソナイト微粒子は、炭酸ガスが供給されている炭酸水または重曹水に、ナトリウムおよびアルミニウム含有水溶液を少量ずつ添加してドーソナイト沈澱を生成させる方法において、炭酸ガスを強制的に微細化して供給することによって製造することができる。
本発明のドーソナイト微粒子は、炭酸ガスが供給されている炭酸水または重曹水に、ナトリウムおよびアルミニウム含有水溶液を少量ずつ添加してドーソナイト沈澱を生成させる方法において、炭酸ガスを強制的に微細化して供給することによって製造することができる。
本発明の製造方法は、ドーソナイトのNa源およびAl源として、ナトリウム含有アルミニウム溶解液を用いる。このナトリウム含有アルミニウム溶解液としては、水酸化ナトリウムに金属アルミニウムや、酸化アルミニウムおよび水酸化アルミニウムなどが溶解したアルカリ性アルミン酸ナトリウム溶液等を用いることができる。
本発明の製造方法に用いるナトリウム含有アルミニウム溶解液について、水酸化ナトリウム濃度、およびアルミニウム濃度は限定されない。なお、ドーソナイトは、pH7.5〜10.5、好ましくはpH8〜10の液性状では、非常に安定な化合物であり、溶解度も小さく、Na,Al,CO3の任意のモル比で容易に析出する。なお、水酸化ナトリウムに金属アルミニウムを溶解する場合、アルミニウムの溶解量は水酸化ナトリウム濃度および液温によって異なるが、常温において、概ね水酸化ナトリウム濃度8〜20質量%のとき、アルミニウム濃度は約1.5〜6質量%である。また、水酸化ナトリウム濃度が高い溶液(例えば水酸化ナトリウム濃度32.4%)を用いれば、Na:Al比を大きくすることによってドーソナイトの収率を高くすることができる。
本発明の製造方法は、炭酸水または重曹水に、炭酸ガスまたは炭酸ガス含有空気を吹き込みながら、ナトリウム含有アルミニウム溶解液を供給する際に、ナトリウム含有アルミニウム溶解液を少量ずつ滴下し、pH7.5〜10.5、好ましくはpH8〜10の液性に制御する。
本発明の製造方法は、反応混合液のpHを上記範囲に制御して、炭酸水にナトリウム含有アルミニウム溶解液を導入することが重要である。従来のように、ナトリウム含有アルミニウム溶解液に炭酸ガスを導入する方法では、ドーソナイトの収率を高めることができない。アルミン酸ナトリウム溶液等は強アルカリ性であり、これに弱酸性の炭酸を導入しても、反応を上記pH域に制御することができず、ドーソナイトの収率を高めることができない。
ナトリウム含有アルミニウム溶解液と炭酸との反応によってドーソナイト沈澱を生成させる場合、反応液がpH7.5よりも酸性側の領域ではAlが水酸化物になる傾向が大きく、従って、ドーソナイト〔NaAl(OH)2CO3〕の生成割合が低下する。一方、反応液がpH10.5よりもアルカリ側の領域ではAlがアルミン酸イオンになる傾向が大きく、この場合にも同様にドーソナイトの生成割合が低下すると共に収量も大幅に減少する。
本発明の製造方法は、炭酸水にナトリウム含有アルミニウム溶解液を導入する工程において、炭酸ガスを強制的に微細化した微細気泡の炭酸ガスが供給されている炭酸水または重曹水を用いる。強制的に微細化されている微細気泡の炭酸ガスとは、例えば、炭酸ガスを吹き込んだ水を高速旋回させて炭酸ガスを微細気泡にする方法(エジェクター方式)、炭酸ガスを吹き込んだ水を機械攪拌して炭酸ガスを微細気泡にする方法(機械攪拌方式)、炭酸ガスを加圧して水に溶解したものを噴射して炭酸ガスを微細気泡にする方法(加圧溶解方式)などのように強制的な力を加えて微細気泡にしたものを云う。
なお、炭酸ガス気泡の微細化手段として、小口径の細管を用いる方法や、ガラスボールフィルターなどを通過させる方法では、ドーソナイトが生成するのに伴って細管やフィルタが目詰まりを生じ、安定にドーソナイトを生成させることができない。
炭酸ガスを強制的に微細化して導入する際に、例えば、機械攪拌によって微細気泡にする場合、回転数が高くなるのに比例して生成するドーソナイトの平均粒子径は小さくなる傾向がある。また、粒度分布式の均等数[n]は回転数が高くなるのに比例して概ね大きくなる傾向があるが、回転数が高すぎると均等数[n]が低下する場合がある。
ナトリウム含有アルミニウム溶解液としてアルマイト処理工程から排出されるアルマイト処理廃液を利用することができる。アルマイト処理廃液について、従来は、アルミニウムと水酸化ナトリウムの効率的な分離精製が困難であるために再利用できず、廃棄されることが多く、その有効な処理が求められていた。このアルマイト処理廃液は、一般に、水酸化ナトリウム濃度:7.5〜15質量%、アルミニウム濃度:1.3〜5.5質量%(アルミン酸イオン[AlO2 -]として溶解)のナトリウムおよびアルミニウムを含有している。
本発明の製造方法は、上記アルマイト処理廃液をナトリウム含有アルカリ溶解液として利用することができ、また、アルミニウム工場や、その他工場から排出される燃焼排ガスを炭酸源として利用することができる。従って、本発明の製造方法はこれら廃液や排ガスの処理方法としても有用であり、廃棄物を利用して有価のドーソナイトを製造することができる利点を有する。
以下に実施例および比較例を示す。なお、平均粒子径およびロジン−ラムラ(Rosin-Rammler)分布式の均等数[n]は以下の手順に従って求めた。
〔平均粒子径および均等数[n]の算定方法〕
実施例、比較例で製造したドーソナイト微粒子を、エタノール溶液中に分散させ、レーザー回折式粒度分布測定装置(HORIBA LA-920)を使用して、粒子径Dpの粒子の積算ふるい上質量%R(Dp)を測定した。続いて、ロジン−ラムラ分布式に基づくロジン−ラムラ線図にプロットし、その均等数[n]に相当する勾配を直線回帰した係数として均等数[n]を算定した。
実施例、比較例で製造したドーソナイト微粒子を、エタノール溶液中に分散させ、レーザー回折式粒度分布測定装置(HORIBA LA-920)を使用して、粒子径Dpの粒子の積算ふるい上質量%R(Dp)を測定した。続いて、ロジン−ラムラ分布式に基づくロジン−ラムラ線図にプロットし、その均等数[n]に相当する勾配を直線回帰した係数として均等数[n]を算定した。
〔実施例1〜4〕
純空気に炭酸ガスを20vol%となるように混合した混合ガスを、表1に示す回転数に調整した機械攪拌型の微細気泡形成装置に通じ、該装置を介して反応槽に供給した。反応槽には80℃に温度調整した重曹水(4.2% 1100ml、pH8.4)が溜められており、この重曹水にナトリム含有アルミニウム水溶液を、上記炭酸ガス含有空気の供給を継続しつつ、重曹水を攪拌しながら、1.67ml/分の速度で500mlの量を、液体供給ポンプを介して滴下し、ドーソナイト沈澱を生成させた。なお、上記ナトリウム含有アルミニウム水溶液は溶解アルミニウム成分1.04質量%、水酸化ナトリウム濃度2.8重量%の水溶液を用いた。反応開始2分後以降の反応液pHは8.5〜9.0の範囲であった。滴下終了後、そのままの温度で1時間熟成させた。この結果を表1に示した。また、生成したドーソナイトの平均粒径と炭酸ガスを微細化する攪拌回転数の関係を図1に示した。さらに、生成したドーソナイトの粒度分布を図2に示した。
純空気に炭酸ガスを20vol%となるように混合した混合ガスを、表1に示す回転数に調整した機械攪拌型の微細気泡形成装置に通じ、該装置を介して反応槽に供給した。反応槽には80℃に温度調整した重曹水(4.2% 1100ml、pH8.4)が溜められており、この重曹水にナトリム含有アルミニウム水溶液を、上記炭酸ガス含有空気の供給を継続しつつ、重曹水を攪拌しながら、1.67ml/分の速度で500mlの量を、液体供給ポンプを介して滴下し、ドーソナイト沈澱を生成させた。なお、上記ナトリウム含有アルミニウム水溶液は溶解アルミニウム成分1.04質量%、水酸化ナトリウム濃度2.8重量%の水溶液を用いた。反応開始2分後以降の反応液pHは8.5〜9.0の範囲であった。滴下終了後、そのままの温度で1時間熟成させた。この結果を表1に示した。また、生成したドーソナイトの平均粒径と炭酸ガスを微細化する攪拌回転数の関係を図1に示した。さらに、生成したドーソナイトの粒度分布を図2に示した。
〔比較例1〕
実施例と同様の炭酸ガスを混合したガスをガラスボールフィルター(木下式503G2)に通じて反応槽に供給した。反応槽には50℃に温調したナトリウム含有アルミニウム水溶液(溶解アルミニウム成分2.56質量%、水酸化ナトリウム濃度6.3質量%)400mlが溜められており、反応槽のpHが9.0になった時点で炭酸ガスの供給を終了し、反応生成物(ドーソナイト沈澱)を得た。なお、反応中は攪拌翼によって250±5rpmの回転速度で攪拌を継続した。この結果を表1に示した。また、製造したドーソナイト粒子の粒度分布を図3に示した。
実施例と同様の炭酸ガスを混合したガスをガラスボールフィルター(木下式503G2)に通じて反応槽に供給した。反応槽には50℃に温調したナトリウム含有アルミニウム水溶液(溶解アルミニウム成分2.56質量%、水酸化ナトリウム濃度6.3質量%)400mlが溜められており、反応槽のpHが9.0になった時点で炭酸ガスの供給を終了し、反応生成物(ドーソナイト沈澱)を得た。なお、反応中は攪拌翼によって250±5rpmの回転速度で攪拌を継続した。この結果を表1に示した。また、製造したドーソナイト粒子の粒度分布を図3に示した。
〔比較例2〕
ナトリウム含有アルミニウム水溶液の液温を80℃に調整した以外は比較例1と同様にして反応生成物(ドーソナイト沈澱)を得た。この結果を表1に示した。また、製造したドーソナイト粒子の粒度分布を図3に示した。
ナトリウム含有アルミニウム水溶液の液温を80℃に調整した以外は比較例1と同様にして反応生成物(ドーソナイト沈澱)を得た。この結果を表1に示した。また、製造したドーソナイト粒子の粒度分布を図3に示した。
〔比較例3〕
実施例と同様の炭酸ガスを混合したガスをガラスボールフィルター(木下式503G2)に通じて反応槽に供給した。反応槽には75℃に温調したナトリウム含有アルミニウム水溶液(溶解アルミニウム成分1.28質量%、水酸化ナトリウム濃度3.63質量%、炭酸ナトリウム6.75質量%)800mlが溜められており、反応槽のpHが9.0になった時点で炭酸ガスの供給を終了し、反応生成物(ドーソナイト沈澱)を得た。なお、反応中は攪拌翼によって250±5rpmの回転速度で攪拌を継続した。この結果を表1に示した。また、製造したドーソナイト粒子の粒度分布を図3に示した。
実施例と同様の炭酸ガスを混合したガスをガラスボールフィルター(木下式503G2)に通じて反応槽に供給した。反応槽には75℃に温調したナトリウム含有アルミニウム水溶液(溶解アルミニウム成分1.28質量%、水酸化ナトリウム濃度3.63質量%、炭酸ナトリウム6.75質量%)800mlが溜められており、反応槽のpHが9.0になった時点で炭酸ガスの供給を終了し、反応生成物(ドーソナイト沈澱)を得た。なお、反応中は攪拌翼によって250±5rpmの回転速度で攪拌を継続した。この結果を表1に示した。また、製造したドーソナイト粒子の粒度分布を図3に示した。
〔比較例4〕
実施例と同様の炭酸ガスを混合したガスをガラスボールフィルター(木下式503G2)に通じて反応槽に供給した。反応槽には50℃に温調したイオン交換水200mlを仕込んだ。この反応槽にナトリウム含有アルミニウム水溶液(溶解アルミニウム成分1.71質量%、水酸化ナトリウム濃度9.2質量%)を滴下した。滴下開始より2分後から反応槽のpHを10.00±0.03に制御しつつ、流量コントローラー付き液体供給ポンプを介して上記ナトリウム含有アルミニウム水溶液を600ml滴下した。さらに反応中は攪拌翼によって250±5rpmの回転速度で常時攪拌を継続した。滴下終了後、滴下終了後、50℃で1時間熟成の後、反応生成物を得た。この結果を表1に示した。また、製造したドーソナイト粒子の粒度分布を図3に示した。
実施例と同様の炭酸ガスを混合したガスをガラスボールフィルター(木下式503G2)に通じて反応槽に供給した。反応槽には50℃に温調したイオン交換水200mlを仕込んだ。この反応槽にナトリウム含有アルミニウム水溶液(溶解アルミニウム成分1.71質量%、水酸化ナトリウム濃度9.2質量%)を滴下した。滴下開始より2分後から反応槽のpHを10.00±0.03に制御しつつ、流量コントローラー付き液体供給ポンプを介して上記ナトリウム含有アルミニウム水溶液を600ml滴下した。さらに反応中は攪拌翼によって250±5rpmの回転速度で常時攪拌を継続した。滴下終了後、滴下終了後、50℃で1時間熟成の後、反応生成物を得た。この結果を表1に示した。また、製造したドーソナイト粒子の粒度分布を図3に示した。
〔比較例5〕
実施例と同様の炭酸ガスを混合したガスをガラスボールフィルター(木下式503G2)に通じて反応槽に供給した。反応槽には75℃に温調した重曹水(濃度5.0%、700ml、pH8.4)を仕込んだ。この反応槽にナトリウム含有アルミニウム水溶液(溶解アルミニウム成分4.88質量%、水酸化ナトリウム濃度31.1質量%)を滴下した。滴下開始より2分後から反応槽のpHを9.00±0.03に制御しつつ、流量コントローラー付き液体供給ポンプを介して上記ナトリウム含有アルミニウム水溶液を100ml滴下した。さらに反応中は攪拌翼によって250±5rpmの回転速度で常時攪拌を継続した。滴下終了後、75℃で1時間熟成の後、反応生成物を得た。この結果を表1に示した。また、製造したドーソナイト粒子の粒度分布を図3に示した。
実施例と同様の炭酸ガスを混合したガスをガラスボールフィルター(木下式503G2)に通じて反応槽に供給した。反応槽には75℃に温調した重曹水(濃度5.0%、700ml、pH8.4)を仕込んだ。この反応槽にナトリウム含有アルミニウム水溶液(溶解アルミニウム成分4.88質量%、水酸化ナトリウム濃度31.1質量%)を滴下した。滴下開始より2分後から反応槽のpHを9.00±0.03に制御しつつ、流量コントローラー付き液体供給ポンプを介して上記ナトリウム含有アルミニウム水溶液を100ml滴下した。さらに反応中は攪拌翼によって250±5rpmの回転速度で常時攪拌を継続した。滴下終了後、75℃で1時間熟成の後、反応生成物を得た。この結果を表1に示した。また、製造したドーソナイト粒子の粒度分布を図3に示した。
〔比較例6〕
実施例と同様の炭酸ガスを混合したガスをガラスボールフィルター(木下式503G2)に通じて反応槽に供給した。反応槽には実施例と同様の重曹水を仕込んだ。この反応槽に実施例と同様のナトリウム含有アルミニウム水溶液を滴下した。滴下開始より2分後から反応槽のpHを9.00±0.03に制御しつつ、流量コントローラー付き液体供給ポンプを介して上記ナトリウム含有アルミニウム水溶液を500ml滴下した。さらに反応中は攪拌翼によって250±5rpmの回転速度で常時攪拌を継続した。滴下終了後、80℃で1時間熟成の後、反応生成物を得た。この結果を表1に示した。また、製造したドーソナイト粒子の粒度分布を図3に示した。
実施例と同様の炭酸ガスを混合したガスをガラスボールフィルター(木下式503G2)に通じて反応槽に供給した。反応槽には実施例と同様の重曹水を仕込んだ。この反応槽に実施例と同様のナトリウム含有アルミニウム水溶液を滴下した。滴下開始より2分後から反応槽のpHを9.00±0.03に制御しつつ、流量コントローラー付き液体供給ポンプを介して上記ナトリウム含有アルミニウム水溶液を500ml滴下した。さらに反応中は攪拌翼によって250±5rpmの回転速度で常時攪拌を継続した。滴下終了後、80℃で1時間熟成の後、反応生成物を得た。この結果を表1に示した。また、製造したドーソナイト粒子の粒度分布を図3に示した。
比較例1,2,3はアルカリ性アルミニウム含有水溶液に炭酸ガスを吹き込む方法で合成した例であり、比較例4,5,6は重曹水溶液に炭酸ガス含有空気を吹き込みつつ、その液にアルカリ性アルミニウム含有水溶液を滴下して合成した例である。比較例1〜6は何れも炭酸ガスを強制的に微細化した供給するものではないので、これらの方法で得られたドーソナイト粒子は、表1に示すように、粒度分布式における均等数[n]が何れも4未満であり、粒子径の均一性が実施例より低い。また、比較例1〜6のドーソナイト粒子は図3に示すように、図2に示す本発明のドーソナイトの粒子よりも粒度分布が広い。
一方、本発明の実施例1〜5の方法で得たドーソナイト粒子は、粒度分布式における均等数[n]が何れも4以上であり粒子径の均一性が大幅に高い。また、図2に示すように、粒度分布の幅が狭く、分布がシャープである。
実施例1〜4、比較例1〜3について、生成物に含まれるドーソナイトと水酸化アルミニウムの割合を表2に示した。アルカリ性アルミニウム含有水溶液に炭酸ガスを吹き込む方法で合成した比較例1,2,3は何れも水酸化アルミニウムの生成割合が多く、従ってドーソナイトの生成割合(D/A比)が低い。一方、重曹水溶液に炭酸ガス含有空気を吹き込みつつ、その液にアルカリ性アルミニウム含有水溶液を滴下して合成した実施例1〜実施例4はドーソナイトの生成割合が多く、従ってドーソナイトの生成割合(D/A比)が高い。
Claims (5)
- ロジン−ラムラ粒度分布式における均等数が4以上であること特徴とするドーソナイト微粒子。
- 平均粒子径が5.0μm〜50.0μmであって、ロジン−ラムラ粒度分布式における均等数が4以上である均一な粒径を有する請求項1に記載するドーソナイト微粒子。
- ナトリウムおよびアルミニウム含有水溶液に炭酸を反応させて製造したドーソナイト微粒子であって、平均粒子径5.0μm〜50.0μm、ロジン−ラムラ粒度分布式における均等数4以上である均一な粒径を有する請求項1または請求項2に記載するドーソナイト微粒子。
- 炭酸ガスが供給されている炭酸水または重曹水に、ナトリウムおよびアルミニウム含有水溶液を少量ずつ添加してドーソナイト沈澱を生成させる方法において、炭酸ガスを強制的に微細化した微細気泡の炭酸ガスを供給することによって、ロジン−ラムラ粒度分布式における均等数が4以上であるドーソナイト微粒子を製造することを特徴とするドーソナイト微粒子の製造方法。
- 炭酸ガスを強制的に微細化した微細気泡の炭酸ガスが供給されている炭酸水または重曹水に、pH7.5〜pH10.5の液性下で、ナトリウムおよびアルミニウム含有水溶液を少量ずつ添加してドーソナイト沈澱を生成させる請求項4に記載するドーソナイト微粒子の製造方法。
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---|---|---|---|
JP2008082198A JP2009234843A (ja) | 2008-03-26 | 2008-03-26 | ドーソナイト微粒子とその製造方法。 |
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Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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CN103969162A (zh) * | 2014-05-09 | 2014-08-06 | 山东科技大学 | 一种基于数据融合的矿井煤尘浓度测量的方法及装置 |
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2008
- 2008-03-26 JP JP2008082198A patent/JP2009234843A/ja active Pending
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