JP2009233692A - 射出ポンプ用主筒およびこれを用いたホットチャンバダイカストマシン - Google Patents

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Abstract

【課題】内筒および外筒の二層構造の射出ポンプ用主筒において、内筒と外筒との境界部から金属溶湯の漏れを防ぐことのできる射出ポンプ用主筒およびホットチャンバダイカストマシンを提供する。
【解決手段】金属溶湯3を押圧するプランジャ11が挿入される内筒2bと、内筒2bを囲繞する外筒2cとからなり、押圧された金属溶湯3を成形型に注入する湯道2aを外筒2cの内部に備え、外筒2cから内筒2bに挿入されたキャップ部材2dの内部に設けられた接続湯道28を介して、内筒2bの内側から湯道2aに金属溶湯3が注入される射出ポンプ用主筒2である。押圧された金属溶湯3を成形型に注入する湯道2aを外筒2cの内部に備え、外筒2cから内筒2bに向かってキャップ部材2dが挿入されていることにより、内筒2bと外筒2cとの間の境界部はキャップ部材2dに覆われ、境界部から金属溶湯3が漏れるのを防ぐことができる。
【選択図】図2

Description

本発明は、鉛,亜鉛,錫,マグネシウム,アルミニウムおよびこれらの合金等の金属溶湯の鋳造に用いられる射出ポンプ用主筒およびこれを用いたホットチャンバダイカストマシンに関する。
チャンバーが金属の溶湯(以下、金属溶湯と称す。)中に配置されるホットチャンバ方式のダイカスト鋳造法は、生産性が高い、鋳物中のガス含有量が少ない、省エネを実現できる、環境を汚染しない、自動化が容易である等の利点があることから、鉛,亜鉛,錫,マグネシウム,アルミニウムおよびこれらの合金等の画期的な鋳造方法であると期待されている。
また、より大きな鋳造品を得る、またはより高い生産性を得るために、ホットチャンバ方式の大型化したダイカストマシンのニーズが近年増大している。このニーズに応えるホットチャンバダイカストマシンには、成形型に押圧された金属溶湯を射出するための射出ポンプの大型化、特に、射出ポンプを構成するプランジャを内部に挿入して金属溶湯を押圧する射出ポンプ用主筒の大型化が不可欠である。
また、従来の射出ポンプ用主筒は、高温の金属溶湯中で継続使用可能な耐熱性と、プランジャの摺動による磨耗に耐える耐磨耗性とが必要であることからセラミックスが用いられてきたが、射出ポンプ用主筒の大型化には、大きな押圧力に耐えるために射出ポンプ用主筒の厚さを厚くする必要がある。しかしながら、セラミックスを厚くすると、焼結時の緻密化が十分でなく、機械的特性が低下するという問題があった。
このような問題に対して、ホットチャンバダイカストマシンや射出ポンプ用主筒として特許文献1において図4に示すものが提案されている。
図4は、特許文献1で提案されているホットチャンバダイカストマシンの断面図であり、(a)は正面から見た縦断面図であり、(b)は(a)の右側面から見た縦断面図である。
このホットチャンバダイカストマシン40は、セラミックスにより形成された射出ポンプ用主筒42と、射出ポンプ用主筒42の側面に連結して、金属溶湯43を成形型44に射出するノズル45とを円筒状の保持筒46で支持している。この保持筒46はフランジ50に挿入して支持され、フランジ50はその上方に配置された油圧シリンダー61を保持する構造体62における中間部に対向突設された支持部49にボルト63で押え板64とともに固定されている。
さらに、ホットチャンバダイカストマシン40では、炉体48に保持された金属溶湯槽47の下部に配置されたヒーター52によって加熱された金属溶湯43が、保持筒46の側面に形成された連通孔53を通って、射出ポンプ用主筒42の側面の貫通孔54から射出ポンプ用主筒42内に入り、貫通孔54を塞ぐようにして下降してくるプランジャ51により押されて、射出ポンプ用主筒42内に形成された湯道42aからノズル45,スプルーブッシュ55,ランナー部56を順次通って、固定金型44aと可動金型44bとからなる成形型44に射出される。このように射出ポンプ用主筒42と、この射出ポンプ用主筒42内を往復運動するプランジャ51とにより射出ポンプが構成され、この射出ポンプにノズル5を加えて射出機構が構成されている。
ノズル45は、保持筒46の側面に設けられたノズル挿入孔57に挿入され、射出ポンプ用主筒42の湯道42aの出口にリング状シール58を介して接合されており、ノズル45の成形型44への流出端が冷えないようにノズルヒーター59によって加熱されている。また、綿状セラミック堰60は、ノズル45の周りから金属溶湯43が漏れないように封止するものである。
金属溶湯43の圧入機構は、カップリング65を介して上下運動する油圧シリンダー61から作用力を受けるようにプランジャ51を連結した機構であり、金属溶湯43を成形型44に射出する作用が与えられている。また、射出ポンプ用主筒42は、主筒押さえボルト66と端子67とで保持筒46の段部46aに押さえられて、油圧シリンダー61の上下運動により、浮き上がらないようにしている。また、射出ポンプ用主筒42と保持筒46との間には、ピンやキー(図示しない)等の回り止め手段が設けられて、相互の回転が防止されている。この射出ポンプ用主筒42は、金属溶湯43を押圧するプランジャ51が挿入される内筒42bと、内筒42bを囲繞する外筒42cとからなるものであり、内筒42bと外筒42cとの境界部に湯道42aが形成されており、その材質が窒化珪素質焼結体であることが記載されている。
このように、射出ポンプ用主筒42が内筒42bおよび外筒42cの二層構造からなるため、十分に緻密化した窒化珪素質焼結体の両者の厚さの合計が所定の厚さに達すればよく、大型化に対応することができるというものである。
特開2004−141965号公報
しかしながら、特許文献1に記載の射出ポンプ用主筒42は、内筒42bおよび外筒42cの二層構造からなるために、射出ポンプ用主筒42の厚さを厚くして大型化に対応することができるものの、射出ポンプ用主筒42に掛かる押圧力の大きさによっては、押圧された金属溶湯43が内筒42bと外筒42cとの境界部に形成された湯道42aを通るときに、内筒42bと外筒42cとの境界部から金属溶湯43が漏れるおそれがあった。
本発明は、上記課題を解決すべく案出されたものであり、内筒および外筒の二層構造の射出ポンプ用主筒において、内筒と外筒との境界部から金属溶湯の漏れを防ぐことのできる射出ポンプ用主筒およびこれを用いたホットチャンバダイカストマシンを提供することを目的とする。
本発明の射出ポンプ用主筒は、金属溶湯を押圧するプランジャが挿入される内筒と、該内筒を囲繞する外筒とからなり、押圧された前記金属溶湯を成形型に注入する湯道を前記外筒の内部に備え、前記外筒から前記内筒に挿入されたキャップ部材の内部に設けられた接続湯道を介して、前記内筒の内側から前記湯道に前記金属溶湯が注入されることを特徴とするものである。
また、本発明の射出ポンプ用主筒は、上記構成において、前記キャップ部材が前記外筒の外側に位置するフランジ部を有することを特徴とするものである。
また、本発明の射出ポンプ用主筒は、上記各構成において、前記キャップ部材が前記外筒から前記内筒に向けてテーパ形状であることを特徴とするものである。
また、本発明の射出ポンプ用主筒は、上記各構成において、前記キャップ部材が窒化珪素質焼結体からなることを特徴とするものである。
また、本発明のホットチャンバダイカストマシンは、上記構成のいずれかの本発明の射出ポンプ用主筒を用いたことを特徴とするものである。
本発明の射出ポンプ用主筒によれば、金属溶湯を押圧するプランジャが挿入される内筒と、内筒を囲繞する外筒とからなり、押圧された金属溶湯を成形型に注入する湯道を外筒の内部に備え、外筒から内筒に挿入されたキャップ部材の内部に設けられた接続湯道を介して、内筒の内側から湯道に金属溶湯が注入されることにより、内筒と外筒との間の境界部はキャップ部材に覆われているので、内筒と外筒との境界部から金属溶湯が漏れるのを防ぐことができる。
また、本発明の射出ポンプ用主筒によれば、キャップ部材が外筒の外側に位置するフランジ部を有するときには、内筒とキャップ部材との境界部および外筒とキャップ部材との境界部に金属溶湯が入り込んだとしても、フランジ部の段差によって、金属溶湯が射出ポンプ用主筒の外へ漏れることを抑制することができる。
また、本発明の射出ポンプ用主筒によれば、キャップ部材が外筒から内筒に向けてテーパ形状であるときには、内筒を囲繞した外筒に嵌め合わせるときに、設けられた孔に挿入しやすい。また、キャップ部材と外筒および内筒との接触面積が増加するので、金属溶湯の漏れをより効果的に抑制することができる。
また、本発明の射出ポンプ用主筒は、キャップ部材が窒化珪素質焼結体からなるときには、窒化珪素質焼結体は金属溶湯との濡れ性が低いので、金属溶湯の付着が起こりにくいため、湯道の一部として機能するキャップ部材の内部に設けられた接続湯道の内面に金属溶湯が付着して金属溶湯の流れを妨げることがなく、長期間にわたって良好に成形型へ金属溶湯を射出することができる。
さらに、本発明のホットチャンバダイカストマシンは、本発明の射出ポンプ用主筒を用いたことにより、射出ポンプ用主筒から金属溶湯が漏れることが少なく、長時間にわたって良好に成形型へ金属溶湯を射出することができるので、自動車部品をはじめ超精密部品や産業機械から身近な電機製品に至るまで、生産効率を落とすことなく鋳造品を製造することができる。
以下、本発明の射出ポンプ用主筒およびこれを用いたホットチャンバダイカストマシンについて説明する。
図1は、本発明のホットチャンバダイカストマシンの実施の形態の一例を示す断面図であり、(a)は正面から見た縦断面図であり、(b)は(a)の右側面から見た縦断面図である。
図1に示す例の本発明のホットチャンバダイカストマシン1は、鉛,亜鉛,錫,マグネシウム,アルミニウムおよびこれらの合金等の金属溶湯の鋳造に用いられるものである。このホットチャンバダイカストマシン1は、セラミックスにより形成された射出ポンプ用主筒2と、射出ポンプ用主筒2の側面に連結して、金属溶湯3を成形型4に射出するノズル5とを、円筒状の保持筒6で支持している。この保持筒6はフランジ10に挿入されて支持され、フランジ10はその上方に配置された油圧シリンダー21を保持する構造体22における中間部に対向突設した支持部9に、ボルト23で押え板24とともに固定してある。
さらに、このホットチャンバダイカストマシン1では、炉体8に保持された金属溶湯槽7の下部に配置してあるヒーター12によって加熱された金属溶湯3が、保持筒6の側面に形成された連通孔13を通って、射出ポンプ用主筒2の側面の貫通孔14から射出ポンプ用主筒2に入り、貫通孔14を塞ぐようにして下降してくるプランジャ11により押されて、射出ポンプ用主筒2内に形成された湯道2aからノズル5,スプルーブッシュ15,ランナー部16を順次通って、固定金型4aと可動金型4bとで構成される成形型4に射出される。このように、射出ポンプ用主筒2と、この射出ポンプ用主筒2内を往復運動するプランジャ11とにより射出ポンプが構成され、この射出ポンプにノズル5を加えて射出機構が構成されている。
ノズル5は、保持筒6の側面に設けたノズル挿入孔17に挿入され、射出ポンプ用主筒2の湯道2aの出口にリング状シール18を介して接合されており、ノズル5の成形型4への流出端が冷えないようにノズルヒーター19によって加熱されている。また、綿状セラミック堰20は、ノズル5の周りから金属溶湯3が漏れないように封止するものである。
金属溶湯3の圧入機構は、カップリング25を介して上下運動する油圧シリンダー21から作用力を受けるようにプランジャ11を連結した機構であり、金属溶湯3を成形型4に射出する機能を有している。また、射出ポンプ用主筒2は、主筒押さえボルト26と端子27とで保持筒6の段部6aに押さえつけて、油圧シリンダー21の上下運動によって浮き上がらないようにしてある。また、射出ポンプ用主筒2と保持筒6との間には、ピンやキー(図示しない)等の回り止め手段を設けて、相互の回転を防止している。
図2は、本発明の射出ポンプ用主筒の実施の形態の一例を示す断面図である。なお、この断面図には、プランジャによって金属溶湯が押圧された状態を示すため、プランジャおよび金属溶湯が付加してある。
この図2に示す例のように、本発明の射出ポンプ用主筒2は、金属溶湯3を押圧するプランジャ11が挿入される内筒2bと、内筒2bを囲繞する外筒2cとからなり、押圧された金属溶湯3を成形型4に注入する湯道2aを外筒2cの内部に備え、外筒2cから内筒2bに挿入されたキャップ部材2dの内部に設けられた接続湯道28を介して、内筒2bの内側から湯道2aに金属溶湯3が注入されることを特徴としている。
従来、内筒2bおよび外筒2cの二層構造からなる射出ポンプ用主筒2においては、プランジャ11によって押圧される押圧力の大きさによっては、金属溶湯3が通る湯道2aに存在する内筒2bと外筒2cとの境界部から金属溶湯3が漏れるおそれがあったが、このように、押圧された金属溶湯3を成形型4に注入する湯道2aを外筒2cの内部に備え、外筒2cから内筒2bに向かってキャップ部材2dが挿入されていることにより、内筒2bと外筒2cとの間の境界部はキャップ部材2dに覆われているので、内筒2bと外筒2cとの間の境界部から金属溶湯3が漏れるのを防ぐことができる。
また、金属溶湯3は、キャップ部材2dの内部に設けられた接続湯道28を介して内筒2bの内側から湯道2aに注入されるため、キャップ部材2dと内筒2bおよび外筒2cとが同じ材質であれば、キャップ部材2dの周囲の内筒2bや外筒2cよりもキャップ部材2dは金属溶湯3の熱による膨張が大きいので、内筒2bとキャップ部材2dとの境界部および外筒2cとキャップ部材2dとの境界部に金属溶湯3が入り込むことを効果的に抑制することができる。
図3は、本発明の射出ポンプ用主筒の実施の形態の他の例を示す断面図であり、(a)は外筒の外側に位置するフランジ部を有するキャップ部材が設けられている射出ポンプ用主筒の断面図であり、(b)は外筒から内筒に向けてテーパ形状であるキャップ部材が設けられている射出ポンプ用主筒の断面図である。なお、図2と同様に、この断面図には、プランジャによって金属溶湯が押圧された状態を示すため、プランジャおよび金属溶湯が付加してある。
この図3(a)に示す例のように、本発明の射出ポンプ用主筒2は、キャップ部材2dが外筒2cの外側に位置する、外筒2cの外面に嵌まり込むように設けられた、フランジ部を有することが好ましい。キャップ部材2dが外筒2cの外側に位置するフランジ部を有していれば、内筒2bとキャップ部材2dとの境界部および外筒2cとキャップ部材2dとの境界部に金属溶湯3が入り込んだとしても、フランジ部の段差によって、金属溶湯3の漏れ出しを抑えることができるので、金属溶湯3が射出ポンプ用主筒2の外へ漏れることを抑制することができる。
また、フランジ部は、フランジ部以外の部分よりも大きく、段差を形成しており、金属溶湯3が射出ポンプ用主筒2の外へ漏れることを抑制するものであれば、フランジ部の形状は種々の形状とすることが可能である。例えば、フランジ部以外の部分が有底円筒形であったとき、有底円筒形の外周よりもフランジ部の外周が大きくて有底円筒形の外周との間で段差となる円形状や多角形状であればよい。
また、図3(b)に示す例のように、本発明の射出ポンプ用主筒2は、キャップ部材28が外筒2cから内筒2bに向けてテーパ形状(先細り形状)であることが好ましい。キャップ部材28が外筒2cから内筒2bに向けてテーパ形状であれば、内筒2bを囲繞した外筒2cに嵌め合わせるときに、設けられた孔に挿入しやすい。また、キャップ部材2dと外筒2cおよび内筒2bとの接触面積が増加するので、金属溶湯3をより効果的に漏れにくくすることができる。外筒2cの外側にフランジ部を有していれば、さらに金属溶湯3の漏れを抑制することができる。
また、キャップ部材2dのテーパ形状の角度については、上記効果を良好に達成する上では、1°以上30°以下の角度であることが好ましい。テーパ形状の角度が1°未満では、得られる上記効果が小さく、テーパ形状の角度が30°を超えると、角度が付き過ぎて内筒2bの底の厚さを厚くしなければならなくなり好ましくない。
また、本発明の射出ポンプ用主筒2のキャップ部材2dの材質としては、窒化珪素,炭化珪素,ジルコニア,コージェライトあるいはこれらの複合体も適用可能である。中でも、機械的特性や耐熱衝撃性等の磁器特性とアルミニウムやアルミニウム合金等からなる金属溶湯3に対する濡れ性とを考慮すると、窒化珪素質焼結体から構成されることが好ましい。キャップ部材2dが窒化珪素質焼結体からなるときには、窒化珪素質焼結体は金属溶湯3との濡れ性が低いので、金属溶湯3の付着が起こりにくいため、湯道2aの一部として機能するキャップ部材2dの内部に設けられた接続湯道28の内面に金属溶湯3が付着して金属溶湯3の流れを妨げることがなく、長期間にわたって良好に成形型4へ金属溶湯3を射出することができる。
また、このように優れた本発明の射出ポンプ用主筒2をホットチャンバダイカストマシン1に用いれば、射出ポンプ用主筒2から金属溶湯3が漏れることが少なく、長時間にわたって良好に成形型4へ金属溶湯3を射出することができるので、自動車部品をはじめ超精密部品や産業機械から身近な電機製品に至るまで、生産効率を落とすことなく鋳造品を製造することができる。
次に、本発明の射出用ポンプ主筒の製造方法について説明する。
まず、射出ポンプ用主筒2を構成する内筒2bおよび外筒2cを製造する。平均粒径が0.5〜10μmの窒化珪素1次原料と、所定量の焼結助剤,バインダ,溶媒とを混合してスラリーとした後、スプレードライヤーにより噴霧造粒して2次原料を得る。そして、この2次原料を用いて静水圧プレス成形法(ラバープレス法)により、所定寸法の有底円筒形の内筒2b,および円筒形の外筒2cとなる成形体を成形する。その後、この成形体に切削加工を施して、貫通孔14,湯道2a,キャップ部材2dを挿入する孔等を設け、還元雰囲気炉中で1800〜2100℃の温度で焼成し、必要に応じて仕上げの研削加工を施して、窒化珪素質焼結体からなる有底円筒形の内筒2bおよび円筒形の外筒2cを得る。
また、キャップ部材2dについては、射出ポンプ用主筒2を構成する内筒2bおよび外筒2cと同様の2次原料を用いて、静水圧プレス成形法により所定寸法の有底円筒形のキャップ部材2dとなる成形体を成形する。その後、この成形体に切削加工を施して湯道2aに繋がる孔等を設け、射出ポンプ用主筒2と同様の焼成方法を用いて焼成することにより、キャップ部材2dを得ることができる。
その後、焼嵌めにより外筒2cに内筒2bを嵌め込み、さらに、内筒2bを囲繞した外筒2cのキャップ部材2dを挿入する孔に焼嵌めによりキャップ部材2dを嵌め込むことにより、本発明の射出ポンプ用主筒2を得ることができる。また、この本発明の射出ポンプ用主筒2を図1に示す例のホットチャンバダイカストマシン1の保持筒6内に設置することにより、本発明の射出ポンプ用主筒2を備えたホットチャンバダイカストマシン1とすることができる。
以下、本発明の実施例を具体的に説明する。
(実施例1)
本発明の射出ポンプ用主筒2と従来の二層構造の射出ポンプ用主筒とをそれぞれ作製して、ホットチャンバダイカストマシンに取り付けて運転し、金属溶湯3の漏れがないかを確認する試験を実施した。
まず、図2に示す例の本発明の射出ポンプ用主筒2を窒化珪素質焼結体にて作製した。YおよびAlをそれぞれ1質量%以下で含む、純度が99.5%であり、平均粒径が1μmの窒化珪素1次原料粉末を準備し、この窒化珪素1次原料粉末100質量%に対して、バインダを1質量%,分散剤を0.5質量%以下,溶媒を100質量%加えてスラリーとした後、噴霧造粒装置(スプレードライヤー)にて造粒して2次原料を得た。そして、この2次原料をゴム製の成形型(ラバー型)に充填する静水圧プレス成形法(ラバープレス法)により、有底円筒形の内筒2b,円筒形の外筒2cおよび有底円筒形のキャップ部材2dとなる成形体を成形した。次に、切削加工を施し、有底円筒形の内筒2bおよび円筒形の外筒2cに貫通孔14,湯道2a,キャップ部材2dを挿入する孔を設け、キャップ部材2dに湯道2aに繋がる孔を設けた。しかる後、これらの成形体を焼成炉にて窒素雰囲気中1900℃の最高温度で焼成し、焼成後に仕上げの研削加工を施すことにより、本発明の射出ポンプ用主筒2を構成する内筒2b,外筒2cおよびキャップ部材2dを得た。
なお、内筒2bの寸法は、外径が60mm,内径が40mm,高さが100mm,底の厚さが25mmであり、外筒2cの寸法は、外径が120mm,内径が60mmである。また、キャップ部材2dの寸法は、外径が22mm,接続湯道28となる内径が15mmである。なお、内筒2bおよび外筒2cには、金属溶湯3が入り込むφ20mmの貫通孔14とキャップ部材2dを挿入するφ20mmの孔とが設けてあり、キャップ部材2dには、湯道2aに繋がるφ15mmの孔が設けてある。
そして、焼嵌めにより外筒2cに内筒2bを嵌め込み、さらに、内筒2bを囲繞した外筒2cのキャップ部材2dを挿入する孔に焼嵌めによりキャップ部材2dを嵌め込むことにより、本発明の射出ポンプ用主筒2を得た。
次に、比較例として、キャップ部材2dが設置されていない従来の二層構造の射出ポンプ用主筒を作製した。上記同様の作製方法により、内筒および外筒を成形し、切削加工により貫通孔および湯道を設け、窒素雰囲気中1900℃の最高温度で焼成し、焼成後に仕上げの研削加工を施した。そして、焼嵌めにより外筒に内筒を嵌め込み、従来の射出ポンプ用主筒を得た。
そして、本発明の射出ポンプ用主筒2と従来の射出ポンプ用主筒とを、2台用意したホットチャンバダイカストマシンの保持筒6内にそれぞれ1台ずつ設置し、プランジャ11にて金属溶湯3を押圧して成形型4内に射出し、成形を実施した。120時間連続して成形を実施した後、それぞれのホットチャンバダイカストマシンから射出ポンプ用主筒を取り外し、目視で金属溶湯3の漏れがないかを確認した。
その結果、従来の二層構造の射出ポンプ用主筒は、保持筒6内に内筒と外筒との境界部からのものと考えられる金属溶湯3の漏れが確認され、射出ポンプ用主筒を保持筒6より取り外そうとしても、漏れた金属溶湯3が冷却されて固まっており、射出ポンプ用主筒を取り外すことができなかった。これと比較して、本発明の射出ポンプ用主筒2は、容易に取り外すことができ、内筒2b,外筒2cおよびキャップ部材2dの境界部からの金属溶湯3の漏れは確認されなかった。
(実施例2)
次に、実施例1で作製した図2に示す例のキャップ部材2dを有する本発明の射出ポンプ用主筒2と、図3(a),(b)に示す例のキャップ部材2dを有する本発明の射出ポンプ用主筒2とをそれぞれ作製し、ホットチャンバダイカストマシンに取り付けて運転し、金属溶湯3の漏れがないかを確認する試験を実施した。
まず、図2に示す例のキャップ部材2dを有する本発明の射出ポンプ用主筒2を実施例1と同様の作製方法により作製した。次に、図3(a)に示す例の外筒2cの外側にφ30mmで高さが5mmのフランジ部を有するキャップ部材2d−2を作製し、外筒2cにフランジ部を挿入する孔の加工以外は同様の作製方法にて、本発明の射出ポンプ用主筒2−2を作製した。さらに、図3(b)に示す例の外筒2cの外側にφ30mmで高さが5mmのフランジ部を有し、外筒2c側の外周が26mmであり、内筒側の外周が20mmとなるテーパ形状であるキャップ部材2d−3を作製し、外筒2cおよび内筒2bのキャップ部材2d−3を挿入する孔の加工以外は同様の作製方法にて、本発明の射出ポンプ用主筒2−3を作製した。
便宜上、図2に示す例のキャップ部材2dを有する本発明の射出ポンプ用主筒2を射出ポンプ用主筒2−1、図3(a)に示す例のキャップ部材2dを有する本発明の射出ポンプ用主筒2を射出ポンプ用主筒2−2、図3(b)に示す例のキャップ部材2dを有する本発明の射出ポンプ用主筒2を射出ポンプ用主筒2−3とする。
これらの射出ポンプ用主筒2−1〜3を、3台用意したホットチャンバダイカストマシン1の保持筒6内にそれぞれ1台ずつ設置し、押圧力を10MPaと20MPaとで成形を実施した。
その結果、10MPaの押圧力で成形を実施した後の確認では、本発明の全ての射出ポンプ用主筒2−1〜3において、金属溶湯3の漏れは全く確認されなかった。しかしながら、20MPaとより高い押圧力で成形を実施した後の確認では、フランジ部を有していない射出ポンプ用主筒2−1は、外筒2cの側面のキャップ部材2dとの境界部からわずかに金属溶湯3の漏れが確認された。これと比較して、射出ポンプ用主筒2−2および2−3は、金属溶湯3の漏れは確認されず、キャップ部材2dがフランジ部を有する、テーパ形状であることによって、金属溶湯3の漏れの抑制により効果があることが分かった。
また、このように優れた本発明の射出ポンプ用主筒2をホットチャンバダイカストマシン1に用いれば、射出ポンプ用主筒2から金属溶湯3が漏れることが少なく、長時間にわたって良好に成形型4へ金属溶湯3を射出することができるので、自動車部品をはじめ超精密部品や産業機械から身近な電機製品に至るまで、生産効率を落とすことなく鋳造品を製造することができることが分かった。
本発明のホットチャンバダイカストマシンの実施の形態の一例を示す断面図であり、(a)は正面から見た縦断面図であり、(b)は(a)の右側面から見た縦断面図である。 本発明の射出ポンプ用主筒の実施の形態の一例を示す断面図である。 本発明の射出ポンプ用主筒の実施の形態の他の例を示す断面図であり、(a)は外筒の外側に位置するフランジ部を有するキャップ部材が設けられている射出ポンプ用主筒の断面図であり、(b)は外筒から内筒に向けてテーパ形状であるキャップ部材が設けられている射出ポンプ用主筒の断面図である。 従来のホットチャンバダイカストマシンの断面図であり、(a)は正面から見た縦断面図であり、(b)は(a)の右側面から見た縦断面図である。
符号の説明
1:ホットチャンバダイカストマシン
2:射出ポンプ用主筒
2a:湯道
2b:内筒
2c:外筒
2d:キャップ部材
3:金属溶湯
4:成形型
4a:固定金型
4b:可動金型
5:ノズル
6:保持筒
6a:段部
7:金属溶湯槽
8:炉体
9:支持部
10:フランジ
11:プランジャ
12:ヒーター
13:連通孔
14:貫通孔
15:スプルーブッシュ
16:ランナー部
17:ノズル挿入孔
18:リング状シール
19:ノズルヒーター
20:綿状セラミック堰
21:油圧シリンダー
22:構造体
23:ボルト
24:押え板
25:カップリング
26:主筒押さえボルト
27:端子
28:接続湯道

Claims (5)

  1. 金属溶湯を押圧するプランジャが挿入される内筒と、該内筒を囲繞する外筒とからなり、押圧された前記金属溶湯を成形型に注入する湯道を前記外筒の内部に備え、前記外筒から前記内筒に挿入されたキャップ部材の内部に設けられた接続湯道を介して、前記内筒の内側から前記湯道に前記金属溶湯が注入されることを特徴とする射出ポンプ用主筒。
  2. 前記キャップ部材が前記外筒の外側に位置するフランジ部を有することを特徴とする請求項1に記載の射出ポンプ用主筒。
  3. 前記キャップ部材が前記外筒から前記内筒に向けてテーパ形状であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の射出ポンプ用主筒。
  4. 前記キャップ部材が窒化珪素質焼結体からなることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の射出ポンプ用主筒。
  5. 請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の射出ポンプ用主筒を用いたことを特徴とするホットチャンバダイカストマシン。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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