JP2009233632A - 屑フィルムの処理装置及び処理方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】狭い投入口を有する粉砕機であっても、4m以上の広幅のミルロールを絞ったり、束ねたりして狭い投入口へ投入するために準備する広いスペースを必要とせず省スペース化が図れる屑フィルムの処理装置及び処理方法を提供する。
【解決手段】4m以上の広幅のプラスチックフィルム1を巻き取った巻物からプラスチックフィルム1を巻き出して、切断刃3でその長手方向に複数に分割し、分割したプラスチックフィルム1をそれぞれ弛ませた状態で搬送し、弛ませた状態で搬送された各分割フィルムの幅をそれぞれ狭幅に絞って、フィルムの分割数に対応した数だけ設けられた狭幅の屑フィルム投入口を有する粉砕機8へ投入して屑フィルムとする屑フィルムの処理装置と処理方法である。
【選択図】図1
【解決手段】4m以上の広幅のプラスチックフィルム1を巻き取った巻物からプラスチックフィルム1を巻き出して、切断刃3でその長手方向に複数に分割し、分割したプラスチックフィルム1をそれぞれ弛ませた状態で搬送し、弛ませた状態で搬送された各分割フィルムの幅をそれぞれ狭幅に絞って、フィルムの分割数に対応した数だけ設けられた狭幅の屑フィルム投入口を有する粉砕機8へ投入して屑フィルムとする屑フィルムの処理装置と処理方法である。
【選択図】図1
Description
本発明は、プラスチックフィルムの巻物屑を粉砕機に導入して屑フィルムとして処理する装置と方法に関する。
ポリエステルフィルム等の樹脂フィルムの生産において、連続してフィルムを生産する場合に複数の巻取軸を備えて、一つの巻取軸にフィルムが満巻きされると、製膜工程を止めることなく他の空の巻取軸に切り替えて上流側から連続的に送られてくるフィルムを連続的に生産することが一般的に行なわれている。ただし、前述の巻取軸には円筒状の巻取コアが装着されており、フィルムはこの巻取コアの上に巻き取られる。
このとき、前述の巻取コア上に巻き取られたフィルムからなる「巻物」は「ミルロール」などと称される。なお、このミルロールは、その後スリッターによって顧客の注文通りの幅と長さを決めて裁断され、製品ロールとして巻き取られるが、このときミルロールには若干長の残フィルムが生じる。
更に、製造するフィルムの種類を変更したり、厚みを変更したりする際の工程切替え時には、製品として出荷できない過渡状態のミルロールが発生する。これらの残フィルムや、製品とならないフィルムが巻かれたミルロールは、屑フィルムとなるが、これらの屑フィルムは再生処理に供することが行なわれる。
一般に、この再生処理では、特許文献1に開示されているように、屑フィルムを粉砕機で粉砕してフレーク状態にし、その後ペレットにしたり、溶融させて直接製膜工程に供したりすることによりリサイクルされる。しかしながら、特許文献1に開示されているフィルムのリサイクルは、スリッターにより切り落とされた裁落などの狭幅フィルムに係るものである。
ところが、近年、生産の効率化を図るためにミルロールの幅は4mを超え、最近では8mに及ぶものがあり、このような広幅のミルロールの残フィルムを広幅のままで粉砕することができる市販の粉砕機はない。何故ならば、市販の粉砕機の投入口では、1m幅を超えるものがないからである。そこで、従来から、粉砕すべき広幅の残フィルムの幅を狭くなるように絞った上で、これらを束ねて粉砕機へ投入することが一般的な屑フィルムの処理方法として行われている。
しかしながら、フィルムの厚みが75μmを超え、更に100μm以上の厚い腰のある二軸延伸されたポリエステルフィルムともなると、フィルムを折り畳んで容易に束ねることができない。そこで、長い搬送距離を使って長尺のフィルムとして、この長尺フィルムを徐々に絞ってフィルムの幅を狭くしていく必要があった。なお、このフィルム幅を狭く絞る方法としては、腰のある厚いフィルムにおいてはガイドを利用して徐々に絞るのが一般的であり、その際に生じる摩擦力やフィルムを折り畳む力は、粉砕機に投入するために設けられた直前のフィードロールが受け持っている。
このように、前記フィードロールには強い力が作用するので、ゴムロールではフィルムにより削られるため、金属同士のロールでフィルムを挟むことが要求される。しかしながら、金属ローラ同士でフィルムを挟むとなると、ゴムと異なり摩擦力が弱いため、ニップするフィルムに強い摩擦力を作用させることができず、強力なグリップ力を発生することが困難であった。
また、二軸延伸プロセスを持つフィルム製造工程では、クリップが把持するフィルムのエッジ部分を切り取って、切り取ったエッジ部分を引き取ってリサイクルへ供するリサイクル工程を併設している。このため、フィルムのエッジ部分を切り取る工程を有するテンターや巻取機を設置したフロアの更に下のフロアに粉砕機を設けることが多い。
したがって、粉砕すべき前述のミルロールなどはこの床下へミルロール毎搬送して粉砕するか、あるいは、フィルムの繰り出し装置を設置して、上部床に設けた開口から下に落として粉砕機へ投入する必要がある。そうすると、4mを超える幅を持った床開口を設けなければならなくなるが、このような開口を強度が必要な既設の床に設けることは、建屋の補強のためのコストアップや設計の自由度を妨げるものとなる。
特開昭53−091482号公報
以上に説明した従来技術が有する諸問題に鑑み、本発明の目的は、屑フィルムの投入口幅が狭い粉砕機であっても、屑フィルム処理しなければならない4m以上の広幅フィルムを巻き取ったミルロールのような広幅の屑フィルムの幅を徐々に絞って狭くするための搬送距離を長く取る必要がなく、更に、広幅フィルムを束ねて粉砕機の投入幅に合わせて屑フィルムを投入する必要もなくして、フィルムの広範な作業領域と煩雑な処理を必要とせず広幅フィルムを粉砕処理できる屑フィルムの処理装置及び処理方法とを提供することにある。
また、広幅の屑フィルムを巻き取ったミルロールの巻き出しスタンドを巻取機と同じフロアに設置し、更にその下のフロアに粉砕機を設けた場合に、フィルムを下のフロアに供給するための開口が大きくなり過ぎてフロアの梁部材のような強度部材と干渉してしまい効率的なレイアウトを取ることができず省スペース化が図れないという問題を解消することにある。
ここに、前記課題は下記の(1)〜(11)に係る発明によって解決される。
(1) 4m以上の広幅のプラスチックフィルムを巻き取った巻物から前記プラスチックフィルムを巻き出すための手段と、前記プラスチックフィルムを長手方向に複数に分割するための切断刃と、前記各分割プラスチックフィルムをそれぞれ弛ませた状態で搬送する手段と、弛ませた状態で搬送される前記各分割プラスチックフィルムの幅をそれぞれ狭幅に絞るための手段と、前記各分割プラスチックフィルムの分割数に対応して設けられた狭幅の屑フィルム投入口を有する粉砕機とを少なくとも備えたことを特徴とする屑フィルムの処理装置。
(1) 4m以上の広幅のプラスチックフィルムを巻き取った巻物から前記プラスチックフィルムを巻き出すための手段と、前記プラスチックフィルムを長手方向に複数に分割するための切断刃と、前記各分割プラスチックフィルムをそれぞれ弛ませた状態で搬送する手段と、弛ませた状態で搬送される前記各分割プラスチックフィルムの幅をそれぞれ狭幅に絞るための手段と、前記各分割プラスチックフィルムの分割数に対応して設けられた狭幅の屑フィルム投入口を有する粉砕機とを少なくとも備えたことを特徴とする屑フィルムの処理装置。
(2) 前記プラスチックフィルムをニップするためのニップローラと、前記ニップローラとの間でニップしたフィルムを前記プラスチックフィルムを巻き出すための手段から引き出す駆動ローラとを備えたことを特徴とする(1)に記載の屑フィルムの処理装置。
(3) 前記切断刃が回転しないレザー刃、回転式のレザー刃又はシェア刃であることを特徴とする(1)又は(2)に記載の屑フィルムの処理装置。
(4) 前記レザー刃の刃先が入る溝部を有するガイドローラが付設されたことを特徴とする(3)に記載の屑フィルムの処理装置。
(5) 前記各分割プラスチックフィルムの弛み量をそれぞれ測定するセンサーを備え、更に前記各センサーによって測定した前記各分割プラスチックフィルムのそれぞれの弛み量をフィードバックして前記各弛み量をそれぞれ独立に所定量に制御する手段を備えたことを特徴とする(1)〜(4)の何れかに記載の屑フィルムの処理装置。
(6) 前記各分割プラスチックフィルムの弛み量をそれぞれ測定するセンサーが超音波式距離計であることを特徴とする(1)〜(5)の何れかに記載の屑フィルムの処理装置。
(7) 少なくとも前記巻き出し手段と前記切断刃とを同じフロアに設置すると共に、前記粉砕機をその下のフロアに設置し、更に前記切断刃によって分割裁断された各分割プラスチックフィルムがそれぞれ通過する開口を互いに離間させて設けたことを特徴とする、(1)〜(6)の何れかに記載の屑フィルムの処理装置。
(8) 前記粉砕機がフィルムのフィードロールを備え、前記フィードロールの速度を制御することによって前記前記各弛み量をそれぞれ独立に所定量に制御することを特徴とする(1)〜(7)の何れかに記載の屑フィルムの処理装置。
(9) 4m以上の広幅のプラスチックフィルムを巻き取った巻物からフィルムを巻き出し、前記プラスチックフィルムを長手方向に複数に分割し、分割した各プラスチックフィルムを弛ませた状態でそれぞれ搬送し、弛ませた状態で搬送される前記各プラスチックフィルムの幅を絞り、各分割プラスチックフィルムの分割数に対応して分割数分の台数が設けられた狭幅の屑フィルム投入口を有する粉砕機へ前記各分割プラスチックフィルムをそれぞれ投入することを特徴とする屑フィルムの処理方法。
(10) 前記各分割プラスチックフィルムを弛ませる前記状態をフィルムの弛み量を実測し、その弛みが予め設定した一定範囲に収まるようにフィルムの弛み量を制御しながら前記各分割プラスチックフィルムを粉砕機に導いて粉砕することを特徴とする(9)に記載の屑フィルムの処理方法。
(11) 前記プラスチックフィルムが二軸延伸ポリエステルフィルムであって、その厚みが80〜400μmであることを特徴とする、(9)又は(10)に記載の屑フィルムの処理方法。
本発明の装置と方法によれば、屑フィルム処理しなければならない広幅フィルムに対して、その投入口の幅が狭い粉砕機を用いる際に、広幅フィルムを切断刃によって長手方向で裁断して、複数の狭幅フィルムに分割している。このため、従来技術のように広幅の残フィルムの幅が狭くなるように徐々に絞った上で、更にこれらを束ねて粉砕機の投入幅に合わせて屑フィルムを投入する必要がない。
何故ならば、本発明では複数の狭幅フィルムに分割された屑フィルムを最初から使用しているのでその幅を大きく絞ることが必要でなくなり、また、これらを束ねて粉砕機へ投入する必要もなくなるからである。しかも、4mを越える広幅の屑フィルムからなるミルロールであっても、切断刃によって長手方向に分割し、分割した屑フィルムを分割数に対応した数だけ設けた狭幅の粉砕機で粉砕処理しているため、広幅の屑フィルムであっても一度に同時処理することが可能である。
また、本発明の装置と方法によれば、ミルロールの巻き出しスタンドとフィルムの長手方向に分割裁断する切断装置を同じフロアに設置すると共に、その下のフロアに粉砕機を設けたとしても、広幅の屑フィルムを上部フロアで長手方向に裁断して複数の狭幅屑フィルムに分割しているので、下のフロアに分割した屑フィルムをそれぞれ供給するために設ける開口も分割することができ、しかも、これらの開口はフロアの梁のような強度部材と干渉することなく設けることができ、効率的なレイアウトを取ることができ、しかも、フィルムは極端に絞ることも必要なくなるので、搬送距離を長く取る必要もないので省スペース化も図れる。
以下、図面を参照しながら本発明の実施の形態を詳細に説明する。
図1は、本発明の屑フィルムの処理装置と処理方法を説明するための説明図であって、符号1はプラスチックフィルムが巻かれたミルロール、符号2a,2b及び2cはガイドロール、符号3は刃、符号4は駆動ロール、符号5はニップロール、符号6は弛みセンサー(超音波レベル計)、符号7はフィードロール、そして、符号8は粉砕機をそれぞれ示す。
図1は、本発明の屑フィルムの処理装置と処理方法を説明するための説明図であって、符号1はプラスチックフィルムが巻かれたミルロール、符号2a,2b及び2cはガイドロール、符号3は刃、符号4は駆動ロール、符号5はニップロール、符号6は弛みセンサー(超音波レベル計)、符号7はフィードロール、そして、符号8は粉砕機をそれぞれ示す。
以上に説明したように構成される屑フィルム処理装置の実施形態例において、図示省略したスタンドにセットされたミルロールに巻かれたプラスチックフィルム(以下、単に「フィルム」とも言う)は、ガイドロール2を介して駆動ロール4によって駆動されてスタンド(図示せず)から巻き出される。このとき、この駆動ロール4には図示したようにニップロール5が設けられており、駆動ロール4との間で巻き出されたフィルムをニップする構成を採る。
なお、ミルロール1をセットしてフィルムを巻き出すためのスタンド(図示せず)は、特にその方式を限定するものではないが、軸受けを内蔵したチャックキングヘッドで巻取コアを両端で把持するものなど周知のものを使用することができる。更には、複数のコロで巻取コアの表面を受けて転がすものでも良い。
ただし、フィルムの巻き出しに際して、回転トルクが低すぎて慣性でフィルムを送り出してしまうようでは安定したフィルムの分割裁断ができない。そこで、パウダークラッチなどの回転トルクの調節手段を適宜設けて駆動ロール4との間でフィルムに適度な張力が発生するようにすることも好ましい態様である。
このとき、図1に例示したように、ガイドロール2aに対して切断刃3を設けてフィルムを長手方向に裁断する。なお、本発明用いるプラスチックフィルムについては、特に限定する必要はないが、このフィルムを長手方向(フィルムの幅方向に対して直角方向をいう)に裁断する際にフィルムが裂けることが無く良好に切断されるように、適切な切断方法を用いる必要がある。このとき、用いる切断刃3としては、フィルムが二軸延伸ポリエステルフィルムであれば、回転しないレザー刃、回転式のレザー刃又はシェア刃のいずれでも良い。ただし、安定した切断を可能とするため、レザー刃においては、溝部にレザー刃の刃先が入り込むように溝付のバックアップロールを設けることが望ましい。また、回転刃を用いる場合であっても、切断刃3を回転させずにフィルムを切断できるのであれば、切断刃3の回転駆動は必須ではない。
その際、長手方向へフィルムを分割裁断する時の分割数は、ミルロール1のフィルム幅、適用する粉砕機8の投入口サイズ、粉砕機8までのフィルムの搬送距離などの条件によって適宜最適な分割数を採用すべきであることは言うまでもない。なお、一般的に、ミルロール1のフィルム幅は4m〜8mであり、また、粉砕機8の投入口サイズは1mに満たないケースがほとんどであるから、フィルムを束ねて投入するとしても少なくても2分割が必要である。ただし、分割数が多過ぎると粉砕機8への最初のフィルム通し作業が煩雑になるので、最大で4分割が現実的である。
本発明においては、以上に説明したフィルムの分割の後に、粉砕機8の投入口サイズに収まるようにするために、フィルムの幅を絞ることが要求され、このためにガイドロール2bとニップロール5を付設した駆動ロール4とを使用したフィルムの弛み制御を行なう。このフィルムの弛み制御において、前記ガイドロール2bを設置する本数としては少なくとも1本必要であるが、複数本のガイドロール2bを横並びに設けても良い。ただし、この場合には、その合計のガイドロール2bの長さはミルロール1のフィルム幅の全幅以上でなければならない。
次に、前記ニップロール5のニップ幅であるが、このニップ幅もフィルムの全幅と同じにする必要はないが、少なくとも切断刃3の両側にはニップロール5を設ける必要がある。ただし、フィルム通しの作業性を考慮すると、使用する粉砕機8の台数毎にそれぞれ2本ずつのニップローラ5を裁断したフィルムの両端部に設け、フィルムを部分的にニップするのが望ましい。何故ならば、フィルムの両端部を部分的にニップすると共に、ニップする間隔を裁断したフィルム幅よりも狭めることによって、既にニップした時点から裁断フィルムの絞りを開始することができるからである。
以上に説明したニップロール5によるフィルムのニップの後、粉砕機8までの間にフィルムを弛ませるスペースを設けて、既に説明したフィルムの弛み制御を行なうが、この制御を行なうためにセンサー6でその弛み量を測定する。この弛みを測定するセンサー6については、フィルムの弛み量を所定の精度で検出できるものであれば特に限定するものではない。なお、弛み制御の方式は本発明の要旨を満足する限りにおいて特に限定する必要はない。
しかしながら、例えば、予め設定した破砕機8側の引き取り速度に対して、センサー6で得られた距離情報と予め設定された目標距離との間の距離偏差を求め、その差異分に所定の係数を掛けて前記距離偏が所定の値より小さくなるように粉砕機8のフィードロール7の速度を変更するPID制御を行なうことができる。
しかし、粉砕機8まで搬送されたフィルムは粉砕機8に設けられた幅規制ガイドにより絞られており、また、屑フィルムとされて製品でないが故に、皺などが入って平面性が悪いフィルムが繰り出される可能性もあるので、平面性や反射角度の影響を受け難い周知の超音波式距離計を弛み量を測定するためのセンサー6として用いるのが望ましい。なお、このような周知の超音波式距離計は、超音波の発信部と受信部とを備え、発信した超音波がフィルムに当って跳ね返ってくる間の時間を計測して距離を測定するものである。
以上に説明したフィルムの弛み制御の後に、弛ませたフィルムを投入する粉砕機8が設けられる。なお、図1に例示したフィルム用の粉砕機8は、一般的に市販されている構成のものであり、屑フィルムを投入する投入口の直後に、金属製のフィードロール7が設けられており、その下に固定刃(図示せず)と回転刃(図示せず)、そして、粉砕した屑フィルムのフレークサイズ(粉砕サイズ)を決定するスクリーン(図示せず)を有する。
最後に、本発明を適用するための特に好ましいフィルムについて付言しておくと、その厚みが大きくて、しかも、剛直なポリマーからなるものに対して大きな効果を奏する。この点から言えば、このようなフィルムとして、二軸延伸ポリエステルフィルムであって、その厚みが80〜400μmであるもの、より好ましくはその厚みが100μm〜200μmであるものに適用した場合に大きな効果を奏する。
以下、実施例により本発明の屑フィルムの処理方法を詳述する。
屑フィルム処理するプラスチックフィルムとして2軸延伸ポリエステルフィルムからなるフィルムであって、このフィルムの厚みが100μm〜180μmのものを用いて、テンター出口でフィルムのエッジ部を除去後に巻取機によって鉄製の巻取コア上に巻き取った。このとき巻き取ったフィルム幅は約5000mmであり、このフィルムを巻取コアの表面で片側2個のコロによって支えて巻取コアを転がしながら巻き出しスタンドにミルロールとしてセットした。なお、このとき用いたフィルムには、厚みを調整中のものもあり、長手方向にも幅方向にも80〜200μm位の範囲で大きな変動があるものもあった。
屑フィルム処理するプラスチックフィルムとして2軸延伸ポリエステルフィルムからなるフィルムであって、このフィルムの厚みが100μm〜180μmのものを用いて、テンター出口でフィルムのエッジ部を除去後に巻取機によって鉄製の巻取コア上に巻き取った。このとき巻き取ったフィルム幅は約5000mmであり、このフィルムを巻取コアの表面で片側2個のコロによって支えて巻取コアを転がしながら巻き出しスタンドにミルロールとしてセットした。なお、このとき用いたフィルムには、厚みを調整中のものもあり、長手方向にも幅方向にも80〜200μm位の範囲で大きな変動があるものもあった。
次に、フリーで回転するレザー刃からなる切断刃の刃先が溝に入り込む構造を有する溝付のバックアップロールを有する切断装置へ上記フィルムをガイドロールを介して導いた。ただし、用いたバックアップロールはクロムメッキを施し、強制駆動されずに自由回転するフリーロールとした。ただし、回転レザー刃は圧縮空気の力で作動する流体圧シリンダーによって前後方向へ移動するように構成されており、最初にミルロールからフィルムを引き出す際には、フィルムを切断せずに搬送できるようにフィルムから離間するように構成されている。なお、本実施例では、回転レザー刃を一組だけ設けて、フィルムを概ね等分に長手方向へ2分割できるようにした。
次いで、上記回転レザー刃によって裁断されて分割されたフィルムは、フィルム幅より若干広い約5500mm幅のクロムメッキを施した駆動ロールを通して、約2500mmの長さで床に設けられた2ヶ所の開口を通って、床下に落とした。なお、2ヶ所の床開口は床の構造梁のために、互いに500mm強の間隔を置いて離れており、この開口を通過する時点で既にフィルムは幅方向を前記開口部に設けたステンレス鋼製ガイドで規制されている。
このようにして床下に降りてきたフィルムは再びフリー回転するメッキロールでガイドされ、もう1本のフリー回転のガイドロールとの間で形成された弛みエリアを通過させた後、2台の粉砕機((株)ホーライ、型式B05b-35108TRFS)に分割したフィルムをそれぞれ同時に供給した。なお、前記弛みエリアは高さ及び長さとも約2mであり、5000mm幅の屑フィルムの幅を絞る場合と比較すると、その長さは約1/3であった。
ただし、屑フィルムの粉砕に用いた粉砕機の投入口の開口幅は約900mmであり、前述の弛みエリア以降でフィルムの幅を規制するステンレス鋼製のガイド棒でフィルム幅を絞った。なお、粉砕機の投入口には安全のために作業者の手が届かない深さにメッキロール2本によってフィルムを引き取るフィードロールが設けてあり、フィルムの粉砕は2枚の固定刃と3枚の回転刃からなる粉砕手段によって行なった。また、前記回転刃の回転数は一定であって、フィルムの粉砕量はスクリーンのメッシュサイズとフィードロールの速度で決まることになるが、フィルムの材質、厚み、滑り易さなどの条件に対応して適宜その設定値を最適なものに変えた。
さらに、弛みエリアの上部フロア(天井)には、分割裁断された各々のフィルムパスの直上に2個の超音波距離計(竹中電子工業(株)、型式US−1AH)を設けた。これらの超音波距離計は、フィルムが弛んで2本のガイドロール間で垂れ下がった時のフィルムの高さを常時監視していて、フィルムの高さが高くなると粉砕機のフィードロールの速度を落として、弛みを大きくしている。逆に、フィルムの高さが低くなるとフィードロールの速度を上げて弛み量を減らすようにフィルムの弛み量を制御した。なお、床上のニップロールの回転速度とほぼ同速になるのは2本のガイドロール間でピンと張ったフィルムパスから500mm程度下がった状態であった。また、このフィルムの弛み量制御は2分割したフィルムをそれぞれ供給する2台の粉砕機の各フィードロールについて完全にそれぞれ独立に制御した。更に、フィルムの弛み量を測定するためのセンサー(超音波距離計)がフィルムを検知できない状態が生じた場合は、フィルムが切れて搬送されてこなくなったか、あるいは巻き出すミルロール上にフィルムが無くなった状態である。したがって、このような場合には、粉砕室及び床上の繰り出し装置の傍でもアラームを作動させるようにした。
1:フィルムのミルロール
2a,2b,2c:ガイドロール
3:刃
4:駆動ロール
5:ニップロール
6:弛みセンサー(超音波レベル計)
7:フィードロール
8:粉砕機
2a,2b,2c:ガイドロール
3:刃
4:駆動ロール
5:ニップロール
6:弛みセンサー(超音波レベル計)
7:フィードロール
8:粉砕機
Claims (11)
- 4m以上の広幅のプラスチックフィルムを巻き取った巻物から前記プラスチックフィルムを巻き出すための手段と、前記プラスチックフィルムを長手方向に複数に分割するための切断刃と、前記各分割プラスチックフィルムをそれぞれ弛ませた状態で搬送する手段と、弛ませた状態で搬送される前記各分割プラスチックフィルムの幅をそれぞれ狭幅に絞るための手段と、前記各分割プラスチックフィルムの分割数に対応して設けられた狭幅の屑フィルム投入口を有する粉砕機とを少なくとも備えたことを特徴とする屑フィルムの処理装置。
- 前記プラスチックフィルムをニップするためのニップローラと、前記ニップローラとの間でニップしたフィルムを前記プラスチックフィルムを巻き出すための手段から引き出す駆動ローラとを備えたことを特徴とする、請求項1に記載の屑フィルムの処理装置。
- 前記切断刃が回転しないレザー刃、回転式のレザー刃又はシェア刃であることを特徴とする、請求項1又は請求項2に記載の屑フィルムの処理装置。
- 前記レザー刃の刃先が入る溝部を有するガイドローラが付設されたことを特徴とする、請求項3に記載の屑フィルムの処理装置。
- 前記各分割プラスチックフィルムの弛み量をそれぞれ測定するセンサーを備え、更に前記各センサーによって測定した前記各分割プラスチックフィルムのそれぞれの弛み量をフィードバックして前記各弛み量をそれぞれ独立に所定量に制御する手段を備えたことを特徴とする、請求項1〜4の何れかに記載の屑フィルムの処理装置。
- 前記各分割プラスチックフィルムの弛み量をそれぞれ測定するセンサーが超音波式距離計であることを特徴とする、請求項1〜5の何れかに記載の屑フィルムの処理装置。
- 少なくとも前記巻き出し手段と前記切断刃とを同じフロアに設置すると共に、前記粉砕機をその下のフロアに設置し、更に前記切断刃によって分割裁断された各分割プラスチックフィルムがそれぞれ通過する開口を互いに離間させて設けたことを特徴とする、請求項1〜6の何れかに記載の屑フィルムの処理装置。
- 前記粉砕機がフィルムのフィードロールを備え、前記フィードロールの速度を制御することによって前記前記各弛み量をそれぞれ独立に所定量に制御することを特徴とする、請求項1〜7の何れかに記載の屑フィルムの処理装置。
- 4m以上の広幅のプラスチックフィルムを巻き取った巻物からフィルムを巻き出し、前記プラスチックフィルムを長手方向に複数に分割し、分割した各プラスチックフィルムを弛ませた状態でそれぞれ搬送し、弛ませた状態で搬送される前記各プラスチックフィルムの幅を絞り、各分割プラスチックフィルムの分割数に対応して分割数分の台数が設けられた狭幅の屑フィルム投入口を有する粉砕機へ前記各分割プラスチックフィルムをそれぞれ投入することを特徴とする屑フィルムの処理方法。
- 前記各分割プラスチックフィルムを弛ませる前記状態をフィルムの弛み量を実測し、その弛みが予め設定した一定範囲に収まるようにフィルムの弛み量を制御しながら前記各分割プラスチックフィルムを粉砕機に導いて粉砕することを特徴とする、請求項9に記載の屑フィルムの処理方法。
- 前記プラスチックフィルムが二軸延伸ポリエステルフィルムであって、その厚みが80〜400μmであることを特徴とする、請求項9又は請求項10に記載の屑フィルムの処理方法。
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JP2008086361A JP2009233632A (ja) | 2008-03-28 | 2008-03-28 | 屑フィルムの処理装置及び処理方法 |
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2008086361A JP2009233632A (ja) | 2008-03-28 | 2008-03-28 | 屑フィルムの処理装置及び処理方法 |
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JP (1) | JP2009233632A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
TWI579051B (zh) * | 2015-04-14 | 2017-04-21 | 奇美實業股份有限公司 | 膜材粉碎裝置 |
-
2008
- 2008-03-28 JP JP2008086361A patent/JP2009233632A/ja active Pending
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TWI579051B (zh) * | 2015-04-14 | 2017-04-21 | 奇美實業股份有限公司 | 膜材粉碎裝置 |
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