JP2009233597A - 排ガス浄化用触媒およびその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 活性成分を有効活用して、排気ガスの浄化効率を向上させることのできる排ガス浄化用触媒およびその製造方法を提供すること。
【解決手段】 排ガス浄化用触媒を製造する方法において、まず、多数の流通孔6が形成された触媒担体5を用意する。次いで、多数の流通孔6の流通方向にガスを流した場合に、触媒担体5の断面53において、ガスの流速が、相対的に速くなる第1の領域11と、相対的に遅くなる第2の領域12とを決定する。次いで、第1の領域内11内に位置する流通孔6を閉塞する。そして、触媒担体5を活性成分で被覆することにより排ガス浄化用触媒を得る。
【選択図】図1

Description

本発明は、排ガス浄化用触媒の製造方法およびその製造方法により製造される排ガス浄化用触媒に関する。
自動車などの内燃機関から排出される排気ガスは、例えば、エキゾーストマニホールド内を整流されながら通過して外部に排気される。エキゾーストマニホールドの下流側直下には、浄化触媒が配置されている。この浄化触媒により、排気ガスに含まれる炭化水素(HC)、窒素酸化物(NOx)および一酸化炭素(CO)などが浄化される。
ところが、エキゾーストマニホールドと浄化触媒との距離が短いと、排気ガスが整流される前に浄化触媒に流入する。そのため、排気ガスが、均一に分配されずに浄化触媒内を通過し、十分に浄化されないという不具合がある。
このような不具合に対応すべく、例えば、1インチあたり300〜400個のセル細孔が形成された断面楕円形のハニカム担体(ハニカム担体には、触媒が担持されている。)からなり、その排気入口側の一部に、楕円面の長径方向の外周から流通断面と平行に貫通する横孔が多段に複数個穿設された浄化材が知られている(特許文献1参照。)。
特開平6−170240号公報
しかるに、上記したような浄化材では、浄化材に流入した排気ガスを、横孔に流入させて流れの少ないセル細孔方向に分散させることにより、横孔の下流側においては、浄化材における排気流量の均等化を図ることができるものの、浄化材における横孔の上流側では、やはり、排気ガスの流れの速い領域と遅い領域とが存在する。
流れの速い領域では、単位時間あたりの触媒に対する排気ガスの接触時間が短いので、排気ガスの浄化効率が低い。また、流れの速い領域に排気ガスの流れが集中するので、当該領域以外の領域、つまり、排気ガスの流れの遅い領域では、セル細孔における排気ガスの流通量が少なくなり、触媒が有効活用されていない。
そのため、浄化材全体としての浄化効率が低下するという不具合がある。
本発明の目的は、活性成分を有効活用して、排気ガスの浄化効率を向上させることのできる排ガス浄化用触媒およびその製造方法を提供することにある。
上記目的を達成するために、本発明の排ガス浄化用触媒の製造方法は、多数の流通孔が形成された触媒担体を用意する工程と、多数の前記流通孔の流通方向にガスを流した場合に、前記触媒担体における前記流通方向に直交する断面において、ガスの流速が、相対的に速くなる第1領域と、相対的に遅くなる第2領域とを決定する工程と、前記第1領域内に位置する前記流通孔を閉塞する工程と、前記触媒担体を活性成分で被覆する工程とを備えることを特徴としている。
この方法によれば、ガスの流速が相対的に速くなる第1領域内に位置する流通孔が閉塞される。そのため、この方法により製造される排ガス浄化用触媒へ排気ガスを流した場合には、第1領域内の流通孔における排気ガスの流通を規制することができる。その結果、第2領域内の流通孔へ排気ガスを均一に分散させることができるので、第2領域の活性成分を有効活用することができる。
そして、第2領域内の流通孔では、排気ガスと活性成分とを十分に接触させることができるので、排気ガスを良好に浄化することができる。その結果、排気ガスの浄化効率を向上させることができる。
また、本発明の排ガス浄化用触媒は、活性成分で被覆されるとともに、多数の流通孔が形成された触媒担体を備え、多数の前記流通孔のうち、前記触媒担体における前記流通孔の流通方向に直交する断面の総面積の10〜40%の領域が閉塞されていることを特徴としている。
この構成によれば、多数の流通孔のうち、触媒担体における流通孔の流通方向に直交する断面の総面積の10〜40%の領域が閉塞されている。そのため、当該領域を排気ガスの流速が相対的に速くなる第1領域として区画すれば、第1領域内の流通孔における排気ガスの流通を規制することができる。その結果、第1領域以外の領域、例えば、ガスの流速が相対的に遅くなる第2領域内の流通孔へ、排気ガスを均一に分散させることができるので、第2領域の活性成分を有効活用することができる。
そして、第2領域内の流通孔では、排気ガスと活性成分とを十分に接触させることができるので、排気ガスを良好に浄化することができる。その結果、排気ガスの浄化効率を向上させることができる。
本発明の排ガス浄化用触媒の製造方法によれば、第2領域の活性成分を有効活用して、排気ガスの浄化効率を向上させることのできる排ガス浄化用触媒を提供することができる。
また、本発明の排ガス浄化用触媒によれば、閉塞された流通孔を含む領域を排気ガスの流速が相対的に速くなる第1領域として区画すれば、当該領域以外の領域の活性成分を有効活用して、排気ガスの浄化効率を向上させることができる。
図1は、本発明の排ガス浄化用触媒の製造方法の一実施形態を示す工程図である。
この排ガス浄化用触媒の製造方法では、まず、触媒担体を用意する担体準備工程1を実行する。
図2Aは、担体準備工程1において用意される触媒担体5の概略斜視図である。図2Bは、触媒担体5の概略平面図である。図2Cは、触媒担体5の概略底面図である。
触媒担体5は、例えば、略円柱形状に形成されており、その直径Dが、例えば、70〜120mmであり、その軸線方向の高さHが、例えば、50〜150mmである。触媒担体5には、その軸線方向一方側の一方面51から他方側の他方面52へ貫通する多数の流通孔6が形成されている(図2Aでは、流通孔6を破線で表わしている。)。
また、触媒担体5を形成する材料としては、例えば、コージェライト、アルミナ、シリカ、ムライト、炭化ケイ素、窒化ケイ素および酸化ジルコニウムなどのセラミック材料が挙げられる。なお、以下では、触媒担体5の構造について、上記一方側を上側(平面側)とし、上記他方側を下側(底面側)として説明することがある。
各流通孔6は、例えば、触媒担体5の軸線方向に沿う略四角筒形状に形成されており、触媒担体5の軸線方向が、触媒担体5の一方側と他方側とを流通させる流通方向とされる。また、各流通孔6の平均孔径(1辺の長さ)は、例えば、0.85〜1.30mmである。
そして、多数の流通孔6は、全体として、例えば、平面視および底面視において、各流通孔6が触媒担体5の一方面51全域および他方面52全域に隙間なく形成されるハニカム状(蜂の巣状)に形成されている。
つまり、軸線方向に沿う各流通孔6が隙間なくハニカム状に形成された触媒担体5は、その軸線方向中央を切断する断面を対称面として、その一方側および他方側が面対称に形成されている。
触媒担体5を用意した後には、多数の流通孔6の流通方向にガスを流した場合に、触媒担体5における流通方向に直交する断面(以下、単に断面ということがある。)において、ガスの流速が、相対的に速くなる領域と、相対的に遅くなる領域とを決定する領域決定工程2を実行する。
領域決定工程2では、まず、多数の流通孔6の流通方向にガスを流した場合の、触媒担体5の断面におけるガスの流速の分布を測定する。
図3は、触媒担体5を概念的に自動車の排気装置7に設置したときの概念図である。図4は、図3に示す触媒担体5をIII−IIIで示される切断線で切断したときの断面53におけるガスの流速分布を示す図である。
図3において、排気装置7は、例えば、自動車のガソリンエンジンからの排気ガスを整流するためのエキゾーストマニホールド8と、触媒担体5を収容する触媒カバー9と、排気ガスを外部に排出するためのエキゾーストパイプ10とを備えている。
エキゾーストマニホールド8は、例えば、ガソリンエンジンのシリンダに接続される排気ガス上流側の4本のパイプと、触媒カバー9に接続される下流側の1本のパイプとが一体的に形成される、いわゆる4in1の形状で形成されている。
触媒カバー9は、例えば、触媒担体5と略同一形状の略円筒形状で形成され、その上流側端部がエキゾーストマニホールド8の下流側端部に接続され、その下流側端部がエキゾーストパイプ10の上流側端部に接続される。触媒カバー9には、触媒担体5が、例えば、一方側が上流側、他方側が下流側となるように収容されている。
エキゾーストパイプ10は、例えば、触媒カバー9よりも径の小さい略円筒形状で形成され、その上流側端部が触媒カバー9の下流側端部に接続され、その下流側端部が排気とされる。
そして、多数の流通孔6の流通方向にガスを流した場合の、触媒担体5の断面53におけるガスの流速の分布を測定するには、例えば、触媒担体5が設置された排気装置7の構造をデータ化したCADデータと、このCADデータとリンクしてガスの流速を解析する流体解析ソフトとを用いる。
CADデータのファイルフォーマットとしては、使用される流体解析ソフトの種類により異なるが、例えば、汎用のファイルフォーマットが挙げられ、具体的には、DXF、DWF、DWGなどが挙げられる。
流体解析ソフトとしては、例えば、CADデータとリンクしてガスの流速を解析することができるソフトであれば特に制限されず、汎用の解析ソフトが挙げられる。流体解析ソフトの具体的な市販品としては、例えば、株式会社シーディー・アダプコ・ジャパン製 STAR−CDなどが挙げられる。
そして、流体解析ソフトを用いてガスの流速分布を測定するには、例えば、OS(Operating System:オペレーティングシステム)がインストールされたコンピュータに、流体解析ソフトを読み込ませ、上記したCADデータで特定される排気装置7に、概念的にガスを流して解析する。
流体解析ソフトで解析するときの解析条件としては、CADデータ(とりわけ、エキゾーストマニホールド8の形状のデータ)により異なるが、例えば、エキゾーストマニホールド8に流入させるガス流量を、100〜3000L/minとし、ガス温度を、例えば、100〜800℃とする。
こうして、流体解析ソフトの解析により、図4に示すように、触媒担体5の断面53におけるガスの流速分布が測定される。
領域決定工程2では、次いで、断面53におけるガスの流速分布に基づいて、ガスの流速が、相対的に速くなる領域と、相対的に遅くなる領域とを決定する。
図4において、触媒担体5の断面53には、ガスの流速分布として、その周縁から中央へ向かって広がる略弧状の第1の領域11と、その中央から周縁へ向かって広がる略細長円状の第2の領域12とが全域にわたって分布している。
第1の領域11は、断面53の総面積の10〜40%を占めるように、全てのガス流速の分布のうち相対的にガス流速が速くなる分布を表わす領域であって、例えば、断面53におけるガス流速の平均値よりも、1.5〜3倍以上大きいガス流速の分布により表わされる領域である。具体的には、上記流体解析ソフトの解析条件により異なるが、例えば、15〜30m/s以上のガス流速の分布により表わされる領域である。
一方、第2の領域12は、断面53における第1の領域11以外の領域、つまり、断面53の総面積の60〜90%を占めるように、全てのガス流速の分布のうち相対的にガス流速が遅くなる分布を表わす領域であって、例えば、断面53におけるガス流速の平均値よりも、1.5〜3倍以上大きいガス流速未満の流速の分布により表わされる領域である。具体的には、上記流体解析ソフトの解析条件により異なるが、例えば、15〜30m/s未満のガス流速の分布により表わされる領域である。
つまり、断面53においては、第1の領域11を、第2の領域12よりも相対的にガス流速が速くなる領域として決定し、第2の領域12を、第1の領域11よりも相対的にガス流速の遅くなる領域として決定する。
そして、ガスの流速が、相対的に速くなる第1の領域11と、相対的に遅くなる第2の領域12とを決定した後には、第1の領域11内に位置する流通孔6を閉塞する閉塞工程3を実行する。
図5Aは、流通孔6が閉塞された状態の触媒担体5の概略斜視図である。図5Bは、流通孔6が閉塞された状態の触媒担体5の概略平面図である。図5Cは、流通孔6が閉塞された状態の触媒担体5の概略底面図である。
閉塞工程3では、例えば、触媒担体5の一方面51上における流通孔6の一方端および触媒担体5の他方面52上における流通孔6の他方端、つまり、流通孔6の流通方向における両端を塞ぐことにより、第1の領域11内の流通孔6の一方側と他方側との流通を遮断する。
流通孔6を塞ぐ方法としては、特に制限されず、例えば、第1の領域11内の流通孔6をペースト材により塞ぐ方法などが挙げられる。
第1の領域11内の流通孔6をペースト材により塞ぐには、例えば、ペースト材により塞がない領域、つまり、第2の領域12内の流通孔6を、マスキングテープなどのマスキング材によりマスキングする。
一方、第1の領域11内の流通孔6を塞ぐためのペースト材を調製する。ペースト材を調製するには、例えば、コージェライト、アルミナなど、触媒担体5を形成する材料と同様の材料の粉末と、有機バインダと、水とを所定の重量比で混合する。
そして、第1の領域11内の流通孔6の一方端および他方端から流通孔6内に、調製されたペースト材を注入し、焼成することによりペースト材を硬化させる。
調製されたペーストを流通孔6に注入する方法としては、例えば、ペースト材を、公知の注入機(例えば、ディスペンサなど)により注入する方法、マスキングした触媒担体5をペースト材に浸す方法などが挙げられる。
また、ペースト材を焼成するときの焼成温度は、ペースト材の種類により異なるが、例えば、300〜1500℃である。
こうして、図5A〜図5Cに示すように、第1の領域11内に位置する流通孔6の両端が塞がれた触媒担体5を得る。
そして、第1の領域11内に位置する流通孔6を閉塞した後には、触媒担体5を活性成分で被覆する被覆工程4を実行する。
活性成分としては、例えば、浄化する排気ガスの種類により異なるが、ガソリンエンジンから排出される排気ガスを浄化する場合には、一酸化炭素(CO)、炭化水素(HC)、窒素酸化物(NOx)を浄化できる三元触媒が用いられる。
三元触媒としては、特に制限されず、例えば、触媒金属を固溶および/または担持して含有する担体が挙げられる。
触媒金属としては、例えば、白金(Pt)、ロジウム(Rh)、パラジウム(Pd)などの貴金属、鉄(Fe)、銅(Cu)、コバルト(Co)などの遷移金属が挙げられる。これらは、単独使用または2種以上併用することができる。
担体としては、アルミナ(Al23)、ジルコニア(ZrO2)およびセリア(CeO2)などの耐熱性酸化物、ペロブスカイト型構造、イルメナイト型構造およびホタル石型構造などの結晶構造を有する複合酸化物が挙げられる。なお、担体に触媒金属が固溶されているとは、触媒金属が担体の結晶格子中に配位することにより、担体と触媒金属とが固溶体を形成していることである。一方、担体に触媒金属が担持されているとは、触媒金属が担体に固溶することなく、その表面に保持されていることである。
そして、触媒担体5を活性成分で被覆するには、例えば、上記した活性成分のスラリーを、触媒担体5上にコート層として形成するスラリーコート法が用いられる。
スラリーコート法によりコート層を形成するには、まず、上記した活性成分に、水を加えてスラリーを調製する。
次いで、調製されたスラリーに触媒担体5を浸漬することにより、触媒担体5の外面をスラリーでコーティングするとともに、流通孔6にスラリーを流入させて触媒担体5の内面をスラリーでコーティングする。
次いで、乾燥し、さらに、所定の焼成温度(例えば、300〜1500℃)および焼成時間(例えば、2〜10時間)で焼成する。
こうして、図6に示すように、触媒担体5上に活性成分からなるコート層13が形成された排ガス浄化用触媒14を得る。
このようにして得られる排ガス浄化用触媒14は、例えば、ガソリンエンジン、ディーゼルエンジンなどの内燃機関やボイラなどの、排気ガスの流れ方向下流側において、図3に示す触媒カバー9のような容器内に、例えば、その一方側が上流側となるように、かつ、排気ガスを流したときに第1の領域11が相対的にガス流速の速くなる領域になるように設置される。
そして、この排ガス浄化用触媒14へ排気ガスを流した場合には、排気ガスは、排ガス浄化用触媒14の上流側(一方側)の一方面51から流通孔6へ流入する。このとき、ガス流速が相対的に速くなる第1の領域11内に位置する流通孔6は、その上流側の一方端が塞がれているので、第1の領域11内の流通孔6における排気ガスの流通を規制することができる。
その結果、第2の領域12内の流通孔6へ排気ガスを均一に分散させることができるので、第2の領域12内に位置する触媒担体5の内面(つまり、第2の領域12内に位置する流通孔6内の面)の活性成分を有効活用することができる。
そして、第1の領域11内の流通孔6が閉塞されることにより第2の領域12内の流通孔6内のガス流速は、例えば、5〜15m/sとなるので、第2の領域12内の流通孔6では、排気ガスと活性成分とを十分に接触させることができる。そのため、排気ガスを良好に浄化することができるので、排気ガスの浄化効率を向上させることができる。つまり、上記した排ガス浄化用触媒の製造方法によれば、排気ガスの浄化効率を向上させることのできる排ガス浄化用触媒を提供することができる。
また、閉塞工程3において、第1の領域11内の流通孔6は、当該流通孔6の流通方向における両端を塞ぐことにより閉塞される。そのため、触媒担体5の一方側および他方側、いずれの側からも流通孔6への流体の流入を規制することができる。そのため、閉塞工程3後の被覆工程4において、流通孔6への活性成分(スラリー)の流入を規制することができ、それによって触媒担体5を被覆する活性成分の量を低減することができる。その結果、活性成分のコストを低減することができる。
また、触媒担体5が、その軸線方向中央を切断する断面を対称面とする面対称に形成されていることから、内燃機関やボイラなどの下流側に排ガス浄化用触媒14を設置するときに、排ガス浄化用触媒14の一方側および他方側のどちらの側も排気ガスの上流側にすることができる。つまり、容易に設置することのできる排ガス浄化用触媒を提供することができる。
本発明は、以上の記載に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載した事項の範囲において、種々の設計変更を施すことが可能である。
例えば、前述の実施形態では、触媒担体5におけるガスの流速の分布を測定する方法として、流体解析ソフトを用いて測定する方法を例示したが、触媒担体5におけるガスの流速の分布は、例えば、一方面51にガーゼが貼られた触媒担体5に、着色用インクを混入させたガスを流し、ガーゼに付着したインクの広がり状況や色の濃淡を見ることにより、測定することもできる(例えば、特開平8−320330参照。)。
また、前述の実施形態では、触媒担体5におけるガス流速の異なる領域を、相対的に速くなる第1の領域11および相対的に遅くなる第2の領域12の2つの領域に区別して決定したが、例えば、第2の領域12を、さらに、相対的に速くなる第3の領域および相対的に遅くなる第4の領域の2つの領域に区別し、第1の領域11を閉塞するのに加えて、相対的に遅くなる第4の領域を閉塞してもよい。
第4の領域、つまり、触媒担体5全体として、ガス流速が相対的に遅すぎる領域に位置する流通孔6では、活性成分に接触する排気ガスの絶対量が少ない。
そのため、第4の領域内の流通孔6に排気ガスを流す構成では、通過する排気ガスの流量に対して、活性成分が過剰量である場合がある。
これに対し、第4の領域内の流通孔を閉塞すれば、第3の領域内に位置する触媒担体5の内面(つまり、第3の領域内に位置する流通孔6内の面)の活性成分を一層有効活用することができるとともに、第4の領域内の触媒担体5を被覆する活性成分の量を低減することができる。その結果、活性成分のコストを低減することができる。
また、前述の実施形態では、第1の領域11内の流通孔6は、閉塞工程3において、その一方端および他方端のいずれも塞がれたが、例えば、一方端および他方端のいずれか一方が塞がれてもよい。この場合には、塞がれた側を排気ガスの流れ方向における上流側にして、排ガス浄化用触媒14を排気装置などに設置する。
また、前述の実施形態では、第1の領域11内の各流通孔6に対して、その一方端および他方端のいずれも塞ぐように、ペースト材を注入したが、例えば、公知のDPF(Diesel Particulate Filter)の作製の場合のように、互いに隣接する各流通孔6に対して、一方端および他方端を交互に塞ぐようにペースト材を注入してもよい。つまり、その場合には、第1の領域11内において、一方端の塞がれた流通孔6と他方端の塞がれた流通孔6とが交互に配列される。さらに、第1の領域11内の各流通孔6の全部を埋めるようにペースト材を注入してもよい。
さらに、前述の実施形態では、多数の流通孔6は、全体として、略四角筒形状の各流通孔6が触媒担体5の一方面51全域および他方面52全域に隙間なく形成されるハニカム状に形成されているとしたが、多数の流通孔6は、例えば、全体として、触媒担体5の軸線方向に沿う略三角筒形状、略六角筒形状の各流通孔6が、触媒担体5の一方面51全域および他方面52全域に隙間なく形成されるハニカム状に形成されていてもよい。
次に、本発明を実施例および比較例に基づいて説明するが、本発明は下記の実施例によって限定されるものではない。
実施例1
(1)担体準備工程
多数の四角筒形状の流通孔が形成されたハニカム状触媒担体(日本ガイシ株式会社製
ハニセラム)を用意した。
(2)領域決定工程
上記(1)で用意された触媒担体を、図3に示される構造と同様の排気装置に設置したときの構造をCADデータ化し、流体解析ソフト(株式会社シーディー・アダプコ・ジャパン製 STAR−CD)と、このCADデータとをリンクさせて、触媒担体の流通方向に直交する断面におけるガスの流速分布を測定した。
次いで、触媒担体断面の総面積の20%を占めるように、断面における全てのガス流速の分布のうち相対的にガス流速が速くなる分布を表わす領域(ガス流速の平均値よりも2倍以上大きいガス流速の分布を表わす領域)を、第1の領域として決定し、第1の領域以外の領域を、相対的にガス流速が遅くなる第2の領域として決定した。
(3)閉塞工程
上記(2)で決定した第2の領域内に位置する流通孔をマスキングテープでマスキングした。次いで、マスキングされていない第1の領域内に位置する流通孔に、その流通方向における両端を塞ぐように、ディスペンサを用いてアルミナペーストを注入し、600℃で焼成した。これにより、第1の領域内に位置する流通孔を閉塞した。
(4)被覆工程
第1の領域内に位置する流通孔が閉塞されたハニカム状触媒担体上に、活性成分(PtおよびRhを担持したアルミナ)を、スラリーコート法によりコート層として形成することにより、排ガス浄化用触媒を得た。
比較例1
(2)領域決定工程および(3)閉塞工程を省略した以外は、実施例1と同様の方法により、排ガス浄化用触媒を得た。つまり、(1)で用意されるハニカム状触媒担体全体に、活性成分(PtおよびRhを担持したアルミナ)を、スラリーコート法によりコート層として形成することにより、排ガス浄化用触媒を得た。
評価
実施例1および比較例1で得られた排ガス浄化用触媒に対して、同一の評価方法および同一条件で浄化性能を測定したところ、実施例1の排ガス浄化用触媒の方が、比較例1の排ガス浄化用触媒に比べて、浄化性能に優れていることが確認された。
本発明の排ガス浄化用触媒の製造方法の一実施形態を示す工程図である。 担体準備工程において用意される触媒担体の概略斜視図である。 触媒担体の概略平面図である。 触媒担体の概略底面図である。 触媒担体を概念的に自動車の排気装置に設置したときの概念図である。 図3に示す触媒担体をIV−IVで示される切断線で切断したときの断面におけるガスの流速分布を示す図である。 流通孔が閉塞された状態の触媒担体の概略斜視図である。 流通孔が閉塞された状態の触媒担体の概略平面図である。 流通孔が閉塞された状態の触媒担体の概略底面図である。 排ガス浄化用触媒の概略斜視図である。
符号の説明
1 担体準備工程
2 領域決定工程
3 閉塞工程
4 被覆工程
5 触媒担体
6 流通孔
11 第1の領域
12 第2の領域
14 排ガス浄化用触媒
53 断面

Claims (2)

  1. 多数の流通孔が形成された触媒担体を用意する工程と、
    多数の前記流通孔の流通方向にガスを流した場合に、前記触媒担体における前記流通方向に直交する断面において、ガスの流速が、相対的に速くなる第1領域と、相対的に遅くなる第2領域とを決定する工程と、
    前記第1領域内に位置する前記流通孔を閉塞する工程と、
    前記触媒担体を活性成分で被覆する工程と
    を備えることを特徴とする、排ガス浄化用触媒の製造方法。
  2. 活性成分で被覆されるとともに、多数の流通孔が形成された触媒担体を備え、
    多数の前記流通孔のうち、前記触媒担体における前記流通孔の流通方向に直交する断面の総面積の10〜40%の領域が閉塞されていることを特徴とする、排ガス浄化用触媒。
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