以下、本発明を適用したパチンコ遊技機10に係る一実施形態を、図1〜図32に基づいて説明する。図1に示すように、本実施形態のパチンコ遊技機10の遊技盤11には、ガイドレール12で囲まれたほぼ円形の遊技領域YRが形成され、その遊技領域YR内に本発明の「判定結果表示手段」に相当する表示装置13が備えられている。遊技領域YRのうち表示装置13の下方中央には、第1始動入賞口14A、第2始動入賞口14B、大入賞口15及び外れ球受け入れ口16が、上から順に間隔を開けて並べて設けられている。遊技領域YRのうち表示装置13の下方両側部には、ガイドレール12に沿ってサイドランプ22,22と、一般入賞口20,21とが左右対称に設けられている。また、遊技領域YRのうち表示装置13の左側には、始動ゲート18が設けられ、始動ゲート18の下方のサイドランプ22には、普通図柄表示部18Hが一体に設けられている。さらに、遊技領域YR全体に亘って、図示しない複数の障害釘が起立している。
遊技盤11の前面側は、遊技領域YRに対応したガラス窓10Wを有する前面枠10Zによって覆われている。前面枠10Zのうちガラス窓10Wの縁部には、装飾ランプ35が備えられている。また、前面枠10Zのうちガラス窓10Wより上側の両角部寄り位置には、それぞれスピーカ56S,56Sが設けられている。一方、前面枠10Zのうちガラス窓10Wより下方には、上皿27A及び下皿27Bが上下2段にして設けられている。そして、前面枠10Zのうち右下角部に設けた操作ノブ28を操作することで、上皿27Aに収容された遊技球が遊技盤11の遊技領域YRに向けて弾き出されて遊技が開始される。
また、ガラス窓10Wの下側縁部には、第1の遊技球排出ボタン29Aが備えられ、それを押すと上皿27Aに収容されている遊技球を下皿27Bに移すことができる。また、下皿27Bの上面右寄り位置には、第2の遊技球排出ボタン29Bが備えられ、下皿27Bの下方に図示しない箱を配置して第2の遊技球排出ボタン29Bを押すと、下皿27Bに収容されている遊技球を箱に移すことができる。
下皿27Bの上面左側端部には、本発明の「操作部」に相当するジョグシャトル90が備えられている。ジョグシャトル90は、下皿27Bに固定された円盤形のベース部91から上方に円錐台形状の操作突部92を突出した状態に備え、その操作突部92をベース部91に対して前後と左右に傾ける傾動(スライド)操作と、ベース部91に向けて押す押圧(PUSH)操作とを行うことができる。そして、ベース部91に内蔵したリミットセンサによって、操作突部92が前後、左右、押圧の何れの方向に操作されたかが検出されるようになっている。
次に上記した遊技領域YRにおける所要の各部位について詳説する。始動ゲート18は、遊技球が上下方向に1球ずつ通過可能な幅のゲート構造をなし、ゲートスイッチ30(図2参照)を内蔵している。そして、始動ゲート18を遊技球が通過すると、普通図柄表示部18Hに、例えば、「0」〜「9」までの数字を所定期間に亘って変動表示した後、所定の数字を確定表示する。
第1及び第2の始動入賞口14A,14Bは、上下方向に並んで配置されている。各始動入賞口14A,14Bは、共に遊技盤11から突出した部材の上面に開口を備えた、所謂、ポケット構造をなしている。そして、各始動入賞口14A,14Bに入った遊技球は、遊技盤11に設けた図示しない貫通孔を通って、遊技盤11の裏側に回収される。
上側に配置された第1の始動入賞口14Aは、上方を向いて開放しており、その開口幅は遊技球が1つだけ入る大きさになっている。一方、下側に配置された第2の始動入賞口14Bは、第1の始動入賞口14Aの真下に配置されて上方を向いて開放しており、その開口の左右両側には可動翼片14C,14Cが備えられている。これら両可動翼片14C,14Cは、常には起立状態になっており、両可動翼片14C,14Cに挟まれた第2の始動入賞口14Bの開口幅も、遊技球が1つだけ入る大きさになっている。また、第2の始動入賞口14Bの上方空間は、常には、第1の始動入賞口14Aを構成する部材と可動翼片14C,14Cとで囲まれて、遊技球が入らないようになっている。そして、普通図柄表示部18Hで停止表示された数字図柄が奇数になると、遊技盤11の裏に設けたソレノイド14Sが駆動されて、可動翼片14C,14Cが所定期間(例えば、0.4秒間)に亘って横に倒される。すると、第2の始動入賞口14Bの上方空間が側方に開放し、第1の始動入賞口14Aの両脇を通過した遊技球が可動翼片14Cに受け止められて第2の始動入賞口14Bに案内されるようになる。
始動入賞口14A,14Bに遊技球が入賞すると、始動入賞口14A,14B内に設けた始動口センサ31(図2参照)が遊技球を検出し、その検出信号に基づいて表示装置13が後述するように図柄を変動表示する。なお、表示装置13が図柄を変動表示している間に、始動入賞口14A,14Bに入賞した入賞球は、4個まで保留記憶される。
大入賞口15は、横長に形成されて、常には、可動扉15Tにて閉塞されている。そして、後述する所定条件の成立によって、パチンコ遊技機10が、「大当たり状態」になり、「大当たり遊技」が実行される。その大当たり遊技が実行されると、遊技盤11の裏に設けたソレノイド15S(図2参照)が駆動され、可動扉15Tが所定期間に亘って前側に倒れる。これにより、大入賞口15が開放され、可動扉15Tを案内にして、大入賞口15に多くの遊技球が入賞可能になる。ここで、可動扉15Tが、開放してから閉じるまでの間を「ラウンド」と称すると、1つのラウンドは、可動扉15Tの開放時間が30秒に達したか、又は、大入賞口15に遊技球が10個入賞したか、の何れかの条件が先に満たされた場合に、1回分の「大当たり遊技」が終了する。
大入賞口15の内部には、図示しない継続入賞口と計数入賞口とが設けられている。可動扉15Tが開いたときには、継続入賞口は開放しており、継続入賞口に入賞後、ソレノイド15M(図2参照)が駆動されて、継続入賞口が閉鎖される一方、計数入賞口は開放されたままとなる。そして、継続入賞口内に設けた特定領域センサ(図示しない)が遊技球の入賞を検出すると継続権利が発生して、前述した終了条件(可動扉15Tの開放時間が30秒に達したか、又は、大入賞口15に遊技球が10個入賞したか)を満たしてラウンドが終了した後で、連続して次のラウンドが実行され、最大15ラウンドまで実行される。また、計数入賞口内に設けたカウントセンサ(図示しない)が遊技球の入賞を検出すると、前記継続入賞口への入賞球と合わせて、大入賞口15への入賞球がカウントされ、これらが前記したように計10個に達したか否かがチェックされる。
表示装置13は、表示枠体23の内側に液晶の液晶表示画面34を有し、遊技者は、表示枠体23を通して液晶表示画面34に表示された画像を見ることができる。液晶表示画面34には、図1に示すように、通常は、3つの左、中、右の特別図柄13A,13B,13C(本発明に係る「判定図柄」に相当する)が、横並びに表示されている。これら各特別図柄13A,13B,13Cは、例えば、「0」〜「11」の数字を表記した複数種類のもので構成されており、通常は、各特別図柄13A,13B,13Cごと、所定の種類のものが、液晶表示画面34に確定表示されている。そして、始動入賞口14に遊技球が入賞したときに当否判定を行い、各特別図柄13A,13B,13Cを、上下方向にスクロールして変動表示し、所定時間後に、例えば、左、右、中の順で各特別図柄13A,13B,13Cを停止表示し、このときの、左、中、右の特別図柄13A,13B,13Cの組み合わせによって、当否判定の結果を報知する。具体的には、例えば、当否判定の結果が当たりの場合に、全ての特別図柄13A,13B,13Cが同じ図柄、即ち、ぞろ目になって、遊技が前記した「大当たり状態」となり、「大当たり遊技」が実行されて可動扉15Tが開かれる。
また、各特別図柄13A,13B,13Cを、変動表示後、左、右、中の順で各特別図柄13A,13B,13Cを停止する際に、左、右の各特別図柄13A,13Cが同じ図柄になって先に停止した状態で、中特別図柄13Bが変動表示された状態になる場合がある。この状態を「リーチ」という。
さらに、特別図柄13A,13B,13Cの変動パターンは、図30に示した変動パターンテーブルから選択されて変更される。例えば、変動パターンテーブルには、特別図柄13A,13B,13Cが変動表示されてから停止表示される迄の「変動表示」が複数種類設定されており、何れの変動パターンを選ぶかによって特別図柄13A,13B,13Cの変動表示の演出内容が変更される。
その変動パターンテーブルには、当否判定結果が当たりの場合と外れの場合のデータがそれぞれ設定されている。そして、各変動パターンには、「変動態様カウンタ値」が割り付けられており、始動入賞口14A,14Bに遊技球が入賞した際に取得される変動態様決定用カウンタ(後述する表1の「ラベル−TRND−T1」)の値が、どの変動パターンの「変動態様カウンタ値」と一致したかによって変動パターンのデータが決定される。変動態様決定用カウンタ(ラベル−TRND−T1)は、本発明の「変動パターン選択用カウンタ」に相当する。
図4に示すように、表示装置13の液晶表示画面34には、特別図柄13A,13B,13Cの他に、有効期間図柄87が表示される。本実施形態では、特別図柄13A,13B,13Cの変動表示が行われる「変動表示期間」のうち、所定の「操作有効期間」の間だけジョグシャトル90の操作が有効とされ、その「操作有効期間」の間、有効期間図柄87が表示される。
特別図柄13A,13B,13Cの変動表示中に出現する有効期間図柄87は、図4において符号87Aで示した「PUSH」図柄87Aと、符号87Bで示した「爆弾」図柄87Bとで構成されている。
ジョグシャトル90は、前述したように操作有効期間の間に限り操作することができる。そして、操作有効期間の間に、操作突部92を所定回数(本実施形態では1回)、PUSH(押圧)操作することで、例えば図5に示すように、「爆弾」図柄87Bの導火線に点火される。ここで、有効期間図柄87は、操作有効期間以外では、消えるか透過した状態で表示され、これにより操作有効期間か否かを遊技者に報知する。
図30に示すように、「変動表示期間」及び「操作有効期間」の長さ(実行時間)は、変動パターン毎に予め設定されており、操作有効期間は、変動表示期間より短くなっている。また、変動表示期間内には、操作有効期間と共に、「操作対応演出期間」も設定されている。操作対応演出期間は、操作有効期間におけるジョグシャトル90の操作に応じた演出を行う期間である。操作対応演出期間の長さ(実行時間)も、変動パターン毎に予め設定されている。また、操作対応演出期間は変動表示期間より短くなっており、さらに操作有効期間と操作対応演出期間の合計時間も変動表示期間の総実行時間より短くなっている。なお、変動パターンによっては、操作有効期間及び操作対応演出期間が「0」(無し)のものも存在する。本実施形態では、図30における変動パターン番号4及び8の変動パターンがこれに該当する。以下、操作有効期間及び操作対応演出期間が有る変動パターンを「有設定変動パターン」といい、無いものを変動パターンを「無設定変動パターン」という。
本実施形態では、操作対応演出期間に行う演出表示として、特別図柄13A,13B,13Cによる当否判定結果の表示を、事前に予告表示する予告演出表示が設けられている。具体的には、操作有効期間になると、図4に示すように、液晶表示画面34の右上に「PUSH」図柄87Aと、「爆弾」図柄87Bとが表示される。操作有効期間にジョグシャトル90をPUSH操作すると、「爆弾」図柄87Bの導火線に着火する。その後、操作有効期間が終了するまでの間、導火線が徐々に燃え尽きて短くなる画像が表示される(図5参照)。この画像は、PUSH操作がパチンコ遊技機10に感知されたことを遊技者に報知するためのものであり、本発明に係る「操作対応演出」ではない。そして、操作有効期間の終了時に、有効期間図柄87(「PUSH」図柄87Aと、「爆弾」図柄87B)は液晶表示画面34から消える。その後、操作対応演出期間に移行すると、当否判定結果に応じた予告演出表示が行われる。
当否判定結果が「当たり」である場合に行われる「当たり予告」では、「爆弾」図柄87Bだけが液晶表示画面34の右上に再出現して下部中央に移動し、その後、図6に示すように「打ち上げ花火」の画像が表示される。一方、「外れ」である場合に行われる「ハズレ予告」では、「爆弾」図柄87Bが液晶表示画面34の右上に再出現して中央に移動し、その後、振動してから図7に示すように大爆発を起こす画像が表示される。
図2に示すように、パチンコ遊技機10の後面には、各種制御基板が設けられている。具体的には、パチンコ遊技機10の後面中央には、主制御基板50が設けられ、この主制御基板50に重なるようにして、サブ制御基板52(図2に示されていない)、ランプ制御基板55、音声制御基板56及び表示制御基板57が設けられている。さらに、各基板50,52,55,56,57の下方には、電源基板58、払出制御基板59が備えられ、電源基板58の下方に遊技球発射装置70及び発射制御装置60が備えられている。
図3に示すように、主制御基板50は、CPU51AとRAM51B及びROM51Cを合わせてパッケージしてなるワンチップマイコン51を主要部として備えている。ワンチップマイコン51は、入出力回路54,54を介して、入賞球を検出するためのゲートスイッチ30、始動口センサ31及びその他のセンサ、スイッチ類等から検出信号を受け取り、後述する主制御基板メインプログラムPG1にて処理を行う。そして、その処理結果に応じて、サブ制御基板52及び払出制御基板59と、両基板52,59に接続されたランプ制御基板55、音声制御基板56及び表示制御基板57、発射制御装置60等に制御データを出力して各部位を制御する。
また、図3には示されていないが、主制御基板50とこれらの各制御基板52,59,55,56,60とは、制御データを送受信するパラレル信号線で接続されるとともに、ストローブラインでも接続されている。主制御基板50は制御データを出力する前に、その出力先を特定するためのストローブ信号をこのストローブラインによって送信する。例えば、主制御基板50からサブ制御基板52のみに制御データを出力する場合には、ストローブラインによってサブ制御基板52のみにストローブ信号を出力してから、サブ制御基板52用の制御データを信号線に出力する。
ランプ制御基板55は、主制御基板50からサブ制御基板52を介して受け取った制御データに基づいて発光パターン選択を行い、サイドランプ22、装飾ランプ35、表示枠ランプ23A、前兆ランプ25を点灯させる。
音声制御基板56は、主制御基板50からサブ制御基板52を介して受け取った制御データに基づいてBGMや演出時の音声データを設定し、スピーカ56Sより音声を発生させる。
表示制御基板57は、液晶表示画面34に遊技画像を表示するための画像制御データや画像データ等を記憶する表示用ROM57Cを備える。そして、主制御基板50からサブ制御基板52を介して受け取った制御データに基づき、表示用CPU57Aが、表示用ROM57Cから所定のデータを取り出し、表示用RAM57Bの作業領域にて遊技画像(特別図柄、演出図柄、背景画像、キャラクタ画像、文字画像等)を作成し、液晶表示画面34に表示させる。
払出制御基板59は、各入賞口14,15,20,21への遊技球の入賞に基づいたワンチップマイコン51からの信号や、プリペイドカードユニット150からの信号に基づいて、賞球払出装置62及び貸球払出装置63を駆動して遊技球を上皿27Aに払い出す。
図8には、主制御基板50に備えられたRAM51Bの記憶領域R0が概念的に示されている。この記憶領域R0は、例えば、1バイトずつの複数のアドレス空間に区分されてアドレス(番地)が付されている。そして、所定のアドレス空間で構成されたカウンタ値記憶領域R10が、表1に示した各種の乱数カウンタのデータ格納部として設けられている。また、このアドレス空間は、乱数カウンタの更新領域以外にも、例えば、フラグ等のデータ格納部としても用いられている。さらに、RAM51Bには、CPU51Aの作業領域も備えられている。
図8には、主制御基板50に備えられたRAM51Bの記憶領域R0が概念的に示されている。この記憶領域R0は、例えば、1バイトずつの複数のアドレス空間に区分されてアドレス(番地)が付されている。そして、所定のアドレス空間で構成されたカウンタ値記憶領域R10が、表1に示した各種の乱数カウンタのデータ格納部として設けられている。また、このアドレス空間は、乱数カウンタの更新領域以外にも、例えば、フラグ等のデータ格納部としても用いられている。さらに、RAM51Bには、CPU51Aの作業領域も備えられている。
上記表1における「乱数カウンタ名」の各乱数カウンタは、同表における「数値範囲」の連続した複数個の整数からなるカウンタ値を、所定の処理が実行される度に、1インクリメントしてカウントし、逐次、そのカウント結果、即ち、「カウンタ値」が、図8に示した所定のカウンタ値記憶領域R10に格納される。また、各乱数カウンタのカウント結果が、「数値範囲」の最大値まで達したら、次に「数値範囲」の最小値をカウントする。
そして、始動入賞口14に遊技球が入賞したときに(入賞検出を起因に)、各種カウンタ値群をカウンタ値記憶領域R10に格納(記憶)する。また、カウンタ値記憶領域R10には、上記した4つの保留記憶に対応して、4組の乱数値群が格納(記憶)されるようになっている。そして、このカウンタ値記憶領域R10に格納(記憶)された各乱数値に基づいて大当たり判定や特別図柄13A,13B,13C、変動態様の設定等が行われる。なお、本実施形態では各乱数カウンタの乱数値を入賞検出を起因に取得するが、例えば入賞検出を起因に大当たりカウンタ値(ラベル−TRND−A)と大当たり図柄カウンタ値(ラベル−TRND−AZ1)を取得して、それ以外は変動開始時に取得するなど、取得起因を各乱数カウンタによって異ならせてもよいとする。
また、本実施形態では、表1に示した各種カウンタ値の他に、普通図柄判定用カウンタ値が備えられており、RAM51Bには、普通図柄判定用カウンタ値の更新領域及び取得領域が備えられている。
主制御基板50に備えたワンチップマイコン51は、パチンコ遊技機10の電源をオンすると、ROM51Cから図9に示した主制御基板メインプログラムPG1を取り出して、例えば2msec周期でランする。同図に示すように、主制御基板メインプログラムPG1がランされると、まず初期設定が行われる(S1)。初期設定(S1)では、例えば、スタックの設定、定数設定、CPU51Aの設定、SIO、PIO、CTC(割り込み時間用コントローラ)の設定や、各種フラグ及びカウンタ値のリセット等を行う。なお、初期設定(S1)は、主制御基板メインプログラムPG1が、電源投入後の1回目にランされたときだけ実行され、それ以降は実行されない。
初期設定(S1)に次いで、割り込みが禁止され(S2)、特別図柄主要乱数更新処理(S3)が実行される。この特別図柄主要乱数更新処理(S3)では、上記表1に示した各カウンタ値が更新される。更新された各カウンタ値は、RAMの記憶領域R0(図8参照)のうち、カウンタ値記憶領域R10とは別に設けられた更新値記憶領域(図示せず)に逐一記憶され、この特別図柄主要乱数更新処理(S3)が終了する。
特別図柄主要乱数更新処理(S3)が終了すると、割り込みが許可され(S4)、主制御基板4msタイマ割り込み処理(S5)が実行可能となる。主制御基板4msタイマ割り込み処理(S5)は、CPU51Aに割り込みパルスが入力すると、4msec周期で繰り返して実行される。そして、主制御基板4msタイマ割り込み処理(S5)が終了してから、次に主制御基板4msタイマ割り込み処理(S5)が開始されるまでの残余処理期間中(主制御基板4msタイマ割り込み処理(S5)の実行周期である4msescのうち、主制御基板4msタイマ割り込み処理(S5)が終了した後の残り時間)に、特別図柄主要乱数更新処理(S3)による各種カウンタ値の更新処理が複数回に亘って繰り返し実行される。また、割り込み禁止状態のときにCPU51Aに割り込みパルスが入力した場合は、主制御基板4msタイマ割り込み処理(S5)はすぐには開始されず、割り込みが許可(S4)されてから開始される。
主制御基板4msタイマ割り込み処理(S5)について説明する。図10に示すように、主制御基板4msタイマ割り込み処理(S5)では、まず、出力処理(S10)が実行される。この処理(S10)では、以下説明する各処理においてRAM51Bの出力バッファにセットされた制御データをサブ制御基板52、払出制御基板59等に出力する。
出力処理(S10)に次いで行われる入力処理(S11)では、ゲートスイッチ30、始動口センサ31、その他センサ、スイッチ類(図2参照)等の検出信号を取り込み、払出数情報として、RAM51Bの出力バッファに記憶する。また、下皿27Bが満杯になったときに発生する下皿満杯スイッチ32の検出信号も下皿満杯データとして取り込み、RAM51Bの出力バッファに記憶する。
次に行われる普通図柄・特別図柄主要乱数更新処理(S12)では、上記表1に示した各種カウンタ値に加え、普通図柄決定用のカウンタ値が、上記特別図柄主要乱数更新処理(S3)と同様にして更新される。即ち、普通図柄決定用のカウンタ値は、主制御基板4msタイマ割り込み処理(S5)中にのみ更新され、表1に示した各種カウンタ値は、残余処理期間(主制御基板4msタイマ割り込み処理(S5)が終了後、次の主制御基板4msタイマ割り込み処理(S5)が開始されるまでの期間)中にも行われている。
次いで行われる始動スイッチ検出処理(S15)は、図11に示されている。この処理(S15)では、RAM51Bの更新値記憶領域に格納されている各種乱数カウンタ値が取り出され、RAMのカウンタ値記憶領域R10のうち保留記憶数に応じたアドレス空間(図8参照)に格納される。詳細には、まず、始動入賞口14に遊技球が入賞したか否か、即ち、始動入賞口14に備えた始動口センサ31によって遊技球が検出されたか否かがチェックされる(S150)。
ここで、始動入賞口14に遊技球が入賞していなかった場合(S150でno)は、直ちにこの処理(S15)を抜ける。始動入賞口14に遊技球が入賞した場合(S150でyes)には、保留記憶数が4個(上限数)に達しているか否かがチェックされる(S151)。保留記憶数が4個に達している場合(S151でyes)には、新たなカウンタ値の記憶を行わずに、直ちにこの処理(S15)を抜ける。一方、保留記憶数が4個未満であった場合(S151でno)には、保留記憶数を1加算し(S152)、各種カウンタ値を記憶する。詳細には、RAM51Bの更新値記憶領域に記憶されている大当たりカウンタ値(ラベル−TRND−A)を読み出して、RAMのカウンタ値記憶領域R10のうち、保留記憶数に応じたアドレス空間に格納する(S153)。次に、RAM51Bの更新値記憶領域に記憶されている大当たり図柄カウンタ値(ラベル−TRND−AZ1)を読み出して、カウンタ値記憶領域R10のうち、保留記憶数に応じたアドレス空間に格納する(S154)。
なお、始動スイッチ検出処理(S15)では、図示されていないが、リーチ有無決定用カウンタ値(ラベル−TRND−RC)及び予告態様決定用カウンタ値(ラベル−TRND−T1)も更新値記憶領域から取り出されて、記憶領域R10のうち保留記憶数に応じたアドレス空間に格納される。即ち、始動入賞口14への遊技球の入賞を契機として、表1に示した各種乱数カウンタのカウンタ値が取得される。以上が始動スイッチ検出処理(S15)の説明である。
図10に示すように、始動スイッチ検出処理(S15)に次いで、普通動作処理(S16)が行われる。この処理(S16)では、始動ゲート18内に設けたゲートスイッチ30が遊技球の通過を検出したときに、RAM51Bの普通図柄判定用カウンタ値の更新領域からカウンタ値を取得し、RAM51Bに設けられた取得領域に格納する。
普通動作処理(S16)に次いで行われる特別動作処理(S17)は、上記始動スイッチ検出処理(S15)においてRAM51Bのカウンタ値記憶領域R10に格納された各種カウンタ値に基づいて行われる。
特別動作処理(S17)は、図12に示されており、まず、外れ特別図柄作成処理(S170)が行われる。外れ特別図柄作成処理(S170)は、図13に詳細に示されており、まず、RAM51Bの更新値記憶領域から、左外れ図柄カウンタ値(ラベル−TRND−B1)、中外れ図柄カウンタ値(ラベル−TRND−B2)、右外れ図柄カウンタ値(ラベル−TRND−B3)を取得する(S100)。次に、左外れ図柄カウンタ値(ラベル−TRND−B1)と右外れ図柄カウンタ値(ラベル−TRND−B3)とを比較し(S101)、一致していた場合(S101でyes)には、直ちにこの処理(S170)を抜ける。
一致しなかった場合(S101でno)には、外れ図柄カウンタ値(ラベル−TRND−B1,B2,B3)を、RAM51Bのカウンタ値記憶領域R10のうち保留記憶数に応じたアドレス空間に格納する(S102)。
図12に示すように、外れ特別図柄作成処理(S170)に次いで、特別動作ステータスがチェック(S171,S173,S175)され、この特別動作ステータスに応じて特別図柄待機処理(S172)、特別図柄変動処理(S174)、特別図柄確定処理(S176)、特別電動役物処理(S177)の何れかが実行される。
特別動作ステータスが「1」であった場合(S171でyes)、即ち、特別図柄13A,13B,13Cが変動表示中又は「大当たり遊技」中の何れでもない場合には、特別図柄待機処理(S172)が実行される。
特別図柄待機処理(S172)は、図14に示されている。まず、保留記憶数が「0」か否かがチェックされる(S202)。保留記憶数が「0」である場合(S202でyes)、即ち、始動入賞口14への入賞に起因して取得された各種カウンタ値の記憶が無い場合には、液晶表示画面34の表示が待機画面であるか否かがチェックされる(S208)。待機画面である場合(S208でyes)には、待受状態データをRAM51Bの出力バッファに記憶し、直ちにこの処理(S172)を抜ける。一方、待機画面でない場合(S208でno)には、待機画面を設定する処理(S209)を行ってから、この処理(S172)を抜ける。
一方、保留記憶数が「0」ではない場合(S202でno)、即ち、始動入賞口14への入賞に起因して取得された各種カウンタ値の記憶が1つ以上ある場合には、以下に説明する、特別図柄大当たり判定処理(S203)、特別図柄選択処理(S204)、特別図柄変動パターン作成処理(S205)、特別図柄乱数シフト処理(S206)、特別図柄変動開始設定(S207)が行われる。
特別図柄大当たり判定処理(S203)は、「大当たり遊技」の実行の可否を判定する。詳細には、図15に示すように、まず、RAM51Bのカウンタ値記憶領域R10に格納されている大当たりカウンタ値(ラベル−TRND−A)の取得値を読み出す(S310)。次いで、確率変動状態(確変フラグがON)か否かをチェック(S311)して、確率変動状態である場合(S311でyes)には、下記表2に示すように、大当たりカウンタ値(ラベル−TRND−A)が所定の当たり数値、例えば、「1」〜「19」、「397」の何れかと一致したか否かに基づいて、大当たりか否かが判定される(S312)。一方、非確率変動状態である場合(S311でno)には、大当たりカウンタ値(ラベル−TRND−A)が当たり数値、例えば、「3」又は「397」と一致したか否かに基づいて、大当たりか否かが判定される(S313)。そして、何れの場合も「大当たりである」と判定された場合には(S312でyes、S313でyes)、RAM51Bに格納された大当たりフラグがオンされ(S314)、「大当たりではない」と判定された場合には(S312でno、S313でno)、何もせずに(大当たりフラグをオフのままにして)この処理(S203)を抜ける。以上が特別図柄大当たり判定処理(S203)の説明である。なお、本実施形態では、特別図柄大当たり判定処理(S203)が、本発明に係る「当否判定手段」に相当する。
図14に示すように、特別図柄大当たり判定処理(S203)に次いで特別図柄選択処理(S204)が実行される。特別図柄選択処理(S204)は、図16に示されており、まず、大当たりフラグがオンか否かチェックする(S210)。
大当たりフラグがオンである場合(S210でyes)、即ち、取得した大当たりカウンタ値(ラベル−TRND−A)が大当たり判定値テーブルの当たり数値(表2を参照)の何れかに一致していた場合には、液晶表示画面34における特別図柄13A,13B,13Cが全て同一(ぞろ目)となる組み合わせに決定する。具体的には、図11に示す始動スイッチ検出処理(S15)で取得した大当たり図柄カウンタ値(ラベル−TRND−AZ1)をRAM51Bの出力バッファにセットして(S211)、この処理(S204)を抜ける。
一方、大当たりフラグがオフであった場合(S210でno)、即ち、取得した大当たりカウンタ値(ラベル−TRND−A)が当たり数値(表2を参照)の何れとも一致しなかった場合には、始動入賞口14の入賞に起因して取得したリーチ有無決定用カウンタ値(ラベル−TRND−RC)が予め設定された11個のリーチ発生数値(例えば、5,17,28,40,51,63,74,86,97,109,120)の何れかと一致したか否かをチェックする(S212)。
取得したリーチ有無決定用カウンタ値(ラベル−TRND−RC)がリーチ発生数値の何れかと一致した場合(S212でyes)には、特別図柄13A,13B,13Cの停止図柄をリーチ外れとなる組み合わせにする。
具体的には、RAM51Bのカウンタ値記憶領域R10に記憶されている左外れ図柄カウンタ値(ラベル−TRND−B1)を強制的に右外れ図柄カウンタ値(ラベル−TRND−B3)と同一数値に変更(S213)すると共に、中外れ図柄カウンタ値(ラベル−TRND−B2)を、左外れ図柄カウンタ値(ラベル−TRND−B1)に1加算した数値にする(S214)。即ち、特別図柄13A,13B,13Cを、例えば、「1 2 1」、「2 3 2」の如く確定停止表示されるように決定する。そして、決定された外れ図柄カウンタ値(ラベル−TRND−B1,B2,B3)をRAM51Bの出力バッファにセットして、この処理(S204)を抜ける。
一方、取得したリーチ有無決定用カウンタ値(ラベル−TRND−RC)が上記したリーチ発生数値の何れとも一致しなかった場合(S212でno)、即ち、リーチ無し外れの場合には、RAM51Bのカウンタ値記憶領域R10に記憶された外れ図柄カウンタ値(ラベル−TRND−B1,B2,B3)をそのままRAM51Bの出力バッファにセットして、この処理(S204)を抜ける。以上が特別図柄選択処理(S204)の説明である。
図14に示すように、特別図柄選択処理(S204)に次いで、特別図柄変動パターン作成処理(S205)が実行される。特別図柄変動パターン作成処理(S205)は、図17に示されており、最初に、大当たりフラグがオンしているか否かが判別される(S240)。そして、大当たりフラグがオンしている場合(S240でyes)、即ち、当否判定結果が「当たり」の場合には、図30に示した変動パターンテーブルにおける「当たり」の変動パターン1〜4から変動態様決定用カウンタ値(ラベル−TRND−T1)に基づいて、何れかの変動パターンが選択される(S241)。
また、大当たりフラグがオフしている場合には(S240でno)、図30に示した変動パターンテーブルにおける「ハズレ」の変動パターン1〜4(変動パターン番号5〜8)から、変動態様決定用カウンタ値(ラベル−TRND−T1)に基づいて、何れかの変動パターンが選択される(S242)。この特別図柄変動パターン作成処理(S205)は、本発明の「変動パターン決定手段」に相当する。
変動パターンが選択されたら、その他の処理(S243)を行ってから、この処理(S205)を抜ける。なお、その他(S243)の処理では、選択された変動パターンに応じた変動パターンコマンドをRAM51Bの出力バッファにセットする。そして上記した出力処理(S10)でRAM51Bの出力バッファにセットされた変動パターンコマンドをサブ制御基板52等に出力する。
図14に示すように、特別図柄変動パターン作成処理(S205)に次いで、特別図柄乱数シフト処理(S206)が行われる。この処理(S206)は図18に示されており、最初に、保留記憶数(RAM51Bの保留数記憶領域の数値)が1ディクリメントされる(S350)。次いで、カウンタ値記憶領域R10における各種カウンタ値の格納場所が、1つ下位側(図8におけるアドレス「0000」側)のカウンタ値記憶領域R10にシフトされる(S351)。そして、最上位のカウンタ値記憶領域R10の各アドレス空間に「0」をセットして(S352)、この処理(S206)を抜ける。
図14に示すように、特別図柄乱数シフト処理(S206)に次いで行われる特別図柄変動開始設定(S207)では、特別動作ステータスを「2」に設定すると共に、変動開始コマンドをRAM51Bの出力バッファにセットする。以上が、特別動作処理(S17)における特別図柄待機処理(S172)の説明である。
図12に示すように、特別動作処理(S17)において特別動作ステータスが「2」であった場合(S171でno、S173でyes)、特別図柄変動処理(S174)が実行される。この処理(S174)は、図19に示されており、最初に、特別図柄変動パターン作成処理(S205、図17参照)で設定された変動パターンに対して予め定められている変動表示期間の総実行時間(以下「変動表示時間」という)T1(図30参照)が終了したか否かチェックされ、終了していない場合(S261でno)には、直ちにこの処理(S174)を抜けて特別図柄13A,13B,13Cの変動表示を続行する。
一方、変動パターンに応じた変動表示時間T1が終了した場合(S261でyes)には、変動停止テーブルのアドレスをセット(S262)してから、データ格納処理(S263)が行われる。これらの処理(S262,S263)では、変動表示中の特別図柄13A,13B,13Cを停止表示させる変動停止コマンドをRAM51Bの出力バッファにセットする。次いで、特別動作ステータスを「3」に設定し(S264)、その他の処理(S265)を行ってから、この処理(S174)を抜ける。
図12に示すように、特別動作処理(S17)において特別動作ステータスが「3」の場合(S173でno、S175でyes)には、特別図柄確定処理(S176)が実行される。特別図柄確定処理(S176)は、図20に示されており、最初に大当たりフラグがオンしているか否か(大当たりか否か)がチェックされる(S270)。
大当たりフラグがオンしていない場合(S270でno)、即ち、当否判定結果が「外れ」であった場合には、特別動作ステータスを「1」にセットして(S271)、この特別図柄確定処理(S176)から抜ける。一方、大当たりフラグがオンしている場合(S270でyes)、即ち、当否判定結果が「当たり」である場合には、「大当たり遊技」に対するラウンドカウンタをセット(S272)し、特別動作ステータスを「4」にセットして(S273)、この特別図柄確定処理(S176)から抜ける。ここで、ラウンドカウンタとは、「大当たり遊技」における「ラウンド」数をカウントするものであり、本実施形態では、ラウンドカウンタの初期値は「15」に設定されている。
図12に示すように、特別動作処理(S17)において特別動作ステータスが「4」の場合(S175でno)、即ち、「大当たり遊技」の実行中である場合には、特別電動役物処理(S177)が行われる。特別電動役物処理(S177)は、図21に示されており、最初に、確変フラグをオンからオフに切り替える(S280)。つまり、「大当たり遊技」が開始されると、強制的に確率変動状態が終了する。
次いで、大当たり終了フラグがオンか否かがチェックされる(S281)。大当たり終了フラグがオンではない場合(S281でno)、即ち、「大当たり遊技」の実行中である場合には、開放フラグに基づいて、大入賞口15が開放中か否かがチェックされる(S282)。
大入賞口15が開放中(開放フラグがオン)である場合(S282でyes)には、ラウンド終了条件が成立したか否かがチェックされる。具体的には、大入賞口15に遊技球が10個入賞したか否か(S286)、ラウンド終了時間(大入賞口15の開放時間が30秒)となったか否か(S287)がチェックされる。
ラウンド終了条件が不成立であった場合(S286及びS287の何れもno)には、直ちにこの処理(S177)を抜ける一方、ラウンド終了条件が成立した場合(S286及びS287の何れかでyes)には、ラウンド終了時の処理(S289〜S293)が行われる。
即ち、大入賞口閉鎖処理(S289)によってソレノイド15Sの励磁が停止されるとともにソレノイド15Mが励磁される。次いで、ラウンドカウンタを1ディクリメント(S290)してから、ラウンドカウンタが「0」となったか否かがチェックされ(S291)、ラウンドカウンタが「0」ではない場合(S291でno)、即ち、「大当たり遊技」が、最大ラウンド(15ラウンド)まで行われていない場合には、直ちにこの処理(S177)を抜ける。つまり、大当たり遊技中であっても1回のラウンドが終了した時点で可動扉15Tが「閉位置」となって、一時的に大入賞口15が閉鎖される。
一方、ラウンドカウンタが「0」となった場合(S291でyes)、即ち、大当たり遊技が最大ラウンド(15ラウンド)まで行われた場合には、大当たり終了処理(S292)が行われる。そして、大当たり終了フラグをオン(S293)してから、この処理(S177)を抜ける。
ステップS282において、大入賞口15が閉鎖中(開放フラグがオフ)の場合(S282でno)には、大入賞口15を開放する時間となったか否かがチェックされる(S283)。具体的には、「大当たり遊技」が開始されてから所定の開放待ち期間又は、前回のラウンドが終了してから所定のインターバル期間が経過したか否かがチェックされ、開放待ち期間又はインターバル期間が経過していない場合(S283でno)には、この処理(S177)を抜ける一方、開放待ち期間又はインターバル期間が経過した場合(S283でyes)には、大入賞口開放処理(S285)によってソレノイド15Sが励磁される。つまり、「大当たり遊技」の開始又は前回のラウンドが終了してから所定時間が経過すると、可動扉15Tが「閉位置」から「開位置」に移動して大入賞口15が開放される。
上記ステップS281において、大当たり終了フラグがオンであった場合(S281でyes)、即ち、大当たり遊技が最大ラウンド(15ラウンド)まで行われた場合には、大当たり終了フラグ及び大当たりフラグを全てオンからオフに切り替え(S295,S296)て、停止表示された特別図柄13A,13B,13Cが、確変図柄(奇数のぞろ目)か否かをチェックする(S297)。確変図柄でない場合(S297でno)には確変フラグはオフのままにする一方、確変図柄である場合(S297でyes)には確変フラグをオフからオンに切り替えて(S298)から、特別動作ステータスを「1」にセット(S299)して、この処理(S177)を抜ける。以上が特別動作処理(S17)の説明である。
図10に示すように主制御基板4msタイマ割り込み処理(S5)では、特別動作処理(S17)に次いで保留記憶数処理(S18)が行われる。この処理(S18)は、図22に示されており、RAM51Bに記憶されたカウンタ値群の組数から保留記憶数を読み取り(S180)、その保留記憶数のデータを、RAM51Bの出力バッファにセットする(S181)。
主制御基板4msタイマ割り込み処理(S5)では、保留記憶処理(S18)に次いで、本発明に深く関連しないその他の処理(S19)を実行して、主制御基板4msタイマ割り込み処理(S5)から抜ける。そして、図9に示すように、次にCPU51Aに割り込みパルスが入力するまで、ステップS2〜S4の処理が繰り返し実行され、割り込みパルスの入力を起因(約4msec後)に、再度、主制御基板4msタイマ割り込み処理(S5)が実行される。すると、上述の如く、前回、主制御基板4msタイマ割り込み処理(S5)が実行されたときにRAM51Bの出力バッファにセットされた制御データが、次に実行された主制御基板4msタイマ割り込み処理(S5)の出力処理(S10)において出力される。
以上が、主制御基板50の構成の説明である。次に、サブ制御基板52について説明する。サブ制御基板52も主制御基板50と同様に、CPU52AをRAM52B及びROM52Cと共にパッケージしたワンチップマイコンとして備えている。そして、そのワンチップマイコンが、パチンコ遊技機10の電源をオンするとROM52Cから図23に示したサブ制御基板メインプログラムPG2を取り出してランする。
図23に示すように、サブ制御基板メインプログラムPG2がランされると、CPU初期化処理(S51)が行われ、スタックの設定、定数設定、CPU52Aの設定、SIO、PIO、CTC(割り込み時間用コントローラ)等が設定される。また、電源基板58に電源を投入すると、電源基板58から電源断信号がサブ制御基板52に送信される。この電源断信号が送信されたときに、RAM52Bの内容が正常であるか判断する(S52)。正常であれば(S52でyes)次に進み、正常でなければ(S52でno)、RAM52Bを初期化し各種フラグ及びカウンタ値がリセットされる(S53)。なお、このステップS51,S52及びS53は、サブ制御基板メインプログラムPG2が、電源投入後の1回目にランされたときだけ実行され、それ以降は実行されない。
ステップS51,S52及びS53を終えると、乱数シード更新処理(S57)を、無限に繰り返して行う。乱数シード更新処理(S57)では、電源投入時に「0」にリセットされた乱数シードC1(本発明の「タイミング決定用カウンタ」に相当する)が、乱数シード更新処理(S57)が実行される毎(具体的には、後述するステップS54,S55,56の処理の合間)に、1インクリメントされ、更新値が上限値を越えたか否かがチェックされる。本実施形態では、乱数シードC1の数値範囲は「0」〜「128」となっており、上限値(「128」)を越えた場合には、下限値(「0」)にリセットされて、再び下限値から1インクリメントされる。更新された乱数シードC1、RAM52Bのカウンタ値記憶領域に逐一記憶され、この処理(S57)を終了する。そして、その無限ループに対して、受信割り込み処理(S54)、サブ制御基板2msタイマ割り込み処理(S55)、サブ制御基板10msタイマ割り込み処理(S56)が割り込んで実行される。ここで、乱数シードC1の更新周期と、変動態様決定用カウンタ(ラベル−TRND−T1)の更新周期は異なっている。また、乱数シードC1の数値範囲は「0」〜「128」までの連続した129個の整数で構成されており、変動態様決定用カウンタ(ラベル−TRND−T1)の数値範囲は「0」〜「198」までの連続した199個の整数で構成されており、互いに異なっている。これにより、更新周期又は数値範囲の何れか一方が同一である場合に比べて、乱数シードC1と変動態様決定用カウンタの組合せが同じ組合せになるまでの間隔を長くすることができる。
受信割り込み処理(S54)は、サブ制御基板52が主制御基板50からストローブ信号を受けると、他の割り込み処理(S55,S56)より優先して実行される。受信割り込み処理(S54)が実行されると、図24に示すように、ストローブ信号の入力を確認してから(S510でyes)、上記した主制御基板4ms割り込み処理(S5)の出力処理(S10)でサブ制御基板52に送信される制御データ、例えば、変動パターンコマンド等を取り込み、RAM52Bに格納する(S511)。
サブ制御基板2msタイマ割り込み処理(S55)(図23参照)は、サブ制御基板52に2ms周期の割り込みパルスが入力される度に、次述するサブ制御基板10msタイマ割り込み処理(S56)より優先して実行される。この処理(S55)では、図25に示すように、まず、ランプデータ出力処理(S550)を実行し、後述するサブ制御基板10msタイマ割り込み処理(S56)で生成したランプ制御データをランプ制御基板55に送信してサイドランプ22、装飾ランプ35、表示枠ランプ23Aを点灯させる。
次いで、入力処理(S551)を行う。この入力処理(S551)では、ジョグシャトル90(図1参照)の操作情報をRAM52Bに取り込む。そして最後にウォッチドックタイマ処理(S552)を行って、プログラムが暴走していないかを自己診断し、サブ制御基板2msタイマ割り込み処理(S55)から抜ける。
サブ制御基板10msタイマ割り込み処理(S56)(図23参照)は、サブ制御基板52に10ms周期の割り込みパルスが入力される度に実行される。この処理(S56)では、図26に示すように、まず、タイマー減算処理(S560)を行う。
タイマー減算処理(S560)は、図27に詳細に示されており、まず、後述するコマンド監視処理(S565)にて変動パターンフラグがオンしたか否か、換言すれば、サブ制御基板52が取り込んだ変動パターンコマンドが、操作有効期間及び操作対応演出期間が有る有設定変動パターン(本実施形態では、変動パターン番号1〜3,5〜7)のものか否かを判定する(S580)。
変動パターンフラグがOFFの場合(S580でno)、ステップS585にジャンプする。変動パターンフラグがONの場合(S580でyes)、後述するコマンド監視処理(S565)にて設定された第1ランダム可変時間RT1が「0」になったか否かを判定する(S581)。ここで、第1ランダム可変時間RT1とは、図32に示すように、特別図柄13A,13B,13Cの変動表示が開始されてから、操作有効期間が開始されるまでの間の時間である。第1ランダム可変時間RT1が「0」ではない場合(S581でno)、即ち、変動表示の開始から第1ランダム可変時間RT1が経過していない場合には、第1ランダム可変時間RT1を減算して(S582)、ステップS585に進む。一方、第1ランダム可変時間RT1が「0」である場合(S581でyes)には、SWコマンドを格納すると共に変動パターンフラグをOFFして(S583)から、操作有効開始フラグをONする(S584)。
次いで、操作対応演出フラグがONか否かを判定する(S585)。即ち、操作有効期間にジョグシャトル90が所定回数PUSH操作されたか否かを判定し、操作対応演出フラグがOFFの場合(S585でno)、即ち、ジョグシャトル90が所定回数PUSH操作されていない場合には、この処理(S560)を直ちに抜ける。
一方、操作対応演出フラグがONの場合(S585でyes)、即ち、ジョグシャトル90が所定回数PUSH操作された場合には、後述するコマンド監視処理(S565)にて設定された、第2ランダム可変時間RT2が「0」になったか否かを判定する(S586)。第2ランダム可変時間RT2とは、図32に示すように、特別図柄13A,13B,13Cの変動表示が開始されてから操作対応演出期間が開始されるまでの間の時間のことである。
第2ランダム可変時間RT2が「0」ではない場合(S586でno)、即ち、変動表示の開始から第2ランダム可変時間RT2が経過していない場合には、第2ランダム可変時間RT2を減算して(S587)、この処理(S560)を抜ける。一方、第2ランダム可変時間RT2が「0」になった場合(S586でyes)には、演出コマンドを格納すると共に操作対応演出フラグをOFFして(S588)から、この処理(S560)を抜ける。
図26に示すように、サブ制御基板10msタイマ割り込み処理(S56)では、タイマー減算処理(S560)に次いで、スイッチ状態取得処理(S561)が行われる。スイッチ状態取得処理(S561)では、サブ制御基板2msタイマ割り込み処理(S55)の入力処理(S551)でRAM52Bに格納されたジョグシャトル90の操作情報をサブ制御基板10msタイマ割り込み処理(S56)のデータとして取得する。
次いで、コマンド受信許可確認処理(S562)を行う。この処理では、RAM52Bのクリア時など演出禁止期間の判定、つまり、RAM52Bのクリアを実行するための時間が経過したかの判定をする。
次いで、下皿状態確認処理(S563)を行い、RAM52Bの入力信号一次記憶領域に格納された制御データに下皿満杯スイッチ32による下皿満杯データが含まれいるか否かをチェックし、含まれていた場合には液晶表示画面34及びスピーカ56Sにより遊技者に報知する。
次いで、ループシナリオ再設定処理(S563)を行う。一定期間以上、入賞しなかった場合には、主制御基板50が、主制御基板50からの制御データに待受状態データを含めて出力するので、待受状態データがRAM52Bに入力信号一次記憶領域に格納される。ループシナリオ再設定処理(S563)では、この待受状態データから液晶表示画面34に表示するための待受制御データを生成し、表示制御基板57に出力する。すると、表示制御基板57によって液晶表示画面34に待ち受け演出画像が表示される。
次いで、コマンド監視処理(S565)を行う。この処理(S565)は図28に詳細に示されており、まず、受信割り込み処理(S54)にてサブ制御基板52が取り込んだ変動パターンコマンドが、有設定変動パターンのものであるか否かを判定する(S570)。有設定変動パターンではない(無設定変動パターンである)場合には、直ちにこの処理(S565)を抜ける。
有設定変動パターンである場合(S570でyes)には、乱数シードC1の値を取得する(S571)。次いで、その変動パターンに対して設定されている変動表示時間T1をセットする(S572)。次に、セットされた変動表示時間T1から、その変動パターンに対して予め設定されている「操作有効期間」の実行時間(以下「操作有効時間」という)T2と、「操作対応演出期間」の実行時間(以下、「操作対応演出時間」という)T3とを差し引いて、その値を「通常演出期間」の実行時間(以下、「通常演出時間」という)T4としてセットする(S573、図32(B)参照))。
次に、通常演出時間T4と乱数シードC1の取得値とを用いて、第1ランダム可変時間RT1を設定する(S574)。まず、乱数シードC1から、次の式(1)で数値Z1を求める。
Z1=P1・C1+Q1 ・・・(1)
ここでP1,Q1はRAM初期化処理(S53)で設定される定数である。次に、求めた数値Z1の内、下位4バイト分を取り出し数値Z2とし、さらにその取り出した数値Z2の内の上位2バイトを数値Z3とする。そして、数値Z3を通常演出時間T4で除算した余りを求める(ここで、通常演出時間T4で除算をしているが、通常演出時間T4で減算していく方法でも結果的に同じなので良いとする)。そして、得られた数値を第1ランダム可変時間RT1として設定する。ここで、第1ランダム可変時間RT1は、必ず、通常演出時間T4よりも短くなる。
具体的には、図31の例1に示すように、定数P1が「41C64E6D(16進数)」で定数Q1が「12345(16進数)」であって、変動パターン番号2(図30参照)、変動表示時間T1が「40000(10進数)」(図31参照)、操作有効時間T2が「5000(10進数)」、操作対応演出時間T3が「5000(10進数)」で、乱数シードC1が「5(10進数)」である時、通常演出時間T4は、変動表示時間T1の値「40000」から、操作有効時間T2の値「5000」と操作対応演出時間T3の値「5000」を減算して得た値なので「30000(10進数)」となり、また、数値Z1の値は式(1)より「148E0AB66(16進数)」となる。
数値Z2は数値Z1の下位4バイトなので「48E0AB66(16進数)」となり、数値Z3は数値Z2の上位2バイトなので「48E0(16進数)」となる。「48E0(16進数)」は10進数に直すと「18656」なので、これを通常演出時間T4の値「30000」で除算すれば余りが「18656」になる。この余りである「18656」msecが、第1ランダム可変時間RT1となる。つまり、図31の例1に示す条件では、操作有効期間の開始タイミングST1は、変動表示の開始から18656ms経過後ということになる。
なお、念のために述べておくと、定数P1及び定数Q1は、上記の値に限定するものではない。また、数値Z1を求める演算式も上記(1)の式に限定するものではない。
図28に示すように、第1ランダム可変時間RT1を設定したら、通常演出時間T4から第1ランダム可変時間RT1を減算した残余時間T5を設定する(S575)。
次いで、残余時間T5と乱数シードC1の値を用いて、操作有効期間の終了から操作対応演出期間の開始までのインターバル時間T6を設定する(S576、図32(A)参照))。具体的には、まず、乱数シードC1から、次の式(1)で数値W1を求める。
W1=P2・C1+Q2 ・・・(2)
ここでP2,Q2はRAM初期化処理(S53)で設定される定数である。次に、求めた数値W1の内、下位4バイト分を取り出し数値W2とし、さらにその取り出した数値W2の内の下位2バイトを数値W3とする。そして、数値W3を残余時間T5で除算した余りをインターバル時間T6とする(ここで、数値W3を残余時間T5で除算をしているが、数値W3を残余時間T5で減算していく方法でも結果的に同じなので良いとする)。つまり、インターバル時間T6は、必ず残余時間T5より短くなる。これにより、インターバル時間T6が残余時間T5より長くなって、操作対応演出期間が変動パターン毎に予め設定された変動表示期間内に収まり切らなくなるという事態を回避することができる。
そして、このインターバル時間T6と第1ランダム可変時間RT1と操作有効期間の実行時間T2とを加算した値を、第2ランダム可変時間RT2として設定する(S577、図32(A)参照))。
具体的には、図31の例1に示すように、定数P2が「10AB1C7D(16進数)」で定数Q2が「12121(16進数)」であって、変動表示期間の総実行時間T1が「40000(10進数)」(図31参照)、操作有効期間の実行時間T2が「5000(10進数)」、操作対応演出期間の実行時間T3が「5000(10進数)」で、乱数シードC1が「5(10進数)」である時、数値W1の値は式(2)より「5358AF92(16進数)」となる。また、上述の如く、第1ランダム可変時間RT1の値は「18656」であり、通常演出時間T4は「30000」なので、実行時間T4から第1ランダム可変時間RT1を減算した残余時間T5は「11344」になる。
数値W2は数値W1の下位4バイトなので「5358AF92(16進数)」となり、数値W3は数値W2の下位2バイトなので「AF92(16進数)」となる。「AF92(16進数)」は10進数に直すと「44946」なので、これを残余時間T5の値「11344」で除算すれば余り(インターバル時間T6)が「10914」になる。
そして、このようにして設定された第1ランダム可変時間RT1と、操作有効期間の実行時間T2と、インターバル時間T6とを加算して、変動表示期間の開始時を起点とする操作対応演出期間の開始タイミングを設定する。図31の例1に示す条件では、第1ランダム可変時間RT1の値「18656」と、実行時間T2の値「5000」と、インターバル時間T6の値「10914」を加算した値は「34570」となり、操作対応演出期間の開始タイミングST2は、変動表示の開始から34570ms経過後、操作有効期間の終了から10914ms)後ということになる。
なお、念のために述べておくと、定数P2及び定数Q2は、上記の値に限定するものではない。また、数値W1を求める演算式も上記(2)の式に限定するものではない。
そして、第2ランダム可変時間RT2を設定(S577)したら、変動パターンフラグをONして(S578)、この処理(S565)を抜ける。
ここで、コマンド監視処理(S565)は、本発明の「開始タイミング決定手段」に相当する。また、ステップS571は、本発明の「タイミング決定カウンタ取得手段」に相当し、ステップS574は、本発明の「第1開始タイミング決定手段」に相当し、ステップS576,S577は、本発明の「第2開始タイミング決定手段」に相当する。
図26に戻ってサブ制御基板10msタイマ割り込み処理(S56)の説明を続けると、コマンド監視処理(S565)に次いで行われる、ランプ処理(S566)では、変動パターンに合わせたランプデータを作成する。
次いで、Sw処理(S567)が行われる、Sw処理(S567)は、図29に示されており、まず、操作有効開始フラグがONか否か(S590)、即ち、現在、操作有効期間か否かを判定する。操作有効開始フラグがOFFの場合(S590でno)、即ち、操作有効期間以外の期間である場合には、この処理(S567)を直ちに抜ける。一方、操作有効開始フラグがONの場合(S590でyes)、即ち、操作有効期間である場合は場合は、ジョグシャトル90がPUSH操作されたか以下かを判定する(S591)。PUSH操作されていない場合(S591でno)は、ステップS593にジャンプする一方、PUSH操作されていた場合(S591でyes)は、操作対応演出フラグをONする(S592)。つまり、操作有効期間内にジョグシャトル90がPUSH操作された場合だけ、操作対応演出としての予告演出表示が行われ、操作有効期間内にPUSH操作されなかった場合には、変動パターンに操作対応演出期間が設定されていても、実際には操作対応演出が行われないようになっている。
次いで、操作有効時間T2を減算し(S593)、その減算した値が「0」になったか否か(S594)、即ち、操作有効期間が終了したか否かを判定する。操作有効期間が終了していない場合(S594でno)には、直ちにこの処理(S567)を抜ける一方、操作有効期間が終了した(操作有効時間T2=「0」)場合(S594でyes)には、操作有効開始フラグをOFFして(S595)から、この処理(S567)を抜ける。
そして、図26に示すように、Sw処理(S567)に次いで、コマンド送信処理(S568)を行い、サブ制御基板10msタイマ割り込み処理(S56)を抜ける。
このように、コマンド監視処理(S565)において、まず、乱数シードC1に、予め設定した定数P1,Q1を乗算及び加算して、数値Z1を求め、その数値Z1を16進数で表し、その文字列のうちの2バイト分を取り出して通常演出時間T4で除算し、その余りの数値を、変動表示の開始から操作有効期間が開始されるまでの経過時間である第1ランダム可変時間RT1として設定する。また、乱数シードC1に、予め設定した定数P2,Q2を乗算及び加算して数値W1を求め、その数値W1を16進数で表し、その文字列のうちの2バイト分を取り出して、通常演出時間T4から第1ランダム可変時間RT1を減算した残余時間T5で除算し、その余りの数値を、操作有効期間の終了から操作対応演出期間が開始するまでのインターバル時間T6とし、さらに、インターバル時間T6、第1ランダム可変時間RT1及び操作有効時間T2を加算した値を、変動表示の開始から操作対応演出期間が開始されるまでの経過時間である第2ランダム可変時間RT2として設定する。そして、変動パターン毎に設定された変動表示時間T1、操作有効時間T2、操作対応演出時間T3、乱数シードC1の値の組み合わせはランダムに変化することにより、これらの値を基に生成される第1ランダム可変時間RT1及び第2ランダム可変時間RT2もランダムに変化させることができる。
本実施形態のパチンコ遊技機10における構成の説明は以上である。次に、このパチンコ遊技機10の作用、効果について説明する。
遊技者がパチンコ遊技機10の操作ノブ28を操作して、遊技球を遊技領域YRに打ち込むと、遊技球が遊技領域YRをランダムに流下する。そして、遊技球が始動入賞口14に入賞(入球)したときに、各乱数カウンタのカウンタ値が乱数値として取得され、それら取得されたカウンタ値に応じて、「大当たり遊技」を実行するか否かが決定される。「大当たり遊技」を実行すると決定した場合には、大当たりの変動パターンが図30に示す変動パターンテーブルの中から選択され(S205)、その変動パターンに設定された変動表示時間T1が終了するまで液晶表示画面34において特別図柄13A,13B,13Cが変動表示される(S174)。そして、左の特別図柄13A、右の特別図柄13Cが同じ図柄になって停止表示され(所謂「リーチ」)、変動表示期間の終了と同時に、特別図柄13Bが同じ図柄になって停止表示されて当否判定の結果が当たりであることが遊技者に報知される。
本実施形態のパチンコ遊技機10は、複数の変動パターンのうち、有設定変動パターン(変動パターン番号1〜3,5〜7)が選択された場合に、その変動表示中に一定期間、ジョグシャトル90の操作が有効になる。即ち、変動表示の開始から第1ランダム可変時間RT1の経過後に、操作有効期間が開始されると共に、液晶表示画面34に有効期間図柄87(「PUSH」図柄87A及び「爆弾」図柄87B)が出現する。そして、その有効期間図柄87が表示されている操作有効期間は、ジョグシャトル90の操作突部92の操作が有効になる。
ここで、第1ランダム可変時間RT1はランダムに変化するので、操作有効期間の開始タイミング(有効期間図柄87の出現タイミング)が予測困難になる。これにより、操作有効期間への移行を待ち望む遊技者の興味を持続させることができ、また、有効期間図柄87が、遊技者の意表を突いて出現することで、遊技者に適度な驚きを与えることができる。また、液晶表示画面34に有効期間図柄87を出現させることで操作有効期間になったことを遊技者に容易に認識させることができる。
操作有効期間内にジョグシャトル90の操作突部92をPUSH操作すると、操作有効期間の終了後、詳細には、変動表示の開始から第2ランダム可変時間RT2が経過した後(操作有効期間が終了してからインターバル時間T6が経過した後)で、ジョグシャトル90のPUSH操作に起因した操作対応演出としての予告演出表示が開始される。
具体的には、操作有効期間中にジョグシャトル90がPUSH操作されると、「爆弾」図柄87Bの導火線に着火し、操作有効期間が終了するまでの間、導火線が徐々に燃え尽きて短くなる画像が表示される(図5参照)。この画像により、ジョグシャトル90のPUSH操作がパチンコ遊技機10に感知されたことを遊技者が確認することができる。
操作有効期間の終了と同時に、有効期間図柄87は、液晶表示画面34から消える。即ち、遊技者は導火線に着火したことまでは確認できるが、その後、どうなるかは分からない。そして、変動表示の開始から第2ランダム可変時間RT2が経過して(操作有効期間の終了からインターバル時間T6が経過して)操作対応演出期間に移行すると、当たり予告又はハズレ予告の何れかが行われる。即ち、当たり予告では、「爆弾」図柄87Aが、液晶表示画面34の右上に再出現して下部中央に移動し、その後、図6に示すように液晶表示画面34の中央にて打ち上げ花火の画像が表示される。一方、ハズレ予告では、「爆弾」図柄87Aが、液晶表示画面34の右上に再出現して中央に移動し、その後、振動してから図7に示すように大爆発を起こす画像が表示される。なお、これら予告演出表示に合わせて、スピーカ56Sから効果音が出力され、ランプ22,23A,35が点滅する。
ここで、第2ランダム可変時間RT2はランダムに変化するので、操作対応演出の開始タイミングが予測困難になる。これにより、操作対応演出の開始を待ち望む遊技者の興味を持続させることができ、また、操作対応演出が遊技者の意表を突いて開始されることで、遊技者に適度な驚きを与えることができる。上述の例では、導火線に着火した爆弾のその後について興味を抱きつつ液晶表示画面34を見ていると、予想もしないタイミングで先程の爆弾が再出現する。
このように、本実施形態によれば、ジョグシャトル90の操作を有効とする操作有効期間の開始タイミングST1と、ジョグシャトル90の操作に応じた演出を行う操作対応演出期間の開始タイミングST2とが、変動表示期間の中でランダムに変更される。換言すれば、変動表示期間のうち操作有効期間及び操作対応演出期間の前後の時間(第1ランダム可変時間RT1及びインターバル時間T6)の長さがランダムに変更される。これにより、変動表示のランダム性が向上する。そして、操作有効期間の開始タイミングST1や操作対応演出期間の開始タイミングST2を遊技者が予測し難くなるので、遊技に意外性を持たせて遊技者の興味を持続させることができ、趣向性が向上する。
[第2実施形態]
この第2実施形態は、操作有効期間及び操作対応演出期間における液晶表示画面34の表示内容が、上記第1実施形態とは異なる。その他の構成については上記第1実施形態と同じであるため、同じ構成については、同一符号を付し、重複する説明は省略する。
本実施形態のパチンコ遊技機10では、操作有効期間になると、図33に示すように液晶表示画面34に、選択図柄81,82,83とポインタ93とが表示される。選択図柄81,82,83及びポインタ93は、操作有効期間以外では、消えるか透過した状態で表示され、これにより操作有効期間であるか否かを遊技者に報知することができる。
選択図柄81,82,83は、図33において符号81で示した「ボタンA」の選択図柄81と、符号82で示した「ボタンB」の選択図柄82と、符号83で示した「ボタンC」の選択図柄83である。また、ポインタ93は、パソコンのディスプレイ上のポインタにも用いられている「矢印形状」になっている。
ポインタ93は、操作有効期間の間に限り、ジョグシャトル90の操作によって移動させることができる。即ち、ポインタ93は、前記したジョグシャトル90(図1参照)の操作突部92を前又は後ろ又は左又は右に傾動操作すると、その操作突部92の傾動方向と同じ方向に液晶表示画面34内を移動する。また、ポインタ93を任意の選択図柄81,82,83に重ねた状態にして操作突部92をPUSH(押圧)操作することで、任意の選択図柄81,82,83を選択することができる。ここで、選択図柄81,82,83は、ポインタ93が重なると色が変化するようにしてもよい。
そして、操作有効期間内に何れかの選択図柄81,82,83が選択されると、操作有効期間の残り時間を利用して、選択が完了したことや、操作対応演出としての予告演出を行うこと等を報知するメッセージが表示される。例えば、「選択完了しました」や「予告演出を乞うご期待」というメッセージが表示される。或いは、予告演出の内容を報知するメッセージが表示される。これにより、ジョグシャトル90の操作がパチンコ遊技機10に感知されたことを遊技者が確認することができる。
選択図柄81,82,83には、それぞれ異なる操作対応演出(予告演出)が設定されている。そして、操作対応演出期間において何れの予告演出が行われるかは、ポインタ93による選択図柄81,82,83の選択によって決定される。具体的には、「ボタンA」の選択図柄81を選択した場合には、例えば、図34に示すように「導火線に火がついた爆弾」による予告演出が表示される。当否判定結果が「当たり」である場合の当たり予告では、導火線の火が爆弾に接近するものの、最終的には火が消えて「爆弾」が爆発することはない。一方、「外れ」であるハズレ予告では、一旦、火が消えるが再着火して「爆弾」が爆発する。
「ボタンB」の選択図柄82を選択した場合には、例えば、図35に示すように「徐々に膨張する風船」による予告演出が表示される。当たり予告では最後まで「風船」は割れない。一方、ハズレ予告では操作対応演出期間の終盤に「鳥」が飛んできて「風船」を割る。
「ボタンC」の選択図柄82を選択した場合には、例えば、図36に示すように、「帯グラフ状のインジケータ」による予告演出が表示される。当たり予告では、「インジケータ」が途中で失速するが、操作対応演出期間の終盤で再加速して最終的に当たりを意味する当否ラインを越える。一方、ハズレ予告では、「インジケータ」が一旦は当否ラインを越えるが、その後、降下して最終的に当否ラインの下方で止まる。なお、各選択図柄81,82,83に設定された予告演出は、上述のものに限らない。また、各選択図柄81,82,83に対応する予告演出の態様を固定してもよいが、各選択図柄81,82,83に対応する予告演出の態様が毎回変化するようにしてもよい。本実施形態によっても、上記第1実施形態と同等の効果を奏する
[他の実施形態]
本発明は、前記実施形態に限定されるものではなく、例えば、以下に説明するような実施形態も本発明の技術的範囲に含まれ、さらに、下記以外にも要旨を逸脱しない範囲内で種々変更して実施することができる。
(1)前記実施形態では、パチンコ遊技機に本発明を適用していたが、遊技機であれば、コイン遊技機やスロットマシン、アレンジボール等に備えてもよい。
(2)前記実施形態では、ジョグシャトル90の操作に対応した操作対応演出を、当否判定結果の表示を事前に予告する予告演出としたが、当否判定結果に関係ない演出を行ってもよい。
(3)前記実施形態では、ジョグシャトル90の操作に対応した操作対応演出を液晶表示画面34にて行っていたが、ランプ22,23A,35やスピーカ56Sからの音声・効果音によって行ってもよい。
(4)前記実施形態では、操作有効期間になったことを液晶表示画面34にて報知していたが、ランプ22,23A,35やスピーカ56Sからの音声・効果音によって報知してもよい。また、ジョグシャトル90にLEDを内蔵しておき、操作有効期間の間だけ光らせるようにしてもよい。
(5)前記実施形態では、操作部としてジョグシャトル90を例示したが、十字キー、押しボタン、タッチセンサ(所謂「パチセンサー」)、ポインティングスティック、トラックボール(登録商標)でもよい。
(6)前記実施形態では、特別図柄13A,13B,13Cの変動表示が開始されてから、操作有効期間が開始されるまでの第1ランダム可変時間RT1と、特別図柄13A,13B,13Cの変動表示が開始されてから、操作対応演出期間が開始されるまでの第2ランダム可変時間RT2とをランダムに設定していたが、操作有効期間が終了してから変動表示期間が終了するまでの期間と、操作対応演出期間が終了してから変動表示期間が終了するまでの期間を乱数シードを用いてランダムに設定してもよい。
(7)前記実施形態では、リーチ有無決定用カウンタ値や乱数シード値C1を始動入賞口14への入賞を契機に取得しているが、変動表示開始時に取得してもよい。
(8)前記第2実施形態では、選択図柄81,82,83に応じて操作対応演出の内容が変更されるように構成していたが、操作有効期間内にジョグシャトル90がPUSH操作された回数に応じて、操作対応演出の内容が変更されるようにしてもよい。