JP2009232990A - 状態評価装置、及び、状態評価プログラム - Google Patents

状態評価装置、及び、状態評価プログラム Download PDF

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敬三 増成
Yoichi Nomoto
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Abstract

【課題】より精度の高い被験者の状態評価を行うことを目的とする。
【解決手段】連続したn個のRR間隔データを取得し、取得したR間隔データの最大値と最小値抽出する。この最大値及び最小値に基づいて、RR間隔データの分布範囲の幅Wを算出し、また、RR間隔データの変動係数Cを算出する。続いて、算出された変動係数Cを、被験者のRR間隔データの平均値、及びRR間隔データの分布範囲に対応する正常時変動係数Rと比較し状態指数Zを求める。正常時変動係数Rは、正常な状態にある人間から収集したRR間隔データ標本に基づいて作成された、RR間隔データの平均値、RR間隔データの分布範囲、変動係数の関係を示す基準特性データに基づいて求められる。そして、状態指数Zの範囲ごとに被験者の状態の程度が定義された判定テーブルを参照し、求められた状態指数Zに該当する被験者の状態の程度を特定する。
【選択図】図5

Description

本発明は、例えば、生体情報に基づいて被験者の状態を評価する状態評価装置及び状態評価プログラムに関する。
運転中のドライバの覚醒度、疲労や感情などの状態を、心拍や発汗などの生体情報を計測することで推定する技術が存在する。
例えば、特許文献1では、運転者の心拍数、心拍周期、呼吸数、呼吸周期の平均値に基づいて、運転者の身体状態を検出する技術が提案されている。
特開平7−59757号公報
また、時系列分析の手法の1つである移動平均法を用いて、心拍間隔の移動平均値や移動分散値に基づいて、被験者の状態推移を測定する技術が存在する。
特許文献1に記載の装置をはじめ、従来は、心拍間隔の平均値や分散値に基づいて、被験者が、イライラ状態(緊張状態)、眠い状態(弛緩状態)又は正常状態であるかを判定していた。
しかし心拍間隔の平均値や分散値は、被験者の体型や体質などによって大きく異なるものである。そのため、従来のような、心拍間隔の平均値や分散値に基づく判定方法では、精度の高い状態判定を行うことが困難であった。
また、心拍間隔の移動平均値や移動分散値からは、被験者の状態変化を検出することができるが、状態変化後における被験者の状態を判定することはできなかった。例えば、被験者の状態がより緊張状態へ推移したことは検出できるが、正常状態から緊張状態へ推移したのか、緊張状態からさらに深い緊張状態へ推移したのかを判定することはできなかった。
そこで、本発明は、より精度の高い被験者の状態評価を行うことを目的とする。
(1)前記目的を達成するために、請求項1に記載の発明では、心拍のR波間隔を示すRR間隔データをn個取得するRR間隔データ取得手段と、前記取得したn個のRR間隔データの変動係数を算出する変動係数算出手段と、正常状態にある被験者のn個のRR間隔データからなる標本に基づいて作成され、前記標本におけるRR間隔データの分布範囲の幅に基づく範囲要素と、前記標本におけるRR間隔データの分布範囲に基づくRR間隔データ要素と、前記標本におけるRR間隔データの変動係数との関係を示す基準特性データを取得する基準特性データ取得手段と、前記基準特性データにおいて、前記取得したRR間隔データの分布範囲に基づくRR間隔データ要素、及び、前記取得したRR間隔データの分布範囲に基づく範囲要素を当てはめることにより正常時変動係数を特定する正常時変動係数特定手段と、前記算出した変動係数と、前記特定された正常時変動係数との比較結果に基づいて、被験者の状態を評価する状態評価手段と、を具備することを特徴とする状態評価装置を提供する。
(2)請求項2に記載の発明では、前記RR間隔データ要素は、RR間隔データの平均値、又はRR間隔データの分布範囲の中心値であることを特徴とする請求項1に記載の状態評価装置を提供する。
(3)請求項3に記載の発明では、前記変動係数算出手段は、最尤分散に基づく標準偏差から変動係数を算出することを特徴とする請求項1、又は請求項2に記載の状態評価装置を提供する。
(4)請求項4に記載の発明では、前記基準特性データ取得手段は、近似関数で表現された基準特性データを取得し、前記正常時変動係数特定手段は、前記取得した基準特性データの近似関数に基づいて、前記正常時変動係数を特定することを特徴とする請求項1、請求項2又は請求項3に記載の状態評価装置を提供する。
(5)前記目的を達成するために、請求項5に記載の発明では、RR間隔データ取得手段と、変動係数算出手段と、基準特性データ取得手段と、正常時変動係数特定手段と、状態評価手段とを具備した状態評価装置に、前記RR間隔データ取得手段が、心拍のR波間隔を示すRR間隔データをn個取得するRR間隔データ取得機能と、前記変動係数算出手段が、前記取得したn個のRR間隔データの変動係数を算出する変動係数算出機能と、前記基準特性データ取得手段が、正常状態にある被験者のn個のRR間隔データからなる標本に基づいて作成され、前記標本におけるRR間隔データの分布範囲の幅に基づく範囲要素と、前記標本におけるRR間隔データの分布範囲に基づくRR間隔データ要素と、前記標本におけるRR間隔データの変動係数との関係を示す基準特性データを取得する基準特性データ取得機能と、前記正常時変動係数特定手段が、前記基準特性データにおいて、前記取得したRR間隔データの分布範囲に基づくRR間隔データ要素、及び、前記取得したRR間隔データの分布範囲に基づく範囲要素を当てはめることにより正常時変動係数を特定する正常時変動係数特定機能と、前記状態評価手段が、前記算出した変動係数と、前記特定された正常時変動係数との比較結果に基づいて、被験者の状態を評価する状態評価機能と、を実現させるためのコンピュータ読み取り可能な状態評価プログラムを提供する。
本発明によれば、変動係数と正常時変動係数との比較結果に基づいて、被験者の状態評価を行うことにより、より精度の高い被験者の状態判定を行うことができる。
以下、本発明の状態評価装置における好適な実施の形態について、図1から図8を参照して詳細に説明する。
(1)実施形態の概要
本実施形態に係る状態評価装置では、連続したn個(例えば50個)のRR間隔データに基づいて、被験者が『正常状態』『緊張状態』『弛緩状態』のいずれの状態にあるかを判定する。
はじめに、状態評価装置のCPUは、心拍センサで測定された、連続した50個のRR間隔データ(RR1〜RR50)を取得し、取得したRR1〜RR50の最大値RRmaxと最小値RRminを抽出する。
そして、CPUは、抽出した最大値RRmax及び最小値RRminに基づいて、RR間隔データ(RR1〜RR50)の分布範囲の幅Wを算出する。
また、CPUは、RR間隔データ(RR1〜RR50)の変動係数Cを算出する。なお、RR間隔データの変動係数は、最尤分散に基づく標準偏差に基づいて算出する。
続いて、CPUは、算出された変動係数Cを、被験者のRR間隔データの平均値、及びRR間隔データ(RR1〜RR50)の分布範囲に対応する正常時変動係数Rと比較することによって状態指数Zを求める。
正常時変動係数Rは、正常な状態にある人間から収集したRR間隔データ標本に基づいて作成された、RR間隔データの平均値と、RR間隔データの分布範囲と、変動係数との関係を示す基準特性データに基づいて求められる。
そして、CPUは、状態指数Zの範囲ごとに被験者の状態の程度が定義された判定テーブルを参照し、求められた状態指数Zに該当する被験者の状態の程度を特定する。
(2)実施形態の詳細
図1は、本実施形態における状態評価装置1及び周辺装置の構成を表した図である。
状態評価装置1は、CPU11、ROM12、RAM13、入力装置14、出力装置15、記憶装置16を備えている。
CPU11は、ROM12や記憶装置16に格納されている各種プログラムやデータに従って状態評価装置1を制御する中央演算処理装置であり、被験者の状態評価に関する種々の演算処理を行う。
ROM12は、状態評価装置1を機能させるための基本的なプログラムやパラメータなどが記憶された読み取り専用メモリである。
RAM13は、CPU11の作業領域として機能する記憶領域であり、処理中のデータを一時的に記憶する。
入力装置14は、状態評価装置1へコマンドやデータを入力する装置であり、例えば、被験者の情報を手入力する際に用いられるキーボードやマウスなどにより構成されている。
出力装置15は、状態評価装置1の処理した結果を外部出力する装置であり、例えば、被験者の状態評価結果を表示出力するディスプレイや印字出力するプリンタなどで構成されている。
記憶装置16は、被験者の心拍データを格納する心拍データ格納領域161や、当該状態評価装置1における状態判定結果(状態評価結果)を格納する判定結果格納領域162を備えている。
本実施形態では、被験者に装着された心拍センサ2が測定(検出)した心拍データがリアルタイムに心拍データ格納領域161に保存されるように構成されている。
心拍センサ2は、血液を左心室から大動脈に送り出すときに生じるR波の間隔、つまりR波と次に生じるR波との時間隔(以下、RR間隔)を測定し、測定結果を測定時刻情報と共に出力する測定装置である。
本実施形態では、心拍センサ2は、RR間隔の測定結果を測定時刻情報と共にRR間隔データとして心拍データ格納領域161に出力するように構成されている。
なお、心拍センサ2の出力先は、心拍データ格納領域161に限定されるものではなく、例えば、心拍センサ2に装着可能なメモリスティックなどの外部記憶装置にRR間隔データを出力し、この外部記憶装置を介して心拍データ格納領域161にRR間隔データを取り込むようにしてもよい。また、心拍センサ2に無線通信機能を設けて無線通信によってRR間隔データを状態評価装置1へ送信するようにしてもよい。
また、記憶装置16には、状態評価処理を実行するための状態評価プログラム163の他、状態判定閾値データ164や基準特性データ165など状態評価処理時に参照する各種データ等が格納されている。
本実施形態では、状態判定閾値データ164として、状態判定テーブルが格納されている。
図2は、状態判定テーブルの一例を示した図である。
図2に示すように、状態判定テーブルは、後述する状態指数Zの範囲(閾値条件)と、被験者の状態との対応関係を示した参照テーブルである。
状態判定テーブルには、状態指数Zの範囲別に、7つの被験者の状態が対応付けられている。詳しくは、状態指数Zの範囲別に、かなり眠い(弛緩状態:強)、眠い(弛緩状態:中)、少し眠い(弛緩状態:弱)、ふつう(正常状態)、少しイライラ(緊張状態:弱)、イライラ(緊張状態:中)、かなりイライラ(緊張状態:強)が対応付けられている。
なお、本実施形態では、状態判定テーブルに状態指数Zの範囲別に7つの被験者の状態が対応付けられているが、状態判定テーブルにおける被験者の状態の定義方法はこれに限定されるものではない。
例えば、弛緩状態及び緊張状態における程度を2段階に分けて定義するようにしても、また、さらに弛緩状態及び緊張状態における程度の種別を細分化して定義するようにしてもよい。
図1の説明に戻り、基準特性データ165は、正常被験者のRR間隔データの変動係数の分布特性を示したデータであり、正常な状態にある被験者(以下、正常被験者とする)から採取されたn個のRR間隔データ(以下、RR間隔データ標本とする)の統計結果に基づいて作成される。
詳しくは、基準特性データ165は、正常被験者によるRR間隔データ標本において、「範囲要素」と「RR間隔データ要素」と「変動係数」との関係を示したデータである。
本実施形態では、基準特性データ165の「範囲要素」としてRR間隔データの分布範囲の幅W(以下、分布幅Wとする)を採用する。この分布幅Wは、RR間隔データ標本におけるRR間隔データの最大値と最小値の幅(差)を示す。
「RR間隔データ要素」は、RR間隔データ標本全体(全範囲)に対するRR間隔の平均値を採用し、「変動係数」は、RR間隔データ標本全体に対するRR間隔の平均値と変動係数を採用する。
本実施形態では、基準特性データ165の一例として、RR間隔データの平均値と変動係数との関係を、分布幅W別に示したデータを用いて説明する。
ここで、基準特性データ165の一部を抜粋して正常被験者の変動係数の傾向について説明する。
図3(a)は、分布幅Wが16.6msecの場合における、RR間隔データの平均値と変動係数との関係を示す特性曲線である。
図3(a)に示すように、分布幅Wが16.6msecの正常被験者におけるRR間隔データの変動係数には、RR間隔データの平均値が大きくなるにつれて減少する(下り勾配)傾向がある。
図3(b)は、分布幅Wが74.6msecの場合における、RR間隔データの平均値と変動係数との関係を示す特性曲線である。
図3(b)に示すように、分布幅Wが74.6msecの正常被験者におけるRR間隔データの変動係数は、特定のピークポイント(分岐点)を境に異なる傾向を示す。詳しくは、RR間隔データの平均値がピークポイントより小さい範囲、即ち、Q1領域では、RR間隔データの平均値が大きくなるにつれて増加する(上り勾配)傾向がある。一方、RR間隔データの平均値がピークポイント以上の範囲、即ちQ2領域では、RR間隔データの平均値が大きくなるにつれて減少する(下り勾配)傾向がある。
基準特性データ165では、分布幅Wが30msec未満の場合、図3(a)に示すような、ピークポイントの現れない、下り勾配のみの特性曲線が現れる傾向にある。
また、基準特性データ165では、分布幅Wが30msec以上の場合、図3(b)に示すような、ピークポイントを境に変動係数の傾向が上り勾配から下り勾配に変化する特性曲線が現れる傾向にある。
なお、本実施形態では、図3(a)に示す、分布幅Wが30msec未満における特性曲線の下り勾配の領域は、便宜上図3(b)のピークポイント以上の範囲を示すQ2領域として扱う。
図3(a)、(b)は、基準特性データ165における一部を抜粋したものであり、基準特性データ165には、分布幅Wごとに異なる変動係数の分布特性が示されている。
但し、基準特性データ165における変動係数の分布値は、分布幅Wごとに異なるものの、変動係数の分布傾向は、上述したような勾配特性を示す。
例えば、分布幅Wが30msec以上の場合、ピークポイントの値は、分布幅Wごとに変化するが、ピークポイント前後の勾配傾向は分布幅Wによらず共通している。
基準特性データ165には、分布幅Wが30msec未満の場合には、図3(a)に示すような分布傾向を有する特性曲線のデータが分布幅Wごとに格納されている。また、分布幅Wが30msec以上の場合には、図3(b)に示すような分布傾向を有する特性曲線のデータが分布幅Wごとに格納されている。
図4は、分布幅Wと、ピークポイントにおけるRR間隔データの平均値(以下、ピークポイント値とする)との関係を示した図である。
なお、分布幅Wが30msec未満においては、ピークポイントの代わりに、図3(a)に示すような、変動係数の下り勾配の始点ポイントを示す。
図4に示すように、基準特性データ165では、分布幅Wの値が増加するにつれて、ピークポイント値も増加する傾向にある。
通常、正常被験者のRR間隔データの平均値と分散値との関係には、個人差が存在するものである。
しかしながら、正常被験者のRR間隔データの平均値と変動係数との関係は、図3に示すような特性曲線に収束することが、収集した多くの実験(実測)データの統計値から判明した。
そこで、本実施形態における状態評価装置1では、このような特定の傾向を示す基準特性データ165から、個人差を超えた(万人に共通の)変動係数の基準値(基準変動値)を求め、この値に基づいて被験者の状態の程度を判定する。
なお、正常被験者のRR間隔データの変動係数は、後述する、最尤分散に基づく標準偏差、又は、普遍分散に基づく標準偏差に基づいて算出する。
次に、以上のように構成された状態評価装置1における被験者の状態の評価処理の方法について説明する。詳しくは、被験者が正常状態、緊張状態、弛緩状態のいずれの状態にあるか、さらに、その状態の程度の判定処理の方法について説明する。
図5は、状態評価装置1における被験者の状態評価処理の動作手順を示したフローチャートである。
まず、CPU11は、被験者のn個のRR間隔データを記憶装置16における心拍データ格納領域161から取得する(ステップ11)。本実施形態では、一例として50個のRR間隔データを取得する。
図6は、解析対象である50個のRR間隔データの一例を示した図である。
CPU11は、図6に示すような時系列に連続した50個のRR間隔データ(RR1〜RR50)を心拍データ格納領域161から読み出し、RAM13に格納する。
次に、CPU11は、取得した50個のRR間隔データのうちの最大値と最小値を抽出する(ステップ12)。
CPU11は、例えば、図6に示す50個のRR間隔データを取得した場合、RR22の650[msec]をRR間隔データの最大値として抽出し、RR5の350[msec]をRR間隔データの最小値として抽出する。そして、CPU11は、抽出した最大値と最小値のデータをRAM13に格納する。
続いてCPU11は、抽出した最大値から最小値を減算することによって、RR間隔データ(RR1〜RR50)の分布幅Wを算出する(ステップ13)。
さらに、CPU11は、RR間隔データ(RR1〜RR50)の平均値[x]を算出する(ステップ14)。
次に、CPU11は、取得した50個のRR間隔データ(RR1〜RR50)の変動係数Cを算出する(ステップ15)。なお、CPU11は、算出した分布幅W、RR間隔データの平均値[x]、RR間隔データの変動係数CをRAM13に格納する。
ここで、n個のRR間隔データの変動係数の算出方法について説明する。
本実施形態は、被験者のある時点における状態を評価(判定)することを目的としている。そのため、短時間で、つまり、少ないデータ量で、被験者の状態をより適切に評価することができる標本分散である最尤分散に基づく標準偏差から変動係数を算出する方法を用いる。
n個のRR間隔データをx1、x2、x3…xnとし、その標本平均を[x]で表した場合、([x]−xi)の2乗の平均値が、そのn個のデータの標本平均に基づく分散値s2であり、分散値s2は次の数式で表される。
2={Σ([x]−xi2}/n …(1)
但し、上式(1)におけるΣによる加算範囲は、i=1〜nとする。
変動係数Cは、標準偏差sを標本平均[x]で割ったものである。また、標準偏差sは、分散値s2の平方根の値として計算される。
従って、分散値s2の平方根を標本平均[x]で割ることにより変動係数Cが求められる。
なお、本実施形態では、最尤分散に基づく標準偏差から変動係数を算出する方法を用いているが、変動係数を算出する方法はこれに限定されるものではない。
例えば、分散値が次の数式で表される普遍分散に基づく標準偏差から変動係数を算出するようにしてもよい。
2={Σ([x]−xi2}/(n−1) …(2)
但し、上式(2)におけるΣによる加算範囲は、i=1〜nとする。
次に、CPU11は、RR間隔データ(RR1〜RR50)に対応する正常時変動係数Rを基準特性データ165から求める(ステップ16)。
詳しくは、CPU11は、RR間隔データ(RR1〜RR50)の分布幅Wに該当するRR間隔データの分布幅Wの特性曲線(正常被験者のRR間隔データの平均値と変動係数との関係を示す曲線)を特定する。
CPU11は、特定された特性曲線において、RR間隔データ(RR1〜RR50)の平均値[x]を、『RR間隔データの平均値』にとった場合の変動係数の値を求める。そして、この変動係数の値を正常時変動係数Rとする。
続いて、CPU11は、変動係数Cと、正常時変動係数Rとの差である状態指数Zを算出する(ステップ17)。CPU11は、その減算結果をRAM13に格納する。
ここでは、変動係数Cから正常時変動係数Rを減算し、この減算値を状態指数Zとする。即ち、状態指数Zは、次式で表される。
状態指数Z=C−R
そして、CPU11は、算出された状態指数Zを状態判定テーブル(図2)と照合することによって、被験者の状態を判定し(ステップ18)、処理を終了する。
このように、本実施形態では、変動係数Cと正常時変動係数Rの比較結果に基づいて被験者の状態を判定するように構成されている。
被験者のRR間隔データの平均値と分散値との関係には個人差があるため、変動係数Cから、絶対的に被験者の状態の程度を判定することはできない。
しかしながら、本実施形態によれば、変動係数Cに対して、個人差のない変動係数の基準値(基準特性データ165)に基づく演算処理を施すことにより、絶対的に被験者の状態の程度を判定することが可能な状態指数Zを算出することができる。
従来のRR間隔データの分散値に基づく状態の評価手法では、測定データが少ない場合、即ち、データの測定時間が短い場合、被験者が『正常状態』『緊張状態』『弛緩状態』のいずれの状態にあるかを適切に判定することは困難であった。
しかしながら本実施形態では、短い測定時間で、つまり、少ないデータ量で、被験者が『正常状態』『緊張状態』『弛緩状態』のいずれの状態にあるかを適切に判定することができる。本実施形態で説明したように、例えば、50個のRR間隔データを用いた場合には、わずか数十秒の間に測定(採取)したデータに基づいて被験者の状態を判定することができる。
なお、より短い時間、例えば、十秒程度で被験者の状態の判定をする場合には、例えば、解析対象とするRR間隔データ数を10〜20個程度に設定して処理を行う。
一方、状態判定を出力するまでの時間に余裕がある場合、例えば、2分程度で被験者の状態の判定をする場合には、解析対象とするRR間隔データ数を、例えば、100〜150個程度に設定して処理を行う。
このように、解析対象とするRR間隔データ数(n個)の値は、任意に変更することができる。
RR間隔の平均値や分散値は、被験者の体型や体質などによって異なるものである。しかしながら、被験者の変動係数Cと、基準特性データ165から求められた正常時変動係数Rとの間には、統計データから次のような傾向(関係)があることが判明している。
変動係数Cが正常時変動係数Rより大きい場合には、被験者が『弛緩状態』にあり、一方、変動係数Cが正常時変動係数Rより小さい場合には、被験者が『緊張状態』にある。
そこで、本実施形態の状態評価装置1は、このような傾向特性に基づいて、被験者の状態を評価するように構成されている。
本実施形態では、状態判定テーブルを参照して、被験者の状態だけでなく、その程度まで判定するように構成されている。しかしながら、被験者の状態の判定方法はこれに限定されるものではない。
例えば、算出された状態指数Zに基づいて、被験者が『正常状態』『緊張状態』『弛緩状態』のいずれの状態にあるかを簡易的に判定するようにしてもよい。具体的には、状態指数Zが、所定の第1の閾値(例えば、−0.02)以下の場合『緊張状態』と判断し、所定の第1の閾値より大きく第2の閾値(例えば、+0.02)より小さい場合『正常状態』であると判断し、第2の閾値以上の場合『弛緩状態』であると判断するようにしてもよい。
また、例えば、より簡単に、状態指数Zが正の値である場合『弛緩状態』と判断し、負の値である場合『緊張状態』と判断するようにしてもよい。
なお、『弛緩状態』とは、精神が漫然としている状態、眠気を催している状態を示し、『緊張状態』とは、心が張りつめている状態、神経が高ぶってイライラしている状態を示す。
上述した本実施形態では、「RR間隔データ要素」をx軸、「変動係数」をy軸とする2次元グラフで示される基準特性データ165を用いた例について説明したが、基準特性データ165の形態はこれに限定されるものではない。
例えば、「RR間隔データ要素」と「変動係数」との対応を「範囲要素」別に示した関係テーブル(表データ)として、記憶装置16に格納するようにしてもよい。
さらに、例えば、「RR間隔データ要素」をx軸、「変動係数」をy軸、「範囲要素」をz軸とする3次元グラフで示される基準特性データ165を用いるようにしてもよい。
このように基準特性データ165を3次元グラフで表現した場合、図3(a)、(b)に示す特性曲線が密に並んだ特性曲面が3次元空間に構成される。
このような3次元グラフで示される基準特性データ165を用いた場合には、上述したステップ15における、2次元グラフで示される基準特性データ165(図3)から、特性曲線を特定する処理に変えて、例えば、次のような処理を行う。
CPU11は、3次元グラフで表現された基準特性データ165の特性曲面において、被験者のRR間隔データの分布幅Wを、『RR間隔データの分布範囲の幅W』(z軸)にとった場合の『RR間隔データの平均値』と『変動係数』との関係を示す特性曲線を求める。そして、求めた特性曲線に基づいて正常時変動係数Rを特定する。
また、基準特性データ165を3次元グラフで表現した場合には、次のように正常時変動係数Rを特定することもできる。
3次元グラフで表現された基準特性データ165の特性曲面において、被験者のRR間隔データのRR間隔データの平均値[1]を、『RR間隔データの平均値』(x軸)にとった場合の『変動係数』と『RR間隔データの分布範囲の幅W』との関係を示す特性曲線を求める。そして、求めた特性曲線において、被験者のRR間隔データの分布幅Wを『RR間隔データの分布範囲の幅W』にとった場合の変動係数の値を正常時変動係数Rとする。
上述した本実施形態では、基準特性データ165を参照して正常時変動係数Rを特定するように構成されている。しかしながら、正常時変動係数Rの特定方法は、これに限定されるものではない。
例えば、上述したような2次元グラフ(特性曲線)や3次元グラフ(特性曲面)で表現された基準特性データ165を、指数関数や対数関数などの各種関数を用いて近似関数化し、その係数や定数を求める。そして、これらの係数や定数を、RR間隔データの分布幅WやRR間隔データの平均値[x]、RR間隔データの分散値を用いて、重回帰分析やパス解析を実行することにより表現し、正常時変動係数Rを算出する。
つまり、正常時変動係数Rは、基準特性データ165の近似関数を用いて算出するようにしてもよい。
次に、近似関数で表現した基準特性データ165を用いて正常時変動係数Rを算出する方法の一例について説明する。
図7は、近似関数で表現した基準特性データ165を用いて正常時変動係数Rを算出する手順を示したフローチャートである。
ここでは、基準特性データ165をピークポイントの前後のQ1領域とQ2領域における特性曲線を、それぞれ異なる関数で近似した場合について説明する。
まず、CPU11は、先述したステップ13の処理において算出したRR間隔データ(RR1〜RR50)の分布幅Wが30msec以上であるか否かを判断する(ステップ21)。
上述したように分布幅Wが30msec未満の場合と、30msec以上の場合とでは、基準特性データ165における変動係数の分布傾向が異なる。そこで、この処理では、RR間隔データ(RR1〜RR50)の分布幅Wに基づいて、使用する特性曲線が30msec未満又は30msec以上のいずれの分布傾向に属するかを判断する。
分布幅Wが30msec以上である場合(ステップ21;Y)、CPU11は、RR間隔データ(RR1〜RR50)の平均値[x]がピークポイントより小さい範囲(Q1領域)にあるか否かを判断する(ステップ22)。即ち、使用する特性曲線が図3(b)に示すようなピークポイントの前後で勾配が変化する場合、RR間隔データの平均値[x]がQ1領域又はQ2領域のいずれの領域に属するかを判断する。
図4に示すように、ピークポイント値は分布幅Wに応じて変化する。そこで、ここでは、RR間隔データの分布幅Wに該当するピークポイント値を求め、求められたピークポイント値をRR間隔データの平均値[x]と比較することによって、RR間隔データの平均値[x]がQ1領域又はQ2領域のいずれの領域に属するかを判断する。
RR間隔データの分布幅W[msec]に該当するピークポイント値Y[msec]は、図4に示す分布幅Wと、ピークポイント値との関係特性を、例えば、次式で示す近似関数で表現することにより算出することができる。
ピークポイント値Y=22×√(W−20)+448
なお、分布幅Wと、ピークポイント値Yとの関係を表現する近似関数は、これに限定されるものではない。他の近似関数(近似式)を用いて算出するようにしてもよい。
CPU11は、ここで算出された、RR間隔データの分布幅Wに対応するピークポイント値Yを、RR間隔データの平均値[x]と比較し、平均値[x]がピークポイント値Yより小さい場合には、RR間隔データの平均値[x]がQ1領域にありと判断する。一方、平均値[x]がピークポイント値Y以上の場合には、RR間隔データの平均値[x]がQ2領域にありと判断する。
そして、RR間隔データの平均値[x]がQ1領域にあると判断した場合(ステップ22;Y)、CPU11は、例えば、次式に示すQ1領域に対応する近似関数により正常時変動係数Rを算出し(ステップ23)、メインルーチンにリターンする。
正常時変動係数R=0.2873×W×(1/[x])×(Y/[x])×α
但し、αは、近似式のスケールファクタ(倍率)を設定する値であり、任意の数値を与えることができる。
一方、分布幅Wが30msec未満である場合(ステップ21;N)、また、RR間隔データの平均値[x]がQ1領域にない(即ち、Q2領域にあり)と判断した場合(ステップ22;N)、CPU11は、例えば、次式に示すQ2領域に対応する近似関数により正常時変動係数Rを算出し(ステップ24)、メインルーチンにリターンする。
正常時変動係数R=0.2873×W×(1/[x])
なお、基準特性データ165のQ1領域に対応する近似関数、Q2領域に対応する近似関数は、これに限定されるものではない。他の近似関数を用いて正常時変動係数Rを算出するようにしてもよい。
上述した本実施形態では、変動係数Cから正常時変動係数Rを減算し、この減算値を状態指数Zと定義したが、状態指数Zの定義方法はこれに限定されるものではない。
例えば、変動係数Cから正常時変動係数Rを減算し、この減算値にβを掛けた値を状態指数Zと定義するようにしてもよい。但し、この場合には、状態判定テーブルにおける状態指数Zの範囲を設定する閾値もβ倍した値を設定する。
なお、βは、スケールファクタ(倍率)を設定する値であり、任意の値を与えることができる。
本実施形態では、基準特性データ165における「範囲要素」として、RR間隔データ標本の分布幅Wを用いた場合について説明した。
しかし、「範囲要素」として採用可能な値はこれに限定されるものではない。例えば、RR間隔データ標本の全分布範囲を所定値γで割った値など、RR間隔データ標本におけるRR間隔データの分布範囲に基づく値であればよい。
また、本実施形態では、基準特性データ165における「RR間隔データ要素」として、RR間隔データ標本の平均値を用いた場合について説明した。「RR間隔データ要素」として採用可能な値もまた、これに限定されるものではない。例えば、RR間隔データ標本の分布範囲の中間値(中心値)や、RR間隔データ標本の最小値、最大値など、RR間隔データ標本におけるRR間隔データの範囲に基づく値であればよい。
但し、正常時変動係数Rを特定する場合には、基準特性データ165の「範囲要素」及び「RR間隔データ要素」として用いた値に対応する値を、判定(評価)対象となる被験者のRR間隔データから求めて当てはめるようにする。
また、近似関数を利用した算出式においても、例えば、「RR間隔データ要素」として、RR間隔データ標本の分布範囲の中心値を採用した場合には、上述した近似式において、RR間隔データの平均値[x]に代えてRR間隔データ標本の分布範囲の中心値Mを当てはめて計算する。
なお、RR間隔データ標本の分布範囲の中心値Mは、RR間隔データの最大値と最小値の和を2で割ることにより求めることができる。
上述した本実施形態では、被験者のn個(例えば、50個)のRR間隔データを採取し、そのデータに基づいて状態判定を行う。
この被験者の状態判定に用いられるn個のRR間隔データを採取するタイミングは任意に設定することができる。
例えば、50個のRR間隔データを状態判定用に採取する場合には、連続した50個のRR間隔データ(RR1〜RR50)を採取した後、続けて、RR2〜RR51、RR3〜RR52、RR4〜RR53…のように、RR間隔データを1つずつずらしながら次の状態判定用のRR間隔データのセットを続けて採取し、判定処理を実行するようにしてもよい。なお、このように続けて複数の判定用のRR間隔データのセットを採取する際のRR間隔データのずらし量は、任意に設定することができる。
図8は、RR間隔データを1つずつずらしながら次の状態判定用のRR間隔データを採取した場合における、RR間隔データの実測値、及び状態指数Zの変化の一例を示した図である。
このように、連続して複数の判定用のRR間隔データのセットを採取して状態判定を行うことにより、被験者の詳細な状態の変化状況を認識することができる。
本実施形態では、取得したn個(50個)のRR間隔データ(RR1〜RR50)の全体を判定対象のデータとして、変動係数C、分布幅W(範囲要素)、平均値[x](RR間隔データ要素)を求め、これらの値に基づいて被験者の状態判定を行うように構成されている。
しかしながら判定対象とするデータ(以下、対象データとする)として、必ずしも、取得したRR間隔データの全体(全範囲のデータ)を用いる必要はない。
例えば、取得したn個のRR間隔データのうちの最大値から所定範囲に分布するRR間隔データを除いたもの(最小値側から一定の範囲のRR間隔データ)を対象データとして、変動係数C、分布幅W、平均値[x]を求めるようにしてもよい。例えば、最大値を除いたRR間隔データや、分布幅Wの最大値側p%を除いたRR間隔データを対象データとする。
また、最小値から所定範囲に分布するRR間隔データを除いたものを対象データとするようにしてもよい。例えば、最小値を除いたRR間隔データや、分布幅Wの最小値側q%を除いたRR間隔データを対象データとする。
さらに、最大値から所定範囲に分布するRR間隔データ、及び、最小値から所定範囲に分布するRR間隔データを除いたものを対象データとするようにしてもよい。例えば、最大値と最小値を除いたRR間隔データや、分布幅Wの最大値側p%と最小値側q%を除いたRR間隔データを対象データとする。
また、変動係数C、分布幅W、平均値[x]を求める場合の対象データの範囲として同一の範囲を使用する場合だけでなく、それぞれ異なる範囲のRR間隔データを使用するようにしてもよい。
すなわち、RR間隔データ標本の最大と最小値の範囲を全範囲Hとした場合に、この全範囲Hに対する所定範囲rを分布範囲W(範囲要素)とし、所定範囲sから平均値[x](RR間隔データ要素)を求め、所定範囲tから変動係数Cを求めるようにしてもよい。
例えば、分布幅Wとして全範囲Hを使用し、平均値[x]を求める所定範囲sとして全範囲Hの最大値側p%を除いた範囲を使用し、変動係数Cを求める所定範囲tとして全範囲Hの最小値側q%を除いた範囲を使用するようにしてもよい。
この場合、状態判定で用いる基準特性データ165は、被験者の変動係数C、分布幅W、平均値[x]を求める場合に使用する各対象データの範囲と同じ範囲を用いて作成する。
このように、対象データの任意設定を可能とすることにより、装置の使用環境などにより生じるノイズ成分を適切に除去することができる。
上述した本実施形態に係る状態評価装置1は、運転支援装置に組み込んで、車両の運転者の状態を評価する装置として用いるようにしてもよい。
この場合、運転者に心拍センサ2を装着してリアルタイムに運転者の状態を判定する。そして、運転者の状態の判定結果(評価結果)に基づいて、適切な運転支援処理を施すように構成する。
例えば、運転者が『緊張状態』であると判定された場合には、例えば、振動マッサージ装置を作動させたり、酸素濃度調節装置を作動させて室内の酸素濃度を上げたりなどの制御を行う。
また、運転者が『弛緩状態』であると判定された場合には、運転支援装置においてリフレッシュモードを作動させ、例えば、アラーム(警告)装置の警告音を早いテンポで鳴動させたり、振動警告装置を作動させたり、また、冷気噴射装置を作動させたりなどの制御を行う。
本実施形態における状態評価装置及び周辺装置の構成を表した図である。 状態判定テーブルの一例を示した図である。 (a)は分布幅Wが16.6msecの場合における、RR間隔データの平均値と変動係数との関係を示す特性曲線であり、(b)は分布幅Wが74.6msecの場合における、RR間隔データの平均値と変動係数との関係を示す特性曲線である。 分布幅Wと、ピークポイントにおけるRR間隔データの平均値との関係を示した図である。 状態評価装置における被験者の状態評価処理の動作手順を示したフローチャートである。 解析対象である50個のRR間隔データの一例を示した図である。 近似関数で表現した基準特性データを用いて正常時変動係数Rを算出する手順を示したフローチャートである。 RR間隔データを1つずつずらしながら次の状態判定用のRR間隔データを採取した場合における、RR間隔データの実測値、及び状態指数Zの変化の一例を示した図である。
符号の説明
1 状態評価装置
2 心拍センサ
11 CPU
12 ROM
13 RAM
14 入力装置
15 出力装置
16 記憶装置
161 心拍データ格納領域
162 判定結果格納領域
163 状態評価プログラム
164 状態判定閾値データ
165 基準特性データ

Claims (5)

  1. 心拍のR波間隔を示すRR間隔データをn個取得するRR間隔データ取得手段と、
    前記取得したn個のRR間隔データの変動係数を算出する変動係数算出手段と、
    正常状態にある被験者のn個のRR間隔データからなる標本に基づいて作成され、前記標本におけるRR間隔データの分布範囲の幅に基づく範囲要素と、前記標本におけるRR間隔データの分布範囲に基づくRR間隔データ要素と、前記標本におけるRR間隔データの変動係数との関係を示す基準特性データを取得する基準特性データ取得手段と、
    前記基準特性データにおいて、前記取得したRR間隔データの分布範囲に基づくRR間隔データ要素、及び、前記取得したRR間隔データの分布範囲に基づく範囲要素を当てはめることにより正常時変動係数を特定する正常時変動係数特定手段と、
    前記算出した変動係数と、前記特定された正常時変動係数との比較結果に基づいて、被験者の状態を評価する状態評価手段と、
    を具備することを特徴とする状態評価装置。
  2. 前記RR間隔データ要素は、RR間隔データの平均値、又はRR間隔データの分布範囲の中心値であることを特徴とする請求項1に記載の状態評価装置。
  3. 前記変動係数算出手段は、最尤分散に基づく標準偏差から変動係数を算出することを特徴とする請求項1、又は請求項2に記載の状態評価装置。
  4. 前記基準特性データ取得手段は、近似関数で表現された基準特性データを取得し、
    前記正常時変動係数特定手段は、前記取得した基準特性データの近似関数に基づいて、前記正常時変動係数を特定することを特徴とする請求項1、請求項2又は請求項3に記載の状態評価装置。
  5. RR間隔データ取得手段と、変動係数算出手段と、基準特性データ取得手段と、正常時変動係数特定手段と、状態評価手段とを具備した状態評価装置に、
    前記RR間隔データ取得手段が、心拍のR波間隔を示すRR間隔データをn個取得するRR間隔データ取得機能と、
    前記変動係数算出手段が、前記取得したn個のRR間隔データの変動係数を算出する変動係数算出機能と、
    前記基準特性データ取得手段が、正常状態にある被験者のn個のRR間隔データからなる標本に基づいて作成され、前記標本におけるRR間隔データの分布範囲の幅に基づく範囲要素と、前記標本におけるRR間隔データの分布範囲に基づくRR間隔データ要素と、前記標本におけるRR間隔データの変動係数との関係を示す基準特性データを取得する基準特性データ取得機能と、
    前記正常時変動係数特定手段が、前記基準特性データにおいて、前記取得したRR間隔データの分布範囲に基づくRR間隔データ要素、及び、前記取得したRR間隔データの分布範囲に基づく範囲要素を当てはめることにより正常時変動係数を特定する正常時変動係数特定機能と、
    前記状態評価手段が、前記算出した変動係数と、前記特定された正常時変動係数との比較結果に基づいて、被験者の状態を評価する状態評価機能と、
    を実現させるためのコンピュータ読み取り可能な状態評価プログラム。
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