JP2009232865A - Dna識別のためのプローブアレイ及びプローブアレイの使用方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】本発明は、マイクロアレイ技術におけるDNAの単純及び複合提示物の使用のための組成物及び方法を提供する。本発明はまた、細胞由来のDNAの高コンプレキシティー提示物(HCR)の製造方法に関する。
【選択図】なし
Description
カリオタイピング(karyotyping)、プロイディー(ploidy)の決定、そして更に近年では比較ゲノムハイブリダイゼーション(CGH)等の、ゲノム解析のためのグローバルな方法(Federら, 1998, Cancer Genet. Cytogenet., 102:25-31; Gebhartら, 1998, Int. J. Oncol. 12:1151-1155; Larramendyら,1997, Am. J. Pathol., 151:1153-1161; Luら, 1997, Genes Chromosomes Cancer, 20:275-281,これらの文献は参照によってその全てを本明細書中に組み入れる)は、癌及び他の疾患または遺伝子成分が関連する状態の病理生理学に有用な知見を提供し、場合によっては診断、予後及び治療の選択に役立ってきたが、現在使用されている方法は標準的な顕微鏡によって達成し得る解析レベル、すなわち約5-10メガベース以上の解析レベルを提供するものではない。更に、突然変異しやすい多くの特定遺伝子を、非常に特異的な方法でゲノムを調べるためのプローブとして使用することができるが(Fordら, 1998, Am. J. Hum. Genet., 62:676-689; Gebhartら, 1998, Int. J. Oncol., 12:1151-1155; Haciaら, 1996, Nat. Genet., 14:441-447,これらの文献は参照によってその全てを本明細書中に組み入れる)、この1対1のクエリ(query)は、遺伝的に細胞をタイプ分けするのには非効率的であり、不完全な方法である。
ヒトの腫瘍における遺伝的変化の解析は、正常な間質の存在のために、しばしば問題がある。腫瘍組織サンプルは非癌細胞が混在する場合が多く、腫瘍細胞DNAの単離及び研究を困難なものとしている。微小切開(microdissection)またはフローサイトメトリーによって、腫瘍細胞または核に非常に富む小サンプルを得ることができるが、このような富化サンプルから回収できる抽出DNAの量は、ほとんどの使用に不十分なものである。
1.増幅されたDNAはサザン解析に使用できない。単一の遺伝子に1プライマーより多くが結合できるため、単一の遺伝子からサイズの異なる断片の不均質な混合物が生成し得る。このために、サザンハイブリダイゼーションによって、バンドではなくしみ(smear)が検出されることになる。
2.増幅のランダムな性質のために、それぞれの増幅によって異なる断片混合物が生じる。従って増幅で信頼できる程度の再現性が得られない。このことから、サンプル間比較の目的のためのこうした全ゲノム増幅の使用が困難になる。
3.ゲノム増幅は元のサンプルに存在する遺伝子のコピー数を定量化するためには有用でない。プライマーがランダムであるため、各遺伝子の提示物は他の遺伝子と大きく異なることがある。従って、元のサンプルにおける他の遺伝子に対する各遺伝子の存在量は増幅の過程で保存されず、コピー数の定量化は不可能になる。
〔1〕1またはそれ以上のDNA提示物(representations)由来のプローブを含むDNAアレイ。
〔2〕DNAがゲノムDNAである、〔1〕に記載のアレイ。
〔3〕DNAがメガクローニングベクターからのものである、〔1〕に記載のアレイ。
〔4〕DNAがcDNAからのものである、〔1〕に記載のアレイ。
〔5〕メガクローニングベクター特異的配列、及び宿主特異的配列が、提示差解析(representational difference analysis)によって実質的に除かれる、〔3〕に記載のアレイ。
〔6〕提示物がゲノムDNAのコンプレキシティーの70%以下に等しいコンプレキシティーを有する、〔2〕に記載のアレイ。
〔7〕提示物がゲノムDNAのコンプレキシティーの20%以下に等しいコンプレキシティーを有する、〔2〕に記載のアレイ。
〔8〕提示物がゲノムDNAのコンプレキシティーの5%以下に等しいコンプレキシティーを有する、〔2〕に記載のアレイ。
〔9〕予め定められた第2の制限的エンドヌクレアーゼ切断部位を有さない第1の提示物の断片から本質的になるDNAの複合提示物であって、該第2の制限的エンドヌクレアーゼ切断部位が第1の提示物を作成するために使用される第1の制限的エンドヌクレアーゼによって認識される切断部位と異なることを特徴とする、上記複合提示物。
〔10〕予め定められた第2の制限的エンドヌクレアーゼ切断部位を有する第1の提示物の断片の部分から本質的になるDNAの複合提示物であって、該第2の制限的エンドヌクレアーゼ切断部位が第1の提示物を作成するために使用される第1の制限的エンドヌクレアーゼによって認識される切断部位と異なることを特徴とする、上記複合提示物。
〔11〕1またはそれ以上のDNAの提示物にハイブリダイズするマイクロアレイ。
〔12〕2つの提示物がマイクロアレイにハイブリダイズしている、〔11〕に記載のマイクロアレイ。
〔13〕2つの提示物が複合提示物である、〔12〕に記載のマイクロアレイ。
〔14〕提示物が異なって標識されている、〔12〕に記載のマイクロアレイ。
〔15〕DNAの複合提示物の製造方法であって、
(a)DNAのサンプルを第1の制限的エンドヌクレアーゼで消化して消化DNA断片を提供し、
(b)該消化DNA断片にアダプターを連結し、
(c)該アダプターに相補的なプライマーを使用して該DNA断片を増幅して該DNAの第1の提示物を提供し、
(d)第1の提示物を第2の制限的エンドヌクレーゼで消化して消化DNA断片を提供し、
(e)該アダプターに相補的なプライマーを使用して段階(d)の該DNA断片を増幅して該DNAの複合提示物を提供する、
ことを含む、上記方法。
〔16〕DNAの複合提示物の製造方法であって、
(a)DNAのサンプルを第1の制限的エンドヌクレアーゼで消化して消化DNA断片を提供し、
(b)該消化DNA断片に第1のアダプターを連結し、
(c)該アダプターに相補的なプライマーを使用して該DNA断片を増幅して該DNAの第1の提示物を提供し、
(d)第1の提示物を第2の制限的エンドヌクレーゼで消化して消化DNA断片を提供し、
(e)第2の制限的エンドヌクレアーゼによって生成した段階(d)の該断片の末端に第2のアダプターを連結し、
(f)段階(d)の該断片の5’末端に第3のアダプターを連結し、
(g)該第2及び第3のアダプターに相補的なプライマーを使用して段階(f)の該DNA断片を増幅して該DNAの複合提示物を提供する、
ことを含む、上記方法。
〔17〕固相表面上に固定化されたプローブDNAのアレイに1またはそれ以上のサンプル由来の核酸をハイブリダイズさせる方法であって、
核酸及びプローブDNA間のハイブリダイゼーションが生じ得るような条件下で、1またはそれ以上のサンプル由来の核酸に相補的な配列を含有するか、または含有すると予想される該アレイを1またはそれ以上のサンプル由来の核酸と接触させることを含み、1またはそれ以上のサンプル核酸が1または複数の提示物であるか、またはそれ由来のものであることを特徴とする、上記方法。
〔18〕固相表面上に固定化されたプローブDNAのアレイに1またはそれ以上のサンプル由来の核酸をハイブリダイズさせる方法であって、
核酸及びプローブDNA間のハイブリダイゼーションが生じ得るような条件下で、1またはそれ以上のサンプル由来の核酸に相補的な配列を含有するか、または含有すると予想される該アレイを1またはそれ以上のサンプル由来の核酸と接触させることを含み、プローブDNAが1またはそれ以上の提示物であるか、またはそれ由来のものであることを特徴とする、上記方法。
〔19〕固相表面上に固定化されたプローブDNAのアレイに1またはそれ以上のサンプル由来の核酸をハイブリダイズさせる方法であって、
核酸及びプローブDNA間のハイブリダイゼーションが生じ得るような条件下で、1またはそれ以上のサンプル由来の核酸に相補的な配列を含有するか、または含有すると予想されるアレイを1またはそれ以上のサンプル由来の核酸と接触させることを含み、1またはそれ以上のサンプル核酸が提示物であるか、またはそれ由来のものであり、かつプローブDNAが1またはそれ以上の提示物であるか、またはそれ由来のものである、上記方法。
〔20〕DNAの高コンプレキシティー提示物の製造方法であって、
(a)DNAのサンプルを相対切断頻度の高い制限的エンドヌクレアーゼで消化して消化DNA断片を提供し、
(b)該消化DNA断片にアダプターを連結し、
(c)該アダプターに相補的なプライマーを使用して該DNA断片を増幅して該DNAの高コンプレキシティー提示物を提供する、
ことを含む、上記方法。
〔21〕DNAのサンプルが生検標本、細胞系、検死標本、法医学(forensic)標本または古生物学的(paleoentological)標本から得られるものである、〔20〕に記載の方法。
〔22〕生検標本が分画した生検標本または微小切開した生検標本である、〔21〕に記載の方法。
〔23〕DNAのサンプルが固定した細胞または組織標本から得られるものである、〔20〕に記載の方法。
〔24〕制限的エンドヌクレアーゼが、DpnII、Tsp509I、MboI、Sau3A1、MaeII、MspI、HpaII、BfaI、HinPI、Csp61、TaqI、MseI、AluI、BstUI、DpnI、HaeIII、RsaI、HnaI、及びNlaIIIからなる群から選択されるものである、〔20〕に記載の方法。
〔25〕増幅段階(c)がポリメラーゼ連鎖反応による増幅を伴うものである、〔20〕に記載の方法。
〔26〕DNAサンプルがゲノムDNAサンプルであり、高コンプレキシティー提示物がゲノムの約20-90%を提示する、〔20〕に記載の方法。
〔27〕DNAの高コンプレキシティー提示物の製造方法であって、
(a)DNAのサンプルを少なくとも2種の制限的エンドヌクレアーゼで消化して、少なくとも約50%が100から1000kbの間にある消化DNA断片を提供し、
(b)該消化DNA断片にアダプターを連結し、
(c)該アダプターに相補的なプライマーを使用して該DNA断片を増幅して該DNAの高コンプレキシティー提示物を提供する、
ことを含む、上記方法。
〔28〕DNAサンプルがゲノムDNAサンプルであり、高コンプレキシティー提示物がゲノムの約20-90%を提示する、〔27〕に記載の方法。
〔29〕サザンブロッティングによる配列コピー数の測定、定量的PCRによる配列コピー数の測定、異型接合性喪失のモニタリング及び染色体スプレッドまたはDNAプローブのパネルへのハイブリダイゼーションを介するゲノム変化のモニタリングからなる群から選択される方法における遺伝子解析のための、高コンプレキシティー提示物の使用。
〔30〕DNAサンプルの保存のために〔20〕から〔27〕のいずれか1項に記載の方法に従って得られる高コンプレキシティー提示物の使用。
〔31〕遺伝子コピー数の変異、遺伝子発現レベルの変異、または提示物の再現性を検出するための、〔17〕7に記載の方法の使用。
〔32〕遺伝子コピー数の変異、遺伝子発現レベルの変異、または提示物の再現性を検出するための、〔17〕に記載の方法の使用。
〔33〕遺伝子コピー数の変異、遺伝子発現レベルの変異、または提示物の再現性を検出するための、〔18〕に記載の方法の使用。
〔34〕遺伝子コピー数の変異、遺伝子発現レベルの変異、異型接合性の喪失、遺伝子多型の検出、または起源の決定もしくはサンプルヌクレオチドのメガクローニングベクターライブラリーの特定のメンバーへのマッピングのための、〔19〕に記載の方法の使用。
〔1〕(a)固相支持体であって、その上に規定された座標点のアドレスを有する支持体、及び
(b)1000個の予め定められたユニークな核酸プローブであって、各プローブが、
i)異なるものであり、
ii)固相支持体上に規定された座標点のアドレスに固定され、
iii)ゲノムの同一提示物のメンバーの配列と完全に相補的な配列中に2000個以下のヌクレオチドを有し、かつゲノムにマッピングされている、上記プローブ
を含み、
規定された座標点のアドレスにおけるプローブの同一性が既知である、DNAアレイ。
〔2〕(a)固相支持体であって、その上に規定された座標点のアドレスを有する支持体、及び
(b)1000個の予め定められたユニークな核酸プローブであって、各プローブが、
i)異なるものであり、
ii)固相支持体上に規定された座標点のアドレスに固定され、
iii)ゲノムの提示物を得るためにゲノムDNAを制限的エンドヌクレアーゼで消化し、消化DNA断片にアダプターを連結し、アダプターに相補的なプライマーを用いてDNA断片をポリメラーゼ連鎖反応(PCR)で増幅することによって得られ得る、ゲノムの同一提示物のメンバーのヌクレオチド配列を有し、および
iii)ゲノムにマッピングされた核酸配列を有する、上記プローブ
を含み、
規定された座標点のアドレスにおけるプローブの同一性が既知である、DNAアレイ。
〔3〕以下の工程:
(a)ゲノムDNAの提示物を得る工程、ここで、提示物は、ゲノムDNAを制限的エンドヌクレアーゼで消化して消化DNA断片を得ること、消化DNA断片にアダプターを連結すること、アダプターに相補的なプライマーを用いて、連結されたDNA断片を増幅することにより得られ得るものであり、
(b)ゲノムDNAの提示物由来の核酸を請求項1または2に記載のマイクロアレイに接触させる工程、
(c)工程(b)でのマイクロアレイの規定された座標点のアドレスにおけるハイブリダイゼーションを検出する工程
を含み、それにより、ゲノムDNAのゲノムコピー数の情報を得る、方法。
〔4〕異なる制限的エンドヌクレアーゼでそれぞれ得られた2以上の連続した提示物を含むDNAの複合提示物を製造する方法。
〔5〕(a)DNAのサンプルを第1の制限的エンドヌクレアーゼで消化し、消化DNA断片を得る工程、
(b)消化DNA断片にアダプターを連結する工程、
(c)アダプターに相補的なプライマーを用いて、工程b)で作製されたDNA断片を増幅し、DNAの第1の提示物を得る工程、
(d)第1の提示物を第2の制限的エンドヌクレアーゼで消化し、消化DNA断片を得る工程であって、第2の制限的エンドヌクレアーゼが第1の制限的エンドヌクレアーゼと異なる、上記工程、および
(e)工程(c)で用いたプライマーと同じプライマーを用いて、工程(d)のDNA断片を増幅し、DNAの複合提示物を得る工程、
を含む、〔4〕に記載の方法。
〔6〕(a)DNAのサンプルを第1の制限的エンドヌクレアーゼで消化し、消化DNA断片を得る工程、
(b)消化DNA断片に第1のアダプターを連結する工程、
(c)第1のアダプターに相補的なプライマーを用いて、工程(b)で作製されたDNA断片を増幅し、DNAの第1の提示物を得る工程、
(d)第1の提示物を第2の制限的エンドヌクレアーゼで消化し、消化DNA断片を得る工程であって、第2の制限的エンドヌクレアーゼが第1の制限的エンドヌクレアーゼと異なる、上記工程、
(e)工程(d)で第2の制限的エンドヌクレアーゼにより作製された消化DNA断片の末端に、第2のアダプターを連結する工程、
(f)工程(c)で作製され、かつ工程(d)で第2の制限的エンドヌクレアーゼにより切断されなかったDNA断片の5’末端に第3のアダプターを連結する工程、および
(g)第2及び第3のアダプターに相補的なプライマーを用いて、工程(e)および(f)のDNA断片を増幅し、DNAの複合提示物を得る工程、
を含む、〔5〕に記載の方法。
〔7〕(a)DNAのサンプルを第1の制限的エンドヌクレアーゼで消化し、消化DNA断片を得る工程、
(b)消化DNA断片にアダプターを連結する工程、
(c)工程(b)で作製されたDNA断片を第2の制限的エンドヌクレアーゼで消化し、2重消化DNA断片を得る工程であって、第2の制限的エンドヌクレアーゼが第1の制限的エンドヌクレアーゼと異なる、上記工程、
(d)アダプターと相補的なプライマーを用いて、2重消化DNA断片を増幅し、DNAの複合提示物を得る工程、
を含む、〔5〕に記載の方法。
〔8〕核酸プローブがオリゴヌクレオチドである、〔1〕または〔2〕に記載のDNAアレイ。
〔9〕ゲノムDNAがメガクローニングベクター由来である、〔1〕または〔2〕に記載のDNAアレイ。
〔10〕DNAが、生検標本、細胞系、検死標本、法医学(forensic)標本または古生物学的(paleoentological)標本から得られるものである、〔1〕または〔2〕に記載のDNAアレイ。
〔11〕核酸プローブが2000ヌクレオチド以下の長さである、〔2〕に記載のDNAアレイ。
〔12〕核酸プローブが、100〜1000ヌクレオチドの長さである、〔1〕または〔2〕に記載のDNAアレイ。
〔13〕プローブが、同じプローブの複数のコピーからなり、1つのアドレスに固定されている、〔1〕または〔2〕に記載のDNAアレイ。
〔14〕プローブが、異なる核酸プローブの混合物からなり、1つのアドレスに固定されている、〔1〕または〔2〕に記載のDNAアレイ。
〔15〕アレイのヌクレオチドのコンプレキシティーが、アドレスあたり1.2kb以下である、〔1〕または〔2〕に記載のDNAアレイ。
〔16〕アレイのヌクレオチドのコンプレキシティーが、アドレスあたり1.2kbを越える、〔1〕または〔2〕に記載のDNAアレイ。
〔17〕アレイが、ゲノムのコンプレキシティーの70%以下のコンプレキシティーを有するゲノムの同一提示物のすべての非反復要素に相補的なプローブを含む、〔1〕または〔2〕に記載のDNAアレイ。
〔18〕アレイが、ゲノムのコンプレキシティーの約2%以下のコンプレキシティーを有するゲノムの同一提示物のすべての非反復要素に相補的なプローブを含む、〔1〕または〔2〕に記載のDNAアレイ。
〔19〕相補的な配列が25塩基よりも長い、〔1〕に記載のDNAアレイ。
〔20〕ゲノムDNAが生物の腫瘍細胞由来である、〔1〕または〔2〕に記載のDNAアレイ。
〔21〕ゲノムDNAが生物の非腫瘍細胞由来である、〔1〕または〔2〕に記載のDNAアレイ。
〔22〕参照するゲノムDNAが同じ生物の非腫瘍細胞由来である、〔1〕または〔2〕に記載のDNAアレイ。
〔23〕提示物が蛍光標識されている、〔3〕または〔4〕に記載の方法。
〔24〕核酸プローブがオリゴヌクレオチドである、〔3〕に記載の方法。
〔25〕ゲノムDNAがメガクローニングベクター由来である、〔3〕〜〔8〕のいずれかに記載の方法。
〔26〕DNAが、生検標本、細胞系、検死標本、法医学(forensic)標本または古生物学的(paleoentological)標本から得られるものである、〔3〕〜〔8〕のいずれかに記載の方法。
〔27〕核酸プローブが2000ヌクレオチド以下の長さである、〔3〕に記載の方法。
〔28〕核酸プローブが、100〜1000ヌクレオチドの長さである、〔25〕に記載の方法。
〔29〕プローブが、同じプローブの複数のコピーからなり、1つのアドレスに固定されている、〔3〕に記載の方法。
〔30〕プローブが、異なる核酸プローブの混合物からなり、1つのアドレスに固定されている、〔3〕に記載の方法。
〔31〕アレイのヌクレオチドのコンプレキシティーが、アドレスあたり1.2kb以下である、〔3〕に記載の方法。
〔32〕アレイのヌクレオチドのコンプレキシティーが、アドレスあたり1.2kbを越える、〔3〕に記載の方法。
〔33〕アレイが、ゲノムのコンプレキシティーの70%以下のコンプレキシティーを有するゲノムの同一提示物のすべての非反復要素に相補的なプローブを含む、〔3〕に記載の方法。
〔34〕アレイが、ゲノムのコンプレキシティーの約2%以下のコンプレキシティーを有するゲノムの同一提示物のすべての非反復要素に相補的なプローブを含む、〔3〕に記載の方法。
〔35〕相補的な配列が25塩基よりも長い、〔3〕または〔4〕に記載の方法。
〔36〕ゲノムDNAが生物の腫瘍細胞由来である、〔3〕または〔4〕に記載の方法。
〔37〕ゲノムDNAが生物の非腫瘍細胞由来である、〔3〕または〔4〕に記載の方法。
本発明のひとつの目的は、マイクロアレイ技術においてDNA提示物の使用を提供することである。かかる使用は、本発明の範囲に該当し、範囲を制限するためのものではないいくつかの実施例を以下に記述する。
1つの実施態様において、1種以上の生物学的サンプルに由来するDNA提示物は、提示物に由来するものではない要素から構成されるマイクロアレイにハイブリダイズする。マイクロアレイは、単純または複合アレイであっても良い。特定の実施態様においては、1種以上の生物学的サンプルに由来するDNA提示物は、例えば、BAC、YAC、PAC、P1またはコスミド等のメガクローニング(megacloning)ベクターに由来するDNAを含む複合プローブアレイにハイブリダイズする。別の実施態様においては、アレイ中のDNAは、例えばcDNAまたは発現配列タグ(ESTs)から得られ得る発現配列由来のものであっても良い。これらの実施態様においては、アレイ中のDNAは提示物に由来していない。特定の実施態様においては、マイクロアレイにハイブリダイズした1種以上のサンプルはヒトに由来し、マイクロアレイはヒトDNAインサートを含む1種以上のメガクローニングベクターに由来するDNAから構成されている。提示されるサンプルは、いずれのDNA(cDNAまたはゲノムDNA等)に由来するものであっても良く、高もしくは低コンプレキシティー提示物であってもよい。さらなる実施態様においては、2種類の提示用サンプルが用いられ、サンプルは区別して標識され、各々のサンプルのハイブリダイゼーションを独立して定量し、他方のサンプルと比較することを可能としている。区別した標識は、2つの異なった蛍光指示体(Cy5-dCTP、フルオレセイン-dCTP、またはリサミン-5-dCTP等)でなされても良い。区別した標識およびそのように標識されたDNAのマイクロアレイへのハイブリダイゼーションは当業者には公知である(Schenaら、1995, Science, 270:467-470; Schenaら、1996, Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 93:10614-19; Schenaら、1996, BioEssays, 18(5):427-31; Shalonら、1996, Genome Research, 6:639-645, 各々は参照により本明細書に組み込むものとする)。
第2の実施態様においては、複合プローブアレイDNAおよびハイブリダイズするサンプルDNAの両方が提示物に由来する。5.2節に記載された実施態様との違いは、マイクロアレイが提示物由来の複合プローブで作成されていることである。提示される複合アレイは、各々のアドレスにおいて1種以上の提示物断片に由来するDNA配列を有する。アレイのDNAおよびサンプルDNAのコンプレキシティーが共に減少していることにより、好ましいハイブリダイゼーション動力学および検出の改善が可能となる。好ましくは、サンプルDNAおよびマイクロアレイDNAは、同じように提示される(すなわち、同じ制限酵素で切断され、同じアダプターを連結され、例えばポリメラーゼ連鎖反応により増幅されている)。この実施態様は、同じサンプルに由来する異なった提示物のハイブリダイゼーションパターンを比較することにより、提示物の再現性を評価するために使用できる。ハイブリダイゼーションのパターンが類似もしくは同一であることは、提示物に再現性があることを示唆するものである。
別の実施態様においては、提示物から作成された単純プローブアレイが、提示物に由来するかまたは由来しないDNAを含むサンプルとハイブリダイズする。
本発明は別の面においては、マイクロアレイにハイブリダイズするサンプルDNAは、DNAの複合提示物またはDNAの複合提示物から誘導されたサンプルDNAであり、マイクロアレイは、5.4節に記述されたような提示される単純プローブアレイである。複合提示物は、2種以上の連続した提示物から得られるものである。その最も単純な型においては、複合提示物は、例えばゲノムDNAの第1の提示物を作成し、続いて第1の提示物から第2の提示物を作成することによって作成される。好ましくは、異なった制限酵素を、各々のサンプル提示物について用いるが、第1のサンプル提示物を調製するために用いた酵素とマイクロアレイ上に固定化された提示物を調製するために用いた酵素は同じである。
簡潔にいうと、提示物はDNAを制限的エンドヌクレアーゼで消化し、次いでアダプターを連結し、続いてアダプターに相補的なプライマーを用いて増幅することによって生成される。DNAはいずれの供給源に由来するものであっても良い。この方法はいかなるゲノムに対しても応用できる。正常細胞および疾患性細胞(例えば正常組織と癌組織、好ましくは同じ個体から)の両方から、DNAを同時に単離することが望ましいことがよくある。サンプルの並列処理により、2つの異なった細胞供給源から生成された提示物をより厳密に比較することが可能となる。
本発明において使用するためのマイクロアレイは、この分野で公知であり、プローブが特異的に(好ましくは既知の位置に)ハイブリダイズまたは結合することが可能な表面からなる。それぞれのプローブは、好ましくは異なった核酸配列を有する。固相表面上における各々のプローブの位置は、好ましくは既知である。1つの実施態様においては、マイクロアレイは高密度アレイであり、好ましくは1cm2あたり約60種以上の異なったプローブの密度を有するものである。
マイクロアレイへハイブリダイズさせるべきサンプルは、当業者に公知の任意の方法で標識化され得る。サンプルは任意の供給源に由来しても良く、供給源には提示物、cDNA、RNAまたはゲノムDNAが含まれる。特定の実施態様においては、サンプルは、例えばランダムプライマー標識またはニックトランスレーション等により、蛍光プローブで標識される。サンプルが提示物の場合は、提示物を作成する際のPCR段階の間に、標識化ヌクレオチドを反応中に取り込むことにより標識されても良い。蛍光標識は、例えば、リサミン(lissamine)コンジュゲートヌクレオチドまたはフルオレセインコンジュゲートヌクレオチドアナログであっても良い。サンプルヌクレオチドは、好ましくは、標識後に限外濾過により濃縮されている。
サンプル提示物のアレイへのハイブリダイゼーションには、提示物、または提示物から任意の方法、例えば提示物を核酸合成の鋳型として用いること(ニックトランスレーション、ランダムプライマー反応、提示されたDNAからのRNAの転写等)によって、または提示物を操作すること(提示物のサイズ分画、アレイへの提示物からのゲル精製断片等)によって誘導されたヌクレオチドのハイブリダイゼーションが含まれる。
アレイへのハイブリダイゼーションは当業者に公知であるいずれの方法によって検出しても良い。特定の実施態様においては、蛍光によって標識されたサンプルヌクレオチドのハイブリダイゼーションをレーザースキャナーによって検出する。2種類の異なった蛍光標識を用いた場合には、スキャナーは、好ましくは1種以上の波長(それぞれの蛍光標識に相当するもの)を(好ましくは同時もしくはほぼ同時に)検出可能であるものである。
簡潔に述べると、高コンプレキシティー提示物(HCR)を、DNAの制限エンドヌクレアーゼ消化、それに続くアダプターの連結、次いでアダプターに相補的なプライマーを用いた増幅を行うことによって、製造する。DNAは、いずれの供給源に由来するものであってもよい。この方法は、任意のゲノムに適用可能である。多くの場合、例えば、正常組織と癌性組織の両方、好ましくは同じ個体に由来する正常細胞と疾患細胞の両方からDNAを同時に単離することが有利である。サンプルの並列処理を行えば、細胞の2つの異なる供給源から製造した2つのHCRをより正確に比較することができる。
HCRは、特に、遺伝子コピー数の決定、欠失地図作成、異型接合性の喪失(LOH)、および比較ゲノムハイブリダイゼーション(CGH)に有用である。また、先に記載したように、HCRは、マイクロアレイに有用である。HCRはまた、後で分析を行うためにDNAを「不死化」および保管する手段として一般に有用である。
再入手不可能な供給源のDNAに由来するHCRを産生し保存することにより、もとの供給源に由来するDNAの保管可能な提示物を作成することができる。次に、量の限定されたもとの材料の代わりにHCRに対して更なる分析を行うことができる。
固定されパラフィン包埋されて保管された生検材料である正常および腫瘍組織からHCRを調製することができる。こうすることにより、これらのサンプルの有用性は大幅に増大するであろう。役立つ量のDNAを得るには、新しいサンプルの場合と比較して、PCRのラウンド数は、通常、より多く必要となる。保存サンプルから増幅されるDNAは、新しい供給源から抽出されたDNAから調製されるHCRよりも、通常、サイズ分布は小さい。対で保存されたサンプルから調製されるHCRは互いに類似しているため、この方法は有用であることが示唆される。
ゲノムには、しばしば、遺伝子増幅により配列の余分のコピーが含まれるか、または遺伝子が欠失した場合の欠失配列が含まれる。これは、遺伝子の一方の対立遺伝子が失われた場合の異型接合性の喪失もしくは両方の対立遺伝子が失われた場合の同型接合性の喪失として知られている。疾患細胞と正常細胞に由来するHCRのサザンブロットを比較することにより、正常細胞中と比例して疾患細胞中でプローブ(例えば、癌遺伝子の腫瘍サプレッサーに対するプローブ)に対応する遺伝子が増幅されているかまたは喪失しているかを明らかにすることができる。
比較ゲノムハイブリダイゼーション(CGH)は、腫瘍における全体的なゲノム変化を分析するための強力なツールである。(Thomspon, C.T. および Gray, J.W., 1993, J. Cell. Biochem. Suppl. 17G:139-143, Kallioniemi, O.P.ら, 1993, Semin. Cancer Biol. 4(1):41-46) CGHでは、試験サンプルに由来するDNAを標識し、異なる蛍光体で標識された正常なDNAと混合する。このプローブ混合物を、正常中期スプレッドまたは他の比較標準にハイブリダイズさせる。試験サンプルの蛍光標識されたゲノム全部を使用して正常中期染色体を染色させるので、正常染色体に沿った各位置の蛍光の強度は、そこに結合する遺伝子配列のコピー数に比例する。その結果として、ハイブリダイズされた試験DNA対正常DNAとの蛍光比を測定する。染色体全体の増加および減少、または特定の染色体上の挿入および欠失を調べることができる。
材料
制限エンドヌクレアーゼおよびT4リガーゼは、New England Biolabs, Inc.から入手したものであった。Ampli Tagは、Perkin Elmer Inc.から入手したものであった。オリゴアダプターRBgl24 (5'-AGCACTCTCCAGCCTCTCACCGCA-3')およびRBgl12 (5'-GATCTGCGGTGA-3')は、BioSynthesisで合成されたものであった。DNTPは、Pharmaciaから入手した。使用した細胞系は、ATCCを介して入手し、これを培養して増殖させ、そこからDNAを単離した。
提示物の産生
供給業者の指示に従って、所望の制限エンドヌクレアーゼ(高コンプレキシティー提示物を産生するためにDpnIIを、低コンプレキシティー提示物を産生するためにBglIIを用いた)によって5〜10ngのゲノムDNAを消化させた。フェノール抽出および沈殿により消化物を精製した。消化させたDNAをアダプターRBgl24およびRBgll2に連結させた。連結混合物は、消化されたゲノムDNA、1×反応バッファー(供給業者から入手したもの)、444pmolの各アダプターに水を加えて体積30ulにしたものであった。反応液を55℃にし、次いで温度を15℃まで徐々に低下させた。反応混合物が15℃に達した後、400単位のT4 DNAリガーゼを添加し、15℃で12〜18時間にわたり反応混合物をインキュベートした。連結された物質を2つのPCR管に分け、PCRにより増幅した。PCR反応液には、連結された物質、1×PCRバッファー(335 MM Tris-HCl, pH8.8, 20mM MgCl2, 80 mM(NH4)2SO4, 50 mM β-メルカプトエタノール、0.5mg/mlウシ血清アルブミン)、0.32mM dNTP、0.6mMのRBg124アダプターが含まれていた。また、鉱油を上層に配置した。72℃に予備加熱された熱サイクラー中に反応液を入れ、次いで、15単位のAmpliTaqを管に添加した。72℃で5分間保持するように熱サイクラーを設定し、次に、95℃で1分間、72℃で3分間を20サイクル繰り返した。この後、72℃で10分間の処理を行った。フェノール-クロロホルム処理およびそれに続く沈殿処理により反応液を精製した。
本発明者らは最初に、DpnII HCRの再現性およびコンプレキシティーを試験した。本発明者らは、14種の異なるHCRを分析した。これらのHCRはそれぞれ、フローサイトメトリーによって腫瘍生検標本から分離された2倍体核より調製された5ngのDNAから得られ、25ラウンドの増幅処理にかけられたものであった。最初のサンプリングでは、配列のタグ部位(STS)を検出するようにPCRプライマーの対をデザインした。STSはゲノム中に存在することが知られている配列であるが、その特定の機能についてはまったく明らかにされていない。本発明者らは、DpnIIによって開裂されないSTSを選び、全ゲノムDNA対照から単一のバンドを増幅させるプライマー対を使用した。これらの25対のうちの18対(72%)では、各HCRから同じ分子量断片を増幅することができたが、7対では、いずれのHCRからの増幅も概してうまく行かなかった(代表的データとして図1を参照されたい)。本発明者らの得た結果から、DpnTI HCRには、同じエレメント、またゲノムの約70%が再現性よく含まれることが示唆された。
多くの場合、腫瘍ゲノムには、遺伝子増幅により配列の余分のコピーが含まれるか、または遺伝子が欠失する場合、欠失配列が含まれる。遺伝子コピー数の測定に提示物を利用することが有効であるかを調べるために、最初に、ゲノムDNAのサザンブロットとHCRおよびLCRのブロットとの比較を行った。この目的のために、本発明者らは、サイクリンD1 (MDA-MB-415)もしくはc-erB2 (BT474)もしくはc-myc (SKBr3)で増幅させた腫瘍細胞系由来のまたはヒト胎盤由来のゲノムDNAを調製した。DpnIIおよびBg1IIを用いて、それぞれ、細胞系または胎盤のDNAからHCRおよびLCRを作製した。プローブとして、本発明者らは、所定の遺伝子座に由来するインサートを含有するP1からクローン化した小さなBg1II断片を使用した。図2のパネルAに示されているブロットは、リン光イメージングにより定量化したものである。充填量の差異を規格化するために、ブロットを切り取って、単一コピー配列プローブを用いて、再度、ハイブリダイゼーションを行った。腫瘍体および正常体から得られたシグナルの規格化した比は、図2のパネルBに列挙されている。ゲノムDNAのブロットから決定した場合と同様に、提示物のブロットから同じ相対的コピー数(腫瘍体対正常体)が求められた。このことは、類似の出発物質から並列的に調製した場合、高コンプレキシティーまたは低コンプレキシティー提示物の調製時、これらのプローブに関して、相対的コピー数に有意な変動はなかったことを示唆するものである。すなわち、腫瘍体中対正常標準体中の遺伝子「X」の比と、腫瘍体中対同じ正常標準体中の遺伝子「Y」の比との割合は、ゲノム、LCR、およびHCRのDNAについて一定である。
本発明者らは、限定量のDNAから作製されたHCRの価値を調べた。いくつかの乳癌生検標本から選別した異数体および2倍体核からHCRを調製し、c-mycに対してブロットを行った。図4は、いくつかの生検サンプルの異数体核から作製したHCRの場合にc-mycが増幅されることを示している。c-mycプローブに近接し、しかし離れているプローブもまた同じサンプル中で増幅されることを示すことにより、c-myc増幅の有効性の確証を得た。
定量的PCRによりサンプルの試験を行った。この目的のために、蛍光エネルギー共鳴移動ハイブリダイゼーションプローブおよびABI7700配列検出器を使用して、異数体および2倍体核から調製したHCR DNAの対を比較した。図5に示されている結果から分かるように、染色体3上の非関連領域に由来するプローブによってコピー数の差異は検出されなかった。c-erB2に対して増幅された異数体HCRの曲線の立ち上がりは、対をなす2倍体HCRの曲線の立ち上がりよりも4サイクル早かった。このことは、このサンプルでは、c-erB2に対するコピー数の方が約2の4乗(16)倍多いことを示唆する。P16に対する欠失異数体HCRの曲線の立ち上がりは、対をなす2倍体HCRの曲線の立ち上がりよりも4サイクル遅れた。この場合も16倍の差異があるが、これは、恐らく、異数体核が2倍体核に約6%混入したことを反映するものであろう。1つの腫瘍体/正常体対は、p16遺伝子を検出するプライマー対に対して1サイクルのずれを呈した。これは、腫瘍中で1つの対立遺伝子が喪失したことの現れであろう。
異型接合性の喪失(LOH)は、癌細胞に見られる共通の疾患であり、ゲノムの不安定性または特異的腫瘍抑制遺伝子の機能の喪失を示すものと考えられる。LOHの検出は、正常ストローマの存在により妨害されることが多く、従って、腫瘍核が非常に富化された微量のサンプルから調製されたHCRがLOH分析に使用可能であるかを調べた。マイクロサテライトを増幅し断片長の多型性を検出するPCRプライマーがLOHマッピングによく使用されるため、本発明者らは、p53遺伝子座付近の多型性の高いテトラヌクレオチドリピートを増幅するプライマー対を調べることにした。
比較ゲノムハイブリダイゼーション(CGH)は、腫瘍中の全体的なゲノムの変化を分析するための強力なツールである。(Thomspon, C.T.および Gray, J.W., 1993, J. Cell. Biochem. Suppl. 17G:139-143, Kallioniemi, O.P.ら, 1993, Semin. Cancer Biol. 4(l):41-46)。CGHに対するHCRの適用性について調べた。この実験のために、ゲノムおよびHCRのDNAを用いて行うCGHの直接比較ができるように、腫瘍細胞系を選択した。調べた2種の細胞系、すなわち、BT474およびMCF7に関して、パターンの差異はほとんど識別できなかった。図7は、各DNA供給源の2つの代表的な染色体に対して得られた染色体走査プロフィルを示している。
特定の典型的な実施形態では、マイクロアレイの調製には、ガラス表面を調製する工程、プローブを調製する工程、および表面上にプローブを堆積する工程が含まれる。これらの工程に対する模範的なプロトコルをこの節で提示する。
ポリ-l-リシンスライドの調製
350mLガラスシャーレ中の30スライドラックを使用する。
1. 50gのNaOHを150ml ddH2O中に溶解する。
2. 200mlの95% EtOHを添加し、完全に混合するまで攪拌する。
3. 溶液が濁ったままの場合、清澄になるまでddH2Oを添加する。
4. 溶液をガラススライドボックス中に注ぐ。
5. 金属ラック中の30個のスライド中に滴下する。(Gold Sealスライド、Cat. 3010)
6. 少なくとも2時間にわたりオービタルシェイカー上で浸漬させる。
7. ddH2Oで満たされたスライドシャーレにラックを移動することによりスライドをすすぐ。
8. ddH2Oによるすすぎを3回繰り返す。痕跡量のNaOH-エタノールをすべて除去することが重要である。
9. ポリ-l-リシン溶液を調製する。Sigmaポリ-l-リシン溶液Cat. No. 8920を使用する。
10. 70mLポリ-l-リシンを280mlの水に添加する。
11. スライドをリシン溶液に移し、1時間浸漬させる。
12. ミクロタイタプレートキャリヤ上でスライドのラックを500rpmで回転させることにより、スライドから過剰の液体を除去する。
13. 減圧オーブン中において40℃で5分間にわたりスライドを乾燥させる。
14. 使用前に少なくとも2週間にわたり密閉ボックス中でスライドを保存する。
15. アレイをプリントする前に、サンプルスライドが疎水性であり(水がビーズ状にはじかれる状態でなければならない)リシン皮膜が不透明にならないことを確認する。
アレイの形成
1. PCR反応液を96ウェルV型底組織培養プレート(Costar)に移す。1/10volの3M酢酸ナトリウム(pH5.2)および同容量のイソプロパノールを添加する。-20℃で数時間保存する。
2. Sorvall中において3500RPMで45分間遠心分離する。70%エタノールですすぐ。再び遠心分離し、乾燥させる。
3. 12ulの3×SSC中に数時間にわたりDNAを再懸濁させ、可撓性U型底プリンティングプレートに移す。
4. アレイヤーを用いてポリ-l-リシンスライド上にDNAをスポットする。
後処理
1. 温かい2回蒸留した水の入ったシャーレ上にスライドを吊すことにより、アレイを再び水和させる。(〜1分間)
2. 100Cホットプレート上で3秒間にわたり各アレイ(DNA側を上にして)をスナップ乾燥させる。
3. 60ミリジュールでStratalinkerセットを使用し、DNAをガラスにUV X連結させる。
4. 5gの無水コハク酸(Aldrich)を315mLのn-メチル-ピロリジノン中に溶解する。
5. これに35mLの0.2M ホウ酸Na pH8.0 (ホウ酸を水に溶解してからNaOHでpH調節することによって作製する)を添加し、溶解するまで攪拌する。
6. この溶液中に振盪しながらアレイを15分間浸漬させる。
7. アレイを95℃水浴に移し2分間置く。
8. すばやくアレイを95% EtOHに移し1分間置く。
9. ミクロタイタプレートキャリヤ上でスライドのラックを500rpmで回転させることにより、スライドから過剰の液体を除去する。
10.アレイは直ちに使用可能である。
マイクロアレイにハイブリダイズさせる2つの各サンプル2.5μgは、Klenowポリメラーゼ(Amersham)を用いて標識化されたランダムプライマーである。一方は、リサミンコンジュゲートヌクレオチド類似体(DuPone NEN)であり、他方は、フルオレセインコンジュゲートヌクレオチド類似体(BMB)である。2つの標識化サンプルを一緒にし、限外濾過装置(Amicon)を使用してハイブリダイゼーション用に濃縮した。
レーザースキャナーを使用して、1.8-cm×1.8-cmアレイからの2色の蛍光ハイブリダイゼーションシグナルを20-μmの解像度で検出する。コンピューター制御された2軸移動ステージ(PM-500, Newport, Irvine, CA)上にガラス基材スライドを配置する。このステージは、上向きの顕微鏡対物レンズ(20X, 0.75NA Fluor, Nikon, Melville, NY)上のアレイを2方向へラスターパターン状にスキャンする。マルチラインモードで作動する水冷式アルゴン/クリプトンレーザー(Innova 70 Spectrum, Coherent, Palo Alto, CA)を用いることにより、488.0nmおよび568.2nmで同時に標本に照射することができる。これらの2本の線は、488/568デュアルバンド励起フィルター(Chroma Technology, Brattleboro, VT)により分離される。デュアルバンド488/568一次ビームスプリッター(Chroma)を備えたエピ蛍光機器構成により、両方の蛍光体を同時に励起し、直接の蛍光発光を2チャネル検出器に送ることができる。発光は、565遷移波長の二次2色性ミラーにより分離され、2つのマルチアルカリカソード光電子増倍管(PMT; R928, Hamamatsu, Bridgewater, NJ)に送られる。一方は、HQ535/50帯域バリヤーフィルターであり、他方は、D630/60帯域バリヤーフィルターである(Chroma)。予備増幅されたPMTシグナルを読み取って12ビットアナログ-ディジタル変換ボード(RTI-834, Analog Devices, Norwood, MA)を用いてパーソナルコンピューターに送り、グラフィクスウィンドウで表示し、更なる吟味および分析を行うべくディスクに保存する。照射レーザービームが20×対物レンズの後方開口を意図的に抑えることにより、試料に直径の大きな照射スポットを形成する (半値幅5-μm〜10-μm)。ステージスキャン速度は、100mm/secであり、PMTシグナルは100μsec間隔でディジタル化する。連続する2つの読みを各ピクセルごとに合計する。ピクセルの間隔は最終画像で20μmである。試料上でのビームパワーは、2本の線のそれぞれについて-5mWである。
本実施例の実験では、ヒトゲノムから取ったランダムプローブ(平均1kbpの長さ)でアレイが作成される。この実施例では我々は、100,000要素のチップを作成することができると仮定する。我々は、例示目的にこの数を選ぶ。
上記の実施例において、アレーのほとんどのプローブは、提示サンプル(クラスA)由来のシングルコピーDNAへのハイブリダイゼーションを検出するのに使用することができないため、またはこれらは繰り返し配列(クラスB)を認識したため、有益ではなかった。わずかに約2000プローブ(クラスCおよびD)のみが真に有用であり、腫瘍内に増幅無し(クラスC)または一部の増幅(クラスD)があったことを示している。
より有益な、従ってより効率的で経済的なアレイを作成するために、選別はプローブのコレクションを成形するのに有用であるが、前述の実施例に記載のプロトコールは、有用なプローブのコレクションを組み立てるのに最適の方法ではない。平均して、試験したプローブ100個につき、2つだけがBgl II提示サンプルに有用であるとして選択される。
前実施例で我々は、腫瘍内の遺伝子増幅を検出するための、提示物にハイブリダイズするアレイの使用を例示した。腫瘍内の遺伝的情報の喪失を検出するために、非常によく似たプロトコールを使用することができる。そのような喪失はしばしば、腫瘍の進行を証明しており、通常遺伝的不安定性と腫瘍抑制遺伝子の喪失を示しており、癌の診断と予知に使用することができる。腫瘍生検は、正常な基質(すなわち、繊維芽細胞、毛細管内皮、および血液細胞のような正常細胞)を必ず含有するため、プロトコールの変更は必要である。これらの正常細胞からのDNAは、通常分析手段、例えばヘテロ接合性が喪失するサザンブロッティングとPCR解析(Kerangueven F.ら、1995, Genes Chromosomes Cancer 13(4):291-4;Habuchi T.ら、1995, Oncogene 19;11(8):1671-4)により、腫瘍内の遺伝子喪失をわからなくする。従って腫瘍および正常細胞の核を分離することが必要である。
RNAであってもDNAであっても、アレイ上のDNA断片への核酸のハイブリダイゼーションは、いくつかの要因(コンプレキシティー、濃度、イオン強度、時間、温度および粘度を含む)により影響を受ける(Wetmur J.G.ら、1968, Mol Biol 31(3):349-70;Wetmur J.G., 1976, Annu Rev Biophys Bioeng 5:337-61)。これらの要因を変化させることで、ハイブリダイゼーション条件を最適化して、可能な限り低いバックグランドを有する最も高いシグナルを可能にする。
当業者には理解されるように、アレイのルーチン最適化は、以下を考慮することができる。我々は、アレイ中の少量のプローブは、同じサンプルから並行して調製される提示物からでさえ異なるハイブリダイゼーションシグナルを示す点で、信頼できないことを認めている。我々は、我々が記載したように作成した提示物においてさえ、いくつかの要素の増幅に変動があると推定している。従って、同じサンプルから作成した複数の独立した並列な提示物によって一定のプローブのコレクションから作成されるアレイを試験し、この挙動を示すプローブをマークし記録することが有用である。これらは次に、コレクションから選別することができる。
実施例6.14に記載のように、生物は遺伝的に多型である。これは、提示物に基づくアレイを、個体のシグネチャーを提供するために用いることができ、これは、法医学的同定で有用であり、または例えば父親を決定するための個体間の遺伝的交配を追跡するのに使用することができる。
第1の制限エンドヌクレアーゼで切断し、これらの切断部位にリンカーを添加し、第2の制限エンドヌクレアーゼで切断し、次にPCR増幅を行うことにより、最も簡単な複合提示物が作成される。この提示物は、第2の酵素の制限エンドヌクレアーゼ部位を含有しない第1の切断により作成される、ゲノム中のすべての小断片からなる。第1の酵素に基づく提示アレイを使用して、複合提示物により作成されるサンプルを比較することにより、第2の酵素のサンプルの間の多型的差異についてスコアをつけることができる。第2の酵素の選択は実質的に無限であるため、同じアレイを使用して、複合提示物を使用せずに検出するよりも2つのサンプルの間のより多くの多型的差異を検出することができる。
発現レベルを測定するためのcDNAプローブおよびcDNAオリゴヌクレオチドプローブのアレイの使用は、充分確立されている(Schenaら、1995, Science, 270, 467-70; Schenaら、1996, Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 93, 10614-9;Schena M.、1996, Bioessays, 18, 427-31)。これらの使用において、サンプル由来のcDNAまたはcRNAが調製され分析される。サンプルからの出発物質は典型的にはmRNAであり、サンプルが少量しか得られない時は、発現アッセイを実施することは問題である。
上記実施例は、単純なDNAプローブのアレイについて記載される。上記実施例の各プローブは、ほぼ100〜1000bp(この範囲は、用語「単純なDNAプローブ」を規定するものではなく、単に1つの例である)の長さのDNAの単一クローン化配列を含む。複雑なプローブ(例えば、YACまたはBACのインサートを提示することにより得られるプローブ)のアレイの応用は、あまり異ならないであろう。単純なプローブと複雑なプローブのアレイの間の大きな差は、後者ではLOHと多型解析が容易に行なわれなかったことである。複雑なプローブのアレイでも、基本的に実施例6.13と6.14に記載のように、遺伝子増幅とホモ接合性喪失が検出される。
明細書の前記説明は、当業者が本発明を広く実施するのに充分であると考えられる。生化学、有機化学、医学または関連分野の上記方法の種々の修飾は、以下の請求の範囲内にあると考えられる。本明細書で引用したすべての特許、特許出願、および刊行物は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
Claims (37)
- (a)固相支持体であって、その上に規定された座標点のアドレスを有する支持体、及び
(b)1000個の予め定められたユニークな核酸プローブであって、各プローブが、
i)異なるものであり、
ii)固相支持体上に規定された座標点のアドレスに固定され、
iii)ゲノムの同一提示物のメンバーの配列と完全に相補的な配列中に2000個以下のヌクレオチドを有し、かつゲノムにマッピングされている、上記プローブ
を含み、
規定された座標点のアドレスにおけるプローブの同一性が既知である、DNAアレイ。 - (a)固相支持体であって、その上に規定された座標点のアドレスを有する支持体、及び
(b)1000個の予め定められたユニークな核酸プローブであって、各プローブが、
i)異なるものであり、
ii)固相支持体上に規定された座標点のアドレスに固定され、
iii)ゲノムの提示物を得るためにゲノムDNAを制限的エンドヌクレアーゼで消化し、消化DNA断片にアダプターを連結し、アダプターに相補的なプライマーを用いてDNA断片をポリメラーゼ連鎖反応(PCR)で増幅することによって得られ得る、ゲノムの同一提示物のメンバーのヌクレオチド配列を有し、および
iii)ゲノムにマッピングされた核酸配列を有する、上記プローブ
を含み、
規定された座標点のアドレスにおけるプローブの同一性が既知である、DNAアレイ。 - 以下の工程:
(a)ゲノムDNAの提示物を得る工程、ここで、提示物は、ゲノムDNAを制限的エンドヌクレアーゼで消化して消化DNA断片を得ること、消化DNA断片にアダプターを連結すること、アダプターに相補的なプライマーを用いて、連結されたDNA断片を増幅することにより得られ得るものであり、
(b)ゲノムDNAの提示物由来の核酸を請求項1または2に記載のマイクロアレイに接触させる工程、
(c)工程(b)でのマイクロアレイの規定された座標点のアドレスにおけるハイブリダイゼーションを検出する工程
を含み、それにより、ゲノムDNAのゲノムコピー数の情報を得る、方法。 - 異なる制限的エンドヌクレアーゼでそれぞれ得られた2以上の連続した提示物を含むDNAの複合提示物を製造する方法。
- (a)DNAのサンプルを第1の制限的エンドヌクレアーゼで消化し、消化DNA断片を得る工程、
(b)消化DNA断片にアダプターを連結する工程、
(c)アダプターに相補的なプライマーを用いて、工程b)で作製されたDNA断片を増幅し、DNAの第1の提示物を得る工程、
(d)第1の提示物を第2の制限的エンドヌクレアーゼで消化し、消化DNA断片を得る工程であって、第2の制限的エンドヌクレアーゼが第1の制限的エンドヌクレアーゼと異なる、上記工程、および
(e)工程(c)で用いたプライマーと同じプライマーを用いて、工程(d)のDNA断片を増幅し、DNAの複合提示物を得る工程、
を含む、請求項4に記載の方法。 - (a)DNAのサンプルを第1の制限的エンドヌクレアーゼで消化し、消化DNA断片を得る工程、
(b)消化DNA断片に第1のアダプターを連結する工程、
(c)第1のアダプターに相補的なプライマーを用いて、工程(b)で作製されたDNA断片を増幅し、DNAの第1の提示物を得る工程、
(d)第1の提示物を第2の制限的エンドヌクレアーゼで消化し、消化DNA断片を得る工程であって、第2の制限的エンドヌクレアーゼが第1の制限的エンドヌクレアーゼと異なる、上記工程、
(e)工程(d)で第2の制限的エンドヌクレアーゼにより作製された消化DNA断片の末端に、第2のアダプターを連結する工程、
(f)工程(c)で作製され、かつ工程(d)で第2の制限的エンドヌクレアーゼにより切断されなかったDNA断片の5’末端に第3のアダプターを連結する工程、および
(g)第2及び第3のアダプターに相補的なプライマーを用いて、工程(e)および(f)のDNA断片を増幅し、DNAの複合提示物を得る工程、
を含む、請求項5に記載の方法。 - (a)DNAのサンプルを第1の制限的エンドヌクレアーゼで消化し、消化DNA断片を得る工程、
(b)消化DNA断片にアダプターを連結する工程、
(c)工程(b)で作製されたDNA断片を第2の制限的エンドヌクレアーゼで消化し、2重消化DNA断片を得る工程であって、第2の制限的エンドヌクレアーゼが第1の制限的エンドヌクレアーゼと異なる、上記工程、
(d)アダプターと相補的なプライマーを用いて、2重消化DNA断片を増幅し、DNAの複合提示物を得る工程、
を含む、請求項5に記載の方法。 - 核酸プローブがオリゴヌクレオチドである、請求項1または2に記載のDNAアレイ。
- ゲノムDNAがメガクローニングベクター由来である、請求項1または2に記載のDNAアレイ。
- DNAが、生検標本、細胞系、検死標本、法医学(forensic)標本または古生物学的(paleoentological)標本から得られるものである、請求項1または2に記載のDNAアレイ。
- 核酸プローブが2000ヌクレオチド以下の長さである、請求項2に記載のDNAアレイ。
- 核酸プローブが、100〜1000ヌクレオチドの長さである、請求項1または2に記載のDNAアレイ。
- プローブが、同じプローブの複数のコピーからなり、1つのアドレスに固定されている、請求項1または2に記載のDNAアレイ。
- プローブが、異なる核酸プローブの混合物からなり、1つのアドレスに固定されている、請求項1または2に記載のDNAアレイ。
- アレイのヌクレオチドのコンプレキシティーが、アドレスあたり1.2kb以下である、請求項1または2に記載のDNAアレイ。
- アレイのヌクレオチドのコンプレキシティーが、アドレスあたり1.2kbを越える、請求項1または2に記載のDNAアレイ。
- アレイが、ゲノムのコンプレキシティーの70%以下のコンプレキシティーを有するゲノムの同一提示物のすべての非反復要素に相補的なプローブを含む、請求項1または2に記載のDNAアレイ。
- アレイが、ゲノムのコンプレキシティーの約2%以下のコンプレキシティーを有するゲノムの同一提示物のすべての非反復要素に相補的なプローブを含む、請求項1または2に記載のDNAアレイ。
- 相補的な配列が25塩基よりも長い、請求項1に記載のDNAアレイ。
- ゲノムDNAが生物の腫瘍細胞由来である、請求項1または2に記載のDNAアレイ。
- ゲノムDNAが生物の非腫瘍細胞由来である、請求項1または2に記載のDNAアレイ。
- 参照するゲノムDNAが同じ生物の非腫瘍細胞由来である、請求項1または2に記載のDNAアレイ。
- 提示物が蛍光標識されている、請求項3または4に記載の方法。
- 核酸プローブがオリゴヌクレオチドである、請求項3に記載の方法。
- ゲノムDNAがメガクローニングベクター由来である、請求項3〜8のいずれか1項に記載の方法。
- DNAが、生検標本、細胞系、検死標本、法医学(forensic)標本または古生物学的(paleoentological)標本から得られるものである、請求項3〜8のいずれか1項に記載の方法。
- 核酸プローブが2000ヌクレオチド以下の長さである、請求項3に記載の方法。
- 核酸プローブが、100〜1000ヌクレオチドの長さである、請求項25に記載の方法。
- プローブが、同じプローブの複数のコピーからなり、1つのアドレスに固定されている、請求項3に記載の方法。
- プローブが、異なる核酸プローブの混合物からなり、1つのアドレスに固定されている、請求項3に記載の方法。
- アレイのヌクレオチドのコンプレキシティーが、アドレスあたり1.2kb以下である、請求項3に記載の方法。
- アレイのヌクレオチドのコンプレキシティーが、アドレスあたり1.2kbを越える、請求項3に記載の方法。
- アレイが、ゲノムのコンプレキシティーの70%以下のコンプレキシティーを有するゲノムの同一提示物のすべての非反復要素に相補的なプローブを含む、請求項3に記載の方法。
- アレイが、ゲノムのコンプレキシティーの約2%以下のコンプレキシティーを有するゲノムの同一提示物のすべての非反復要素に相補的なプローブを含む、請求項3に記載の方法。
- 相補的な配列が25塩基よりも長い、請求項3または4に記載の方法。
- ゲノムDNAが生物の腫瘍細胞由来である、請求項3または4に記載の方法。
- ゲノムDNAが生物の非腫瘍細胞由来である、請求項3または4に記載の方法。
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