JP2009231603A - 面発光半導体レーザの製造方法 - Google Patents

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宣弘 嵯峨
Hideyuki Doi
秀之 土井
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貴司 石塚
Yutaka Onishi
裕 大西
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Abstract

【課題】面発光半導体レーザの活性層のPLスペクトルを正確に知ることができる面発光半導体レーザの製造方法を提供する。
【解決手段】基板25上に、第1のDBR13、第1のDBR13上に設けられる活性層15、及び活性層15上に設けられる第1の半導体スペーサ層17を含む積層構造を形成する工程と、積層構造を熱処理する工程と、活性層15のフォトルミネッセンス(PL)波長を測定し、PL強度がピークとなる波長が所定の波長範囲に含まれるか否かを判定する工程と、活性層15のPL強度がピークとなる波長が所定の波長範囲に含まれる場合に、活性層15へ流れる電流を狭窄するためのトンネル接合領域35と第2の半導体スペーサ層19とを第1の半導体スペーサ層17上に形成する工程と、第2の半導体スペーサ層19上に第2のDBR23を形成する工程とを備える。
【選択図】図1

Description

本発明は、面発光半導体レーザの製造方法に関するものである。
非特許文献1には、面発光半導体レーザ(VCSEL:VerticalCavity Surface Emitting Laser)が記載されている。この面発光半導体レーザは、GaAs基板上に設けられた多層膜からなる第1の分布ブラッグリフレクタ(DBR:Distributed Bragg Reflector)と、この第1のDBR上に設けられた量子井戸構造を含む活性層と、該活性層上に設けられた第2のDBRとを含む。この文献には、このような面発光半導体レーザのフォトルミネッセンス(PL)のスペクトルを測定すると、半値幅の狭いピークが観測されることが記載されている。
Yoshihiko Hanamakiet al., "Spontaneous emission alteration in InGaAs/GaAs vertical cavity surfaceemitting laser (VCSEL) structures", Semiconductor Science and Technology, Volume14, pp797-803 (1999)
面発光半導体レーザにおいて発光効率を高める為には、活性層のPLスペクトルのピーク波長が、共振波長との関係によって定まる所定の波長範囲内にあることが好ましい。したがって、面発光半導体レーザを製造する際に、活性層のPLスペクトルのピーク波長が所定の波長範囲内にあることを確認することが望まれる。しかしながら、面発光半導体レーザから出力される光は共振波長をピークとするスペクトルを有しており、PLスペクトル及びそのピークを観測することは困難である。面発光半導体レーザを僅かな電流でもって発光させつつその側面から洩れる光を測定する方法も考えられるが、そのような微弱な光では活性層のPLスペクトルを正確に測定することが難しい。
本発明は、上記した問題点を鑑みてなされたものであり、面発光半導体レーザの活性層のPLスペクトルを正確に知ることができる面発光半導体レーザの製造方法を提供することを目的とする。
上記した課題を解決するために、本発明による面発光半導体レーザの製造方法は、面発光半導体レーザを製造する方法であって、基板上に、第1の分布ブラッグリフレクタ、第1の分布ブラッグリフレクタ上に設けられる活性層、及び活性層上に設けられる第1の半導体スペーサ層を含む積層構造を形成する工程と、積層構造を熱処理する工程と、活性層のフォトルミネッセンス波長を測定し、フォトルミネッセンス強度がピークとなる波長が所定の波長範囲に含まれるか否かを判定する工程と、活性層のフォトルミネッセンス強度がピークとなる波長が所定の波長範囲に含まれる場合に、活性層へ流れる電流を狭窄するための電流狭窄領域と第2の半導体スペーサ層とを第1の半導体スペーサ層上に形成する工程と、第2の半導体スペーサ層上に第2の分布ブラッグリフレクタを形成する工程とを備えることを特徴とする。
この面発光半導体レーザの製造方法においては、第1のDBR、活性層、及び第1の半導体スペーサ層を基板上に形成したのち、電流狭窄領域、第2の半導体スペーサ層、及び第2のDBRを形成する前に熱処理を行い、活性層のPL波長を測定している。このように、面発光半導体レーザの共振器構造が完成する前に成長を止めてPL波長を測定することにより、活性層本来のPL波長を測定結果に正確に反映させることができる。したがって、この面発光半導体レーザの製造方法によれば、活性層のPLスペクトルを正確に知ることができるので、このPLスペクトルのピーク波長が所定の波長範囲に含まれる基板を用いて面発光半導体レーザを作製することにより、発光効率の高い面発光半導体レーザを提供できる。
また、面発光半導体レーザの製造方法は、電流狭窄領域及び第2の半導体スペーサ層を第1の半導体スペーサ層上に形成する前に、積層構造を熱処理する工程により生じた第1の半導体スペーサ層表面の変質層を除去することを特徴としてもよい。これにより、電流狭窄領域や第2の半導体スペーサ層の結晶性を向上させ、面発光半導体レーザの信頼性を高めることができる。
また、面発光半導体レーザの製造方法は、活性層がGaInNAsを含むことを特徴としてもよい。GaInNAsは熱処理の際にPL波長が変化するので、活性層のPLスペクトルを特に正確に知ることが望まれる。したがって、上記した面発光半導体レーザの製造方法は、活性層がGaInNAsを含む場合に極めて有用である。
本発明による面発光半導体レーザの製造方法によれば、面発光半導体レーザの活性層のPLスペクトルを正確に知ることができる。
以下、添付図面を参照しながら本発明による面発光半導体レーザの製造方法の実施の形態を詳細に説明する。なお、図面の説明において同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
図1は、本発明に係る面発光半導体レーザの製造方法により製造される面発光半導体レーザの一形態として、面発光半導体レーザ11の断面構造を示す図面である。面発光半導体レーザ11は、第1の分布ブラッグリフレクタ(以下、「第1のDBR」と記す)13と、活性層15と、第1の半導体スペーサ層17と、第2の半導体スペーサ層19と、第1の電極21と、第2の分布ブラッグリフレクタ(以下、「第2のDBR」と記す)23とを備える。第1のDBR13は、基板25上に設けられ半導体から成る。基板25は、例えば半絶縁性のGaAsといったIII−V化合物半導体から成る。活性層15は、第1のDBR13上に設けられている。第1の半導体スペーサ層17は、活性層15上に設けられており、例えば炭素(C)がドープされたp型GaAsから成ることができる。第2の半導体スペーサ層19は、第1の半導体スペーサ層17上に設けられており、例えばシリコン(Si)がドープされたn型GaAsから成ることができる。第1の電極21は、第2の半導体スペーサ層19上に設けられている。第2のDBR23は、第2の半導体スペーサ層19上に設けられている。
第1のDBR13は、交互に配列された第1及び第2の半導体層を含んでおり、第1の半導体層の屈折率と第2の半導体層の屈折率とは互いに異なる。第1及び第2の半導体層を構成する材料としては、例えばGaAs及びAlGaAsが挙げられる。また、第2のDBR23は、交互に配列された第1及び第2の層を含んでおり、第1の層の屈折率と第2の層の屈折率とは互いに異なる。第1及び第2の層を構成する材料としては、例えばSiO2及びTiO2といった誘電体が挙げられる。活性層15は、例えば量子井戸構造を有しており、交互に配列された井戸層及び障壁層を含む。活性層15を構成する半導体としては、例えばGaInNAsやGaInNAsSb、GaNAsなどが挙げられる。
面発光半導体レーザ11は、活性層15へ流れる電流を狭窄するための電流狭窄領域としてのトンネル接合領域35を更に備える。トンネル接合領域35はp型半導体層35a及びn型半導体層35bを含むことができ、また、これらの半導体層35a及び35bは、トンネル接合を構成する。p型半導体層35a及びn型半導体層35bは、例えば炭素(C)が高濃度にドープされたInGaAs、及びシリコン(Si)が高濃度にドープされたn型InGaAsによって構成されることができる。第1の半導体スペーサ層17及び第2の半導体スペーサ層19は、それぞれ、p型半導体層35a及びn型半導体層35bに接合している。トンネル接合領域35はメサ形状であることが好ましい。半導体メサからなるトンネル接合領域35は活性層15の中央付近の上方に設けられている。この半導体メサは、第2の半導体スペーサ層19により埋め込まれる。
第1のDBR13、活性層15、トンネル接合領域35、及び第2のDBR23は、所定の軸に沿って配列されている。トンネル接合領域35の位置および形状は、電極からの電流の閉じ込め及び電流分布を規定する。活性層15はキャリアの注入に応答して発光する。活性層15からの光は、第1のDBR13と第2のDBR23とによって繰り返し反射されてレーザ発振に至る。面発光半導体レーザ11は、第2のDBR23を介してレーザ光Lを提供する。
面発光半導体レーザ11は、第3の半導体スペーサ層39を更に備える。第3の半導体スペーサ層39は、第1のDBR13上に設けられており、例えばシリコン(Si)がドープされたn型GaAsから成ることができる。第2の電極41は、第3の半導体スペーサ層39の一部の領域上に設けられており、また半導体スペーサ層39に対しオーミック接触を成す。活性層15は、第3の半導体スペーサ層39上に設けられている。
面発光半導体レーザ11は共振器メサ37を含む。共振器メサ37は、活性層15、第1の半導体スペーサ層17、トンネル接合領域35および第2の半導体スペーサ層19を含むことができる。共振器メサ37は、必要な場合には、良好なオーミック接合を得るためにコンタクト層45を含むことができる。第1の電極21は、コンタクト層45とオーミック接触を成す。
共振器メサ37の上面及び側面並びに第3の半導体スペーサ層39の表面は、絶縁性の保護膜43により覆われている。保護膜43は、第3の半導体スペーサ層39上に設けられた第1の開口、及び共振器メサ37の上面に設けられた第2の開口を含む。第1の開口を通して、第2の電極41は、第3の半導体スペーサ層39に接続される。第1の電極21は、第2の開口を通してコンタクト層45に接続される。また、第2の開口の中央付近には、第2のDBR23が配置されている。
次いで、面発光半導体レーザの製造方法の一実施形態について説明する。図2は、面発光半導体レーザの製造方法を示すフローチャートである。図3〜図7は、この製造方法における各工程を説明するための断面図である。この製造方法においては、面発光半導体レーザのための各半導体層は、例えば分子線エピタキシー(MBE)法あるいは有機金属気相成長(MOCVD)法により成長される。
まず、第1のDBR、第1のスペーサ層、及び活性層を基板上に形成する(図2に示す工程S1)。すなわち、図3(a)に示されるように、ウェハ状の半絶縁性GaAs基板といった基板51上に、第1のDBRのための半導体多層構造55を成長させる。そして、図3(b)に示されるように、半導体多層構造55上に、第3の半導体スペーサ層のための半導体スペーサ層57、活性層59、第1の半導体スペーサ層のための半導体スペーサ層61を順に成長させる。このようにして、半導体多層構造55、半導体スペーサ層57、活性層59、及び半導体スペーサ層61を含む半導体積層構造53を基板51上に形成する。半導体多層構造55は、例えば32対のアンドープGaAs/Al0.9Ga0.1Asから成る。半導体スペーサ層57は、例えばSi添加のn型GaAsから成り、その好適な厚さは例えば0.1[μm]〜0.2[μm](発振波長の設計による)である。活性層59は、例えば3周期にわたって交互に積層されたGa0.7In0.30.01As0.99から成る井戸層とGaAsから成る障壁層とを有する。半導体スペーサ層61は、例えばC添加のp型GaAsから成り、その好適な厚さは例えば0.1[μm]〜0.2[μm](発振波長の設計による)である。
次に、半導体積層構造53が形成された基板51を成長炉から取り出し、熱処理炉を用いて熱処理を行う(図2に示す工程S2)。熱処理の方法としては、例えばRTA(Rapid Thermal Annealing)を用いることができる。この熱処理における好適な基板温度及び熱処理時間は、例えば井戸層のIn組成が0.3、N組成が0.01(すなわちGa0.7In0.30.01As0.99)である場合、600℃〜750℃の温度範囲、より好ましくは600℃〜700℃の温度範囲で10分〜60分が望ましい。なお、この熱処理は、半導体積層構造53を成長させた成長炉(MBE炉又はMOCVD炉)において基板51を取り出さずに行っても良い。また、この熱処理工程において、半導体積層構造53の表面からのAs抜けを防ぐため、別のGaAs基板を用いて半導体積層構造53の表面を保護することが望ましい。或いは、Asを含む雰囲気中で熱処理を行うこともAs抜け防止の観点から効果的である。
続いて、活性層59のPL波長を測定し、PL強度がピークとなる波長が所定の波長範囲に含まれるか否かを判定する(図2に示す工程S3)。この工程では、熱処理が完了した半導体積層構造53と共に基板51を熱処理炉から取り出し、活性層59に励起光を照射してPLを発生させることにより行う(図4(a))。そして、測定されたピーク波長が所定の波長範囲に含まれる場合には、当該基板51及び半導体積層構造53を以下の工程に使用する。なお、PL波長を測定する際には、基板51の基板面内におけるPL波長の分布を測定し、このPL波長分布の全体が所定の波長範囲に含まれるか否かを判定すれば尚良い。
続いて、電流狭窄用のトンネル接合領域を半導体スペーサ層61上に形成する。まず、熱処理された半導体積層構造53の表面にはAs抜けや酸化膜形成による変質層が存在するので、この変質層を除去する。すなわち、アンモニア、アンモニア及び過酸化水素の混合液、又はリン酸等を使用して半導体スペーサ層61表面の変質層を除去する。次に、図4(b)に示されるように、トンネル接合領域の第1導電型半導体層のための半導体層63、及び第2導電型半導体層のための半導体層65を半導体スペーサ層61上に成長させる(図2に示す工程S4)。半導体層63は、例えば高濃度C添加のp++型InGaAsから成り、半導体層65は、例えば高濃度Si添加のn++型InGaAsから成る。半導体層63及び65は、互いにトンネル接合を成す。次に、トンネル接合メサを形成するためにフォトリソグラフィによって円形レジストのマスクを形成し、このマスクを用いて半導体層63及び65のウェットエッチングを行う。これにより、図5(a)に示されるように、円形のメサ形状のトンネル接合領域67が半導体スペーサ層61上に形成される(図2に示す工程S5)。
続いて、図5(b)に示されるように、半導体スペーサ層61上及びトンネル接合領域67上に、第2の半導体スペーサ層のための半導体スペーサ層69を成長させ、更にその上にコンタクト層71を成長させる(図2に示す工程S6)。これにより、トンネル接合領域67は半導体スペーサ層69で埋め込まれる。半導体スペーサ層69及びコンタクト層71は、例えばSi添加のn型GaAsから成る。半導体スペーサ層69の厚さは例えば0.1[μm]〜0.3[μm]であり、コンタクト層71の厚さは例えば50[nm]である。
その後、基板51を成長炉から再び取り出して共振波長を測定する。このとき、活性層59で発光した光は半導体多層構造55(第1のDBR)及びコンタクト層71の表面において反射し共振するので、反射率が局所的に低下する波長を共振波長として認識することができる。コンタクト層71を除去する場合には、実際の共振波長は計測される波長に対してコンタクト層71の光学膜厚分だけ短くなる。発光強度がピークとなる波長(共振波長)が所定の波長範囲に含まれている場合には、当該基板を以下の工程に使用する。なお、後述する第2のDBRまで成長を終えた後にPL波長を測定し、PL強度がピークとなる波長を共振波長として採用してもよい。
続いて、図6(a)に示すように、コンタクト層71上に共振器メサ構造のためのマスク73を形成する。マスク73は、例えばレジストから成る。マスク73を用いて半導体のドライエッチングを行い、共振器メサ75を形成する。共振器メサ75は、略円柱形状であり、またコンタクト層71、半導体スペーサ層69、トンネル接合領域67、半導体スペーサ層61、活性層59および半導体スペーサ層57を含む。共振器メサ75の周囲には、半導体スペーサ層57の表面が露出している。共振器メサ75とトンネル接合領域67の中心は一致している。
続いて、保護膜及び電極を形成する(図2に示す工程S7)。まず、図6(b)に示されるように、共振器メサ75の上面及び側面、並びに半導体スペーサ層57の表面に、保護膜77を形成する。保護膜77は、例えばSiNといったシリコン系絶縁性無機化合物からなる。保護膜77は、半導体スペーサ層57の表面上に設けられた第1の開口77a、共振器メサ75の上面に設けられた第2の開口77bを含む。その後、アノード電極79aおよびカソード電極79bを蒸着により形成する。この際、カソード電極79bは第1の開口77aを通して半導体スペーサ層57に接続される。また、アノード電極79aは第2の開口77bを通してコンタクト層71に接続されるとともに、後述する第2のDBRのための開口を有する。
続いて、図7に示されるように、第2のDBR81のための誘電体積層を半導体スペーサ層69上(本実施形態ではコンタクト層71上)に形成する(図2に示す工程S8)。誘電体積層は、交互に配置された第1の誘電体層及び第2の誘電体層を含む。第1の誘電体層は例えばSiO2膜であり、第2の誘電体層は例えばTiO2膜である。この第2のDBR81は、例えばリフトオフ法により好適に形成される。第2のDBR81は、アノード電極79aの開口に位置する。
以上の工程を経て作製された基板生産物をチップ状に分割することにより、図1に示した面発光半導体レーザ11が好適に製造される。
なお本実施形態では、活性層15(59)へ流れる電流を狭窄するための電流狭窄領域として、トンネル接合領域67を半導体スペーサ層61上に形成しているが、電流狭窄領域としてはこれ以外にも例えば酸化AlGaAs領域を形成してもよい。すなわち、高アルミニウム組成を有するAlGaAs層の酸化速度が低アルミニウム組成層の酸化速度よりも大きいことを利用し、高アルミニウム組成層を選択的に酸化することで、電流狭窄を行うことが可能である。この場合、熱処理工程(S2)の後に当該酸化AlGaAs領域を形成し、その上に、C添加GaAsから成る半導体スペーサ層、及びC添加GaAsから成るコンタクト層を成長させるとよい。
また、共振器を構成するエピタキシャル層(半導体スペーサ層57、活性層59、半導体スペーサ層61、半導体スペーサ層69、及びコンタクト層71)の光学膜厚の総和が発振波長(共振波長)の整数倍、好ましくは2倍又は3倍になるように各層の厚さを設定するとよい。更に、活性層59の厚さ方向の配置に関しては、上記共振器内において共振する光の強度が最大となる位置が好適である。
本実施形態による面発光半導体レーザの製造方法によって得られる効果は次の通りである。この面発光半導体レーザの製造方法においては、半導体多層構造55(第1のDBR)、活性層59、及び半導体スペーサ層61(第1の半導体スペーサ層)を基板51上に形成したのち(S1)、トンネル接合領域67(電流狭窄領域)、半導体スペーサ層69(第2の半導体スペーサ層)、及び第2のDBR81を形成する工程(S4〜S8)の前に熱処理工程(S2)を行い、活性層59のPL波長を測定している(S3)。このように、面発光半導体レーザの共振器構造が完成する前に成長を止めてPL波長を測定することにより、活性層59本来のPL波長を測定結果に正確に反映させることができる。したがって、この面発光半導体レーザの製造方法によれば、活性層59のPLスペクトルを正確に知ることができるので、このPLスペクトルのピーク波長が所定の波長範囲に含まれる基板51を用いて面発光半導体レーザを作製することにより、発光効率の高い面発光半導体レーザ11を提供できる。
ここで、図8は、熱処理工程(S2)後の活性層59において観察されるPLスペクトル形状(グラフG1)と、コンタクト層71以下の全ての構造を成長させた後に観察されるPLスペクトル形状(グラフG2)とを示す図である。一般的に、面発光半導体レーザの温度特性を考慮して、室温でのPLピーク波長と共振波長とは互いに少し異なることが望ましい。しかしながら、コンタクト層まで成長させると第1のDBRとコンタクト層表面との間で共振器が構成されてしまい、PL測定によって得られるスペクトルは共振による影響を受けたものとなり(グラフG2)、そのピーク波長は共振波長となる。上述したように活性層本来のPLピーク波長は共振波長と異なるため、このような場合には活性層本来のPL強度の測定が困難となる。これに対し、本実施形態による面発光半導体レーザの製造方法によれば、共振器構造が完成する前に成長を止めてPL波長を測定するので、活性層本来のPLスペクトル(グラフG1)を正確に測定することができる。
また、本実施形態のように、トンネル接合領域67(電流狭窄領域)及び半導体スペーサ層69(第2の半導体スペーサ層)を半導体スペーサ層61(第1の半導体スペーサ層)上に形成する前に、半導体積層構造53を熱処理する工程(S2)により生じた半導体スペーサ層61表面の変質層を除去することが好ましい。これにより、トンネル接合領域67や半導体スペーサ層69の結晶性を向上させ、面発光半導体レーザ11の信頼性を高めることができる。なお、変質層を除去する方法としては、例えばアンモニア、アンモニアと過酸化水素の混合溶液、塩酸、またはフッ酸などによるウェットエッチングが挙げられる。
また、本実施形態のように、活性層59はGaInNAsを含むことが好ましい。GaInNAsは熱処理の際にPL波長が変化するので、活性層59はGaInNAsを含む場合には活性層59のPLスペクトルを特に正確に知ることが望まれる。したがって、本実施形態による面発光半導体レーザの製造方法は、活性層59がGaInNAsを含む場合に極めて有用である。
本発明による面発光半導体レーザの製造方法は、上記した実施形態に限られるものではなく、他に様々な変形が可能である。例えば、上記実施形態において、活性層の構造として量子井戸構造を例示したが、単一の層によって構成されても良い。また、活性層を構成する半導体材料としてGaInNAs,GaInNAsSb,及びGaNAsを例示したが、本発明に係る面発光半導体レーザの製造方法は、活性層がこれら以外の半導体材料から成る場合においても上記した効果を好適に奏することができる。
図1は、本発明に係る面発光半導体レーザの製造方法により製造される面発光半導体レーザの一形態の断面構造を示す図面である。 図2は、面発光半導体レーザの製造方法を示すフローチャートである。 図3は、(a)第1のDBRを形成する工程、並びに(b)第3の半導体スペーサ層、活性層、及び第1の半導体スペーサ層を成長させる工程をそれぞれ示す断面図である。 図4は、(a)活性層のPL波長を測定する工程、及び(b)トンネル接合層の第1導電型半導体層および第2導電型半導体層を成長させる工程をそれぞれ示す断面図である。 図5は、(a)トンネル接合領域を形成する工程、及び(b)第2の半導体スペーサ層およびコンタクト層を成長させる工程をそれぞれ示す断面図である。 図6は、(a)共振器メサを形成する工程、(b)保護膜および電極を形成する工程のそれぞれを示す断面図である。 図7は、第2のDBRを形成する工程を示す断面図である。 図8は、熱処理工程後の活性層において観察されるPLスペクトル形状(グラフG1)と、コンタクト層以下の全ての構造を成長させた後に観察されるPLスペクトル形状(グラフG2)とを示す図である。
符号の説明
11…面発光半導体レーザ、15,59…活性層、17…第1の半導体スペーサ層、19…第2の半導体スペーサ層、21,41…電極、25,51…基板、35,67…トンネル接合領域、35a…p型半導体層、35b…n型半導体層、37,75…共振器メサ、39…第3の半導体スペーサ層、43,77…保護膜、45,71…コンタクト層、53…半導体積層構造、55…半導体多層構造、57,61,69…半導体スペーサ層、73…マスク、79a…アノード電極、79b…カソード電極、L…レーザ光。

Claims (3)

  1. 面発光半導体レーザを製造する方法であって、
    基板上に、第1の分布ブラッグリフレクタ、前記第1の分布ブラッグリフレクタ上に設けられる活性層、及び前記活性層上に設けられる第1の半導体スペーサ層を含む積層構造を形成する工程と、
    前記積層構造を熱処理する工程と、
    前記活性層のフォトルミネッセンス波長を測定し、フォトルミネッセンス強度がピークとなる波長が所定の波長範囲に含まれるか否かを判定する工程と、
    前記活性層のフォトルミネッセンス強度がピークとなる波長が前記所定の波長範囲に含まれる場合に、前記活性層へ流れる電流を狭窄するための電流狭窄領域と第2の半導体スペーサ層とを前記第1の半導体スペーサ層上に形成する工程と、
    前記第2の半導体スペーサ層上に第2の分布ブラッグリフレクタを形成する工程と
    を備えることを特徴とする、面発光半導体レーザの製造方法。
  2. 前記電流狭窄領域及び前記第2の半導体スペーサ層を前記第1の半導体スペーサ層上に形成する前に、前記積層構造を熱処理する工程により生じた前記第1の半導体スペーサ層表面の変質層を除去することを特徴とする、請求項1に記載の面発光半導体レーザの製造方法。
  3. 前記活性層がGaInNAsを含むことを特徴とする、請求項1または2に記載の面発光半導体レーザの製造方法。
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