JP2009230910A - 遮断器接点の接合方法 - Google Patents

遮断器接点の接合方法 Download PDF

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功 奥富
Takashi Kusano
貴史 草野
Atsushi Yamamoto
敦史 山本
Takayuki Ikebe
高行 池辺
Mitsutaka Honma
三孝 本間
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Abstract

【課題】Ag−酸化物系接点とCu台金との接合面において、気孔の発生率を低減させる。
【解決手段】Ag−酸化物系接点1をCu台金2に接合する遮断器接点の接合方法において、Ag−酸化物系接点1の被接合面に、Sn、Inの少なくとも1つを含むZn、Cu、Agからなる被覆合金を溶解させて被膜11を設け、被膜11を設けたAg−酸化物系接点とCu台金2の被接合面間を、被覆合金よりも液相線温度の低いZn、Sn、Inの少なくとも1つを含むCuとAgとからなるAgろう材12を溶解させて接合することを特徴とする。
【選択図】図3

Description

本発明は、Ag−酸化物系接点を搭載した高速度で開閉する遮断器接点の接合方法に係り、特に接合部の接合特性を向上し得る遮断器接点の接合方法に関する。
開閉速度1m/s以上の高速度で開閉する遮断器では、大電流遮断特性が要求されるため耐溶着性、耐アーク消耗性、低接触抵抗特性などが接点に対する重要な要求要件となっている。これらの要求をバランスよく維持するために、接点にSn酸化物、In酸化物、SnIn酸化物などの酸化物を所定量含有するAg−酸化物系接点が利用されている(例えば、特許文献1参照。)。
しかしながら、一般に酸化物と金属とは濡れ性が十分でないため、Ag−酸化物系接点において、フラックスの作用を活用してもろう付け性は悪く、接合界面に気孔が発生することがある。気孔が発生すると、大電流を通電したり遮断した場合、接合面から接点が剥がれたり脱落することがある。このような状態に到らなくても電気回路の抵抗が増大するので、温度上昇を招き好ましくない。高速度の遮断器として最適の接点材料、Agろう材、フラックスの選択などを行っても、接触抵抗に起因する温度上昇特性の観点からは未だ十分な状態とはなっていないのが実情である。
遮断器に搭載される接点材料では、大電流遮断特性の向上を目的とした合金としてAg−WC系接点、Ag−W系接点が知られており、これらの接点では耐アーク消耗性に効果を発揮している。しかしながら、温度上昇特性に難点が見られる。更に、Ag−酸化物系接点も知られているが、上述のようにろう付け性に難点が見られる。
一方、Ag−酸化物系接点の接合のためのAgろう材では、接点と接点との接合部分、接点と導体との接合部分などにAg−72%Cu共晶Agろう材、Sn、In、Znなどを含むAgろう材が多用されている(例えば、特許文献2参照。)。
Ag−酸化物系接点の接合のためのフラックス材としては、接点と接点との接合部分、接点と導体との接合部分などに、硼酸、弗化カリウム、硼酸塩などが単独または複合して多用されている。
特開平7−114848号公報 特開2002−361478号公報
例えば20kA以上の大電流を遮断する高速度の遮断器用接点材料としては、Sn酸化物、In酸化物、SnIn酸化物のいずれかを3〜20重量%含むAg−酸化物系接点が選択される。Sn酸化物を主体とするAg−Sn酸化物系接点では耐アーク消耗性に優位性を持つ傾向にあり、In酸化物を主体とするAg−In酸化物系接点では温度上昇特性に優位性を持つ傾向にある。ここでは、Ag−Sn酸化物系接点、Ag−In酸化物系接点、Ag−SnIn酸化物系接点を総称してAg−酸化物系接点とする。なお、Cd酸化物を主体とするAg−Cd酸化物系接点では、接触抵抗特性、温度上昇特性の両立に優位性をもつが最近の環境問題からその取扱に注意を要するので、接点に含有する酸化物から除外する。
Ag−酸化物系接点と台金との接合では、対向した酸化物系接点とCu台金との間にAg−72%Cu合金、AgCu−10%Sn合金、AgCu−14〜35%Zn合金、AgCu−15〜30%Zn−3〜5%Sn合金などのAgろう材を配置または流し込んでAgろう材を溶融させ接合している。接合後の断面を観察すると、Cu台金面はAgろう材で十分に濡れているが、酸化物系接点の接合面は局部的に濡れていない部分があり気孔が残存している。
このように最適の接点系と最適のAgろう材系を組み合わせているが、耐アーク消耗性と温度上昇特性とは両立せず、十分に温度上昇を抑えることができず、その特性にバラツキが見られている。温度上昇特性のバラツキは、Ag−酸化物系接点とCu台金との接合部に発生する気孔の数などに依存している。そこで高速度で開閉を行うAg−酸化物系接点を搭載した遮断器の大電流遮断特性に関与する接合性の改善が課題として挙げられている。
本発明は上記問題を解決するためになされたもので、Ag−酸化物系接点とCu台金との接合部分において、気孔の発生数を低減させ、大電流遮断特性を改善し得る高速度の遮断器接点の接合方法を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明の遮断器接点の接合方法は、Ag−酸化物系接点をCu台金に接合する遮断器接点の接合方法において、前記Ag−酸化物系接点の被接合面に、Sn、Inの少なくとも1つを含むZn、Cu、Agからなる被覆合金を溶解させて被膜を設け、前記被膜を設けた前記Ag−酸化物系接点と前記Cu台金の被接合面間を、前記被覆合金よりも液相線温度の低いZn、Sn、Inの少なくとも1つを含むCuとAgとからなるAgろう材を溶解させて接合することを特徴とする。
本発明によれば、Ag−酸化物系接点とCu台金とをAgろう材によって接合する接合部分において、気孔の発生数を低減させることができ、大電流遮断特性を改善することができる。
以下、図面を参照して本発明のAg−酸化物系接点を搭載した遮断器接点の接合方法を説明する。
先ず、高速度開閉の遮断器の例を図1に示す。この遮断器は、電鉄変電所、製鉄工場、化学工場などの整流器、直流発電機を電源とする直流回路に用いられ、過電流などの異常電流を高速で遮断し、負荷機器の損傷を防止するために使用される。
図1に示すように、Ag−酸化物系からなる固定側接点1は一方の電路となる上部導体2端に固定され、これと接離するAg−酸化物系からなる可動側接点3は下部導体アーム4の一方端に固定されている。下部導体アーム4の他方端には、他方の電路となる下部導体5がピン6で連結されている。下部導体アーム4の中間部には、図示しない投入ばねで閉路した接点1、3を高速で開路させる引き外しばね7が設けられている。また、アークを消弧させるためのアークホーン8、アークシュート9、マグネットコイル10などが設けられている。
次に、固定側接点1と上部導体2との接合を図2、図3を参照して説明する。なお、可動側も同様に接合される。
図2に示すように、Sn酸化物、In酸化物、SnIn酸化物のいずれかを含み残部がAgを主成分とするAg−酸化物系の固定側接点1(被接合体A)の被接合面がaであり、これと接合される上部導体2(被接合体B)の被接合面がbである。被接合体Bは、Cuからなり固定側接点1を接合する台金(Cu台金)となる。
接合には、図3に示すように、先ず、固定側接点1(被接合体A)の被接合面aに、Sn、Inの少なくとも1つを含むZn、Ag、Cuを混合した被覆合金を溶解させて被膜11を設ける。これは、金属との濡れ性が劣るAg−酸化物系接点の被接合面aを接合し易いようにするものである。次に、上部導体2(被接合体B)の被接合面bにZn、Sn、Inの少なくとも1つを含むAg−Cuろう材(12)を配置し、溶解させて互いの接合面a、bを接合させる。以下、Ag−Cuろう材(12)を、単にAgろう材12と称す。
ここで、被覆合金の液相線温度をT1とし、Agろう材12の液相線温度をT2とすると、T1>T2の条件とする。液相線温度は、表1の合金の組み合わせから選択するものとする。Aグループ600℃台(652〜698℃)、Bグループ700℃台(700〜795℃)、Cグループ800℃台(800〜893℃)に分けており、各グループには、A1、A2…、B1、B2…、C1、C2…と合金番号を付け、所定合金を選択する。被覆合金の形成は、予めAg−酸化物系接点を加熱して設け、一旦室温に冷却してもよく、またAg−酸化物系接点の加熱中でAgろう材12を挿入する直前であってもよい。
接合作業時の作業性の観点から、被覆合金の液相線温度T1は、Agろう材12の液相線温度T2よりも30℃以上高くすると好ましい(T1≧T2+30℃)。T1とT2の温度差が30℃未満では、加熱時に被覆合金による被膜11とAgろう材12とが早期に一体化したり、被覆合金が被接合部分a、bから流れ出したり、Ag−酸化物系接点がCu台金上で移動したり、落下するので好ましくない。即ち、Agろう材12溶解時にAg−酸化物系接点がCu台金上で移動しない程度に被覆合金の液相線温度を高くする。
また、被覆合金にSn、Inが含有される場合には、SnとInのいずれかまたは両者の合計が10%以下が好ましい。10%を超えると、液相線温度の条件であるT1≧T2+30℃を維持させるために、Agろう材12の選択幅が狭くなるとともに、必要以上に接合作業温度を低下させなければならず、接合強度の低下を招くことになる。好適な接合作業温度をT0とすると、T1≧T2+30℃を維持し、T1>T0>T2が接合作業を容易とする。SnとInの合計が0%を含む10%以下は、表1のA4合金、A7合金が該当する。
Znにおいては、ZnはSn、Inよりも蒸気圧が著しく大であるという短所があり、接合部が冷却固化した後、接合部内にZn蒸気が気孔として残存し易くなる。このため、35%以下が好ましい。
Agろう材12においては、Zn成分がAg−酸化物系接点との濡れ性の改善に寄与する。しかしながら、上述したように35%を超えると、冷却固化後の接合部内に多数の気孔を残存させ、温度上昇特性を低下させるので好ましくない。
次に、評価方法について説明する。
幅14mm、長さ30mm、厚さ5mmの一対のAg−酸化物系接点を25kA単相遮断器に搭載し、電流5kAを通電し、3000回開閉した。開閉後、接触圧力40kgとし、温度上昇特性と接合特性とを求めた。評価数は3個とし、ばらつきの範囲を示すため、最大値と最小値を求めた。
(接合特性)
接合特性は、Ag−酸化物系接点(被接合体A)とCu台金(被接合体B)との接合部分を、倍率50倍の金属顕微鏡で観察し、30mmの辺の接合部分の気孔の数を測定した。判定を表2に示す。
Figure 2009230910
(温度上昇特性)
温度上昇特性は、Ag−酸化物系接点(被接合体A)とCu台金(被接合体B)との接合部分の温度変化を、非接触式の赤外線温度計で測定した。5kA通電時の最高上昇温度から室温を差し引いた温度上昇値を求めた。判定を表3に示す。
Figure 2009230910
(比較例1)
表4に示すように、比較例1では、Ag−酸化物系接点としてAg−10%Sn酸化物を用い、Cu台金に接合した。被覆合金は用いず、Agろう材12として表1に示すA6合金を用いた。56%Ag−22%Cu−17%Zn−5%Snであり、液相線温度T2が652℃となる。
Ag−10%Sn酸化物接点の被接合面aとCu台金の被接合面bとをソルベントで洗浄した後、互いの被接合面a、bを対向させ、接合作業温度T0=700℃で溶解させたAgろう材12を浸入させ接合した。互いの被接合面a、bの洗浄は、以下の比較例、実施例で同様である。この条件は、T0>T2となる。
結果を表5に示す。両接合面a、bに溶解したAgろう材12を毛細管現象によって浸入させるようにして接合しているため、気孔の数がD2、温度上昇特性がc〜dであり、不合格であった。これは、被接合面aが十分に濡れず、接合している部分が少なかったためである。
(実施例1)
実施例1では、Ag−酸化物系接点としてAg−10%Sn酸化物を用い、Cu台金に接合させた。Cu台金には、50%Ag−34%Cu−16%Zn合金(B8合金)を溶解させ、あらかじめ被覆合金による被膜11を設けている。B8合金の液相線温度T1は、775℃である。Agろう材12は、液相線温度T2=652℃の56%Ag−22%Cu−17%Zn−5%Sn合金(A6合金)を用い、被接合面aと被接合面bとを重ね合わせ、その間隙にA6合金を挿入し、接合作業温度T0=700℃で溶解させ接合した。
この結果、接合特性はB〜A、温度上昇特性はb1であり、良好な接合を示した。この条件は、T1>T0>T2となる。このため、被接合面aに形成された被膜11は、接合作業温度T0で溶解したり流れ落ちたりせず、被接合面aに残存し、良質な接合特性を示した。
Ag−10%Sn酸化物接点への被膜11の形成は、接合前にあらかじめ設けておくのが最もよい。また、Ag−10%Sn酸化物接点の被接合面aに、B8合金を接触させておき、溶解させた後、Cu台金の被接合面bを重ね合わせて接合してもよい。また別の方法として、重ね合わせた互いの被接合面a、b間に、加熱初期段階で被膜11が形成されるようにし、加熱後期段階でAgろう材12が溶解するようにしてもよい。この場合、Cu台金の被接合面bにも被覆合金が供給されるが、接合特性に大きく影響を与えるものではない。
(比較例2)
Ag−酸化物系接点としてAg−10%Sn酸化物を用い、Cu台金に接合させた。Cu台金には、50%Ag−20%Cu−28%Zn−2%Ni合金(B9合金)を溶解させ、あらかじめ被膜11を設けている。B9合金の液相線温度T1は、750℃である。Agろう材12は、液相線温度T2=766℃の30%Ag−38%Cu−32%Zn合金(B23合金)を用い、被接合面aと被接合面bとを重ね合わせ、その間隙にB23合金を挿入し、接合作業温度T0=820℃で溶解させ接合した。
この結果、接合特性はB〜D1、温度上昇特性はb2であり、不合格であった。T2>T1のため、接合時に被覆合金が流出した。
(実施例2、3)
実施例2では、Ag−酸化物系接点としてAg−3%Sn酸化物を用い、Cu台金に接合させた。Cu台金には、50%Ag−34%Cu−16%Zn合金(B8合金)を溶解させ、あらかじめ被膜11を設けている。B8合金の液相線温度T1は、775℃である。Agろう材12は、液相線温度T2=652℃の56%Ag−22%Cu−17%Zn−5%Sn合金(A6合金)を用い、被接合面aと被接合面bとを重ね合わせ、その間隙にA6合金を挿入し、接合作業温度T0=700℃で溶解させ接合した。
実施例3では、Ag−酸化物系接点としてAg−20%Sn酸化物を用い、Cu台金に接合させた。被覆合金、Agろう材12は、実施例2と同様である。
この結果、実施例2では接合特性がA、温度上昇特性がa、実施例3では接合特性がC、温度上昇特性がcであり、いずれも合格であった。
なお、Sn酸化物が3%未満の接点では、他の特性として耐溶着特性が劣るので、遮断器に用いることは好ましくない。また、Sn酸化物が20%を超えるものでは、接点として接触抵抗が上昇するので好ましくない。
(比較例3)
比較例3では、Ag−酸化物系接点としてAg−10%In酸化物を用い、Cu台金に接合させた。Cu台金に被膜11は形成せず、Agろう材12としてA4合金を用いた。45%Ag−27%Cu−25%Zn−3%Niであり、液相線温度T2が667℃である。接合作業温度T0は、700℃である。この結果、T0>T2となり、接合特性がD1、温度上昇特性がc〜dであり、不合格であった。
(実施例4)
実施例4では、Ag−酸化物系接点としてAg−10%In酸化物を用い、Cu台金に接合させた。Cu台金には、40%Ag−30%Cu−28%Zn−2%Ni合金(B14合金)を溶解させ、あらかじめ被膜11を設けている。B14合金の液相線温度T1は、780℃である。Agろう材12は、液相線温度T2=710℃の63%Ag−27%Cu−10%In合金(B5合金)を用い、被接合面aと被接合面bとを重ね合わせ、その間隙にB5合金を挿入し、接合作業温度T0=740℃で溶解させ接合した。
この結果、接合特性はA、温度上昇特性はb1であり、良好な接合を示した。この条件は、T1>T0>T2となる。
(比較例4)
比較例4では、Ag−酸化物系接点としてAg−10%In酸化物を用い、Cu台金に接合させた。Cu台金には、30%Ag−38%Cu−27%Zn−5%In合金(B20合金)を溶解させ、あらかじめ被膜11を設けている。B20合金の液相線温度T1は、755℃である。Agろう材12は、液相線温度T2=775℃の50%Ag−34%Cu−16%Zn合金(B8合金)を用い、被接合面aと被接合面bとを重ね合わせ、その間隙にB8合金を挿入し、接合作業温度T0=820℃で溶解させ接合した。
この結果、接合特性はC〜D1、温度上昇特性はcであり、不合格であった。T1<T0>T2となり、接合時に被覆合金が流出した。
(比較例5)
比較例5では、Ag−酸化物系接点としてAg−(7%In+6%Sn)酸化物を用い、Cu台金に接合させた。Cu台金に被膜11は形成せず、Agろう材12としてA3合金を用いた。45%Ag−25%Cu−25%Zn−5%Inであり、液相線温度T2が690℃である。接合作業温度T0は、690℃である。この結果、T0>T2となり、互いの被接合面a、bが十分に濡れず、接合特性がD1〜D2、温度上昇特性がc〜dであり、不合格であった。
(実施例5)
実施例5では、Ag−酸化物系接点としてAg−(7%In+6%Sn)酸化物を用い、Cu台金に接合させた。Cu台金には、40%Ag−40%Cu−20%Zn合金(B15合金)を溶解させ、あらかじめ被膜11を設けている。B15合金の液相線温度T1は、795℃である。Agろう材12は、液相線温度T2=698℃の62%Ag−23%Cu−15%Zn合金(A8合金)を用い、被接合面aと被接合面bとを重ね合わせ、その間隙にA8合金を挿入し、接合作業温度T0=750℃で溶解させ接合した。
この結果、接合特性はB、温度上昇特性はb1であり、良好な接合を示した。この条件は、T1>T0>T2となる。
(比較例6)
比較例6では、Ag−酸化物系接点としてAg−(7%In+6%Sn)酸化物を用い、Cu台金に接合させた。Cu台金には、25%Ag−40%Cu−34%Zn−1%Sn合金(B27合金)を溶解させ、あらかじめ被膜11を設けている。B27合金の液相線温度T1は、787℃である。Agろう材12は、液相線温度T2=766℃の30%Ag−38%Cu−32%Zn合金(B23合金)を用い、被接合面aと被接合面bとを重ね合わせ、その間隙にB23合金を挿入し、接合作業温度T0=920℃で溶解させ接合した。
この結果、接合特性はC〜D1、温度上昇特性はcであり、不合格であった。T1<T0>T2となり、接合時に被覆合金が流出した。
ここで、T1−T2=21℃と温度差が僅かであることから、Agろう材12が溶解したとき、被膜11が熱的影響を受け、よい接合状態が得られなかった。このため、T1とT2の温度差は、30℃以上が好ましい。
(比較例7)
比較例7では、Ag−酸化物系接点としてAg−(7%In+6%Sn)酸化物を用い、Cu台金に接合させた。Cu台金には、30%Ag−38%Cu−32%Zn合金(B23合金)を溶解させ、あらかじめ被膜11を設けている。B23合金の液相線温度T1は、766℃である。Agろう材12は、液相線温度T2=750℃の50%Ag−20%Cu−28%Zn−2%In(合金B9合金)を用い、被接合面aと被接合面bとを重ね合わせ、その間隙にB9合金を挿入し、接合作業温度T0=780℃で溶解させ接合した。
この結果、接合特性はC〜D1、温度上昇特性はcであり、不合格であった。T1<T0>T2となり、接合時に被覆合金が流出した。
(実施例6)
実施例6では、Ag−酸化物系接点としてAg−(2%In+1%Sn)酸化物を用い、Cu台金に接合させた。Cu台金には、50%Ag−34%Cu−16%Zn合金(B8合金)を溶解させ、あらかじめ被膜11を設けている。B8合金の液相線温度T1は、775℃である。Agろう材12は、液相線温度T2=652℃の56%Ag−22%Cu−17%Zn−5%In合金(A6合金)を用い、被接合面aと被接合面bとを重ね合わせ、その間隙にA6合金を挿入し、接合作業温度T0=700℃で溶解させ接合した。
この結果、接合特性はA、温度上昇特性はaであり、良好な接合を示した。この条件は、T1>T0>T2となる。なお、接点として、In酸化物とSn酸化物の合計量が3%未満では、遮断器として耐溶着性の点で好ましくない。
(実施例7)
実施例7では、Ag−酸化物系接点としてAg−(12%In+8%Sn)酸化物を用い、Cu台金に接合させた。Cu台金に設ける被膜11、Agろう材12、接合作業温度T0は、実施例6と同様である。
この結果、接合特性はC、温度上昇特性はcであり、良好な接合を示した。この条件は、T1>T0>T2となる。このようなことから、T1≧T2+30の条件では、良好な接合を示すことがわかった。
上記実施例の遮断器接点の接合方法によれば、T1>T0>T2とするとともに、T1≧T2+30℃としているので、Ag−酸化物系接点とCu台金との接合特性を優れたものとすることができる。
(変形例)
表1から選択した各合金で、T1>T0>T2とするとともに、T1≧T2+30℃となるような組み合わせを用いることにより、接合特性の優れた接合方法を得ることができる。
Figure 2009230910
Figure 2009230910
Figure 2009230910
本発明の実施例に係るAg−酸化物接点を搭載した遮断器を示す概略図。 本発明の実施例に係るAg−酸化物接点とCu台金との接合部を説明する拡大図。 本発明の実施例に係るAg−酸化物接点とCu台金との接合方法を説明する拡大図。
符号の説明
1 固定側接点
2 上部導体
3 可動側接点
4 下部導体アーム
5 下部導体
6 ピン
7 引き外しばね
8 アークホーン
9 アークシュート
10 マグネットコイル
11 被膜
12 Agろう材

Claims (3)

  1. Ag−酸化物系接点をCu台金に接合する遮断器接点の接合方法において、
    前記Ag−酸化物系接点の被接合面に、Sn、Inの少なくとも1つを含むZn、Cu、Agからなる被覆合金を溶解させて被膜を設け、
    前記被膜を設けた前記Ag−酸化物系接点と前記Cu台金の被接合面間を、前記被覆合金よりも液相線温度の低いZn、Sn、Inの少なくとも1つを含むCuとAgとからなるAgろう材を溶解させて接合することを特徴とする遮断器接点の接合方法。
  2. 前記Ag−酸化物系接点は、Agを主成分とし、Sn酸化物、In酸化物、SnIn酸化物のいずれかを含むことを特徴とする請求項1に記載の遮断器接点の接合方法。
  3. 前記被覆合金の液相線温度をT1とし、
    前記Agろう材を溶解させる接合作業温度をT0とし、
    前記Agろう材の液相線温度をT2とすると、
    T1>T0>T2とすることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の遮断器接点の接合方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2011040587A1 (ja) 2009-10-02 2011-04-07 株式会社神戸製鋼所 機械構造用鋼とその製造方法、及び、肌焼鋼部品とその製造方法

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