JP2009229690A - 電気泳動表示装置の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】平坦性に優れた電気泳動表示装置の製造方法を提供する。
【解決手段】少なくとも対向基板と電気泳動層とを備える電気泳動シートと、素子基板とを所定の方向に湾曲させた状態で接着剤を介して貼り合わせる工程と、所定の方向に湾曲させた状態で、電気泳動シートと素子基板とを加熱接着する工程と、所定の方向に湾曲させた状態から解放すると共に、加熱を停止する工程と、を含むことを特徴とする電気泳動表示装置の製造方法。
【選択図】なし
【解決手段】少なくとも対向基板と電気泳動層とを備える電気泳動シートと、素子基板とを所定の方向に湾曲させた状態で接着剤を介して貼り合わせる工程と、所定の方向に湾曲させた状態で、電気泳動シートと素子基板とを加熱接着する工程と、所定の方向に湾曲させた状態から解放すると共に、加熱を停止する工程と、を含むことを特徴とする電気泳動表示装置の製造方法。
【選択図】なし
Description
本発明は、電気泳動表示装置の製造方法の改良に関するものであり、特に、表示体組立実装分野において、薄いガラスを駆動回路用の基板として用いたフレキシブルな薄型平面電気泳動ディスプレイの製造方法に関するものである。
液晶表示デバイスに代表される平面表示装置は、薄型、軽量、低消費電力などの特徴を生かしてOA機器、情報端末、時計、テレビ等の各分野に利用されている。現在、携帯電話をはじめとするこれらの液晶表示デバイスには、より薄く、より軽く、且つ丈夫であることが要求されている。
一方、カラー表示や動画表示という点において液晶表示デバイスには劣るものの、薄さ、軽さ及び低消費電力を実現し得る表示体として、電気泳動ディスプレイ(Electrophoretic Display:EPD)が注目されている。この電気泳動ディスプレイ(以下、EPDという)は、紙に近い性質を有しており、読むことを目的とした「電子ペーパー」として開発が進められている。
代表的な電子ペーパーであるマイクロカプセル型EPDは、帯電粒子が分散した溶媒をマイクロカプセルに封入し、マイクロカプセルを挟持するように形成された電極間に電圧を印加して電界を発生させることにより、帯電粒子の分布を変化させてコントラストを得る表示体である。電圧印加を止めても静電気力や分子間力によって引きつけられた帯電粒子が電極付近に留まることから、電力を消費せずに表示画像を保持し続けられるという特徴を有する。
また、液晶ディスプレイのような透過光や有機ELディスプレイのような発光ではなく、帯電粒子や溶媒そのものの色(反射光)を観察するため視野角依存がなく、紙のように目に優しく、長時間の凝視にも耐えられるといった利点がある。
さらに、表示を担う構成材料の殆どが柔軟性を有する有機物であることから、曲面ディスプレイのような表示部分を曲げた状態での使用が可能であるといった利点もある。
また、液晶ディスプレイのような透過光や有機ELディスプレイのような発光ではなく、帯電粒子や溶媒そのものの色(反射光)を観察するため視野角依存がなく、紙のように目に優しく、長時間の凝視にも耐えられるといった利点がある。
さらに、表示を担う構成材料の殆どが柔軟性を有する有機物であることから、曲面ディスプレイのような表示部分を曲げた状態での使用が可能であるといった利点もある。
このように、薄く、軽く、且つ柔軟性を有するといったEPDの特徴は、電気泳動シート(以下、EPシートとする)と呼ばれる表示部を構成するマイクロカプセルや表層のプラスチック基板等の材料の殆どが有機物で構成されている結果である。したがって、柔軟性を有するプラスチック基板上に配線形成したものをバックプレインとして用いれば表示体全体のフレキシブル化は可能である。しかしながら、ドットマトリックス表示による高精細かつ自由度に富んだ画像を表示する場合、一般的にはガラス基板上にTFT(薄膜回路素子)を形成したものを素子基板として用いるため、表示体全体としては本来EPシートが持つ柔軟性は失われてしまうという問題があった。
そこで、これらの課題を解決するために、TFTを石英ガラスや、ガラス基板などの基板上に形成し、形成されたTFTをこの基板から剥離し、樹脂基板に移し変える転写法が提案されている。また、ステンレス基板上にTFTを形成して表示体全体としての柔軟性を確保する試みもなされている。このように、樹脂基板や、金属基板を素子基板とすれば、柔軟なフレキシブル薄型平面ディスプレイの製造が可能である。しかしながら、上記技術は開発段階にあるため、量産化の実現には信頼性やコストなど課題が残っている。
このため、すでに量産化技術が確立されている従来のガラス基板からなる素子基板を用いたフレキシブルな薄型平面ディスプレイの実現が期待されていた。
このため、すでに量産化技術が確立されている従来のガラス基板からなる素子基板を用いたフレキシブルな薄型平面ディスプレイの実現が期待されていた。
ところで、実際にガラス基板を用いたフレキシブルディスプレイを実現する方法としては、特許文献1に記載されているように、ガラス基板をエッチングにより薄膜化して柔軟性を持たせる方法が提案されている。
特開2006−41135号公報
しかしながら、特許文献1に記載の方法は、ガラス基板の裏面の粗さを低減することにより素子基板の反り量を少なくすることを目的としたフレキシブルディスプレイの製造方法である。このため、素子基板そのものの反りを抑制することは可能であるが、素子基板上にEPシートを加熱処理によって貼り付ける場合には、ガラスを含む素子基板と、殆どが有機物で構成されるEPシートとの熱膨張係数の差によって、表示デバイス全体に大きな反りが発生してしまうという問題があった。
すなわち、従来のフレキシブルディスプレイ101の製造方法は、図6(a)に示すように、ガラスを含む素子基板102と有機物で構成されるEPシート103とを積層して、平坦な状態で加熱プレス処理することで駆動基板102とEPシート103とを加熱接着していた。この場合、加熱接着時およびその直後は、図6(b)に示すように、フレキシブルディスプレイ101は平坦となる。しかしながら、ガラスを含む素子基板102の熱膨張率と比較して、有機物で構成されるEPシート103の熱膨張率が大きいため、加熱状態から室温まで冷却されるときに収縮量に差が生じる。
すなわち、図6(b)中の矢印に示すように、素子基板102の収縮量S1は、EPシート103の収縮量S2よりも小さいため、室温まで冷却された際には、図6(c)に示すように、フレキシブルディスプレイ101は、EPシート103が内側になるように反ってしまう。
すなわち、図6(b)中の矢印に示すように、素子基板102の収縮量S1は、EPシート103の収縮量S2よりも小さいため、室温まで冷却された際には、図6(c)に示すように、フレキシブルディスプレイ101は、EPシート103が内側になるように反ってしまう。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであって、平坦性に優れた電気泳動表示装置の製造方法を提供することを目的とする。
上記の目的を達成するために、本発明は以下の構成を採用した。
すなわち、本発明の電気泳動表示装置の製造方法は、素子基板と対向基板との間に挟持された電気泳動層を有し、前記対向基板側を表示面とする電気泳動表示装置の製造方法であって、少なくとも前記対向基板と前記電気泳動層とを備える電気泳動シートと、前記素子基板とを所定の方向に湾曲させた状態で接着剤を介して貼り合わせる工程と、前記所定の方向に湾曲させた状態で、前記電気泳動シートと前記素子基板とを加熱接着する工程と、前記所定の方向に湾曲させた状態から解放すると共に、前記加熱を停止する工程と、を含むことを特徴とする。
すなわち、本発明の電気泳動表示装置の製造方法は、素子基板と対向基板との間に挟持された電気泳動層を有し、前記対向基板側を表示面とする電気泳動表示装置の製造方法であって、少なくとも前記対向基板と前記電気泳動層とを備える電気泳動シートと、前記素子基板とを所定の方向に湾曲させた状態で接着剤を介して貼り合わせる工程と、前記所定の方向に湾曲させた状態で、前記電気泳動シートと前記素子基板とを加熱接着する工程と、前記所定の方向に湾曲させた状態から解放すると共に、前記加熱を停止する工程と、を含むことを特徴とする。
本発明の電気泳動表示装置の製造方法によれば、素子基板に電気泳動シートを貼り付ける際の加熱冷却過程で発生する反り量分をあらかじめ反対方向に反らせた状態で貼り付けおよび加熱接着を行うため、室温まで冷却した際にディスプレイ全体が平坦となる。これにより、様々なサイズや厚みや硬さの材料に対応可能な、ディスプレイ全体が平坦となる平坦性に優れた電気泳動表示装置の製造方法を提供することができる。
また、本発明の電気泳動表示装置の製造方法は、前記所定の方向に湾曲させた状態とは、前記電気泳動シートが前記湾曲の内側になる状態であり、前記素子基板は、厚さ200μm以下のガラス基板であることが好ましい。このように、素子基板が200μm以下に薄く加工したガラス基板に対して電気泳動シートを貼り付けることにより、フレキシブル且つ薄型の平面電気泳動表示装置の製造方法を提供することができる。
本発明の製造方法を用いれば、200μm以下のガラス基板にプラスチックシートを貼り付ける際の加熱冷却過程で発生する反り量分をあらかじめ反対方向に反らせた状態で貼り付けおよび加熱接着を行うことによって、様々なサイズや厚みや硬さの材料に対応可能な、フラットなフレキシブルディスプレイを製造することが可能となる。
本発明の製造方法を用いれば、200μm以下のガラス基板にプラスチックシートを貼り付ける際の加熱冷却過程で発生する反り量分をあらかじめ反対方向に反らせた状態で貼り付けおよび加熱接着を行うことによって、様々なサイズや厚みや硬さの材料に対応可能な、フラットなフレキシブルディスプレイを製造することが可能となる。
以下、本発明を適用した実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。なお、以下の各図は、本発明の実施形態である電気泳動表示装置及びその製造方法を説明するためのものであり、図示される各部の大きさや厚さや寸法等は、実際の電気泳動表示装置等の寸法関係とは異なる場合がある。
先ず、本発明を適用した一実施形態である電気泳動表示装置の製造方法に用いて製造される電気泳動表示装置の構成について説明する。
図1は、本発明を適用した一実施形態である電気泳動表示装置示す断面模式図である。
本実施形態の電気泳動表示装置1は、図1に示すように、素子基板2と、後述する対向基板7と接着材8との間に挟持された電気泳動層9を有する電気泳動シート3と、この電気泳動シート3上に設けられて対向基板7側に配置される保護シート4と、電気泳動シート3と保護シート4とを接着するための両面接着剤5とから概略構成されている。なお、本実施形態では、対向基板7及び保護シート4側が表示面となっており、保護シート4が電気泳動表示装置1の最表層となっている。
図1は、本発明を適用した一実施形態である電気泳動表示装置示す断面模式図である。
本実施形態の電気泳動表示装置1は、図1に示すように、素子基板2と、後述する対向基板7と接着材8との間に挟持された電気泳動層9を有する電気泳動シート3と、この電気泳動シート3上に設けられて対向基板7側に配置される保護シート4と、電気泳動シート3と保護シート4とを接着するための両面接着剤5とから概略構成されている。なお、本実施形態では、対向基板7及び保護シート4側が表示面となっており、保護シート4が電気泳動表示装置1の最表層となっている。
素子基板2は、無アルカリガラスなどのガラス基板や、PETなどの透明な樹脂基板などを用いることができる。本実施形態では、素子基板2は、厚さ200μm以下のガラス基板であることが好ましい。このように、厚さ200μm以下のガラス基板を用いると、電気泳動表示装置1は、可撓性のある(フレキシブルな)電気泳動表示装置1とすることができる。本実施形態では、素子基板2として、旭硝子社製の無アルカリガラスAN100(商品名)を用いており、素子基板2の厚さは、約100μm程度である。
なお、素子基板2には、画素電極(図示せず)が形成されている。この画素電極は、公知のレジスト法及びエッチング法を用いたパターニング技術や、液滴吐出法等を用いて選択的に材料を塗布する技術、若しくは蒸着法等を用いて素子基板2上に形成することができる
なお、素子基板2には、画素電極(図示せず)が形成されている。この画素電極は、公知のレジスト法及びエッチング法を用いたパターニング技術や、液滴吐出法等を用いて選択的に材料を塗布する技術、若しくは蒸着法等を用いて素子基板2上に形成することができる
電気泳動シート3は、図1に示すように、接着剤8と、この接着剤8上に順次設けられた電気泳動層9、共通電極10、及び対向基板7から構成されている。この電気泳動シート3は、例えばPET層からなる対向基板7を基体とし、この対向基板7上にITO等の透明な導電材料で共通電極10を形成し、この上に電気泳動層9と接着剤8とを形成したものである。
本実施形態の電気泳動層9は、図1に示すように、電気泳動物質を含有したマイクロカプセルを多数有してなるマイクロカプセル型のものである。マイクロカプセルは、例えば正に帯電した黒色の正帯電粒子(電気泳動物質)と、負に帯電した白色の負帯電粒子(電気泳動物質)と、を分散液中に分散させ、この分散液を微小なカプセルに封入することで得ることができる。
また、このような電気泳動シート3は製品化されており、当該製品を用いるようにしてもよく、本実施形態ではE・Ink社の製品であるセグメントディスプレイ用EPシートVer.2.1(商品名)を用いている。
なお、電気泳動シート3の厚さとしては、本実施形態では約230μm程度としている。
なお、電気泳動シート3の厚さとしては、本実施形態では約230μm程度としている。
図1に示すように、保護シート4は、耐衝撃性及び対擦性を有することが好ましい。また、保護シート4は、電気泳動表示装置1の表示面を構成することから、透明性が高いことを要すると共に、水分を嫌う電気泳動層9の劣化を抑制するために耐侯性を有することが好ましい。保護シート4を構成する材料としては、例えば、アクリル樹脂、PET、PC等の通常のプラスチック材料を適用することができる。なお、本実施形態では、保護シート4として、さくら樹脂社製のアクリルOAP−S03(商品名)を用いており、その厚さは、300μm程度である。
両面接着剤5は、電気泳動シート3と保護シート4とを接着することが可能であれば、特に限定されるものではない。本実施形態では、両面接着剤5として、日東電工社製の両面接着剤HJ−3160W(商品名)を用いており、その厚さは、100μm程度である。
なお、保護シート4と対向基板7との間に例えば透明なエラストマーからなる衝撃緩和部材を設けても良い。このような構成とすることで、電気泳動表示装置1の耐衝撃性をさらに向上させることができる。
なお、保護シート4と対向基板7との間に例えば透明なエラストマーからなる衝撃緩和部材を設けても良い。このような構成とすることで、電気泳動表示装置1の耐衝撃性をさらに向上させることができる。
ところで、一般に、電気泳動層9は、湿度が所定の値よりも高い場合でも低い場合でも劣化してしまうため、液晶表示装置等の表示装置よりも厳しい湿度管理が必要とされる。このため、本実施形態では、防湿層10を備えた構成としてもよい。防湿層10として、具体的には、防湿、透明性に優れたフッ素樹脂や、PCTFE(ポリクロロトリフルオロエチレン(Poly Chloro Tri Furuoro Ethylene)、三フッ化エチレン樹脂)などを用いることができる。
これにより、電気泳動層9の劣化を十分に防止することができ、長寿命の電気泳動表示装置1とすることができる。
これにより、電気泳動層9の劣化を十分に防止することができ、長寿命の電気泳動表示装置1とすることができる。
また、本実施形態のように、最表層となる保護シート4をアクリル樹脂からなるものとすれば、先述のようにキズが付き難くかつ軽量とすることができるとともに、良好な耐候性を得ることができる。耐候性とは、太陽光による紫外線や熱、雨等による水分、温度変化等により材料が変質しない特徴のことであり、屋外曝露試験等で評価される。耐候性に優れた電気泳動表示装置1は、幅広い環境条件で使用可能となっているので、より良好な携帯性となり、例えば屋外等でも使用可能なものとなる。
なお、本実施形態ではマイクロカプセル型の電気泳動層9としたが、マイクロカプセル型でなくともよく、例えば画素電極の間に隔壁を設け、画素電極上に電気泳動物質を分散させた分散媒を配し、共通電極等でこれを封止するようにしてもよい。
また、本実施形態では、図1に示すように、保護シート4を表示部の最外層としたが、例えば、この保護シート4上に紫外線カットフィルムや、反射防止フィルム、あるいはよりキズを付きにくくするためのハードコート等の機能膜を設け、これを最外層としてもよい。さらに、保護シート4等は、いずれも単層で構成する必要は無く、複数層で構成してもよい。
以上のような構成の電気泳動表示装置1は、画素電極(図示せず)と共通電極10との間に電界が印加されると、電気泳動層9のマイクロカプセルに封入された正帯電粒子(黒色)及び負帯電粒子(白色)には、その帯電の正負に応じた方向に静電気力が作用する。例えば、図1に示すように、画素電極が共通電極10よりも高電位である画素電極上においては、共通電極(低電位)10側に正帯電粒子(黒色)が移動することにより、これが透明な共通電極通して最表層である保護シート4側から視認され、画素電極に対応した画素が黒色表示となる。また、画素ごとに、画素電極と共通電極10との間の電位差を制御することにより、所望の画像を表示することができるようになっている。
次に、本実施形態の電気泳動表示装置1の製造方法について説明する。図2〜図4は、本実施形態の電気泳動表示装置1の製造方法を示す工程断面図である。
本実施形態の電気泳動表示装置1の製造方法は、電気泳動シートと素子基板とを所定の状態に湾曲させた状態で接着剤を介して貼り合わせる工程と、所定の状態に湾曲させた状態で接着剤を加熱して溶融させ、電気泳動シートと素子基板とを接着させる工程と、所定の状態に湾曲させた状態から解放すると共に、加熱を停止する工程とから概略構成されている。以下に、各工程について詳細に説明する。
本実施形態の電気泳動表示装置1の製造方法は、電気泳動シートと素子基板とを所定の状態に湾曲させた状態で接着剤を介して貼り合わせる工程と、所定の状態に湾曲させた状態で接着剤を加熱して溶融させ、電気泳動シートと素子基板とを接着させる工程と、所定の状態に湾曲させた状態から解放すると共に、加熱を停止する工程とから概略構成されている。以下に、各工程について詳細に説明する。
(貼り合わせ工程)
先ず、電気泳動シートと素子基板とを所定の状態に湾曲させた状態で接着剤を介して貼り合わせる工程、すなわち貼り合わせ工程について説明する。
先ず、縦400mm×横500mmサイズ、厚さ500μmのマザーガラス基板から、スクライバーを用いて縦110mm×横150mmのサイズの素子基板2を切り出す。
次に、図2(a)に示すように、素子基板2のTFT形成面2aに、ポリエステル基材と粘着層とからなる熱剥離シート11を貼り付けて保護する。熱剥離シートとしては、例えば、日東電工社製のリバα、319Y-4MS(商品名)を用いることができる。
次に、図2(b)に示すように、熱剥離シート11でTFT形成面2aを保護した状態で、素子基板2をTFT形成面2aの反対側の面からウェットエッチング処理し、素子基板2を約100μmになるまで薄型化する。
先ず、電気泳動シートと素子基板とを所定の状態に湾曲させた状態で接着剤を介して貼り合わせる工程、すなわち貼り合わせ工程について説明する。
先ず、縦400mm×横500mmサイズ、厚さ500μmのマザーガラス基板から、スクライバーを用いて縦110mm×横150mmのサイズの素子基板2を切り出す。
次に、図2(a)に示すように、素子基板2のTFT形成面2aに、ポリエステル基材と粘着層とからなる熱剥離シート11を貼り付けて保護する。熱剥離シートとしては、例えば、日東電工社製のリバα、319Y-4MS(商品名)を用いることができる。
次に、図2(b)に示すように、熱剥離シート11でTFT形成面2aを保護した状態で、素子基板2をTFT形成面2aの反対側の面からウェットエッチング処理し、素子基板2を約100μmになるまで薄型化する。
次に、図2(c)に示すように、約100μmまで薄型化された素子基板2におけるTFT形成面2aの反対側の面を保護基板12と密着させた後、クリーンオーブンを用いて約120℃、10分間加熱して、熱剥離シート11を素子基板2のTFT形成面2aから剥がす(図2(d)参照)。
最後に、保護基板12を取り外すことにより、厚さ約100μmの素子基板2が形成される。
最後に、保護基板12を取り外すことにより、厚さ約100μmの素子基板2が形成される。
次に、図3(a)に示すように、真空ラミネート装置内において、所定の状態に湾曲させた保持曲面13aを有する下側挟持体13上で、上述のように薄膜化された素子基板2と、あらかじめ両面接着剤5によって保護シート4が接着された状態の電気泳動シート3とを、TFT形成面2aと接着剤8とが向い合うようにして貼り合わせる。
なお、以下の図3及び図4中においては、簡略化のために保護シート4及び両面接着剤5の記載を省略している。
なお、以下の図3及び図4中においては、簡略化のために保護シート4及び両面接着剤5の記載を省略している。
ところで、本実施形態において所定の方向(状態)に湾曲させるとは、後述するように冷却固化工程で生じる反り量を相殺することができるように、事前に想定した反り量から曲率半径を算出し、素子基板2と電気泳動シート3との貼り合わせの際にこの曲率半径分だけ反り方向と反対側に湾曲させることを示している。
また、図5に示すように、材料1と材料2とを貼り合わせて加熱接着する場合に、
材料1(厚さ:a1、弾性率:E1、熱膨張係数:α1)、
材料2(厚さ:a2、弾性率:E2、熱膨張係数:α2)、
貼り合わせ長さ:L、加熱温度:T1、室温:T0、
h=a1+a2、m=a1/a2、n=E1/E2
とすると、曲率半径ρ及び反り量Wは、以下の数式(1)及び数式(2)から算出が可能であることが知られている。なお、ここで貼り合わせ長さLとは、長手方向の長さをいう。
また、図5に示すように、材料1と材料2とを貼り合わせて加熱接着する場合に、
材料1(厚さ:a1、弾性率:E1、熱膨張係数:α1)、
材料2(厚さ:a2、弾性率:E2、熱膨張係数:α2)、
貼り合わせ長さ:L、加熱温度:T1、室温:T0、
h=a1+a2、m=a1/a2、n=E1/E2
とすると、曲率半径ρ及び反り量Wは、以下の数式(1)及び数式(2)から算出が可能であることが知られている。なお、ここで貼り合わせ長さLとは、長手方向の長さをいう。
但し、現実の材料系では、他の複雑な要素が存在するために計算結果と必ずしも合致しない。このため、曲率半径ρ及び反り量Wの計算値を参考として、実際に使用する材料系で曲率半径ρ及び反り量Wを実測し(例えば、図6(c)参照)、これを相殺するような所定の状態(曲率半径)に湾曲させることが好ましい。
本実施形態では、素子基板2と樹脂からなる電気泳動シート3とを従来の方法により加熱接着する場合に、電気泳動シートが内側となるように反りが発生して、この反り量を4mmと想定し(図6(c)参照)、曲率半径700mmの凸形状の保持曲面13aを有する下側挟持体13を用いた。
したがって、先ず、下側挟持体13の凸形状の保持曲面13a上に、素子基板2のTFT形成面2aが向い合うように設置し、その上に電気泳動シート3を乗せる。
本実施形態では、素子基板2と樹脂からなる電気泳動シート3とを従来の方法により加熱接着する場合に、電気泳動シートが内側となるように反りが発生して、この反り量を4mmと想定し(図6(c)参照)、曲率半径700mmの凸形状の保持曲面13aを有する下側挟持体13を用いた。
したがって、先ず、下側挟持体13の凸形状の保持曲面13a上に、素子基板2のTFT形成面2aが向い合うように設置し、その上に電気泳動シート3を乗せる。
最後に、上側挟持体14によって素子基板2と電気泳動シート3とを加圧して貼り合わせる。図3に示すように、上側挟持体14は、空気を入れることによって膨張する風船状のものであり、例えばシリコンゴム等からなる。図3(b)に示すように、この上側挟持体14に空気を入れ、その膨張具合を調整することにより、素子基板2と電気泳動シート3とを下側挟持体13の保持曲面13aに沿って密着させ、素子基板2と電気泳動シート3とを均一に加圧することができる。従って、電気泳動シート3が有する電気泳動層9に負荷をかけ過ぎることなく、素子基板2と電気泳動シート3とを適度且つ均一に加圧することができる。本実施形態では、約0.4MPaの圧力を加えて貼り合わせる(仮接着)。
(加熱接着工程)
次に、所定の状態に湾曲させた状態で接着剤を加熱して、電気泳動シートと素子基板とを接着させる工程、すなわち加熱接着工程について説明する。先ず、上述したように真空ラミネート装置内で、図3(b)に示すような所定の状態、すなわち、素子基板2が内側、電気泳動シート3が外側となるように湾曲させた状態で、約100℃の温度と0.4MPaの圧力を加えて貼り付ける。このようにして、電気泳動層3の接着剤8によって、素子基板2と電気泳動シート3とを加熱接着する。
次に、所定の状態に湾曲させた状態で接着剤を加熱して、電気泳動シートと素子基板とを接着させる工程、すなわち加熱接着工程について説明する。先ず、上述したように真空ラミネート装置内で、図3(b)に示すような所定の状態、すなわち、素子基板2が内側、電気泳動シート3が外側となるように湾曲させた状態で、約100℃の温度と0.4MPaの圧力を加えて貼り付ける。このようにして、電気泳動層3の接着剤8によって、素子基板2と電気泳動シート3とを加熱接着する。
(冷却工程)
最後に、所定の状態に湾曲させた状態から解放すると共に、加熱を停止する工程、すなわち冷却工程について説明する。
先ず、図4(a)に示すように、真空ラミネート装置からガラス基板2と電気泳動シート3および保護シート(図示せず)とが一体化した電気泳動表示装置1を取り出し、室温になるまで放置冷却する。
最後に、所定の状態に湾曲させた状態から解放すると共に、加熱を停止する工程、すなわち冷却工程について説明する。
先ず、図4(a)に示すように、真空ラミネート装置からガラス基板2と電気泳動シート3および保護シート(図示せず)とが一体化した電気泳動表示装置1を取り出し、室温になるまで放置冷却する。
図4(a)に示すように、加熱接着終了後に真空ラミネート装置から取り出した直後は、電気泳動表示装置1は、下側挟持体13の保持曲面13aの形状に沿って、素子基板2が内側、電気泳動シート3が外側となるように反っている。しかしながら、素子基板2の熱膨張率よりも有機物で構成される電気泳動シート3の熱膨張率が大きいため、図4(a)中の矢印に示すように、室温まで冷却されるときの素子基板2の収縮量S1よりも電気泳動シート3の収縮量S2が大きくなり、収縮量S1とS2との間に差が生じる。これにより、図4(b)に示すように、室温において電気泳動表示装置1は、素子基板2が内側、電気泳動シート3が外側となるように反った状態から全体的に平坦な状態となる。
以上のプロセスによって、総厚約0.7mmのフレキシブル且つ平坦な電気泳動表示装置1が製造することができる。
以上のプロセスによって、総厚約0.7mmのフレキシブル且つ平坦な電気泳動表示装置1が製造することができる。
以上説明したように、本実施形態の電気泳動表示装置1の製造方法によれば素子基板2に電気泳動シート3を貼り付ける際の加熱冷却過程で発生する反り量分をあらかじめ反対方向に反らせた状態で貼り付けおよび加熱接着を行うため、室温まで冷却した際に電気泳動表示装置1が平坦となる。これにより、様々なサイズや厚みや硬さの材料に対応可能な、ディスプレイ全体が平坦となる平坦性に優れた電気泳動表示装置1の製造方法を提供することができる。
また、本実施形態の製造方法によれば、約100μmの素子基板2を用いているため、フラット且つフレキシブルな電気泳動表示装置1を製造することが可能となる。
また、本実施形態の製造方法によれば、約100μmの素子基板2を用いているため、フラット且つフレキシブルな電気泳動表示装置1を製造することが可能となる。
なお、本発明の技術範囲は上述した実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。例えば、上述した実施形態において電気泳動シート3と保護シート4とは両面接着剤5にて予め一体化されたものを適用したが、ガラス基板2と電気泳動シート3とを前記貼り合わせ工程によって一体化した後に、電気泳動シート3の対向基板7に両面接着剤5を用いて保護シート4を貼り合わせても良い。
また、素子基板2と、電気泳動シート3と、保護シート4とを前記貼り合わせ工程において、一括して貼り合わせても良い。
また、素子基板2と、電気泳動シート3と、保護シート4とを前記貼り合わせ工程において、一括して貼り合わせても良い。
さらに、上述した実施形態では、下側挟持体13が凸形状の保持曲面13aとして、その保持曲面13a上に素子基板2をTFT形成面2aが曲面の外側となるように設置し、その上に電気泳動シート3を乗せる構成とした。しかし、本発明はこれに限定されるものではなく、凹形状の保持曲面を有する下側挟持体を用いても良い。この場合には、先ず、凹形状の保持曲面に電気泳動シート3を乗せて、その上にTFT形成面2aが電気泳動シート3側となるように素子基板2を乗せる構成としてもよい。
このような構成とした場合であっても、加熱接着後には電気泳動表示装置1は、素子基板2が内側、電気泳動シート3が外側となるように反った状態となっており、室温まで冷却されると全体的に平坦な状態となる。
このような構成とした場合であっても、加熱接着後には電気泳動表示装置1は、素子基板2が内側、電気泳動シート3が外側となるように反った状態となっており、室温まで冷却されると全体的に平坦な状態となる。
本発明の電気泳動表示装置の製造方法は、フレキシブル薄型電気泳動ディスプレイの反りを低減できるだけでなく、液晶パネルや有機EL等の薄型ガラス基板を利用した表示体の反りを低減する製造方法としても活用することができる。
1…電気泳動表示装置、2…素子基板(ガラス基板)、2a…TFT形成面、3…電気泳動シート、4…保護シート、5…両面接着剤、7…対向基板、8…接着剤、9…電気泳動層、10…共通電極、11…熱剥離シート、12…保護基板、13…下側挟持体、13a…保持曲面、14…上側挟持体
Claims (2)
- 素子基板と対向基板との間に挟持された電気泳動層を有し、前記対向基板側を表示面とする電気泳動表示装置の製造方法であって、
少なくとも前記対向基板と前記電気泳動層とを備える電気泳動シートと、前記素子基板とを所定の方向に湾曲させた状態で接着剤を介して貼り合わせる工程と、
前記所定の方向に湾曲させた状態で、前記電気泳動シートと前記素子基板とを加熱接着する工程と、
前記所定の方向に湾曲させた状態から解放すると共に、前記加熱を停止する工程と、を含むことを特徴とする電気泳動表示装置の製造方法。 - 前記所定の方向に湾曲させた状態とは、前記電気泳動シートが前記湾曲の内側になる状態であり、
前記素子基板は、厚さ200μm以下のガラス基板であることを特徴とする請求項1に記載の電気泳動表示装置の製造方法。
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JP2012048094A (ja) * | 2010-08-30 | 2012-03-08 | Seiko Epson Corp | 情報表示端末 |
JP2017517051A (ja) * | 2014-03-31 | 2017-06-22 | 東友ファインケム株式会社Dongwoo Fine−Chem Co., Ltd. | 薄膜タッチスクリーンパネルの製造方法 |
-
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