JP2009229475A - プロジェクタ - Google Patents
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Abstract
【課題】フィルタの帯域幅を適切に調整することにより、投射画像の色再現性又は輝度をより向上させることができるプロジェクタを提供すること。
【解決手段】フィルタ装置70bのフィルタユニット70eを回転調整することにより、各フィルタ71g,72gの傾斜角を同時に増減させることができ、バンドパスの中心波長をほとんど変化させないで透過帯域幅を増減調整することができる。これにより、投射画像の色再現性又は輝度をより向上させることができる。
【選択図】図1
【解決手段】フィルタ装置70bのフィルタユニット70eを回転調整することにより、各フィルタ71g,72gの傾斜角を同時に増減させることができ、バンドパスの中心波長をほとんど変化させないで透過帯域幅を増減調整することができる。これにより、投射画像の色再現性又は輝度をより向上させることができる。
【選択図】図1
Description
本発明は、照明光学系によって液晶パネル等を照明し、液晶パネル等の像を投射するプロジェクタに関する。
プロジェクタにおいて、3色に分岐された各色の光路上に配置されたダイクロイックフィルタを回動させることにより、プロジェクタの各使用形態において色純度或いは輝度のどちらか一方の最適な特性を選択できるものがある(例えば、特許文献1参照)。これにより、色再現性を良好にしてビデオソフト等を鑑賞するのに好適な態様と、輝度を向上させてプレゼンテーション用の説明画像を投影表示するのに好適な態様とを任意に選択することができる。
特開2000−347287号公報
しかしながら、上記のようなプロジェクタは、各光路中にダイクロイックフィルタを1枚設けているだけであるため、ダイクロイックフィルタを傾斜させてもダイクロイックフィルタの透過波長帯域の範囲がシフトしているにすぎない。そのため、特定色の光路で波長帯域を増減させるとしても、特定色の波長帯域の上端又は下端のいずれか一方のみを変化させるだけであり、色再現性又は輝度を一定の範囲でしか調整できない。よって、投射画像の色再現性又は輝度が不十分となるという問題がある。
そこで、本発明は、フィルタの帯域幅を適切に調整することにより、投射画像の色再現性又は輝度をより向上させることができるプロジェクタを提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明に係るプロジェクタは、光源光を射出する光源と、光源光を均一化するための照明光学系と、照明光学系から射出された照明光を各色の光束に分離する色分離光学系と、色分離光学系によって分離された各色の光束によってそれぞれ照明される各色の光変調装置と、を備え、色分離光学系は、光路上に配置され互いに所定角度を成すように組み合わされた複数のフィルタを有するフィルタユニットと、フィルタユニットのシステム光軸に対する傾斜状態を調整することによって透過帯域幅又は反射帯域幅を調整する回転調整装置とを有するフィルタ装置を備える。
上記プロジェクタでは、フィルタユニットを回転調整することにより、各フィルタの傾斜角を同時に増減させることができ、バンドパスの中心波長をほとんど変化させないで透過帯域幅又は反射帯域幅を増減調整することができる。例えば、フィルタユニットを所定角度に傾斜させることによって特定色の周辺波長の光がカットされ、透過光の色純度が上がり、色再現性を向上させることができる。また、フィルタユニットを別の所定角度に傾斜させることによって特定色の周辺波長の光がカットがされることを防止して透過光の輝度を向上させることができる。
また、本発明の具体的な態様又は観点では、フィルタユニットは、複数のフィルタとして2枚のフィルタを有し、システム光軸に対して垂直に延びる回転軸のまわりに回転可能に取りつけられている。この場合、フィルタユニットが回転することによってシステム光軸に対する各フィルタの傾斜角度により各フィルタの傾斜角の増減を互いに反転させることができ、入射光に対するフィルタユニットの光学特性を簡易に変化させることができる。なお、フィルタユニットの回転は、一方のフィルタがシステム光軸に垂直となる角度から他方のフィルタがシステム光軸に垂直となる角度までの範囲内とすることで透過帯域幅等の調整が確実となる。
また、本発明の別の態様によれば、照明光学系は、照明光の偏光方向をそろえて射出し、フィルタユニットの回転軸は、軸の方向が偏光方向と一致する。この場合、フィルタの入射面と偏光方向が平行となり、透過又は反射特性のエッジがなまるのを防止することができ、入射光を所望の帯域で精密にフィルタリングすることができる。
また、本発明のさらに別の態様によれば、フィルタユニットは、バンドパスフィルタである。この場合、所望の透過帯域幅の光を透過させることができる。
また、本発明のさらに別の態様によれば、バンドパスフィルタは、色分離光学系において分離された各色の光束のうち少なくとも1色の光路上に配置される。この場合、所定色の入射光を選択的に所望の帯域で精密にフィルタリングすることができる。
また、本発明のさらに別の態様によれば、フィルタユニットは、色分離光学系において分離された青色光、緑色光、及び赤色光のうち、少なくとも緑色光が通過する光路上に設けられる。この場合、フィルタユニットに波長帯域幅の広い緑色光を通過させることにより、効果的に色再現性の範囲を広げることができる。
また、本発明のさらに別の態様によれば、フィルタユニットは、バンドリジェクションフィルタである。この場合、所望の反射帯域幅の光を遮断することができる。
〔第1実施形態〕
以下、図面を参照して、本発明の第1実施形態に係るプロジェクタの構造等について説明する。
図1は、本実施形態のプロジェクタ100の構造を説明するための概念図である。このプロジェクタ100は、光源10と、照明光学系20と、色分離光学系30と、光変調装置である液晶ライトバルブ40a、40b、40cと、クロスダイクロイックプリズム50と、投射光学系である投射レンズ60とを備える。
以下、図面を参照して、本発明の第1実施形態に係るプロジェクタの構造等について説明する。
図1は、本実施形態のプロジェクタ100の構造を説明するための概念図である。このプロジェクタ100は、光源10と、照明光学系20と、色分離光学系30と、光変調装置である液晶ライトバルブ40a、40b、40cと、クロスダイクロイックプリズム50と、投射光学系である投射レンズ60とを備える。
上記プロジェクタ100において、光源10は、例えば、高圧水銀ランプ等の像光形成の必要に足る光量を有する略白色光を発生する光源装置であり、光源光を発生する発光管10aと、発光管10aからの光源光を前方に反射する凹面鏡を有するリフレクタ10bとを備える。
照明光学系20は、光源光を平行化する光平行化手段である平行化レンズ22と、光を分割して重畳によって液晶ライトバルブ40a、40b、40cの画像形成領域での照明光の面内照度を均一化するためのインテグレータ光学系を構成する第1及び第2フライアイレンズ23a、23bと、光の偏光方向を揃える偏光変換素子24と、両フライアイレンズ23a、23bを経た光を重畳させる重畳レンズ25とを備え、略白色の均一な照明光を形成する。照明光学系20において、平行化レンズ22は、光源10から射出された照明光の光束方向を略平行に変換する。第1及び第2フライアイレンズ23a、23bは、それぞれマトリクス状に配置された複数の要素レンズからなり、第1フライアイレンズ23aを構成する要素レンズによって平行化レンズ22を経た光を分割して個別に集光し、第2フライアイレンズ23bを構成する要素レンズによって第1フライアイレンズ23aからの分割光束を適当な発散角にして射出させる。偏光変換素子24は、PBS、ミラー、位相差板等を一組の要素とするアレイで形成されており、第1フライアイレンズ23aにより分割された各部分光束の偏光方向を一方向の直線偏光(具体的には紙面に垂直な振動方向のS偏光)に揃える役割を有する。重畳レンズ25は、偏光変換素子24を経た照明光を全体として適宜収束させて、後段の各色の光変調装置である液晶ライトバルブ40a、40b、40cの被照明領域に対する重畳照明を可能にする。
色分離光学系30は、第1及び第2ダイクロイックミラー31a、31bと、反射ミラー32a、32b、32cと、3つのフィールドレンズ33a、33b、33cと、フィルタ装置70bとを備える。ここで、第1及び第2ダイクロイックミラー31a、31bは、図1に示すように、照明光学系20から延びるシステム光軸OAに対して45度傾斜して配置されている。色分離光学系30は、照明光学系20により均一化された照明光を青(B)、緑(G)、及び赤(R)の3色に分離するとともに、各色光を後段の液晶ライトバルブ40a、40b、40cへ導く。より詳しく説明すると、まず、第1ダイクロイックミラー31aは、BGRの3色のうちG光及びR光を透過させB光を反射する。また、第2ダイクロイックミラー31bは、GRの2色のうちG光を反射しR光を透過させる。次に、この色分離光学系30において、第1ダイクロイックミラー31aで反射されたB光は、反射ミラー32aを経て入射角度を調節するためのフィールドレンズ33aに入射する。また、第1ダイクロイックミラー31aで透過し、第2ダイクロイックミラー31bで反射されたG光は、G光の波長帯域幅を調整するためのフィルタ装置70bを経て入射角度を調節するためのフィールドレンズ33bに入射する。さらに、第2ダイクロイックミラー31bを透過したR光は、リレーレンズLL1、LL2及び反射ミラー32b、32cを経て入射角度を調節するためのフィールドレンズ33cに入射する。G光の光路、すなわち第1光路に設けたフィルタ装置70bは、後に詳述するが、一定のくさび角Igに保持された一対のフィルタ71g,72gからなるフィルタユニット70eを備え、このフィルタユニット70eを紙面に垂直な回転軸73gのまわりに上記くさび角Ig程度の角度範囲で回転させることができ、フィルタユニット70eのシステム光軸OAに対する傾斜角を調整できるようになっている。
液晶ライトバルブ40a、40b、40cは、入射した照明光の空間的強度分布を変調する非発光型の光変調装置であり、色分離光学系30から射出された各色光に対応してそれぞれ照明される。第1ダイクロイックミラー31aで反射されたB光は、フィールドレンズ33a等を介して液晶ライトバルブ40aに入射する。第1ダイクロイックミラー31aを透過し、第2ダイクロイックミラー31bで反射されたG光は、フィールドレンズ33b等を介して液晶ライトバルブ40bに入射する。第1及び第2ダイクロイックミラー31a、31bを透過したR光は、フィールドレンズ33c等を介して液晶ライトバルブ40cに入射する。各液晶ライトバルブ40a、40b、40cは、それぞれに対応する各色の像光を形成する。なお、各液晶ライトバルブ40a、40b、40cは、例えば液晶パネルと、その入射側に配置される入射偏光板と、その射出側に配置される射出偏光板とを備える。
クロスダイクロイックプリズム50は、各液晶ライトバルブ40a、40b、40cからの各色の像光を合成する。より詳しく説明すると、クロスダイクロイックプリズム50は、4つの直角プリズムを貼り合わせた平面視略正方形状をなし、直角プリズム同士を貼り合わせた界面には、X字状に交差する一対の誘電体多層膜51a、51bが形成されている。一方の第1誘電体多層膜51aは、B光を反射し、他方の第2誘電体多層膜51bは、R光を反射する。クロスダイクロイックプリズム50は、液晶ライトバルブ40aからのB光を誘電体多層膜51aで反射して進行方向右側に射出させ、液晶ライトバルブ40bからのG光を誘電体多層膜51a、51bを介して直進・射出させ、液晶ライトバルブ40cからのR光を誘電体多層膜51bで反射して進行方向左側に射出させる。このようにして、クロスダイクロイックプリズム50によりB光、G光及びR光が合成され、カラー画像による画像光である合成光が形成される。
投射レンズ60は、投射光学系であり、クロスダイクロイックプリズム50を経て形成された合成光による画像光を所望の拡大率で拡大してスクリーン(不図示)上にカラーの画像を投射する。
以下、図面を参照しつつ、色分離光学系30を構成するフィルタ装置70bについて説明する。
図1に示すように、フィルタ装置70bは、色分離光学系30の第1光路OP1上、すなわち第2ダイクロイックミラー31bとフィールドレンズ33bとの間に設けられており、フィルタユニット70eと、回転軸73gと、回転モータ74gと、回転調整装置75gとで構成される。フィルタ装置70bは、くさび角Igを有し、互いに傾斜した状態で固定された2枚のフィルタ71g,72gを有するフィルタユニット70eが紙面に垂直な回転軸73gのまわりに回転可能な状態となっている。フィルタユニット70eは、回転軸73gのまわりに適当な角度範囲で回動して、フィルタ71g,72gの少なくとも一方がシステム光軸OAに対して所望の光学特性を示すように所定角度に傾斜して配置可能となっている。例えば、フィルタユニット70eは、フィルタ72gがシステム光軸OAに垂直となっている図示の状態から反時計まわりにくさび角Ig程度回転した状態になる角度範囲で回転する。
図1に示すように、フィルタ装置70bは、色分離光学系30の第1光路OP1上、すなわち第2ダイクロイックミラー31bとフィールドレンズ33bとの間に設けられており、フィルタユニット70eと、回転軸73gと、回転モータ74gと、回転調整装置75gとで構成される。フィルタ装置70bは、くさび角Igを有し、互いに傾斜した状態で固定された2枚のフィルタ71g,72gを有するフィルタユニット70eが紙面に垂直な回転軸73gのまわりに回転可能な状態となっている。フィルタユニット70eは、回転軸73gのまわりに適当な角度範囲で回動して、フィルタ71g,72gの少なくとも一方がシステム光軸OAに対して所望の光学特性を示すように所定角度に傾斜して配置可能となっている。例えば、フィルタユニット70eは、フィルタ72gがシステム光軸OAに垂直となっている図示の状態から反時計まわりにくさび角Ig程度回転した状態になる角度範囲で回転する。
図2は、フィルタ装置70bを説明する概念図である。図2(A)は、フィルタ装置70bの初期状態を示し、図2(B)はフィルタ装置70bを反時計まわりに回動させた状態(以下、回動状態という。)を示す。
図2において、フィルタ71g,72gは、上述のようにくさび角Igを成す状態で回転軸73gに固定されている。回転軸73gは、回転調整装置75gによって駆動される回転モータ74gに接続されている。この回転軸73gが回転することにより、2つのフィルタ71g,72gを回転軸73gを中心に任意の角度θに回動させることができる。なお、回転軸73gの軸方向は、照明光学系20において一方向に揃えられた偏光方向、すなわち紙面に垂直なS偏光の振動方向と一致している。また、時計方向に最も回転した初期状態でフィルタ72gがシステム光軸OAに対して垂直な傾き0°の状態に配置され、反時計方向に最も回転した回動状態でフィルタ71gがシステム光軸OAに対して垂直な傾き0°の状態に配置される。つまり、フィルタユニット70eはそのくさび角Igに対応する角度範囲で回転する。この際、フィルタユニット70eは、初期状態と回動状態とに2段階で回転角度を切り換えることもできるが、初期状態と回動状態との間で多段階又は連続的に回転角度を切り換えることができる。
図3は、初期状態及び回動状態におけるフィルタ71g,72gの透過率特性を説明する図である。横軸はフィルタ71g,72gに入射する照明光の波長であり、縦軸はその透過率である。図3において、実線は図2(A)に示すフィルタ71gの初期状態の透過率特性aを示し、破線はフィルタ72gの初期状態の透過率特性bを示す。また、一点鎖線は図2(B)に示すフィルタ71gの回動状態の透過率特性cを示し、二点鎖線はフィルタ72gの回動状態の透過率特性dを示す。
図からも明らかなように、フィルタ71gはハイパスフィルタとなっており、フィルタ72gは、ローパスフィルタとなっている。この2枚のフィルタ71g,72gが組み合わさることにより、フィルタユニット70eはバンドパスフィルタとなる。フィルタユニット70eの回動により、フィルタ71gに入射するG光の透過率特性aが透過率特性cにシフトする。つまり、フィルタ71gにおいて、入射角度αが小さくなるほど透過帯のカットオフの半値波長(50%透過波長)が480nmから500nmへと長波長側に移動する。また、フィルタ72gに入射するG光の透過率特性bが透過率特性dにシフトする。つまり、フィルタ72gにおいて、入射角度βが大きくなるほど透過帯のカットオフの半値波長が600nmから580nmへと短波長側に移動する。
図4は、初期状態及び回動状態におけるフィルタユニット70eの透過率特性を説明する図である。実線は初期状態の透過率特性eを示し、破線は回動状態の透過率特性fを示す。上述の図3における透過率特性a,b,c,dをフィルタユニット70e全体で見ると、図4に示すように、フィルタユニット70eにおける透過波長帯域は、初期状態において480nmから600nmとなり、回動状態において500nmから580となる。すなわち、フィルタユニット70eのバンドパスの中心波長(540nm)をずらさずに、回動状態における透過波長の帯域幅が、初期状態における透過波長の帯域幅よりも狭くなる。
以上のことから、初期状態においてフィルタユニット70eに入射した入射光A1は、480nmから600nmの帯域波長を有する射出光A2となりフィルタユニット70eから射出される(図2(A)参照)。また、回動状態においてフィルタユニット70eに入射した入射光A3は、500nmから580の帯域波長を有する射出光A4となりフィルタユニット70eから射出される(図2(B)参照)。
図5は、ランプスペクトルgを示す。図6は、不図示のスクリーン上の初期状態及び回動状態におけるフィルタユニット70eのスペクトルを示す。図6において、実線は初期状態におけるフィルタユニット70eのスペクトルhを示し、破線は回動状態におけるフィルタユニット70eのスペクトルiを示す。
図5に示すように、初期状態においてフィルタユニット70eのスペクトルhはランプスペクトルgと略一致し、色純度が低いもののスクリーン上の画像は明るくなる(明るさ優先モード)。一方、回動状態においてフィルタユニット70eのスペクトルiは領域S1,S2においてそれぞれスペクトルがカットされる。つまり、領域S1において青色と緑色との境界の波長がカットされ、領域S2において緑色と赤色との境界の波長がカットされる。これにより、スクリーン上の画像は初期状態の場合よりも暗くなるものの、色純度は向上する(色優先モード)。
図7は、等色関数を示す図である。ここで、等色関数とは、可視波長の全域にわたり、それぞれ等しい放射パワーを持つ単色光刺激の3刺激値XYZである。図7において、実線は刺激値Zに相当する青色の色感度特性λbを示し、一点鎖線は刺激値Yに相当する緑色の色感度特性λgを示し、二点鎖線は刺激値Xに相当する赤色の色感度特性λrを示す。
図8は、初期状態及び回動状態におけるフィルタユニット70eの色度図を示す図である。色度図とは、3刺激値XYZに基づいてxy座標空間を色で表したものであり、RGBの3原色の混合により生成されるすべての色を網羅し、その色位置を座標化して示したものである。図8において、実線は標準観察者の等色関数をベースにした色空間xyを示し、一点鎖線はフィルタユニット70eの初期状態における色空間jを示し、二点鎖線は、回動状態における色空間kを示す。
フィルタユニット70eを回動することによりフィルタユニット70eの色空間jが色空間kに変化し、スクリーン上の画像の色表現範囲が広がる。
以上の説明から明らかなように、本実施形態のプロジェクタ100では、フィルタ装置70bのフィルタユニット70eを回転調整することにより、各フィルタ71g,72gの傾斜角を同時に増減させることができ、バンドパスの中心波長(540nm)をほとんど変化させないで透過帯域幅を図4に示すように増減調整することができる。具体的には、フィルタユニット70eを所定角度に傾斜させ、図2(B)に示す回動状態にすることによって入射光A3(G光)の周辺波長の光がカットされ、透過光(射出光A4)の色純度が上がり、色再現性を向上させることができる。また、フィルタユニット70eを所定角度に傾斜させ、図2(A)に示す初期状態にすることによって入射光A1(G光)の周辺波長の光がカットされることを防止して透過光(射出光A2)の輝度を向上させることができる。
また、本実施形態においては、回転軸73gを偏光方向と平行にしており、フィルタ71g,72gの入射面と偏光方向が平行となり、透過率特性e,fのエッジがなまるのを防止することができ、入射光A1,A3を所望の帯域で精密に透過させることができる。また、フィルタユニット70eに波長帯域幅の広いG光を通過させることにより、効果的に色再現性の範囲を広げることができる。
〔第2実施形態〕
以下、第2実施形態に係るプロジェクタについて説明する。なお、第2実施形態に係るプロジェクタは、第1実施形態を変形したものであり、特に説明しない部分については、第1実施形態と同様であるものとする。
以下、第2実施形態に係るプロジェクタについて説明する。なお、第2実施形態に係るプロジェクタは、第1実施形態を変形したものであり、特に説明しない部分については、第1実施形態と同様であるものとする。
図9は、第2実施形態のプロジェクタ110の構造を説明するための概念図である。プロジェクタ110において、色分離光学系30は、第1及び第2ダイクロイックミラー31a、31bと、反射ミラー32a、32b、32cと、3つのフィールドレンズ33a、33b、33cと、フィルタ装置70a,70b,70cとを備える。なお、フィルタ装置70a,70cのフィルタの光学特性以外の構成は、第1実施形態で説明したフィルタ装置70bの構成と同様であり、詳細な説明を省略する。
B光用のフィルタ装置70aは、色分離光学系30の第3光路OP3上、すなわち第1ダイクロイックミラー31bと反射ミラー32aとの間に設けられており、フィルタユニット70dと、回転軸73bと、回転モータ74bと、回転調整装置75bとで構成される。フィルタ装置70aは、くさび角Ibを有する状態で固定された2枚のフィルタ71b,72bを有するフィルタユニット70dが紙面に垂直な回転軸73bのまわりに回転可能な状態となっている。フィルタユニット70dは、回転軸73bのまわりに適当な角度範囲で回動して、フィルタ71b,72bがシステム光軸OAに対して所望の角度に傾斜して配置される。例えば、フィルタユニット70dは、フィルタ72bがシステム光軸OAに垂直となっている状態から反時計まわりにくさび角Ib程度回転してフィルタ71bがシステム光軸OAに垂直な状態になる角度の範囲で回転する。
R光用のフィルタ装置70cは、色分離光学系30の第2光路OP2上、すなわちリレーレンズLL2と反射ミラー32cとの間に設けられており、フィルタユニット70fと、回転軸73rと、回転モータ74rと、回転調整装置75rとで構成される。フィルタ装置70cは、くさび角Irを有する状態で固定された2枚のフィルタ71r,72rを有するフィルタユニット70fが紙面に垂直な回転軸73rのまわりに回転可能な状態となっている。フィルタユニット70fは、回転軸73rのまわりに適当な角度範囲で回動して、フィルタ71r,72rがシステム光軸OAに対して所望の角度に傾斜して配置される。例えば、フィルタユニット70fは、フィルタ72rがシステム光軸OAに垂直となっている状態から反時計まわりにくさび角Ir程度回転してフィルタ71rがシステム光軸OAに垂直な状態になる角度の範囲で回転する。
以上の説明から明らかなように、本実施形態のプロジェクタ110では、フィルタ装置70a,70b,70cのフィルタユニット70d,70e,70fを回転調整することにより、各フィルタ71b,72b,71g,72g,71r,72rの傾斜角を同時に増減させることができ、R,G,B光にそれぞれ存在するバンドパスの中心波長をほとんど変化させないでR,G,B光の透過帯域幅を同時又は個別に増減調整することができる。
〔第3実施形態〕
以下、第3実施形態に係るプロジェクタについて説明する。なお、第3実施形態に係るプロジェクタは、第1実施形態を変形したものであり、特に説明しない部分については、第1実施形態と同様であるものとする。
以下、第3実施形態に係るプロジェクタについて説明する。なお、第3実施形態に係るプロジェクタは、第1実施形態を変形したものであり、特に説明しない部分については、第1実施形態と同様であるものとする。
図10は、第3実施形態のプロジェクタ210の構造を説明するための概念図である。プロジェクタ210において、色分離光学系30は、第1及び第2ダイクロイックミラー31a、31bと、反射ミラー32a、32b、32cと、3つのフィールドレンズ33a、33b、33cと、フィルタ装置270a,270bとを備える。なお、フィルタ装置270a,270bのフィルタの光学特性以外の構成は、第1実施形態で説明したフィルタ装置70bの構成と同様であり、詳細な説明を省略する。
一方のフィルタ装置270aは、重畳レンズ25と第1ダイクロイックミラー31bとの間に設けられており、フィルタユニット270dと、回転軸273bと、回転モータ274bと、回転調整装置275bとで構成される。フィルタ装置270aは、くさび角Ibを有する状態で固定された2枚のフィルタ271b,272bを有するフィルタユニット270dが紙面に垂直な回転軸273bのまわりに回転可能な状態となっている。他方のフィルタ装置270bは、第1ダイクロイックミラー31aとダイクロイックミラー31bとの間に設けられており、フィルタユニット270eと、回転軸273gと、回転モータ274gと、回転調整装置275gとで構成される。フィルタ装置270bは、くさび角Igを有する状態で固定された2枚のフィルタ271g,272gを有するフィルタユニット270eが紙面に垂直な回転軸273gのまわりに回転可能な状態となっている。ここで、くさび角Ib,Igは、フィルタユニット270d,270eが後述する所定の透過率特性を有するような角度となっている。
図11は、初期状態及び回動状態におけるフィルタユニット270d,270eの透過率特性を説明する図である。実線はフィルタユニット270dの初期状態の透過率特性mを示し、破線は回動状態の透過率特性nを示す。また、一点鎖線はフィルタユニット270eの初期状態の透過率特性oを示し、二点鎖線は回動状態の透過率特性pを示す。図示のように、フィルタユニット270dは、青色と緑色との境界波長を対象とするバンドリジェクションフィルタとなっており、フィルタユニット270eは、赤色と緑色との境界波長を対象とするバンドリジェクションフィルタとなっている。各フィルタユニット270d,270eは、バンドリジェクションの中心波長をずらさずに、反射帯域幅を増減することができる。具体的には、回動状態におけるフィルタユニット270d,270eの透過波長の帯域幅が、初期状態におけるフィルタユニット270d,270eの透過波長の帯域幅よりも広くなる。
以上の説明から明らかなように、本実施形態のプロジェクタ110では、フィルタ装置270a,270bのフィルタユニット270d,270eを回転調整することにより、各フィルタ271b,272b,271g,272gの傾斜角を同時に増減させることができ、バンドパスの中心波長をほとんど変化させないで反射帯域幅を増減調整することができる。
なお、この発明は、上記の実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の態様において実施することが可能であり、例えば次のような変形も可能である。
以上で説明したプロジェクタ100,110において、フィルタ装置70a,70b,70cの位置は図1及び図9に示した位置に限らず、各光路OP1,OP2,OP3内であればよい。
また、上記第1、第2、及び第3実施形態では、フィルタ71b,72b,71g,72g,71r,72r,271b,272b,271g,272gを同時に動かしていたが、別々に動かしてもよい。
また、上記実施形態では、光源10に用いるランプとして高圧水銀ランプを用いたが、メタルハライドランプ等を用いてもよい。
また、上記実施形態では、第1ダイクロイックミラー31aを照明光学系20のシステム光軸OAに対して45度に配置したが、光学素子によって光学特性が最適となる任意の角度に配置してよい。
また、上記実施形態では、光源10からの光を複数の部分光束に分割するため、一対のフライアイレンズ23a、23bを用いていたが、この発明は、このようなフライアイレンズすなわちレンズアレイを用いないプロジェクタにも適用可能である。さらに、フライアイレンズ23a、23bをロッドインテグレータに置き換えることもできる。
また、上記実施形態では、光源10からの光を特定方向の偏光とする偏光変換素子24を用いていたが、この発明は、このような偏光変換素子24を用いないプロジェクタにも適用可能である。
また、上記実施形態では、透過型のプロジェクタに本発明を適用した場合の例について説明したが、本発明は、反射型プロジェクタにも適用することが可能である。ここで、「透過型」とは、液晶パネル等を含む液晶ライトバルブが光を透過するタイプであることを意味しており、「反射型」とは、液晶ライトバルブが光を反射するタイプであることを意味している。なお、光変調装置は液晶パネル等に限られず、例えばマイクロミラーを用いた光変調装置であってもよい。
また、プロジェクタとしては、投射面を観察する方向から画像投射を行う前面プロジェクタと、投射面を観察する方向とは反対側から画像投射を行う背面プロジェクタとがあるが、図1等に示すプロジェクタの構成は、いずれにも適用可能である。
また、上記実施形態では、3つの液晶ライトバルブ40a〜40cを用いたプロジェクタ100の例のみを挙げたが、本発明は、1つの液晶パネルのみを用いたプロジェクタ、2つの液晶パネルを用いたプロジェクタ、或いは、4つ以上の液晶パネルを用いたプロジェクタにも適用可能である。
また、上記実施形態では、色分離光学系30や液晶ライトバルブ40a、40b、40c等を用いて各色の光変調を行っているが、これらに代えて、例えば光源10及び照明光学系20によって照明されるカラーホイールと、マイクロミラーの画素によって構成されカラーホイールの透過光が照射されるデバイスとを組み合わせたものを用いることによって、カラーの光変調及び合成を行うこともできる。
10…光源、 20…照明光学系、 30…色分離光学系、 31a、31b…ダイクロイックミラー、 40a、40b、40c…液晶ライトバルブ、 50…クロスダイクロイックプリズム、 60…投射レンズ、 70a,70b,70c,270a,270b…フィルタ装置、 100,110,210…プロジェクタ、 OA…システム光軸、 OP1,OP2,OP3…光路
Claims (7)
- 光源光を射出する光源と、
前記光源光を均一化するための照明光学系と、
前記照明光学系から射出された照明光を各色の光束に分離する色分離光学系と、
前記色分離光学系によって分離された各色の光束によってそれぞれ照明される各色の光変調装置と、を備え、
前記色分離光学系は、光路上に配置され互いに所定角度を成すように組み合わされた複数のフィルタを有するフィルタユニットと、前記フィルタユニットのシステム光軸に対する傾斜状態を調整することによって透過帯域幅又は反射帯域幅を調整する回転調整装置とを有するフィルタ装置を備える、プロジェクタ。 - 前記フィルタユニットは、前記複数のフィルタとして2枚のフィルタを有し、前記システム光軸に対して垂直に延びる回転軸のまわりに回転可能に取りつけられている、請求項1に記載のプロジェクタ。
- 前記照明光学系は、前記照明光の偏光方向をそろえて射出し、
前記フィルタユニットの前記回転軸は、軸の方向が偏光方向と一致する、請求項2に記載のプロジェクタ。 - 前記フィルタユニットは、バンドパスフィルタである、請求項1から請求項3までのいずれか一項に記載のプロジェクタ。
- 前記バンドパスフィルタは、前記色分離光学系において分離された前記各色の光束のうち少なくとも1色の光路上に配置される、請求項4に記載のプロジェクタ。
- 前記フィルタユニットは、前記色分離光学系において分離された青色光、緑色光、及び赤色光のうち、少なくとも前記緑色光が通過する光路上に設けられる、請求項5に記載のプロジェクタ。
- 前記フィルタユニットは、バンドリジェクションフィルタである、請求項1から請求項3までのいずれか一項に記載のプロジェクタ。
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JP2008070819A JP2009229475A (ja) | 2008-03-19 | 2008-03-19 | プロジェクタ |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2015225186A (ja) * | 2014-05-27 | 2015-12-14 | 国立大学法人 千葉大学 | プロジェクタ装置 |
US10271025B2 (en) | 2014-09-03 | 2019-04-23 | Canon Kabushiki Kaisha | Color separating and combining system and projecting display apparatus including the same |
US10508779B2 (en) | 2015-10-16 | 2019-12-17 | Seiko Epson Corporation | Projector |
-
2008
- 2008-03-19 JP JP2008070819A patent/JP2009229475A/ja not_active Withdrawn
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