JP2009228835A - 絶縁パイプ - Google Patents

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【課題】マルチレイヤーパイプの一端に金属製継手が固定された絶縁パイプであって、異種金属接触に起因する腐食を防止し易いと共にマルチレイヤーパイプと金属製継手との間の電気絶縁性を確保し易い絶縁パイプを得ること。
【解決手段】マルチレイヤーパイプ10の一端に金属製継手30が固定された絶縁パイプ50Aを得るにあたり、一端にフランジ部20aが形成された金属製スリーブ20をマルチレイヤーパイプに装着して、マルチレイヤーパイプの一端面10aと上記フランジ部および金属製継手に設けられたストッパ面27aとの間に間隙を形成し、マルチレイヤーパイプの上記一端面に露出している金属層3を第1の電気絶縁性高分子材料層40Aで覆うと共に上記の間隙を当該第1の電気絶縁性高分子材料層により埋める。
【選択図】 図1

Description

本発明は、マルチレイヤーパイプと該マルチレイヤーパイプの一端に固定された継手とを有する絶縁パイプに関する。
温水器の水配管等としてマルチレイヤーパイプ、例えば内側から外側に向かってポリエチレン層、アルミニウム層、およびポリエチレン層がこの順番で配置された3層構造のアルミ複合ポリエチレン管が採用されている。このアルミ複合ポリエチレン管には、上記のポリエチレン層として耐熱性ポリエチレン層、架橋ポリエチレン層、または通常のポリエチレン層を用いたものがあるが、いずれのアルミ複合ポリエチレン管も容易に切断することができ、その長さを自由に調整して継手により他の管に接続可能である。
継手とマルチレイヤーパイプとを接続する際には種々の方式を採用することが可能であるが、マルチレイヤーパイプの金属層とは異なる種類の金属により作製された継手をマルチレイヤーパイプに接続するときには、その接続方式に拘わらず、異種金属接触腐食を十分に防止すると共に、マルチレイヤーパイプの金属層と継手とを電気的に分離することが望まれる。このため、電気絶縁性を付与した継手が開発されている。
例えば特許文献1には、金属製の第1継手部材の一端側に当該第1継手部材との間に電気絶縁部材を介在させて金属製の第2継手部材を挿入し、これらを変形させて一体的に結合した電気絶縁管継手が記載されている。また、特許文献2には、厚さ0.4〜1.5mmのネジ部が形成された電気絶縁性のブッシュを金属製の継手本体にシール材を介して螺着させ、当該ブッシュに給水栓器具を螺着させる給水栓用絶縁継手が記載されている。
特開平7−35274号公報 特開平7−269754号公報
特許文献1に記載された電気絶縁管継手では、第1継手部材から第2継手部材が抜け出てしまわないように、また第2継手部材に配管を接続する際に第2継手部材が配管と共回りしてしまわないように、第1継手部材と第2継手部材とを一体的に結合する際に大きな変形力を加えなければならないため、第1継手部材と第2継手部材との間に介在する電気絶縁部材が当該電気絶縁管継手の製造過程で破断ないし破損してしまうことがある。
また、特許文献2に記載された給水栓用絶縁継手では、電気絶縁性のブッシュに設けられているネジ部の厚さが0.4〜1.5mmと非常に薄いため、ブッシュを作製し難いのみならず、ブッシュに給水栓器具を螺着させる際に当該ブッシュが破断ないし破損してしまうことがある。
したがって、特許文献1に記載された電気絶縁管継手または特許文献2に記載された給水栓用絶縁継手をマルチレイヤーパイプの一端に固定して絶縁パイプを得ると、その生産性を向上させ難くなったり、異種金属接触に起因する腐食を防止し難くなったり、マルチレイヤーパイプと継手との間での電気絶縁性が損なわれたりし易くなる。
本発明は上記の事情に鑑みてなされたものであり、マルチレイヤーパイプの一端に金属製継手が固定された絶縁パイプであって、異種金属接触に起因する腐食を防止し易いと共にマルチレイヤーパイプと金属製継手との間の電気絶縁性を確保し易い絶縁パイプを得ることを目的とする。
上記の目的を達成する本発明の絶縁パイプは、第1有機絶縁層と金属層と第2有機絶縁層とが内側から外側に向かってこの順番で積層配置されているマルチレイヤーパイプと、一端にフランジ部を有し、該フランジ部をマルチレイヤーパイプの一端から管軸方向外側に突出させてマルチレイヤーパイプに装着された金属製スリーブと、金属製スリーブのフランジ部側からマルチレイヤーパイプに一端側を挿入したときにフランジ部に当接するストッパ面を有し、該ストッパ面とフランジ部とを当接させてマルチレイヤーパイプに固定された金属製継手と、マルチレイヤーパイプの一端面に露出している金属層を覆うと共に、ストッパ面とマルチレイヤーパイプの一端面との間隙を埋める第1の電気絶縁性高分子材料層とを有することを特徴とするものである。
本発明の絶縁パイプでは、マルチレイヤーパイプの金属層と金属製スリーブの材料金属または金属製継手の材料金属とが互いに異なっていても、当該絶縁パイプを水等の電解溶液の流路としてとして用いたときの異種金属接触腐食を上記第1の電気絶縁性高分子材料層により容易に防止することができる。また、マルチレイヤーパイプの金属層と金属製スリーブ、金属製継手とを第1の電気絶縁性高分子材料層により電気的に分離することも容易である。
第1の電気絶縁性高分子材料層を形成するにあたって該第1の電気絶縁性高分子材料層に大きな変形力を加える必要性はないので、本発明の絶縁パイプの製造過程で第1の電気絶縁性高分子材料層が破断ないし破損してしまうのを防止することも容易である。また、第1の電気絶縁性高分子材料層はネジ部を構成するものではないので、金属製継手をマルチレイヤーパイプに固定する際に第1の電気絶縁性高分子材料層が破断ないし破損してしまうのを防止することも容易である。
したがって、本発明の絶縁パイプでは、異種金属接触に起因する腐食を防止し易いと共にマルチレイヤーパイプと金属製継手との間の電気絶縁性を確保し易い。本発明によれば、防食性および電気絶縁性それぞれについての信頼性が高い絶縁パイプを安価に提供することが容易になる。
以下、本発明の絶縁パイプの実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。なお、本発明は以下に説明する実施の形態に限定されるものではない。
実施の形態1.
図1は、本発明の絶縁パイプの一例を概略的に示す断面図である。同図に示す絶縁パイプ50Aは、マルチレイヤーパイプ10と、金属製スリーブ20と、金属製継手30と、第1の電気絶縁性高分子材料層40Aとを有しており、その使用時には金属製継手30に他のパイプや器具等が接続される。
上記のマルチレイヤーパイプ10は、第1有機絶縁層1と金属層3と第2有機絶縁層5とが内側から外側に向かってこの順番で積層配置された3層構造のものである。当該マルチレイヤーパイプ10としては、例えば第1有機絶縁層1として電子架橋ポリエチレン層が設けられ、金属層3としてアルミニウム層が設けられ、第2有機絶縁層5として架橋ポリエチレン層が設けられた3層構造のアルミ複合架橋ポリエチレン管が用いられる。
金属製スリーブ20は例えばステンレス鋼製のものであり、その一端にはフランジ部20aが形成されている。この金属製スリーブ20は、フランジ部20aをマルチレイヤーパイプ10の一端から該マルチレイヤーパイプ10の管軸方向外側に突出させて、マルチレイヤーパイプ10に装着、具体的には圧着されている。
金属製継手30は、マルチレイヤーパイプ10に接続される第1接続部23と、他のパイプや器具に接続される第2接続部25と、第1接続部23と第2接続部25との間に介在する胴部27と、胴部27での第2接続部25側に形成されて径方向外側に張り出したフランジ部29とを有している。図示の金属製継手30は、金属製ニップルである。
この金属製継手30での第1接続部23の外周には複数本の環状溝23aが形成されており、当該第1接続部23での胴部27側には、径方向外側に突出してマルチレイヤーパイプ10への第1接続部23の挿入深さを規定する係止部23bが胴部27から間隔をあけて形成されている。また、第2接続部25の外周には、Oリング等のシール材が装着される環状溝25aが形成されている。胴部27は第1接続部23および第2接続部25のいずれよりも大径であり、その第1接続部23側には金属製継手30の長手軸と直交する平坦面27aが成形されている。この面27aは、金属製スリーブ20のフランジ部20aと当接するストッパ面(以下、「ストッパ面27a」という)として機能して、マルチレイヤーパイプ10の一端面10aとの間に所望の広さ(厚さ)の間隙、例えば2.5mm以上の間隙を形成している。
当該金属製継手30は、係止部23bをマルチレイヤーパイプ10の一端面10aに係合させ、かつストッパ面27aを金属製スリーブ20のフランジ部20aに当接させて、マルチレイヤーパイプ10に固定されている。具体的には、マルチレイヤーパイプ10の径方向内向きの荷重を金属製スリーブ20の外側からかけて、マルチレイヤーパイプ10を金属製継手30の第1接続部23に圧着させることにより、マルチレイヤーパイプ10に固定されている。マルチレイヤーパイプ10の第1有機絶縁層1が金属製継手30の各環状溝23aに食い込んでいる。
第1の電気絶縁性高分子材料層40Aは、マルチレイヤーパイプ10の一端面10aに露出している金属層3を覆うと共に、フランジ部20aおよびストッパ面27aの各々とマルチレイヤーパイプ10の一端面10aとの間隙を埋めている。当該第1の電気絶縁性高分子材料層40Aは、例えば水配管で要求される電気絶縁性(電圧値1.5Vの条件下での表面抵抗が10×10Ω以上)を有する室温硬化型や熱硬化型の接着剤ないしシール剤により形成されている。このような第1の電気絶縁性高分子材料層40Aの具体例としては、室温硬化型の一液性シリコーン系ゴム等のシリコーン系樹脂により形成された層が挙げられる。
このような構成を有する絶縁パイプ50Aでは、水等の電解溶液の流路として用いたときでも、金属層3と金属製スリーブ20との間での異種金属接触腐食(ガルバニック腐食)を第2有機絶縁層5と第1の電気絶縁性高分子材料層40Aとにより容易に防止することができる。また、金属層3と金属製継手30との間での異種金属接触腐食を第1の電気絶縁性高分子材料層40Aにより容易に防止することができる。さらには、金属層3と金属製スリーブ20、金属製継手30とを電気的に分離することも容易である。
第1の電気絶縁性高分子材料層40Aを形成するにあたって該第1の電気絶縁性高分子材料層40Aに大きな変形力を加える必要性はないので、当該絶縁パイプ50Aの製造過程で第1の電気絶縁性高分子材料層40Aが破断ないし破損してしまうのを防止することも容易である。第1の電気絶縁性高分子材料層40Aはネジ部を構成するものではないので、金属製継手30をマルチレイヤーパイプ10に固定する際に第1の電気絶縁性高分子材料層40Aが破断ないし破損してしまうのを防止することも容易である。
したがって、当該絶縁パイプ50Aでは、金属層3と金属製スリーブ20との異種金属接触に起因する腐食、および金属層3と金属製継手30との異種金属接触に起因する腐食をそれぞれ防止し易いと共に、マルチレイヤーパイプ10と金属製継手30との間の電気絶縁性を確保し易い。防食性および電気絶縁性それぞれについての信頼性が高いものを安価に提供することが容易である。また、金属製継手30を用いて構成することができるので、特許文献1に記載された電気絶縁管継手または特許文献2に記載された給水栓用絶縁継手を用いて構成する場合に比べ、原材料の減量化を図ることも容易である。
なお、絶縁パイプ50Aを飲用水用の配管として用いる場合には、国が定める浸出性能基準を満たさなければならないわけであるが、絶縁パイプ50Aではマルチレイヤーパイプ10、金属製スリーブ20、金属製継手30、および第1の電気絶縁性高分子材料層40Aそれぞれの原材料を適宜選定することにより、上記浸出性能基準を容易に満たすことができる。
絶縁パイプ50Aを他のパイプや器具に接続するにあたっては、第2接続部25の環状溝25aに電気絶縁性のOリング等のシール材が装着され、当該第2接続部25が他のパイプや器具に挿入された後に所定形状のクランプ、すなわちフランジ部29が挿入される長穴を有するクランプが装着される。当該クランプによって金属製継手30の胴部27と他のパイプ、器具とが径方向外側から挟み込まれて、これら金属製継手30と他のパイプ、器具とが互いに固定される。このように、絶縁パイプ50Aはクランプにより他のパイプや器具と接続することができるので、接続時の作業性が良好である。また、他のパイプや器具との接続を解除して回収する際の作業性も良好である。
上述した技術的効果を奏する絶縁パイプ50Aは、例えば次のようにして組み立てることができる。まず、金属製スリーブ20でのフランジ部20a側から金属製継手30の第1接続部23を挿入し、金属製スリーブ20が上側となる向きでこれらを保持する。次いで、金属製スリーブ20と第1接続部23との間隙からストッパ面27a上に第1の電気絶縁性高分子材料層40Aの原材料、すなわち未硬化の電気絶縁性高分子材料を所定量注入ないし滴下する。
そして、上記未硬化の電気絶縁性高分子材料が硬化してしまう前に金属製スリーブ20と第1接続部23との間隙にマルチレイヤーパイプ10を差し込み、マルチレイヤーパイプ10の径方向内向きの荷重を金属製スリーブ20の外側からかけて、マルチレイヤーパイプ10を金属製継手30の第1接続部23に圧着させると共に金属製スリーブ20をマルチレイヤーパイプ10の外周に圧着させる。このときのマルチレイヤーパイプ10の変形量が多くなり過ぎると、マルチレイヤーパイプ10の金属層3と金属製継手30の係止部23bとが接してマルチレイヤーパイプ10と金属製継手30との電気的な分離ができなくなるので、金属層3と係止部23bとが接してしまわないように、上記荷重の大きさを予め選定しておく。
この後、上記未硬化の電気絶縁性高分子材料が硬化して第1の電気絶縁性高分子材料層40Aが形成されると、上述した絶縁パイプ50Aが得られる。なお、流通ないし輸送の前に絶縁パイプ50Aを組み立てておけば、各部品を作業現場に輸送してその場で絶縁パイプ50Aに組み立てる場合に比べて梱包の手間やコストを抑え易くなる。
実施の形態2.
この発明の絶縁パイプにおいては、マルチレイヤーパイプと金属製スリーブとの間に接着性またはシーリング性を有する第2の電気絶縁性高分子材料層を設けることもできる。当該第2の電気絶縁性高分子材料層を設けることにより、マルチレイヤーパイプと金属製スリーブとの接合性または当該絶縁パイプの水密性を高め易くなる。第2の電気絶縁性高分子材料層は、実施の形態1で説明した第1の電気絶縁性高分子材料層と同じ組成のものであってもよいし、異なる組成のものであってもよいが、同じ組成のものとした方が当該絶縁パイプの生産性を高め易い。第2の電気絶縁性高分子材料層と第1の電気絶縁性高分子材料層とは互いに離隔していてもよいし、一体化されていてもよい。
図2は、マルチレイヤーパイプと金属製スリーブとの間に第2の電気絶縁性高分子材料層を有する絶縁パイプの一例を概略的に示す断面図である。同図に示す絶縁パイプ50Bは、マルチレイヤーパイプ10の外周面と金属製スリーブ20の内周面との間に第2の電気絶縁性高分子材料層40Bが設けられているという点を除き、図1に示した絶縁パイプ50Aと同様の構成を有している。図2に示した構成要素のうちで図1に示した構成要素と共通するものについては、図1で用いた参照符号と同じ参照符号を付してその説明を省略する。
上記第2の電気絶縁性高分子材料層40Bは、第1の電気絶縁性高分子材料層40Aと同様に電気絶縁性を有する室温硬化型や熱硬化型の接着剤ないしシール剤により形成されて第1の電気絶縁性高分子材料層40Aと一体化されており、その組成は第1の電気絶縁性高分子材料層40Aの組成と同じである。例えば室温硬化型の一液性シリコーン系ゴム等のシリコーン系樹脂により第2の電気絶縁性高分子材料層40Bを形成すれば、マルチレイヤーパイプ10と金属製スリーブ20との接合性およびシーリング性を高めることができる。絶縁パイプ50Bの水密性を容易に高めることができる。
上述の構成を有する電気絶縁パイプ50Bは、実施の形態1で説明した絶縁パイプ50Aと同様の技術的効果を奏する。また、マルチレイヤーパイプ10と金属製スリーブ20との間に第2の電気絶縁性高分子材料層40Bが設けられているので、マルチレイヤーパイプ10と金属製スリーブ20との接合性またはシーリング性を高めることが容易になるという技術的効果も奏する。
このような技術的効果を奏する絶縁パイプ50Bは、例えば、金属製スリーブ20のフランジ部20a側から金属製継手30の第1接続部23を挿入するのに先だって、金属製スリーブ20の内周面に予め第2の電気絶縁性高分子材料層40Bの原材料、すなわち未硬化の電気絶縁性高分子材料を所定量塗布しておく以外は、実施の形態1で説明した方法と同様の方法により組み立てることができる。
以上、本発明の絶縁パイプについて実施の形態を挙げて説明したが、前述のように、この発明は上述の形態に限定されるものではない。例えばマルチレイヤーパイプとしてはアルミ複合架橋ポリエチレン管が好適であるが、最内層および最外層の各々が有機絶縁層である3層以上のものであれば、アルミニウム層と架橋ポリエチレン層、耐熱性ポリエチレン層、または通常のポリエチレン層とを組み合わせたアルミ複合ポリエチレン管等、他のマルチレイヤーパイプを用いることもできる。また、金属製スリーブにおけるフランジ部は、実施の形態1,2で説明した絶縁パイプにおけるように金属製スリーブでの径方向内側に張り出させる他に、金属製スリーブでの径方向外側に張り出させてもよい。
金属製継手の形状はニップル型、エルボ型、クロス型等、適宜選択可能である。また、金属製継手の第1接続部をねじ込み式にしてもよい。第1接続部をねじ込み式にする場合には、一端側の第1有機絶縁層に雌ねじが形成されたマルチレイヤーパイプが用いられる。この場合、マルチレイヤーパイプへの金属製継手のねじ込みが終了した後に第1の電気絶縁性高分子材料層が形成されるように、別言すれば上記ねじ込みが終了した後に第1の電気絶縁性高分子材料層の原材料が硬化するように、当該原材料を選定するか、または本発明の絶縁パイプの組み立て工程を管理することが好ましい。
ただし、本発明の絶縁パイプの製造コストや生産性を考慮すると、実施の形態1,2で説明した絶縁パイプにおけるように金属製継手の第1接続部の外周に複数本の環状溝を形成し、マルチレイヤーパイプと金属製継手とを圧着により互いに固定することが好ましい。勿論、上記の環状溝に代えて他の形状の溝や凹凸を形成しても同様の技術的効果を得ることが可能である。
金属製継手の第2接続部についても、第1接続部と同様にねじ込み式にすることができる。この場合には、本発明の絶縁パイプと接続される他のパイプまたは器具として、上記第2接続部と螺合する雌ねじまたは雄ねじが設けられたものが用いられ、金属製継手の胴部にフランジを形成するか否かは適宜選択される。ただし、本発明の絶縁パイプと他のパイプまたは器具とを互いに接続する際の作業性を考慮すると、これらの接続はクランプを用いて行うことが好ましい。本発明の絶縁パイプについては、上述した以外にも種々の変形、修飾、組み合わせ等が可能である。
本発明の絶縁パイプは、温水器の水配管のように上水の流路を形成する配管として好適である他、中水や下水、あるいは水以外の電解液の流路を形成する配管として用いることもできる。
本発明の絶縁パイプの一例を概略的に示す断面図である。 本発明の絶縁パイプのうちでマルチレイヤーパイプと金属製スリーブとの間に第2の電気絶縁性高分子材料層を有するものの一例を概略的に示す断面図である。
符号の説明
1 第1有機絶縁層
3 金属層
5 第2有機絶縁層
10 マルチレイヤーパイプ
20 金属製スリーブ
20a フランジ部
23 第1接続部
23a 環状溝
25 第2接続部
27 胴部
27a ストッパ面
30 金属製継手
40A 第1の電気絶縁性高分子材料層
40B 第2の電気絶縁性高分子材料層
50A,50B 絶縁パイプ

Claims (8)

  1. 第1有機絶縁層と金属層と第2有機絶縁層とが内側から外側に向かってこの順番で積層配置されているマルチレイヤーパイプと、
    一端にフランジ部を有し、該フランジ部を前記マルチレイヤーパイプの一端から管軸方向外側に突出させて前記マルチレイヤーパイプに装着された金属製スリーブと、
    該金属製スリーブの前記フランジ部側から前記マルチレイヤーパイプに一端側を挿入したときに前記フランジ部に当接するストッパ面を有し、該ストッパ面と前記フランジ部とを当接させて前記マルチレイヤーパイプに固定された金属製継手と、
    前記マルチレイヤーパイプの一端面に露出している前記金属層を覆うと共に、前記ストッパ面と前記マルチレイヤーパイプの一端面との間隙を埋める第1の電気絶縁性高分子材料層と、
    を有することを特徴とする絶縁パイプ。
  2. 前記マルチレイヤーパイプは、前記第1有機絶縁層としての電子架橋ポリエチレン層と、前記金属層としてのアルミニウム層と、前記第2有機絶縁層としての架橋ポリエチレン層とを有する3層構造のアルミ複合架橋ポリエチレン管であることを特徴とする請求項1に記載の絶縁パイプ。
  3. 前記金属製スリーブは、前記マルチレイヤーパイプの外周面に圧着されていることを特徴とする請求項1または2に記載の絶縁パイプ。
  4. 前記金属製継手は、前記マルチレイヤーパイプに挿入される一端側に複数本の環状溝を有し、
    前記マルチレイヤーパイプは、前記金属製継手に圧着されている、
    ことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1つに記載の絶縁パイプ。
  5. 前記金属製継手は、金属製ニップルであることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1つに記載の絶縁パイプ。
  6. 前記第1の電気絶縁性高分子材料層は、シリコーン系樹脂からなることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1つに記載の絶縁パイプ。
  7. 前記第1の電気絶縁性高分子材料層は、室温硬化型の一液性シリコーン系ゴムからなることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1つに記載の絶縁パイプ。
  8. 前記マルチレイヤーパイプの外周面と前記金属製スリーブの内周面との間に設けられた第2の電気絶縁性高分子材層を更に有することを特徴とする請求項1〜7のいずれか1つに記載の絶縁パイプ。
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