JP2009228394A - プレキャストコンクリート部材の接合構造、プレキャストコンクリート部材の接合方法、及び建築物 - Google Patents

プレキャストコンクリート部材の接合構造、プレキャストコンクリート部材の接合方法、及び建築物 Download PDF

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貴 久下
Taro Yoshimitsu
太郎 吉光
Tomonori Yoshida
智憲 吉田
Eisaku Kawai
栄作 河合
Mitsuru Takeuchi
満 竹内
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Abstract

【課題】部材同士を接合するときに移動方向の制約を受けずに一方の部材を移動させて他方の部材と接合させることが可能なプレキャストコンクリート部材の接合構造、プレキャストコンクリート部材の接合方法、及びプレキャストコンクリート部材の接合構造を有する建築物を提供する。
【解決手段】プレキャストコンクリート製の第1部材12に形成された収容部18に収容された中空管22を移動手段47、48によって移動させて、プレキャストコンクリート製の第2部材14に形成された挿入部26に挿入する。これによって中空管22を介して第1鉄筋20と第2鉄筋28とを接続し、第1部材12と第2部材14とを接合する。
【選択図】図2

Description

本発明は、プレキャストコンクリート部材を接合するプレキャストコンクリート部材の接合構造、プレキャストコンクリート部材の接合方法、及びプレキャストコンクリート部材の接合構造を有する建築物に関する。
鉄筋コンクリート造建物の施工においては、建設作業員の省人化や施工効率の向上を図るために、プレキャスト化された柱部材や梁部材が盛んに用いられている。特に、超高層建物の建築では、施工の合理化が工期短縮やコスト縮減等のために重要なので、プレキャスト化された柱部材や梁部材を用いた施工が有効となる。
例えば、図17に示すように、特許文献1の建物の柱梁接合構造体300では、プレキャストコンクリート(以降、PCaと記載する)製柱302上に、柱用仕口部304と大梁306とを一体化したPCa製水平構造体308が載置されている。
左側に位置するPCa製水平構造体308の大梁306の端部には梁用スリーブ310が埋め込まれ、右側に位置するPCa製水平構造体308には、大梁306の端部から突出するようにして梁用接続鉄筋312が設けられている。
そして、右側のPCa製水平構造体308を左側へ水平移動し、突出した梁用接続鉄筋312の端部を梁用スリーブ310に挿入して固定することにより、大梁306同士を接合している。
PCa製柱302の柱頭部には、柱用スリーブ314が埋込まれている。そして、PCa製水平構造体308上に載置されるPCa製柱316から下方に突出するように設けられた柱用接続鉄筋318を、柱用仕口部304に形成された鉛直の貫通孔320に貫通させる。
さらに、柱用接続鉄筋318の端部をPCa製柱302の柱用スリーブ314に挿入して固定することにより、PCa製柱302とPCa製柱316とを柱用仕口部304を介して接合している。
しかし、図17の柱梁接合構造体300では、大梁306同士を接合する際に右側のPCa製水平構造体308(大梁306)を左側へ水平移動しなければならない。すなわち、接合する大梁306を上下方向に移動させて大梁306同士を接合することができない。
これによって、例えば、既に設置された2つの梁の間にPCa製の梁を設置しなければならない状況や、クレーンのブーム移動範囲が制約された状況等によってPCa製の梁を横方向や水平方向に移動させることができない場合には、このPCa製の梁を図17で示した大梁306同士の接合方法を用いて接合することができない。
特開2004−346587号公報
本発明は係る事実を考慮し、部材同士を接合するときに移動方向の制約を受けずに一方の部材を移動させて他方の部材と接合させることが可能なプレキャストコンクリート部材の接合構造、プレキャストコンクリート部材の接合方法、及びプレキャストコンクリート部材の接合構造を有する建築物を提供することを課題とする。
請求項1に記載の発明は、プレキャストコンクリート製の第1部材とプレキャストコンクリート製の第2部材とを接合するプレキャストコンクリート部材の接合構造において、前記第1部材の端面に開口され前記第1部材に設けられた第1鉄筋を露出させる収容部と、前記第2部材の端面に開口され前記第2部材に設けられた第2鉄筋を露出させる挿入部と、前記第1鉄筋へ挿入された状態で前記収容部に収容された中空管と、前記中空管の軸線に対して斜め方向となる駆動力を前記中空管の外周面に与えて前記第1鉄筋を軸にして前記中空管を回転させると共に、前記駆動力を前記第1鉄筋の軸方向への移動力に変換して前記中空管を前記挿入部へ挿入し、該中空管を介して前記第1鉄筋と前記第2鉄筋とを接続する移動手段と、を有することを特徴としている。
請求項1に記載の発明では、プレキャストコンクリート製の第1部材の端面に収容部が開口されている。収容部には第1部材に設けられた第1鉄筋が露出し、この第1鉄筋へ挿入された状態で中空管が収容されている。また、プレキャストコンクリート製の第2部材の端面に挿入部が開口されている。挿入部には第2部材に設けられた第2鉄筋が露出している。
移動手段は、中空管の軸線に対して斜め方向となる駆動力を中空管の外周面に与えて第1鉄筋を軸にして中空管を回転させる。また、中空管を回転させると共に駆動力を第1鉄筋の軸方向への移動力に変換する。そして、この移動力によって中空管を挿入部へ挿入する。これにより、中空管を介して第1鉄筋と第2鉄筋とを接続し、第1部材と第2部材とを接合する。
よって、第1部材と第2部材とを簡単な方法で接合することができるので、第1部材と第2部材との接合作業の手間を低減し、効率よく接合作業を行うことが可能となる。
また、中空管により第1鉄筋と第2鉄筋とを確実に接続することができる。そして、中空管により第1鉄筋と第2鉄筋とを接続した後に、中空管内に硬化材を注入して中空管に第1鉄筋及び第2鉄筋を定着すれば、中空管に第1鉄筋及び第2鉄筋を確実に固定することができる。
また、移動手段によって中空管を移動させるまで、中空管は第1部材の収容部に収容されており、第1部材の端面から突出していない。これにより、第1部材又は第2部材を上下方向に移動させて第1部材と第2部材とを接合することができる。さらに、この接合構造では第1部材又は第2部材を横方向や水平方向に移動させて第1部材と第2部材とを接合することができる。すなわち、移動方向の制約を受けずに第1部材又は第2部材を移動させて第1部材と第2部材とを接合することができる。
例えば、柱部材から2方向に梁部材が張出したプレキャストコンクリート製の柱梁部材を複数配置して建築物を構築する場合、建築物の施工領域を平面的に2つにわけて同じ地点から右半分の領域を半時計回り、左半分の領域を時計回りに柱梁部材を設置していくことにより、複数の柱梁部材の梁部材を環状に配置することが考えられる。このときには、柱梁部材を横方向又は水平方向に移動させて柱梁部材の梁部材同士を接合していけばよい。
しかし、最後に配置する柱梁部材の両側には既に柱梁部材が設置されているために、最後に配置する柱梁部材を横方向又は水平方向に移動させて柱梁部材の梁部材同士を接合することができない。
このような場合に、第1部材又は第2部材を上下方向に移動させて第1部材と第2部材とを接合することができる接合構造は有効である。
さらに、これ以外の状況においても、既に設置された2つの梁部材の間に柱梁部材や梁部材を設置しなければならない状況や、クレーンのブーム移動範囲が制約された状況等によって柱梁部材や梁部材を横方向や水平方向に移動させることができない場合に、第1部材又は第2部材を上下方向に移動させて第1部材と第2部材とを接合する接合構造は優れた効果を発揮する。
また、第1部材の端面と第2部材の端面とが密着するように、又は第1部材の端面と第2部材の端面との間に小さな隙間を有するように、第1部材と第2部材とを配置することができる。
これにより、第1部材と第2部材との接合部(第1部材の端面と第2部材の端面との間)にコンクリートを後打ちする作業や、コンクリートを後打ちするための型枠設置作業等の煩雑な作業を無くすことが可能となり、施工性の向上を図ることができる。
また、移動手段は、中空管の外周面に駆動力を与えて中空管を回転させると共に、この駆動力を第1鉄筋の軸方向への移動力に変換して収容部に収容された中空管を移動させるので、中空管を回転させる回数によって中空管の移動量を制御できる。これによって、収容部や挿入部の深さや中空管の長さによって異なってくる中空管のさまざまな移動量に対して柔軟に対応することができる。
請求項2に記載の発明は、前記移動手段は、前記中空管の外周面に沿って軸方向へ形成された螺旋溝と、前記螺旋溝に巻き掛けられ前記収容部から前記第1部材の外部へ引き出された環状部材と、を備えることを特徴としている。
請求項2に記載の発明では、移動手段は、螺旋溝と環状部材とを備えている。螺旋溝は、中空管の外周面に沿って軸方向へ形成されている。また、環状部材は、螺旋溝に巻き掛けられ収容部から第1部材の外部へ引き出されている。
よって、環状部材を回転させることによって環状部材の回転力は駆動力として中空管の外周面に与えられ、この駆動力は、螺旋溝によって中空管の軸線に対して斜め方向に作用する。さらに、駆動力は、第1鉄筋を軸にする回転力と、第1鉄筋の軸方向への移動力とに変換されるので、中空管は第1鉄筋を軸にして回転しながら第1鉄筋の軸方向へ移動する。これにより、収容部に収容された中空管を移動させて挿入部に挿入し、中空管を介して第1鉄筋と第2鉄筋とを接続して第1部材と第2部材とを接合することができる。
また、中空管を回転させる回数によって中空管の移動距離が決まるので、環状部材の回転量を制御することにより中空管を所定の位置に移動させることができる。
また、中空管を回転させるスピードによって中空管の移動スピードが決まるので、環状部材の回転数を制御することにより中空管の移動スピードを調整することができる。
例えば、移動している中空管を目視によって所定の位置で止める場合、移動の初期の段階では中空管の移動スピードを速くし、中空管が所定の位置に近づいてきたら中空管の移動スピードを遅くすれば、中空管を所定の位置に精度よく移動させることができ、かつ短時間で第1鉄筋と第2鉄筋との接続作業を行うことができる。
また、第1部材の端面と第2部材の端面とが密着するように、又は第1部材の端面と第2部材の端面との間に小さな隙間を有するように、第1部材と第2部材とを配置する場合、第1部材と第2部材との接合部(第1部材の端面と第2部材の端面との間)のスペースは無いか又は小さくなるので、この接合部に手やパイプレンチ等の工具などを入れて中空管の移動作業を行うことは難しい。
これに対して請求項2の移動手段は、第1部材の外部へ引き出されている環状部材を回転させることにより中空管を移動させるので、従来のパイプレンチ等を用いた方法よりも容易に中空管を移動させることができ、第1部材の端面と第2部材の端面とを密着させていても中空管を移動させることができる。
また、環状部材が螺旋溝に巻き掛けられているので、第1鉄筋の軸方向への移動力を中空管に確実に作用させることができる。
請求項3に記載の発明は、前記移動手段は、前記中空管の外周面に巻き掛けられ前記収容部から前記第1部材の外部へ引き出されたベルトと、前記ベルトの内周面に沿って複数設けられ前記ベルトの回転方向に対して軸線が斜めとなるブロックと、を備えることを特徴としている。
請求項3に記載の発明では、移動手段は、ベルトとブロックとを備えている。ベルトは、中空管の外周面に巻き掛けられ収容部から第1部材の外部へ引き出されている。また、ブロックは、ベルトの内周面に沿って複数設けられ、ベルトの回転方向に対してブロックの軸線が斜めとなっている。
よって、ベルトを回転させることによってベルトの回転力は駆動力として中空管の外周面に与えられ、この駆動力は、ベルトの回転方向に対して軸線が斜めとなるブロックによって中空管の軸線に対して斜め方向に作用する。さらに、駆動力は、第1鉄筋を軸にする回転力と、第1鉄筋の軸方向への移動力とに変換されるので、中空管は第1鉄筋を軸にして回転しながら第1鉄筋の軸方向へ移動する。これにより、収容部に収容された中空管を移動させて挿入部に挿入し、中空管を介して第1鉄筋と第2鉄筋とを接続して第1部材と第2部材とを接合することができる。
また、請求項2と同様に、ベルトの回転量を制御することにより中空管を所定の位置に移動させることができ、また、ベルトの回転数を制御することにより中空管の移動スピードを調整することができるので、中空管を所定の位置に精度よく移動させることができ、かつ短時間で第1鉄筋と第2鉄筋の接続作業を行うことができる。
また、請求項3の移動手段は、第1部材の外部へ引き出されているベルトを回転させることにより中空管を移動させるので、第1部材と第2部材との接合部(第1部材の端面と第2部材の端面との間)の狭いスペースに手やパイプレンチ等の工具などを入れて中空管の移動作業を行う従来の方法よりも容易に中空管を移動させることができ、第1部材の端面と第2部材の端面とを密着させていても中空管を移動させることができる。
また、中空管の外周面に溝等を形成する加工を施さなくてもよいので、低コスト化を図ることができる。
また、ベルトを中空管の任意の位置に巻き掛ければよいので、中空管の外周面にベルトを巻き掛け易い。
請求項4に記載の発明は、前記移動手段は、前記中空管の外周面に沿って軸方向へ形成された螺旋リブと、前記中空管の外周面に巻き掛けられ前記収容部から前記第1部材の外部に引出された環状部材と、を備えることを特徴としている。
請求項4に記載の発明では、移動手段は、螺旋リブと環状部材とを備えている。螺旋リブは、中空管の外周面に沿って軸方向へ形成されている。環状部材は、中空管の外周面に巻き掛けられ収容部から第1部材の外部へ引き出されている。
よって、環状部材を回転させることによって環状部材の回転力は駆動力として中空管の外周面に与えられ、この駆動力は、螺旋リブによって中空管の軸線に対して斜め方向に作用する。さらに、駆動力は、第1鉄筋を軸にする回転力と、第1鉄筋の軸方向への移動力とに変換されるので、中空管は第1鉄筋を軸にして回転しながら第1鉄筋の軸方向へ移動する。これにより、収容部に収容された中空管を移動させて挿入部に挿入し、中空管を介して第1鉄筋と第2鉄筋とを接続して第1部材と第2部材とを接合することができる。
また、請求項2と同様に、環状部材の回転量を制御することにより中空管を所定の位置に移動させることができ、また、環状部材の回転数を制御することにより中空管の移動スピードを調整することができるので、中空管を所定の位置に精度よく移動させることができ、かつ短時間で第1鉄筋と第2鉄筋の接続作業を行うことができる。
また、請求項4の移動手段は、第1部材の外部へ引き出されている環状部材を回転させることにより中空管を移動させるので、第1部材と第2部材との接合部(第1部材の端面と第2部材の端面との間)の狭いスペースに手やパイプレンチ等の工具などを入れて中空管の移動作業を行う従来の方法よりも容易に中空管を移動させることができ、第1部材の端面と第2部材の端面とを密着させていても中空管を移動させることができる。
また、環状部材を中空管の任意の位置に巻き掛ければよいので、中空管の外周面に環状部材を巻き掛け易い。
請求項5に記載の発明は、前記移動手段は、前記中空管の外周面に接触して前記中空管に前記駆動力を伝達する車輪と、前記車輪を前記第1部材の外部から回転させる駆動手段と、前記車輪の外周面に沿って複数設けられ前記車輪の回転方向に対して軸線が斜めとなるブロックと、を備えることを特徴としている。
請求項5に記載の発明では、移動手段は、車輪、駆動手段及びブロックを備えている。車輪は、中空管の外周面に接触して中空管に駆動力を伝達する。また、駆動手段は、第1部材の外部から車輪を回転させる。また、ブロックは、車輪の回転方向に対してこのブロックの軸線が斜めとなるように、車輪の外周面に沿って複数設けられている。
よって、駆動手段によって車輪を回転させることによって車輪の回転力は駆動力として中空管の外周面に与えられ、この駆動力は、車輪の回転方向に対して軸線が斜めとなるブロックによって中空管の軸線に対して斜め方向に作用する。さらに、駆動力は、第1鉄筋を軸にする回転力と、第1鉄筋の軸方向への移動力とに変換されるので、中空管は第1鉄筋を軸にして回転しながら第1鉄筋の軸方向へ移動する。これにより、収容部に収容された中空管を移動させて挿入部に挿入し、中空管を介して第1鉄筋と第2鉄筋とを接続して第1部材と第2部材とを接合することができる。
また、請求項2と同様に、車輪の回転量を制御することにより中空管を所定の位置に移動させることができ、また、車輪の回転数を制御することにより中空管の移動スピードを調整することができるので、中空管を所定の位置に精度よく移動させることができ、かつ短時間で第1鉄筋と第2鉄筋の接続作業を行うことができる。
また、請求項5の移動手段は、駆動手段によって車輪を第1部材の外部から回転させることにより中空管を移動させるので、第1部材と第2部材との接合部(第1部材の端面と第2部材の端面との間)の狭いスペースに手やパイプレンチ等の工具などを入れて中空管の移動作業を行う従来の方法よりも容易に中空管を移動させることができ、第1部材の端面と第2部材の端面とを密着させていても中空管を移動させることができる。
また、中空管の外周面に溝等を形成する加工を施さなくてもよいので、低コスト化を図ることができる。
また、環状部材等を中空管にセットする準備作業を行わなくてもよい。
請求項6に記載の発明は、前記螺旋溝又は前記螺旋リブは、前記中空管に装着される装着部材の外周面に形成されていることを特徴としている。
請求項6に記載の発明では、中空管に装着される装着部材の外周面に螺旋溝又は螺旋リブを形成することにより、中空管の外周面に加工を施すことなく容易に螺旋溝や螺旋リブを形成することができる。
また、さまざまなピッチの螺旋溝又は螺旋リブを形成した数種類の装着部材を用意しておけば、中空管の外周面に形成する螺旋溝又は螺旋リブの変更を容易に行うことができる。
請求項7に記載の発明は、前記収容部の奥方にある前記中空管の後端部に形成された注入孔から前記中空管内に注入された硬化材が排出される排出孔に設けられた伸縮可能な排出管と、前記排出管が伸長する方向へ付勢すると共に前記収容部の内壁又は前記挿入部の内壁に前記排出管の先端が当った状態で縮んでいるバネと、前記第2部材の外表面に形成され前記排出管が突出可能な排出口と、を有することを特徴としている。
請求項7に記載の発明では、収容部の奥方にある中空管の後端部に形成された注入孔から中空管内に注入された硬化材が排出される排出孔が中空管に設けられている。また、この排出孔に、伸縮可能な排出管が設けられている。また、第2部材の外表面には、この排出管が突出可能な排出口が形成されている。さらに、排出管が伸長する方向へ付勢するバネが、収容部の内壁又は挿入部の内壁に排出管の先端が当った状態で縮んでいる。
よって、移動手段によって移動している中空管に設けられた排出管の先端が排出口の真下に到達したときに排出管はバネの付勢力によって排出口へ伸長しこれにより中空管の移動は阻止されるので、排出孔及び排出口を形成する位置を調整することによって所定の位置に中空管を移動させることができる。
また、排出管の先端と排出口との位置を一致させることができるので、中空管内に充填した硬化材の充填確認をこの排出管を用いて確実に行うことができる。
また、中空管内に充填した硬化材の充填確認を行うための排出管を中空管の移動完了後に設置する手間を省くことができる。
請求項8に記載の発明は、前記収容部の奥方にある前記中空管の後端部に形成され、前記中空管内に充填される硬化材が注入される注入孔に設けられた伸縮可能な注入管と、前記注入管が伸長する方向へ付勢すると共に前記収容部の内壁に前記注入管の先端が当った状態で縮んでいるバネと、前記第1部材の外表面に形成され前記注入管が突出可能な連通口と、を有することを特徴としている。
請求項8に記載の発明では、中空管内に充填される硬化材が注入される注入孔が、収容部の奥方にある中空管の後端部に形成されている。また、この注入孔に伸縮可能な注入管が設けられている。また、第1部材の外表面には、この注入管が突出可能な連通口が形成されている。さらに、注入管が伸長する方向へ付勢するバネが、中空管が収容されている収容部の内壁に注入管の先端が当った状態で縮んでいる。
よって、移動手段によって移動している中空管に設けられた注入管の先端が連通口の真下に到達したときに注入管はバネの付勢力によって連通口へ伸長しこれにより中空管の移動は阻止されるので、注入孔及び連通口を形成する位置を調整することによって所定の位置に中空管を移動させることができる。
また、注入管の先端と連通口との位置を一致させることができるので、注入管から中空管内に硬化材を確実に注入することができる。
また、中空管内へ硬化材を注入するための注入管を中空管の移動完了後に設置する手間を省くことができる。
請求項9に記載の発明は、前記第1部材の外表面に形成され前記収容部と連通する連通口に設けられた伸縮可能な注入管と、前記注入管が伸長する方向へ付勢すると共に前記中空管の外壁に前記注入管の先端が当った状態で縮んでいるバネと、前記収容部の奥方にある前記中空管の後端部に形成されると共に前記中空管内に充填される硬化材が注入され、前記注入管が突出可能な注入孔と、を有することを特徴としている。
請求項9に記載の発明では、収容部と連通する連通口が第1部材の外表面に形成されている。また、連通口に伸縮可能な注入管が設けられている。また、収容部の奥方にある中空管の後端部には、中空管内に充填される硬化材が注入される注入孔が注入管の突出を可能とするように形成されている。さらに、注入管が伸長する方向へ付勢するバネが、収容部に収容されている中空管の外壁に注入管の先端が当った状態で縮んでいる。
よって、移動手段によって移動している中空管に形成された注入孔が注入管の先端の真下に到達したときに注入管はバネの付勢力によって注入孔へ伸長しこれにより中空管の移動は阻止されるので、連通口及び注入孔を形成する位置を調整することによって所定の位置に中空管を移動させることができる。
また、注入管の先端と注入孔との位置を一致させることができるので、注入管から中空管内に硬化材を確実に注入することができる。
また、中空管内へ硬化材を注入するための注入管を中空管の移動完了後に設置する手間を省くことができる。
請求項10に記載の発明は、前記第1部材と前記第2部材とは、梁部材と梁部材、梁部材と柱部材、又は柱部材と梁部材とであることを特徴としている。
請求項10に記載の発明では、梁部材と梁部材、梁部材と柱部材、又は柱部材と梁部材との接合に対して、請求項1と同様の作用と効果とを得ることができる。
請求項11に記載の発明は、プレキャストコンクリート製の第1部材とプレキャストコンクリート製の第2部材とを接合するプレキャストコンクリート部材の接合方法において、前記第1部材の端面に開口され前記第1部材に設けられた第1鉄筋を露出させる収容部に前記第1鉄筋へ挿入された状態で収容された中空管を、前記第2部材の端面に開口され前記第2部材に設けられた第2鉄筋を露出させる挿入部へ移動手段により挿入し、該中空管を介して前記第1鉄筋と前記第2鉄筋とを接続する工程を有し、前記移動手段は、前記中空管の軸線に対して斜め方向となる駆動力を前記中空管の外周面に与えて前記第1鉄筋を軸にして前記中空管を回転させると共に、前記駆動力を前記第1鉄筋の軸方向への移動力に変換することを特徴としている。
請求項11に記載の発明では、プレキャストコンクリート製の第1部材の端面に収容部が開口されている。収容部には第1部材に設けられた第1鉄筋が露出している。また、プレキャストコンクリート製の第2部材の端面に挿入部が開口されている。挿入部には第2部材に設けられた第2鉄筋が露出している。また、収容部には、第1鉄筋へ挿入された状態で中空管が収容されている。
移動手段は、中空管の軸線に対して斜め方向となる駆動力を中空管の外周面に与えて第1鉄筋を軸にして中空管を回転させる。また、中空管を回転させると共に駆動力を第1鉄筋の軸方向への移動力に変換する。そして、この移動力によって中空管を挿入部へ挿入する。これにより、中空管を介して第1鉄筋と第2鉄筋とを接続し、第1部材と第2部材とを接合する。
よって、請求項1と同様の作用と効果とを得ることができる。
請求項12に記載の発明は、請求項1〜10の何れか1項に記載のプレキャストコンクリート部材の接合構造を有することを特徴としている。
請求項12に記載の発明では、第1部材と第2部材とを接合するときに移動方向の制約を受けずに第1部材又は第2部材を移動させて第2部材又は第1部材と接合させることが可能なプレキャストコンクリート部材の接合構造を有する建築物を構築することができる。
本発明は上記構成としたので、部材同士を接合するときに移動方向の制約を受けずに一方の部材を移動させて他方の部材と接合させることができる。
図面を参照しながら、本発明のプレキャストコンクリート部材の接合構造、プレキャストコンクリート部材の接合方法、及びプレキャストコンクリート部材の接合構造を有する建築物を説明する。
なお、本実施形態では、鉄筋コンクリートによって形成されたプレキャストコンクリート(以降、PCaと記載する)製の梁部材を用いた例を示すが、鉄筋コンクリート、鉄骨鉄筋コンクリート、及びプレストレストコンクリート等のさまざまなPCa製の梁部材を用いた接合構造、接合方法、及び建築物へ適用することができる。
また、本実施形態では、梁部材に設けられた鉄筋同士を接続する中空管に、鉄筋をねじ込む雌ネジが内側に形成されているねじ込み式の機械式継手を用いた例を示すが、本実施形態には、ねじ込み式の機械式継手、及び鉄筋をねじ込まずに挿入可能な差し込み式の機械式継手のどちらの機械式継手を用いてもよい。ねじ込み式の機械式継手を用いた場合には、鉄筋を軸にして機械式継手を回転させながらこの軸方向にスムーズに機械式継手を移動させることができるので好ましい。
まず、本発明の第1の実施形態について説明する。
図1(a)の側面図に示すように、第1の実施形態のPCa部材の接合構造10は、第1部材としてのPCa製の梁部材12と第2部材としてのPCa製の梁部材14とによって構成されている。
図1(a)には、端面同士が対向するように梁部材12と梁部材14とを配置し、梁部材12と梁部材14とを接合する前の状態が示されている。
梁部材12の端部には、梁部材12の端面12Aから突出しないようにシース管16が埋設され、これにより梁部材12の端面12Aに開口する収容部としての孔18を形成している。
図1(a)のA−A断面図である図1(b)に示すように、シース管16は、梁部材12の横断面において上部と下部とに水平方向に2本並んで配置されている。すなわち、合計4本(=2×2)のシース管16が梁部材12に設けられている。
また、図1(a)に示すように、シース管16には梁部材12の上部と下部とに設けられた第1鉄筋としての梁鉄筋20の端部がそれぞれ挿入され、この梁鉄筋20の端部は梁部材12の端面12Aから突出しないように孔18に露出している。
そして、シース管16及び梁鉄筋20は、梁部材12を形成するコンクリートVによって一体となっている。
梁部材14の端部には、梁部材14の端面14Aから突出しないようにシース管24が埋設され、これにより梁部材14の端面14Aに開口する挿入部としての孔26を形成している。
シース管24は、梁部材14の横断面において上部と下部とに水平方向に2本並んで配置されている。すなわち、合計4本(=2×2)のシース管24が梁部材14に設けられている。
また、シース管24には梁部材14の上部と下部とに設けられた第2鉄筋としての梁鉄筋28の端部がそれぞれ挿入され、この梁鉄筋28の端部は梁部材14の端面14Aから突出しないように孔26に露出している。
そして、シース管24及び梁鉄筋28は、梁部材14を形成するコンクリートVによって一体となっている。
梁鉄筋20、28の径の大きさは同じであり、シース管16、24の内径及び外径の大きさは同じになっている。また、梁鉄筋20と梁鉄筋28との端面同士、及びシース管16とシース管24との開口面同士は対向している。すなわち、梁鉄筋20、28、及びシース管16、24の中心位置の配置は、ほぼ同じになっている。
シース管16によって形成された孔18には、梁部材12の端面12Aから端部が突出しないように中空管22が収容されている。中空管22は柱鉄筋20、28をねじ込む雌ネジが内側に形成されているねじ込み式の機械式継手となっており、中空管22が孔18に収容された図1(a)の状態において、中空管22は梁鉄筋20へ挿入されている。
図1(a)で示したPCa部材の接合構造10の上部を拡大した図2(a)に示すように、中空管22の外周面に沿って中空管22の軸方向へ螺旋溝48が形成されている。また、中空管22の長手方向中央よりも端面12A側に少しずれた位置の梁部材12の外表面には、孔18と連通する連通口30が形成されている。
また、孔18の奥壁32に近い梁部材12の外表面には、孔18と連通する注入口34が形成されている。さらに、孔26の奥壁36に近い梁部材14の外表面には、孔26と連通する排出口38が形成されている。
さらに、孔18の奥方にある中空管22の後端部には、中空管22内に充填される硬化材が注入される注入孔40が形成され、孔18の前方にある中空管22の前端部には、中空管22内に注入されて過剰となった硬化材を排出する排出孔42が形成されている。中空管22の後端部の内壁には、中空管22内に充填した硬化材がこの内壁と梁鉄筋20との間の隙間から漏れるのを防ぐパッキング材としてのOリング44が設けられている。
連通口30及び排出口38は、連通口30の中心から排出口38の中心までの水平距離と、注入孔40の中心から排出孔42の中心までの水平距離とが略等しくなるような位置に形成する。また、注入口34は、孔18の奥壁32にできるだけ近い位置に形成するのが好ましい。
連通孔30と端面12Aとの間の梁部材12の外表面には、孔18と連通する開口部46が形成されている。また、この開口部46の上方にはモーター50により回転する車輪45が配置され、開口部46を介して環状部材としての無端ロープ47が車輪45と螺旋溝48とに巻き掛けられている。すなわち、無端ロープ47は、螺旋溝48に巻き掛けられて収容部としての孔18から梁部材12の外部へ引き出されている。
無端ロープ47は、螺旋溝48に密着できる材料によって形成するのが好ましく、天然ゴムなどの弾性体や、粘弾性体などによって形成してもよい。
また、無端ロープ47には、モーター50により回転する車輪45の回転力が無端ロープ47を介して中空管22に伝達されるように張力が掛けられている。
次に、本発明の第1の実施形態の作用及び効果について説明する。
第1の実施形態のPCa部材の接合構造10によるPCa部材の接合方法では、まず、図2(a)に示すように梁部材14を上方から下方へ移動させて、既に設置が完了している梁部材12の端面12Aに梁部材14の端面14Aが対向するように梁部材14を配置する。
このとき、梁部材12の端面12Aと梁部材14の端面14Aとの間に小さな隙間を有するように、又は梁部材12の端面12Aと梁部材14の端面14Aとを密着させるように梁部材14を配置する。
施工上、梁部材12の端面12Aと梁部材14の端面14Aとの間に20mm程度の隙間を設けるのが好ましい。
次に、螺旋溝48と無端ロープ47とによって構成される移動手段により中空管22を移動させて梁部材14に形成された孔26に挿入し、梁部材12と梁部材14とを接合する。
ここで、梁部材14を上方から下方へ移動させて、梁部材12の端面12Aに梁部材14の端面14Aが対向するように梁部材14を配置するときに、中空管22は梁部材12に形成された孔18に収容されており、移動手段によって中空管22を移動させるまで梁部材12の端面12Aから中空管22は突出しない。
これにより、梁部材14を上下方向に移動させて、梁部材12と梁部材14とを接合することができる。さらに、PCa部材の接合構造10では梁部材14を横方向や水平方向に移動させて梁部材12と梁部材14とを接合することができる。すなわち、移動方向の制約を受けずに梁部材14を移動させて梁部材12と梁部材14とを接合することができる。
例えば、図3の平面図に示すように、柱部材52とこの柱部材52から2方向に張り出した梁部材12、14とを一体化したPCa製の柱梁部材54、56を複数配置して建築物を構築する場合、建築物の施工領域を2つにわけ、同じ地点Kから右半分の領域を半時計回り(矢印58の順)、左半分の領域を時計回り(矢印60の順)に柱梁部材54、56を設置していくことにより、複数の柱梁部材54、56の梁部材12、14を環状に配置することが考えられる。この場合には、矢印62のように柱梁部材54、56を横方向又は水平方向に移動させて梁部材12と梁部材14とを接合していけばよい。
しかし、最後に配置する柱梁部材54(図3に点線で示した柱梁部材54)の両側には既に柱梁部材54、56が設置されているために、柱梁部材54を横方向又は水平方向に移動させて梁部材12と梁部材14とを接合することができない。このような場合に、柱梁部材54、56(梁部材12、14)を上下方向に移動させて梁部材12と梁部材14とを接合することが可能なPCa部材の接合構造10による接合方法は有効である。
さらに、これ以外の状況においても、既に設置された梁部材の間に柱梁部材や梁部材を設置しなければならない状況や、クレーンのブーム移動範囲が制約された状況等によって柱梁部材や梁部材を横方向や水平方向に移動させることができない場合に、PCa部材の接合構造10による接合方法は優れた効果を発揮する。
中空管22の移動方法は、図2(a)に示すように、モーター50により車輪45を回転させることにより無端ロープ47を回転させる。これによって、中空管22を下方から見た図4の平面図に示すように、無端ロープ47と中空管22の外周面とが接触する部分において無端ロープ47の回転力は駆動力Fとして中空管22の外周面に与えられ、この駆動力Fは、螺旋溝48によって中空管22の軸線Xに対して斜め方向に作用する。
さらに、駆動力Fは、梁鉄筋20を軸にする回転力Fと、梁鉄筋20の軸方向への移動力Fとに変換されるので、孔18に収容された中空管22は、梁鉄筋20を軸にして回転しながら梁鉄筋20の軸方向へ移動し、孔26に挿入される。
このとき、梁部材14に設けられた梁鉄筋28の端部が中空管22に挿入され、梁部材12に設けられた梁鉄筋20と梁部材14に設けられた梁鉄筋28とが中空管22を介して接続される。これによって、梁部材12と梁部材14とが接合される。
また、このとき中空管22の後端部に形成された注入孔40は連通口30の略真下に位置し、中空管22の前端部に形成された排出孔42は排出口38の略真下に位置する。図2(b)の側面図には、図2(a)の状態の後に、梁部材12と梁部材14とを接合した状態が示されている。
よって、梁部材12と梁部材14とを簡単な方法で接合することができるので、梁部材12と梁部材14との接合作業の手間を低減し、効率よく接合作業を行うことが可能となる。
また、無端ロープ47が螺旋溝48に巻き掛けられているので、梁鉄筋20の軸方向への移動力Fを中空管22に確実に作用させることができる。
また、中空管22によって梁鉄筋20と梁鉄筋28とを接続するので、梁鉄筋20と梁鉄筋28とを確実に接続することができる。
また、移動手段は、中空管22の外周面に駆動力Fを与えて中空管22を回転させると共に、この駆動力Fを梁鉄筋20の軸方向への移動力Fに変換して孔18に収容された中空管22を移動させるので、中空管22を回転させる回数によって中空管22の移動距離が決まる。
これにより、収容部(孔18)や挿入部(孔26)の深さや中空管の長さによって異なってくる中空管のさまざまな移動量に対して柔軟に対応することができる。
また、無端ロープ47の回転量を制御することにより中空管22の移動量を調整することが可能なので、中空管22を所定の位置に移動させることができる。
また、中空管22を回転させるスピードによって中空管22の移動スピードが決まるので、無端ロープ47の回転数を制御することにより中空管22の移動スピードを調整することができる。
例えば、移動している中空管22を目視によって所定の位置で止める場合、移動の初期の段階では中空管22の移動スピードを速くし、中空管22が所定の位置に近づいてきたら中空管22の移動スピードを遅くすれば、中空管22を所定の位置に精度よく移動させることができ、かつ短時間で梁鉄筋20と梁鉄筋28の接続作業を行うことができる。
次に、図2(b)の状態で、連通孔口30から注入管(不図示)を挿入して注入孔40に接続し、この注入管から硬化材Wを注入孔40に注入することにより中空管22内に硬化材Wを充填する。そして、この硬化材Wを硬化させて中空管22に梁鉄筋20、28を定着する。これによって、中空管22に梁鉄筋20、28を確実に固定することができる。注入孔40への注入管の接続は、後に説明する図6と同様の方法を用いてもよい。
中空管22内の全てに硬化材Wが充填されたことは、中空管22の前端部に形成された排出孔42から硬化材Wが溢れ出していることを確認することによって判断する。排出孔42からの硬化材Wの溢れ出しは、排出口38から排出孔42を覗いて目視で確認してもよい。また、排出口38から排出孔42に挿入したゲージを引き抜き、この引き抜いたゲージへの硬化材Wの付着の有無によって確認してもよい。また、排出口38から梁部材14の外部に突出するように排出管を排出孔42と連通させて接続し、この排出管からの硬化材Wの溢れ出しによって確認してもよい。
次に、図5に示すように、梁部材12の端面12Aと梁部材14の端面14Aとの間に形成された隙間空間Sの外周部をエアーホース64や簡易な型枠等によって塞ぎ、連通口30を栓66等によって塞ぐ。エアーホースを用いれば硬化材を充填するための準備作業の手間を低減できるので好ましい。
次に、図6に示すように、下方に向かって縮径し下端部の外径長さが注入口34の内径よりもほんの少し小さいテーパが外周面に形成されたゴム栓70に、注入管68の下端を貫通させてゴム栓70から容易に抜けないように固定する。そして、このゴム栓70を注入口34に強く押し込んで注入管68の下端を注入口34に接続する。
そして、注入口34に設けられた注入管68から硬化材Wを注入し、隙間空間S内、シース管16、24内、連通口30内、排出口38内、及び注入孔40内に硬化材Wを充填する。そして、この硬化材Wを硬化させて梁部材12と梁部材14とを一体化する。隙間空間S内、シース管16、24内、連通口30内、排出口38内、及び注入孔40内の全てに硬化材Wが充填されたことは、梁部材14に形成された排出口38から硬化材Wが溢れ出していることを確認することによって判断する。
ここで、例えば図7に示すような従来の柱梁接合構造体72では、柱梁仕口部74と梁部76とを一体化したPCa製の水平構造体78をPCa製の柱部材80上に載置して梁部76同士を接合する際に、梁部76の端部から突出するようにして設けられた梁用接続鉄筋82の端部同士を機械式継手84で接続し、梁部76同士の接合部に型枠を設けてコンクリートUを後打ちしている。
これに対して第1の実施形態のPCa部材の接合構造10では、梁部材12の端面12Aと梁部材14の端面14Aとが密着するように、又は梁部材12の端面12Aと梁部材14の端面14Aとの間に小さな隙間を有するように、梁部材12と梁部材14とを配置することができるので、図5で示したように硬化材W、Wの充填やエアーホース64のセット等の簡単な作業によって梁部材12と梁部材14とを接合することができる。
すなわち、梁部材12と梁部材14との接合部(梁部材12の端面12Aと梁部材14の端面14Aとの間)にコンクリートを後打ちする作業や、コンクリートを後打ちするための型枠設置作業等の煩雑な作業を無くすことが可能となり、施工性の向上を図ることができる。
また、梁部材12の端面12Aと梁部材14の端面14Aとが密着するように、又は梁部材12の端面12Aと梁部材14の端面14Aとの間に小さな隙間を有するように、梁部材12と梁部材14とを配置することにより、梁部材12と梁部材14との接合部のスペースは無くなる又は小さくなるので、従来のように梁部材12と梁部材14と接合部に手やパイプレンチ等の工具などを入れて中空管22の移動作業を行うことは難しくなる。
これに対して第1の実施形態のPCa部材の接合構造10では、梁部材12の外部に配置された車輪45によって、収容部としての孔18から梁部材12の外部へ引き出されている環状部材としての無端ロープ47を回転させることにより中空管22を移動させるので、従来のパイプレンチ等を用いた方法よりも容易に中空管22を移動させることができ、梁部材12の端面12Aと梁部材14の端面14Aとを密着させていても中空管22を移動させることができる。
第1の実施形態では、環状部材を無端ロープ47としたが、螺旋溝48に巻き掛けることができるものであればよく、螺旋溝48の溝形状に合わせた断面形状のロープやベルトを用いればよい。
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。
第2の実施形態は、第1の実施形態で示した中空管22に螺旋溝48が形成されていないものである。従って、第2の実施形態の説明においては中空管及び移動手段についてのみ示し、第1の実施形態と同じ構成のものは同符号を付すると共に適宜省略して説明する。
図8の斜視図に示すように、第2の実施形態のPCa部材の接合構造86では、シース管16によって形成された孔18には、梁部材12の端面12Aから突出しないように中空管88が収容されている。中空管88は柱鉄筋20、28をねじ込む雌ネジが内側に形成されているねじ込み式の機械式継手となっており、中空管88が孔18に収容された状態において、中空管88は梁鉄筋20へ挿入されている。
梁部材12の外表面に形成された開口部46の上方にはモーター50により回転する車輪45が配置され、開口部46を介してベルト90が車輪45と中空管88の外周面とに巻き掛けられている。すなわち、ベルト90は、中空管88の外周面に巻き掛けられて収容部としての孔18から梁部材12の外部へ引き出されている。
また、中空管88の外周面に面するベルト90の内周面には、厚さを有し平面形状が平行四辺形のブロック92がベルト90の長手方向に等間隔に複数設けられている。また、中空管88を下方から見た図9の平面図に示すように、ブロック92の軸線94は、ベルトの回転方向96に対して斜めとなっている。すなわち、ベルト90の回転方向96に対して軸線94が斜めとなるように、ベルト90の内周面に沿ってブロック92が複数設けられている。
ブロック92は、中空管88の外周面に密着できる材料によって形成するのが好ましく、天然ゴムなどの弾性体や、粘弾性体などによって形成してもよい。
また、ベルト90には、モーター50により回転する車輪45の回転力がベルト90を介して中空管88に伝達されるように張力が掛けられている。
次に、本発明の第2の実施形態の作用及び効果について説明する。
第2の実施形態のPCa部材の接合構造86によるPCa部材の接合方法では、まず、梁部材14を上方から下方へ移動させて、既に設置が完了している梁部材12の端面12Aに梁部材14の端面14Aが対向するように梁部材14を配置する。梁部材14の配置は、図2(a)と同様である。
次に、ベルト90とブロック92とによって構成される移動手段により中空管88を移動させて梁部材14に形成された孔26に挿入し、梁部材12と梁部材14とを接合する。
これにより、移動方向の制約を受けずに梁部材14を移動させて梁部材12と梁部材14とを接合することができる。
中空管88の移動方法は、図8に示すように、モーター50によって車輪45を回転させることによりベルト90を回転させる。これによって、図9に示すように、ベルト90に設けられたブロック92と中空管88の外周面とが接触する部分においてベルト90の回転力は駆動力Fとして中空管88の外周面に与えられ、この駆動力Fはベルト90の回転方向96に対して軸線94が斜めとなるブロック92によって中空管88の軸線Xに対して斜め方向に作用する。
さらに、駆動力Fは、梁鉄筋20を軸にする回転力Fと、梁鉄筋20の軸方向への移動力Fとに変換されるので、孔18に収容された中空管88は、梁鉄筋20を軸にして回転しながら梁鉄筋20の軸方向(矢印98の方向)へ移動し、孔26に挿入される。
よって、ベルト90の回転量を制御することにより中空管88を所定の位置に移動させることができ、また、ベルト90の回転数を制御することにより中空管88の移動スピードを調整することができるので、中空管88を所定の位置に精度よく移動させることができ、かつ短時間で梁鉄筋20と梁鉄筋28との接続作業を行うことができる。
また、第2の実施形態のPCa部材の接合構造86では、梁部材12の外部へ引き出されているベルト90を回転させることにより中空管88を移動させるので、梁部材12と梁部材14との接合部(梁部材12の端面12Aと梁部材14の端面14Aとの間)の狭いスペースに手やパイプレンチ等の工具などを入れて中空管の移動作業を行う従来の方法よりも容易に中空管88を移動させることができ、梁部材12の端面12Aと梁部材14の端面14Aとを密着させていても中空管88を移動させることができる。
また、中空管88の外周面に溝等を形成する加工を施さなくてもよいので、低コスト化を図ることができる。
また、ベルト90を中空管88の任意の位置に巻き掛ければよいので、中空管88の外周面にベルト90を巻き掛け易い。
第2の実施形態では、平面形状が平行四辺形のブロック92をベルト90の内周面に設けた例を示したが、中空管88の外周面に、駆動力F(ベルト90の回転力)を中空管88の軸線Xに対して斜め方向に作用させることができればよく、他の平面形状のブロックをベルト90の回転方向96に対して軸線が斜めとなるように設けてもよい。
次に、本発明の第3の実施形態について説明する。
第3の実施形態は、第2の実施形態で示した中空管88に螺旋リブを形成したものである。従って、第3の実施形態の説明においては中空管及び移動手段についてのみ示し、第2の実施形態と同じ構成のものは同符号を付すると共に適宜省略して説明する。
図10の斜視図に示すように、第3の実施形態のPCa部材の接合構造100では、シース管16によって形成された孔18に、梁部材12の端面12Aから端部が突出しないように中空管104が収容されている。
中空管104は、柱鉄筋20、28をねじ込む雌ネジが内側に形成されているねじ込み式の機械式継手となっており、中空管104が孔18に収容された状態において、中空管104は梁鉄筋20へ挿入されている。また、中空管104の外周面に沿って中空管104の軸方向へ螺旋リブ102が形成されている。
梁部材12の外表面に形成された開口部46の上方にはモーター50により回転する車輪45が配置され、開口部46を介して環状部材としての平ベルト106が車輪45と中空管104の外周面とに巻き掛けられている。すなわち、平ベルト106は、中空管104の外周面に巻き掛けられて収容部としての孔18から梁部材12の外部へ引き出されている。
平ベルト106の内周面は、螺旋リブ102と接触する部分に大きな摩擦抵抗を生じさせることができる材料によって形成するのが好ましく、天然ゴムなどの弾性体や、粘弾性体などによって形成してもよい。
また、平ベルト106には、モーター50により回転する車輪45の回転力が平ベルト106を介して中空管104に伝達されるように張力が掛けられている。
次に、本発明の第3の実施形態の作用及び効果について説明する。
第3の実施形態のPCa部材の接合構造100によるPCa部材の接合方法では、まず、梁部材14を上方から下方へ移動させて、既に設置が完了している梁部材12の端面12Aに梁部材14の端面14Aが対向するように梁部材14を配置する。梁部材14の配置は、図2(a)と同様である。
次に、螺旋リブ102と平ベルト106とによって構成される移動手段により中空管104を移動させて梁部材14に形成された孔26に挿入し、梁部材12と梁部材14とを接合する。
これにより、移動方向の制約を受けずに梁部材14を移動させて梁部材12と梁部材14とを接合することができる。
中空管104の移動方法は、図10に示すように、モーター50により車輪45を回転させることにより平ベルト106を回転させる。これによって、平ベルト106の回転力は駆動力Fとして中空管104の螺旋リブ102に伝達される。すなわち、駆動力Fは、螺旋リブ102によって中空管104の軸線Xに対して斜め方向に作用する。
さらに、駆動力Fは、梁鉄筋20を軸にする回転力Fと、梁鉄筋20の軸方向への移動力Fとに変換されるので、孔18に収容された中空管104は、梁鉄筋20を軸にして回転しながら梁鉄筋20の軸方向(矢印98の方向)へ移動し、孔26に挿入される。
よって、平ベルト106の回転量を制御することにより中空管104を所定の位置に移動させることができ、また、平ベルト106の回転数を制御することにより中空管104の移動スピードを調整することができるので、中空管104を所定の位置に精度よく移動させることができ、かつ短時間で梁鉄筋20と梁鉄筋28との接続作業を行うことができる。
また、第3の実施形態のPCa部材の接合構造100では、梁部材12の外部へ引き出されている平ベルト106を回転させることにより中空管104を移動させるので、梁部材12と梁部材14との接合部(梁部材12の端面12Aと梁部材14の端面14Aとの間)の狭いスペースに手やパイプレンチ等の工具などを入れて中空管の移動作業を行う従来の方法よりも容易に中空管104を移動させることができ、梁部材12の端面12Aと梁部材14の端面14Aとを密着させていても中空管104を移動させることができる。
また、平ベルト106を中空管104の任意の位置に巻き掛ければよいので、中空管104の外周面に平ベルト106を巻き掛け易い。
第3の実施形態では、環状部材を平ベルト106としたが、回転力を螺旋リブ102に伝達できるものであればよく、無端ロープや他の断面形状のベルトを用いてもよい。また、図10(b)に示すように、ベルトの表面をラックギア状に形成してもよい。
次に、本発明の第4の実施形態について説明する。
第4の実施形態は、第2の実施形態で示した中空管88に車輪を接触させて中空管88に駆動力を伝達するものである。従って、第4の実施形態の説明においては中空管及び移動手段についてのみ示し、第2の実施形態と同じ構成のものは同符号を付すると共に適宜省略して説明する。
図11の斜視図に示すように、第4の実施形態のPCa部材の接合構造140では、シース管16によって形成された孔18に、梁部材12の端面12Aから端部が突出しないように中空管88が収容されている。
中空管88は、柱鉄筋20、28をねじ込む雌ネジが内側に形成されているねじ込み式の機械式継手となっており、中空管88が孔18に収容された状態において、中空管88は梁鉄筋20へ挿入されている。
図11に示すように、アーム144の下端部に車輪142が回転可能に設けられている。また、アーム144の上部には駆動手段としてのモーター(不図示)が設けられており、無端ベルトによりこのモーターの回転力が車輪142に伝えられて車輪142は回転する。すなわち、駆動手段としてのモーターは、梁部材12の外部から車輪142を回転させる。
そして、車輪142は、回転しながら中空管88の外周面に接触し、この回転力を中空管88に駆動力Fとして伝達する。また、車輪142の回転方向148に対して軸線150が斜めとなるように、厚みを有し平面形状が平行四辺形のブロック146が車輪142の外周面に沿って複数設けられている。
ブロック146は、中空管88の外周面に密着できる材料によって形成するのが好ましく、天然ゴムなどの弾性体や、粘弾性体などによって形成してもよい。
また、車輪142は、モーターにより回転する車輪142の回転力が中空管88に伝達されるように中空管88の外周面に押し付けられている。
次に、本発明の第4の実施形態の作用及び効果について説明する。
第4の実施形態のPCa部材の接合構造140によるPCa部材の接合方法では、まず、梁部材14を上方から下方へ移動させて、既に設置が完了している梁部材12の端面12Aに梁部材14の端面14Aが対向するように梁部材14を配置する。梁部材14の配置は、図2(a)と同様である。
次に、車輪142、モーター、及びブロック146を備える移動手段により中空管88を移動させて梁部材14に形成された孔26に挿入し、梁部材12と梁部材14とを接合する。
これにより、移動方向の制約を受けずに梁部材14を移動させて梁部材12と梁部材14とを接合することができる。
中空管88の移動方法は、図11に示すように、モーターによって車輪142を回転させることによって車輪142の回転力は駆動力Fとして中空管88の外周面に与えられ、この駆動力Fは、車輪142の回転方向148に対して軸線150が斜めとなるブロック146によって中空管88の軸線Xに対して斜め方向に作用する。
さらに、駆動力Fは、梁鉄筋20を軸にする回転力Fと、梁鉄筋20の軸方向への移動力Fとに変換されるので、孔18に収容された中空管88は、梁鉄筋20を軸にして回転しながら梁鉄筋20の軸方向(矢印98の方向)へ移動し、孔26に挿入される。
よって、車輪142の回転量を制御することにより中空管88を所定の位置に移動させることができ、また、車輪142の回転数を制御することにより中空管88の移動スピードを調整することができるので、中空管88を所定の位置に精度よく移動させることができ、かつ短時間で梁鉄筋20と梁鉄筋28との接続作業を行うことができる。
また、第4の実施形態のPCa部材の接合構造140では、駆動手段としてのモーターによって車輪142を梁部材12の外部から回転させることにより中空管88を移動させるので、梁部材12と梁部材14との接合部(梁部材12の端面12Aと梁部材14の端面14Aとの間)の狭いスペースに手やパイプレンチ等の工具などを入れて中空管の移動作業を行う従来の方法よりも容易に中空管88を移動させることができ、梁部材12の端面12Aと梁部材14の端面14Aとを密着させていても中空管88を移動させることができる。
また、中空管88の外周面に溝等を形成する加工を施さなくてもよいので、低コスト化を図ることができる。
また、ベルトやロープ等を中空管88にセットする準備作業を行わなくてもよい。
第4の実施形態では、平面形状が平行四辺形のブロック146を車輪142の外周面に沿って設けた例を示したが、中空管88の外周面に、駆動力F(車輪142の回転力)を中空管88の軸線Xに対して斜め方向に作用させることができればよく、他の平面形状のブロックを車輪142の回転方向148に対して軸線が斜めとなるように設けてもよい。
次に、本発明の第5の実施形態について説明する。
第5の実施形態は、第1の実施形態で示した中空管22の排出孔42に伸縮可能な排出管を設けたものである。従って、第5の実施形態の説明において第1の実施形態と同じ構成のものは、同符号を付すると共に適宜省略して説明する。
図12(a)の側面図には、梁部材12に形成された孔18に中空管22が収容された状態が示されている。
第5の実施形態のPCa部材の接合構造108では、中空管22の排出孔42と連通するように伸縮可能な排出管110が排出孔42に接続されている。また、排出管110にはバネ112が挿入されている。排出管110は、排出孔42と排出管110の孔とが連通するように排出孔42に接続すればよく、例えば、図6で示したゴム栓70を用いた接合方法を用いてもよい。
排出管110の先端部には円盤状の上部材114が設けられている。この上部材114の外径は、梁部材12の端面12Aと梁部材14の端面14Aとの間に形成されている隙間空間Sの水平距離よりも大きく、梁部材14に形成された排出口38の大きさよりも小さいか又は等しくなっている。上部材114の外径は排出口38の大きさよりも小さい方が好ましい。
次に、本発明の第5の実施形態の作用及び効果について説明する。
第5の実施形態のPCa部材の接合構造108によるPCa部材の接合方法では、中空管22の移動についてのみ説明する。
まず、図12(a)に示すように、第1の実施形態で示した図2(a)の方法により、中空管22を梁部材12の孔18から引き出して梁部材14の孔26に向かって移動させる。このとき、排出管110は、梁部材12の孔18の内壁又は梁部材14の孔26の内壁に排出管110の先端部(上部材114)が当たった状態で移動を続ける。梁部材12の孔18の内壁又は梁部材14の孔26の内壁に排出管110の先端部(上部材114)が当たった状態において、排出管110及びバネ112は縮んでおり、排出管110を伸長させようとする付勢力が縮んだバネ112から排出管110に作用している。
上部材114の外径は隙間空間Sの水平距離よりも大きいので、上部材114がこの隙間空間Sを通過するときに排出管110が隙間空間Sの外部へ突出することはない。
さらに中空管22が移動を続けると、排出管110の上部材114が排出口38の真下に到達したときに排出管110はバネ112の付勢力によって排出口38へ伸長しこれにより中空管22の移動は阻止される。図12(b)の側面図には、所定の位置に中空管22が移動した状態が示されている。
よって、排出孔42及び排出口38を形成する位置を調整することによって所定の位置に中空管22を移動させることができる。
また、排出管110の先端部(上部材114)と排出口38との位置を一致させることができるので、中空管22内に充填した硬化材Wの充填確認を確実に行うことができる。
また、中空管22内に充填した硬化材Wの充填確認を行うための排出管を中空管22の移動完了後に設置する手間を省くことができる。
排出孔42からの硬化材Wの溢れ出しは、排出管110の孔から排出孔42を覗いて目視で確認してもよい。また、排出管110から排出孔42に挿入したゲージを引き抜き、この引き抜いたゲージへの硬化材Wの付着の有無によって確認してもよい。また、排出管110からの硬化材Wの溢れ出しによって確認してもよい。
なお、上部材114の外径長さは、排出口38の大きさに近いほど精度よく中空管22を所定の位置で止めることができ、排出口38の大きさよりも小さくするほど確実に中空管22を止めることができる。
また、第5の実施形態では、第1の実施形態に排出管110を適用した例を示したが、第2〜第4の実施形態に第5の実施形態の排出管110を適用してもよい。
次に、本発明の第6の実施形態について説明する。
第6の実施形態は、第1の実施形態で示した梁部材12の連通口30に伸縮可能な注入管を設けたものである。従って、第6の実施形態の説明において第1の実施形態と同じ構成のものは、同符号を付すると共に適宜省略して説明する。
図13(a)の側面図には、梁部材12に形成された孔18に中空管22が収容された状態が示されている。
第6の実施形態のPCa部材の接合構造116では、梁部材12に形成された連通口30に伸縮可能な注入管118が接続されている。注入管118の先端部は孔18の内壁から下方に突出している。また、注入管118にはバネ120が挿入されている。連通口30への注入管118の接続は、例えば、図6で示したゴム栓70を用いた接合方法を用いてもよい。
注入管118の先端部は丸みを帯びており、他の部分の軸径dは一定になっている。注入管118の軸径dは、中空管22に形成された注入孔40の大きさよりも小さいか又は等しくなっている。注入管118の軸径dは、注入孔40の大きさよりも小さい方が好ましい。
次に、本発明の第6の実施形態の作用及び効果について説明する。
第6の実施形態のPCa部材の接合構造116によるPCa部材の接合方法では、中空管22の移動についてのみ説明する。
まず、図13(a)に示すように、第1の実施形態で示した図2(a)の方法により、中空管22を梁部材12の孔18から引き出して梁部材14の孔26に向かって移動させる(矢印122の方向)。このとき、中空管22は、中空管22の外壁に注入管118の先端部が当たった状態で移動を続ける。中空管22の外壁に注入管118の先端部が当たった状態において、注入管118及びバネ120は縮んでおり、注入管118を伸長させようとする付勢力が縮んだバネ120から注入管118に作用している。
さらに中空管22の移動を続けると、注入管118の先端部が注入孔40の真上に到達したときに注入管118はバネ120の付勢力によって注入孔40へ伸長しこれにより中空管22の移動は阻止される。図13(b)の側面図には、所定の位置に中空管22が移動した状態が示されている。
よって、連通口30及び注入孔40を形成する位置を調整することによって所定の位置に中空管22を移動させることができる。
また、注入管118の先端部と注入孔40との位置を一致させることができるので、注入管118から中空管22内に硬化材Wを確実に注入することができる。
また、中空管22内へ硬化材Wを注入するための注入管を中空管22の移動完了後に設置する手間を省くことができる。
なお、注入管118の軸径dの長さは、注入孔40の大きさに近いほど精度よく中空管22を所定の位置で止めることができ、注入孔40の大きさよりも小さくするほどより確実に中空管22を止めることができる。
第6の実施形態では、注入孔40に注入管118を突出させた例を示したが、例えば、第5の実施形態の図12で示したようなバネ112と上部材114とを備えた排出管110を注入孔40と連通するように中空管22に設けて、これを注入管とすればよい。この場合には、中空管22を移動させて上部材114が梁部材12に形成された連通口30の真下に到達したときに注入管はバネの付勢力によって連通口30へ伸長しこれにより中空管22の移動は阻止される。後は、この注入管から硬化材Wを注入孔40へ注入すればよい。
このようにすれば、注入孔40及び連通口30を形成する位置を調整することによって所定の位置に中空管22を移動させることができる。
また、注入管の上部材114と連通口30との位置を一致させることができるので、注入管から中空管22内に硬化材Wを確実に注入することができる。
また、中空管22内へ硬化材Wを注入するための注入管を中空管22の移動完了後に設置する手間を省くことができる。
また、第6の実施形態では、第1の実施形態に注入管118を適用した例を示したが、第2〜第5の実施形態に第6の実施形態の注入管118を適用してもよい。
なお、第1〜第6の実施形態では、既に設置が完了している梁部材12の端面12Aに梁部材14の端面14Aが対向するように梁部材14を上方から下方へ移動させて配置する例を示したが、既に設置が完了している梁部材14の端面14Aに梁部材12の端面12Aが対向するように梁部材12を上方から下方へ移動させて配置する場合においても同様の接合構造及び接合方法を適用する。
また、第1〜第6の実施形態では、梁部材12、14の上部に設けられた梁鉄筋20、28を中空管22、88、104によって接続し、この中空管22、88、104内やこの中空管22、88、104の収容部及び挿入部等に硬化材W、Wを充填する例を示したが、梁部材12、14の下部に設けられた梁鉄筋20、28についても同様の構造及び方法を適用して梁部材12、14に設けられた全ての梁鉄筋20、28同士を接続する。
また、第1〜第6の実施形態で示した連通口30、注入口34、排出口38は、梁部材12、14の下面や側面に形成してもよい。
また、第1〜第6の実施形態では、中空管22、88、104をねじ込み式の機械式継手としたが、ボールネジのように、梁鉄筋20、28と中空管との間の摩擦を軽減できるようにグリースなどを縫っておけば、梁部材12の孔18から梁部材14の孔26に向かって中空管をスムーズに移動させて孔26に挿入し、梁鉄筋28に中空管をスムーズにねじ込ませることができるので好ましい。
また、中空管を移動手段により1回転させたときに中空管が梁部材14の孔26に向かう移動量と、中空管の内側に形成される雌ネジのピッチとを等しくすれば、中空管を効率よく移動させることができるので好ましい。例えば、第1の実施形態の螺旋溝48のピッチ、又は第3の実施形態の螺旋リブ102のピッチと、中空管の内側に形成される雌ネジのピッチとを等しくすればよい。
また、中空管22、88、104の長手方向中央から硬化材Wを注入するようにしてもよい。この場合には、中空管22、88、104の長手方向中央から硬化材Wを注入できるような位置に移動後の中空管を配置し、中空管の両端からの硬化材Wの溢れ出しが確認できるように梁部材12、14に確認口を設ける必要がある。
また、第1〜第3の実施形態では、駆動手段としてのモーター50で車輪45を回転させることにより、環状部材やベルトとしての無端ロープ47、ベルト90、平ベルト106を回転させた例を示したが、他の駆動手段で車輪45を回転させてもよいし、車輪45を用いない方法で環状部材やベルトを回転させてもよい。また、第4の実施形態では、車輪142を回転させる駆動手段をモーターとしたが、他の駆動手段によって車輪142を回転させてもよい。また、環状部材、ベルト、車輪142を人力で回転させてもよい。
また、第1〜第6の実施形態では、開口部46を介して、無端ロープ47、ベルト90、平ベルト106を収容部としての孔18から梁部材12の外部へ引き出した例を示したが、開口部46は梁部材12の外表面における孔18上方の任意の位置に形成すればよい。また、梁部材12の端面12Aと梁部材14の端面14Aとの間にぬすみ(目地よりも少し大きな空間)を形成するように梁部材12に対して梁部材14を配置させて、このぬすみの空間に中空管22、88、104の端部を少し突出させておいて、この突出した中空管22、88、104の端部に無端ロープ47、ベルト90、平ベルト106を巻き掛けてもよい。この場合、梁部材12と梁部材14との接合のための梁部材14の移動が制約されないように、梁部材12の端面12Aからの中空管22、88、104の端部の突出量は、無端ロープ47、ベルト90、平ベルト106が巻き掛けられる最少量にしておく。
また、無端ロープ47、ベルト90、平ベルト106を、これらの部材の途中で切り離したり、再接続したりできるようにして、切り離した状態の無端ロープ47、ベルト90、平ベルト106を中空管22、88、104に巻き掛けてから接続するようにすれば、無端ロープ47、ベルト90、平ベルト106が、より巻き掛け易くなる。
また、図14に示すように、分割した装着部材152、154の外周面に第1の実施形態の螺旋溝48や、第3の実施形態の螺旋リブ102を形成しておき、この装着部材152,154を中空管22の外周面に密着するように装着してもよい。図14は、装着部材152、154の外周面に螺旋溝48が形成されている例を示したものである。
装着部材152、154は、装着部材152、154を中空管22の外周面に密着させたときに装着部材152の端辺152Aと装着部材154の端辺154Aとの間にわずかに隙間が形成できるように、装着部材152と装着部材154とを合わせた内周長さの合計を中空管22の外周長さよりもわずかに短くしておく。
中空管22への装着部材152、154の固定は、まず、形状復帰温度にすると内径が小さくなる形状記憶合金製のリング156を、中空管22に装着した装着部材152、154の両端部に嵌める。この状態でリング156の内径は、装着部材152、154の外径よりも少し大きくなっている。そして、リング156を形状復帰温度にしてリング156の内径を小さくし、装着部材152、154を締め付ける。
このように装着部材152、154を用いれば、中空管22の外周面に加工を施すことなく容易に螺旋溝48や螺旋リブ102を形成することができる。また、さまざまなピッチの螺旋溝48又は螺旋リブ102を形成した数種類の装着部材152、154を用意しておけば、中空管22の外周面に形成する螺旋溝48又は螺旋リブ102の変更を容易に行うことができうる。なお、中空管22への装着部材152、154の固定は、リング156以外の方法によって行ってもよい。例えば、ビニールテープや針金等を装着部材152、154に巻きつけてもよいし、接着剤によって中空管22に装着部材152、154を貼り付けてもよい。
装着部材152、154の長さは、中空管22と同じ長さである必要はなく、中空管22の移動量に応じて適宜決めればよい。また、装着部材152、154を鉄製又はセメント製の建築材料に一般に用いられる材料で製作しておけば、中空管の移動後にこの装着部材152、154を取り外さなくても構造物への悪影響は排除される。
また、第1〜第6の実施形態では、梁部材12の横断面において上部と下部とに水平方向に2本並んだ配置で収容された中空管22、88、104を移動させる例を示したが、水平方向に1つ以上の中空管が並んで収容されたさまざまな配置に対して適用してもよい。
また、複数の中空管22、88、104を同時に移動させてもよい。例えば、第1の実施形態の移動手段を用いて複数の中空管22を同時に移動させる場合には、図15に示すように、複数の中空管22に無端ロープ47を巻き掛ければよい。
また、第1〜第6の実施形態では、第1部材及び第2部材をPCa製の梁部材12、14とした例を示したが、第1部材又は第2部材をPCa製の柱部材としてもよい。
また、第1〜第6の実施形態では、説明の都合上、梁部材12、14に設けられたせん断補強筋は省略されているが、せん断補強筋は、梁部材12、14に求められる強度に応じて適宜設ければよい。また、梁鉄筋20、28、及びせん断補強筋の配置、本数、径の大きさ、形状等は、梁部材12、14に求められる強度に応じて適宜決めればよい。
また、第1〜第6の実施形態では、梁鉄筋20、28の径の大きさ、シース管16、24の内径及び外径の大きさを同じにした例を示したが、これらの大きさは同じでなくてもよい。梁鉄筋20、28の径の大きさが異なっている場合には、異なった径の鉄筋同士の接続が可能な中空管を用いればよい。
また、第1〜第6の実施形態では、全ての梁鉄筋20、28同士を接続しているが、梁部材12、14に設けられる梁鉄筋が多くなる場合、梁の中間部は地震時の応力が小さいので、十分な接合強度が得られれば全ての梁鉄筋同士を接合しなくてもよく、中空管22、88、104の配置や本数は適宜決めればよい。
また、梁に発生するモーメントによる引張力は、梁部材の上部及び下部に配置された梁鉄筋によって負担されるので、第1〜第6の実施形態のように梁鉄筋を梁部材の上部及び下部に配置し、これらの梁鉄筋を中空管によって接合するのが好ましく、さらには、これらの梁鉄筋の内の梁部材の横断面における四隅付近に配置された梁鉄筋同士を中空管によって接合するのが構造上、より好ましい。
また、第1〜第6の実施形態で示したPCa部材の接合構造10、86、100、108、116、140は、梁に発生する曲げモーメントが小さい反曲点での接合に用いることが好ましい。
また、第1〜第6の実施形態では、埋設されたシース管16、24によって孔18、26を形成した例を示したが、孔18には中空管22、88、104が収容でき、孔26には中空管22、88、104が挿入できればよく、シース管以外の管材を埋設して孔18、26を形成してもよい。
また、孔を形成する位置に円柱状の部材を配置しておき、コンクリートが硬化した後にこの円柱状の部材を取り出すことによって孔を形成してもよい。また、穿孔により孔を形成してもよい。
また、第1〜第6の実施形態では、中空管22、88、104の収容部及び挿入部をシース管によって形成された孔とした例を示したが、収容部を複数の中空管22、88、104が収容可能な空間としてもよいし、挿入部を複数の中空管22、88、104が挿入可能な空間としてもよい。
例えば、中空管22の収容部及び挿入部を図16(a)〜(c)に示す空間M、Nとしてもよい。図16(a)の側面図には、端面同士が対向するように梁部材12と梁部材14とを配置し、梁部材12と梁部材14とを接合する前の状態が示されている。
図16(a)、図16(a)のB−B断面図である図13(b)、及び図16(a)のC−C断面図である図16(c)に示すように、梁部材12の端部には梁部材12の端面12Aに開口する直方体状の空間Mが収容部として形成されている。また、梁部材14の端部には梁部材14の端面14Aに開口する直方体状の空間Nが挿入部として形成されている。
空間Mには、梁部材12に設けられた第1鉄筋としての梁鉄筋20の端部が梁部材12の端面12Aから突出しないように露出している。また、空間Nには、梁部材14に設けられた第2鉄筋としての梁鉄筋28の端部が梁部材14の端面14Aから突出しないように露出している。
そして、空間Mには梁部材12の端面12Aから端部が突出しないように中空管22A〜22Dが収容されている。中空管22A〜22Dは、柱鉄筋20、28をねじ込まずに挿入可能な差し込み式の機械式継手としてもよいし、内側に梁鉄筋20、28をねじ込む雌ネジが形成されているねじ込み式の機械式継手としてもよい。中空管22A〜22Dは、空間Mに収容された図16(a)、(b)の状態において、梁鉄筋20へ挿入されている。
図16(a)には、第1の実施形態で説明した中空管22の移動方法(図2を参照のこと)を適用した例が示されている。
図16(b)に示すように、複数段に配置された中空管22A〜22Dに対して、無端ロープ47A〜47Dをそれぞれ巻き掛けて、モーター等の駆動手段によって無端ロープ47A〜47Dをそれぞれ回転させる。これによって、無端ロープ47A〜47Dと中空管22A〜22Dの外周面とが接触する部分において無端ロープ47A〜47Dの回転力は駆動力Fとして中空管22A〜22Dの外周面に与えられる。
空間M及び空間Mの開口の形状や大きさは、1本以上の中空管22を収容できる形状や大きさであればよく、例えば、1本以上の中空管22を収容できる空間Mを複数設けてもよい。また、空間N及び空間Nの開口の形状や大きさは、1本以上の中空管22を挿入できる形状や大きさであればよく、例えば、1本以上の中空管22を挿入できる空間Nを複数設けてもよい。
また、第1〜第6の実施形態で示された硬化材W、Wには、一般に用いられているグラウト材を用いればよく、モルタル、エポキシ樹脂等を使用することができる。
また、第1〜第6の実施形態で示された梁部材12、14の端面12A、14Aの少なくとも一方にコッターを設ければ、梁部材12の端面12Aと梁部材14の端面14Aとの間に硬化材Wを充填した後に、梁部材12と梁部材14との接合強度が増すので好ましい。
また、第1〜第6の実施形態で説明したPCa部材の接合構造10、86、100、108、116、140は、建築物の一部に用いてもよいし、全てに用いてもよい。PCa部材の接合構造10、86、100、108、116、140を用いて建築物を施工することにより、梁部材12と梁部材14とを接合するときに移動方向の制約を受けずに梁部材12又は梁部材14を移動させて梁部材14又は梁部材12と接合させることが可能なPCa部材の接合構造を有する建築物を構築することができる。
以上、本発明の第1〜第6の実施形態について説明したが、本発明はこうした実施形態に何等限定されるものでなく、第1〜第6の実施形態を組み合わせて用いてもよいし、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、種々なる態様で実施し得ることは勿論である。
本発明の第1の実施形態に係るプレキャストコンクリート部材の接合構造を示す説明図である。 本発明の第1の実施形態に係るプレキャストコンクリート部材の接合構造を示す側面図である。 従来の施工方法を示す平面図である。 本発明の第1の実施形態に係る中空管の移動方法を示す平面図である。 本発明の第1の実施形態に係る硬化材の充填方法を示す側面図である。 本発明の第1の実施形態に係る注入管の接続方法を示す説明図である。 従来の施工方法を示す側面図である。 本発明の第2の実施形態に係るプレキャストコンクリート部材の接合構造を示す斜視図である。 本発明の第2の実施形態に係る中空管の移動方法を示す平面図である。 本発明の第3の実施形態に係るプレキャストコンクリート部材の接合構造を示す説明図である。 本発明の第4の実施形態に係るプレキャストコンクリート部材の接合構造を示す斜視図である。 本発明の第5の実施形態に係るプレキャストコンクリート部材の接合構造を示す説明図である。 本発明の第6の実施形態に係るプレキャストコンクリート部材の接合構造を示す説明図である。 本発明の実施形態に係るプレキャストコンクリート部材の接合構造の変形例を示す斜視図である。 本発明の実施形態に係るプレキャストコンクリート部材の接合構造の変形例を示す説明図である。 本発明の実施形態に係るプレキャストコンクリート部材の接合構造の変形例を示す説明図である。 従来の建物の柱梁接合構造体を示す説明図である。
符号の説明
10、86、100、108、116、140 プレキャストコンクリート部材の接合構造
12 梁部材(第1部材)
12A 端面
14 梁部材(第2部材)
14A 端面
18 孔(収容部)
20 梁鉄筋(第1鉄筋)
22、22A〜22D、88、104 中空管
26 孔(挿入部)
28 梁鉄筋(第2鉄筋)
30 連通口
38 排出口
40 注入孔
42 排出孔
47、47A〜47D 無端ロープ(環状部材)
48 螺旋溝
90 ベルト
92、146 ブロック
94 軸線
96 回転方向
102 螺旋リブ
106 平ベルト(環状部材)
110 排出管
112、120 バネ
118 注入管
142 車輪
148 回転方向
150 軸線
152、154 装着部材
F 駆動力
移動力
M 空間(収容部)
N 空間(挿入部)
硬化材
軸線

Claims (12)

  1. プレキャストコンクリート製の第1部材とプレキャストコンクリート製の第2部材とを接合するプレキャストコンクリート部材の接合構造において、
    前記第1部材の端面に開口され前記第1部材に設けられた第1鉄筋を露出させる収容部と、
    前記第2部材の端面に開口され前記第2部材に設けられた第2鉄筋を露出させる挿入部と、
    前記第1鉄筋へ挿入された状態で前記収容部に収容された中空管と、
    前記中空管の軸線に対して斜め方向となる駆動力を前記中空管の外周面に与えて前記第1鉄筋を軸にして前記中空管を回転させると共に、前記駆動力を前記第1鉄筋の軸方向への移動力に変換して前記中空管を前記挿入部へ挿入し、該中空管を介して前記第1鉄筋と前記第2鉄筋とを接続する移動手段と、
    を有することを特徴とするプレキャストコンクリート部材の接合構造。
  2. 前記移動手段は、
    前記中空管の外周面に沿って軸方向へ形成された螺旋溝と、
    前記螺旋溝に巻き掛けられ前記収容部から前記第1部材の外部へ引き出された環状部材と、
    を備えることを特徴とする請求項1に記載のプレキャストコンクリート部材の接合構造。
  3. 前記移動手段は、
    前記中空管の外周面に巻き掛けられ前記収容部から前記第1部材の外部へ引き出されたベルトと、
    前記ベルトの内周面に沿って複数設けられ前記ベルトの回転方向に対して軸線が斜めとなるブロックと、
    を備えることを特徴とする請求項1に記載のプレキャストコンクリート部材の接合構造。
  4. 前記移動手段は、
    前記中空管の外周面に沿って軸方向へ形成された螺旋リブと、
    前記中空管の外周面に巻き掛けられ前記収容部から前記第1部材の外部に引出された環状部材と、
    を備えることを特徴とする請求項1に記載のプレキャストコンクリート部材の接合構造。
  5. 前記移動手段は、
    前記中空管の外周面に接触して前記中空管に前記駆動力を伝達する車輪と、
    前記車輪を前記第1部材の外部から回転させる駆動手段と、
    前記車輪の外周面に沿って複数設けられ前記車輪の回転方向に対して軸線が斜めとなるブロックと、
    を備えることを特徴とする請求項1に記載のプレキャストコンクリート部材の接合構造。
  6. 前記螺旋溝又は前記螺旋リブは、前記中空管に装着される装着部材の外周面に形成されていることを特徴とする請求項2又は4に記載のプレキャストコンクリート部材の接合構造。
  7. 前記収容部の奥方にある前記中空管の後端部に形成された注入孔から前記中空管内に注入された硬化材が排出される排出孔に設けられた伸縮可能な排出管と、
    前記排出管が伸長する方向へ付勢すると共に前記収容部の内壁又は前記挿入部の内壁に前記排出管の先端が当った状態で縮んでいるバネと、
    前記第2部材の外表面に形成され前記排出管が突出可能な排出口と、
    を有することを特徴とする請求項1〜6の何れか1項に記載のプレキャストコンクリート部材の接合構造。
  8. 前記収容部の奥方にある前記中空管の後端部に形成され、前記中空管内に充填される硬化材が注入される注入孔に設けられた伸縮可能な注入管と、
    前記注入管が伸長する方向へ付勢すると共に前記収容部の内壁に前記注入管の先端が当った状態で縮んでいるバネと、
    前記第1部材の外表面に形成され前記注入管が突出可能な連通口と、
    を有することを特徴とする請求項1〜7の何れか1項に記載のプレキャストコンクリート部材の接合構造。
  9. 前記第1部材の外表面に形成され前記収容部と連通する連通口に設けられた伸縮可能な注入管と、
    前記注入管が伸長する方向へ付勢すると共に前記中空管の外壁に前記注入管の先端が当った状態で縮んでいるバネと、
    前記収容部の奥方にある前記中空管の後端部に形成されると共に前記中空管内に充填される硬化材が注入され、前記注入管が突出可能な注入孔と、
    を有することを特徴とする請求項1〜7の何れか1項に記載のプレキャストコンクリート部材の接合構造。
  10. 前記第1部材と前記第2部材とは、梁部材と梁部材、梁部材と柱部材、又は柱部材と梁部材とであることを特徴とする請求項1〜9の何れか1項に記載のプレキャストコンクリート部材の接合構造。
  11. プレキャストコンクリート製の第1部材とプレキャストコンクリート製の第2部材とを接合するプレキャストコンクリート部材の接合方法において、
    前記第1部材の端面に開口され前記第1部材に設けられた第1鉄筋を露出させる収容部に前記第1鉄筋へ挿入された状態で収容された中空管を、前記第2部材の端面に開口され前記第2部材に設けられた第2鉄筋を露出させる挿入部へ移動手段により挿入し、該中空管を介して前記第1鉄筋と前記第2鉄筋とを接続する工程を有し、
    前記移動手段は、前記中空管の軸線に対して斜め方向となる駆動力を前記中空管の外周面に与えて前記第1鉄筋を軸にして前記中空管を回転させると共に、前記駆動力を前記第1鉄筋の軸方向への移動力に変換することを特徴とするプレキャストコンクリート部材の接合方法。
  12. 請求項1〜10の何れか1項に記載のプレキャストコンクリート部材の接合構造を有することを特徴とする建築物。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN106759875A (zh) * 2016-12-15 2017-05-31 济南大学 一种提高钢筋混凝土结构抵抗连续地震灾害的方法

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