JP2009228113A - ルテニウム膜の成膜方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】MOCVD法によるRu膜の成膜の際のインキュベーション時間を短縮し、膜質を向上させる。
【解決手段】Ru膜の成膜方法は、(A)前記被処理基板表面にRuの有機金属錯体を不活性キャリアガスとともに供給し、プラズマを励起して前記Ruの有機金属錯体を分解させることにより、前記被処理基板表面にRu膜を堆積する工程と、(B)前記被処理基板表面から前記Ruの有機金属錯体をパージする工程と、(C)前記Ru膜を、窒素あるいは水素を含む雰囲気により改質する工程と、(D)前記被処理基板表面から、前記窒素あるいは水素を含む雰囲気をパージする工程と、を含む。
【選択図】図3

Description

本発明は一般に成膜方法に係り、特にルテニウム膜の成膜方法に関する。
金属膜の成膜技術は半導体装置の製造において重要である。特にルテニウム(Ru)膜は、キャパシタを集積化した半導体装置において、キャパシタの電極として重要である。
特開2007−173824号公報 J. Electrochem. Soc. 154, D95-D101 (2007)
トレンチキャパシタなどの微細なキャパシタを集積化した半導体装置の製造においては、優れたステップカバレッジが要求される。このため、Ru膜を電極として使う場合、従来は、
で表される構造式を有するビス(エチルシクロペンタジエニル)ルテニウム(Ru(EtCp)2)や、
で表される構造式を有する(2,4−ジメチルペンタジエニル)(エチルシクロペンタジエニル)ルテニウム(Ru(EtCp)(C711):DER)などの、Ruの有機金属錯体を原料としたCVD法やALD法により成膜を行うことが提案されている。
その際、従来は、これらの有機金属錯体原料に酸素ガスを添加し、Ru原子とこれを配位する有機基との間の結合を酸素により切断し、基板上へのRu原子の堆積を低温で生じさせていた。
図1は、Ru(EtCp)2を原料として使ったRu膜の成膜反応を概念的に示す図である。
図1を参照するに、Ru(EtCp)2に酸素原子が作用するとRuと配位子との結合が酸素原子により切断され、Ru原子が被処理基板上に堆積する一方、脱離したエチルシクロペンタジエニル基は系外へと排出される。
しかし、Ru(EtCp)2やDERは熱安定性の高い原料であり、Ru膜の成膜を、酸素ガスを添加して行った場合には、成膜初期にインキュベーション時間が発生し、被処理基板表面への高い密度での核生成が困難になる問題が生じる。また、いったん核が生成すると、成膜が少数の核から急速に進行するため、このような過程で得られる膜は、膜質や表面粗さが劣り、また密着性が劣るという問題があった。特にこのような膜質の劣るRu膜を微細なキャパシタの下部電極膜として使う場合は、その上に、HfO2やZrO2などの金属酸化物よりなる高誘電率膜をキャパシタ絶縁膜として成膜することが多いが、その際に使われる酸化雰囲気が膜質の劣る下部電極膜を通過してその下のコンタクトプラグ層にまで到達する恐れがあり、素子特性を劣化させてしまう懸念があった。
本発明によるルテニウム膜の成膜方法は、(A)被処理基板表面にルテニウムの有機金属錯体を不活性キャリアガスとともに供給し、プラズマにより前記有機金属錯体を分解させることにより、前記被処理基板表面にルテニウム膜を堆積する工程と、(B)前記被処理基板表面から前記有機金属錯体をパージする工程と、(C)前記ルテニウム膜を、窒素あるいは水素を含むガスにより改質する工程と、(D)前記被処理基板表面から、前記窒素あるいは水素を含むガスをパージする工程と、を含むことを特徴とする。
本発明によれば、有機金属錯体を原料としてRu膜の成膜の際に酸素を添加せず、前記有機金属錯体原料をプラズマにより分解させることにより、成膜開始から直ちに被処理基板表面に一様な核生成が生じ、インキュベーション時間が減少し、得られるRu膜の平坦性および膜質が向上する。また本発明によれば、このようにして形成されたRu膜をさらに窒素あるいは水素を含むガスにより改質することにより、膜中に残留している不純物が除去され、高純度のRu膜が得られる。
[第1の実施形態]
図2は、本発明の第1の実施形態において使われるRu膜の成膜装置10の概略的構成を示す。
図2を参照するに、成膜装置10はMOCVD装置であり、被処理基板Wを保持する基板保持台11Aを収容し排気ポート11BにおいてAPCバルブおよび真空ポンプを含む排気系12により排気される処理容器11を備えている。前記処理容器の上部には、前記基板保持台11A上の被処理基板Wに対向してシャワーヘッド13が設けられている。
前記シャワーヘッド13は互いに分離した拡散室13aおよび13bを有するポストミックス型のシャワーヘッドであり、拡散室13aにはバルブV1および原料ガスライン14bを介して原料容器14が接続されており、前記原料容器14には、Ruの有機金属錯体原料として、
で表される構造式を有するDERが、例えば100℃の温度で保持されている。
前記原料容器14中の有機金属錯体原料は、質量流量制御装置(MFC)14Aを備えたライン14aからのArキャリアガスによりバブリングされ、形成された有機金属錯体原料ガスが、前記原料ガスライン14bおよび前記バルブV1を通って前記シャワーヘッド13中の拡散室13aに供給される。さらに原料ガスライン14b中の有機金属錯体原料ガスには、ライン14cより、MFC14Cを介してArガスなどの不活性ガスが、希釈ガスとして添加される。このようにシャワーヘッド13の拡散室13aに供給された有機金属錯体原料ガスは、キャリアガスおよび添加された希釈ガスとともに、前記シャワーヘッド13下面に被処理基板Wと対面して形成され、前記拡散室13aに連通したシャワー開口部13Aより、前記処理容器11内部に画成されたプロセス空間11Sへと放出される。
また前記原料ガス供給ライン14bのうち、前記バルブV1の上流側で前記MFC14Cの下流側のノードNにおいてプリフローライン14Pが、バルブV3を介して接続されている。前記プリフローライン14Pは前記排気系12に直結されており、このため、前記バルブV1を閉じバルブV3を開いた場合、前記原料ガス供給ライン14b中の有機金属錯体原料は、前記キャリアガスおよび添加された希釈ガスとともに、前記排気系12へと棄てられる。
さらに図2の成膜装置10では、前記シャワーヘッド13の拡散室13bにライン14dよりMFC14DおよびバルブV2を介してアンモニア(NH3)ガスが供給され、前記NH3ガスは前記拡散室13bに連通して前記シャワーヘッド13の下面に形成された開口部13Bより、前記処理空間11Sへと放出される。さらに前記バルブV2を介して供給されるNH3ガスには、ライン14eおよびMFC14Eを介して希釈Arガスが添加される。
前記基板保持台11Aにはヒータ11Hが埋設されており、前記被処理基板Wの基板温度を制御しており、さらに例えば周波数が13.56MHzの高周波源15が前記基板保持台11Aに接続されている。そこで前記高周波源15を駆動することにより、前記処理空間11Sには、前記被処理基板Wに近接してプラズマが形成される。
さらに図2の成膜装置10では、前記バルブV1〜V3の動作および高周波源15を制御するコントローラ16が設けられている。前記コントローラ16はプログラムをロードされた汎用コンピュータであり、他にも排気系12,MFC14C,14D,LMFC14B,原料容器14の温度などを制御する。
図3は、前記図2の成膜装置10を使って実行される、本発明第1の実施形態による成膜工程を示すフローチャートである。
図3を参照するに、ステップ1において図示しないゲートバルブを通って、基板搬送装置のアーム(図示せず)に保持された300mm径のシリコンウェハが前記被処理基板Wとして前記処理容器11中に導入され、被処理基板11A上に載置される。この工程は、例えば約10秒間の時間を要する。
次にステップ2において前記ライン14cよりAr希釈ガスを2000sccmの流量で約30秒間にわたり前記処理容器13に供給し、その間に、前記排気系12および図示していないAPCバルブを含む排気系を制御することにより前記プロセス空間11Sの圧力を1Torrに維持しつつ、被処理基板Wの温度を、例えば300℃に昇温させる。
次にステップ3において、前記希釈ガスを、引き続き2000sccmの流量で供給しつつ、バルブV1を閉じてバルブV3を開き、この状態で前記原料容器14にキャリアガスを300sccmの流量で供給することにより、前記原料容器14中のDERを前記プリフローライン14Pへとプリフローさせる。前記ステップ3のプリフロー工程を例えば20秒間実行することにより、前記原料容器14からの有機金属錯体原料の供給が安定化する。
次にステップ4において、前記ステップ3のプリフローを継続しながら、前記高周波源15を300Wのパワーで駆動し、前記プロセス空間11S中、前記被処理基板Wの表面近傍にプラズマを形成する。
次にステップ5において前記ライン14c中の希釈ガスの流量を前記MFC14Cにより1700sccmに設定し、さらに前記バルブV1を開き同時にバルブV3を閉じることにより、前記原料容器14からの有機金属錯体原料を、前記キャリアガスおよび希釈ガスとともに、前記処理容器11に、シャワーヘッド13の拡散室13aおよびシャワー開口部13Aを介して供給し、前記被処理基板W上においてRu膜の成膜を、1Torrのプロセス圧下で約3秒間実行する。後で図4で説明するように、このようにしてプロセス空間11Sに導入された金属錯体原料は前記プラズマのエネルギにより直ちに分解し、インキュベーション時間を生じることなくRuの核生成および成膜が開始される。
次にステップ6において前記高周波源15が消勢され、前記バルブV1が閉じられバルブV3が開かれることにより、前記原料容器14からの有機金属錯体原料が、キャリアガスおよびライン14c中の希釈ガスとともに、前記プリフローライン14Pへと棄てられる。さらにステップ6では前記ライン14eよりAr希釈ガスがバルブV2を介して流量6000sccmの流量で導入され、さらに前記排気系のAPCバルブを全開することにより、前記処理容器11が前記Ar希釈ガスによりパージされる。
次にステップ7おいて前記高周波源15が300Wのパワーで再び駆動され、前記被処理基板Wの表面近傍に再びプラズマが形成される。
さらにステップ8において前記処理容器11に前記ライン14dよりNH3ガスが、1000sccmの流量で、前記ライン14eからの流量が1000sccmのAr希釈ガスとともに、前記バルブV2、シャワーヘッド13の拡散室13bおよびシャワー開口部13Bを経て導入され、前記シャワー開口部13Bより前記プロセス空間11Sに放出される。前記ステップ7を例えば60秒間継続することにより、前記被処理基板Wの表面に堆積したRu膜が改質される。
次にステップ9において前記NH3ガスの供給が遮断され、前記排気系12のAPCバルブが全開され、前記ライン14eからのAr希釈ガスの流量が6000sccmに増大され、前記処理容器11がパージされる。
さらに前記ステップ5〜9を200回程度繰り返すことにより、前記被処理基板W上に厚さが約20nmのRu金属膜を成膜することができる。
図4A〜4Dは、前記図3のプローチャートに対応した成膜プロセスを示す図である。
図4Aを参照するに、前記図3のステップ1において前記被処理基板Wとして表面に酸化膜2を形成されたシリコンウェハ1が前記処理容器11中に導入され、前記図3のステップ5に対応する図4Bの工程において、前記酸化膜2上にRu膜3の堆積が、例えば1サイクルあたり1.3nmの膜厚で生じる。
このようにして堆積したRu膜3は、まだ有機基などの不純物を含んでいる可能性があり、そこで図3のステップ8に対応する図4Cの改質工程を行うことにより、不純物が除去され、前記膜3が高純度Ru膜4に変化する。
さらに図4Bおよび4Cの工程を繰り返すことにより、図4Dに示すように所望の厚さのRu膜4を形成することが可能となる。
図5は、前記ステップ6およびステップ8において被処理基板W表面に生じる有機金属錯体原料の分解反応として考えられるモデルの一つを概念的に示す図である。
図5を参照するに、ステップ6においてDERにプラズマが作用すると、例えば2,4−ジメチルペンタジエニル基とRu原子の結合が切れ、2,4−ジメチルペンタジエニル基が脱離して被処理基板W上に前記Ru膜3の堆積が生じる。ただし、このようにして堆積したRu膜3では、図5に示すようにRu原子とエチルシクロペンタジエニル基との結合が切れていない場合があり、そこで図3,4のプロセスでは、NH3ガスをプラズマ励起して形成されるNHラジカルNH*を堆積したRu膜23に作用させ、エチルシクロペンタジエニル基を脱離させてRu膜3を改質し、高純度Ru膜4を得ている。
本実施形態によれば、ステップ5においてプラズマを形成しているため前記DERの分解は直ちに生じ、インキュベーション時間は実質的に発生しない。またこれにより、被処理基板Wの表面には直ちに高密度で核生成が生じる。このため、このようにして形成されたRu膜3を改質したRu膜4では膜密度が高く、また表面粗さが小さく、電気抵抗が低い好ましい特徴を有する。
前記図3および図4A〜4DのプロセスはALD法のプロセスに類似しているが、本発明のプロセスではステップ5あるいは図4Bの工程においてALD法におけるような化学吸着の飽和、ないしセルフリミット効果が生じず、Ru膜3の成膜は時間とともに進行してしまうため、ステップ5の処理時間を、1〜7秒程度に制御する必要がある。先の説明の例では、この時間を3秒としている。
図6は、このようにして形成されるRu膜4の膜厚と成膜サイクル数の関係を、前記図1の成膜装置10において、図NH3ガスプラズマのかわりに、図7に示すように、酸素ガスをプラズマ励起することなく使った比較対照例と比較して示す図である。
先に図7の比較対照例のプロセスを説明する。
図7を参照するに、ステップ11は図3のステップ1に対応し、300mm径のシリコンウェハが前記処理容器11に導入され、基板保持台11A上に載置される。さらにステップ12において、前記ステップ2と同様にして被処理基板Wを昇温する。ただしこの比較対照例ではプラズマプロセスを使わないため、被処理基板Wの基板温度はより高い348℃に設定している。
次にステップ13において、先のステップ3と同様なプリフローを行い、ステップ14において、前記原料容器14よりDERを流量が100sccmのキャリアガスとともに、前記プロセス空間11Sに5秒間導入し、前記DERよりRu膜3を前記被処理基板Wの表面に堆積させる。
さらに続くステップ15においてArガスにより前記プロセス空間11Sを5秒間パージする。
さらにステップ16において前記プロセス空間11Sに酸素ガスを200sccmの流量で導入し、前記Ru膜3を高純度Ru膜4に改質する。
さらにステップ17において前記プロセス空間11Sをパージする。
図7の比較対照例では、前記ステップ14〜17を40回繰り返し13nmの膜厚のRu膜を得ている。
図6を参照するに、図7の比較対照例のプロセスでは成膜開始から実質的な膜厚が開始されるまでに数回の成膜サイクルが必要で、インキュベーション時間が発生していることがわかる。
これに対し本発明第1の実施形態のプロセスによれば、成膜の初回からRu膜4の堆積が生じており、インキュベーション時間が発生していないことがわかる。これに伴い、上記本発明の第1の実施形態のプロセスでは、被処理基板Wの表面に、成膜の開始時点で高い密度で核が生成し、これら密に分布した核からの成長により、緻密なRu膜4が、一様な膜質で、かつ優れた平坦性をもって形成される。
図8A、8Bは、それぞれこのようにして本発明の第1の実施形態により得られたRu膜24の断面の透過電子顕微鏡(TEM)像および表面の原子間力顕微鏡(AFM)像を、図9A,9Bは、それぞれ図7の比較対照例により得られたRu膜4の断面のTEM像および表面のAFM像を示す。
図8A,8Bを図9A,9Bと比較するに、本発明によれば、比較対照例に対して欠陥の少ないRu膜が得られているのがわかる。

[第2の実施形態]
図10は、本発明の第2の実施形態による成膜装置20の概略的構成を示す。
図10を参照するに、成膜装置20は前記成膜装置10と同様なMOCVD装置であるが、被処理基板Wを保持する基板保持台21Aを収容し排気ポート21BにおいてAPCバルブおよび真空ポンプを含む排気系22により排気される処理容器21を備え、前記処理容器の上部には、前記基板保持台21A上の被処理基板Wに対向してシャワーヘッド23が設けられている。
前記シャワーヘッド23は互いに分離した拡散室23aおよび23bを有するポストミックス型のシャワーヘッドであり、拡散室23aにはバルブV1を介して気化器24Vが接続されており、前記気化器24Vには、Ruの有機金属錯体原料を有機溶媒中に溶解して保持した原料容器24から前記有機金属錯体原料が、液体質量流量計(LMFC)24Bを介して供給され、気化した有機金属錯体原料ガスが、前記気化器24Vに供給されるArガスなどの不活性キャリアガスとともに、前記バルブV1および原料ガスライン24bを通って前記シャワーヘッド23の拡散室23aに供給される。また、前記原料容器24は、ライン24aからのHeガスにより加圧され、前記有機金属錯体原料が前記気化器24Vへと圧送される。さらに、前記気化器24Vから前記シャワーヘッド23へと供給される有機金属錯体原料ガスにはライン24cより、質量流量制御装置(MFC)24Cを介してArガスなどの不活性ガスが、希釈ガスとして添加される。このようにシャワーヘッド23の拡散室23aに供給された原料ガスは、キャリアガスおよび添加された希釈ガスとともに、前記シャワーヘッド23下面に被処理基板Wと対面して形成され、前記拡散室23aに連通した開口部23Aより、前記処理容器21内部に画成されたプロセス空間21Sへと放出される。
また前記原料ガス供給ライン24bのうち、前記バルブV1の上流側で前記気化器24VおよびMFC24Cの下流側のノードNにおいてプリフローライン24Pが、バルブV3を介して接続されている。前記プリフローライン24Pは前記排気系22に直結されており、このため、前記バルブV1を閉じバルブV3を開いた場合、前記原料ガス供給ライン24b中の有機金属錯体原料は、前記キャリアガスおよび添加された希釈ガスとともに、前記ポンプへと棄てられる。
さらに図10の成膜装置20では、前記シャワーヘッド23の拡散室23bにライン24dよりMFC24DおよびバルブV2を介してNH3ガスが供給され、前記NH3ガスは前記拡散室23bに連通して前記シャワーヘッド23の下面に形成された開口部23Bより、前記処理空間21Sへと放出される。また前記シャワーヘッド23の拡散室23bには、ライン24eより別のAr希釈ガスが、MFC24Eを介して供給される。
前記基板保持台21Aにはヒータ21Hが埋設されており、前記被処理基板Wの基板温度を制御しており、さらに例えば周波数が13.56MHzの高周波源25が前記基板保持台21Aに接続されている。そこで前記高周波源25を駆動することにより、前記処理空間21Sには、前記被処理基板Wに近接してプラズマが形成される。
さらに図10の成膜装置20では、前記バルブV1〜V3の動作および高周波源25を制御するコントローラ26が設けられている。前記コントローラ26はプログラムをロードされた汎用コンピュータであり、他にも排気系22,MFC24C,24D,LMFC24B,原料容器24の温度などを制御する。
図11は、図10の成膜装置20を使って行われるRu膜の成膜工程を示すフローチャートである。本実施形態では、前記原料容器24に、脱水精製したオクタン溶媒中に0.2モル%のDERを溶解した液体原料を140℃の温度で保持している。
図11を参照するに、ステップ21において図示しないゲートバルブを通って、基板搬送装置のアーム(図示せず)に保持された300mm径のシリコンウェハが前記被処理基板Wとして前記処理容器21中に導入され、被処理基板21A上に載置される。この工程は、例えば約10秒間の時間を要する。
次にステップ22において前記ライン24cよりAr希釈ガスを2000sccmの流量で約30秒間にわたり前記処理容器23に供給し、その間に図示していないAPCバルブを含む排気系22を制御することにより前記プロセス空間21Sの圧力を1Torrに維持しつつ、被処理基板Wの温度を、例えば300℃に昇温させる。
次にステップ23において、前記希釈ガスを引き続き2000sccmの流量で供給しつつ、バルブV1を閉じてバルブV3を開き、この状態で前記気化器24Vにキャリアガスを400sccmの流量で、また原料容器24a中のDERを50sccmの流量で供給することにより、前記原料容器24中のDERを前記プリフローライン24Pへとプリフローさせる。前記ステップ23のプリフロー工程を例えば20秒間実行することにより、前記原料容器24からの有機金属錯体原料の供給が安定化する。
次にステップ24において、前記ステップ23のプリフローを継続しながら、前記高周波源25を300Wのパワーで駆動し、前記プロセス空間21S中、前記被処理基板Wの表面近傍にプラズマを形成する。
次にステップ25において前記ライン24c中の希釈ガスの流量を前記MFC24Cにより1600sccmに設定し、前記気化器24VへのArキャリアガスの流量を400sccmに設定し、さらに前記バルブV1を開き同時にバルブV3を閉じることにより、前記原料容器24からの有機金属錯体原料を、前記キャリアガスおよび希釈ガスとともに、前記処理容器21に、シャワーヘッド23の拡散室23aおよびシャワー開口部23Aを介して供給する。この状態で前記被処理基板W上においてRu膜の成膜を、約1.5秒間実行する。後で図4において説明するように、このようにしてプロセス空間21Sに導入された金属錯体原料は前記プラズマのエネルギにより直ちに分解し、インキュベーション時間を生じることなくRuの成膜が開始される。
次にステップ26において前記高周波源25が消勢され、前記バルブV1が閉じられバルブV3が開かれることにより、前記原料容器24からの有機金属錯体原料が、キャリアガスおよびライン24c中の希釈ガスとともに、前記プリフローライン24Pへと棄てられる。さらにステップ26では前記ライン24eよりAr希釈ガスがバルブV2を介して流量6000sccmの流量で導入され、さらに前記排気系のAPCバルブを全開することにより、前記処理容器21が前記Ar希釈ガスによりパージされる。
次にステップ27おいて前記高周波源25が300Wのパワーで再び駆動され、前記被処理基板Wの表面近傍に再びプラズマが形成される。
さらにステップ28において前記処理容器21に前記ライン24dよりNH3ガスが、1000sccmの流量で、前記ライン24eからの流量が1000sccmのAr希釈ガスとともに、前記バルブV2、シャワーヘッド23の拡散室23bおよびシャワー開口部23Bを経て導入され、前記シャワー開口部23Bより前記プロセス空間21Sに放出される。前記ステップ27を例えば30秒間継続することにより、前記被処理基板Wの表面に堆積したRu膜が改質される。
次にステップ29において前記NH3ガスの供給が遮断され、前記排気系22のAPCバルブが全開され、前記ライン24eからのAr希釈ガスの流量が6000sccmに増大され、前記処理容器21がパージされる。
さらに前記ステップ25〜29を200回程度繰り返すことにより、前記被処理基板W上に厚さが約27nmのRu金属膜を成膜することができる。
本実施形態によっても、先に第1の実施形態で説明した優れた膜質と平坦性、すなわち表面粗さの小さい緻密な高純度Ru膜を得ることが可能となる。
なお前記第1および第2の実施形態のいずれにおいても、得られるRu膜は、膜厚が10〜20nmの範囲において20μΩcm程度の非常に低い比抵抗を有していた。
以上の実施形態において、前記基板温度は300℃に限定されるものではなく、200〜400℃の範囲で選ぶことができる。前記基板温度が200℃を切ると、プラズマを使っていても成膜速度が低下して成膜が不均一になり、あるいは改質効率が低下して膜質が劣化してしまう。
また成膜圧力も1Torrに限定されるものではなく、0.3Torrから8Torrの範囲において選ぶことが可能である。成膜圧力が0.3Torrを切ると、プラズマを使っていても成膜速度が低下して成膜が不均一になり膜質が劣化してしまう。
さらに前記ステップ5あるいは25,ステップ8あるいは28のプラズマプロセスにおいて使われるパワーは300Wに限定されるものではなく、100〜850Wの範囲で選ぶことが可能である。プラズマパワーが100Wを切ると、成膜速度が低下して成膜が不均一になり、あるいは改質効率が低下して膜質が劣化してしまう。
またステップ5あるいは25においてRu膜の成膜時間は3秒あるいは1.5秒に限定されるものではなく、1秒から7秒の範囲で選ぶことができる。しかし前記成膜時間が1秒未満では1サイクルで十分なRu膜の成膜が生じないため、成膜効率が低下し、一方7秒を超えてしまうと成膜されるRu膜の膜厚が過大となり膜質が劣化し、また例えば凹凸構造上に成膜する場合にステップカバレッジが低下したり、その後の改質工程での改質が不完全になったりする恐れがある。
さらにステップ8あるいは28におけるNH3プラズマによる改質処理時間は、30秒あるいは60秒に限定されるものではなく、3〜90秒の範囲で選ぶことが可能である。前記改質処理時間が3秒より短いと改質が不完全になる恐れがあり、一方90秒を超えると成膜処理全体のスループットが低下する。
さらにステップ6あるいは26,9あるいは29のパージ時間も1〜30秒の範囲で選ぶことができる。パージ時間が1秒より短くなるとプロセス空間11Sあるいは21Sに先のプロセスで使われたガスあるいは反応生成物が残り、それらが取り込まれることで膜質が不良になる恐れがある。一方30秒を超えると、成膜処理全体のスループットが低下してしまう。
さらに先の実施形態では、ステップ8あるいは28の改質処理を、アンモニアNH3をプラズマ励起して生じるNHラジカルNH*を使って行ったが、前記改質領域は水素あるいは窒素を含むガスをプラズマ励起することで行うことも可能である。例えば前記改質処理を、水素ガスをプラズマ励起して形成された水素ラジカルH*や窒素ガスをプラズマ励起して形成された窒素ラジカルN*を使って行うことも可能である。
先の実施形態では、前記処理容器14Aあるいは24Aに保持されるRuの有機金属錯体原料として、化学式1で示した構造式を有するDERを使ったが、同程度の蒸気圧を有するRu(EtCp)2を使っても、同様な結果が得られることが確認されている。因みにDERの蒸気圧は75℃において1Torrであるのに対し、Ru(EtCp)2の94℃での蒸気圧は1.5Torrである。また同様な理由から、本発明においてRuの有機金属錯体原料としては、トリス(ジイソブチリルメタン)ルテニウム(Ru(DIBM)3)、あるいはビス(イソヘキセプタン−2,4−ジオネート)ノルノルナジエンルテニウム(Ru(nbd)(iHD)2などを使うことも可能である。
先のいずれの実施形態においても、ステップ8あるいは28の改質工程はプラズマ処理により実行されているが、これらの工程ではプラズマ処理を行わずに改質を行うことも可能である。
以上、本発明を好ましい実施形態について説明したが、本発明はかかる特定の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載した要旨内において様々な変形・変更が可能である。
従来のRuの有機金属錯体を使った成膜反応モデルを示す図である。 本発明の第1の実施形態で使われる成膜装置の構成を示す図である。 第1の実施形態による成膜プロセスを示すフローチャートである。 図3のフローチャートに対応する成膜工程を示す図(その1)である。 図3のフローチャートに対応する成膜工程を示す図(その2)である。 図3のフローチャートに対応する成膜工程を示す図(その3)である。 図3のフローチャートに対応する成膜工程を示す図(その4)である。 第1の実施形態による成膜反応の可能なモデルの一つを示す図である。 第1の実施形態による成膜プロセスと比較対照例とを比較して示す図である。 比較対照例によるプロセスを示すフローチャートである。 第1の実施形態によるRu膜のTEM像を示す図である。 第1の実施形態によるRu膜のAFM像を示す図である。 比較対照例によるRu膜のTEM像を示す図である。 比較対照例によるRu膜のAFM像を示す図である。 第2の実施形態で使われる成膜装置の構成を示す図である。 第2の実施形態による成膜プロセスを示すフローチャートである。
符号の説明
1 シリコンウェハ
2 酸化膜
3 Ru膜
4 改質Ru膜
10,20 MOCVD装置
11,21 処理容器
11A,21A 基板保持台
11B,21B 排気ポート
11S,21S プロセス空間
13,23 シャワーヘッド
13A,13B シャワー開口部
13a,13b,23a,23b 拡散室
14,24 原料容器
14A,14C,14D,14E,24C,24D,24E MFC
14a,14b,14c,14d,14e,24a,24b,24c,24d,24e ガスライン
15,25 高周波源
16,26 コントローラ
24C LMFC
24V 気化器

Claims (8)

  1. (A)被処理基板表面にルテニウムの有機金属錯体を不活性キャリアガスとともに供給し、プラズマにより前記有機金属錯体を分解させることにより、前記被処理基板表面にルテニウム膜を堆積する工程と、
    (B)前記被処理基板表面から前記有機金属錯体をパージする工程と、
    (C)前記ルテニウム膜を、窒素あるいは水素を含むガスにより改質する工程と、
    (D)前記被処理基板表面から、前記窒素あるいは水素を含むガスをパージする工程と、
    を含むことを特徴とするルテニウム膜の成膜方法。
  2. 前記ルテニウムの有機金属錯体は、ビス(エチルシクロペンタジエニル)ルテニウム、(2,4−ジメチルペンタジエニル)(エチルシクロペンタジエニル)ルテニウム、トリス(ジイソブチリルメタン)ルテニウム、ビス(イソヘキセプタン−2,4−ジオネート)ノルボルナジエンルテニウム、ビス(2,4−ジメチルペンタジエニル)ルテニウム、のいずれかよりなることを特徴とする請求項1記載のルテニウム膜の成膜方法。
  3. 前記工程(A)〜(D)は、200〜450℃の基板温度で実行されることを特徴とする請求項1または2記載のルテニウム膜の成膜方法。
  4. 前記工程(A)および(C)は、0.3〜8Torrの範囲の圧力下で実行されることを特徴とする請求項1〜3のうち、いずれか一項記載のルテニウム膜の成膜方法。
  5. 前記ルテニウム膜を堆積する工程は、1秒以上で7秒以下の時間継続されることを特徴とする請求項1〜4のうち、いずれか一項記載のルテニウム膜の成膜方法。
  6. 前記改質工程は、前記窒素あるいは水素を含むガスをプラズマにより励起して実行されることを特徴とする請求項1〜5のうち、いずれか一項記載のルテニウム膜の成膜方法。
  7. 前記改質工程は、アンモニアガスをプラズマにより励起して実行されることを特徴とする請求項1〜6のうち、いずれか一項記載のルテニウム膜の成膜方法。
  8. 実行されるとき汎用コンピュータに成膜装置を制御させるソフトウェアを記録したコンピュータ可読記録媒体であって、
    前記ソフトウェアは前記成膜装置に、請求項1〜7のうち、いずれか一項記載の成膜方法を実行させることを特徴とするコンピュータ可読記録媒体。
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