JP2009227918A - 内燃機関用潤滑油組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】硫黄、リンおよび金属分を含有しない摩擦調整剤を用いて省燃費性に優れた内燃機関用潤滑油組成物を提供する。
【解決手段】鉱油および/または合成油からなる潤滑油基油と、炭素数8〜30を有する直鎖または分枝の脂肪族ヒドロキシカルボン酸を重合させて得られるエステル0.1〜5質量%とを含む内燃機関用潤滑油組成物。
【選択図】なし

Description

本発明は内燃機関用潤滑油組成物に関する。詳しくは、硫黄を含有しない特定の添加剤を組み合わせ、基油に所定量配合してなる省燃費性に優れる内燃機関用潤滑油組成物に関する。
近年、自動車には排出ガス後処理装置である酸化触媒、NOx還元触媒、ディーゼルパティキュレートフィルタ(DPF)が装着されるようになった。そして、これら触媒やフィルタの寿命延長のために、エンジン油中の硫酸灰分量、リン、硫黄(SAPSと略す:Sulfated Ash, Phosphorus and Sulfurの頭文字からなる用語)の低減が求められ、低リン低硫黄低灰油(Low SAPS油)が開発されるようになった(特許文献1及び2参照)。
しかしながら、SAPSフリーのエンジン油に関しては、摩耗防止性、清浄性、酸化安定性等の低下が懸念されるほか、将来的には従来タイプのエンジン油の場合以上の厳しい省燃費性が求められる。
エンジン油に省燃費性を付与するためには、通常境界潤滑条件下における摩擦を低減させるため、摩擦調整剤(FM:Friction Modifier)が配合されている。FMの中でも、有機モリブデン化合物であるモリブデンジチオカルバメート(MoDTCと略する)が摩擦低減に最も効果があることが報告されているが、化合物中には硫黄元素があることやMoDTCの摩擦低減効果の持続性を保つためには硫黄化合物の併用が必要とされている。このため、MoDTCに替わる硫黄を含まないFMが求められるようになった。しかし従来のエステル系やアミン系のFMでは顕著な摩擦低減効果を得ることができないのが現状である。
特開2005−146010号公報 特開2005−146011号公報
本発明は、エンジンの動弁系にみられる境界潤滑領域の摩擦を低減し、省燃費性に優れた内燃機関用潤滑油組成物を提供することを目的とする。
本発明者らは、前記課題について鋭意研究した結果、硫黄を含有しない特定の添加剤を基油に所定量配合することにより、摩擦を低減し、省燃費性に優れた内燃機関用潤滑油組成物が得られることを見出し、本発明を完成したものである。
すなわち本発明は、鉱油および/または合成油からなる潤滑油基油と、炭素数8〜30を有する直鎖または分枝の脂肪族ヒドロキシカルボン酸を重合させて得られるエステル0.1〜5質量%とを含む内燃機関用潤滑油組成物に関する。
本発明の内燃機関用潤滑油組成物は、省燃費性に優れるだけでなく、高温清浄性および摩耗防止性にも優れ、硫黄、リン、金属による排出ガス後処理装置への影響懸念を低減又は払拭することができ、二輪車及び四輪車用ガソリンエンジン、ディーゼルエンジン、ガスエンジン等の排出ガス後処理装置を装着したエンジン用に好適に用いることができる。また、酸化安定性にも優れ、長期の使用にも耐えうるので、排出ガス後処理装置である酸化触媒やNOx還元触媒の被毒を防止し、かつDPFにおける灰分堆積を防止することが可能である。
以下、本発明を更に詳細に説明する。
本発明に用いる潤滑油基油としては、鉱油、合成油又はこれらの中から選ばれる2種以上の基油の任意混合物が使用できる。例えば、1種以上の鉱油、1種以上の合成油、1種以上の鉱油と1種以上の合成油との混合油が挙げられる。
鉱油としては、具体的には、原油を常圧蒸留して得られる常圧残油を減圧蒸留して得られた潤滑油留分を、溶剤脱れき、溶剤抽出、水素化分解、溶剤脱ろう、水素化精製等の処理を1つ以上行って精製したもの、あるいはワックス異性化鉱油、フィッシャートロプシュプロセス等により製造されるGTL WAX(ガストゥリキッドワックス)を異性化する手法で製造される潤滑油基油が例示できる。
鉱油中の全芳香族含有量については特に制限はないが、好ましくは30質量%以下、より好ましくは15質量%以下、さらに好ましくは10質量%以下、特に好ましくは5質量%以下である。鉱油の全芳香族含有量が30質量%を越える場合は、酸化安定性が劣る恐れがある。
鉱油中の硫黄含有量は、好ましくは0.1質量%以下、さらに好ましくは0.05質量%以下、特に好ましくは0.005質量%以下である。鉱油の硫黄分を低減することで、より高温清浄性に優れる組成物が得られる。
合成油としては、ポリブテン又はその水素化物;1−オクテンオリゴマー、1−デセンオリゴマー等のポリα−オレフィン又はその水素化物;ジトリデシルグルタレート、ジ−2−エチルヘキシルアジペート、ジイソデシルアジペート、ジトリデシルアジペート、又はジ−2−エチルヘキシルセバケート等のジエステル;トリメチロールプロパンカプリレート、トリメチロールプロパンペラルゴネート、ペンタエリスリトール−2−エチルヘキサノエート、又はペンタエリスリトールペラルゴネート等のポリオールエステル;マレイン酸ジブチル等のジカルボン酸類と炭素数2〜30のα−オレフィンとの共重合体、アルキルナフタレン、アルキルベンゼン、又は芳香族エステル等の芳香族系合成油又はこれら2種以上の混合物が例示できる。
潤滑油基油の動粘度については特に制限はないが、100℃での動粘度は1mm/s以上、20mm/s以下であることが好ましく、2mm/s以上、10mm/s以下であることがより好ましい。基油の100℃での動粘度が20mm/sを超える場合は、低温粘度特性が悪化する恐れがあり、一方、その動粘度が1mm/s未満の場合は、潤滑箇所での油膜形成が不十分であるため潤滑性に劣り、また基油の蒸発損失が大きくなる恐れがある。
潤滑油基油の粘度指数については特に制限はないが、低温から高温まで優れた粘度特性が得られるようにその値は80以上であることが好ましく、100以上であることが更に好ましく、120以上であることが最も好ましい。粘度指数の上限については特に制限はなく、ノルマルパラフィン、スラックワックスやGTLワックス等、あるいはこれらを異性化したイソパラフィン系鉱油のような135〜180程度のものやコンプレックスエステル系基油のような150〜250程度のものも使用することができる。基油の粘度指数が80未満では、低温粘度特性が悪化する恐れがある。
本発明の潤滑油組成物は、炭素数8〜30を有する直鎖または分枝脂肪族ヒドロキシカルボン酸を重合させて得られるエステル(以下、便宜的に「ポリエステル」という。)を含有する。
ここで、本発明でいうヒドロキシカルボン酸(ヒドロキシ酸ともいう。)とは、カルボキシル基(−COOH)以外に水酸基(−OH)をさらに有するカルボン酸を意味する。
本発明で用いるヒドロキシカルボン酸は炭素数が8〜30の直鎖または分枝脂肪族ヒドロキシカルボン酸であり、好ましくは炭素数が10〜26、より好ましくは12〜24、更に好ましくは14〜22、最も好ましくは16〜20のヒドロキシカルボン酸である。ヒドロキシカルボン酸の炭素数が8未満の場合、またはヒドロキシカルボン酸の炭素数が30を超える場合は十分な摩擦低減効果が得られないおそれがある。
本発明で用いるヒドロキシカルボン酸は、飽和カルボン酸であっても不飽和カルボン酸であってもよいが、安定性の点から飽和カルボン酸であることが好ましい。また、ヒドロキシカルボン酸は、直鎖カルボン酸又は分枝カルボン酸であってもよいが、直鎖カルボン酸であることが好ましい。
本発明で用いるヒドロキシカルボン酸はカルボキシル基および水酸基を1個づつ有する化合物であるものが好ましい。
また、ヒドロキシカルボン酸における水酸基の結合位置は任意であるが、例えば炭素数18のヒドロキシカルボン酸の場合は、水酸基は12位にあることが好ましい。また、ヒドロキシカルボン酸は単独で用いてもよく、あるいは混合物を用いてもよい。
本発明において用いるポリエステルは、上記したヒドロキシカルボン酸を重合して得られるオリゴマーである。具体的には、上記したヒドロキシカルボン酸をアルカリ触媒の存在下で縮合重合することにより容易に得ることができる。
ポリエステルの重合度は、好ましくは2〜15、より好ましくは2〜10、更に好ましくは3〜7である。重合度が15を超える場合には、摩擦低減効果が十分に得られず、また取り扱いが困難となるおそれがある。また本発明で用いるポリエステルは、特定の重合度のもの単独であってもよいが、異なる重合度のものを混合して用いてもよい。
本発明の潤滑油組成物におけるポリエステルの含有量は、潤滑油組成物全量基準で、下限は0.1質量%以上であり、好ましくは0.3質量%以上、より好ましくは0.5質量%以上、さらに好ましくは0.8質量%以上である。上限は5質量%以下であり、好ましくは4質量%以下、より好ましくは3質量%以下、さらに好ましくは2.5質量%以下である。含有量が0.1質量%未満では十分な摩擦低減効果が得られないおそれがあり、また5質量%を超える場合には含有量に見合った摩擦低減効果が得られず、また潤滑油の酸化安定性等を悪化させるおそれがある。
本発明の潤滑油組成物には、さらにその性能を向上させるために、その目的に応じて潤滑油に一般的に使用されている任意の添加剤を含有させることができる。このような添加剤としては、例えば、金属系清浄剤、無灰分散剤、酸化防止剤、摩耗防止剤(または極圧剤)、前記ポリエステル以外の摩擦調整剤、腐食防止剤、防錆剤、粘度指数向上剤、流動点降下剤、抗乳化剤、金属不活性化剤、消泡剤等の添加剤等を挙げることができる。
金属系清浄剤としては、アルカリ金属スルホネートまたはアルカリ土類金属スルホネート、アルカリ金属フェネートまたはアルカリ土類金属フェネート、およびアルカリ金属サリシレートまたはアルカリ土類金属サリシレート等の正塩、塩基性塩または過塩基性塩等が挙げられる。本発明では、これらからなる群より選ばれる1種または2種以上のアルカリ金属またはアルカリ土類金属系清浄剤、特にアルカリ土類金属系清浄剤を好ましく使用することができる。特にマグネシウム塩および/またはカルシウム塩が好ましく、カルシウム塩がより好ましく用いられる。
無灰分散剤としては、潤滑油に用いられるアルケニルコハク酸イミド、ベンジルアミン、アルケニルポリアミン等任意の無灰分散剤が使用できる。例えば、イミド化に際してポリアミンの一端に炭素数40〜400の直鎖もしくは分枝状のアルキルまたはアルケニル無水コハク酸が付加した式(1)で示すモノコハク酸イミド、またはポリアミンの両端に付加した式(2)で示すビスコハク酸イミドを挙げることができる。
Figure 2009227918
式(1)及び式(2)中、R、R及びRは、それぞれ独立に炭素数40〜400、好ましくは炭素数60〜350の、直鎖若しくは分枝状のアルキル基又はアルケニル基を示す。aは1〜10、好ましくは2〜5の整数、bは1〜10、好ましくは2〜5の整数を示す。
あるいはコハク酸イミドに、ホウ酸(オルトホウ酸、メタホウ酸又はテトラホウ酸等)、ホウ酸塩又はホウ酸エステル等のホウ素化合物等を作用させたホウ素変性コハク酸イミド等を用いることもできる。
上記コハク酸イミドの製法は特に制限はなく、例えば、炭素数40〜400のアルキル基又はアルケニル基を有する化合物を、無水マレイン酸と100〜200℃で反応させて得たアルキルコハク酸又はアルケニルコハク酸をポリアミンと反応させることにより得られる。
ポリアミンとしては、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、ペンタエチレンヘキサミンが例示できる。
酸化防止剤としては、フェノール系、アミン系等の無灰酸化防止剤、銅系、モリブデン系等の金属系酸化防止剤が挙げられる。
フェノール系酸化防止剤としては、例えば、4,4’−メチレンビス(2,6−ジ−tert−ブチルフェノール)、4,4’−ビス(2,6−ジ−tert−ブチルフェノール)、4,4’−ビス(2−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、2,2’−メチレンビス(4−エチル−6−tert−ブチルフェノール)、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、4,4’−ブチリデンビス(3−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、4,4’−イソプロピリデンビス(2,6−ジ−tert−ブチルフェノール)、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−ノニルフェノール)、2,2’−イソブチリデンビス(4,6−ジメチルフェノール)、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−シクロヘキシルフェノール)、2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノール、2,6−ジ−tert−ブチル−4−エチルフェノール、2,4−ジメチル−6−tert−ブチルフェノール、2,6−ジ−tert−α−ジメチルアミノ−p−クレゾール、2,6−ジ−tert−ブチル−4−(N,N’−ジメチルアミノメチルフェノール)、4,4’−チオビス(2−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、4,4’−チオビス(3−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、2,2’−チオビス(4−メチル−6−tert−ブチルフェノール)、ビス(3−メチル−4−ヒドロキシ−5−tert−ブチルベンジル)スルフィド、ビス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)スルフィド、2,2’−チオ−ジエチレンビス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、トリデシル−3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、ペンタエリスリチル−テトラキス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、オクチル−3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、オクタデシル−3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、オクチル−3−(3−メチル−5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート等が好ましく挙げられる。これらは二種以上を混合して使用してもよい。
アミン系酸化防止剤としては、例えば、芳香族アミン化合物、アルキルジフェニルアミン、アルキルナフチルアミン、フェニル−α−ナフチルアミン、アルキルフェニル−α−ナフチルアミン等の潤滑油用として一般に使用されている公知のアミン系酸化防止剤が挙げられる。
摩耗防止剤(または極圧剤)としては、潤滑油に用いられる任意の摩耗防止剤・極圧剤が使用できる。例えば、硫黄系、リン系、硫黄−リン系の極圧剤等が使用でき、具体的には、亜リン酸エステル類、チオ亜リン酸エステル類、ジチオ亜リン酸エステル類、トリチオ亜リン酸エステル類、リン酸エステル類、チオリン酸エステル類、ジチオリン酸エステル類、トリチオリン酸エステル類、これらのアミン塩、これらの金属塩、これらの誘導体、ジチオカーバメート、亜鉛ジチオカーバメート、モリブデンジチオカーバメート、ジサルファイド類、ポリサルファイド類、硫化オレフィン類、硫化油脂類等が挙げられる。これらの中では硫黄系極圧剤の添加が好ましく、特に硫化油脂が好ましい。
本発明の潤滑油組成物においては、省燃費性能を高めるために、前記ポリエステル以外の摩擦調整剤を更に含有させることができる。かかる摩擦調整剤としては、有機モリブデン化合物、および前記ポリエステル以外の無灰摩擦調整剤等が挙げられる。
有機モリブデン化合物としては、モリブデンジチオホスフェート、モリブデンジチオカーバメート等の硫黄を含有する有機モリブデン化合物、モリブデン化合物(例えば、二酸化モリブデン、三酸化モリブデン等の酸化モリブデン、オルトモリブデン酸、パラモリブデン酸、(ポリ)硫化モリブデン酸等のモリブデン酸、これらモリブデン酸の金属塩、アンモニウム塩等のモリブデン酸塩、二硫化モリブデン、三硫化モリブデン、五硫化モリブデン、ポリ硫化モリブデン等の硫化モリブデン、硫化モリブデン酸、硫化モリブデン酸の金属塩またはアミン塩、塩化モリブデン等のハロゲン化モリブデン等)と、硫黄含有有機化合物(例えば、アルキル(チオ)キサンテート、チアジアゾール、メルカプトチアジアゾール、チオカーボネート、テトラハイドロカルビルチウラムジスルフィド、ビス(ジ(チオ)ハイドロカルビルジチオホスホネート)ジスルフィド、有機(ポリ)サルファイド、硫化エステル等)あるいはその他の有機化合物との錯体等、あるいは、上記硫化モリブデン、硫化モリブデン酸等の硫黄含有モリブデン化合物とアルケニルコハク酸イミドとの錯体等を挙げることができる。
また、有機モリブデン化合物としては、構成元素として硫黄を含まない有機モリブデン化合物を用いることができる。構成元素として硫黄を含まない有機モリブデン化合物としては、具体的には、モリブデン−アミン錯体、モリブデン−コハク酸イミド錯体、有機酸のモリブデン塩、アルコールのモリブデン塩などが挙げられ、中でも、モリブデン−アミン錯体、有機酸のモリブデン塩およびアルコールのモリブデン塩が好ましい。
また、前記ポリエステル以外の無灰摩擦調整剤としては、潤滑油用の無灰摩擦調整剤として通常用いられる任意の化合物が使用可能であり、例えば、炭素数6〜30のアルキル基またはアルケニル基、特に炭素数6〜30の直鎖アルキル基または直鎖アルケニル基を分子中に少なくとも1個有する、アミン化合物、脂肪酸エステル、脂肪酸アミド、脂肪酸、脂肪族アルコール、脂肪族エーテル等の無灰摩擦調整剤等が挙げられる。また下記一般式(3)および(4)で表される窒素含有化合物およびその酸変性誘導体からなる群より選ばれる1種以上の化合物や、国際公開第2005/037967号パンフレットに例示されている各種無灰摩擦調整剤が挙げられる。
Figure 2009227918
一般式(3)において、Rは炭素数1〜30の炭化水素基または機能性を有する炭素数1〜30の炭化水素基、好ましくは炭素数10〜30の炭化水素基または機能性を有する炭素数10〜30の炭化水素基、より好ましくは炭素数12〜20のアルキル基、アルケニル基または機能性を有する炭化水素基、特に好ましくは炭素数12〜20のアルケニル基であり、RおよびRは、それぞれ個別に、炭素数1〜30の炭化水素基、機能性を有する炭素数1〜30の炭化水素基または水素、好ましくは炭素数1〜10の炭化水素基、機能性を有する炭素数1〜10の炭化水素基または水素、さらに好ましくは炭素数1〜4の炭化水素基または水素、より好ましくは水素であり、Xは酸素または硫黄、好ましくは酸素を示す。
Figure 2009227918
一般式(4)において、Rは炭素数1〜30の炭化水素基または機能性を有する炭素数1〜30の炭化水素基であり、好ましくは炭素数10〜30の炭化水素基または機能性を有する炭素数10〜30の炭化水素基、より好ましくは炭素数12〜20のアルキル基、アルケニル基または機能性を有する炭化水素基、特に好ましくは炭素数12〜20のアルケニル基であり、R〜R10は、それぞれ個別に、炭素数1〜30の炭化水素基、機能性を有する炭素数1〜30の炭化水素基または水素、好ましくは炭素数1〜10の炭化水素基、機能性を有する炭素数1〜10の炭化水素基または水素、より好ましくは炭素数1〜4の炭化水素基または水素、さらに好ましくは水素を示す。
一般式(4)で表される窒素含有化合物としては、具体的には、炭素数1〜30の炭化水素基または機能性を有する炭素数1〜30の炭化水素基を有するヒドラジドおよびその誘導体である。Rが炭素数1〜30の炭化水素基または機能性を有する炭素数1〜30の炭化水素基、R〜R10が水素の場合、炭素数1〜30の炭化水素基または機能性を有する炭素数1〜30の炭化水素基を有するヒドラジド、RおよびR〜R10のいずれかが炭素数1〜30の炭化水素基または機能性を有する炭素数1〜30の炭化水素基であり、R〜R10の残りが水素である場合、炭素数1〜30の炭化水素基または機能性を有する炭素数1〜30の炭化水素基を有するN−ヒドロカルビルヒドラジド(ヒドロカルビルは炭化水素基等を示す)である。
腐食防止剤としては、例えば、ベンゾトリアゾール系、トリルトリアゾール系、チアジアゾール系、またはイミダゾール系化合物等が挙げられる。
防錆剤としては、例えば、石油スルホネート、アルキルベンゼンスルホネート、ジノニルナフタレンスルホネート、アルケニルコハク酸エステル、または多価アルコールエステル等が挙げられる。
粘度指数向上剤としては、通常の一般的な非分散型または分散型ポリ(メタ)アクリレート、非分散型または分散型エチレン−α−オレフィン共重合体またはその水素化物、ポリイソブチレンまたはその水素化物、スチレン−ジエン水素化共重合体を、スチレン−無水マレイン酸エステル共重合体およびポリアルキルスチレン等を更に含有することができる。これらの粘度指数向上剤の重量平均分子量は、通常800〜1,000,000、好ましくは100,000〜900,000である。
流動点降下剤としては、例えば、使用する潤滑油基油に適合するポリメタクリレート系のポリマー等が使用できる。
抗乳化剤としては、例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、またはポリオキシエチレンアルキルナフチルエーテル等のポリアルキレングリコール系非イオン系界面活性剤等が挙げられる。
金属不活性化剤としては、例えば、イミダゾリン、ピリミジン誘導体、アルキルチアジアゾール、メルカプトベンゾチアゾール、ベンゾトリアゾールまたはその誘導体、1,3,4−チアジアゾールポリスルフィド、1,3,4−チアジアゾリル−2,5−ビスジアルキルジチオカーバメート、2−(アルキルジチオ)ベンゾイミダゾール、またはβ−(o−カルボキシベンジルチオ)プロピオンニトリル等が挙げられる。
消泡剤としては、例えば、25℃における動粘度が1000〜10万mm/sのシリコーンオイル、アルケニルコハク酸誘導体、ポリヒドロキシ脂肪族アルコールと長鎖脂肪酸のエステル、メチルサリチレートとo−ヒドロキシベンジルアルコール等が挙げられる。
これらの添加剤を本発明の潤滑油組成物に含有させる場合には、それぞれその含有量は組成物全量基準で、0.01〜20質量%が好ましい。
本発明の潤滑油組成物の100℃における動粘度については特に制限はないが、好ましくは3.8〜21.9mm/s、より好ましくは4.1〜16.3mm/s、特に好ましくは5.6〜12.5mm/sである。ここでいう100℃における動粘度とは、ASTM D−445に規定される100℃での動粘度を示す。
本発明の潤滑油組成物として特に好ましいものは、優れた摩耗防止性、高温清浄性及び酸化安定性を発揮すると共に、内燃機関に使用される酸化触媒、NOx還元触媒やDPFの寿命を延長に寄与する、SAPS量が低減された組成物である。具体的には、硫酸灰分量は0.2質量%以下、好ましくは0.15質量%以下、リン含量は0.01質量%未満、好ましくは0、硫黄含量は0.1質量%以下、好ましくは0.05質量%以下の潤滑油組成物である。
本発明の内燃機関用潤滑油組成物は、省燃費性に優れるだけでなく、高温清浄性および摩耗防止性にも優れ、硫黄、リンおよび金属による排出ガス後処理装置への影響懸念を低減又は払拭することができ、二輪車及び四輪車用ガソリンエンジン、ディーゼルエンジン、ガスエンジン等の排出ガス後処理装置を装着したエンジン用に好適に用いることができる。また、酸化安定性にも優れ、長期の使用にも耐えうるので、排出ガス後処理装置である酸化触媒やNOx還元触媒の被毒を防止し、かつDPFにおける灰分堆積を防止することが可能である。
また、本発明の潤滑油組成物は、内燃機関用潤滑油のみならず、自動又は手動変速機油、湿式ブレーキ油、油圧作動油、タービン油、圧縮機油、軸受油、冷凍機油等の各種潤滑油への適用も可能である。
以下に本発明を実施例及び比較例によってさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの例に限定されない。
[実施例1〜4及び比較例1〜3]
表1に示す組成の潤滑油組成物を調製した。粘度グレードはすべて5W−30とした(100℃動粘度:約10mm/s)。これらの潤滑油組成物について動弁摩擦トルクの評価を以下の方法で行った。その結果を表1に示す。
なお、表1中の1)〜6)は以下のとおりである。
1)水素化精製鉱油(100℃動粘度:4.3mm/s、硫黄分:0.01質量%未満、粘度指数:124)、
2)摩擦調整剤A:12−ヒドロキステアリン酸の3量体および4量体混合物。
3)その他添加剤B−1:SAPSフリー添加剤パッケージ(酸化防止剤、無灰分散剤、無灰摩耗防止剤、消泡剤等を含む)
4)その他添加剤B−2:JASO DL−1性能添加剤パッケージ(酸化防止剤、ZDTP、無灰分散剤、金属系清浄剤、流動点降下剤、消泡剤等を含む)
5)粘度指数向上剤C−1:分散型ポリメタクリレート(重量平均分子量40万)
6)粘度指数向上剤C−2:オレフィン共重合体(重量平均分子量10万)
(動弁摩擦トルクの評価)
境界潤滑下の領域における摩擦の評価は、軽負荷ディーゼルエンジン(直噴、排気量1.4L、コモンレール式燃料噴射システム、ターボチャージャ装着)の動弁系部分を切り出して、モータ駆動により動弁摩擦トルクを測定した。動弁はローラロッカ型のオーバーヘッドカムシャフト(OHC)であり、油温を100℃に保ちながら、カム軸回転数を275rpm、375rpm、425rpmと変化させて摩擦トルクを測定した。
表1より、摩擦調整剤の添加による動弁摩擦トルクの低下が顕著であり、特にSAPSフリー処方において効果が大きい。
Figure 2009227918

Claims (1)

  1. 鉱油および/または合成油からなる潤滑油基油と、炭素数8〜30を有する直鎖または分枝の脂肪族ヒドロキシカルボン酸を重合させて得られるエステル0.1〜5質量%とを含む内燃機関用潤滑油組成物。
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