JP2009227606A - 金属錯体の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明は、簡便で穏やかな反応条件を用いた工業的に有用な金属錯体の製造方法の提供を目的とする。
【解決手段】多座配位子と金属化合物とを反応温度で液体状態であるイオン性化合物中で反応させることを特徴とする金属錯体の製造方法。
【選択図】なし

Description

本発明は、農薬、医薬品、触媒、電子材料等に有用な遷移金属錯体の製造法に関する。
ハロゲン化イリジウムと有機配位子を反応させて、オルトメタル化イリジウム錯体を製造する方法において、有機配位子を化学量論的に大過剰用いて、反応を活性化させ、反応時間を短縮化し、副生成物である架橋ダイマーの生成を抑制したオルトメタル化イリジウム錯体の製造方法が報告されている(特許文献1参照)。該合成法は、専用のマイクロ波照射施設を必要とし、工業的な大量合成は困難である。
また、溶媒の存在下、強熱することによりイリジウム錯体を製造する方法が報告されている(非特許文献1参照)。しかし、該方法は一般に収率が低く、反応時間が長時間であった。さらに、多工程が必要であり、反応温度が非常に高いため工業的な製造には適していない。
さらに、配位子のリチオ化体と金属塩とを反応させ、イリジウム錯体を製造する方法(特許文献2参照)や、有機水銀化合物の金属交換反応によって合成する方法(非特許文献2参照)が報告されている。配位子のリチオ化体と金属塩とを用いた方法は、低温(−78℃)での取り扱いが必要であり、危険なアルキルリチウムを使用するため、工業的な製造方法としては好ましくない。そして、有機水銀化合物を用いた合成方法に関しては、その毒性のため、実際の製造に使用することは困難であった。
そのため、より簡便で穏やかな反応条件を用いた工業的に有用な金属錯体の製造方法が望まれていた。
特開2004−168755 国際公開第02/060910号パンフレット J.Am.Chem.Soc.,125巻、7377頁、2003年 J.Organometallic,Chem.,335巻、293頁、1987年
本発明は、簡便で穏やかな反応条件を用いた工業的に有用な金属錯体の製造方法の提供を目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決するため、鋭意検討した結果、多座配位子と金属化合物とを反応温度で液体状態であるイオン性化合物中で反応させることにより、穏やかな反応条件で、錯体化反応が進行することを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は下記の手段によって達成された。
〔1〕
多座配位子と金属化合物とを反応温度で液体状態であるイオン性化合物中で反応させることを特徴とする金属錯体の製造方法。
〔2〕
上記イオン性化合物が4級アンモニウム化合物であることを特徴とする〔1〕に記載の金属錯体の製造方法。
〔3〕
上記多座配位子において金属と結合する原子の少なくとも1つが炭素原子であることを特徴とする〔1〕又は〔2〕に記載の金属錯体の製造方法。
〔4〕
上記金属化合物として、イリジウムを含有する金属塩を用いることを特徴とする〔1〕〜〔3〕のいずれかに記載の金属錯体の製造方法。
本発明の方法によれば、毒性の高い試薬を用いることなく、穏やかな反応条件で、今まで合成が困難であった金属錯体を製造することができる。
以下に本発明を詳しく説明する。
本発明に用いる多座配位子としては、特に制限はないが、2座以上6座以下の配位子を用いることが好ましく、3座及び4座配位子がより好ましく、さらに少なくとも1つ以上分子内に金属−炭素結合を生成しうる4座配位子を用いることがより好ましい。
このような配位子の例としては、国際公開第04/108857号、国際公開第05/042550号、国際公開第05/042444号パンフレッド等に記載の有機配位子等を挙げることができる。その中でも、下記一般式(1)〜(3)で表される配位子を用いることが好ましい。
Figure 2009227606
(一般式(1)中、Q101、Q102は、各々独立に金属に配位する原子群を表す。L101は、各々独立に単結合または連結基を表す。)
Figure 2009227606
(一般式(2)中、Q201〜Q203は、各々独立に金属に配位する原子群を表す。L201、L202は、各々独立に単結合または連結基を表す。)
Figure 2009227606
(一般式(3)中、Q301〜Q304は、各々独立に金属に配位する原子群を表す。L301〜L304は、各々独立に単結合または連結基を表す。n301は0または1を表す。)
一般式(1)〜(3)について説明する。
一般式(1)〜(3)中、Q101、Q102、Q201〜Q203、Q301〜Q304は、各々独立に金属に配位する原子群を表す。L101、L201、L202、L301〜L304は、各々独立に単結合または連結基を表す。 Q101、Q102、Q201〜Q203、Q301〜Q304は、それぞれ金属に配位する(配位により形成される結合としては、例えば配位結合、共有結合、イオン結合がある)原子群を表す。Q101、Q102、Q201〜Q203、Q301〜Q304は金属に配位する原子群であれば、特に限定されないが、炭素原子で配位する原子群、窒素原子で配位する原子群、酸素原子で配位する原子群、硫黄原子で配位する原子群、りん原子で配位する原子群が好ましく、炭素原子で配位する原子群、窒素原子で配位する原子群、酸素原子で配位する原子群がより好ましく、炭素原子で配位する原子群、窒素原子で配位する原子群がさらに好ましく、同一配位子内に炭素原子で配位する原子群と窒素原子で配位する原子群とを含むことが特に好ましい。
炭素原子で配位する原子群としては、例えば芳香族炭化水素環基(ベンゼン、ナフタレンなど)、ヘテロ環基(チオフェン、ピリジン、ピラジン、ピリミジン、ピリダジン、トリアジン、チアゾール、オキサゾール、ピロール、イミダゾール、ピラゾール、トリアゾールなど)およびこれらを含む縮合環、およびこれらの互変異性体が挙げられる。これらの基は、さらに置換基を有していても良い。置換基の例としては、後述の置換基群Aで説明する基が挙げられる。
窒素原子で配位する原子群としては、例えば含窒素ヘテロ環基(ピリジン、ピラジン、ピリミジン、ピリダジン、トリアジン、チアゾール、オキサゾール、ピロール、イミダゾール、ピラゾール、トリアゾールなど)、アミノ基(アルキルアミノ基(好ましくは炭素数2〜30、より好ましくは炭素数2〜20、特に好ましくは炭素数2〜10であり、例えばメチルアミノ)、アリールアミノ基(例えばフェニルアミノ)などが挙げられる。)、アシルアミノ基(好ましくは炭素数2〜30、より好ましくは炭素数2〜20、特に好ましくは炭素数2〜10であり、例えばアセチルアミノ、ベンゾイルアミノなどが挙げられる。)、アルコキシカルボニルアミノ基(好ましくは炭素数2〜30、より好ましくは炭素数2〜20、特に好ましくは炭素数2〜12であり、例えばメトキシカルボニルアミノなどが挙げられる。)、アリールオキシカルボニルアミノ基(好ましくは炭素数7〜30、より好ましくは炭素数7〜20、特に好ましくは炭素数7〜12であり、例えばフェニルオキシカルボニルアミノなどが挙げられる。)、スルホニルアミノ基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばメタンスルホニルアミノ、ベンゼンスルホニルアミノなどが挙げられる。)、イミノ基などが挙げられる。これらの基はさらに置換されていても良い。置換基の例としては、後述の置換基群Aで説明する基が挙げられる。
酸素原子で配位する原子群としては、アルコキシ基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜10であり、例えばメトキシ、エトキシ、ブトキシ、2−エチルヘキシロキシなどが挙げられる。)、アリールオキシ基(好ましくは炭素数6〜30、より好ましくは炭素数6〜20、特に好ましくは炭素数6〜12であり、例えばフェニルオキシ、1−ナフチルオキシ、2−ナフチルオキシなどが挙げられる。)、ヘテロ環オキシ基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばピリジルオキシ、ピラジルオキシ、ピリミジルオキシ、キノリルオキシなどが挙げられる。)、アシルオキシ基(好ましくは炭素数2〜30、より好ましくは炭素数2〜20、特に好ましくは炭素数2〜10であり、例えばアセトキシ、ベンゾイルオキシなどが挙げられる。)、シリルオキシ基(好ましくは炭素数3〜40、より好ましくは炭素数3〜30、特に好ましくは炭素数3〜24であり、例えばトリメチルシリルオキシ、トリフェニルシリルオキシなどが挙げられる。)、カルボニル基(例えばケトン基、エステル基、アミド基など)、エーテル基(例えばジアルキルエーテル基、ジアリールエーテル基、フリル基など)などが挙げられる。これらの基はさらに置換されていても良い。置換基の例としては、後述の置換基群Aで説明する基が挙げられる。
硫黄原子で配位する原子群としては、アルキルチオ基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばメチルチオ、エチルチオなどが挙げられる。)、アリールチオ基(好ましくは炭素数6〜30、より好ましくは炭素数6〜20、特に好ましくは炭素数6〜12であり、例えばフェニルチオなどが挙げられる。)、ヘテロ環チオ基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばピリジルチオ、2−ベンズイミゾリルチオ、2−ベンズオキサゾリルチオ、2−ベンズチアゾリルチオなどが挙げられる。)、チオカルボニル基(例えばチオケトン基、チオエステル基など)、チオエーテル基(例えばジアルキルチオエーテル基、ジアリールチオエーテル基、チオフリル基など)などが挙げられる。これらの基はさらに置換されていても良い。置換基の例としては、後述の置換基群Aで説明する基が挙げられる。
りん原子で配位する原子群としては、ジアルキルホスフィノ基、ジアリールホスフィノ基、トリアルキルホスフィン、トリアリールホスフィン、ホスフィニン基等があげられる。これらの基はさらに置換されていても良い。置換基の例としては、後述の置換基群Aで説明する基が挙げられる。
置換基群A
アルキル基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜10であり、例えばメチル、エチル、iso−プロピル、tert−ブチル、n−オクチル、n−デシル、n−ヘキサデシル、シクロプロピル、シクロペンチル、シクロヘキシルなどが挙げられる。)、アルケニル基(好ましくは炭素数2〜30、より好ましくは炭素数2〜20、特に好ましくは炭素数2〜10であり、例えばビニル、アリル、2−ブテニル、3−ペンテニルなどが挙げられる。)、アルキニル基(好ましくは炭素数2〜30、より好ましくは炭素数2〜20、特に好ましくは炭素数2〜10であり、例えばプロパルギル、3−ペンチニルなどが挙げられる。)、アリール基(好ましくは炭素数6〜30、より好ましくは炭素数6〜20、特に好ましくは炭素数6〜12であり、例えばフェニル、p−メチルフェニル、ナフチル、アントラニルなどが挙げられる。)、アミノ基(好ましくは炭素数0〜30、より好ましくは炭素数0〜20、特に好ましくは炭素数0〜10であり、例えばアミノ、メチルアミノ、ジメチルアミノ、ジエチルアミノ、ジベンジルアミノ、ジフェニルアミノ、ジトリルアミノなどが挙げられる。)、アルコキシ基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜10であり、例えばメトキシ、エトキシ、ブトキシ、2−エチルヘキシロキシなどが挙げられる。)、アリールオキシ基(好ましくは炭素数6〜30、より好ましくは炭素数6〜20、特に好ましくは炭素数6〜12であり、例えばフェニルオキシ、1−ナフチルオキシ、2−ナフチルオキシなどが挙げられる。)、ヘテロ環オキシ基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばピリジルオキシ、ピラジルオキシ、ピリミジルオキシ、キノリルオキシなどが挙げられる。)、アシル基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばアセチル、ベンゾイル、ホルミル、ピバロイルなどが挙げられる。)、アルコキシカルボニル基(好ましくは炭素数2〜30、より好ましくは炭素数2〜20、特に好ましくは炭素数2〜12であり、例えばメトキシカルボニル、エトキシカルボニルなどが挙げられる。)、アリールオキシカルボニル基(好ましくは炭素数7〜30、より好ましくは炭素数7〜20、特に好ましくは炭素数7〜12であり、例えばフェニルオキシカルボニルなどが挙げられる。)、アシルオキシ基(好ましくは炭素数2〜30、より好ましくは炭素数2〜20、特に好ましくは炭素数2〜10であり、例えばアセトキシ、ベンゾイルオキシなどが挙げられる。)、アシルアミノ基(好ましくは炭素数2〜30、より好ましくは炭素数2〜20、特に好ましくは炭素数2〜10であり、例えばアセチルアミノ、ベンゾイルアミノなどが挙げられる。)、アルコキシカルボニルアミノ基(好ましくは炭素数2〜30、より好ましくは炭素数2〜20、特に好ましくは炭素数2〜12であり、例えばメトキシカルボニルアミノなどが挙げられる。)、アリールオキシカルボニルアミノ基(好ましくは炭素数7〜30、より好ましくは炭素数7〜20、特に好ましくは炭素数7〜12であり、例えばフェニルオキシカルボニルアミノなどが挙げられる。)、スルホニルアミノ基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばメタンスルホニルアミノ、ベンゼンスルホニルアミノなどが挙げられる。)、スルファモイル基(好ましくは炭素数0〜30、より好ましくは炭素数0〜20、特に好ましくは炭素数0〜12であり、例えばスルファモイル、メチルスルファモイル、ジメチルスルファモイル、フェニルスルファモイルなどが挙げられる。)、カルバモイル基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばカルバモイル、メチルカルバモイル、ジエチルカルバモイル、フェニルカルバモイルなどが挙げられる。)、アルキルチオ基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばメチルチオ、エチルチオなどが挙げられる。)、アリールチオ基(好ましくは炭素数6〜30、より好ましくは炭素数6〜20、特に好ましくは炭素数6〜12であり、例えばフェニルチオなどが挙げられる。)、ヘテロ環チオ基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばピリジルチオ、2−ベンズイミゾリルチオ、2−ベンズオキサゾリルチオ、2−ベンズチアゾリルチオなどが挙げられる。)、スルホニル基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばメシル、トシルなどが挙げられる。)、スルフィニル基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばメタンスルフィニル、ベンゼンスルフィニルなどが挙げられる。)、ウレイド基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばウレイド、メチルウレイド、フェニルウレイドなどが挙げられる。)、リン酸アミド基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜20、特に好ましくは炭素数1〜12であり、例えばジエチルリン酸アミド、フェニルリン酸アミドなどが挙げられる。)、ヒドロキシ基、メルカプト基、ハロゲン原子(例えばフッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子)、シアノ基、スルホ基、カルボキシル基、ニトロ基、ヒドロキサム酸基、スルフィノ基、ヒドラジノ基、イミノ基、ヘテロ環基(好ましくは炭素数1〜30、より好ましくは炭素数1〜12であり、ヘテロ原子としては、例えば窒素原子、酸素原子、硫黄原子であり、具体的にはイミダゾリル、ピリジル、キノリル、フリル、チエニル、ピペリジル、モルホリノ、ベンズオキサゾリル、ベンズイミダゾリル、ベンズチアゾリル、カルバゾリル基、アゼピニル基などが挙げられる。)、シリル基(好ましくは炭素数3〜40、より好ましくは炭素数3〜30、特に好ましくは炭素数3〜24であり、例えばトリメチルシリル、トリフェニルシリルなどが挙げられる。)、シリルオキシ基(好ましくは炭素数3〜40、より好ましくは炭素数3〜30、特に好ましくは炭素数3〜24であり、例えばトリメチルシリルオキシ、トリフェニルシリルオキシなどが挙げられる。)などが挙げられる。
101、L201、L202、L301〜L304はそれぞれ単結合または連結基を表す。連結基としては、特に限定されないが、アルキレン基(例えばメチレン基、ジメチルメチレン基、ジイソプロピルメチレン基、ジフェニルメチレン基、エチレン基、テトラメチルエチレン基など)、アルケニレン基(ビニレン基、ジメチルビニレン基など)、アルキニレン基(エチニレン基など)、アリーレン基(フェニレン基、ナフチレン基など)、ヘテロアリーレン基(ピリジレン基、ピラジレン基、キノリレン基など)、酸素連結基、硫黄連結基、窒素連結基(メチルアミノ連結基、フェニルアミノ連結基、tブチルアミノ連結基など)、ケイ素連結基、及び、これらを組み合わせた連結基(例えばオキシレンメチレン基など)などが挙げられる。下記に具体例を示すが、本発明はこれらに限定されない。
これらの連結基は可能であればさらに置換基を有していてもよく、導入可能な置換基としては、置換基群Aとして挙げたものが適用できる。
Figure 2009227606
一般式(1)中、L101は、単結合、アルキレン基、酸素連結基が好ましく、単結合、アルキレン基がより好ましく、単結合が更に好ましい。
一般式(2)中、L201、L202は、単結合、アルキレン基、酸素連結基が好ましく、単結合、アルキレン基がより好ましく、単結合が更に好ましい。
一般式(3)中、L301、L203は、単結合、アルキレン基、酸素連結基が好ましく、単結合、アルキレン基がより好ましく、単結合が更に好ましい。L302、L204は単結合、アルキレン基、酸素連結基、窒素連結基が好ましく、アルキレン基、酸素連結基が好ましく、アルキレン基が特に好ましい。n301は、0又は1を表す。nが0の時は、Q301とQ304のL304を介した結合は存在しない。
本発明の製造方法により、一般式(1)〜(3)で表される配位子と金属化合物を反応させることにより、それぞれ一般式(4)〜(6)で表される金属錯体を得ることができる。
Figure 2009227606
(一般式(4)中、Q101、Q102は、金属に配位する原子群を表す。L101は、単結合または連結基を表す。m101は0以上の整数を表す。Mは金属原子を表す。Qは、複数存在する場合は互いに独立して金属化合物由来の配位子を表す。MとQ101、Q102及びQとの結合は、それぞれ共有結合でも、配位結合、イオン結合でも良い。)
Figure 2009227606
(一般式(5)中、Q201〜Q203は、金属に配位する原子群を表す。L201及びL202は、単結合または連結基を表す。m201は0以上の整数を表す。Mは金属原子を表す。Qは、複数存在する場合は互いに独立して金属化合物由来の配位子を表す。MとQ201〜Q203及びQとの結合は、それぞれ共有結合でも、配位結合、イオン結合でも良い。)
Figure 2009227606
(一般式(6)中、Q301〜Q304は、金属に配位する原子群を表す。L301〜L304は、単結合または連結基を表す。m301及びn301は0以上の整数を表す。Mは金属原子を表す。Qは、複数存在する場合は互いに独立して金属化合物由来の配位子を表す。MとQ301〜Q304及びQとの結合は、それぞれ共有結合でも、配位結合、イオン結合でも良い。)
一般式(4)〜(6)について説明する。
一般式(4)〜(6)中、Q101、Q102、Q201〜Q203、Q301〜Q304、L201、L202、L301〜L304、m101〜m301及びn101〜n301はそれぞれ一般式(1)〜(3)におけるQ101、Q102、Q201〜Q203、Q301〜Q304、L201、L202、L301〜L304、m101〜m301及びn101〜n301と同義であり、好ましい範囲も同様である。
Mは金属原子を表す。金属原子としては特に限定されないが、遷移金属原子が好ましい。具体的には、ルテニウム、ロジウム、パラジウム、タングステン、レニウム、オスミウム、イリジウム、白金であり、より好ましくは、イリジウム、レニウム、パラジウム、白金であり、さらに好ましくはイリジウム、白金、レニウムであり、特に好ましくはイリジウム、白金である。
101〜m301及びn101〜n301は0以上の整数を表し、0または1であることが好ましく、0であることがより好ましい。
本発明で製造できる金属錯体は高分子鎖、重合性を示す官能基、液晶性を示す官能基、電荷輸送性を示す官能基を有していて良い。
以下に、本発明の製造方法により、製造可能な一般式(4)〜(6)で表される金属錯体の具体例を列挙するが、本発明はこれらの化合物に限定されることはない。
Figure 2009227606
Figure 2009227606
Figure 2009227606
〔金属化合物〕
本発明に用いられる金属化合物に含有される金属としては、特に限定されないが、遷移金属原子が好ましい。具体的には、ルテニウム、ロジウム、パラジウム、タングステン、レニウム、オスミウム、イリジウム、白金であり、より好ましくは、イリジウム、レニウム、パラジウム、白金であり、さらに好ましくはイリジウム、白金、レニウムであり、特に好ましくはイリジウム、白金である。
本発明に用いられる金属化合物でイリジウムを含有する化合物としては、塩化イリジウム、塩化イリジウム酸カリウム、塩化イリジウム酸ナトリウム、臭化イリジウム、ヨウ化イリジウム、イリジウムアセチルアセトナート、カルボニルクロロビス(トリフェニルホスフィン)イリジウム、ジ-μ-クロロビス[(η-シクロオクタ-1,5-ジエン)イリジウム(I)]、ヘキサクロロイリジウム(IV)酸アンモニウム、酸化イリジウム、トリス(2-フェニルピリジン)イリジウム、(η-シクロオクタ-1,5-ジエン)イリジウムアセチルアセトナート、ジ-μ-メトキシビス[(η-シクロオクタ-1,5-ジエン)イリジウム(I)]、イリジウムカルボニル、メチルシクロペンタジエニルシクロオクタ-1,5-ジエンイリジウム等が挙げられる。
これらの金属化合物は、結晶水、結晶溶媒、配位溶媒を含んでいても良い。金属の価数は、特に問わないが、金属が、1価と3価、4価が好ましく、より好ましくは3価である。
本発明に用いられる金属化合物でロジウムを含有する化合物としては、塩化ロジウム、塩化ロジウム酸カリウム、塩化ロジウム酸ナトリウム、臭化ロジウム、ヨウ化ロジウム、ロジウムアセチルアセトナート、塩化トリス(トリフェニルホスフィン)イリジウム(I)(ウィルキンソン触媒)、ジカルボニルアセチルアセトナートロジウム、ヒドリドカルボニルトリス(トリフェニルホスフィン)ロジウム、ジ-μ-クロロビス[(η-シクロオクタ-1,5-ジエン)イリジウム(I)]、ジ-μ-ヒドロキシビス[(η-シクロオクタ-1,5-ジエン)イリジウム(I)]、ロジウムテトラフルオロアセテート等が上げられる。
これらの金属化合物は、結晶水、結晶溶媒、配位溶媒を含んでいても良い。金属の価数は、特に問わないが、金属が、1価と3価が好ましく、より好ましくは3価である。
本発明に用いられる金属化合物でパラジウムを含有する化合物としては、2価のパラジウムを含むものとして、塩化パラジウム、臭化パラジウム、ヨウ化パラジウム、酢酸パラジウム、パラジウムアセチルアセトナート、パラジウムヘキサフルオロアセチルアセトナート、パラジウムトリフルオロアセテート、アリルパラジウムクロライド−ダイマー、(2,2’−ビピリジン)ジクロロパラジウム、ビス(ベンゾニトリル)ジクロロパラジウム、ビス(アセトニトリル)ジクロロパラジウム、(ビシクロ〔2.2.1〕ヘプタ−2,5−ジエン)ジクロロパラジウム、ジクロロ(1,5−シクロオクタジエン)パラジウム、ジブロモビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム、ジクロロ(N,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアミン)パラジウム、ジクロロ(1,10−フェナントロリン)パラジウム、ジクロロビス(トリフェニルホスフィンパラジウム)、アンモニウムテトラクロロパラデート、ジアンミンジブロモパラジウム、ジアンミンジクロロパラジウム、ジアンミンジヨードパラジウム、ポタッシウムテトラブロモパラデート、ポタッシウムテトラクロロパラデート、ソジウムテトラクロロパラデート等、0価のパラジウムを含むものとしては、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム等が挙げられる。
これらの金属化合物は、結晶水、結晶溶媒、配位溶媒を含んでいても良い。金属の価数は、特に問わないが、金属が、2価と0価が好ましく、より好ましくは2価である。
本発明に用いられる金属化合物で白金を含有する化合物としては、2価の白金を含むものとして、塩化白金、臭化白金、ヨウ化白金、プラチナアセチルアセトナート、ビス(ベンゾニトリル)ジクロロプラチナ、ビス(アセトニトリル)ジクロロプラチナ、ジクロロ(1,5−シクロオクタジエン)プラチナ、ジブロモビス(トリフェニルホスフィン)プラチナ、ジクロロ(1,10−フェナントロリン)プラチナ、ジクロロビス(トリフェニルホスフィン)プラチナ、アンモニウムテトラクロロパラデート、ジアンミンジブロモパラジウム、ジアンミンジクロロプラチナ、ジアンミンジヨードプラチナ、ポタッシウムテトラブロモプラチナ−ト、ポタッシウムテトラクロロプラチナート、ソジウムテトラクロロプラチナート等、0価のパラジウムを含むものとしては、テトラキス(トリフェニルホスフィン)プラチナ等が挙げられる。
これらの金属化合物は、結晶水、結晶溶媒、配位溶媒を含んでいても良い。金属の価数は、特に問わないが、金属が、2価と0価が好ましく、より好ましくは2価である。
本発明に用いる金属化合物の使用量は、該金属化合物中に金属錯体を形成する金属原子が1つ含まれる場合は、通常、配位子1モルに対して0.1〜10モル、好ましくは0.5〜5モル、更に好ましくは、1〜3モルである。なお、金属化合物に金属錯体を形成する金属原子が、n個含まれる場合は、その使用量は、1/n倍で良い。
〔イオン性化合物〕
本発明においては反応温度で液体状態であるイオン性化合物を用いる。該イオン性化合物は多座配位子と金属化合物とを反応させる際の反応温度において液体状態であることが必要であり、反応には関与せず、溶媒として用いることができる。
イオン性化合物としてはCで表される化合物(C:カチオン部分、A:アニオン部分)を挙げることができる。イオン性化合物は(常温で液体のものは特にイオン液体とも呼ばれている)、蒸気圧がほとんどなく、引火性、可燃性がなく、熱安定性が高く、比較的低粘性であるという特徴を有している。本発明において、イオン性化合物を用いることにより、溶質がイオンのみに溶媒和され、水や通常の有機溶媒を用いたときとは異なった環境下で反応が進行し、合成困難であった金属錯体を単工程で効率よく製造することが可能となる。
イオン性化合物CにおけるCとしては、典型金属カチオン、有機物カチオンを挙げることができ、好ましくは窒素原子を含む有機物カチオン、リン原子を含む有機物カチオンを挙げることができる。より好ましくは窒素原子を含む有機物カチオンであり、中でも4級アンモニウムを含む有機物カチオンであることが好ましい。
有機物カチオンとしては、アリールまたはアルキルを含むカチオンを挙げることができる。
アリールとして好ましくは炭素原子数5〜10、より好ましくは炭素原子数5〜7であり、ベンゼン環であることが好ましい。
アルキルとして好ましくは炭素原子数2〜12、より好ましくは炭素原子数4〜8、更に好ましくは炭素原子数4であり、n−ブチル、s−ブチルであり、より好ましくは、n−ブチルである。
4級アンモニウムを含む有機物カチオンの具体例としては、例えば以下の構造が挙げられる。テトラブチルアンモニウム、テトラエチルアンモニウム、ベンジルセチルジメチルアンモニウム、ベンジルジメチルフェニルアンモニウム、ベンジルジメチルステアリルアンモニウム、ベンジルトリエチルアンモニウム、ベンジルトリブチルアンモニウム、ベンジルトリメチルアンモニウム、ドデシルトリメチルアンモニウム、メチルトリエチルアンモニウム、フェニルトリエチルアンモニウム、フェニルトリメチルアンモニウム、テトラメチルアンモニウム、テトラベンジルアンモニウム、テトラヘキシルアンモニウム、テトラへプチルアンモニウム、テトラプロピルアンモニウム等。
リン原子を含む有機物カチオンはトリアリールアルキルホスホニウムが好ましい。リン原子を含む有機物カチオンの具体例としては、例えば以下の構造が挙げられる。メチルトリフェニルホスホニウム、エチルトリフェニルホスホニウム、ベンジルトリフェニルホスホニウム、テトラフェニルホスホニウム、テトラブチルホスホニウム、トリフェニルプロピルホスホニウム等。
におけるAとしては、典型元素のアニオン、スルホンアニオン、ホスホンアニオン、BF4−、PF6−、SbF6−、ニトレートを挙げることができ、ハロゲンアニオン、BF4−、PF6−、SbF6−であることが好ましく、ハロゲンアニオンであることがより好ましい。
イオン性化合物として、具体的には、イミダゾリウム塩、ピロリジニウム塩、ピリジニウム塩、アンモニウム、ホスホニウム、スルホニウム、4級アンモニウム化合物、イミダゾリウム化合物、ピリジニウム化合物、ホスホニウム化合物等を挙げることができる。好ましくは4級アンモニウム化合物、イミダゾリウム化合物、ホスホニウム化合物であり、より好ましくは4級アンモニウム化合物、である。 4級アンモニウム化合物としては、例えば、トリアルキルアンモニウムカチオン、テトラアルキルアンモニウムアンモニウムを挙げることができ、好ましくはテトラアルキルアンモニウムである。
イオン性化合物として、さらに以下の具体例を挙げることができるが、本発明はこれらの化合物に限定されることはない。
Figure 2009227606
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塩化 アセチルコリン(Acetylcholine Chloride),ベンゼトニウム クロリド(Benzethonium Chloride), ベンジルジメチルフェニルアンモニウム クロリド(Benzyldimethylphenylammonium Chloride), ベンジル トリブチルアンモニウム クロリド(Benzyltributylammonium Chloride), ベンジルトリエチルアンモニウムクロリド(Benzyltriethylammonium Chlorid), ヘキサデシルトリメチルアンモニウムクロリド(Hexadecyltrimethylammonium Chloride), 塩化 コリン(Choline Chloride), ドデシルトリメチルアンモニウム クロリド(Dodecyltrimethylammonium Chloride), ヘキサデシルトリメチルアンモニウムクロリド
(Hexadecyltrimethylammonium Chloride), n-デシルトリメチルアンモニウム クロリド(n-Decyltrimethylammonium Chlorid), n-オクチルトリメチルアンモニウム クロリド(n-Octyltrimethylammonium Chlorid), フェニルトリエチルアンモニウム クロリド(Phenyltriethylammonium Chlorid), テトラ-n-アミルアンモニウム クロリド(Tetra-n-amylammonium Chlorid), テトラブチルアンモニウムクロリド(Tetrabutylammonium Chlorid), ベンジルトリメチルアンモニウム ヒドロキシド(Benzyltrimethylammonium Hydroxid), テトラブチルアンモニウムフルオリド(Tetrabutylammonium Fluorid), (フェロセニルメチル)トリメチルアンモニウムブロミド(Ferrocenylmethyl)trimethylammonium Bromid), アセチルコリン ブロミド(Acetylcholine Bromid), ベンゾイルコリン ブロミド(Benzoylcholine Bromid), ベンジルトリブチルアンモニウムブロミド(Benzyltributylammonium Bromid), ベンジルトリエチルアンモニウム ブロミド(Benzyltriethylammonium Bromid), ベンジルトリメチルアンモニウムブロミド(Benzyltrimethylammonium Bromid), コリンブロミド (Choline Bromid), ヘキサデシルトリメチルアンモニウムブロミド(Hexadecyltrimethylammonium Bromid), フェニルトリメチルアンモニウム ブロミド(Phenyltrimethylammonium Bromid), テトラ-n-デシルアンモニウムブロミド(Tetra-n-decylammonium Bromid), テトラ-n-オクチルアンモニウム ブロミド(Tetra-n-octylammonium Bromid), テトラ-n-アミルアンモニウム ブロミド(Tetraamylammonium Bromid), テトラブチルアンモニウムブロミド(Tetrabutylammonium Bromid), テトラヘキシルアンモニウムブロミド(Tetrahexylammonium Bromid), テトラヘプチルアンモニウムブロミド(Tetraheptylammonium Bromid), テトラメチルアンモニウム ブロミド(Tetramethylammonium Bromid), テトラプロピルアンモニウム ブロミド(Tetrapropylammonium Bromid), トリメチルステアリルアンモニウムブロミド(Trimethylstearylammonium Bromid), ベンジルトリエチルアンモニウムボロヒドリド(Benzyltriethylammonium Borohydrid), テトラブチルアンモニウムジフルオロトリフェニルシリカート(Tetrabutylammonium Difluorotriphenylsilicat), テトラブチルアンモニウムヘキサフルオロホスファート(Tetrabutylammonium Hexafluorophosphat), テトラブチルアンモニウム硫酸水素塩(Tetrabutylammonium Hydrogen Sulfat), 過塩素酸 テトラブチルアンモニウム(Tetrabutylammonium Perchlorat), テトラブチルアンモニウムホスファート(Tetrabutylammonium Phosphat), テトラ-n-ブチルアンモニウム サリチラート(Tetrabutylammonium Salicylat), テトラブチルアンモニウムチオシアナート(Tetrabutylammonium Thiocyanat), トリフルオロメタンスルホン酸 テトラブチルアンモニウム(Tetrabutylammonium Trifluoromethanesulfonat), テトラエチルアンモニウム p-トルエン スルホナート(Tetraethylammonium p-Toluenesulfonat), 過塩素酸 テトラエチルアンモニウム(Tetraethylammonium Perchlorat), テトラフルオロほう酸 テトラエチルアンモニウム(Tetraethylammonium Tetrafluoroborat), テトラエチルアンモニウム トリフルオロメタンスルホナート(Tetraethylammonium Trifluoromethanesulfonat), テトラメチルアンモニウムアセタート(Tetramethylammonium Acetat), テトラメチルアンモニウム ヘキサフルオロホスファート(Tetramethylammonium Hexafluorophosphat), テトラプロピルアンモニウムペルルテナート(Tetrapropylammonium Perruthenat), ベンジルトリエチルアンモニウム ヨージド(Benzyltriethylammonium Iodid), エチルトリ-n-プロピルアンモニウム ヨージド(Ethyltri-n-propylammonium Iodid), エチルトリメチルアンモニウムヨージド(Ethyltrimethylammonium Iodid), フェニルトリエチルアンモニウム ヨージド(Phenyltriethylammonium Iodid), テトラ-n-アミルアンモニウム ヨージド(Tetra-n-amylammonium Iodid), テトラ-n-オクチルアンモニウムヨージド(Tetra-n-octylammonium Iodid), テトラブチルアンモニウムヨージド(Tetrabutylammonium Iodid), テトラエチルアンモニウム ヨージド(Tetraethylammonium Iodid), テトラフェニルアンモニウム ヨージド(Tetraheptylammonium Iodid), テトラヘキシルアンモニウム ヨージド(Tetrahexylammonium Iodid), テトラメチルアンモニウム ヨージド(Tetramethylammonium Iodid), テトラプロピルアンモニウム ヨージド(Tetrapropylammonium Iodid), トリメチルフェニルアンモニウム ヨージド(Trimethylphenylammonium Iodide)。
本発明に用いられるイオン性化合物の量としては、反応が十分に進行できる量であれば特に制限されないが、通常は使用する配位子に対して、1〜200倍体積量、好ましくは5〜100倍体積量が好ましい。
本発明の製造方法は、空気(大気、ドライエアー)又は不活性ガス(窒素、アルゴン等)雰囲気下で行うことができ、不活性ガス雰囲気下で行うことが好ましい。
本発明の製造法における反応温度、反応時間、反応圧力は、原料、溶媒などによって異なるが、通常、室温(20℃)〜250℃、好ましくは100℃〜220℃、更に好ましくは150℃〜200℃の範囲である。
また、本発明においては、加熱手段は特に限定されない。具体的には、オイルバス、マントルヒーターによる加熱や、マイクロ波照射による加熱を使用することができる。
反応時間は、通常5分〜48時間であるが、好ましくは30分〜24時間、さらに好ましくは2〜20時間である。
反応圧力に関しては、通常、常圧であるが、必要に応じて加圧下でも減圧下でも差し支えない。
本発明によって製造できる金属錯体は、反応終了後、析出した結晶を濾過することにより、単離することができる。また結晶が析出しない場合は、溶媒を留去し、メタノール等の溶媒を加え、析出した結晶を濾取するか、反応終了後、水を加えた後、クロロホルム等の溶媒を用いて、抽出後、有機層を濃縮することによっても単離することができる。得られた金属錯体は、再結晶、再沈殿、昇華、カラムクロマトグラフィー等の通常の精製方法を用いることにより、さらに精製し高純度の金属錯体を得ることもできる。
以下に本発明による金属錯体の代表的な合成例を示すが、本発明はこれらの合成例に限定されるものではない。本発明の他の金属錯体も同様にして合成することができる。
〔実施例1:例示化合物2の合成〕
Figure 2009227606
窒素雰囲気下、室温でナスフラスコに配位子6.30g, 塩化イリジウム(III)3水和物2.48g, ヨウ化テトラn-ブチルアンモニウム10gを仕込み、これらの混合物を200度で19時間攪拌した。室温まで放冷した後、反応物にメタノール50mLを加え、攪拌した。析出した粉末を濾過することで、濾過した錯体をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒クロロホルム)で精製することでイリジウム錯体3.66gを白色粉末(収率72%)として得た。
1H NMR: 5.38(d, 3H), 6.43(dd, 3H), 6.76(dd, 3H), 8.37(d, 3H), 8.50(d, 3H), 300 MHz, in CDCl3
上記実施例から明らかなように、本発明の手法を用いることにより、4座配位子を有するイリジウム錯体を簡便且つ穏やかな反応条件で製造することができる。また、本発明の手法を用いることにより、他のイリジウム錯体、他の金属錯体、3座以上の配位子を有する金属錯体に関しても、同様に簡便且つ穏やかな反応条件で製造することができる。

Claims (4)

  1. 多座配位子と金属化合物とを反応温度で液体状態であるイオン性化合物中で反応させることを特徴とする金属錯体の製造方法。
  2. 上記イオン性化合物が4級アンモニウム化合物であることを特徴とする請求項1に記載の金属錯体の製造方法。
  3. 上記多座配位子において金属と結合する原子の少なくとも1つが炭素原子であることを特徴とする請求項1又は2に記載の金属錯体の製造方法。
  4. 上記金属化合物として、イリジウムを含有する金属塩を用いることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の金属錯体の製造方法。
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