JP2009226760A - マイクロ波照射加硫方法及び装置 - Google Patents

マイクロ波照射加硫方法及び装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2009226760A
JP2009226760A JP2008075370A JP2008075370A JP2009226760A JP 2009226760 A JP2009226760 A JP 2009226760A JP 2008075370 A JP2008075370 A JP 2008075370A JP 2008075370 A JP2008075370 A JP 2008075370A JP 2009226760 A JP2009226760 A JP 2009226760A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
microwave irradiation
vulcanization
tube
water
heating
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2008075370A
Other languages
English (en)
Inventor
Masami Tanmachi
正美 反町
Osamu Nemoto
修 根本
Hidetoshi Nemoto
英俊 根本
Kazuhiro Sagi
一宏 鷺
Takeyoshi Taki
毅義 滝
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hitachi Cable Ltd
Original Assignee
Hitachi Cable Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Hitachi Cable Ltd filed Critical Hitachi Cable Ltd
Priority to JP2008075370A priority Critical patent/JP2009226760A/ja
Publication of JP2009226760A publication Critical patent/JP2009226760A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Heating, Cooling, Or Curing Plastics Or The Like In General (AREA)
  • Extrusion Moulding Of Plastics Or The Like (AREA)

Abstract

【課題】発泡を防止して押出し成形物を加硫させるマイクロ波照射加硫方法を提供する。
【解決手段】押出機3により押出し成形された押出し成形物をマイクロ波照射加硫し、加熱加硫した後、さらに冷却するマイクロ波照射加硫方法において、マイクロ波照射加硫するマイクロ波照射加硫工程と、加熱加硫する加熱加硫工程と、冷却する冷却工程とを加圧下で行う方法である。
【選択図】図1

Description

本発明は、ポリマーの加硫(架橋)方法及び装置、特にマイクロ波を利用したマイクロ波照射加硫方法及び装置に関する。
マイクロ波(UHF)とは極めて短い波長の電磁波で、波長が3〜30cm(周波数1000〜10000MHz)程度のものを総称し、工業用加熱として利用されるマイクロ波は2450MHz、915MHzの2バンドである。食品、木材などの誘電体をマイクロ波の電界中におくと、誘電体中の双極子がマイクロ波の電場により激しく振動回転し、その摩擦熱により誘電体自身が発熱する。この原理を利用し、急速調理器として電子レンジが家庭において普及している。
ポリマーの加硫は加圧蒸気法、溶融塩法、流動床法、熱風加熱法、電子線照射法などの連続加硫方法や金型加硫法、缶加硫法などのバッチ加硫方式が採用されているが、加硫装置価格、加硫速度、取り扱い性、製品性能等々からそれぞれ一長一短がある。これに対しマイクロ波加熱によるゴムの加硫は、取り扱い性、加硫速度、装置メンテナンスなどに優れていることから異型材料やホース類の押出し連続加硫に以前より利用されてきている。
一方、平型ケーブルや丸型大サイズケーブルの製造は短尺品が多いことから、直接缶加硫や鉛、ポリメチルペンテン(TPX)などの被覆材を一旦被覆加硫後、被覆材を剥離する方法がとられていた。
なお、この出願の発明に関連する先行技術文献情報としては、次のものがある。
特開平4−62728号公報 特開昭58−102410号公報 特開2000−100265号公報 特開平4−232005号公報 特開平5−42554号公報 特開昭60−84722号公報 特開昭59−91611号公報
マイクロ波照射加硫によるホース類の製造はソリッドタイプ、発泡タイプ両者に採用され、異型材料の金属インサートタイプの押出しにも威力を発揮している。
しかし最近、ポリマー材料に対する要求特性(難燃性)が厳しくなり、これを満足するためには、各種配合剤として水酸化Mgや水酸化Alなどの金属水酸化物を添加する必要が出てきた。これらの配合剤は吸水性を有するため、ポリマー材料中に水分が浸入しやすくなる。そして、ポリマー材料が従来のマイクロ波照射加硫のように常圧で加熱されると、材料によっては浸入した水分を起点として加硫時に発泡を生じ、製品にならないことがある。これを防止するため、酸化カルシウムのような脱水剤を添加する方法が採られているのが一般的である。
ところが完成した製品にこの脱水剤が残存するため、なお使用時に吸水するという現象が生じ問題であった。また、マイクロ波加熱による加硫は、急速にポリマー材料が加熱されることにより、従来の加圧蒸気法などの方法よりも顕著に発泡が生じやすい。
最近、金属や編組の補強材をポリマー材料中にインサートした構造の製品の製造において、基材のポリマーとこれらの補強材との密着が十分でなく、場合によっては界面剥離し補強材の役目を果たさない不具合が生じ問題であった。これは常圧の加硫のため生じている。つまり、従来よりマイクロ波照射加硫は常圧加硫が一般的であると考えられていたため、加圧しなくても加硫できる製品にのみ適用されてきた経緯がある。
この問題を解決するため、加硫工程前にTPXを製品上に一旦押出し被覆し、加硫工程後剥離する対策がとられている。TPXは再利用されるが、熱劣化を受けるためそのリサイクル回数に制限があり、比較的高価なため材料費がかさむ欠点があった。
さらに、ケーブルの製造において、直接蒸気による缶加硫や鉛・TPX被覆加硫では工程が複雑で納期がかかったり、完成製品のキズの検査や修理に時間を要したりしていた。
そこで、本発明の目的は、発泡を防止して押出し成形物を加硫させるマイクロ波照射加硫方法及び装置に関する。
前記目的を達成するために創案された本発明は、押出機により押出し成形された押出し成形物をマイクロ波照射加硫し、加熱加硫した後、さらに冷却するマイクロ波照射加硫方法において、マイクロ波照射加硫するマイクロ波照射加硫工程と、加熱加硫する加熱加硫工程と、冷却する冷却工程とを加圧下で行うマイクロ波照射加硫方法である。
前記マイクロ波照射加硫工程と、前記加熱加硫工程と、前記冷却工程とを0.1〜0.5MPaの加圧下で行うとよい。
前記マイクロ波照射工程は、水蒸気を供給しながら前記押出し成形物をマイクロ波照射加硫する工程であってもよい。
前記押出し成形物がシート状、丸型を含む異型ポリマー成形物からなるとよい。
前記異型ポリマー成形物の中に金属や紐などの補強層がインサートされていてもよい。
前記押出し成形物がホース状に形成された、あるいは線状の導体上に被覆された形状及び/又は複数本の電線を束ねた上に被覆された形状に形成されていてもよい。
前記押出し成形物がゴム材料からなるとよい。
また本発明は、押出機により押出し成形された押出し成形物をマイクロ波照射加硫管でマイクロ波照射加硫し、加熱加硫管で加熱加硫した後、さらに水冷管で冷却するマイクロ波照射加硫装置において、前記マイクロ波照射加硫管、前記加熱加硫管、前記水冷管を加圧下にしたマイクロ波照射加硫装置である。
前記押出機と前記マイクロ波照射加硫管の間にスプライスボックスを設け、前記水冷管の出口部に圧力シール部材を設けるとよい。
前記マイクロ波照射加硫管のみが石英またはポリ4フッ化エチレンで形成される、あるいは前記マイクロ波照射加硫管、前記加熱加硫管、前記水冷管が石英またはポリ4フッ化エチレンで形成されるとよい。
本発明によれば、押出し成形物の発泡を防止しつつ、押出し成形物を加硫できる。
本発明者らは、前述した課題を検討し、発泡を防止して押出し成形物を加硫させ、いかに装置を実用できるような小型化にし、さらには連続加硫に適した圧力のシールの仕方をも模索しつつ鋭意研究した結果、本発明を完成した。
以下、本発明の好適な実施形態を添付図面にしたがって説明する。
まず、本発明の好適な実施形態に係るマイクロ波照射加硫方法に用いるマイクロ波照射加硫装置を説明する。以下の説明では、架橋も含めて加硫という。
図1に示すように、本実施形態に係るマイクロ波照射加硫装置1(以下、装置1)は、水平型連続加硫装置であり、押出し成形物が被覆される被覆対象物(コア)xを送り出す送出し機2と、コアx上に熱可塑性ポリマー材料やゴム材料などのポリマー材料からなる押出し成形物を押出し被覆するための押出機3と、押出機3により押出し成形された押出し成形物を加圧下で加硫すると共に、冷却する加圧・加硫・冷却装置を兼ねた装置本体4と、装置本体4からの製品pを巻き取る巻取り機5とで主に構成される。
コアxとしては、押出し成形物がシート状、丸型を含む異型ポリマー成形物からなる場合、その異型ポリマー成形物を下方から支持する支持基板があり、押出し成形物がホース状に形成されたものである場合には、マンドレルなどの中空や中実の棒材がある。また、押出し成形物が線状の導体上に被覆された形状(電線状)及び/又は複数本の電線を束ねた上に被覆された形状(ケーブル状)に形成されたものである場合は、線状の導体(芯線)や複数本の電線を束ねてなる集合電線をコアxとして用いる。
ポリマー材料としては、
ポリエチレン(LDPE、MDPE、HDPE)、超低密度ポリエチレン(VLDPE)、エチレン系コポリマー(EVA、EMA、EEAなど)、ポリプロピレン(PP)、ポリスチレン(PS)、ナイロン(6、66、610、11、12、46など)、ポリブチレン、ポリフェニレンオキサイド(PPO)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリエーテルスルフォン(PES)、ポリフェニレンスルフィド(PPS)などの熱可塑性ポリマー材料や、
天然ゴム(NR)、イソプレンゴム(IR)、ブチルゴム(IIR)、エチレン・プロピレンゴム(EPR)、エチレン・プロピレン・ジエンターポリマー(EPDM)、ブタジエンゴム(BR)、スチレンブタジエンゴム(SBR)、アクリロニトリルブタジエンゴム(NBR)、ポリクロロプレンゴム(CR)、塩素化ポリエチレン(CPE)、クロロスルフォン化ポリエチレン(CSM)、フッ素ゴム(FKM)、アクリルゴム(ACM)、エピクロロヒドリンゴム(ECO)、シリコーンゴム(VMQ)、各種液状ゴムなどのゴム材料
が挙げられる。これら各ポリマー材料に加硫剤、可塑剤、滑剤、充填剤、難燃剤、着色剤などの一般的な配合剤を添加してもよい。
装置本体4は、押出機3からの押出し成形物をマイクロ波照射加硫(UHF加硫)するマイクロ波照射管6と、そのマイクロ波照射管6の下流側に設けられ、マイクロ波照射管6からの押出し成形物を加熱加硫として熱風加硫(HAV加硫)するための加熱加硫管を有する熱風加熱炉7と、その熱風加熱炉7の下流側に設けられ、さらに加硫後の押出し成形物を冷却する水冷管8とを備える。マイクロ波照射管6、加熱加硫管、水冷管8には、圧力管を用いるとよい。
押出機3とマイクロ波照射加硫管6の間には、気水分離するためのスプライスボックス9が設けられる。スプライスボックス9は、一端が押出機3のクロスヘッドに接続されると共に、中間部にオーバーフローパイプを有し、他端がマイクロ波照射管6の一端に接続される。
押出機3のクロスヘッドとスプライスボックス9の上流側の端部間、すなわちスプライスボックス9の入口部には、スプライスボックス9内の水蒸気、及び/又は窒素などの不活性ガスが押出機3側に漏れないように、図示しない上流側の圧力シール部材が設けられる。この上流側の圧力シール部材により、スプライスボックス9内(装置本体4の上流側)が気密に保持される。
また装置1では、スプライスボックス9の入口部から、マイクロ波照射管6、熱風加熱炉7を経由して、水冷管8の出口部までは連通形成されると共に、これらの各内部圧力が等しくなるように形成される。水冷管8の出口部には、水冷管8から下流側への冷却水の漏れを防止すると共に、水冷管8内(装置本体4の下流側)を気密に保持する下流側の圧力シール部材としてのウォーターシール10が設けられる。
この装置1では、スプライスボックス9の入口部から、マイクロ波照射加硫管6、熱風加熱炉7を経由して、水冷管8の出口部までが加圧下にされる。
加圧圧力は特に限定しないが、前述した一般的なポリマー材料では0.1〜0.5MPa、好ましくは0.2MPa(2気圧)程度であれば、加硫時の発泡は十分防止できる。ポリマー材料中に抱き込まれた空気により発泡を生じる場合があるが、押出機3としてベント式押出機を使用することにより、この発泡現象は避けることができる。
加圧圧力が0.1MPa未満では、加硫時の発泡を防止するのに不十分であり、加圧圧力が0.5MPaを超えると、装置が大型化したり、圧力シールが難しくなったり、冷却後の押出し成形物が必要以上に膨張したりするなどの不具合がある。
マイクロ波の周波数は工業用としては2450MHzと915MHzであり、どちらも使用できるが、後者は現在日本では正式に認可されていないため、必然的に前者の2450MHzとなる。マイクロ波を照射する場合、マイクロ波照射管6の周囲温度が室温の場合、材料が加熱され昇温しても、同時に周囲への放熱が生じ、加熱効果が半減する。これを防止するため材料により多少異なるが、マイクロ波照射管6の周囲を200℃程度に加熱することが望ましい。
装置全体を簡素化するためには、マイクロ波はマイクロ波照射管6の外から照射することが必要となる。マイクロ波をマイクロ波照射管6の外部から照射する場合、金属管ではマイクロ波が透過せず、金属管に単に孔を開けただけの窓では圧力がかからず、一般的なガラス(ケイ酸塩ガラス、ソーダ石灰ガラス、ホウケイ酸ガラスなど)ではこの部分でマイクロ波による吸収・発熱が生じ、効率的にも安全面でも問題となる。そこで、装置本体4には、マイクロ波を吸収せず、透過させる材料を選定しなければならない。この材料としては石英やポリ4フッ化エチレンがある。
装置本体4は、小サイズのものであれば、マイクロ波照射管6、熱風加熱炉7の加熱加硫管、水冷管8の全体を石英やポリ4フッ化エチレンからなるもので構成しても構わないが、大サイズの場合、強度、耐熱性、費用などの面からマイクロ波を照射する部分のみ、すなわちマイクロ波照射管6のみをこれらの材質にすることが望ましい。成型性や取り扱い性の面ではポリ4フッ化エチレンが優れているが、特に耐熱性の面から石英が推奨される。
押出機3の前後段には、さらに送り出し用のアキュムレーターを、また、巻取り機5の前段に外径測定器や、巻取り機5の前後段に巻き取り用のアキュムレーターなど、その他必要な設備を備えることもできる。
ここで、装置1をより詳細に説明する。
図2に示すように、装置1では、スプライスボックス9の入口部から、マイクロ波照射管6、熱風加熱炉7を経由して、水冷管8の出口部まで、これらの間をそれぞれ気密および水密接続するフランジ部などの接続部21a〜21cを介して連通形成される。図2では、マイクロ波照射管6と熱風加熱炉7を一体化した例で示した。スプライスボックス9の入口端から水冷管8の出口端までの区間が加圧区間Sである。
スプライスボックス9の一側部には、装置本体4内を加圧する加圧用ガスgをスプライスボックス9内に供給するためのガス供給口22が形成され、そのガス供給口22にガス供給ライン23が接続される。このガス供給ライン23には、加圧用ガスgの流量を調節する流量調整弁v1が設けられる。加圧用ガスとしては、圧縮空気、水蒸気、あるいは窒素などの不活性ガスを用いる。
スプライスボックス9の他側部には、加圧用ガスgを排気するための排気口24が形成され、その排気口24にガス排気ライン25が接続される。このガス排気ライン25には、加圧用ガスgの排気量を調節する排気弁v2が設けられる。
水冷管8には、その上流側の一側部に水冷管8内に冷却水wを供給するための冷却水供給口26が形成され、下流側の他側部に冷却水wを排水するための排水口27が形成される。
水冷管8は、その上流側の端部が熱風加熱炉7の下流側の端部よりも1段低くなるように、熱風加熱炉7の加熱加硫管に接続される。これにより、水冷管8内の冷却水wがマイクロ波照射管6や熱風加熱炉7へ流入するのを防止できる。
水冷管8の下流側の端部に設けられるウォーターシール10としては、図3(a)および図3(b)に示すように、中心に押出し成形物が被覆されたコアが挿通する円形の挿通孔31aを有するグロメット形状のゴムシール30aや、図3(c)および図3(d)に示すように、中心に押出し成形物が被覆されたコアが挿通するほぼ十字状の挿通孔31cを有するゴムシール30cを用いる。
これらゴムシール31a,31cは、ほぼ円板状のゴムの中心部を図1の製品pの横断面形状に切り抜いたものであり、水を排水しながら水冷管8内の圧力を保持するものである。本実施形態では、図1の製品pとしてケーブルを製造するので、厚さ約6mmのゴムシール31aを加圧圧力に応じて複数枚重ねて使用した。
次に、装置1を用いた本実施形態に係るマイクロ波照射加硫方法を、製品pとして図4に示すケーブル41を製造する例で説明する。
ケーブル41は、導体42の外周に絶縁体43を形成して絶縁電線44とし、その絶縁電線44を3本撚り合わせて集合電線45(図1のコアx)とし、その集合電線45の外周にシース46を形成したものである。
ケーブル41の製造に先立ち、装置本体4内に加圧用ガスgを供給して装置本体4内を0.1〜0.5MPaに加圧しておき、水冷管8内に冷却水gを供給しておく。
まず、送出し機2でコアxとしての集合電線45を送り出し、これをスプライスボックス9に導入する。スプライスボックス9の入口部では、押出機3によりシース材料が押出されるため、スプライスボックス9内では、集合電線45の外周にシース材料が押出し成形され、押出し成形物が被覆される。
そして、被覆された押出し成形物を、加圧圧力を保ちながらマイクロ波照射加硫管6でマイクロ波照射加硫するマイクロ波照射加硫工程を行い、続けて熱風加熱炉7で加熱加硫する加熱加硫工程を行って押出し成形物を加硫し、加硫した押出し成形物をさらに冷却する冷却工程を行う。
マイクロ波照射加硫工程を行う際、水蒸気を供給しながら行うとよい。この水蒸気の供給は、加圧用ガスgとして水蒸気を使用することで行ってもよいし、加圧用ガスgとして不活性ガスを用いる場合には、スプライスボックス9のガス供給口22に、加圧用ガスgと共にさらに水蒸気を供給するようにしてもよい。
最後に、冷却後の押出し成形物を巻取り機5で巻き取ると、製品pとしてのケーブル41が得られる。
本実施形態の作用を説明する。
本実施形態に係るマイクロ波照射加硫方法は、押出機3により押出し成形された押出し成形物をマイクロ波照射加硫するマイクロ波照射加硫工程と、続けて加熱加硫する加熱加硫工程と、さらに冷却する冷却工程とを加圧下で行っている。
ポリマー材料からなる押出し成形物の加硫は、マイクロ波照射加硫だけでは不十分であり、加熱加硫と組み合わせるのが一般的である。本実施形態に係るマイクロ波照射加硫方法では、加硫時および冷却時共に加圧下とすることにより、加圧下で加硫直後に冷却しているため、従来の方法のように高温のうちに押出し成形物を大気に曝すことはなく、この大気に曝す際、従来の方法では発生していた押出し成形物の膨れや発泡を防止することができる。
したがって、本実施形態に係るマイクロ波照射加硫方法によれば、マイクロ波加硫を用いながら、押出し成形物の発泡を防止しつつ、押出し成形物を加硫でき、ケーブル41はもちろん構造が複雑な製品であっても、高品質な製品pが得られる。
さらに、水蒸気を供給(投入)しながら押出し成形物をマイクロ波照射加硫すれば、供給した水蒸気もマイクロ波により加熱されて装置本体4内の温度を上昇できると共に、水蒸気の熱伝導率が空気や窒素などに比べ約7倍優れているため、ポリマー材料からなる押出し成形物の加熱効果も大きい。
装置本体4内の雰囲気は特に限定されず、空気、窒素など材料の種類や加硫系により選択できる。特に、過酸化物系のポリマー材料を用いる場合は、酸素の存在により加硫が進行しにくいため、窒素をはじめとする不活性ガス雰囲気が望ましい。従来の方法のように加圧下でない場合も不活性ガスを一定量流すことにより、押出し成形物の発泡をある程度は抑えることが可能であるが、不活性ガスを垂れ流し状態にするため、ガスを多量に消費する欠点がある。
本実施形態に係るマイクロ波照射加硫方法では、押出し成形物が、異型ポリマー成形物の中に金属や紐などの補強層がインサートされているものであっても、前述と同じ効果が得られ、さらに、インサートされた補強材とポリマー材料とが界面剥離しないため、インサートされた補強材とポリマー材料との密着(接着)を強固なものとすることが可能となる。
異型ポリマー成形物の中に金属や紐などの補強層がインサートされているものの一例としては、外部導体としてシールド編組を用いた同軸ケーブルの内部絶縁体、あるいは外部絶縁体などがある。
インサートされた補強材とポリマー材料との密着が不十分の場合は加圧圧力を適宜増やすこともできる。製品によって変形、つぶれなどの不具合が生じる場合は加圧圧力を下げる必要がある。
また、装置1によれば、本実施形態に係るマイクロ波照射加硫方法を簡単に実施でき、装置を新設する場合に限らず、既存の装置を若干改良するだけで対応できる。
加圧下でマイクロ波照射加硫を行う場合は、装置本体4全体を加圧容器内に入れることも考えられるが、装置が膨大なものとなり、実用に適さない。また、そのときの製品出口の圧力シールの仕方が難しかった。
これに対し装置1では、押出機3とマイクロ波照射加硫管6の間にスプライスボックス9を設けると共に、水冷管8の出口部にウォーターシール10を設けており、装置本体4内のみを加圧下にしているため、装置1を小型化でき、加圧用ガスgとして不活性ガスを用いる場合、不活性ガスの消費が抑えられる利点がある。
特に、ウォーターシール10と、水冷管8の出口に位置する製品pとの間のシール部は水であり、このシール部から冷却水wが若干漏れても、水の漏れは容易に回収して再利用できる。
対象製品としては異型ポリマーを含むソリッド押出し成形物、ホース類、電線・ケーブル類があげられる。ホース類、電線・ケーブル類としては、内部に直線状金属線や金属、天然・合成ポリマー糸を編んだタイプを含んだ構造のものに特に適している。
ホース類は中空のためそのままでは加圧することが難しい。その場合、別途ホース内部に内圧がかけられるような装置を設けるか、または適当なマンドレル上に押出し編組などを施した後、シース材料を押出し、加圧下でUHF/HAV加硫を行う。その後マンドレルを引き抜き製品とする。マンドレルとしてはナイロンやTPXなどの融点の高いポリマー材料を用いることができる。ホース内径が細い場合は、これらのポリマー材料をロッド状に押出したものを使用できるが、太い場合は、強度や費用の面から細い金属を撚り合わせて可とう性を付与したものの上に、これらのポリマー材料を押出してマンドレルとして使用してよい。
実施例について比較例と共に下記に示す。
(実施例1〜3)
図1の装置1を用い、製品pを試作した。マイクロ波照射管6の長さL6:6m、熱風加熱炉7の長さL7:24m、水冷管8の長さL8:10mとした。試作に用いた図4のケーブル41(導体数:3×導体径:22mm)の各部位のサイズは以下の通り。導体構成:7/20/0.45、外径:7mm、絶縁体厚さ:1.2mm、シース厚さ:2.7mm、仕上がり外径:26mm。絶縁体43は硫黄加硫EPゴム(赤、白、黒の各色)を導体41上に所定の厚さに押出し被覆後、加熱蒸気にて加硫して得た。これら3本撚り合わせた後、90mmベント式押出機により、表1に示すポリクロロプレンシース材料(表1参照)を5m/分および10m/分の速度で押出し被覆し、表2に示す各条件により加硫、ケーブル製品(3PNCT)を得た。得られたケーブル41の外観を調べると共に、シース材料を剥ぎ取って厚さ2mmのシートに加工し、物理特性の測定に供した。
(比較例1〜3)
加硫装置を加圧しない(常圧:加圧圧力0MPa)以外は、実施例1〜3と同様にした。
実施例および比較例の内容と結果を表3に示す。各特性は従来のソルト加硫標準条件で得られた製品と比較し、総合判断した。
(従来例)
従来から広く行われているソルト加硫を用い、加硫装置を加圧しない以外は、実施例1〜3と同様にした。
Figure 2009226760
Figure 2009226760
Figure 2009226760
実施例1〜3は、いずれもシース材料として標準的なポリクロロプレンゴムを使用し、押出し被覆後加圧下でUHFおよびHAVで加硫したもので、従来のソルト加硫で得られた製品と遜色ない特性を示している。
これに対し、比較例1および2はシース材料は実施例と同じだが、常圧で加硫されており、いずれも発泡し、製品にならなかった。さらに比較例3はシース材料に脱水剤を添加し、加硫時の発泡を防止したものである。加硫後、外観は発泡などの不具合は認められなかったが、吸水試験において、現行の値に比べ3.5倍以上も吸水し、膨潤が認められた。
本発明の好適な実施形態を示すマイクロ波照射加硫方法に用いるマイクロ波照射加硫装置の概略図である。 図1に示したマイクロ波照射加硫装置のより具体的な一例を示す概略図である。 図3(a)は圧力シール部材の一例を示す平面図、図3(b)はその3B−3B線断面図、図3(c)は圧力シール部材の他の例を示す平面図、図3(d)はその3D−3D線断面図である。 本実施形態に係るマイクロ波照射加硫方法を用いて作製したケーブルの一例を示す横断面図である。
符号の説明
1 マイクロ波照射加硫装置
3 押出機
4 装置本体
6 マイクロ波照射管
7 熱風加熱炉
8 水冷管
9 スプライスボックス
10 ウォーターシール(圧力シール部材)

Claims (10)

  1. 押出機により押出し成形された押出し成形物をマイクロ波照射加硫し、加熱加硫した後、さらに冷却するマイクロ波照射加硫方法において、マイクロ波照射加硫するマイクロ波照射加硫工程と、加熱加硫する加熱加硫工程と、冷却する冷却工程とを加圧下で行うことを特徴とするマイクロ波照射加硫方法。
  2. 前記マイクロ波照射加硫工程と、前記加熱加硫工程と、前記冷却工程とを0.1〜0.5MPaの加圧下で行う請求項1記載のマイクロ波照射加硫方法。
  3. 前記マイクロ波照射工程は、水蒸気を供給しながら前記押出し成形物をマイクロ波照射加硫する工程である請求項1または2記載のマイクロ波照射加硫方法。
  4. 前記押出し成形物がシート状、丸型を含む異型ポリマー成形物からなる請求項1〜3いずれかに記載のマイクロ波照射加硫方法。
  5. 前記異型ポリマー成形物の中に金属や紐などの補強層がインサートされている請求項4記載のマイクロ波照射加硫方法。
  6. 前記押出し成形物がホース状に形成された、あるいは線状の導体上に被覆された形状及び/又は複数本の電線を束ねた上に被覆された形状に形成された請求項1〜3いずれかに記載のマイクロ波照射加硫方法。
  7. 前記押出し成形物がゴム材料からなる請求項1〜6いずれかに記載のマイクロ波照射加硫方法。
  8. 押出機により押出し成形された押出し成形物をマイクロ波照射加硫管でマイクロ波照射加硫し、加熱加硫管で加熱加硫した後、さらに水冷管で冷却するマイクロ波照射加硫装置において、前記マイクロ波照射加硫管、前記加熱加硫管、前記水冷管を加圧下にしたことを特徴とするマイクロ波照射加硫装置。
  9. 前記押出機と前記マイクロ波照射加硫管の間にスプライスボックスを設け、前記水冷管の出口部に圧力シール部材を設けた請求項8記載のマイクロ波照射加硫装置。
  10. 前記マイクロ波照射加硫管のみが石英またはポリ4フッ化エチレンで形成される、あるいは前記マイクロ波照射加硫管、前記加熱加硫管、前記水冷管が石英またはポリ4フッ化エチレンで形成される請求項8または9記載のマイクロ波照射加硫装置。
JP2008075370A 2008-03-24 2008-03-24 マイクロ波照射加硫方法及び装置 Pending JP2009226760A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008075370A JP2009226760A (ja) 2008-03-24 2008-03-24 マイクロ波照射加硫方法及び装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008075370A JP2009226760A (ja) 2008-03-24 2008-03-24 マイクロ波照射加硫方法及び装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2009226760A true JP2009226760A (ja) 2009-10-08

Family

ID=41242752

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2008075370A Pending JP2009226760A (ja) 2008-03-24 2008-03-24 マイクロ波照射加硫方法及び装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2009226760A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2011040469A1 (ja) 2009-09-30 2011-04-07 国立大学法人鳥取大学 新規ペースメーカ細胞
JP2011230344A (ja) * 2010-04-27 2011-11-17 Micro Denshi Kk 蒸気加熱装置
CN106346736A (zh) * 2016-10-13 2017-01-25 重庆福信强橡塑制品有限公司 带自动收卷功能的车窗玻璃密封橡胶条生产线

Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5235280A (en) * 1975-09-14 1977-03-17 Yokohama Rubber Co Ltd Method and apparatus for continuously making rubber hose
JPS592829A (ja) * 1982-06-30 1984-01-09 Toyoda Gosei Co Ltd 連続加圧加硫装置

Patent Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5235280A (en) * 1975-09-14 1977-03-17 Yokohama Rubber Co Ltd Method and apparatus for continuously making rubber hose
JPS592829A (ja) * 1982-06-30 1984-01-09 Toyoda Gosei Co Ltd 連続加圧加硫装置

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2011040469A1 (ja) 2009-09-30 2011-04-07 国立大学法人鳥取大学 新規ペースメーカ細胞
JP2011230344A (ja) * 2010-04-27 2011-11-17 Micro Denshi Kk 蒸気加熱装置
CN106346736A (zh) * 2016-10-13 2017-01-25 重庆福信强橡塑制品有限公司 带自动收卷功能的车窗玻璃密封橡胶条生产线

Similar Documents

Publication Publication Date Title
CN1585989A (zh) 耐水渗透的电缆
JP5768696B2 (ja) シラン架橋ポリエチレンを被覆してなる電線の製造方法およびシラン架橋ポリエチレンを被覆してなるケーブルの製造方法
CN1625787A (zh) 电缆及其制造过程
JP2009226760A (ja) マイクロ波照射加硫方法及び装置
WO2014168129A1 (ja) 成型ゴムホースの製造方法
CN102568701B (zh) 硅烷可交联聚乙烯生产10-35kV电力电缆的生产工艺及设备
CN108550429A (zh) 一种防鼠蚁电气化铁路用单相交流电缆及其制造工艺
CN108091445B (zh) 一种同轴电缆
KR101492790B1 (ko) 전선 케이블 고속 화학가교 시스템
KR100834367B1 (ko) 내열성 충진재가 포함된 선박용 케이블 및 그 제조 방법
JP2011005852A (ja) 加硫方法及び加硫装置
CN108565069A (zh) 一种微波硫化橡套电缆的生产方法
US20040144471A1 (en) Method for producing a cable
JP6146338B2 (ja) 電線・ケーブルの製造方法
US20160161040A1 (en) Heatable article, in particular a heatable hose having a plastic-sheathed heating element, and method for the production thereof
CN102231497A (zh) 一种高压柔性直流挤出绝缘电缆模塑型接头装置
CN106838491A (zh) 高压柔性橡胶软管及其制造工艺
KR101113453B1 (ko) 선박용 윈도우시일 및 그 제조방법
CN105538558A (zh) 一种无布橡胶导气长波纹管及其成型装置和成型方法
JP2018035312A (ja) 発泡熱収縮チューブ
CN106297984A (zh) 长寿命电缆及其制造方法
JP2008188952A (ja) ゴムホースの製法
JP2017147240A (ja) ゴム材料及び電線・ケーブル
JP2002298673A (ja) 架橋ポリエチレン絶縁電力ケーブルの製造方法
JP3813389B2 (ja) 耐火電線およびその製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20100416

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20120125

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20120131

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20120330

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20120619