JP2009223301A - 液晶レンズ - Google Patents

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Abstract

【課題】透明基板にフレネルレンズ面を有する液晶レンズにおいて、液晶層の場所による屈折率の差を小さくして、レンズとしての収差を抑え、所望のレンズ特性を得ることを目的とする。
【解決手段】液晶レンズ1は、第1の透明基板11と第2の透明基板12とで、高分子分散液晶の液晶層50を挟持した構成を備える。第1および第2の透明基板11、12は、同心円状に分割された各レンズ面(分割レンズ面)が段差を介して接続された形状のフレネルレンズ面を有するフレネルレンズ構造21、22が、それぞれ形成されている。第1の透明基板11は、該透明基板とフレネルレンズ構造21との間に、透明電極材料で第1の電極31が形成されている。第2の透明基板12は、フレネルレンズ構造22の表面に、透明電極材料で第2の電極32が形成されている。
【選択図】図1

Description

本発明は、カメラ、眼鏡等の光学装置において、焦点距離の調整用に用いられる液晶レンズに関する。
従来から、液晶を用いた光学素子として、印加する電圧により焦点距離を制御することができる液晶レンズが知られている。方式として平板の透明基板に輪帯形状の電極を形成したものや、透明基板に凸レンズや凹レンズのレンズ形状を持たせたものがある。前者の輪帯形状を有するものは、電圧の印加方式を変えるだけで凸レンズにも凹レンズにもなり、使う上で利便性が高いが、液晶の複屈折と液晶層の厚みの制約からレンズパワーが大きくとれない。
後者の透明基板にレンズ形状を有するものは、凸レンズや凹レンズ形状の透明基板上への形成を、安価に行なうことができない。しかし、フレネルレンズ形状の透明基板上への形成は、近年のナノインプリント技術を用いると比較的安価に行なうことが可能であり、基本的には凸レンズや凹レンズと同等の性能を実現することが可能である。
ここで、上述した透明基板にフレネルレンズ形状を有する液晶レンズに関して従来技術を説明する。特許文献1〜4には、フレネルレンズ面と液晶層を組み合わせて、電界印加により液晶の配向を変化させ、それによりフレネルレンズと液晶の界面による表面屈折効果を切替えて焦点距離を変化させる液晶レンズが記載されている。
特許文献1、2には、フレネルレンズ面が形成された透明基板と、平らな透明基板とで液晶層を挟持した液晶レンズが記載されている。特許文献1に記載の液晶レンズは、フレネルレンズ面上に電極が形成され、特許文献2に記載の液晶レンズは、フレネルレンズ構造と透明基板との間に電極が形成される。
特許文献3には、フレネルレンズ面が形成された2枚の透明基板で液晶層を挟持した液晶レンズが記載されている。特許文献3に記載の液晶レンズは、それぞれの透明基板のフレネルレンズ面上に電極が形成される。
また、特許文献4には、フレネルレンズ面上に電極が形成された透明基板と平らな透明基板とで、高分子分散液晶の液晶層を挟持した液晶レンズが記載されている。
高分子分散液晶は、液晶分子を含む球状、多面体等の形状の多数の微小な高分子セルが高分子中に分散された構造を有する。高分子セルが例えば球状である場合、高分子セルの平均の直径が可視光の波長に比べて小さいと、高分子セルの境界面で光が散乱しないため、高分子分散液晶層を透明とすることができる。また、高分子分散液晶は偏光方向に依存しないため、偏光板を用いることなく液晶レンズを構成することができる。
特開平5−323261号公報(第4頁、図5) 特開2006−85801号公報(第8−9頁、図1) 特開昭63−4222号公報(第3頁、図2) 特開平11−64817号公報(第5頁、図6)
しかし、透明基板にフレネルレンズ形状を有する液晶レンズの従来技術では、次のような問題がある。
以下の説明では、フレネルレンズ形状の一つ一つの刃形状をブレーズと呼ぶ。図5は、従来の構成の液晶レンズの、一つのブレーズにおける半径方向の距離と液晶の電界強度との関係を示す図である。
特許文献1及び特許文献4に記載の液晶レンズでは、フレネルレンズ面上に形成された電極により液晶層に電圧が印加される。しかし、フレネルレンズ面の形状により、液晶層の厚みが半径方向において変化するため、図5の符号Eで示すように、電圧を印加した際に半径方向で液晶の電界強度が異なる。
また、特許文献2に記載の液晶レンズでは、フレネルレンズ構造と透明基板との間に形成された電極により液晶層に電圧が印加される。このような構成では電極間の距離は半径方向において一定である。しかし、フレネルレンズ構造を、例えば紫外線硬化樹脂や熱硬化樹脂で形成したとすると、それらの樹脂の誘電率は液晶の誘電率と比較してかなり小さいため、液晶層にかかる電界強度がフレネルレンズ構造の厚みで変化する。このため、図5の符号Eで示すように、電圧を印加した際に半径方向で液晶の電界強度が異なる。
さらに、特許文献3に記載の液晶レンズでは、フレネルレンズ面上に電極が構成された2枚の基板で液晶層を狭持する構成であるため、液晶層の厚みの半径方向の変化は、特許文献1に記載の液晶レンズより大きくなる。このため、図5の符号Eで示すように、電圧を印加した際に生じる半径方向での液晶の電界強度の差も大きくなる。
ここで、特許文献1〜4にそれぞれ記載された構成の液晶レンズで、高分子分散液晶を用いたときの液晶の電界強度を計算する。各ブレーズにおけるフレネルレンズ構造の厚みを、最も厚い箇所で8.5μm、最も薄い箇所で1.5μmとし、フレネルレンズ構造が最も厚い箇所(液晶層が最も薄い箇所)の液晶層の厚みが5μmとする。
このような構成では、フレネルレンズ構造が最も薄い箇所(液晶層が最も厚い箇所)の液晶層の厚みは、フレネルレンズ面が形成された透明基板と平らな透明基板とで液晶層を挟持した特許文献1、2、4に記載の液晶レンズでは12μmとなり、フレネルレンズ面が形成された2枚の透明基板で液晶層を挟持した特許文献3に記載の液晶レンズでは19μmとなる。
また、フレネルレンズ構造を形成する樹脂の誘電率を2.36とし、高分子分散液晶の平均誘電率を20として計算する。
このとき、特許文献1及び特許文献4に記載の構成の液晶レンズにおいて、対向する2つの電極の間に10[V]を印加すると、液晶の電界強度は、フレネルレンズ構造が最も厚い箇所で2.0[V/μm]となり、フレネルレンズ構造が最も薄い箇所で0.83[V/μm]となる。よってフレネルレンズ構造の最も薄い箇所と最も厚い箇所とで、液晶の電界強度の差は1.17[V/μm]となる。
また、特許文献2に記載の構成の液晶レンズにおいて、同様に、対向する2つの電極の間に10[V]を印加すると、液晶の電界強度は、フレネルレンズ構造が最も厚い箇所で0.13[V/μm]となり、フレネルレンズ構造が最も薄い箇所で0.40[V/μm]となる。よってフレネルレンズ構造の最も薄い箇所と最も厚い箇所とで、液晶の電界強度の差は0.27[V/μm]となる。
さらに、特許文献3に記載の構成の液晶レンズにおいて、同様に、対向する2つの電極の間に10[V]を印加すると、液晶の電界強度は、フレネルレンズ構造が最も厚い箇所
で2.0[V/μm]となり、フレネルレンズ構造が最も薄い箇所で0.53[V/μm]となる。よってフレネルレンズ構造の最も薄い箇所と最も厚い箇所とで、液晶の電界強度の差は1.47[V/μm]となる。
このように、従来の構成の液晶レンズにおいては、電圧を印加した際に半径方向で液晶の電界強度が大きく異なる。図6は、従来の構成の液晶レンズで高分子分散液晶を用いたときの、印加電圧と液晶層の屈折率の関係を示す説明図である。図6中、B’はA’に比べて強い電界強度が形成される箇所の印加電圧と液晶層の屈折率の関係を示す。
高分子分散液晶の閾値電圧は電界強度に依存する。このため、場所により電界強度が大きく異なる従来の構成の液晶レンズでは、図6のA’、B’に示すように、それぞれの閾値電圧Vth(A’)、Vth(B’)も大きく異なる。このため、場所により液晶層の屈折率の差が大きく生じ、レンズとして収差の原因になる問題がある。
フレネルレンズ構造に対して相対的に液晶層を厚くすれば、場所による液晶の電界強度の差を小さくすることは可能である。しかし、液晶層を厚くすると液晶の応答速度が遅くなり、フレネルレンズ構造を薄くするとレンズパワーが小さくになり、電気光学的な可変焦点レンズに要求される性能を低下させることになり好ましくない。
そこで、この発明は上述した従来技術による問題を解消し、液晶層の場所による屈折率の差を小さくして、レンズとしての収差を抑え、所望のレンズ特性を得ることを可能とする液晶レンズを提供することを目的とする。
上述した課題を解決して目的を達成するため、本発明の液晶レンズは、基本的に下記記載の構成を採用するものである。
本発明にかかる液晶レンズは、レンズ面が同心円状に分割され、分割された各レンズ面が段差を介して接続されたフレネルレンズ面を有するフレネルレンズ構造と、電極とが形成された第1及び第2の透明基板と、第1及び第2の透明基板で挟持された液晶と、を備え、第1及び第2の透明基板のフレネルレンズ構造の分割された各レンズ面が、互いに向かい合って位置する液晶レンズにおいて、液晶は、閾値電圧が電界強度に依存する液晶であり、第1の透明基板は、該透明基板とフレネルレンズ構造との間に電極が形成され、第2の透明基板は、フレネルレンズ構造の上に電極が形成されたことを特徴とする。
また、本発明にかかる液晶レンズは、前述した構成に加えて、液晶の誘電率をεLC、第1の透明基板のフレネルレンズ構造を形成する部材の誘電率をεとし、第1の透明基板の電極から第1の透明基板のフレネルレンズ面までの距離をL、第1の透明基板の電極から第2の透明基板のフレネルレンズ面までの距離をL、Kを定数としたとき、レンズ有効径領域のそれぞれの位置で、K=ε/{εLC×L+ε×(L−L)}の関係式を、ほぼ満たすことを特徴とする。
さらに、本発明に係る液晶レンズは、前述した構成に加えて、液晶は高分子分散液晶、コレステリック液晶またはSTN液晶であることを特徴とする。
本発明の液晶レンズでは、フレネルレンズ構造が厚く、フレネルレンズ構造による電圧降下が大きい箇所は、液晶層に印加される電圧は小さいが、液晶層が薄いために液晶層の単位電圧当たりの電界強度は大きい。これに対して、フレネルレンズ構造が薄く、フレネルレンズ構造による電圧降下が小さい箇所は、液晶層に印加される電圧は大きいが、液晶層が厚いために液晶層の単位電圧当たりの電界強度は小さい。
よって、本発明の液晶レンズでは、フレネルレンズ構造の厚さによる電圧降下の違いが
、液晶層の厚さの違いにより相殺され、電圧を印加した際の半径方向の液晶の電界強度の差を小さくすることができる。
本発明の液晶レンズでは、場所による液晶の電界強度の差を小さくすることで、閾値電圧が電界強度に依存する液晶を用いたときの液晶の閾値電圧の差を小さくすることができる。これにより、本発明の液晶レンズは、液晶層の場所による屈折率の差を小さくしてレンズとしての収差を抑え、所望のレンズ特性を得ることが可能となる。
本発明の液晶レンズの構成を示す断面図である。 本発明の液晶レンズの、一つのブレーズにおける半径方向の距離と、液晶の電界強度との関係を示す図である。 本発明の液晶レンズの印加電圧と液晶層の屈折率の関係を示す図である。 本発明の液晶レンズの断面の拡大図である。 従来の液晶レンズの、一つのブレーズにおける半径方向の距離と、液晶の電界強度との関係を示す図である。 従来の液晶レンズの印加電圧と液晶層の屈折率の関係を示す図である。
以下に図面を参照して、この発明にかかる液晶レンズの好適な実施の形態を詳細に説明する。図1は、本発明の実施の形態の液晶レンズ1の概略を示す断面図である。
本発明の液晶レンズ1は、第1の透明基板11と第2の透明基板12とで、高分子分散液晶の液晶層50を挟持した構成を備える。液晶層50はシール部材40により封止されており、液晶層50の厚みはガラスファイバーなどのスペーサにより所定の寸法に規定される。
第1の透明基板11は、同心円状に分割された各レンズ面(分割レンズ面21a)が段差を介して接続された形状のフレネルレンズ面を有するフレネルレンズ構造21が形成されている。第1の透明基板11とフレネルレンズ構造21との間には、レンズ有効径領域に、透明電極材料で第1の電極31が形成されている。透明電極材料とはレンズ作用を期待する光の波長範囲において透過率が高い材料で、可視光の範囲であればインジウム・スズ酸化物などが用いられる。フレネルレンズ構造21の表面には配向膜を形成してもよい。形成した配向膜には配向処理を施してもよい。
第2の透明基板12は、第1の透明基板11と同様に、同心円状に分割された各レンズ面(分割レンズ面22a)が段差を介して接続された形状のフレネルレンズ面を有するフレネルレンズ構造22が形成されている。フレネルレンズ構造22の表面には、レンズ有効径領域に、透明電極材料で第2の電極32が形成されている。通常、このような電極はスパッタなどにより形成されるが、各ブレーズのエッジにおいて電極膜が分断され導通不良を起こしてしまう場合には、半径方向に複数のブレーズを横断する直線的な溝を形成しておくと複数のブレーズ間での確実な導通が確保される。溝はエッジを丸める程度の曲率を持った波状の溝であればよく、彫り込んで平坦な溝にする必要はない。
上述したフレネルレンズ構造21及び22は、直接透明基板に金型の形状を転写するか、または透明基板に樹脂を塗布した後に金型の形状を転写するか、射出成型により作成することが可能である。フレネルレンズ構造22の表面には配向膜を形成してもよい。形成した配向膜には配向処理を施してもよい。
次に、本発明の液晶レンズにおいて、各電極に電圧を印加した際の液晶の電界強度につ
いて説明する。図2は、本発明の液晶レンズと、従来の液晶レンズとにおける、一つのブレーズにおける半径方向の距離と液晶の電界強度との関係を示す図である。図2において、符号E、E、Eは、図5と同様にそれぞれ前述した特許文献1〜4に記載の液晶レンズの電界強度を示す。
本発明の液晶レンズ1では、第1の透明基板11のフレネルレンズ構造21が厚い箇所は、フレネルレンズ構造21の樹脂による電圧降下が大きく、液晶層50に印加される電圧が小さい。しかし、フレネルレンズ構造21が厚い箇所は、第2の透明基板12のフレネルレンズ構造22も厚く、液晶層50が薄いため、液晶層50の単位電圧当たりの電界強度は大きい。
これに対して、第1の透明基板11のフレネルレンズ構造21が薄い箇所は、フレネルレンズ構造21の樹脂による電圧降下が小さく、液晶層50に印加される電圧が大きい。しかし、フレネルレンズ構造21が薄い箇所は、第2の透明基板12のフレネルレンズ構造22も薄く、液晶層50が厚いため、液晶層50の単位電圧当たりの電界強度は小さい。
よって、本発明の液晶レンズ1では、フレネルレンズ構造21の樹脂の厚さによる電圧降下の違いが、液晶層50の厚さの違いにより相殺され、図2のEに示すように、E〜Eで示す従来の液晶レンズと比較して、電圧を印加した際の半径方向の液晶の電界強度の差を小さくすることができる。なお、Eについては後述する。
ここで、本発明の液晶レンズで、第1及び第2の透明基板のフレネルレンズ構造の厚みを、最も厚い箇所で8.5μm、最も薄い箇所で1.5μmとし、フレネルレンズ構造が最も厚い箇所(液晶層が最も薄い箇所)の液晶層の厚みが5μmとなる構成について、液晶の電界強度を計算する。このような構成では、フレネルレンズ構造が最も薄い箇所(液晶層が最も厚い箇所)の液晶層の厚みは19μmとなる。
また、フレネルレンズ構造を形成する樹脂の誘電率を2.36とし、液晶の平均誘電率を20として計算する。
このとき、本発明の液晶レンズにおいて、対向する2つの電極の間に10[V]を印加すると、液晶の電界強度は、フレネルレンズ構造が最も厚い箇所で0.13[V/μm]となり、フレネルレンズ構造が最も薄い箇所で0.32[V/μm]となる。よってフレネルレンズ構造の最も薄い箇所と最も厚い箇所とで、液晶の電界強度の差は0.19[V/μm]となる。このように、本発明の液晶レンズでは、従来の液晶レンズに比べて電界強度分布の幅を小さくすることができる。
図3は、本発明の液晶レンズにおける印加電圧と液晶層の屈折率との関係を示す説明図である。本発明の液晶レンズでは、場所による液晶の電界強度の差が小さいため、図3のA、Bに示すように、それぞれの閾値電圧Vth(A)、Vth(B)の差を小さくすることができる。これにより、図6で説明した従来の構成の液晶レンズと比較して、場所による液晶層の屈折率の差を小さくしてレンズとしての収差を抑え、所望のレンズ特性を得ることが可能となる。
次に、電圧を印加した際の半径方向の液晶の電界強度の差をより小さくするための、第1及び第2の透明基板のフレネルレンズ構造の構成について説明する。図4は本発明の液晶レンズの断面の拡大図である。ここで、図4に示すように、レンズ有効径領域のある位置における、第1の透明基板11の第1の電極31からフレネルレンズ構造21のフレネルレンズ面までの距離をLとし、第1の透明基板11の第1の電極31から第2の透明基板12のフレネルレンズ構造22のフレネルレンズ面までの距離をLとする。また、液晶層50の誘電率をεLC、第1の透明基板11のフレネルレンズ構造21を形成する樹
脂の誘電率をεとする。
このとき、第1の電極31と第2の電極32との間に電圧Vを印加すると、液晶層50の電界強度Eは、以下の式(1)となる。
E=ε×V/{εLC×L+ε×(L−L)}・・・(1)
よって、Kを定数とすると、半径方向のそれぞれの位置で、LとLとが以下の式(2)をほぼ満たすとき、図2のEに示すように、電圧を印加した際の半径方向の液晶の電界強度の差をより小さくすることができる。
K=ε/{εLC×L+ε×(L−L)}・・・(2)
ここで、第2の透明基板12のフレネルレンズ構造22の厚みを、最も厚い箇所で8.5μm、最も薄い箇所で1.5μmとし、フレネルレンズ構造22が最も厚い箇所の液晶層50の厚みが5μmとなる構成について、上述した式(2)を満たす、第1の透明基板11のフレネルレンズ構造21の構成を計算する。高分子分散液晶の液晶層50の誘電率εLCを20とする。
フレネルレンズ構造22のブレーズの最も厚い箇所と最も薄い箇所とで計算すると、上述した式(2)を満たすフレネルレンズ構造21は、最も厚い箇所を2.2μm、最も薄い箇所を1.5μmとすることができる。
このとき第1の電極31と第2の電極32の間に、例えば10[V]を印加すると、フレネルレンズ構造21、22が最も厚い箇所と最も薄い箇所との液晶層50の電界強度は、それぞれ0.13[V/μm]となる。
上述した、第1及び第2の透明基板のフレネルレンズ構造の計算例では、フレネルレンズ構造の最も厚い箇所と最も薄い箇所とについて形状を求めた。第1及び第2の透明基板のフレネルレンズ構造を、ブレーズのそれぞれの位置において式(2)を満たす形状とすることにより、ブレーズのそれぞれ位置における液晶の電界強度の差を小さくすることが可能となる。
本発明の液晶レンズは、上述した式(2)をほぼ満たすことにより、図2の符号Eで示すように、電圧を印加した際の半径方向の液晶の電界強度の差を小さくし、閾値電圧の差を小さくして液晶層の場所による屈折率の差を抑えることにより、レンズとしての収差を抑え、所望のレンズ特性を得ることが可能となる。
上述した実施形態では高分子分散液晶を用いる例を示したが、閾値電圧が電界強度に依存する液晶として、コレステリック液晶、STN液晶を用いてもよい。
本発明は、上述した各実施の形態に限らず種々変更可能である。例えば、実施の形態中に記載した寸法や特性値などの値は一例であり、本発明はそれらの値に限定されるものではない。
1 液晶レンズ
11、12 透明基板
21、22 フレネルレンズ構造
21a、22a 分割レンズ面
31、32 電極
40 シール部材
50 液晶層

Claims (5)

  1. レンズ面が同心円状に分割され、分割された各レンズ面が段差を介して接続されたフレネルレンズ面を有するフレネルレンズ構造と、電極とが形成された第1及び第2の透明基板と、前記第1及び第2の透明基板で挟持された液晶と、を備え、
    前記第1及び第2の透明基板のフレネルレンズ構造の分割された各レンズ面が、互いに向かい合って位置する液晶レンズにおいて、
    前記液晶は、閾値電圧が電界強度に依存する液晶であり、
    前記第1の透明基板は、該透明基板と前記フレネルレンズ構造との間に前記電極が形成され、
    前記第2の透明基板は、前記フレネルレンズ構造の上に前記電極が形成された
    ことを特徴とする液晶レンズ。
  2. 前記液晶の誘電率をεLC、前記第1の透明基板のフレネルレンズ構造を形成する部材の誘電率をεとし、
    前記第1の透明基板の電極から前記第1の透明基板のフレネルレンズ面までの距離をL、前記第1の透明基板の電極から前記第2の透明基板のフレネルレンズ面までの距離をL、Kを定数としたとき、レンズ有効径領域のそれぞれの位置で、
    K=ε/{εLC×L+ε×(L−L)}の関係式を、ほぼ満たす
    ことを特徴とする請求項1に記載の液晶レンズ。
  3. 前記液晶は高分子分散液晶である
    ことを特徴とする請求項1または2に記載の液晶レンズ。
  4. 前記液晶はコレステリック液晶である
    ことを特徴とする請求項1または2に記載の液晶レンズ。
  5. 前記液晶はSTN液晶である
    ことを特徴とする請求項1または2に記載の液晶レンズ。
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