JP2009223176A - 携帯機器用光導波路及び光導波路装置 - Google Patents

携帯機器用光導波路及び光導波路装置 Download PDF

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正寛 井草
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Toru Fujii
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和敏 谷田
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敬司 清水
Shigemi Otsu
茂実 大津
Hidekazu Akutsu
英一 圷
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Abstract

【課題】高い屈曲性を実現し且つ光伝搬損失の抑制された携帯機器用光導波路及び光導波路装置を提供する。
【解決手段】導波路コアにおける光の伝搬方向に長い帯状に構成され、外周面における前記伝搬方向一端部から他端部までの領域の内の、少なくとも屈曲されたときに弧の内壁側となりうる予め定められた第1の領域に、該屈曲されたときに弧の内壁側とされた弧領域を該伝搬方向へ複数領域に分割した分割数Xが下記式(1)を満たすように、該伝搬方向に交差する方向に延びる複数の溝部が設けられた携帯機器用光導波路である。X≧180/(α−5.0)数式(1)
【選択図】図2

Description

本発明は携帯機器用光導波路及び光導波路装置に関する。
光通信技術の発展により、安価かつ信頼性の高い光材料の開発が望まれている。また、地域や家庭内のネットワークや機器間配線を構築するための低コスト光部品の開発が必要になっている。それゆえ、低コストの光配線を実現するためには、プラスチックファイバやポリマー製の光部品が有力であると考えられている。
また、近年、ノート型パソコンや折り畳み型携帯電話等の携帯機器のヒンジに代表される稼働部に、光配線を適用することも検討されており、電気配線に用いられるフレキシブルプリント基板のような、ねじれや折り曲げに対する追従性を有するフレキシブルタイプの光導波路が検討されている(特許文献1参照)。
このフレキシブルタイプの光導波路は、光が伝播されるコアと、このコアの周囲に設けられるクラッドが共にゲル状材などの曲げ弾性率が低い材料で作製されており、全体的に柔軟性を有している。
特開2003−207659号公報
しかし、特に、携帯機器等の小型装置に適用される場合等においては、限られた空間内において柔軟に屈曲することが要求され、更なる高い屈曲性が求められる場合があった。また、携帯機器等の小型装置に適用される場合等においては、限られた空間内に複数の部品が充填された構造となる場合が多く、屈曲により光伝搬損失が増大する場合があった。
本発明は、高い屈曲性を実現し且つ光伝搬損失の抑制された携帯機器用光導波路及び光導波路装置を提供することを課題とする。
上記課題は以下の本発明により達成される。すなわち、
請求項1に係る発明は、光を伝播すると共に該光の伝搬方向に長い導波路コアと、前記導波路コアを包囲し前記導波路コアより屈折率の低いクラッド部と、を有し、前記導波路コアにおける光の伝搬方向に長い帯状に構成され、外周面における前記伝搬方向一端部から他端部までの領域の内の、少なくとも屈曲されたときに弧の内壁側となりうる予め定められた第1の領域に、該屈曲されたときに弧の内壁側とされた弧領域を該伝搬方向へ複数領域に分割した分割数Xが下記式(1)を満たすように、該伝搬方向に交差する方向に延びる複数の溝部が設けられたことを特徴する携帯機器用光導波路である。
X≧180/(α−9.5) 数式(1)
数式(1)中、Xは分割数を示し、αは臨界角補角を示す。
請求項2に係る発明は、発光素子と、光を伝播する導波路コアと、前記導波路コアを包囲し前記導波路コアより屈折率の低いクラッド部と、を有し、該導波路コアにおける光の伝搬方向に長い帯状光導波路と、前記導波路コアを伝搬した光を受光する受光素子と、前記発光素子から出射された光が前記導波路コアの前記伝搬方向一端部に入射されるように、前記発光素子と前記帯状光導波路の一端部とを固定化する第1の固定部材と、前記導波路コアを伝搬して該導波路コアの前記伝搬方向他端部から出射された光が前記受光素子へ受光されるように前記帯状光導波路の他端部と前記受光素子とを固定化する第2の固定部材と、を備え、前記帯状光導波路は、外周面における前記伝搬方向一端部から他端部までの領域の内の、少なくとも屈曲されたときに弧の内壁側となりうる予め定められた第1の領域に、該屈曲されたときに弧の内壁側とされた弧領域を該伝搬方向へ複数領域に分割した分割数Xが下記式(2)を満たすように、該伝搬方向に交差する方向に延びる複数の溝部が設けられていることを特徴する光導波路装置である。
X≧180/(α−β−γ) 数式(2)
数式(2)中、Xは分割数を示し、αは臨界角補角を示し、βは発光素子から出射される光の広がり角を示し、γは、導波路コアにおける光の伝搬方向に対する導波路コアへ入射された光の光軸の傾きを示している。
請求項1に記載の発明によれば、高い屈曲性を実現し且つ光伝搬損失の抑制された携帯機器用光導波路が提供される、という効果を奏する。
請求項2に記載の発明によれば、高い屈曲性を実現し且つ光伝搬損失の抑制された光導波路装置が提供される、という効果を奏する。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態の一例を詳細に説明する。
[光導波路装置]
図1は、本実施の形態に係る光導波路装置の概略構成図である。図1に示すように、光導波路装置11は、帯状の光導波路10と、光導波路10に形成された光導波路を介して光信号を送受信する光送受信部12及び光送受信部14とで構成されている。光送受信部12は保持部材22を備えており、光導波路10の一方の端部は、保持部材22上に保持されている。また、光送受信部14は保持部材24を備えており、光導波路10の他方の端部は保持部材24上に保持されている。
保持部材22及び保持部材24の各々には、受光素子34と、発光素子32と、高さ調整基板36と、高さ調整基板37と、が設けられている。
発光素子32としては、小型化の観点から、平面型発光素子が好ましく用いられる。平面型発光素子としては、VCSEL、LED等が挙げられる。また受光素子34としては、光導波路10と接合させる観点から、平面型受光素子が好ましく用いられる。平面型受光素子としては、Pinフォトダイオード、アバランシェフォトダイオードなどが挙げられる。
光導波路10は、図2(A)及び図2(C)に示すように、複数の導波路コア20が、光導波路10内で互いに所定間隔を維持するように光導波路10の主面に平行な同一平面内で、互いに平行となってクラッド部30に埋設されている。ここで、主面とは、光導波路10の表面のうち、複数の導波路コア20の配列方向に対して略平行な表面のことである。
このように、光導波路10は、上記導波路コア20の光伝搬方向に長く、且つ、上述のように複数の導波路コア20が所定方向に配列された帯状に構成されている。
この光導波路10の断面における、光導波路10の厚み方向長さと、光導波路10幅方向長さと、の比率は、光導波路の総厚にもよるが、屈曲時のねじれに対する強度の観点から1:3以上であることが好ましく、1:5以上であることが好ましい。
本実施形態に係る光導波路10の導波路コア20およびクラッド部30用材料としては、光導波路10の使用波長に対して透明であり、導波路コア20とクラッド部30との間に所望の屈折率差を設定できるものであれば、特に制限されるものではなく、例えば脂環式オレフィン樹脂、アクリル系樹脂、エポキシ系樹脂、ポリイミド系樹脂等が使用される。
ただし、高屈曲光導波路としての光学特性を発揮させるためには、各クラッド部30は、導波路コア20よりも屈折率が低い材料で構成する必要があり、特に導波路コア20との屈折率差を確保するため、比屈折率差は1%以上、望ましくは3%以上である。また、各クラッド部30の屈折率差は小さい方が望ましく、その差は0.05以内、望ましくは0.001以内、更に望ましくは差がないことが光の閉じ込めの点からみて望ましい。
なお、上記各基材や層の屈折率は、プリズムカップラーやエリプソメータ、アッベ屈折率計を用いて測定される(他の屈折率の測定も同様である)。
また、光導波路10がねじれられたり折り曲げられたりした際に、これに対して十分な追従性を確保すると共に、配線形状の維持性も確保するという観点から、導波路コア20やクラッド部30を構成する樹脂材料の曲げ弾性率は0.1GPa以上2GPa以下の範囲であることが好ましく、0.1GPa以上1GPa以下の範囲内がより好ましい。
図3(A)に示すように、光導波路10の端部には、光導波路10の導波路コア20を伝搬する光の光軸に対し45°の角度を有するミラー面10bが形成されている。このミラー面10bには、金属膜(図示省略)が設けられていることが好ましい。この金属膜としては、金、銀、及びこれらのいずれかの合金が使用される。このミラー面10bへの金属膜の形成には、スパッタリング法や真空蒸着法等による着膜が用いられる。
このミラー面10bは光導波路10の導波路コア20を導波する光の光路を変換する光路変換面として機能する。このため、発光素子32から出射されて光導波路10の主面10c側から入射された光Cは、このミラー面10bでその光路が90°折り曲げられ、光導波路10の導波路コア20内を伝搬する。そして、この導波路コア20内を伝搬した光が、導波路コア20の他端側に到ると、このミラー面10bでその光路が90°折り曲げられて受光素子34によって受光される。
光導波路装置11においては、この発光素子32から出射された光が導波路コア20に入射されるように、保持部材22上に固定化された高さ調整基板36上に、導電性接着剤による接着層31を介して受光素子34が固定化されると共に、光導波路10の光入射側端部が固定部材41によって保持部材22上に固定化されている。なお、この固定部材41、接着層31、及び保持部材22の少なくとも1つが、本発明の光導波路装置の固定部材に相当する。
なお、本実施の形態では、光導波路10の端部には、導波路コア20を伝搬する光の光軸に対し45°の角度を有するミラー面10bが形成されている場合を説明するが、このような形態に限られず、例えば、該光軸に対し90°の角度でミラー面10dが形成された構成であってもよい。この場合には、図3(B)に示すように、発光素子32から出射された光が光導波路10の端部の該ミラー面10dを介して導波路コア20へ入射されるように、保持部材22上に導電性接着剤による接着層31を介して支持部材32Aを設置し、この支持部材32Aのミラー面10dに対向する垂直面に発光素子32を設けた構成とすると共に、光導波路10の光入射側端部を固定部材41によって保持部材22上に固定化した構成とすればよい。そして、発光素子32と接着層31とを配線31Aによって電気的に接続すればよい。この場合には、この固定部材41、接着層31、支持部材32A、及び保持部材22の少なくとも1つが、本発明の光導波路装置の固定部材に相当する。
この光導波路装置11に設けられた光導波路10の少なくとも一部は屈曲性を有しており、図2(A)〜図2(C)に示すように、光導波路10には、複数の溝部40が設けられている。この溝部40は、光導波路10の導波路コア20の光伝搬方向に交差する方向に延びた溝であって、後述する第1の領域50の光伝搬方向一端側から他端側に向かって複数設けられている。
上記「第1の領域」とは、光導波路10が屈曲されたときに弧の内壁側となる弧領域を形成しうる(弧領域を形成する可能性のある)予め定められた領域であり、光導波路10の両端部が互いに近づく方向へ該光導波路10が屈曲されて、光導波路10の両端部の内の一端部の直線状に延びた領域が、他端部の直線状に延びた領域に対して略平行となるまで屈曲されることで形成される弧の内壁側の弧領域となりうる領域である。
光導波路10の外表面におけるこの第1の領域50とされる場所及び範囲等は、この光導波路10や、この光導波路10を備えた光導波路装置11を実装する対象となる機器の態様(種類、形状、大きさ等)及び該機器の使用形態や、光導波路10または光導波路装置11の該機器内に実装される場所等によって異なる。このため、実装対象の機器等によって、屈曲されて弧が形成されたときの該弧の曲率半径は異なる値となる。
そして、この第1の領域50は、光導波路10の実装される対象となる機器によって、実装された後における光導波路10の、屈曲されて弧の内壁側とされた弧領域の位置が固定である場合と、機器の操作や形状変化等に応じて弧領域が変化する場合と、がある。
例えば、光導波路10が、中央部で折りたためる構造のクラムシェルタイプの機器に実装され、その機器のヒンジ部の折り曲げ方向に光導波路10の長尺方向が沿うように実装されると、図4(A)及び図5(B)に示すように、該機器が直線状に伸展された状態では、光導波路10は略直線状に延びた状態となっている。そして、該機器が折りたたまれると、ヒンジ部に相当する領域で屈曲されて、伸展された状態では略直線状とされていた領域50Aが図4(B)及び図5(A)に示すように円弧状に屈曲された弧の内壁側とされた弧領域50Aとなる。なお、図4中、Rは、光導波路10が折り曲げられたときの曲率半径を示している。この場合、機器の開閉により屈曲されて弧の内壁側となる弧領域50Aの位置は固定である。このため、光導波路10が、例えば、クラムシェルタイプの機器に実装される場合には、弧領域50Aが第1の領域50として予め定められる。
一方、光導波路10または光導波路装置11を、2つに分かれた本体が所定方向にスライドする構造のスライドタイプの機器に実装し、一方の本体側に光導波路10の一端側を配置し、他方の本体側に光導波路10の他端側を配置した場合には、機器の2つの本体のスライドに応じて、例えば、図6に示すように、光導波路10の一端部である領域62が図6中矢印M2方向に移動されて、該移動前には直線状に伸びていた領域50Aが(図6(A)参照)、円弧状に屈曲した状態となり弧領域50Aとされる(図6(B)参照)と共に、円弧状に屈曲されていた弧領域50A(図6(A)参照)が、直線状に伸展した状態となる(図6(B)参照)。このように、光導波路10または光導波路装置11を、スライドタイプの機器に実装した場合には、機器の形状変化によって屈曲されて弧の内壁側となる弧領域50Aの位置が変化し、図6に示す例では、これらの弧の内壁側とされた弧領域50A及び弧領域50Aからなる領域が、第1の領域50として予め定められる。
このため、第1の領域50の長さ(長手方向に対して両端に位置する溝と溝との距離)L(mm)としては、少なくとも、光導波路10が屈曲されたときの曲率半径をr(mm)とし、ストローク量l(mm)をとすると、スライド式の機器に実装した場合には、少なくともπr/2となり、クラムシェル式の機器に実装した場合には、少なくともl+πr/2とされることが好ましい。
なお、図4、及び図6に示す例では、光導波路10は、同一方向にのみ屈曲される場合を説明したが、反対方向、すなわち、光導波路10の両端部が互いに近づくように屈曲された後に延伸され、逆側に折返されて該両端部が反対側から互いに近づくように屈曲される場合には、光導波路10の、屈曲されて弧の内壁側となる弧領域は、帯状の光導波路の厚み方向両壁面に形成されるため、第1の領域は、該両壁面とすればよい。
これらの第1の領域50は、上述のように、光導波路10または光導波路装置11を実装する対象となる機器によって異なることから、実装対象となる機器に応じて予め定めればよい。
本実施の形態の光導波路10においては、図2に示すように、この第1の領域50に複数の溝部40が設けられている。この溝部40は、上述のように、光導波路10の導波路コア20の光伝搬方向に交差する方向に延びた溝であって、第1の領域50の光伝搬方向一端側から他端側に向かって複数設けられているが、少なくともこの複数の溝部40によって、光導波路10の屈曲されたときに弧の内壁側とされる弧領域を導波路コア20における光の伝搬方向へ複数領域に分割した分割数Xが下記式(1)を満たすように設けられている。
X≧180/(α−β−γ) 数式(1)
該数式(1)中、Xは、弧領域の分割数を示し、αは臨界角補角を示し、βは発光素子32から出射される光の広がり角を示し、γは、導波路コア20における光の伝搬方向に対する該導波路コア20へ入射された光の光軸の傾きを示している。
上記弧領域とは、上記図4及び図6を用いて説明したように、光導波路10の両端部が互いに近づく方向へ該光導波路10が屈曲されて、光導波路10の両端部の内の一端部の直線状に延びた領域が、他端部の直線状に延びた領域に対して略平行となるまで折り返されるように屈曲されることで形成される弧の内壁側とされた領域(図4では弧領域50A、図5では、弧領域50A及び弧領域A)である。
このため、弧領域50Aとは、光導波路10が屈曲されることで円弧が形成された状態となる場合には、この曲率半径Rを半径とする半円の領域を示していることとなる。なお、本実施の形態では、説明を簡略化するために、この弧領域とは、屈曲されて円弧状の領域が形成されたときの該円弧状となっている内壁側の領域を示すとして説明するが、円弧状に限られず、多角径状に屈曲された状態であってもよい。
分割数Xとは、上述のように、光導波路10の屈曲されたときに形成された弧領域50Aを導波路コア20における光の伝搬方向へ複数領域に分割したときの分割数であって、例えば、図2(B)に示すように、光導波路10の第1の領域50内の弧領域50A内には、10個の分割数(X=10)となるように、9個の溝部40(溝部40〜溝部40)が設けられている。
臨界角補角αとは、図7に示すように、導波路コア20を伝搬する光における、導波路コア20とクラッド部30との境界面に対する該光の入射角を示している。この臨界角補角αは、入射角θが臨界角以上である場合には、数式、α=(90°−入射角θ)から求められる。
この入射角θとは、導波路コア20とクラッド部30との境界面に対する法線と該光とのなす角度を示している。
βは、発光素子32から出射される光の広がり角を示している。この広がり角βとは、図8に示すように、発光素子32から出射された光の光軸方向(図8、矢印A参照)に対する、該発光素子32から出射された光の最大広がり角(図8中、β参照)を示している。
γは、導波路コア20における光の伝搬方向(図3中、矢印X方向)に対する、発光素子32から出射された光が導波路コア20へ入射されたときの該光の光軸(図3中、矢印A方向)の傾きを示している。
ここで、光導波路10においては、光導波路10内に入射された光が導波路コア20とクラッド部30との界面で全反射を繰り返しながら光導波路10内を伝搬することが最も光損失が少ない状態である。
上記式(1)を満たす数の分割数となるように、第1の領域50に複数の溝部40が設けられていることによって、本実施の形態の光導波路10が、たとえどのような条件で光導波路装置11に実装された場合であっても、また、どのような条件で各種機器に実装された場合であっても、光導波路10における全反射条件が満たされる。このため、光導波路10が各種機器に実装されて屈曲された場合であっても、溝部40が設けられていることによる良好な屈曲性を実現しつつ、且つ光導波路10の光伝搬損失が抑制される。
なお、この全反射となる条件(以下、全反射条件と称する)は、導波路コア20に入射された光の入射角(図7中、入射角θ参照)がある角度を超えたときに常に全反射となり、この全反射となる最小の入射角θは臨界角と称されている。
このため、全反射条件を満たすためには、下記数式(2)を満たすことが必要となる。
臨界角補角α>入射光源の広がり角β ・・・・・・数式(2)
なお、上述のように、臨界角補角αは、上記数式、α=(90°−入射角θ)によって求められる。なお、上述のように、入射角θ=臨界角である。
一方、発光素子32から照射される光が広がりを持たない光であれば、光導波路10と同じ光導波路装置11に設けられた発光素子32から出射される光の入射角θは一定であるが、発光素子32として選択する部品によっては拡散光を出射する部品が用いられる。例えば、発光素子32として、省スペースや省電力の観点から一般的に用いられるマルチモードVCSELを用いた場合には、この発光素子32の空気中における一般的な広がり角βは、7.5°〜12.5°であることが知られている。このため、発光素子32として選択される部品によって入射角θは異なる値となる。
また、発光素子32を保持部材22へ実装する場合には、図3で説明したように、接着層31等を介して実装されるため、光導波路装置11によって実装時の傾きにばらつきが生じ、上記γの値にバラツキがあるのが現実である。このγの値が光導波路装置11によって異なると、結果的に入射角θは光導波路装置11によりばらつきが生じる。
例えば、広がり角βが12.5°であり、γの値が2.5°であるとすると、実際にはγの値が0°であり広がり角βが15°であった場合と同じだけのばらつきが生じていることとなる。
そして、本実施の形態のように、屈曲されることが前提で用いられる光導波路装置11に設けられた光導波路10としては、屈曲された後の状態であっても光損失の抑制を実現するためは、少なくとも、溝部40における折れ曲がり角Y(図4参照。光導波路10が溝部40で折れ曲がって全体として屈曲された状態となったときの溝部40における折れ曲がり角)は、αと広がり角βとの差より小さい値であることが必要となる。
しかし、本実施の形態の光導波路10においては、上記式(1)を満たす分割数Xで第1の領域50Aを分割するように、複数の溝部40が設けられていることから、該式(1)が満たされていれば、Yの値はαとβとの差分より必ず小さい値となり、屈曲された状態及び屈曲前の状態の双方において全反射条件が実現され、屈曲前後の光伝搬損失が抑制され且つ屈曲性に優れた光導波路10の実装された光導波路装置11が提供される。
なお、上記溝部40の断面形状としては特に限定されず、例えば、V溝、凹溝等適宜選択することができるが繰り返し屈曲させた際の亀裂の発生を抑制できる点からは凹溝やU溝が好ましい。
また、溝部40は、導波路コア20の光伝搬方向Xに交差する方向に延びていればよいが、好ましくは、光伝搬方向Xに対して10°〜170°であることが好ましく、45°〜135°であることが好ましく、90°〜110°であることが特に好ましい。
また、溝部40の内壁は、光伝搬損失抑制の観点から、クラッド部30のみから構成されていることが必須である。
なお、コア層の損傷防止やコア層を伝搬する光の外部への漏洩をより確実に抑制という観点からは、コア層およびクラッド層界面から、溝の内壁面までの最短距離は5μm以上であることが好ましく、10μm以上であることがより好ましい。なお、当該最短距離の上限は特に限定されるものではないが、実用上は25μm以下であることが好ましい。
なお、溝部40が設けられる領域は、上述のように、屈曲されたときに弧の内壁側となりうる領域であればよく、上記説明した片面のみに溝部40が設けられた構成以外にも、必要に応じて両面や、全面に設けた構成であってもよい。
また、第1の領域50内に設けられる溝部40間の間隔は、隣接する溝部40間で同じ間隔であることが好ましいが、異なっていても良い。
また、溝部40の溝幅や、溝部40の深さについても、溝部40が上記式(1)を満たすように設けられており、且つ、溝部40の内壁がクラッド部30から構成されていればどのような値であってもよいが、例えば、溝幅は、溝部間の幅との比が1:1以上の条件を満たすことが好ましく、深さについては、コア層ぎりぎりの深さが好ましい。
なお、溝の断面形状がV字状のように、溝の深さ方向に対して溝幅が変化する場合、「溝幅/溝間距離」を規定する「溝幅」、「溝間距離」とは、溝の深さの1/2の位置における「溝幅」、「溝間距離」を意味する。これは、後述する「溝間距離/溝深さ」を規定する「溝間距離」についても同様である。
また、光導波路の総厚み−溝深さは、200μm以下であることが好ましく、100μm以下であることがより好ましい。光導波路の総厚み−溝の最大深さが200μmを超える場合には、光導波路自体の厚みが厚すぎるために、溝を設けても、曲げにより生じる応力の低減が困難となるため、光導波路の長手方向に対して曲げ外力が加わった場合に損傷や破断が発生してしまう場合がある。光導波路の総厚み−溝の最大深さの下限値は特に限定されないが、光導波路の強度の確保等、実用上の観点からは60μm以上であることが好ましい。
上述の構成の光導波路10及び光導波路装置11は、携帯電話や電子手帳等の携帯機器に好適に用いられる。
例えば、携帯電話に適用した場合を想定すると、図9に示すように、携帯電話42は、液晶画面15Aを備える蓋部15が、操作ボタン16を備える本体部18にヒンジ部17によって開閉可能に連結された構成とされている。そして、このような携帯電話42に上記光導波路10が適用される場合には、例えば、光送受信部12が蓋部15に内蔵され、光送受信部14が本体部18に内蔵され、光導波路10がヒンジ部17に内蔵されることで、蓋部15側に設けられた光送受信部12と本体部18側に設けられた光送受信部14とがヒンジ部36に相当する領域に内蔵された光導波路10を介して光伝搬可能となるように実装された状態となる。
すなわち、光導波路10は、携帯電話42の蓋部15と本体部18とが接するように蓋部15が閉じられた状態では、図4(B)及び図5(A)、に示すように屈曲された状態となり、この屈曲された状態から、蓋部15が開かれることで、除々に解放されて、図4(A)及び図5(B)に示すように延ばされた状態となる。
ここで、光導波路10を、携帯機器に適用して携帯機器用の光導波路として用いる場合には、上記数式(1)におけるγの値は2.5°であることが一般的であり、βの値はコア層内での広がり角となることから7.5°であることが一般的である。このため、溝部40は、分割数Xが下記式(2)を満たすように設けられれば、光導波路装置11の光導波路10を携帯電話42等の携帯機器に適用した場合であっても、光導波路10の光伝搬損失を抑制しつつ且つ良好な屈曲性が実現される。
X≧180/(α−9.5) 数式(2)
(上記数式(2)中、Xは分割数を示し、αは、αは臨界角補角を示す。)
(光導波路の製造方法)
光導波路の製造方法としては特に限定されず、公知の方法を必要に応じて2つ以上組み合わせて利用して作製することができる。例えば、直接露光法や反応性イオンエッチング(RIE)法、金型を利用したエンボス法などが利用できる。
また、溝を形成する前の帯状の光導波路を作製してから、エッチングや、エンボス法、ダイシングソーなどによる切削加工により溝を形成することもできる。
この場合、溝を形成する前の帯状の光導波路としても公知の製造方法が利用できる。例えば、特開平8−286064号公報に例示される方法;すなわち、基板上にクラッドとなる高分子からなる第1層を形成する工程と、該第1層よりも屈折率が高い高分子からなる第2層を形成する工程と、該第2層の一部をダイシングゾー等でもって機械的に切削除去することによってコア部を形成する工程と、該コア部より屈折率が低い高分子材料でコア部を覆う第3層を形成する工程を含む方法を利用して、溝を形成する前の帯状の光導波路を作製することができる。
なお、溝部40の形成方法としては、切削は高さや切削間隔を精密に制御可能である点から、ダイシングソーを用いることが好ましい。この場合、本発明の高分子光導波路は、同一面上に位置するように配置された2本以上のコア層と、該2本以上のコア層を被覆すると共に帯状形状を成すクラッド層とを有する帯状部材の、少なくとも片面側、且つ、前記帯状部材の長手方向の一部の領域に、ダイシングソーを用いて、内壁面が前記クラッド層のみから構成され、且つ、前記帯状部材の短手方向を横断する2本以上の溝を形成する溝形成工程を経て、作製することができる。
以下、本発明を、実施例を挙げてさらに具体的に説明する。ただし、これら各実施例は、本発明を制限するものではない。
(実施例1)
<光導波路1の作製>
以下のように光導波路1を作製した。
まず、厚さ:25umのエポキシ系樹脂(クラッド層、屈折率1.53、曲げ弾性率1500MPa)と、厚さ:50umのエポキシ系樹脂(コア層、屈折率1.58、曲げ弾性率1500MPa)と、が積層された長さ120mm、幅120mmの2層高分子フィルムを準備した。
次に、クラッド層側を設置面(下面側)にして、上記高分子フィルムをダイシングソーに設置し、厚さ50umのブレードを取り付けたダイシングソーを用いて幅50umの複数の導波路コアが、高分子フィルムの幅方向(導波路コアの光伝搬方向に直交する方向)に300um間隔で配列されるように、上記コア層を切削して切削溝を形成することによって、複数の導波路コア(幅50μm、導波路コア間の間隔300μm)を形成した。
次に、上記高分子フィルムの複数の導波路コアの形成された側の面に、上記工程で形成された切削溝を充填すると共に導波路コアを覆い、且つ高分子フィルム全体の厚みが100umとなるようにエポキシ系紫外線硬化樹脂(屈折率1.55)を塗布し、紫外線露光により硬化させた。これによって、複数の導波路コアがクラッド部によって覆われた帯状部材1(長手方向長さ100mm、幅0.5mm、厚み100μm)を作製した。次に、この帯状部材の両端部をダイシングソーによって切断して45度傾斜面を形成した。
なお、臨界角θは、180×arcsin(n2/n1)/πで定義される。ここでn1はコアの屈折率を示し、n2はクラッドの屈折率を示す(n1>n2)。
本実施例では、2つに分かれた本体が所定方向にスライドする構造のスライドタイプの携帯機器のヒンジ部内に、本実施例で作製した光導波路1を実装することを想定しており、具体的には、曲率半径Rが2mm、ストローク30mmの条件で屈曲される事を想定している。
このため、屈曲されたときに弧の内壁側の弧領域を形成しうる領域(形成する可能性のある領域)としては、帯状部材1の外表面における、長手方向(導波路コアの光伝搬方向)中心部の上記クラッド層側の面の、該長手方向に36.3mmの長さの領域を第1の領域として定めた。
また、上述のように、本実施例で実装対象の上記機器に光導波路1を実装した場合には、曲率半径Rが2mmであることから、屈曲されたときに弧となる弧領域は、該第1の領域内の、該長手方向長さがπ×2(mm)/2の領域であり、機器のスライドに応じて第1の領域内で可変とされる領域である。
ここで、本実施例における180/(α―5.0)の値を算出したところ、36.3であった。このため、本実施例では、上記規定した第1の領域内に、上記規定した弧領域を長手方向に分割したときの分割数Xが分割数36.3以上となるように分割数を定めた。本実施例では、該弧領域の分割数Xが37となるように、下記溝部を形成した。
この帯状部材の外表面における、長手方向(導波路コアの光伝搬方向)中心部の、上記クラッド層側の面に、ダイシングソーによって、帯状部材の幅方向に長い複数の溝部を該長手方向に配列されるように形成した。各溝部深さは20um、溝部幅は43um、溝部間距離0.17mm、で、該長手方向に配列されるように合計214本の溝部を形成した。なお、各溝部は、帯状部材の幅方向に連続された凹みの領域となるように形成した。このため、各溝部の長手方向長さは、帯状部材の幅と同じである。これによって、複数の溝部の設けられた光導波路1を作製した。
(光導波路1の光伝搬損失評価)
上記作製した光導波路1の導波路コア端部に、発光素子としてVCSEL(富士ゼロックス製、AM−0202Z、発光波長:850nm、広がり角:12.5°)を、光学接着剤を介して直接接着した(導波路コアにおける光伝搬方向に対する発光素子へ入射される光の入射角γ=1.58°)。そして、光導波路1を直線状に延伸した状態で、調芯装置を用いて光損失(光伝搬損失)を測定した。
次に、該光導波路1を、溝部の形成された側の面を内側にして、溝部の形成されている第1の領域内の領域が弧領域となり曲率半径Rが2mmとなるように屈曲させた状態における光伝搬損失を、上記と同様にして測定した。
また、同様にして、ストロール30mmの範囲内で同じ値が得られた。
光導波路1を直線状に延伸させた状態における光損失と、屈曲中における光損失と、の差は、0.35dBであった。評価結果を表1に示した。
(光導波路1の屈曲耐性評価)
作製した光導波路1を、IPC屈曲試験(IPC規格TM−650)において複数の溝部に圧縮応力の生じる方向に配置し、屈曲半径R=2mm、屈曲速度:120cpm、ストローク:30mmの条件で屈曲試験を実施したところ、試験中に規定の経路を外れることはなく、20万回の屈曲後も未破断であり、良好な屈曲耐性を示した。評価結果を表1に示した。
<光導波路1を有する光導波路装置1の作製>
次に上記光導波路1を用いて光導波路装置1を作製した。
<モジュールへの実装>
、エポキシ系紫外線硬化樹脂を用い、UV照射により硬化させることで実装した後に、駆動用回路上に発光素子としてのVCSEL素子(富士ゼロックス社製、商品名:AM-0202Z、発光波長:850nm、広がり角:12.5°)を載置した。また、増幅回路上にも、該導電性接着剤を介してフォトダイオード素子(EMCORE社、商品名:D8485−1026)を載置した。このようにして作製される光送受信部を2つ作製した。
次に、上記作製した光導波路1の一端部を、一方の光送受信部に固定部材によって固定化し、他端部を、他方の光送受信部に固定部材によって固定化することによって、光導波路装置1を調整した。
なお、固定化は、例えば、光導波路1の導波路コアの一端部に発光素子から出射された光が入射され、且つ導波路コアの他端部から出射された光が受光素子によって受光されるような位置に固定化されるように固定化部材の大きさや形状を調整することで行った。固定化部材としては、Siウェハーの形状を調整したものを用いた。
調整した光導波路装置1において、導波路コアの光伝搬方向に対する、光学素子から導波路コアに入射された光の光軸の傾きγを、実体顕微鏡を用いて側面からチップの傾き測定したところ、γ=1.58°であった。
このため、180/(α―β―γ)の値は、36.3であり、光導波路1の分割数Xについて、X≧180/(α−β−γ)の関係が満たされていた。
この光導波路装置1の光導波路1について、上記と同様にして光伝搬損失を評価したところ、光導波路装置1に実装された光導波路1を直線状に延伸させた状態における光損失と、屈曲中における光損失と、の差は、0.4dBであった。評価結果を表1に示した。
(実施例2)
実施例1において作製した光導波路1において、溝部間距離0.17mmから0.034mmに変更し、実施例1で規定した第1の領域内に、実施例1で規定した弧領域を長手方向に分割したときの分割数Xが分割数255となるように、実施例1と同じ幅及び深さの溝部を、1068本形成した以外は、実施例1と同様にして光導波路2を作製した。
(光導波路2の光伝搬損失評価)
評価方法は実施例1と同様である
光導波路2を直線状に延伸させた状態における光損失と、屈曲中における光損失と、の差は、0.2dBであり、分割数の増加により光損失の更なる低減が確認された。評価結果を表1に示した。
(光導波路2の屈曲耐性評価)
作製した光導波路2について、実施例1と同様にして屈曲試験を実施したところ、試験中に規定の経路を外れることはなく、20万回の屈曲後も未破断であり、良好な屈曲耐性を示した。評価結果を表1に示した。
<光導波路2を有する光導波路装置2の作製>
光導波路1を光導波路2に換えた以外は、実施例1の光導波路装置1と同様にして、光導波路装置2を作製した。
なお、実施例2で調整した光導波路装置2において、導波路コアの光伝搬方向に対する、光学素子から導波路コアに入射された光の光軸の傾きγを、実施例1と同様に測定したところ、γ=1.58°であった。
このため、180/(α―β―γ)の値は、36.3であり、光導波路2の分割数Xについて、X≧180/(α−β−γ)の関係が満たされていた。
この光導波路装置2の光導波路2について、上記と同様にして光伝搬損失を評価した光導波路装置2に実装された光導波路2を直線状に延伸させた状態における光損失と、屈曲中における光損失との差は、0.25dBであった。評価結果を表1に示した。
(実施例3)
実施例1では、2つに分かれた本体が所定方向にスライドする構造のスライドタイプの携帯機器のヒンジ部内に、本実施例で作製した光導波路を実装することを想定したが、本実施例では、中央部で折りたためる構造のクラムシェルタイプの携帯機器に光導波路を実装することを想定しており、具体的には、曲率半径が2mm条件で屈曲される事を想定している(なお、クラムシェルタイプであるため、ストローク量は0である)。
このため、屈曲されたときに弧の内壁側の弧領域を形成しうる領域(形成する可能性のある領域)である第1の領域と、弧領域とは同一領域となり、本実施例では、帯状部材1の外表面における、長手方向(導波路コアの光伝搬方向)中心部の上記クラッド層側の面の、該長手方向に6.3mmの長さの領域を第1の領域(弧領域)として定めた。
ここで、本実施例においては、実施例1と同様に光導波路3を形成した。
(光導波路3の光伝搬損失評価)
光導波路3を直線状に延伸させた状態における光損失と、屈曲中における光損失と、の差は、0.35dBであった。
(光導波路3の屈曲耐性評価)
作製した光導波路3について、実施例1と同様にして屈曲試験を実施したところ、試験中に規定の経路を外れることはなく、20万回の屈曲後も未破断であり、良好な屈曲耐性を示した。評価結果を表1に示した。
<光導波路3を有する光導波路装置3の作製>
光導波路1を光導波路3に換えた以外は、実施例1の光導波路装置1と同様にして、光導波路装置3を作製した。
なお、実施例3で調整した光導波路装置3において、導波路コアの光伝搬方向に対する、光学素子から導波路コアに入射された光の光軸の傾きγを、実施例1と同様に測定したところ、γ=1.58°であった。
このため、180/(α―β―γ)の値は、36.3であり、光導波路3の分割数Xについて、X≧180/(α−β−γ)の関係が満たされていた。
この光導波路装置3の光導波路3について、上記と同様にして光伝搬損失を評価したところ、
光導波路装置3に実装された光導波路3を直線状に延伸させた状態における光損失と、屈曲中における光損失と、の差は、0.4dBであった。評価結果を表1に示した。
(実施例4)
実施例1において作製した光導波路1において、曲率半径2mmから1mmに変更した。このため、屈曲されたときに弧の内壁側の弧領域を形成しうる領域(形成する可能性のある領域)としては、帯状部材1の外表面における、長手方向(導波路コアの光伝搬方向)中心部の上記クラッド層側の面の、該長手方向に33.1mmの長さの領域を第1の領域として定めた以外は、実施例1と同様にして光導波路4を作製した。
ここで、本実施例においては実施例1と同様に光導波路4を形成した。
(光導波路4の光伝搬損失評価)
上記作製した光導波路4について、光導波路4を直線状に延伸した状態で、実施例1の光導波路1と同様にして光損失(光伝搬損失)を測定したところ0.35dBであった。
以上から、光導波路4を直線状に延伸させた状態における光損失と、屈曲中における光損失と、の差は、0.4dBであり、分割数の増加により光損失の更なる低減が確認された。評価結果を表1に示した。
(光導波路4の屈曲耐性評価)
作製した光導波路4について、屈曲半径Rを2mmから1mmに変更した以外は、実施例1と同様にして屈曲試験を実施したところ、試験中に規定の経路を外れることはなく、20万回の屈曲後も未破断であり、良好な屈曲耐性を示した。評価結果を表1に示した。
<光導波路4を有する光導波路装置4の作製>
光導波路1を光導波路4に換えた以外は、実施例1の光導波路装置1と同様にして、光導波路装置4を作製した。
なお、実施例4で調整した光導波路装置4において、導波路コアの光伝搬方向に対する、光学素子から導波路コアに入射された光の光軸の傾きγを、実施例1と同様に測定したところ、γ=1.58°であった。
このため、180/(α―β―γ)の値は、36.3であり、光導波路4の分割数Xについて、X≧180/(α−β−γ)の関係が満たされていた。
この光導波路装置4の光導波路4について、上記と同様にして光伝搬損失を評価したところ、光導波路装置4に実装された光導波路4を直線状に延伸させた状態における光損失と、屈曲中における光損失との差は、0.4dBであった。評価結果を表1に示した。
(比較例1)
実施例1において作製した光導波路1において、溝部間距離0.17mmから0.1745mmに変更し、分割数Xを実施例1で求めた180/(α―9.5)の値36.3未満となるように、実施例1で規定した第1の領域内に、実施例1で規定した弧領域を長手方向に分割したときの分割数Xが分割数36となるように、実施例1と同じ幅及び深さの溝部を、208本形成した以外は、実施例1と同様にして光導波路5を作製した。
(光導波路5の光伝搬損失評価)
上記作製した光導波路5について、光導波路5を直線状に延伸した状態で、実施例1の光導波路1と同様にして光損失(光伝搬損失)を測定したところ0.35dBであった。
光導波路5を直線状に延伸させた状態における光損失と、屈曲後における光損失と、の差は、0.45dBであり、分割数の不足による光損失の増大が確認された。評価結果を表1に示した。
(光導波路5の屈曲耐性評価)
作製した光導波路5について、実施例1と同様にして屈曲試験を実施したところ、試験中に規定の経路を外れることはなく、20万回の屈曲後も未破断であり、良好な屈曲耐性を示した。評価結果を表1に示した。
<光導波路5を有する光導波路装置5の作製>
光導波路1を光導波路5に換えた以外は、実施例1の光導波路装置1と同様にして、光導波路装置5を作製した。
なお、比較例1で調整した光導波路装置5において、導波路コアの光伝搬方向に対する、光学素子から導波路コアに入射された光の光軸の傾きγを、実施例1と同様に測定したところ、γ=1.58°であった。
このため、180/(α―β―γ)の値は、36.3であり、光導波路5の分割数Xについて、X≧180/(α−β−γ)の関係が満たされていなかった。
この光導波路装置5の光導波路5について、上記と同様にして光伝搬損失を評価したところ、
光導波路装置5に実装された光導波路5を直線状に延伸させた状態における光損失と、屈曲後における光損失と、の差は、0.52dBであり、光損失の増大が確認された。評価結果を表1に示した。
(比較例2)
実施例1において作製した光導波路1において、溝部間距離0.17mmから0.7mmに変更し、分割数Xを実施例1で求めた180/(α―9.5)の値20未満となるように、実施例1で規定した第1の領域内に、実施例1で規定した弧領域を長手方向に分割したときの分割数Xが分割数9となるように、実施例1と同じ幅及び深さの溝部を、52本形成した以外は、実施例1と同様にして光導波路6を作製した。
(光導波路6の光伝搬損失評価)
上記作製した光導波路6について、光導波路6を直線状に延伸した状態で、実施例1の光導波路1と同様にして光損失(光伝搬損失)を測定したところ0.35dBであった。
光導波路6を直線状に延伸させた状態における光損失と、屈曲後における光損失と、の差は、0.9dBであり、分割数の不足による光損失の増大が確認された。評価結果を表1に示した。
(光導波路6の屈曲耐性評価)
作製した光導波路6について、実施例1と同様にして屈曲試験を実施したところ、試験中に規定の経路を外れることはなく、20万回の屈曲後も未破断であり、良好な屈曲耐性を示した。評価結果を表1に示した。
<光導波路6を有する光導波路装置6の作製>
光導波路1を光導波路6に換えた以外は、実施例1の光導波路装置1と同様にして、光導波路装置6を作製した。
なお、比較例2で調整した光導波路装置6において、導波路コアの光伝搬方向に対する、光学素子から導波路コアに入射された光の光軸の傾きγを、実施例1と同様に測定したところ、γ=1.58°であった。
このため、180/(α―β―γ)の値は、36.6であり、光導波路6の分割数Xについて、X≧180/(α−β−γ)の関係が満たされていなかった。
この光導波路装置6の光導波路6について、上記と同様にして光伝搬損失を評価したところ、光導波路装置6に実装された光導波路6を直線状に延伸させた状態における光損失と、屈曲後における光損失と、の差は、1.0dBであり、光損失の増大が確認された。評価結果を表1に示した。
(比較例3)
実施例1では、スライドタイプで、曲率半径Rが2mm条件で屈曲される携帯機器に光導波路を実装することを想定していたが、本比較例では、曲率半径Rが0.8mm条件で屈曲されるクラムシェルタイプの携帯機器に、光導波路を実装することを想定する。
このため、本比較例では、実施例1で調整した帯状部材1の外表面における、長手方向(導波路コアの光伝搬方向)中心部の上記クラッド層側の面の、該長手方向に32.5mmの長さの領域が第1の領域(弧領域)となる。
ここで、本比較例においては、実施例1と同一の光導波路1を用いた。しかし、実装対象となる機器が異なることから、屈曲される対象となる第1の領域及び弧領域の広さが異なり、曲率半径Rが0.8mmとなるように屈曲されることで形成される弧領域の分割数Xは、 36 であり、実施例1で測定したαの測定結果から算出された180/(α―9.5)の値未満の分割数であった。なお、実装対象が異なる事から、本比較例で用いる光導波路1は光導波路7として説明する。
(光導波路7の光伝搬損失評価)
評価方法は実施例1と同様である
光導波路7を直線状に延伸させた状態における光損失と、屈曲中における光損失と、の差は、0.35dBであった。評価結果を表1に示した。
(光導波路7の屈曲耐性評価)
作製した光導波路7を、屈曲半径Rを2mmから0.8mmに変更した以外は、実施例1と同様にして屈曲試験を実施したところ、500回で破断した。
<光導波路7を有する光導波路装置7の作製>
光導波路1を光導波路7に換えた以外は、実施例1の光導波路装置1と同様にして、光導波路装置7を作製した。
なお、比較例3で調整した光導波路装置7において、導波路コアの光伝搬方向に対する、光学素子から導波路コアに入射された光の光軸の傾きγを、実施例1と同様に測定したところ、γ=1.58°であった。
このため、180/(α―β―γ)の値は、36.6であり、光導波路7の分割数Xについて、X≧180/(α−β−γ)の関係が満たされていなかった。
この光導波路装置7の光導波路7について、上記と同様にして光伝搬損失を評価したところ、光導波路装置7に実装された光導波路7を直線状に延伸させた状態における光損失と、屈曲後における光損失との差は、0.4dBであった。評価結果を表1に示した。
Figure 2009223176
本実施の形態に係る光導波路装置の概略構成を示す模式図である。 (A)〜(C)本実施の形態に係る光導波路の概略構成を示す模式図である。 (A)(B)本実施の形態に係る光導波路装置の一部を拡大した模式図である。 (A)(B)光導波路の屈曲状態及び屈曲状態から解放された状態を示す模式図である。 (A)(B)光導波路の屈曲状態及び屈曲状態から解放された状態を示す模式図である。 (A)(B)光導波路の屈曲状態及び屈曲状態から解放された状態を示す模式図である。 導波路コアにおける臨界角補角を説明するための説明図である。 発光素子から出射される光の広がり角を説明するための説明図である。 本実施の形態の光導波路の適用される携帯機器の一例を示す模式図である。
符号の説明
10 光導波路
11 光導波路装置
12 光送受信部
14 光送受信部
20 導波路コア
30 クラッド部
32A 支持部材
32 発光素子
34 受光素子
40 溝部
41 固定部材
50A 弧領域
50 第1の領域

Claims (2)

  1. 光を伝播すると共に該光の伝搬方向に長い導波路コアと、前記導波路コアを包囲し前記導波路コアより屈折率の低いクラッド部と、を有し、前記導波路コアにおける光の伝搬方向に長い帯状に構成され、
    外周面における前記伝搬方向一端部から他端部までの領域の内の、少なくとも屈曲されたときに弧の内壁側となりうる予め定められた第1の領域に、該屈曲されたときに弧の内壁側とされた弧領域を該伝搬方向へ複数領域に分割した分割数Xが下記式(1)を満たすように、該伝搬方向に交差する方向に延びる複数の溝部が設けられたことを特徴する携帯機器用光導波路。
    X≧180/(α−9.5) 数式(1)
    (上記数式(1)中、Xは分割数を示し、αは臨界角補角を示す。)
  2. 発光素子と、
    光を伝播する導波路コアと、前記導波路コアを包囲し前記導波路コアより屈折率の低いクラッド部と、を有し、該導波路コアにおける光の伝搬方向に長い帯状光導波路と、
    前記導波路コアを伝搬した光を受光する受光素子と、
    前記発光素子から出射された光が前記導波路コアの前記伝搬方向一端部に入射されるように、前記発光素子と前記帯状光導波路の一端部とを固定化する第1の固定部材と、
    前記導波路コアを伝搬して該導波路コアの前記伝搬方向他端部から出射された光が前記受光素子へ受光されるように前記帯状光導波路の他端部と前記受光素子とを固定化する第2の固定部材と、
    を備え、
    前記帯状光導波路は、外周面における前記伝搬方向一端部から他端部までの領域の内の、少なくとも屈曲されたときに弧の内壁側となりうる予め定められた第1の領域に、該屈曲されたときに弧の内壁側とされた弧領域を該伝搬方向へ複数領域に分割した分割数Xが下記式(2)を満たすように、該伝搬方向に交差する方向に延びる複数の溝部が設けられていることを特徴する光導波路装置。
    X≧180/(α−β−γ) 数式(2)
    (数式(2)中、Xは分割数を示し、αは臨界角補角を示し、βは発光素子から出射される光の広がり角を示し、γは、導波路コアにおける光の伝搬方向に対する導波路コアへ入射された光の光軸の傾きを示している。)
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2015172680A (ja) * 2014-03-12 2015-10-01 住友電気工業株式会社 光モジュール及び光結合構造
EP4001978A4 (en) * 2019-07-19 2023-08-02 Sumitomo Bakelite Co.Ltd. OPTICAL WAVEGUIDE, OPTICAL WAVEGUIDE WITH ADHESIVE LAYER, OPTICAL WIRING COMPONENT AND ELECTRONIC DEVICE

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