JP2009222606A - 室内圧測定口およびそれに用いる防滴フード - Google Patents

室内圧測定口およびそれに用いる防滴フード Download PDF

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Abstract

【課題】パネルの取り付け後でも導圧チューブを容易に配管することができ、室内側からパネルに取り付けることができる室内圧測定口を提供する。
【解決手段】開口部13を有する壁パネル11と、その壁パネルの開口部13の背面側に配置されるアウトレットボックス12と、そのアウトレットボックス12に端部が取り付けられる保護チューブ19と、その保護チューブ内に挿通され、端部近辺がアウトレットボックス12内に収容されている導圧チューブ17と、パネル11の開口部を気密に塞ぐための室内側から取り付けられるカバープレート15と、そのカバープレートの前後を連通すると共に、導圧チューブ17の端部を保持する検出管16とからなる室内圧測定口10。その室内圧測定口10に設けられる防滴フード40。
【選択図】図1

Description

本発明はクリーンルームなどの気密性あるいは内圧の維持が要求される部屋の内圧を測定する室内圧測定口およびそれに用いる防滴フードに関する。
クリーンルーム内は通常は外部からの塵埃の侵入を防止するため、外気に対して所定の差圧で正圧に維持されている。また、空気中に含まれる微量ガス成分などの製品へのコンタミネーション防止を図るエリア区分目的などのため、高いクリーン度が要求されるクリーンルームと、それより低いクリーン度で足りるクリーンルームとが隣接している場合は、より高いクリーン度が要求されるクリーンルームの室内圧がいくらか高く維持されるように、両者の差圧を適切に制御している。逆に感染性の高い感染症患者を収容するハザード施設など、ウイルスが外部に漏洩しないように外気に対して負圧に維持する場合もある。これらの場合はいずれも基準圧力の空間と室内の差圧を常時計測し、監視しておく必要がある。そのため、圧力計あるいは差圧計に室内の圧力を導入するべく、壁パネルや天井パネルの背後に導圧チューブを配置し、その一端を室内側に開口させている。
このような目的に用いる室内圧測定口として、たとえば図7に示す室内圧測定口100が採用されている。この室内圧測定口100は、平行に配置される2枚の間仕切り用の壁パネル101(特許文献4参照)と、それらの壁パネルに形成された貫通孔102に通される検出管103と、検出管103の両端外周に形成された雄ネジに螺合されるナット104と、検出管103の後端に連結され、壁パネル101の間の空間に配管される導圧チューブ105とからなる。符号106は連結管である。
検出管103と貫通孔102の隙間はコーキング材107でシールされ、ナット104と壁パネル101の間にはワッシャ108が介在されている。検出管103の前端は室内P0側に突出している。コーキング材107としてはシリコーンシーラントなどが用いられる。ゴムパッキンとシーラントとを組み合わせる場合もある。導圧チューブ105の他端は、同様な構造で壁パネル101を貫通させ、圧力計や差圧計に連結する。
上記の室内圧測定口100では、2個のナット104で検出管103を締め付けて、壁パネル101に固定するようにしている。このようにするのは2枚の壁パネル101の間のスペースP1には作業者が入れず、そのため、隣室や通路など、もう一枚の壁パネル101の外側の作業スペースP2で取り付け作業を行うためである。なお、それぞれの壁パネル101は、石膏ボードに表面コーティングを施したものなどであり、軽量鉄骨などからなる枠体109にビス止めによって固定される。壁パネル同士の隙間や、ビスの頭部はコーキング材で気密にシールされる。
図8に示す室内圧測定口110は天井パネル111の背面(天井裏)P3に配管される導圧チューブ105を天井パネル111を貫通させて室内P0側に開口させるものである。この室内圧測定口110では検出管103の室内側の端部に平坦な係止フランジ112が設けられ、検出管103は室内側に突出していない。そしてナット104は背面側の1個だけである。このようにするのは、天井裏の場合、作業者が入るスペースがあるためである。
特許文献1には、本発明の室圧測定口における導圧チューブの他端が連結される圧力センサの例が開示されている。特許文献2には、導圧チューブを介して圧力計に連結される検出管である航空機のピトー管が記載され、そのピトー管に入った水を抜く構造が開示されている。特許文献3の図8には、壁面を気密に貫通する発電機配管が開示されている。特許文献4には、二重の仕切り壁の例が記載されている。特許文献5には、金属製パネルを貫通してチューブ継ぎ手を取り付けて、パネルを貫通してチューブ内の流体を流すようにする場合、従来はパネル両側からナットを螺着していたところ、パネルと継ぎ手の間に付勢手段を挟持することで簡便に取り付けることができる例が記載されている。特許文献6には、屋外に出ている換気口の開口部を覆う防滴フードで、開口端にわずかに小径のスリーブを差し込み、フランジ部でシールを行うものが記載されている。
実用新案登録第2578416号公報 実開平5−32300号公報 特開平8−75040号公報 実開平5−47126号公報 特開平6−94166号公報 特開平10−54596号公報
図7および図8の室内圧測定口100、110は、シンプルで、使用する部品数も少なく、安価に製造することができ、必要な機能を充分に満たす。しかし導圧チューブ105は、パネルの貼り付け作業の後で配管作業を行おうとすると、導圧チューブの先端を適切な位置まで導くことが困難である。そのため、導圧チューブ105は軽量鉄骨の仕切り枠109の建て込みが始まった時点からパネル貼り付け作業の完了までの間に行う必要がある。そしてパネル貼り付け作業の後、検出管をパネルに取り付けることになる。そのため、施工業者同士の連絡や工程の調整が煩雑である。しかも可撓性を有する合成樹脂製の導圧チューブ105をパネルの間に通すときに傷がついたり、折れたりしやすい。
さらに図7から分かるように、検出管103を壁パネル101に取り付けるとき、室内圧測定口と反対側の壁パネル101にもナット104で締め付ける必要があるので、壁裏に作業スペースが必要である。同様に図8の場合も天井裏での作業スペースが必要である。しかしコスト低減の要請からこのようなスペースはできるだけ少なくするのが望ましい。さらに配管以外に配線工事が必要であるので、狭いスペースでの取り付け作業はさらに困難になってきている。
ところで、クリーンルームなどの室内の清掃・洗浄時には、壁面や天井面にホースで水などの洗浄液をかけるが、検出管に洗浄液が入ったときは正確な圧力が測定できなくなる。しかも一旦、細い検出管に洗浄液が入り込むと、特許文献2から分かるように、抜き取りにくく、結局は一定時間放置して洗浄液が乾くまで、室内圧の測定ができなくなる。そのため、検出器の先端開口に洗浄液が入らないようにすることが望まれる。
本発明は前記従来の室内圧測定口の問題に鑑み、壁パネルや天井パネルの取り付け後でも導圧チューブを容易に配管することができ、検出管を室内側から容易にパネルに取り付けることができる室内圧測定口を提供することを技術課題としている。さらに本発明は、洗浄時に室内圧測定口の検出管に洗浄液が入らないようにすることを第2の技術課題としている。
本発明の室内圧測定口は、開口部を有する室内の内装用のパネルと、そのパネルの背面側で開口部の近辺に端部が配置される保護チューブと、その保護チューブ内に挿通され、端部近辺が保護チューブの端部開口から延び出ている可撓性の導圧チューブと、前記パネルの開口部を気密に塞ぐための室内側から取り付けられるカバープレートと、そのカバープレートの前後を連通すると共に、導圧チューブの端部を保持する検出管とからなることを特徴としている(請求項1)。
このような構造においては、 前記検出管の室内側端部の開口を、間隔をあけて覆う防滴フードをさらに備えているものが好ましい(請求項2)。また、前記保護チューブの端部を、パネルの開口部近辺に固定する支持具を備えているものが好ましい(請求項3)。その場合、前記支持具が、パネルの開口部を背面側から覆うように配置される箱状のアウトレットボックスであり、保護チューブの端部がそのアウトレットボックスの側壁または底壁に固定されているものが好ましい(請求項4)。
また、室内側からパネルの開口部に挿入される箱部と、その箱部の開口端から広がり、パネルとカバープレートとの間に挟着されるフランジとからなるシールボックスをさらに備えており、前記箱部に導圧チューブを気密に貫通させる孔を穿孔した厚肉部が形成されているものが一層好ましい(請求項5)。さらに前記検出管の前端側がカバープレートの前面から突出し、後端側が導圧チューブと連結するためにカバープレートの背面側に突出しているものが好ましい(請求項6)。
また、防滴フードを備えた室内圧検出口の構造では、前記検出管の前端側がカバープレートから室内側に突出しており、前記防滴フードが、カバープレートに取り付けられる平坦な背面部と、その背面部の左右両端を連結する湾曲ないし屈曲した前面部とからなる筒状を呈しており、前記背面部に検出管を通す開口が形成されているものが好ましい(請求項7)。その場合、前記検出管の室内側に突出している部位に係止鍔またはナットが設けられており、その係止鍔またはナットとカバープレートの間に、防滴フードの背面部が挟着されているものが一層好ましい(請求項8)。
本発明の室内圧測定口用の防滴フードは、1枚の左右に長い長方形の金属薄板の左右を後方に折り曲げて背面部とし、中央部を前面側に突出するように湾曲ないし屈曲させて前面部とし、左右いずれかの、または両方の端縁に検出管を通す切り欠きを形成していることを特徴としている(請求項9)。
本発明の室内圧測定口(請求項1)は、室内とパネル裏とが開口部によって大きく連通しており、開口部近辺で端部が開口する保護チューブ内に導圧チューブが通され、開口部から保護チューブから出ている。そのため、軽量鉄骨の間仕切り枠の建て込みのときに保護チューブを配管しておけば、パネルを軽量鉄骨の枠体に貼り付けた後でも、導圧チューブを保護チューブに通すことができ、導圧チューブの端部を室内側から簡単に取り出すことができる。したがってパネル設置業者がパネルの取り付け作業を完了した後、室内圧測定装置の設置業者が導圧チューブの配管および室内圧測定口の施工を合わせて行うことができ、煩雑な施工手順の調整が不要である。
そして室内側に取り出した導圧チューブの端部をカバープレートを連通する検出管の後端に連結し、カバープレートを室内側からパネルに取り付けて開口部を塞ぐことにより、容易に室内圧測定口の施工を完了することができる。さらにそれらの作業は、圧力を測定しようとする室内から行うことができるので、壁裏や天井裏に大きいスペースを必要としない。すなわち本発明の構造は、図7や図8の従来の構造に比べると部品点数が多くなり、シールすべき範囲が広く長さが長くなり、隙間をシールしにくくなる半面、上記のように他の工事との調整が不要で独自に工事日程を組める利点がある。また、施工工事自体も簡単である。
前記検出管の室内側端部の開口を、間隔をあけて覆う防滴フードをさらに備えている室内圧測定口(請求項2)は、室内を清掃・洗浄するとき、ホースで洗浄液をかけても検出管の先端開口に洗浄液が入り込みにくい。そのため、洗浄した後、乾くのを待たずにただちに室内圧を測定することができる。
前記保護チューブの端部を、パネルの開口部近辺に固定する支持具を備えている室内圧測定口(請求項3)は、保護チューブの端部の位置および方向を正確に維持することができる。そのため、導圧チューブを開口部から一層容易に室内側に取り出しやすい。
前記支持具が、パネルの開口部を背面側から覆うように配置される箱状のアウトレットボックスであり、保護チューブの端部がそのアウトレットボックスの側壁または底壁に固定されている場合(請求項4)は、導圧チューブを保護チューブに通していくとき、保護チューブから出てくる導圧チューブの端部近辺がアウトレットボックス内に溜まる。そのため、一層パネルの開口部から導圧チューブの端部を室内側へ取り出しやすい。
室内側からパネルの開口部に挿入される箱部と、その箱部の開口端から広がり、パネルとカバープレートとの間に挟着されるフランジとからなるシールボックスをさらに備えており、前記箱部に導圧チューブを気密に貫通させる孔を穿孔した厚肉部が形成されている場合(請求項5)は、カバープレートとパネルの間をシールボックスのフランジでシールすることができる。さらに検出管とカバープレートに隙間があり、室内とシールボックス内の気密性が不充分であっても、導圧チューブとシールボックスの間でシールするので、室内の気密性をより確実に維持することができる。
前記検出管の前端側がカバープレートの前面から突出し、後端側が導圧チューブと連結するためにカバープレートの背面側に突出している場合(請求項6)は、室内を洗浄するとき、洗浄液が壁面に当たって跳ね返る場合でも、あるいは洗浄液が壁面に沿って流れ落ちる場合でも、検出管内に洗浄液が入り込みにくい。また、検出管の後端側に導圧チューブを連結しやすい。
前記検出管の前端側がカバープレートから室内側に突出しており、前記防滴フードが、カバープレートに取り付けられる平坦な背面部と、その背面の左右両端を連結する湾曲ないし屈曲した前面部とからなる筒状を呈しており、前記背面部に検出管を通す開口が形成されている場合(請求項7)は、防滴フードをカバープレートに取り付けやすく、検出管の開口を充分に覆うことができる。
そのような防滴フードを用いる場合において、前記検出管の室内側に突出している部位に係止鍔またはナットが設けられており、その係止鍔またはナットとカバープレートの間に、防滴フードの背面部が挟着されている構造(請求項8)では、簡易な構成で防滴フードをカバープレートに取り付けることができ、係止鍔またはナットが検出管の取り付けと防滴フードの取り付けに兼用できる。
本発明の室内圧測定口用の防滴フード(請求項9)は、簡単な構成で測定口の検出管の先端開口を覆うことができ、製造および取り付け作業も容易である。そして左右に分かれている背面部を検出管の左右から挟むように設置した後、締め付け用のナットなどで防滴フードとカバープレートを一緒に挟着することができる。
つぎに図面を参照しながら本発明の室内圧測定口および防滴フードの実施の形態を説明する。図1は本発明の室内圧測定口の一実施形態を示す断面図、図2は図1の室内圧測定口の組み付け途中の状態を示す斜視図、図3は図1の室内圧測定口の組み付け手順を示す工程図、図4は本発明の防滴フードの一実施形態を示す斜視図、図5は図4の防滴フードの展開図、図6a、図6bおよび図6cはそれぞれ図4の防滴フードの背面図、側面図および平面図である。
図1および図2に示す室内圧測定口10は、室内の内装用の壁パネル11と、その壁パネル11の背面側(図1の右側)に配置されるアウトレットボックス12と、壁パネル11の室内側から壁パネルの開口部13に挿入され、開口部13をシールするためのシールボックス14と、シールボックス14の開口を塞ぐように壁パネル11の開口部の周囲に取り付けられるカバープレート15とを備えている。カバープレート15のほぼ中央には検出管16が貫通して取り付けられており、その検出管16の後端には導圧チューブ17の端部が連結具18を介して連結されている。さらにアウトレットボックス12には導圧チューブ17を保護する保護チューブ19の一端が連結されている。なお、図1では検出管16の前方(室内側)を覆う防滴フード40が示されている。図2では防滴フードは省略している。
壁パネル11は従来のものと同様であり、たとえば表面に合成樹脂コーティングを施した石膏ボードや、発泡樹脂ボード、ベニヤ板などが用いられる。壁パネル11は枠体(図3の符号36参照)にネジなどで取り付ける。壁パネル11の開口部13は、アウトレットボックス12の取り付け位置を確認して現場施工で開口させる。ただし開口部を形成する前に枠体に取り付け、その後、小さい開口を形成し、ついでアウトレットボックス12の内面に沿って大きく開口部を形成するようにしてもよい。
アウトレットボックス12は金属製あるいは合成樹脂製の箱部であり、図2に示すように、開口部近辺に壁パネル11あるいは枠体に固定するためのフランジあるいは折り曲げ片22を設けている。折り曲げ片22の中央には雌ねじあるいはネジを通す孔が形成されている。アウトレットボックス12に代えて、L字状のブラケットなど、他の形態の支持具で保護チューブ19の端部を固定することもできる。しかし導圧チューブ17を通すときに、保護チューブ19から出てくる導圧チューブ17の端部近辺を下方に垂らさないように受け止めることができ、しかもシールボックス14を保護できることから、箱状のもの、とくにアウトレットボックス12を用いるのが好ましい。アウトレットボックス12は気密性を備えていなくてもよい。
アウトレットボックス12として、市販の屋内配線用の端子箱(アウトレットボックス)を利用することができる。ただし新たに製造してもよい。市販の電気配線用のアウトレットボックスには、電線を通す孔を形成するための仮蓋を設けたものがあり、その場合は保護チューブ19を取り付ける位置の仮蓋をたたき落として開口させ、保護チューブ19の先端をその開口に挿入し、2枚の板ナット23などで保護チューブ19の端部を固定する。
保護チューブ19としては、螺旋状ないしコイル状の金属線を合成樹脂で連結したフレキシブルチューブ(フレキ管)、網代管など、市販の可撓性を備えた電線用保護チューブを用いることができる。ただし導圧チューブ17を通すときに滑らからに通すことができるように、内面が平滑なものが好ましい。螺旋状の突条を備えたフレキシブルチューブを採用する場合は、その突条を利用して板ナット23を螺合させることができる。
導圧チューブ17は圧力計や差圧計に付属しているものと同様な合成樹脂製のチューブが用いられる。導圧チューブ17の材料としては、ポリアミド、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレートなどが用いられるが、負圧でも潰れない程度の剛性および気密性を備え、しかも適度な柔軟性ないし可撓性を備えたものであればよい。導圧チューブ17の外径は通常3〜16mm程度、内径は2〜12mm程度である。
シールボックス14は箱状ないし深皿状の箱部24と、その箱部24の開口端の周縁から広がるフランジ25とを備えている。箱部24は、検出管15の後部および導圧チューブ17の端部近辺を収容しながら壁パネル11の開口部13を気密に塞ぐものであり、矩形状の底面24aおよびその周囲の側壁24bから構成されている。ただし室内側と壁パネルの裏側との差圧によって潰れない厚さおよび形状であればよく、その形状は角筒状に限らず、円筒状あるいは半球状であってもよい。
図1に示すように、底面24aには背面側に突出する厚肉部26が形成され、その厚肉部26に導圧チューブ17を通す孔を穿孔している。それにより導圧チューブ17をしっかりと保持することができ、気密を維持しやすい。図1の符号37は、導圧チューブ17を通す孔と導圧チューブ17の隙間をシールするためのコーキング材である。
シールボックス14のフランジ25はカバープレート15と壁パネル11との間に介在され、その間をシールするパッキンないしガスケットとして作用する。カバープレート15は図2のネジ27でシールボックス14のフランジ25を貫通して壁パネル11にねじ込んで固定する。ネジとしては下穴なしでねじ込むことができる先端に錐を備えたタッピングスクリューが好ましい。なおネジ27を壁パネル11に貫通させ、アウトレットボックス12の折り曲げ片22に形成した雌ネジにねじ込んで固定することもできる。その場合はアウトレットボックス12は枠体に仮保持させておき、ネジ27によって壁パネル11に固定することになる。
シールボックス14は、挟圧したときにシール機能を発揮するように、通常はゴムないし軟質の合成樹脂から成形される。ただし硬質の合成樹脂や金属板などで形成することもできる。その場合はシーラントなどのコーキング材で必要箇所をシールするか、シールボックス14とは別個のゴムシートやガスケットなどのシール材を併用する。なお、シールボックス14にシール材を焼き付けや接着で一体化させてもよい。
カバープレート15は、シールボックス14の開口を塞ぎ、検出管16を支持する硬質の板材である。カバープレート15は金属板や合成樹脂板などで形成できる。図2に示すように、カバープレート15のほぼ中央には、検出管16を通して保持するための保持孔28が形成され、2カ所あるいは4カ所のコーナ部にはネジ27を通すネジ通し孔29が形成されている。
検出管16はカバープレート15の保持孔28に挿入される挿入部(後部)31と、カバープレート15の前面と当接する係止鍔32と、前面側(室内側)に突出する突出部(前部)33とを備えた略筒状の部材である。検出管16の中心には通気孔34が軸方向に通っている。係止鍔32の外周は六角面に形成されており、挿入部31の外周には雄ネジが形成されている。検出管16はその挿入部31をカバープレート15の保持孔28に挿入した後、カバープレート15の背面側からその雄ネジと螺合するナット35によって締め付けてカバープレート15に固定する。そのとき、係止鍔32の外周の六角面をスパナで回らないように押さえておくことができる。
図1の実施形態では、係止鍔31、挿入部31および突出部33を一体に形成しているが、係止鍔32に代えて別個のナットを用いることもできる。その場合は、突出部33と挿入部31を一体とし、突出部33の側にも雄ネジを形成し、その雄ネジに螺合させたナットを係止鍔として利用する。また図1の場合とは逆に、検出管16の後部側に一体型の係止鍔を設けることもできる。その場合は検出管16はカバープレート15の背面側から保持孔28に挿入する。
つぎに図3を参照して上記のように構成される室内圧測定口10の組み付け工程の全体の流れを説明する。はじめに仕切り壁の施工業者が枠体36を組み付ける。そして壁パネルを取り付ける前に、内圧測定装置の施工業者がアウトレットボックス12および保護チューブ19を枠体36に取り付ける(第1工程S1)。アウトレットボックス12を取り付けてから、保護チューブ19を配管してもよい。導圧チューブはまだ保護チューブ19に挿入しない。この状態では壁パネルがないので、保護チューブ19やアウトレットボックス12の取り付けは容易である。なお、保護チューブ19とアウトレットボックス12は、構造部品であるので、仕切り壁の施工業者が取り付けるようにしてもよい。また、電気配線の施工業者に取り付け作業を委託してもよい。
ついで仕切り壁の施工業者が壁パネル11を枠体36に取り付ける(第2工程S2)。このとき、あらかじめ設計通りに壁パネル11の所定位置に開口部13を形成しておいてもよく、壁パネル11の取り付け後に開口部13を形成してもよい。
ついで内圧測定装置の施工業者が保護チューブ19に導圧チューブ17を通し、その先端を壁パネル11の開口部13から引き出す。保護チューブ19は湾曲しながら2枚の壁パネル11の間を通っているが、導圧チューブ17は湾曲に沿って通されていく。そして導圧チューブ17の先端を壁パネル11の開口部13から室内側に引き出す(第3工程S3)。なお、先に保護チューブ19に針金あるいはひもを通しておき、針金やひもの端部に導圧チューブ17を連結して、保護チューブ19の他端から針金やひもを引っ張るようにして導圧チューブ17を保護チューブ19内に通すようにしてもよい。
ついで室内側に引き出された導圧チューブ17の端部近辺をシールボックス14、ナット35およびカバープレート15に通し、先端を検出管16に連結する。ついで図1に示すように、シールボックス14とカバープレート15を壁パネル11に固定する。なお、図1に示すように、シールボックス14の導圧チューブを通す孔と導圧チューブ17の隙間はあらかじめシーラント37でシールしておく。さらにシールボックス14のフランジ25の周囲やカバープレート15の周囲もシーラント38でシールしておく。それにより図1の室内圧測定口10が組み付けられる。
上記のようにして組み付けられる室内圧測定口10は、図7の従来の測定口に比して部品点数が多いが、室内側から取り付け作業を行うことができるので、仕切り壁の壁パネルの業者と工事日程の調整をする必要がほとんどなく、独自の日程で工事を進めることができる。しかも、導圧チューブ17を室内側に引き出して検出管16に連結できるなど、取り付け作業が大幅に簡単になる利点がある。
図4は図1の室内圧測定口10に用いられる防滴フード40である。この防滴フード40は、カバープレートの前面に当接される平坦な背面部41と、その背面部の左右両端を連結する湾曲ないし屈曲した前面部42とからなる断面半円の筒状を呈している(図6a、図6b参照)。そして背面部41の中央に検出管を通す開口43が形成されている(図6c参照)。背面部41の左右の幅Wは50〜150mm、とくに100mm、高さHは50〜150mm、とくに100mmである。開口43の径は配管の規格に合わせて15mmまたは17mmとする。
この防滴フード40は、図5に示す矩形状の金属薄板44の左右の端縁45の上下の略中央に半円状の切り欠き46を形成し、左右端からいくらか中央よりの折り曲げ線47で略直角に折り曲げ、さらに左右の折り曲げ線47の間の範囲48を半円状に湾曲させて端縁45同士を当接または接近させることにより製造することができる。すなわち、折り曲げ線47と端縁45の間は図4の背面部41となり、左右の切り欠き46は両方で開口43となり(図6a参照)、湾曲させた折り曲げ線47の間の範囲48は前面部42となる。切り欠き46は、片側の端縁45だけに形成することもできる。その場合は深い切り欠きとなる。
金属薄板44の材料は、アルミニウムやステンレスなど、錆びにくく、塗装が不要な材料で、折り曲げ加工が容易なものが好ましい。左右の端縁45同士は接合せず、金属薄板の可撓性を利用して開閉自在としておくのが好ましい。そして左右の端縁の間に0.5〜1mm程度の隙間Gをあけている。それにより、開いた状態で図1の検出管16の係止鍔32とカバープレート15の間に挿入することができ、検出管16をカバープレート15の保持孔28に挿入したまま、防滴フード40の取り付けを行うことができる。開閉自在としない場合は、検出管16を保持孔28に挿入する前に検出管の挿入部31に装着しておくか、カバープレート15と防滴フード40を重ねて検出管16を装着する。
図1のように防滴フード40を取り付けると、検出管16の通気孔34を間隔をあけて覆うことができ、クリーンルームなどを洗浄するときに通気孔34に洗浄液が入り込むことを防止できる。
防滴フード40は金属板製とするほか、合成樹脂製とすることもできる。また、前面部は断面半円状に湾曲させるほか、楕円状に湾曲させたり、三角形状、台形状ないし矩形状に折り曲げるようにしてもよい。防滴フード40は上下に開口が向くように取り付ける。それにより、洗浄液が流れ落ちやすくなる。
前記実施形態では壁パネルに取り付ける室内圧測定口を説明したが、図8の天井パネルにも同様に取り付けることができる。この場合も室内側から取り付け作業を行うことができるので、天井パネルの業者との工事日程の調整が不要になり、取り付け作業が簡単になる。また、防滴フードを取り付ける場合は、洗浄液が検出管に入り込むことを防止できる。
本発明の室内圧測定口の一実施形態を示す断面図である。 図1の室内圧測定口の組み付け途中の状態を示す斜視図である。 図1の室内圧測定口の組み付け手順を示す工程図である。 本発明の防滴フードの一実施形態を示す斜視図である。 図4の防滴フードの展開図である。 図6a、図6bおよび図6cはそれぞれ図4の防滴フードの背面図、側面図および平面図である。 従来の室内圧測定口の一例を示す断面図である。 従来の室内圧測定口の他の例を示す断面図である。
符号の説明
10 室内圧測定口
11 壁パネル
12 アウトレットボックス
13 開口部
14 シールボックス
15 カバープレート
16 検出管
17 導圧チューブ
18 連結具
19 保護チューブ
22 折り曲げ片
23 板ナット
24 箱部
24a 底面
24b 側壁
25 フランジ
26 厚肉部
27 ネジ
28 保持孔
29 ねじ通し穴
31 挿入部
32 係止鍔
33 突出部
34 通気孔
35 ナット
36 枠体
37、38 シーラント
40 防滴フード
41 背面部
42 前面部
43 開口
44 金属薄板
45 端縁
46 切り欠き
47 折り曲げ線
48 左右の折り曲げ線の間の範囲
W 左右の幅
H 高さ
G 隙間

Claims (9)

  1. 開口部を有する室内の内装用のパネルと、
    そのパネルの背面側で開口部の近辺に端部が配置される保護チューブと、
    その保護チューブ内に挿通され、端部近辺が保護チューブの端部開口から延び出ている可撓性の導圧チューブと、
    前記パネルの開口部を気密に塞ぐための室内側から取り付けられるカバープレートと、
    そのカバープレートの前後を連通すると共に、導圧チューブの端部を保持する検出管
    とからなる室内圧測定口。
  2. 前記検出管の室内側端部の開口を、間隔をあけて覆う防滴フードをさらに備えている請求項1記載の室内圧測定口。
  3. 前記保護チューブの端部を、パネルの開口部近辺に固定する支持具を備えている請求項1または2記載の室内圧測定口。
  4. 前記支持具が、パネルの開口部を背面側から覆うように配置される箱状のアウトレットボックスであり、保護チューブの端部がそのアウトレットボックスの側壁または底壁に固定されている請求項3記載の室内圧測定口。
  5. 室内側からパネルの開口部に挿入される箱部と、その箱部の開口端から広がり、パネルとカバープレートとの間に挟着されるフランジとからなるシールボックスをさらに備えており、前記箱部に導圧チューブを気密に貫通させる孔を穿孔した厚肉部が形成されている請求項1〜4のいずれかに記載の室内圧測定口。
  6. 前記検出管の前端側がカバープレートの前面から突出し、後端側が導圧チューブと連結するためにカバープレートの背面側に突出している請求項1〜5のいずれかに記載の室内圧測定口。
  7. 前記検出管の前端側がカバープレートから室内側に突出しており、
    前記防滴フードが、カバープレートに取り付けられる平坦な背面部と、その背面部の左右両端を連結する湾曲ないし屈曲した前面部とからなる筒状を呈しており、
    前記背面部に検出管を通す開口が形成されている請求項2記載の室内圧測定口。
  8. 前記検出管の室内側に突出している部位に係止鍔またはナットが設けられており、その係止鍔またはナットとカバープレートの間に、前記防滴フードの背面部が挟着されている請求項7記載の室内圧測定口。
  9. 請求項2、7または8のいずれかに記載の室内圧測定口用の防滴フードであって、1枚の左右に長い長方形の金属薄板の左右を後方に折り曲げて背面部とし、中央部を前面側に突出するように湾曲ないし屈曲させて前面部とし、左右いずれかの、または両方の端縁に検出管を通す切り欠きを形成した防滴フード。
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