JP2009221491A - 酸化物原料を含む硫化物原料の焼結方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】ドワイトロイド型の上吹き焼結機で、硫化亜鉛及び硫化鉛を含有する硫化物原料とともに、酸化亜鉛及び酸化鉛を含有する酸化物原料を含む装入原料を焼結する方法において、酸化物原料を増処理する際に、必要な発熱量を確保することにより、焼結塊の生成において良好な生産性と残留するカドミウム等の品質を向上することができる酸化物原料を含む硫化物原料の焼結方法を提供する。
【解決手段】前記装入原料として、前記硫化物原料と前記酸化物原料を混合工程で混合解砕に付し、次いで造粒工程に付して製造したペレットを用いる際に、該装入原料に、粒径が5〜20mmであって、該酸化物原料の装入量に対し1〜5質量%に当たる粒状コークスを添加することを特徴とする。
【選択図】なし
【解決手段】前記装入原料として、前記硫化物原料と前記酸化物原料を混合工程で混合解砕に付し、次いで造粒工程に付して製造したペレットを用いる際に、該装入原料に、粒径が5〜20mmであって、該酸化物原料の装入量に対し1〜5質量%に当たる粒状コークスを添加することを特徴とする。
【選択図】なし
Description
本発明は、酸化物原料を含む硫化物原料の焼結方法に関し、さらに詳しくは、ドワイトロイド型の上吹き焼結機で、硫化亜鉛及び硫化鉛を含有する硫化物原料とともに、酸化亜鉛及び酸化鉛を含有する酸化物原料を含む装入原料を焼結する方法において、酸化物原料を増処理する際に、必要な発熱量を確保することにより、焼結塊の生成において良好な生産性と残留するカドミウム等の品質を向上することができる酸化物原料を含む硫化物原料の焼結方法に関する。
ISP法(Imperial Smelting Process法)と呼ばれる亜鉛・鉛製錬において、硫化亜鉛(ZnS)や硫化鉛(PbS)を主成分として含有する硫化物原料(以下、単に硫化物原料呼称する場合がある。)を原料として用いて、主として、焼結工程と熔錬工程の2工程を経て、金属状態の粗亜鉛と粗鉛の生産を行っている。
ここで、焼結工程では、主に、下記の式(1)及び式(2)で表される反応式に従い、ZnSとPbSの酸化が行なわれ、この際に発生するイオウの酸化反応熱を利用し、装入原料から焼結塊を生成している。なお、焼結工程で生成した焼結塊は、次の熔錬工程で、熔鉱炉に投入され、熔鉱炉内における還元反応によって粗亜鉛と粗鉛が生成される。
ここで、焼結工程では、主に、下記の式(1)及び式(2)で表される反応式に従い、ZnSとPbSの酸化が行なわれ、この際に発生するイオウの酸化反応熱を利用し、装入原料から焼結塊を生成している。なお、焼結工程で生成した焼結塊は、次の熔錬工程で、熔鉱炉に投入され、熔鉱炉内における還元反応によって粗亜鉛と粗鉛が生成される。
式(1):ZnS+3/2O2 → ZnO+SO2
式(2):PbS+3/2O2 → PbO+SO2
式(2):PbS+3/2O2 → PbO+SO2
上記焼結塊の生成は、前述したように、イオウの酸化反応で発生する熱によって、装入原料中に含まれる亜鉛分や鉛分が半溶融状態となり、互いに結合することで生成されるので、熔鉱炉の装入原料として好適な十分な強度等の性状を有する焼結塊を生成させるためには、その発生熱源として十分な量の硫化物原料を投入することが不可欠である。
ところで、ISP法による製錬の焼結工程では、ドワイトロイド型の上吹き焼結機(以下、単に焼結機と呼称する場合がある。)が用いられるのが一般的である。この焼結機への装入原料は、事前に、硫化物原料と返し粉をミキシングドラム等にて混合する混合工程と得られた混合原料をペレタイザー等で4〜6mm程度の粒径のペレットに造粒する造粒工程で処理される。ここで、焼結機への装入原料をペレット化することにより、焼結機までの運搬途中での発塵を防止し、かつ焼結機での酸化焙焼時のガスの通気性を良好な状態に維持することができる。
ここで、上記焼結機を用いた装入原料から焼結塊の生成について、図を用いて説明する。
図1は、ドワイトロイド型の上吹き焼結機の構造を表す概略図である。
図1において、まず、装入原料であるペレットは、焼結機に設置された第1の装入ホッパー3からパレット(火格子)1上に供給され、通常5cm程度の所定の厚さに鉱層2が堆積される。ここで、上部から点火用の重油バーナー4などにより加熱されながら、かつ、下向きに吸引通風されて、燃焼を始める。その後、第2の装入ホッパー5から、装入原料層が通常40cm程度の所定の厚さとなるよう2回目の装入がおこなわれる。
続いて、火格子1は、焼結機全体の長手方向に配置された送風機の上を点線矢印に示す方向に移動し、風箱6で送風機から上向きに通風される。ここで、装入原料層の下層から上層に向かって順次、乾燥、予熱、硫化物の燃焼及び冷却が進行することにより、装入原料の酸化、溶融及び結合が進み、焼結塊7が生成する。なお、焼結塊7のうち15cm程度以下のものは、篩分けられ、破砕機8で4mm程度の粒に解砕され、返し粉として、混合工程に戻され、繰り返し使用されている。
図1は、ドワイトロイド型の上吹き焼結機の構造を表す概略図である。
図1において、まず、装入原料であるペレットは、焼結機に設置された第1の装入ホッパー3からパレット(火格子)1上に供給され、通常5cm程度の所定の厚さに鉱層2が堆積される。ここで、上部から点火用の重油バーナー4などにより加熱されながら、かつ、下向きに吸引通風されて、燃焼を始める。その後、第2の装入ホッパー5から、装入原料層が通常40cm程度の所定の厚さとなるよう2回目の装入がおこなわれる。
続いて、火格子1は、焼結機全体の長手方向に配置された送風機の上を点線矢印に示す方向に移動し、風箱6で送風機から上向きに通風される。ここで、装入原料層の下層から上層に向かって順次、乾燥、予熱、硫化物の燃焼及び冷却が進行することにより、装入原料の酸化、溶融及び結合が進み、焼結塊7が生成する。なお、焼結塊7のうち15cm程度以下のものは、篩分けられ、破砕機8で4mm程度の粒に解砕され、返し粉として、混合工程に戻され、繰り返し使用されている。
ところで、上記のような亜鉛・鉛製錬の原料としては、硫化物原料とともに、鉄鋼ダスト等の亜鉛を含有する産廃物から回収した粗酸化亜鉛原料、亜鉛品位の高い産廃物等の酸化亜鉛及び酸化鉛を含有する酸化物原料を用いることが求められ、さらにその処理量を増加することが、コスト削減とリサイクル社会への貢献の意味から重要になっている。
しかしながら、酸化物原料には、イオウ分がほとんど含まれず、発熱反応に寄与しないため、酸化物原料の処理量を増加すると、発熱量が不足して良好な焼結塊の生成を妨げ、結果として生産性が悪化するという問題点がある。また、酸化物原料には不純物が含有される場合が多く、特にカドミウム(Cd)は、品質上の問題につながる。すなわち、カドミウムは酸化物の形態で含有されるので、気相と接する焼結工程において、Cdが揮発できるほどに十分な高温を維持できずに、揮発が不十分であるときには、後工程で除去できずに粗亜鉛にまで残留してしまうという問題がある。
しかしながら、酸化物原料には、イオウ分がほとんど含まれず、発熱反応に寄与しないため、酸化物原料の処理量を増加すると、発熱量が不足して良好な焼結塊の生成を妨げ、結果として生産性が悪化するという問題点がある。また、酸化物原料には不純物が含有される場合が多く、特にカドミウム(Cd)は、品質上の問題につながる。すなわち、カドミウムは酸化物の形態で含有されるので、気相と接する焼結工程において、Cdが揮発できるほどに十分な高温を維持できずに、揮発が不十分であるときには、後工程で除去できずに粗亜鉛にまで残留してしまうという問題がある。
このため、装入される硫化物原料と酸化物原料との質量比(以下、単に「硫化物原料/酸化物原料」と呼称する場合がある。)は、4程度以上に限定されることが一般的である。また、焼結塊中のCd品位が、許容範囲である0.04質量%を超えることが経験的に予測される場合には、さらに硫化物原料/酸化物原料の値を上昇させるなどの調整をして操業が行われており、酸化物原料の処理量を増加するための大きな障害となっている。
従来、亜鉛・鉛製錬の焼結機における発熱量を補う方法としては、25mm篩下の粒状コークスを添加する方法(例えば、特許文献1参照。)また、焼結機に送り込む燃焼用気体として、酸素富化空気を使用する方法(例えば、特許文献2参照。)が開示され、それぞれ通常の硫化物原料を使用する場合には十分な効果を有するものの、上記の酸化物原料を使用する場合の問題点のように、酸化物原料の処理量の増加に係る発熱量の低下については考慮されていないため、直接適用することができない。
本発明の目的は、上記の従来技術の問題点に鑑み、ドワイトロイド型の上吹き焼結機で、硫化亜鉛及び硫化鉛を含有する硫化物原料とともに、酸化亜鉛及び酸化鉛を含有する酸化物原料を含む装入原料を焼結する方法において、酸化物原料を増処理する際に、必要な発熱量を確保することにより、焼結塊の生成において良好な生産性と残留するカドミウム等の品質を向上することができる酸化物原料を含む硫化物原料の焼結方法を提供することにある。
本発明者らは、上記目的を達成するために、ドワイトロイド型の上吹き焼結機で、硫化亜鉛及び硫化鉛を含有する硫化物原料とともに、酸化亜鉛及び酸化鉛を含有する酸化物原料を含む装入原料を焼結する方法について、鋭意研究を重ねた結果、前記装入原料として、前記硫化物原料と前記酸化物原料を混合工程で混合粉砕に付し、次いで造粒工程に付して製造したペレットを用いる際に、装入原料に、特定の粒径を有する粒状コークスを特定量添加したしたところ、酸化物原料を増処理する際に、必要な発熱量を確保することにより、焼結塊の生成において良好な生産性と残留するカドミウム等の品質を維持することができることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明の第1の発明によれば、ドワイトロイド型の上吹き焼結機で、硫化亜鉛及び硫化鉛を含有する硫化物原料とともに、酸化亜鉛及び酸化鉛を含有する酸化物原料を含む装入原料を焼結する方法において、
前記装入原料として、前記硫化物原料と前記酸化物原料を混合工程で混合解砕に付し、次いで造粒工程に付して製造したペレットを用いる際に、該装入原料に、粒径が5〜20mmであって、該酸化物原料の装入量に対し1〜5質量%に当たる粒状コークスを添加することを特徴とする酸化物原料を含む硫化物原料の焼結方法が提供される。
前記装入原料として、前記硫化物原料と前記酸化物原料を混合工程で混合解砕に付し、次いで造粒工程に付して製造したペレットを用いる際に、該装入原料に、粒径が5〜20mmであって、該酸化物原料の装入量に対し1〜5質量%に当たる粒状コークスを添加することを特徴とする酸化物原料を含む硫化物原料の焼結方法が提供される。
また、本発明の第2の発明によれば、第1の発明において、前記粒状コークスを添加する際に、前記混合工程に添加し、前記造粒工程で該粒状コークスを核とするペレットを形成することを特徴とする酸化物原料を含む硫化物原料の焼結方法が提供される。
また、本発明の第3の発明によれば、第1又は2の発明において、前記粒状コークスは、石炭の乾留コークスであることを特徴とする酸化物原料を含む硫化物原料の焼結方法が提供される。
また、本発明の第4の発明によれば、第1〜3いずれかの発明において、前記装入原料中の硫化物原料と酸化物原料との質量比は、4未満であることを特徴とする酸化物原料を含む硫化物原料の焼結方法が提供される。
本発明の酸化物原料を含む硫化物原料の焼結方法は、酸化物原料を増処理する際に、必要な発熱量を確保することにより、焼結塊の生成において、良好な生産性と残留するカドミウム等の品質を維持することができるので、その工業的価値は極めて大きい。これにより、亜鉛・鉛製錬における焼結工程において、酸化物原料の増処理が可能となるだけでなく、焼結塊中のカドミウム品位を低減することができるので、得られる粗亜鉛等の品質の向上に大きく貢献する。
以下、本発明の酸化物原料を含む硫化物原料の焼結方法を詳細に説明する。
本発明の酸化物原料を含む硫化物原料の焼結方法は、ドワイトロイド型の上吹き焼結機で、硫化亜鉛及び硫化鉛を含有する硫化物原料とともに、酸化亜鉛及び酸化鉛を含有する酸化物原料を含む装入原料を焼結する方法において、前記装入原料として、前記硫化物原料と前記酸化物原料を混合工程で混合解砕に付し、次いで造粒工程に付して製造したペレットを用いる際に、該装入原料に、粒径が5〜20mmであって、該酸化物原料の装入量に対し1〜5質量%に当たる粒状コークスを添加することを特徴とする。
本発明の酸化物原料を含む硫化物原料の焼結方法は、ドワイトロイド型の上吹き焼結機で、硫化亜鉛及び硫化鉛を含有する硫化物原料とともに、酸化亜鉛及び酸化鉛を含有する酸化物原料を含む装入原料を焼結する方法において、前記装入原料として、前記硫化物原料と前記酸化物原料を混合工程で混合解砕に付し、次いで造粒工程に付して製造したペレットを用いる際に、該装入原料に、粒径が5〜20mmであって、該酸化物原料の装入量に対し1〜5質量%に当たる粒状コークスを添加することを特徴とする。
本発明の方法において、上記硫化物原料と酸化物原料を含むペレットとともに、焼結機の装入原料として、粒状コークスを添加することが重要である。これによって、必要な発熱量を確保することにより、焼結機の火格子上に形成される装入原料層を均一に、かつ高温度に加熱することができるので、熔鉱炉の装入原料として好適な十分な強度を有する焼結塊が得られ、良好な生産性を達成するとともに、酸化物形態で存在するため揮発しにくいカドミウムの揮発を促進して、残留するカドミウム等の品質を向上することができる。
上記方法において用いる粒状コークスとしては、粒径が5〜20mmであり、その添加割合としては、酸化物原料の装入量に対し1〜5質量%である。なお、ここで、粒径は、標準篩を用いて測定したものである。すなわち、装入原料のペレットの粒径が4〜6mm程度であるため、粒径が5mm未満では、焼結機の火格子上に形成される装入原料層で、装入原料の隙間を閉塞させる場合があり、焼結機での酸化焙焼時のガスの通気性を阻害するため好ましくない。一方、粒径が20mmを超えると、焼結機の火格子上に形成される装入原料層で、コークスの分布の均一性が乏しくなるために、不完全燃焼を起こして一酸化炭素ガスが発生し、この一酸化炭素ガスが後工程で燃焼し設備不具合を生じるため好ましくない。
また、粒状コークスの添加割合が1質量%未満では、発熱量が不充分となるため好ましくない、一方、粒状コークスの添加割合が5質量%を超えると、燃え残りが生じて焼結塊の亜鉛及び鉛品位を低下させるだけでなく、コークスも無駄になるため好ましくない。
また、粒状コークスの添加割合が1質量%未満では、発熱量が不充分となるため好ましくない、一方、粒状コークスの添加割合が5質量%を超えると、燃え残りが生じて焼結塊の亜鉛及び鉛品位を低下させるだけでなく、コークスも無駄になるため好ましくない。
上記方法において、粒状コークスの添加方法としては、特に限定されるものではなく、(イ)硫化物原料と酸化物原料を含むペレットをホッパーから装入する際に同時に添加する方法、(ロ)硫化物原料と酸化物原料を含むペレットの表面にまぶして添加する方法、(ハ)硫化物原料と酸化物原料を含む装入原料の造粒に際し、同時にペレット中に含有させる方法など、いずれの方法によっても焼結工程全体における発熱不足を補うことができるが、この中で、特に、硫化物原料と酸化物原料を含む装入原料の混合工程に粒状コークスを添加する方法が好ましい。
すなわち、硫化物原料と酸化物原料との混合工程において、粒状コークスを添加することにより、まず、混合工程で粒状コークスが緩やかな解砕を受けて、4mm程度の粒径となる。このとき、粒状コークスを核として、その表面上が硫化物原料をはじめとする40μm程度の微細な粒子によって包含された状態となる。次いで、造粒工程では、前記の状態となったものを6mm程度のペレットとするので、粒状コークスを核としたペレットが形成される。すなわち、装入原料中に粒状コークスが均一に分散し、コークスの燃焼効果を原料全体に与えることが可能となる。
上記方法に用いる焼結機としては、一般的に用いられているドワイトロイド型の上吹き焼結機であり、例えば、図1に概要図を示すものが用いられる。装入原料として、硫化物原料と酸化物原料を含むペレットと粒状コークス、または硫化物原料、酸化物原料及び粒状コークスを含むペレットが用いられる。
上記方法に用いる硫化物原料としては、特に限定されるものではなく、例えば、Zn:40質量%、Pb:16質量%、S:27質量%程度であり、平均粒径は40μm程度である。上記方法に用いる酸化物原料としては、特に限定されるものではなく、例えば、Zn:60質量%、Pb:6質量%、O:15質量%、Cd:0.1質量%程度であり、粒径は4mm程度である。
上記方法に用いる装入原料中の硫化物原料と酸化物原料との質量比(硫化物原料/酸化物原料)は、特に限定されるものではなく、4未満が好ましく用いられる。
上記方法に用いる装入原料中の硫化物原料と酸化物原料との質量比(硫化物原料/酸化物原料)は、特に限定されるものではなく、4未満が好ましく用いられる。
上記方法に用いる粒状コークスとしては、特に限定されるものではなく、各種のコークスが用いられるが、この中で、石炭の乾留コークスが好ましい。その組成は、例えば、固定炭素:88質量%、揮発分:0.5質量%、灰分10質量%、硫黄0.6質量%程度であり、余分な有機物等の不純物を含まず、すなわち、一見してさらさらの表面状態であるものを使用することが望ましい。この石炭の乾留コークスを使用することにより、混合工程及び造粒工程において、添加コークスに含まれる有機物等の不純物が、返し粉と他の原料との付着を阻害するような不具合がなくなり、また、焼結工程においても、酸化焙焼時のガスの通気性を確保することができる。
また、上記粒状コークスとしては、ISP熔鉱炉で使用される塊コークスを分級して得られたものであれば、上記の各性状を満たしており、コスト的にも有利であるため好適に使用することができる。
また、上記粒状コークスとしては、ISP熔鉱炉で使用される塊コークスを分級して得られたものであれば、上記の各性状を満たしており、コスト的にも有利であるため好適に使用することができる。
以上、本発明の方法によって焼結機を操業することにより、粒状コークスを無添加で操業した場合に比べて、焼結機内の温度が60℃程度上昇することがみとめられ、さらに、焼結塊中のCd品位を許容値である0.04%未満に保ったまま、通常の操業に比べて約1.5倍の酸化物原料の増処理が可能となった。
以下に、本発明の実施例及び比較例によって本発明をさらに詳細に説明するが、本発明は、これらの実施例によってなんら限定されるものではない。なお、実施例及び比較例で用いた金属の分析は、蛍光X線分析で行った。
(実施例1)
実用設備のドワイトロイド型の上吹き焼結機と、それに付帯するミキシングドラムによる混合工程及びペレタイザーによる造粒工程を用いて、装入原料の焼結を行なった。
装入原料として、組成がZn:40質量%、Pb:16質量%、S:27質量%で、平均粒径が40μm程度の硫化物原料と、組成がZn:60質量%、Pb:6質量%、O:15質量%、Cd:0.1質量%で、粒径が4mm程度の酸化物原料とを、硫化物原料/酸化物原料の比が、2.5となるように混合し、粒径が約6mmペレットを得た。なお、この場合、酸化物原料の投入重量としては、150t/日であった。
ここで、粒状コークスとして、粒径が5〜20mmで、その組成が、固定炭素:88質量%、揮発分:0.5質量%、灰分10質量%、硫黄0.6質量%を使用した。粒状コークスは、装入原料と返し粉の混合工程に添加し、造粒工程で該コークスを装入原料と返し粉の核とするようにしたペレットを得た。その添加割合は、酸化物原料の重量に対し2.4質量%に相当する量であった。
上記ペレットを、焼結機の第1の装入ホッパーから火格子上に供給し、通常操業と同様の5cm程度に堆積し、上部から点火用重油バーナーで加熱し、かつ、下向きに吸引通風して燃焼をスタートさせた。その後、第2の装入ホッパーから装入物層の厚さが通常操業と同様の40cm程度となるよう2回目の装入を実施し、上向きに送風して焼結工程を実施した。
上記操業での焼結機内の温度と、操業後に得られた焼結塊のCd品位を測定した。なお、温度は熱電対(K型)で焼結機内のガス相の温度を測定した。その結果、焼結反応中の温度は860℃、焼結塊中のCd品位は0.035質量%であった。
実用設備のドワイトロイド型の上吹き焼結機と、それに付帯するミキシングドラムによる混合工程及びペレタイザーによる造粒工程を用いて、装入原料の焼結を行なった。
装入原料として、組成がZn:40質量%、Pb:16質量%、S:27質量%で、平均粒径が40μm程度の硫化物原料と、組成がZn:60質量%、Pb:6質量%、O:15質量%、Cd:0.1質量%で、粒径が4mm程度の酸化物原料とを、硫化物原料/酸化物原料の比が、2.5となるように混合し、粒径が約6mmペレットを得た。なお、この場合、酸化物原料の投入重量としては、150t/日であった。
ここで、粒状コークスとして、粒径が5〜20mmで、その組成が、固定炭素:88質量%、揮発分:0.5質量%、灰分10質量%、硫黄0.6質量%を使用した。粒状コークスは、装入原料と返し粉の混合工程に添加し、造粒工程で該コークスを装入原料と返し粉の核とするようにしたペレットを得た。その添加割合は、酸化物原料の重量に対し2.4質量%に相当する量であった。
上記ペレットを、焼結機の第1の装入ホッパーから火格子上に供給し、通常操業と同様の5cm程度に堆積し、上部から点火用重油バーナーで加熱し、かつ、下向きに吸引通風して燃焼をスタートさせた。その後、第2の装入ホッパーから装入物層の厚さが通常操業と同様の40cm程度となるよう2回目の装入を実施し、上向きに送風して焼結工程を実施した。
上記操業での焼結機内の温度と、操業後に得られた焼結塊のCd品位を測定した。なお、温度は熱電対(K型)で焼結機内のガス相の温度を測定した。その結果、焼結反応中の温度は860℃、焼結塊中のCd品位は0.035質量%であった。
(実施例2)
粒状コークスの添加割合を酸化物原料に対し1.0質量%としたこと以外は実施例1と同様に操業したところ、焼結機内の温度は855℃、焼結塊中のCd品位は0.037質量%であった。
粒状コークスの添加割合を酸化物原料に対し1.0質量%としたこと以外は実施例1と同様に操業したところ、焼結機内の温度は855℃、焼結塊中のCd品位は0.037質量%であった。
(実施例3)
粒状コークスの添加量を酸化物原料の5.0質量%としたこと以外は実施例1と同様に操業したところ、焼結機内の温度は865℃、焼結塊中のCd品位は0.034質量%であった。
粒状コークスの添加量を酸化物原料の5.0質量%としたこと以外は実施例1と同様に操業したところ、焼結機内の温度は865℃、焼結塊中のCd品位は0.034質量%であった。
(比較例1)
粒状コークスを添加しなかったこと、酸化物原料の投入重量を116kg/日としたこと以外は実施例1と同様に操業し、このときの焼結機内の温度と、操業後に得られた焼結塊のCd品位を測定した。その結果、焼結機内の温度は789℃、焼結塊中のCd品位は0.043質量%であった。
粒状コークスを添加しなかったこと、酸化物原料の投入重量を116kg/日としたこと以外は実施例1と同様に操業し、このときの焼結機内の温度と、操業後に得られた焼結塊のCd品位を測定した。その結果、焼結機内の温度は789℃、焼結塊中のCd品位は0.043質量%であった。
(比較例2)
粒状コークスの粒径が25mm以上、その添加割合が酸化物原料に対し0.8質量%としたこと以外は実施例1と同様に操業したところ、焼結機内の温度は840℃、焼結塊中のCd品位は0.041質量%であった。特にこの場合には、酸化焙焼時のガス通気が阻害されている様子が観察された。
粒状コークスの粒径が25mm以上、その添加割合が酸化物原料に対し0.8質量%としたこと以外は実施例1と同様に操業したところ、焼結機内の温度は840℃、焼結塊中のCd品位は0.041質量%であった。特にこの場合には、酸化焙焼時のガス通気が阻害されている様子が観察された。
(比較例3)
粒状コークスの粒径を3mm以下、その添加割合が酸化物原料に対し5.2質量%としたこと以外は実施例1と同様に操業したところ、焼結機内の温度は835℃、焼結塊中のCd品位は0.044質量%であった。特にこの場合には、コークスの燃え残りや、不完全燃焼している様子が観察された。
粒状コークスの粒径を3mm以下、その添加割合が酸化物原料に対し5.2質量%としたこと以外は実施例1と同様に操業したところ、焼結機内の温度は835℃、焼結塊中のCd品位は0.044質量%であった。特にこの場合には、コークスの燃え残りや、不完全燃焼している様子が観察された。
以上より、実施例1〜3では、所定の粒径の粒状コークスを所定の割合で添加し、本発明の方法に従って行われたので、焼結反応中の温度が高く、焼結塊中のCd品位が0.04質量%以下に低下することが分かる。すなわち、通常の1.5倍程度の酸化物原料を投入しても、焼結機内の温度を充分に維持し、しかも、焼結塊のCd品位を許容値内に収めることができている。
これに対して、比較例1〜3では、コークスの添加がこれらの条件に合わないので、焼結反応中の温度が低く、焼結塊中のCd品位によって満足すべき結果が得られないことが分かる。
これに対して、比較例1〜3では、コークスの添加がこれらの条件に合わないので、焼結反応中の温度が低く、焼結塊中のCd品位によって満足すべき結果が得られないことが分かる。
以上より明らかなように、本発明の酸化物原料を含む硫化物原料の焼結方法は、ドワイトロイド型の上吹き焼結機で、硫化亜鉛及び硫化鉛を含有する硫化物原料とともに、酸化亜鉛及び酸化鉛を含有する酸化物原料を含む装入原料を焼結する方法として好適である。
1 パレット(火格子)
2 鉱層
3 第1の装入ホッパー
4 重油バーナー
5 第2の装入ホッパー
6 風箱
7 焼結塊
8 破砕機
2 鉱層
3 第1の装入ホッパー
4 重油バーナー
5 第2の装入ホッパー
6 風箱
7 焼結塊
8 破砕機
Claims (4)
- ドワイトロイド型の上吹き焼結機で、硫化亜鉛及び硫化鉛を含有する硫化物原料とともに、酸化亜鉛及び酸化鉛を含有する酸化物原料を含む装入原料を焼結する方法において、
前記装入原料として、前記硫化物原料と前記酸化物原料を混合工程で混合解砕に付し、次いで造粒工程に付して製造したペレットを用いる際に、該装入原料に、粒径が5〜20mmであって、該酸化物原料の装入量に対し1〜5質量%に当たる粒状コークスを添加することを特徴とする酸化物原料を含む硫化物原料の焼結方法。 - 前記粒状コークスを添加する際に、前記混合工程に添加し、前記造粒工程で該粒状コークスを核とするペレットを形成することを特徴とする請求項1に記載の酸化物原料を含む硫化物原料の焼結方法。
- 前記粒状コークスは、石炭の乾留コークスであることを特徴とする請求項1又は2に記載の酸化物原料を含む硫化物原料の焼結方法。
- 前記装入原料中の硫化物原料と酸化物原料との質量比は、4未満であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の酸化物原料を含む硫化物原料の焼結方法。
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JP2008063952A JP2009221491A (ja) | 2008-03-13 | 2008-03-13 | 酸化物原料を含む硫化物原料の焼結方法 |
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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CN104263920A (zh) * | 2014-09-30 | 2015-01-07 | 长沙有色冶金设计研究院有限公司 | 硫化锌精矿原料处理方法及装置 |
CN107460327A (zh) * | 2017-07-28 | 2017-12-12 | 重庆科技学院 | 一种电炉炼钢含铅锌粉尘的综合回收利用方法 |
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2008
- 2008-03-13 JP JP2008063952A patent/JP2009221491A/ja active Pending
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