JP2009220725A - 車両用衝突検知装置および車両用衝突検知システム - Google Patents

車両用衝突検知装置および車両用衝突検知システム Download PDF

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Abstract

【課題】圧力センサを用いた側面衝突の検知において、誤判定をより低減することを可能にする。
【解決手段】ドア内圧力センサ2から出力されるドア内圧力センサ電気信号を取得する第1出力値取得部41と、大気圧センサ3から出力される大気圧センサ電気信号を取得する第2出力値取得部42と、ドア内圧力センサ電気信号から気圧変化分の値ΔPを得る第1分離部43と、第1分離部43で得た気圧変化分の値ΔPを大気圧センサ電気信号に対応する値P’で除算して所定の閾値以上であった場合に車両の側面衝突有りとして判定する側面衝突判定部45と、を備える。
【選択図】図1

Description

本発明は、車両の衝突を検知する車両用衝突検知装置および車両用衝突検知システムに関するものである。
従来から、車両の衝突を検知したときにエアバッグやシートベルト装置のプリテンショナ装置などの乗員保護装置を起動させ、乗員を事故から保護する技術が知られている。
自車両の前部に他の車両などが衝突する前面衝突は、車両の前部または中央部に配置した加速度センサを用いて検知する場合が多い。前面衝突時には自車両の加速度が短時間に急激に変化するので、この急激な加速度の変化を加速度センサで検出することによって自車両の衝突の検知を行うことができる。
これに対して、自車両の側部に他の車両が衝突する側面衝突は、自車両のドアの内部空間に配置される圧力センサを用いて検知する場合が多い。これは、側面衝突において、他の車両が自車両のピラー以外の比較的剛性が低い部分に衝突した場合、自車両の加速度の変化がそれ程大きくならないため加速度センサでは衝突の検知が困難であるのに対し、圧力センサでは、短時間内に急激に変化するドアの内部空間の圧力変化を検出することによって衝突の検知を加速度センサよりも確実に行うことができるためである。圧力センサによる側面衝突の検知は、例えば特許文献1に開示されているように、圧力センサが検知する圧力が所定の閾値以上となったときに側面衝突したと判定することによって行っている。
さらに、近年では、圧力センサを用いて側面衝突の検知を行う場合の誤判定の危険性を低減する技術が提案されてきている。例えば、特許文献2では、電気ノイズによる誤判定の危険性を低減する技術が開示されている。詳しくは、特許文献2に開示の技術では、ドアの内部空間に配置された圧力センサからの出力値に対し、衝突判定用の閾値と電気ノイズ判定用の閾値との2つの閾値を設定している。そして、ノイズ判定用閾値によって電気ノイズのおそれの大きい出力値を判別している。
特開平2−249740号公報 特開2006−337259号公報
ドアの内部空間に配置される圧力センサでは、電気的な外乱要因によって生じる電気ノイズ以外に、ドアの強閉等の機械的な外乱要因によって生じるノイズもいくつか発生し得る。しかしながら、特許文献2に開示の技術では、電気ノイズによる誤判定の危険性を低減することが可能なだけであって、ドアの強閉等の機械的な要因によって生じるノイズによる誤判定の危険性は低減できないという問題点を有している。
本発明は、上記従来の問題点に鑑みなされたものであって、その目的は、圧力センサを用いた側面衝突の検知において、誤判定をより低減することを可能にする車両用衝突検知装置および車両用衝突検知システムを提供することにある。
請求項1の車両用衝突検知装置は、上記課題を解決するために、車両のドアの内部空間に配置されたドア内圧力センサの出力値をもとに、その車両の側面衝突の有無の判定を行う車両用衝突検知装置であって、前記ドア内圧力センサの出力値である第1出力値を取得する第1出力値取得手段と、前記ドア以外で前記車両に配置されたドア外圧力センサの出力値である第2出力値を取得する第2出力値取得手段と、前記第1出力値取得手段で取得した第1出力値から気圧変化分の値を得る第1分離手段と、前記第2出力値取得手段で取得した第2出力値と第1分離手段で得た気圧変化分の値とをもとに、前記車両の側面衝突の有無の判定を行う側面衝突判定手段と、を備えていることを特徴とする。
また、請求項6の車両用衝突検知システムは、上記課題を解決するために、車両のドアの内部空間に配置されるドア内圧力センサと、前記ドア以外で前記車両に配置されるドア外圧力センサと、前記のいずれかに記載の車両用検知装置と、を含み前記第1出力値取得手段は前記ドア内圧力センサから前記第1出力値を取得し、前記第2出力値取得手段は前記ドア外圧力センサから前記第2出力値を取得することを特徴とする。
ドア以外の車両上に配置されたドア外圧力センサは、ドア以外の車両上に配置されるため、ドアの強閉等の機械的な外乱要因によってドア外圧力センサの出力値である第2出力値にはノイズがほとんど生じない。また、ドア外圧力センサはドア以外の車両上に配置されるため、この第2出力値には側面衝突による気圧変化分の値がほとんど含まれない。つまり、第2出力値は、側面衝突時であってもほぼ大気圧分の値になる。また、ドアの強閉等の機械的な外乱要因によって生じるノイズは、ドア内圧力センサの出力値のうちの気圧変化分の値に混じりにくい。
よって、第2出力値取得手段で取得した第2出力値と第1分離手段で得た気圧変化分の値とをもとに、車両の側面衝突の有無の判定を行えば、ドアの強閉等の機械的な外乱要因によって生じるノイズの影響をより抑えて車両の側面衝突の有無の判定を行うことが可能になる。従って、圧力センサを用いた側面衝突の検知において、誤判定をより低減することが可能になる。
また、請求項2の車両用衝突検知装置は、前記側面衝突判定手段は、前記第1出力値を前記気圧変化分の値で除算した値が所定の閾値以上であった場合に、前記車両の側面衝突有りとして判定することを特徴としている。
さらに、請求項3の車両用衝突検知装置は、前記第1分離手段は、ローパスフィルタを用いて前記第1出力値から前記気圧変化分の値を得ることを特徴としている。
また、請求項4の車両用衝突検知装置は、前記第1出力値取得手段で取得した第1出力値から大気圧分の値を得る第2分離手段をさらに備え、前記側面衝突判定手段は、前記第1出力値を前記気圧変化分の値で除算した値および前記大気圧分の値を前記気圧変化分の値で除算した値の両方が所定の閾値以上であった場合に、前記車両の側面衝突有りとして判定することを特徴としている。
さらに、請求項5の車両用衝突検知装置は、前記第2分離手段は、前記ローパスフィルタよりも低域の周波数を通過させるローパスフィルタを用いて前記第1出力値から前記大気圧分の値を得ることを特徴としている。
請求項2〜5のようにしても、圧力センサを用いた側面衝突の検知において、誤判定をより低減することができる。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。図1は、車両用衝突検知システム1の概略的な構成を示すブロック図である。車両用衝突検知システム1は、ドア内圧力センサ2、大気圧センサ3、およびエアバッグECU(electronic controlunit)4を含んでいる。また、エアバッグECU4は、第1出力値取得部41、第2出力値取得部42、第1分離部43、第2分離部44、および側面衝突判定部45を備えている。さらに、側面衝突判定部45は、第1演算部46、第2演算部47、および論理積回路48を備えている。なお、車両用衝突検知システム1は車両に搭載される。また、車両用衝突検知システム1を搭載した車両を以降では自車両と呼ぶ。
ドア内圧力センサ2は、自車両の側面にあるドアの内部空間に設けられており、例えば、ドアを構成するドアアウターパネルとドアインナーパネルとによって形成されるドアの内部空間に位置するように設置される。ドア内圧力センサ2としては、半導体圧力センサを用い、例えばダイアフラムを介して感圧素子によってドアの内部空間の気圧を計測し、その計測結果に応じた電気信号を出力する。
大気圧センサ3は、エンジンECUに内蔵されている一般的な大気圧センサと同様のものであり、エンジンECU内に設けられている。大気圧センサ3としても、半導体圧力センサを用い、例えばダイアフラムを介して感圧素子によってエンジンルーム内の気圧を計測し、その計測結果に応じた電気信号を出力する。なお、エンジンルーム内は密閉状態にないため、エンジンルーム内の気圧は実質的に大気圧となっている。よって、大気圧センサ3では実質的に大気圧を計測し、その計測結果に応じた電気信号を出力することになる。
エアバッグECU4は、ドア内圧力センサ2および大気圧センサ3から出力される電気信号に基づいて側面衝突の有無を判定し、側面衝突を検知した場合(つまり、側面衝突有りと判定した場合)にエアバッグモジュールに点火信号を出力する。なお、ここで言うところのエアバッグモジュールは、公知のエアバッグモジュールと同様のものであって、エアバッグECU4から点火信号を受けたときにインフレータによって膨張媒体ガスを瞬時に発生させ、エアバッグを展開させるものである。
なお、本実施形態では、ドア内圧力センサ2および大気圧センサ3から出力される電気信号は、例えばCAN(Controller AreaNetwork)などの通信プロトコルに準拠した車内LANを介してエアバッグECU4に送る。
ここで、エアバッグECU4に備えられる第1出力値取得部41、第2出力値取得部42、第1分離部43、第2分離部44、および側面衝突判定部45の説明を行うことによってエアバッグECU4の機能について詳述する。
第1出力値取得部41は、ドア内圧力センサ2から出力される電気信号(以下、ドア内圧力センサ電気信号と呼ぶ)を取得する。そして、取得したドア内圧力センサ電気信号を、第1分離部43および第2分離部44のそれぞれに送る。
第2出力値取得部42は、大気圧センサ3から出力される電気信号(以下、大気圧センサ電気信号と呼ぶ)を取得する。また、第2出力値取得部42は、大気圧センサ電気信号に対応する大気圧P’を得て(つまり、この大気圧センサ電気信号に対応する圧力値を得て)、この大気圧P’の値を側面衝突判定部45の第2演算部47に送る。なお、大気圧センサ電気信号に対応する大気圧P’を得る処理は、電気信号に対応する圧力の値を得る公知の処理と同様にして行うものとする。
第2分離部44は、第1出力値取得部41から送られてきたドア内圧力センサ電気信号をローパスフィルタに通すことで、ドア内圧力センサ電気信号から、大気圧分の周波数成分の信号を得る。具体的には、大気圧分の周波数成分の信号よりも高い周波数信号を減衰させるようにこのローパスフィルタのカットオフ周波数を設定することによって行う。なお、第2分離部44のローパスフィルタのカットオフ周波数については、大気圧分の周波数成分の信号よりも高い周波数信号を減衰させる値でありさえすればよく、任意に設定可能な値である。また、第2分離部44は、この大気圧分の周波数成分の信号に対応する大気圧Pを得て(つまり、この大気圧分の周波数成分の信号に対応する圧力値を得て)、この大気圧Pの値を側面衝突判定部45の第1演算部46に送る。なお、大気圧分の周波数成分の信号に対応する大気圧Pを得る処理は、電気信号に対応する圧力の値を得る公知の処理と同様にして行うものとする。
第1分離部43は、第1出力値取得部41から送られてきたドア内圧力センサ電気信号をローパスフィルタに通し、気圧変化分を含む気圧分の周波数成分の信号を得る。具体的には、ローパスフィルタのカットオフ周波数を、側面衝突時の気圧変化分を含む気圧分として予測される周波数成分の信号の上限値よりも高い周波数信号を減衰させる周波数を設定することによって行う。また、このローパスフィルタのカットオフ周波数は、高周波ノイズを除去できるように、高周波ノイズの周波数よりも低く設定する。なお、第1分離部43のローパスフィルタのカットオフ周波数については、以上の条件を充たす値でありさえすればよく、任意に設定可能な値である。また、第1分離部43は、この気圧変化分を含む気圧分の周波数成分の信号を得るとともに、第2分離部44で得られた大気圧分の周波数成分の信号を取得し、この気圧変化分を含む気圧分の周波数成分から大気圧分の周波数成分を差し引くことによって気圧変化分の周波数成分の信号を得る。そして、気圧変化分の周波数成分の信号に対応する気圧変化分のΔPを得て(つまり、この気圧変化分の周波数成分の信号に対応する圧力値を得て)、この気圧変化分のΔPの値を側面衝突判定部45の第1演算部46および第2演算部47に送る。なお、気圧変化分の周波数成分の信号に対応する気圧変化分のΔPを得る処理も、電気信号に対応する圧力の値を得る公知の処理と同様にして行うものとする。
なお、本実施形態では、第1分離部43においてローパスフィルタを用いてドア内圧力センサ電気信号から気圧変化分の周波数成分の信号を得る構成を示したが、必ずしもこれに限らない。例えばハイパスフィルタを用いることによって、ドア内圧力センサ電気信号から気圧変化分の周波数成分の信号を得る構成であってもよい。具体的には、例えば第2分離部44のローパスフィルタのカットオフ周波数よりも低い周波数信号を減衰させて遮断し、気圧変化分の周波数成分の信号を得る構成とすればよい。また、例えばバンドパスフィルタを用いることによって、ドア内圧力センサ電気信号から気圧変化分の周波数成分の信号を得る構成であってもよい。具体的には、例えば第2分離部44のローパスフィルタのカットオフ周波数以上、且つ、第1分離部43のカットオフ周波数以下の範囲の周波数成分の信号のみを通過させ、気圧変化分の周波数成分の信号を得る構成とすればよい。
また、本実施形態では、気圧変化分を含む気圧分の周波数成分から大気圧分の周波数成分を差し引くことによって気圧変化分の周波数成分の信号を得て、気圧変化分の周波数成分の信号に対応する気圧変化分のΔPを得る構成を示したが、必ずしもこれに限らない。例えば、第1分離部43が気圧変化分を含む気圧分の周波数成分の信号に対応する気圧P+ΔPを得るとともに、第2分離部44で得られた大気圧Pの値を取得し、気圧P+ΔPの値からこの大気圧Pの値を差し引くことによって、気圧変化分のΔPを得る構成であってもよい。
側面衝突判定部45の第1演算部46は、第1分離部43から送られてくるΔPの値を、第2分離部44から送られてくるPの値で除算する。そして、第1演算部46は、ΔP/Pの値が所定の閾値以上であった場合には、自車両の側面衝突有りとして論理積回路48に判定結果「1」を出力する。また、第1演算部46は、ΔP/Pの値が所定の閾値以上でなかった場合には、自車両の側面衝突無しとして論理積回路48に判定結果「0」を出力する。なお、第1演算部46では、同じ電気信号に由来するΔPおよびPを用いて演算を行うこととする。
側面衝突判定部45の第2演算部47は、第1分離部43から送られてくるΔPの値を、第2出力値取得部42から送られてくるP’の値で除算する。そして、第2演算部47は、ΔP/P’の値が所定の閾値以上であった場合には、自車両の側面衝突有りとして論理積回路48に判定結果「1」を出力する。また、第2演算部47は、ΔP/P’の値が所定の閾値以上でなかった場合には、自車両の側面衝突無しとして論理積回路48に判定結果「0」を出力する。なお、第2演算部47では、ドア内圧力センサ2および大気圧センサ3のそれぞれにおいて同期して計測された各気圧にそれぞれ由来するΔPおよびP’を用いて演算を行うこととする。
なお、第1演算部46および第2演算部47で用いる所定の閾値は共通の値である。また、この所定の閾値は、希望する側面衝突の検知感度に応じて設定する値であって、任意に設定可能な値である。なお、第1演算部46におけるΔP/Pの演算、および第2演算部47におけるΔP/P’の演算は、大気圧補正のためのものであって、これらの演算により、第1演算部46および第2演算部47で用いる所定の閾値に共通の値を用いることが可能となっている。
側面衝突判定部45の論理積回路48は、第1演算部46および第2演算部47の両方で判定結果「1」が出力された場合、すなわち、「1」と「1」との組み合わせが論理積回路48に入力された場合に、側面衝突有りとして最終判定し、エアバッグモジュールに点火信号を送る。また、第1演算部46および第2演算部47のいずれかで判定結果「0」が出力された場合、すなわち、「0」と「1」との組み合わせ、「1」と「0」との組み合わせ、「0」と「0」との組み合わせのうちのいずれかが論理積回路48に入力された場合には、側面衝突無しとして最終判定し、エアバッグモジュールに点火信号を送らない。なお、第1演算部46および第2演算部47の判定結果「0」、「1」については、ドア内圧力センサ2および大気圧センサ3のそれぞれにおいて同期して計測された各気圧にそれぞれ由来するΔP、P、P’を用いて第1演算部46および第2演算部47で出力されたものが、論理積回路48に入力されて論理積判定されるものとする。
ここで、本発明における作用効果について、具体的に図2を用いて説明を行う。図2(a)は、側面衝突時にドア内圧力センサ2から出力される電気信号の波形の一例を示す模式図である。図2(b)は、側面衝突時に大気圧センサ3から出力される電気信号の波形の一例を示す模式図である。図2(c)は、側面衝突時にドア内圧力センサ2から出力される電気信号を第2分離部44で処理して得られる大気圧分の周波数成分の信号の波形の一例を示す模式図である。図2(d)は、側面衝突時にドア内圧力センサ2から出力される電気信号を第1分離部43で処理して得られる気圧変化分の周波数成分の信号の波形の一例を示す模式図である。図2(e)は、ドア強閉時にドア内圧力センサ2から出力される電気信号の波形の一例を示す模式図である。図2(f)は、ドア強閉時に大気圧センサ3から出力される電気信号の波形の一例を示す模式図である。図2(g)は、ドア強閉時にドア内圧力センサ2から出力される電気信号を第2分離部44で処理して得られる大気圧分の周波数成分の信号の波形の一例を示す模式図である。図2(h)は、ドア強閉時にドア内圧力センサ2から出力される電気信号を第1分離部43で処理して得られる気圧変化分の周波数成分の信号の波形の一例を示す模式図である。
ドアの内部空間に配置されたドア内圧力センサ2は、側面衝突時には、側面衝突によるドアの内部空間の気圧変化分を含む電気信号(図2(a)を参照)を出力するが、ドア強閉時には、ドアの強閉によるドアの内部空間の気圧変化分を含む電気信号(図2(e)を参照)を出力する。なお、フィルタ回路によって(つまり、周波数によって)これらの電気信号から大気圧分の周波数成分の信号と気圧変化分の周波数成分の信号とを分離すると、ドア強閉等の機械的な外乱要因によって生じるノイズは、第2分離部44で得られる信号(つまり、大気圧分の周波数成分の信号と気圧変化分の周波数成分の信号とのうち、より低周波数側の信号)に混じりやすい性質がある。例えば、図2(e)の電気信号から第2分離部44によって得た大気圧分の周波数成分の信号(図2(g)を参照)および図2(e)の電気信号から第1分離部43によって得た気圧変化分の周波数成分の信号(図2(h)を参照)を、図2(a)の電気信号から第2分離部44によって得た大気圧分の周波数成分の信号(図2(c)を参照)および図2(a)の電気信号から第1分離部43によって得た気圧変化分の周波数成分の信号(図2(d)を参照)と比較してみると、ドア強閉時の気圧変化分の周波数成分の信号にはノイズがほとんど混じらないが、ドア強閉時の大気圧分の周波数成分の信号にはノイズが混じることがわかる。
これに対して、自車両のエンジンルームに配置された大気圧センサ3は、ドア以外の車両上に配置されているため、ドアの強閉時に大気圧センサ3から出力される電気信号(図2(f)を参照)には、側面衝突時に出力される電気信号(図2(b)を参照)と比較して、ドアの強閉によるノイズがほとんど生じていない。また、大気圧センサ3は、ドア以外の車両上に配置されているため、側面衝突時に出力される電気信号(図2(b)を参照)にも、ドア強閉時に出力される電気信号(図2(f)を参照)にも、気圧変化分がほとんど含まれない。つまり、大気圧センサ3から出力される電気信号は、側面衝突時であっても、ドア強閉時であっても、ほぼ大気圧分の値になる。
ここで、エアバッグECU4では、第1分離部43によって得た気圧変化分の周波数成分の信号に対応する気圧変化分のΔPを、大気圧センサ3から出力される電気信号から得た大気圧P’で除算した値が所定の閾値以上であった場合に、自車両の側面衝突有りと判定している。つまり、ドアの強閉によって生じるノイズの影響を受けにくいΔPおよびP’の値をもとに自車両の側面衝突の判定を行っている。従って、ドアの強閉によって生じるノイズの影響をより抑えて自車両の側面衝突の有無の判定を行うことができ、圧力センサを用いた側面衝突の検知において、誤判定をより低減することが可能になっている。
また、本実施形態では、第1演算部46でΔP/Pの演算を行うとともに、第2演算部47でΔP/P’の演算を行い、それぞれの値が所定の閾値以上であった場合に、論理積回路48によってエアバッグモジュールに点火信号を送る構成を示したが、必ずしもこれに限らない。例えば、第1演算部46でP/ΔPの演算を行うとともに、第2演算部47でP’/ΔPの演算を行い、それぞれの値が所定の閾値以下であった場合に、論理積回路48によってエアバッグモジュールに点火信号を送る構成であってもよい。つまり、本発明の車両用衝突検知装置は、ドア内圧力センサ2から出力される電気信号を取得する第1出力値取得部41と、大気圧センサ3から出力される電気信号を取得する第2出力値取得部42と、第1出力値取得部41で取得した電気信号から気圧変化分に対応する値ΔPを得る第1分離部43と、第1出力値取得部41で取得した電気信号から大気圧分に対応する値Pを得る第2分離部44と、第2分離部44で得た大気圧分の値Pと第1分離部43で得た気圧変化分の値ΔPとの比、および第2出力値取得部42で取得した電気信号に対応する大気圧分の値P’と第1分離部43で得た気圧変化分の値ΔPとの比をもとに、自車両の側面衝突の有無の判定を行う側面衝突判定部45と、を備えている構成であってもよい。以上の構成であっても、ドアの強閉によって生じるノイズの影響を受けにくいΔPおよびP’の値をもとに自車両の側面衝突の判定を行っているので、圧力センサを用いた側面衝突の検知において、誤判定をより低減することができる。
なお、本発明では、エアバッグECU4が第2分離部44、第1演算部46、および論理積回路48を備えない構成であってもよい。この構成とした場合には、第2演算部47においてΔP/P’の値が所定の閾値以上であったときに、自車両の側面衝突有りとして第2演算部47がエアバッグモジュールに点火信号を送る構成とすればよい。
また、本実施形態では、請求項のドア外圧力センサとして、エンジンECUに内蔵される大気圧センサ3を用いる構成を示したが、必ずしもこれに限らない。請求項のドア外圧力センサとしては、自車両のドア以外の車両に配置されるとともに大気圧を検出可能な圧力センサであればよく、例えばインレットマニホールドに搭載される吸気圧センサユニット、ガソリンタンク内の内圧を検出するタンク内圧センサユニット、ブレーキブースト用の圧力センサユニットなどに含まれる大気圧を検出する圧力センサを用いる構成としてもよい。さらに、請求項のドア外圧力センサとしてこれらの圧力センサを複数用いる構成であってもよい。この場合、第2出力値取得部42および第2演算部47の機能に相当する部材をこの圧力センサの数ずつ備え、それぞれの圧力センサから出力される電気信号について前述したのと同様の処理を行えばよい。そして、第1演算部46および第2演算部47の機能に相当する部材のすべてから論理積回路48に「1」が入力された場合に、側面衝突有りとして最終判定し、エアバッグモジュールに点火信号を送る構成とすればよい。以上の構成によれば、論理積回路48への入力の数が増える分だけセーフィング効果を高めることができる。
なお、本実施形態では、車両用衝突検知システム1に1つのドア内圧力センサ2および1つのエアバッグECU4が含まれる構成を示したが、必ずしもこれに限らない。例えば、車両用衝突検知システム1は、前方右座席のドア、前方左座席のドア、後方右座席のドア、後方左座席のドアといったように、自車両に備えられているドアの数に応じた数のドア内圧力センサ2を含む構成としてもよい。この場合にも、各ドアのドア内圧力センサ2から出力される電気信号について、1つのエアバッグECU4によってそれぞれ側面衝突の有無を判定し、側面衝突を検知したドアに対応するエアバッグモジュールに点火信号を出力する構成とすればよい。
また、本実施形態では、本発明の車両用衝突検知装置をエアバッグECU4に適用し、エアバッグECU4で側面衝突有りと最終判定した場合にエアバッグモジュールに点火信号を送る構成を示したが、必ずしもこれに限らない。本発明の車両用衝突検知装置は、エアバッグ以外の乗員保護装置に対しても適用可能であって、例えば、側面衝突有りと最終判定した場合に、シートベルト装置のプリテンショナ装置を起動させる構成としてもよい。
なお、本発明は、上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、異なる実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
車両用衝突検知システム1の概略的な構成を示すブロック図である。 (a)〜(h)は車両用衝突検知システム1での処理に用いられる電気信号の波形の一例を示す模式図である。
符号の説明
1 車両用衝突検知システム、2 ドア内圧力センサ、3 大気圧センサ(ドア外圧力センサ)、4 エアバッグECU(車両用衝突検知装置)、41 第1出力値取得部(第1出力値取得手段)、42 第2出力値取得部(第2出力値取得手段)、43 第1分離部(第1分離手段)、44 第2分離部(第2分離手段)、45 側面衝突判定部(側面衝突判定手段)、46 第1演算部、47 第2演算部、48 論理積回路

Claims (6)

  1. 車両のドアの内部空間に配置されたドア内圧力センサの出力値をもとに、その車両の側面衝突の有無の判定を行う車両用衝突検知装置であって、
    前記ドア内圧力センサの出力値である第1出力値を取得する第1出力値取得手段と、
    前記ドア以外で前記車両に配置されたドア外圧力センサの出力値である第2出力値を取得する第2出力値取得手段と、
    前記第1出力値取得手段で取得した第1出力値から気圧変化分の値を得る第1分離手段と、
    前記第2出力値取得手段で取得した第2出力値と第1分離手段で得た気圧変化分の値とをもとに、前記車両の側面衝突の有無の判定を行う側面衝突判定手段と、を備えていることを特徴とする車両用衝突検知装置。
  2. 前記側面衝突判定手段は、前記気圧変化分の値を前記第2出力値で除算した値が所定の閾値以上であった場合に、前記車両の側面衝突有りとして判定することを特徴とする請求項1に記載の車両用衝突検知装置。
  3. 前記第1分離手段は、ローパスフィルタを用いて前記第1出力値から前記気圧変化分の値を得ることを特徴とする請求項1または2に記載の車両用衝突検知装置。
  4. 前記第1出力値取得手段で取得した第1出力値から大気圧分の値を得る第2分離手段をさらに備え、
    前記側面衝突判定手段は、前記気圧変化分の値を前記第2出力値で除算した値および前記気圧変化分の値を前記大気圧分の値で除算した値の両方が所定の閾値以上であった場合に、前記車両の側面衝突有りとして判定することを特徴とする請求項1に記載の車両用衝突検知装置。
  5. 前記第2分離手段は、前記ローパスフィルタよりも低域の周波数を通過させるローパスフィルタを用いて前記第1出力値から前記大気圧分の値を得ることを特徴とする請求項4に記載の車両用衝突検知装置。
  6. 車両のドアの内部空間に配置されるドア内圧力センサと、
    前記ドア以外で前記車両に配置されるドア外圧力センサと、
    請求項1〜5のいずれか1項に記載の車両用検知装置と、を含み
    前記第1出力値取得手段は前記ドア内圧力センサから前記第1出力値を取得し、前記第2出力値取得手段は前記ドア外圧力センサから前記第2出力値を取得することを特徴とする車両用衝突検知システム。
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JP2012091664A (ja) * 2010-10-27 2012-05-17 Denso Corp 車両用衝突検知装置

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