JP2009220068A - 流体構造体及び流体構造体の製造方法 - Google Patents

流体構造体及び流体構造体の製造方法 Download PDF

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匡紀 廣田
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Abstract

【課題】分配及び混合を繰り返す流路において、他の部位に比べて乱流が発生しやすい凹部に触媒を担持し、触媒反応の効率を向上することができる流体構造体及び流体構造体の製造方法を提供することにある。
【解決手段】流体構造体200は、所定の数の流入孔100A,100Bを一方の面に形成し、その流入孔100A,100Bに連通する混合部101,102を他方の面に形成した第1の流路プレート10Aと、流入孔100A,100Bとは異なる位置に所定の数より少ない数であって、混合部101,102に連通する流入孔100Cを一方の面に形成し、流入孔100Cに連通する混合部102を他方の面に形成した第2の流路プレート10Bと、第1乃至第2の流路プレート10A,10Bのうち少なくとも3つ又の混合部101、4つ又の混合部102の壁面に形成された触媒担持層105とを備える。
【選択図】図2

Description

本発明は、流体構造体及び流体構造体の製造方法に関する。
従来、流路の曲がり部に触媒を固定化させたマイクロデバイスが知られている(例えば、特許文献1参照。)。
このマイクロデバイスは、複数種類の反応流体同士を混合又は反応させるために、例えば、等価直径が1mm以下の微細な流路を備え、その流路のうちの曲がり部の内壁面にその反応に関与する触媒が固定化されている。これにより、流路内を流れる反応流体同士の混合又は反応が、その内壁面に固定された触媒の作用により効率よく行われる。
特開2007−268490号公報
本発明の目的は、分配及び混合を繰り返す流路において、他の部位に比べて乱流が発生しやすい凹部に触媒を担持し、触媒反応の効率を向上することができる流体構造体及び流体構造体の製造方法を提供することにある。
本発明の一態様は、上記目的を達成するため、以下の流体構造体及び流体構造体の製造方法を提供する。
[1]所定の数の第1の入口を一方の面に形成し、前記所定の数の第1の入口に連通する第1の凹部を他方の面に形成した第1の板部材と、前記第1の入口とは異なる位置に前記所定の数より少ない数であって、前記第1の凹部に連通する第2の入口を一方の面に形成し、前記第2の入口に連通する第2の凹部を他方の面に形成した第2の板部材と、前記第1及び第2の板部材のうち少なくとも前記第1及び第2の凹部の壁面に形成された触媒担持部とを備えた流路構造体。
[2]さらに、前記触媒担持部に担持された触媒を備えた前記[1]に記載の流路構造体。
[3]前記第1及び第2の板部材は、清浄化された接合面同士を直接接触して接合された複数の薄膜からなる前記[1]に記載の流路構造体。
[4]さらに、前記第1及び第2の板部材の内部を流れる流体の温度を調節する温度調節部を備えた前記[1]に記載の流路構造体。
[5]ドナー基板上に、第1の板部材を構成する所定の数の第1の入口、及び前記所定の数の第1の入口に連通する第1の凹部と、第2の板部材を構成する前記第1の入口とは異なる位置に前記所定の数より少ない数であって前記第1の凹部に連通する第2の入口、及び前記第2の入口に連通する第2の凹部との断面にそれぞれ対応する複数の薄膜パターンを準備し、ターゲット基板側と前記複数の薄膜パターンとの接合面を清浄化し、前記ターゲット基板側と前記ドナー基板上の前記複数の薄膜パターンとの接離動作を繰り返すことにより、前記接合面同士を直接接触させて、前記ターゲット基板側に前記複数の薄膜パターンを順次転写して積層状態で接合させて、前記第1の入口及び前記第1の凹部に対応する前記複数の薄膜パターンからなる前記第1の板部材と、前記第2の入口及び前記第2の凹部に対応する前記複数の薄膜パターンからなる前記第2の板部材とを形成し、前記第1及び第2の板部材のうち少なくとも前記第1及び第2の凹部の壁面に陽極酸化法により触媒担持部を形成し、前記触媒担持部に電解析出法により触媒を担持させ、前記第1の凹部と前記第2の入口とが連通するように前記第1及び第2の板部材を組み付けた流路構造体の製造方法。
請求項1に係る流路構造体によれば、分配及び混合を繰り返す流路において、他の部位に比べて乱流が発生しやすい凹部に触媒を担持し、触媒反応の効率を向上することができる。
請求項2に係る流路構造体によれば、触媒担持部に担持した触媒により、板部材の内部を流れる流体に対して触媒反応を起こすことができる。
請求項3に係る流路構造体によれば、板部材を形成する工程を簡素化することができる。
請求項4に係る流路構造体によれば、板部材の内部を流れる流体を混合又は反応に適した温度に制御することができる。
請求項5に係る流路構造体の製造方法によれば、分配及び混合を繰り返す流路において、他の部位に比べて乱流が発生しやすい凹部に触媒を担持した流路構造体を簡易に製造することができる。
[第1の実施の形態]
図1は、本発明の第1の実施の形態に係るマイクロ流体装置の一例を示す斜視図である。このマイクロ流体装置1は、2種類の原料液X,Yが注入され、それら原料液X,Yが混合又は反応して生成された生成液Zを排出する上段部2と、上段部2の下に設けられた中段部3と、中段部3の下に設けられた下段部4とから構成されている。
上段部2は、例えば、面2a〜2fからなる直方体形状を有し、面2aから面2bに貫通して設けられ、2種類の原料液X,Yが注入される2つの導入口20A,20Bと、同様に面2aから面2bに貫通して設けられ、生成液Zを排出する排出口21とを備える。
中段部3は、例えば、面3a〜3fからなる直方体形状を有し、面3aから面3bに貫通して設けられたはめ込み部30を備える。
はめ込み部30には、第1乃至第6の流路プレート(板部材)10A〜10Fが積層された状態ではめ込まれる。本実施の形態では、流路プレートの積層枚数は6枚であるが、5枚以下又は7枚以上でもよい。なお、マイクロ流体装置1は、中段部3を備えない構成にして、上段部2と下段部4とにより複数の流路プレートを挟み込む構造にしてもよい。また、第1乃至第6の流路プレート10A〜10Fは、流路構造体200を構成する。
下段部4は、例えば、面4a〜4fからなる直方体形状を有し、面4aに2つの溝40A,40Bを備える。
溝40A,40Bは、例えば、三角形状をそれぞれ有し、面4aに対して所定の深さを有する側面4g及び底面4hからなる。溝40A,40Bは、中段部3の中段流路を介して原料液X,Yが流入する流入位置400と、その流入位置400から流入された原料液X,Yを第1の流路プレート10Aに設けられた後述の複数の注入孔にそれぞれ流出する流出位置401とを備える。
図2は、第1乃至第6の流路プレート10A〜10Fの一例を示す斜視図である。第1乃至第6の流路プレート10A〜10Fの各々は、上面10a及び下面10bを備える平板状形状を有し、その上面10a及び下面10bの外形は、例えば、一辺10mmの正方形である。
流路プレート10A〜10Fの材料としては、例えば、AlCu、Al,Ni、Cu等の金属や、セラミックス、Si、誘電体等の非金属等を用いることができる。本実施の形態では、AlCuを用い、そのAlCuの表面上に、後述の触媒担持層が、例えば、陽極酸化法により形成されている。
流路プレート10A〜10Fは、上段部2に設けられた2つの導入口20A,20Bに対応する位置に設けられ、上面10aから下面10bに貫通する2つの貫通孔100A,100Bと、3つ又の混合部101及び4つ又の混合部102のうち少なくともいずれかの混合部とを備える。
貫通孔100A,100Bは、その直径が、例えば、1mmであり、第1乃至第6の流路プレート10A〜10Fが積層されることにより複数の貫通孔100A,100Bが結合されて、上段部2から送られる原料液X,Yが流れる2つの中段流路を構成する。
3つ又の混合部101及び4つ又の混合部102は、第1乃至第6の流路プレート10A〜10Fの上面10a側の中央付近に1列に形成された凹部である。
第1乃至第6の流路プレート10A〜10Fにおいて混合部101,102が設けられている数はそれぞれ異なる。例えば、第1乃至第6の流路プレート10A〜10Fに対して下から段数を割り振ったものとして説明すると、奇数段の流路プレート10A,10C,10Eには、3つ又の混合部101が両端に形成されており、その中で最上段に位置する第5の流路プレート10Eには、4つ又の混合部102が形成されていないが、第3の流路プレート10Cには1つ、第1の流路プレート10Eには2つというように、その間に形成された4つ又の混合部102の数は、下段になるほど1つずつ増えている。また、偶数段の流路プレート10B,10E,10Fには、4つ又の混合部102だけが形成されており、その数は、最上段に位置する第6の流路プレート10Fの1つを基準として、下段になるほど1つずつ増えている。
図3は、第1の流路プレートの詳細を例示する図である。図3(a)は、第1の流路プレートの上面図、図3(b)は、第1の流路プレートの下面図である。第1の流路プレート10Aは、図3(a)に例示するように、上面10a側に上述の3つ又の混合部101と4つ又の混合部102とが形成されている。
第1の流路プレート10Aは、図3(b)に例示するように、下面10b側に複数の注入孔(入口)104A,104Bが形成されている。
注入孔104A,104Bは、例えば、その断面が直径10μmの円形を有し、下面10b側に2列に配列されている。注入孔104A,104Bの合計数は、8つであり、1組の注入孔104A,104Bは、3つ又の混合部101及び4つ又の混合部102に対応する位置に形成され、3つ又の混合部101及び4つ又の混合部102に連通する。
注入孔104Aには、下段部の溝40Aから原料液Xが注入され、注入孔104Bには、下段部の溝40Bから原料液Yが注入される。そして、3つ又の混合部101及び4つ又の混合部102の各々には、2つの注入孔104A,104Bを介して原料液X,Yが注入される。
図4(a)は、第2の流路プレートの上面図、図4(b)は、第2の流路プレートの下面図である。第2の流路プレート10Bは、図4(a)に例示するように、上面10a側に上述の4つ又の混合部102を有し、図4(b)に例示するように、下面10b側に1列に配列された複数の注入孔104Cが形成されている。
注入孔104Cの合計数は、6つであり、第1の流路プレート10Aに形成されている注入孔104A,104Bの合計数より少ない数である。
また、注入孔104Cは、第1の流路プレート10Aに形成された注入孔104A,104Bとは異なる位置であって、第1の流路プレート10Aに形成された3つ又の混合部101及び4つ又の混合部102に対応する位置にそれぞれ形成され、自己の4つ又の混合部102に連通する。
2つの注入孔104Cには、第1の流路プレート10Aにおいて原料液X,Yが混合された混合液がそれぞれ注入され、4つ又の混合部102の各々には、その2つの注入孔104Cを介してその混合液が注入される。
図5(a)は、4つ又の混合部102の拡大図であり、図5(b)は、図5(a)のA−A線断面図である。この4つ又の混合部102は、側壁面102aと、下壁面102bと、上壁面(図示せず)とからなり、その中央に柱103を備える。なお、上壁面は、第2の流路プレート10Bの下面10bにより構成されている。
側壁面102a、下壁面102b、上壁面及び注入孔104A,104Bの内壁面には、触媒担持層が形成されている。また、側壁面102aの高さは、特に限定されないが、10μm〜100μmが好ましく、10μm〜50μmがさらに好ましい。
柱103は、その直径が、例えば、100μmの円柱であり、触媒担持層が形成された柱壁面103aを有する。柱103は、注入孔104A,104Bを介して4つ又の混合部102に注入された原料液X,Yをそれぞれ2方向に分配する。
図5(c)は、第1の流路プレート10Aが有する4つ又の混合部102における流体の流れを示す図である。この4つ又の混合部102において、注入孔104A,104Bを介して原料液X,Yが注入されると、原料液X,Yは、それぞれ柱103により2方向に分配され、その分配された原料液X,Yが混合又は反応された状態で第2の流路プレート10Bが有する2つの注入孔104Cに排出される。なお、側壁面102a、柱壁面103aの形状は、ディーン渦が発生するような曲線形状が好ましい。
図6(a)は、側壁面102aの拡大図である。側壁面102aには、その表面に触媒担持層105が形成されている。また、下壁面102b、上壁面、柱壁面103a及び注入孔104A,104Bの内壁面にも、同様の触媒担持層105が形成されている。
図6(b)は、触媒担持層105に触媒が担持された状態を示す図である。触媒担持層105は、多孔質体のポーラスアルミナ105aとノンポーラスアルミナ105bとからなる。ポーラスアルミナ105aの表面には、厚さ方向に垂直な方向に複数の細孔105cが形成されている。その細孔105cには、触媒106が担持されている。したがって、流路プレート10A〜10Fの材料として、陽極酸化が可能な材料が好ましい。
触媒担持層105の細孔105cは、例えば、10〜100nmの径を有する。触媒106には、電解析出による白金、パラジウム等を用いることができる。
(製造方法)
次に、本発明の実施の形態に係るマイクロ流体装置の製造方法について説明する。
(1)断面パターンの形成
まず、図7(a)に例示するように、ドナー基板11上に離型層12を形成し、離型層12上に、第1乃至第6の流路プレート10A〜10Fを形成する素材としてAlCu膜13を着膜する。
ドナー基板11には、例えば、Siウェハ、石英基板、ガラス基板等を用いることができる。本実施の形態では、Siウェハを用いる。
離型層12は、例えば、ポリイミド、フッ化ポリイミド、酸化シリコン等の公知の材料を用いることができる。本実施の形態では、ポリイミドを用いる。なお、ドナー基板の熱酸化処理を行って形成される熱酸化膜を用いてもよい。離型層12のドナー基板11上への形成は、スパッタリング法、分子線ビームエピタキシャル法、化学気相堆積法、真空蒸着法、スピン塗布法等の一般的な薄膜形成方法を用いることができる。
AlCu膜13の着膜方法としては、例えば、電子ビーム加熱蒸着法、抵抗加熱蒸着法、スパッタリング法、化学蒸着法等の真空蒸着法、スピンコート法等を用いることができる。本実施の形態では、スパッタリング法によりAlCu膜13を10μm着膜する。
次に、AlCu膜13をパターニングすることにより、図7(b1),(b2)に例示するように、3つの混合部パターン14Aと3つの注入孔パターン14Bとを形成する。この混合部パターン14Aは、上面10a側に設けられた複数の混合部101,102及び貫通孔100A,100Bの断面形状に対応し、注入孔パターン14Bは、下面10b側に設けられた複数の注入孔104A,104B及び貫通孔100A,100Bの断面形状に対応する。
パターニングとしては、例えば、リソグラフィー法、集束イオンビーム(FIB)法、電子ビーム直接描画法等を用いることができるが、高い平面形状精度が得られ、量産性が高い点で、リソグラフィー法が好ましい。本実施の形態では、リソグラフィー法によりAlCu膜13をエッチング除去する。
なお、エッチングには、化学薬品を用いて被加工物を溶かし込むウエットエッチングや、イオンを利用して被加工物を気化して取り除くドライエッチング等を用いることができる。本実施の形態では、ドライエッチングを用いる。
(2)複数の断面パターンの接合
混合部パターン14A及び注入孔パターン14Bが形成されたドナー基板11を図示しない真空槽内の下部ステージ(図示せず)に配置し、ターゲット基板15を上部ステージ(図示せず)に配置する。
下部ステージは、x方向、y方向、θ(z軸周り)方向に移動可能となっており、上部ステージは、z方向に移動可能となっている。次に、真空槽内を排気し、高真空状態あるいは超真空状態にする。
図8(a)〜(c)は、流路プレートの接合工程を示す断面図である。まず、図8(a)に例示するように、下部ステージを移動させてターゲット基板15をドナー基板11の混合部パターン14A上に位置決めし、ターゲット基板15の表面、及びドナー基板11の表面、すなわち混合部パターン14Aの表面をFAB(Fast Atom Beam)処理により清浄化する。FAB処理とは、例えば、アルゴン、クリプトン、キセノン等の不活性ガスを高電圧で加速して接合面に照射し、接合面の酸化膜、不純物等を除去する処理をいう。本実施の形態では、不活性ガスとしてアルゴンを用いる。
次に、図8(b)に例示するように、上部ステージを移動させてターゲット基板15を降下させ、ターゲット基板15と混合部パターン14Aとを荷重を加えて圧接して常温接合する。次に、図8(c)に例示するように、上部ステージを移動させてターゲット基板15を上昇させて、混合部パターン14Aをターゲット基板15に転写させる。
ここで、「常温接合」とは、上記のFABによって清浄化された接合面同士を常温雰囲気で接触させ、原子同士を直接結合させる接合方法をいい,表面活性化接合ともいう。常温接合(表面活性化接合)の他に、清浄化された接合面同士が拡散を生じない程度の温度(例えば、100℃程度)で加熱して接合してもよい。
そして、同様の接離動作を繰り返して、ターゲット基板15に3つの混合部パターン14Aと、3つの注入孔パターン14Bとを順次接合することにより、図8(d)に例示するように、3つの混合部パターン14Aが接合された下に3つの注入孔パターン14Bが接合された第1の流路プレート10Aが形成される。
なお、第2乃至第6の流路プレート10B〜10Fは、ドナー基板11上のパターン形状を変えることにより、上記と同様の方法で形成することができる。この際、図2の第2乃至第6の流路プレート10B〜10Fの上面10a側の形状に対応するように、混合部パターンをそれぞれ形成した場合には、注入孔パターン14Bを第2乃至第6の流路プレート10B〜10Fの形成に利用してもよい。その逆に、注入孔の数を変更した注入孔パターンをそれぞれ形成した場合には、混合部パターン14Aを第2乃至第6の流路プレート10B〜10Fの形成に利用してもよい。
(3)触媒の担持
図9(a)は、流路プレートに触媒担持層を形成する形成工程を説明する図である。上記のようにして形成した各流路プレート10A〜10Fの表面を陽極酸化法により酸化させて、触媒担持層を形成する。すなわち、図9(a)に例示するように、電解液16内に流路プレート10を配置し、その流路プレート10を陽極として酸化電圧Vを印加する。
陽極酸化を行う条件としては、例えば、電解液16として1.5Wt%のシュウ酸を用い、摂氏25度、酸化電圧V(50V)で60分間行う。なお、電解液は、シュウ酸の他に、硫酸、リン酸等を用いることができる。また、給電点は、流路プレート10のどこでもよい。
そして、流路プレート10の表面に、陽極酸化によるアルミナ(Al2O3)からなり、厚さ方向に多数の細孔105cを有する触媒担持層(陽極酸化膜)105が形成される。なお、触媒担持層105を形成する際に、流路プレート10の特定部位にマスキング等を行った状態で上記の陽極酸化を行うことにより、その特定部位を除く部位にだけ触媒担持層105を形成するようにしてもよい。例えば、流路プレート10の面10a,10bにマスキング等を行った状態で陽極酸化を行うことにより、触媒担持部105は、3つ又の混合部101、4つ又の混合部102及び注入孔104A,104Bの内壁面にだけ形成される。
図9(b)は、触媒担持層に触媒を担持する担持工程を説明する図である。上記のようにして触媒担持層105が形成された流路プレート10に対して、電解析出法により触媒106を担持する。すなわち、図9(b)に例示するように、メッキ液17内にその流路プレート10を配置し、その流路プレート10を陰極として酸化電圧Vを印加する。これにより、触媒担持層105の細孔105cに触媒106が析出されて、流路プレート10に触媒106が担持される。
電解析出を行う条件としては、例えば、メッキ液17として塩化白金酸溶液を用い、摂氏25度、酸化電圧V(6V)で1分間行う。なお、陽極酸化の場合と同様に、流路プレート10の特定部位にマスキング等を行った状態で電解析出を行うようにしてもよい。
(4)マイクロ流体装置の組み付け
上記のようにして形成された第1乃至第6の流路プレート10A〜10Fを、積層順や向きを考慮して中段部3に設けられたはめ込み部30にはめ込み、さらに中段部3を上段部2及び下段部4により挟むように組み付けることにより、マイクロ流体装置1を製造することができる。
(マイクロ流体装置の動作)
次に、本実施の形態に係るマイクロ流体装置1の動作について説明する。まず、上段部2に設けられた2つの導入口20A,20Bから第1及び第2の原料液X,Yをそれぞれ注入すると、その原料液X,Yは、上段部2を通過して、中段部3に流入する。
次に、中段部3に流入した第1及び第2の原料液X,Yは、中段流路をそれぞれ流れ、下段部4に流入する。
そして、第1及び第2の原料液X,Yは、下段部4に設けられた溝40A,40Bを介して、第1の流路プレート10の下面10b側に形成された複数の注入孔104A,104Bにそれぞれ注入される。
次に、複数の注入孔104Aから注入された原料液Xは、各注入孔104Aに連通する上面10a側の3つ又の混合部101及び4つ又の混合部102に流れ、同様に、複数の注入孔104Bから注入された原料液Yは、各注入孔104Bに連通する3つ又の混合部101及び4つ又の混合部102に流れる。
そして、3つ又の混合部101及び4つ又の混合部102において、原料液X,Yは2方向にそれぞれ分配され、その分配された原料液X,Yが混合されることにより、それぞれの界面で反応が行われる。この反応は、流路プレート10の各壁面に担持された触媒106によって促進される。
その結果得られた混合液は、3つ又の混合部101及び4つ又の混合部102に対応する位置に形成されている第2の流路プレート10Bの下面10b側の流入孔104Cに注入される。そして、混合液は、第2の流路プレート10Bの4つ又の混合部102に流れ、さらに第3の流路プレート10Cの注入孔104A,104Bに注入される。
このようにして、第1乃至第6の流路プレート10A〜10Fにおいて分配及び混合を繰り返し行うことにより生成された生成液Zが、第6の流路プレート10Fから流れ、上段部2に設けられた排出口21から排出される。
次に、本発明の実施例1について説明する。この実施例1では、鈴木−宮浦カップリング反応によりビフェニルを生成する際に、本実施の形態に係るマイクロ流体装置1を用いた。なお、流路プレートの積層枚数は10枚とした。
反応条件として、一方の導入口20Aから0.1mol/Lの4−ブロモベンゾニトリルの含水THF(テトラヒドロフラン)溶液を10μL/secで注入し、他方の導入口20Bから0.1mol/Lの4−フェニルボロン酸の含水THF溶液を10μL/secで連続で注入した。
その結果、従来のY型又はT型の流路構造体を有するマイクロ流体装置では、60%程度の収率で反応性生物であるビフェニルが得られた。
一方、本実施例に係るマイクロ流体装置1では、65〜70%以上の収率でビフェニルが得られた。また、その際の反応時間は、従来のY型又はT型のマイクロ流体装置と比較して、1/10程度であった。
[第2の実施の形態]
図10は、本発明の第2の実施の形態に係るマイクロ流体装置の一例を示す斜視図である。このマイクロ流体装置1は、第1の実施の形態と同様に、上段部2、中段部3及び下段部4と、中段部3の内部にはめ込んだ複数の流路プレートからなる流路構造体とを備え、さらにその流路構造体の内部を流れる原料液X,Yの温度を所定の範囲内の温度に調整する温度調整部5を設けたものである。
温度調整部5としては、例えば、加熱用のヒータ、冷却用のクーラを用いることができる。本実施の形態では、ヒータを用いるものとする。なお、温度調整部5は、中段部3を介して温度調整を行ってもよいし、中段部3又は下段部4に内蔵されたものでもよい。
次に、本発明の実施例2について説明する。この実施例2では、水素添加反応によりシクロドデセンを生成する際に、本実施の形態に係るマイクロ流体装置1を用いた。
温度調整部5により各流路プレートを摂氏100度に温度調整した状態で、一方の導入口20Aからシクロドデカトリエンを分圧0.11kPaで注入し、他方の導入口20Bから水素を分圧0.33kPaで注入した結果、反応生成物であるシクロドデセンが変換率98%、収率90%で得られた。
[他の実施の形態]
なお、本発明は、上記各実施の形態に限定されず、本発明の要旨を変更しない範囲内で種々に変形実施が可能である。例えば、上記各実施の形態では、流路プレートに形成される注入孔104A〜104Cの断面形状は円形であるが、多角形でもよいし、これらに限られない。
また、流路プレートに形成された4つ又の混合部102は、自己の2つの注入孔と、他の流路プレートの2つの注入孔とを接続するものであるが、接続する注入孔の数を変更してもよく、その場合には、その接続された注入孔の数に応じて形状を変更してもよい。
また、上記各実施の形態では、それぞれ独立した複数の流路プレートを積層して流路構造体を構成したが、複数の流路プレート間を常温接合により接合して、複数の流路プレートを一体化した構造体として製作してもよい。これにより、流路構造体の耐圧性を向上することができる。
図1は、本発明の第1の実施の形態に係るマイクロ流体装置の一例を示す斜視図である。 図2は、第1乃至第6の流路プレートの一例を示す分解斜視図である。 図3(a)は、第1の流路プレートの上面図、図3(b)は、第1の流路プレートの下面図である。 図4(a)は、第2の流路プレートの上面図、図4(b)は、第2の流路プレートの下面図である。 図5(a)は、4つ又の混合部の拡大図であり、図5(b)は、図5(a)のA−A線断面図であり、図5(c)は、4つ又の混合部における流体の流れを示す図である。 図6(a)は、側壁面の拡大図であり、図6(b)は、触媒担持層に触媒が担持された状態を示す図である。 図7(a)は、混合部パターン及び注入孔の製作工程を示す断面図であり、図7(b1)及び(b2)は、ドナー基板上に形成された混合部パターン及び注入孔パターンを示す断面図及び平面図である。 図8(a)〜(c)は、流路プレートの接合工程を示す断面図、図8(d)は、接合工程により製作された流路プレートを示す断面図である。 図9(a)は、流路プレートに触媒担持層を形成する形成工程を説明する図であり、図9(b)は、触媒担持層に触媒を担持する担持工程を説明する図である。 図10は、本発明の第2の実施の形態に係るマイクロ流体装置の一例を示す斜視図である。
符号の説明
1…マイクロ流体装置、2…上段部、2a〜2f…面、3…中段部、3a〜3f…面、4…下段部、4a〜4f…面、4g…側面、4h…底面、5…温度調整部、10,10A〜10F…流路プレート、10a…上面、10b…下面、11…ドナー基板、12…離型層、13…AlCu膜、14A…混合部パターン、14B…注入孔パターン、15…ターゲット基板、16…電解液、17…メッキ液、20A,20B…導入口、21…排出口、30…はめ込み部、40A,40B…溝、100A,100B…貫通孔、101…3つ又の混合部、102…4つ又の混合部、102a…側壁面、102b…下壁面、103…柱、103a…柱壁面、104A〜104C…注入孔、105…触媒担持層、105a…ポーラスアルミナ、105b…ノンポーラスアルミナ、105c…細孔、106…触媒、200…流路構造体、400…流入位置、401…流出位置

Claims (5)

  1. 所定の数の第1の入口を一方の面に形成し、前記所定の数の第1の入口に連通する第1の凹部を他方の面に形成した第1の板部材と、
    前記第1の入口とは異なる位置に前記所定の数より少ない数であって、前記第1の凹部に連通する第2の入口を一方の面に形成し、前記第2の入口に連通する第2の凹部を他方の面に形成した第2の板部材と、
    前記第1及び第2の板部材のうち少なくとも前記第1及び第2の凹部の壁面に形成された触媒担持部とを備えた流路構造体。
  2. さらに、前記触媒担持部に担持された触媒を備えた請求項1に記載の流路構造体。
  3. 前記第1及び第2の板部材は、清浄化された接合面同士を直接接触して接合された複数の薄膜からなる請求項1に記載の流路構造体。
  4. さらに、前記第1及び第2の板部材の内部を流れる流体の温度を調節する温度調節部を備えた請求項1に記載の流路構造体。
  5. ドナー基板上に、第1の板部材を構成する所定の数の第1の入口、及び前記所定の数の第1の入口に連通する第1の凹部と、第2の板部材を構成する前記第1の入口とは異なる位置に前記所定の数より少ない数であって前記第1の凹部に連通する第2の入口、及び前記第2の入口に連通する第2の凹部との断面にそれぞれ対応する複数の薄膜パターンを準備し、
    ターゲット基板側と前記複数の薄膜パターンとの接合面を清浄化し、
    前記ターゲット基板側と前記ドナー基板上の前記複数の薄膜パターンとの接離動作を繰り返すことにより、前記接合面同士を直接接触させて、前記ターゲット基板側に前記複数の薄膜パターンを順次転写して積層状態で接合させて、前記第1の入口及び前記第1の凹部に対応する前記複数の薄膜パターンからなる前記第1の板部材と、前記第2の入口及び前記第2の凹部に対応する前記複数の薄膜パターンからなる前記第2の板部材とを形成し、
    前記第1及び第2の板部材のうち少なくとも前記第1及び第2の凹部の壁面に陽極酸化法により触媒担持部を形成し、
    前記触媒担持部に電解析出法により触媒を担持させ、
    前記第1の凹部と前記第2の入口とが連通するように前記第1及び第2の板部材を組み付けた流路構造体の製造方法。
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