JP2009218036A - 燃料電池用ソケット、燃料電池用カップラー、および燃料電池 - Google Patents

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Abstract

【課題】プラグの挿入が容易で損傷を抑制でき、またプラグの連結状態の維持が容易な燃料電池用ソケットを提供すること。
【解決手段】燃料電池に液体燃料を供給するために前記液体燃料を吐出する燃料電池用プラグが着脱可能に挿入されて用いられる筒状のソケット本体とバルブ機構とを有する燃料電池用ソケットであって、前記燃料電池用プラグの挿入に伴う軸線方向のスライドにより、前記燃料電池用プラグを保持すると共に、自身がソケット本体内に保持されるプラグ保持部材を有するもの。
【選択図】図3

Description

本発明は、燃料電池用ソケットと、それを用いた燃料電池用カップラーおよび燃料電池に関する。
近年、ノートパソコンや携帯電話等の各種携帯用電子機器を長時間充電なしで使用可能とするために、これら携帯用電子機器の電源に燃料電池を用いる試みがなされている。燃料電池は燃料と空気を供給するだけで発電することができ、燃料を補給すれば連続して長時間発電することができる。このため、燃料電池を小型化できれば、携帯用電子機器の電源として極めて有利なシステムといえる。
特に、エネルギー密度の高いメタノール燃料を用いた直接メタノール型燃料電池(DMFC:direct methanol fuel cell)は小型化が可能であり、さらに燃料の取り扱いも容易であるため、携帯機器用の電源として有望視されている。DMFCにおける液体燃料の供給方式としては、気体供給型や液体供給型等のアクティブ方式、また燃料タンク内の液体燃料を電池内部で気化させて燃料極に供給する内部気化型等のパッシブ方式が知られている。これらのうち、パッシブ方式はDMFCの小型化に対して有利である。
内部気化型のパッシブ型DMFCにおいては、燃料収容部内のメタノール燃料を燃料含浸層や燃料気化層等を介して気化させ燃料極に供給している(例えば特許文献1〜2参照)。そして、このような燃料収容部へのメタノール燃料の供給には、例えばサテライトタイプ(外部注入式)の燃料カートリッジが用いられている。
燃料カートリッジによってメタノール燃料等の液体燃料を供給する場合、一般にソケットとプラグとによって構成されるカップラーが用いられている。ソケットおよびプラグはそれぞれバルブ機構を有しており、ソケットにプラグを挿入することによって両者のバルブ機構が開状態となる。これにより、例えば燃料電池側にソケットを装着すると共に、燃料カートリッジ側にプラグを装着し、ソケットにプラグを挿入することで燃料カートリッジに収容されている液体燃料を燃料電池(燃料収容部)へと供給することができる。また、ソケットからプラグを引き抜くことで、両者のバルブ機構が閉状態となり、液体燃料の不必要な流出が抑制される。
このようなカップラーには、ソケットとプラグとの連結状態を保持する連結保持手段が設けられている。すなわち、連結保持手段の一方側を係合部としてプラグ側に設け、相手側を弾性係合部材としてソケット側に設け、ソケット側の弾性係合部材を撓ませてプラグを挿入することで、プラグ側の係合部にソケット側の弾性係合部材を嵌め合わせて連結状態を保持することができ、またソケット側の弾性係合部材を撓ませてプラグを引き出すことで、連結状態を解除することができるようになっている。
プラグ側の係合部は、例えばプラグの側面部に環状の係合溝として形成され、ソケット側の弾性係合部材は、例えばばね材を略U字状としたものであって両端の対向部が内側に狭まったスナップリングとして構成され、この開口する対向部を押し広げるように弾性変形させることでプラグの挿入および引き出しが可能になると共に、ソケットへのプラグの連結状態を保持することができるようになっている(例えば、特許文献3参照)。
特許第3413111号公報 特開2004−171844号公報 特開2007−218387号公報
しかしながら、上記連結保持手段については、単にプラグ側の係合溝にソケット側のスナップリングを嵌め合わせるものであり、必ずしも連結状態を十分に保持することができない。また、ソケットへのプラグの挿入に際しては、ソケットに対してまっすぐにプラグを挿入したつもりであっても、実際にはソケットに対してプラグを斜めに挿入している場合があり、このような斜め挿入によりソケットへのプラグの挿入が困難となったり、ソケットあるいはプラグが損傷したりすることがある。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであって、プラグの連結状態を十分に維持することができ、またプラグの挿入が容易で損傷も抑制される燃料電池用ソケットを提供することを目的としている。また、本発明は、このような燃料電池用ソケットを有する信頼性に優れる燃料電池用カップラーおよび燃料電池を提供することを目的としている。
本発明の燃料電池用ソケットは、燃料電池に液体燃料を供給するために前記液体燃料を吐出する燃料電池用プラグが着脱可能に挿入されて用いられる筒状のソケット本体とバルブ機構とを有する燃料電池用ソケットであって、前記燃料電池用プラグの挿入に伴う軸線方向のスライドにより、前記燃料電池用プラグを保持すると共に、自身がソケット本体内に保持されるプラグ保持部材を有することを特徴としている。
前記ソケット本体は、前記燃料電池用プラグの挿入方向に向かって内径が小さくなるテーパー部を有し、前記プラグ保持部材による保持は、前記テーパー部を利用して行われることが好ましい。
前記プラグ保持部材は、中心部に孔部を有する略円板状の底部と、前記底部の縁部から前記底部に対して略垂直方向となるように形成されたアーム部とを有し、前記アーム部は前記底部側に対して先端側が外径側に広がっていることが好ましい。
前記アーム部は、前記燃料電池用プラグを保持するために前記燃料電池用プラグに嵌め合わされるプラグ嵌合部を内径側に有することが好ましく、また前記ソケット本体により保持されるために前記ソケット本体に嵌め合わされるソケット嵌合部を外径側に有することが好ましい。
前記プラグ保持部材は、前記底部の前記燃料電池用プラグが当接する側の主面における前記孔部の周囲に、前記燃料電池用プラグの燃料吐出口の周囲をシールする環状部を有するプラグシール部材を有することが好ましい。また、前記プラグシール部材は、前記環状部と一体に形成され、前記底部に設けられた孔部を通して前記環状部が配置された主面と反対側に延びる筒部を有することが好ましく、このような筒部は蛇腹状であればより好ましい。
本発明の燃料電池用カップラーは、上記したような本発明の燃料電池用ソケットと、前記燃料電池用ソケットに着脱可能に挿入され、液体燃料を吐出する燃料電池用プラグとを有することを特徴とする。
本発明の燃料電池は、上述したような本発明の燃料電池用ソケットと、前記ソケットを通して供給された液体燃料を収容する燃料収容部と、前記液体燃料を用いて発電動作を行う起電部とを有することを特徴とする。
本発明の燃料電池用ソケットによれば、燃料電池用プラグの挿入に伴う軸線方向のスライドにより、この燃料電池用プラグを保持すると共に、自身がソケット本体内に保持されるプラグ保持部材を有することで、燃料電池用プラグの連結状態を十分に維持することができると共に、燃料電池用プラグの挿入を容易にすることにより、その損傷も抑制することができる。また、燃料電池用カップラーまたは燃料電池にこのような燃料電池用ソケットを用いることで、燃料電池用プラグの連結状態が十分に維持されると共に、燃料電池用プラグの挿入が容易でその損傷が抑制されるものとすることができる。
以下、本発明を実施するための形態について図面を参照して説明する。
図1は、本発明の燃料電池1と、それに接続される燃料カートリッジ2とを示したものである。燃料電池1は、例えば起電部となる燃料電池セル3と、この燃料電池セル3に供給する液体燃料を収容する燃料収容部4と、この燃料収容部4に液体燃料を供給するための燃料受容部5とを有し、本発明の燃料電池用ソケット6(以下、単にソケットと呼ぶ)は例えば燃料受容部5に装着されて用いられる。なお、燃料電池1は、燃料収容部4を経ずに燃料受容部5から直接的に燃料電池セル3に液体燃料を供給する構造であってもよい。
一方、カートリッジ2は、液体燃料を収容する容器であるカートリッジ本体7を有し、その先端部分に液体燃料を吐出するための燃料電池用プラグ8(以下、単にプラグと呼ぶ)が装着されている。このようなカートリッジ2は、燃料電池1に液体燃料を注入するときのみ接続されるものであり、いわゆるサテライトタイプ(外部注入式)と呼ばれるものである。
カートリッジ本体7には、燃料電池1に応じた液体燃料、例えば直接メタノール型燃料電池(DMFC)であれば各種濃度のメタノール水溶液や純メタノール等のメタノール燃料が収容される。なお、カートリッジ本体7に収容される液体燃料は必ずしもメタノール燃料に限られるものではなく、例えばエタノール水溶液や純エタノール等のエタノール燃料、プロパノール水溶液や純プロパノール等のプロパノール燃料、グリコール水溶液や純グリコール等のグリコール燃料、ジメチルエーテル、ギ酸、その他の液体燃料であってもよい。いずれにしても、燃料電池1に応じた液体燃料が収容される。
また、このようなソケット6とプラグ8とから、本発明の燃料電池カップラー9(以下、単にカップラーと呼ぶ)が構成されている。ソケット6、プラグ8はそれぞれバルブ機構を有するものであり、図示するような分離状態においては、それらのバルブ機構が閉状態となることで液体燃料の流出が抑制されており、ソケット6にプラグ8が挿入されることによって連結状態となった場合、それらのバルブ機構が開状態となることによって液体燃料の供給が可能となる。
図2は、分離状態におけるソケット6およびプラグ8を示した縦断面図である。また、図3は、図2に示したソケット6を拡大して示した縦断面図である。なお、以下では、ソケット6およびプラグ8のそれぞれの対向する側を先端側とし、それらの反対側を後端側として説明する。すなわち、ソケット6については図中上側が先端側となり、プラグ8については図中下側が先端側となる。
ソケット6は、メス型カップラーとも呼ばれるものであり、略円筒状のソケット本体61を有し、その内部に後端側から順に、例えば後端側内筒部62、先端側内筒部63、キーリング64が配置されている。また、後端側内筒部62および先端側内筒部63の内部には軸線方向に沿ってバルブ機構を構成するバルブ本体65が配置され、先端側内筒部63にはさらにプラグ保持部材66が配置されている。
図3に詳細に示したように、ソケット本体61は、先端部にプラグ8が挿入される開口部61aを有し、後端部の軸心部分にバルブ本体65が挿入される孔部61bを有している。ソケット本体61の内径は、例えば先端部が最も大きくなっており、この先端部からプラグ8の挿入方向である後端方向に一定部分までが同径とされ、その後の一定部分が徐々に径小となるように構成されている。なお、この徐々に径小となる部分がテーパー部61tである。テーパー部61tの後端側には、プラグ保持部材66を保持するためにそのソケット嵌合部66sが嵌め合わされる凹状の保持部材嵌合部61sが形成されており、その後端側は内径が一定とされている。
後端側内筒部62は、バルブ室を構成するものであり、ソケット本体61の後端部からその軸線方向の略中間部に達するように設けられている。後端側内筒部62の先端部は開口部とされており、後端部には、ソケット本体61の孔部61bと重なるように、バルブ本体65が挿入される孔部62bが設けられている。また、この後端部は、他の部分に比べて外径が若干径小とされており、周囲にソケット本体61と後端側内筒部62との間をシールするOリング等の環状シール部材67が配置されている。
先端側内筒部63は、外側筒部63aと内側筒部63bとの2つの筒部から構成されている。外側筒部63aは、後端側内筒部62からキーリング64に達するように設けられており、プラグ保持部材66の少なくとも一部が配置され、その軸線方向のスライドをガイドするスリット部63sが形成されている。
スリット部63sは、外側筒部63aの先端部から軸線方向に沿って後端側に延ばされ、少なくともソケット本体61に形成された保持部材嵌合部61sに達するように形成されている。スリット部63sの本数は必ずしも限られるものではないものの、例えば外側筒部63aに均等な間隔を空けて3本形成されている(図3では、2本のみ表示)。
内側筒部63bは、バルブ本体65を移動可能にガイドすると共に、液体燃料の流路となるものである。内側筒部63bの後端部は、外側筒部63aの後端部と同位置まで延ばされており、外側筒部63aの後端部との間で閉じられた状態となっている。
内側筒部63bの先端部には、プラグ保持部材66が後端側にスライドした際、その底部66aに設けられた孔部66cの周囲に当接し、内部が液体燃料の流路となる筒状シール部材68が設けられている。筒状シール部材68は、例えば内側筒部63bと同程度の内径および外径とされており、スリット部63sの後端部よりも先端側に延びるように設けられている。
このように筒状シール部材68がスリット部63sの後端部よりも先端側に延びていることで、プラグ保持部材66がスライドしてスリット部63sの後端部に当接する前に、筒状シール部材68がプラグ保持部材66に当接して液体燃料の流路を確立することができる。なお、筒状シール部材68は、プラグ保持部材66のスライドに合わせて伸縮するように構成されており、プラグ保持部材66のスライド中、液体燃料の流路を有効に維持することができる。また、このような筒状シール部材68を設ける必要から、内側筒部63bの先端部はスリット部63sの後端部を超えない程度に先端側に延ばされていることが好ましい。
バルブ本体65は、バルブ機構を構成するものであり、後端側内筒部62および先端側内筒部63に渡って移動可能に配置されており、後端側内筒部62の孔部62bに挿入される棒状の後端側挿入部65aと、先端側内筒部63の内側筒部63bに挿入される棒状の先端側挿入部65bと、後端側内筒部62の内部に配置され、後端側挿入部65aや先端側挿入部65bよりも径大とされた径大部65cとを有している。
また、後端側挿入部65aと径大部65cとの間は、後端側内筒部62の孔部62bよりも径大な中間径部65dとされており、この中間径部65dと後端側挿入部65aとの間には、バルブ本体65の後端側への移動を制限するために孔部62bに嵌め合わされる段部65eが形成されている。
後端側内筒部62における径大部65cの先端側には、先端側挿入部65bの周囲を囲むようにOリング等の環状シール部材71が配置され、また後端側にはバルブ本体65を先端側へと押圧するように圧縮スプリング等の弾性体72が配置されている。このような弾性体72によって径大部65cを介して環状シール部材71が押圧されることでバルブ機構が閉状態とされており、後端側内筒部62から先端側内筒部63への液体燃料の流出が抑制されている。
プラグ保持部材66は、プラグ8の挿入時に、プラグ8を保持すると共に、自身がソケット本体61に保持されることにより、結果としてソケット6にプラグ8を保持させ、その連結状態を維持するものであり、先端側内筒部63の内部に軸線方向にスライドできるように配置されている。
図4は、プラグ保持部材66を示す一部切り欠き断面図である。プラグ保持部材66は、例えば円板状の底部66aと、この底部66aの縁部に設けられたアーム部66bと有している。底部66aには、バルブ本体65に関係なく自身をスライドさせると共に、液体燃料の流路となる孔部66cが設けられている。また、アーム部66bは、底部66aに対して略垂直方向に延びるように形成されており、先端側が底部66a側よりも外径側に広がるように構成されている。
アーム部66bは、外径側からの応力により弾性変形するように構成されており、外径側から応力が加えられることにより先端側が内径側に移動し、応力が取り除かれた際に再び外径側に移動する。このようなアーム部66bの本数、配置は、先端側内筒部63に設けられたスリット部63sの本数、配置に応じて決定されるものであり、例えば均等な間隔を空けて3本形成されている(図4では、2本のみ表示)。
アーム部66bの内側には、プラグ8が挿入された際、その側面部に設けられた凹状の保持部材嵌合部81pに嵌め合わせ、それを保持するために用いられるプラグ嵌合部66pが形成されている。プラグ嵌合部66pは、例えばアーム部66bの先端側の一部を内径側に折り曲げるようにして凸状とすることで形成されている。
また、アーム部66bの外側には、ソケット本体61の内面に形成された凹状の保持部材嵌合部61sに嵌め合わせ、自身を保持させるために用いられるソケット嵌合部66sが形成されている。ソケット嵌合部66sは、例えばアーム部66bの底部66a側の一部を外径側に突出させて凸状とすることで形成されている。
プラグ保持部材66は、プラグ嵌合部66pによってプラグ8を保持すると共に、自身がソケット嵌合部66sによってソケット本体61に保持されることで、結果としてソケット6(ソケット本体61)にプラグ8を保持させ、その連結状態を維持することができる。
このようなプラグ保持部材66は、例えば図3に示されるように、各アーム部66bが先端側内筒部63に設けられた各スリット部63sに配置され、軸線方向に沿ってスライドするようになっている。この際、アーム部66bは、スリット部63sから外側へと突出ように広がっており、ソケット本体61のテーパー部61tに沿うような状態となっている。
そして、プラグ8の挿入によりプラグ保持部材66は後端側にスライドし、その際にソケット本体61の内径側に設けられたテーパー部61tやその後端側部分によってアーム部66bが内径側に閉じるように弾性変形してプラグ8を保持し、その後、さらに後端側にスライドすることでプラグ8を保持した状態でソケット本体61に保持される。このようにアーム部66bが開いた状態のプラグ保持部材66にプラグ8を挿入して保持させた後、自身をソケット本体61に保持させるものとすることで、プラグ8の挿入が容易となり、その損傷が抑制されると共に、連結状態の維持も容易となる。
プラグ保持部材66の後端側には、プラグ保持部材66を先端側へと押圧する圧縮スプリング等の弾性体73が設けられている。このような弾性体73が設けられることにより、プラグ8が取り外された際にプラグ保持部材66を先端側へとスライドさせ、そのアーム部66bを再び自身の変形力によって開かせることで、再びプラグ8を挿入することができるようになっている。
また、底部66aの先端側における孔部66cの周囲には、プラグ8が挿入された際に、その燃料吐出口81eの周囲をシールするためのOリング等の環状部を有するプラグシール部材74が配置されていることが好ましい。このようなプラグシール部材74を設けることで、外部への液体燃料の流出を抑制し、安全性に優れたものとすることができる。
キーリング64は、プラグ8のキー部84と嵌め合わされて燃料識別手段として機能するものであり、先端側内筒部63やプラグ保持部材66を押さえ込むように開口部61aに嵌め込まれている。キーリング64は、例えば図5に示すように、内径側にプラグ8のキー部84と嵌め合わされる凹状のキー溝64aが形成されている。キー溝64aの形状、配置は、プラグ8のキー部84の形状、配置に応じて決定されるものであり、プラグ8のキー部84の形状、配置と合わせて適宜選択することができる。
このようなキーリング64を用いれば、特定のキー部84を有するプラグ8のみを挿入、連結することができ、液体燃料に応じてキーリング64やキー部84を使い分けることで、誤った液体燃料の注入を防止し、安全性に優れたものとすることができる
このようなソケット6の構成材料としては、各種のシール部材67、68、71、74、圧縮スプリング等の弾性体72、73を除き、一般には非金属材料、例えばポリプロピレン(PP)、ポリフェニレンサルファイド(PPS)、高密度ポリエチレン(HDPE)、ポリスチレン(PS)等が用いられるほか、耐メタノール性を有するポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、液晶ポリマー(LCP)等のスーパーエンジニアプラスチックや、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリアセタール(POM)等の汎用エンジニアプラスチックが好適に用いられる。
また、各種のシール部材67、68、71、74としては、耐メタノール性に優れた弾性材料が好適に用いられ、熱可塑性エラストマーとして、例えばスチレン系エラストマー(TPS)、オレフィン系エラストマー(TPO)、ポリエステル系エラストマー(TPEE)、ポリアミド系エラストマー(PEBAX)、シリコーン系エラストマー、フッ素系エラストマー等が用いられ、ゴム材料として、例えばエチレン−プロピレン−ジエンゴム(EPDM)、アクリロニトリル−ブタジエンゴム(NBR)、水素化ニトリルゴム(HNBR)、フッ素ゴム(FKM)、シリコーンゴム(VMQ)、フロロシリコーンゴム(FVMQ)等が用いられる。これらの中でも、特に耐メタノール性等を考慮して、エチレン−プロピレン−ジエンゴム(EPDM)、フッ素ゴム(FKM)、シリコーンゴム(VMQ)等が好適に用いられる。
一方、プラグ8は、オス側カップラーとも呼ばれるものであり、例えば図2に示されるように、カートリッジ本体7が嵌め込まれるプラグヘッド81と、このプラグヘッド81の内部に配置されるバルブ本体82と、プラグヘッド81を外側から覆うようにしてカートリッジ本体7に固定する押えキャップ83等を有している。
プラグヘッド81は、カートリッジ本体7が嵌め込まれる筒状のベース部81aと、その先端側に設けられ、より細径とされた細径部81bとを有している。細径部81bの側面部には、ソケット6に設けられたキーリング64のキー溝64aに嵌め合わされて燃料識別手段として機能する軸線方向に沿って延びる凸状のキー部84が形成されている。さらに、細径部81bの側面部には、キー部84よりも先端側において側面部を1周するように形成された凹状の保持部材嵌合部81pが設けられている。この保持部材嵌合部81pは、上記したようにソケット6の内部に配置されたプラグ保持部材66に形成されたプラグ嵌合部66pが嵌め合わされ、プラグ保持部材66によるプラグ8の保持に用いられる。
細径部81bの軸心部分には、カートリッジ本体7に収容された液体燃料の流路となると共に、バルブ本体82(先端側バルブステム82a)が移動可能に挿入される軸孔81cが形成されている。細径部81bの先端側には、先端面をへこませるようにしてシール凹部81dが形成され、このシール凹部81dの底面における軸心部分に軸孔81cと繋がる燃料吐出口81eが形成されている。
燃料吐出口81eは、カートリッジ本体7に収容された液体燃料を吐出する部分であり、シール凹部81dは、この燃料吐出口81eから吐出された液体燃料の残留物(付着物)の一時的な収容部として機能するものであり、操作者が液体燃料に触れないようにするものである。連結状態においては、このシール凹部81dにプラグ保持部材66に設けられたプラグシール部材74が嵌め合わされるようにして当接することで、燃料吐出口81eの周囲がシールされ、外部への液体燃料の流出が抑制される。
ベース部81aの内側には、バルブ本体82を保持するバルブホルダ85が配置されている。バルブホルダ85はバルブ室を規定するものであり、その先端側外縁部に形成されたフランジ部85aがOリング等の環状のシール部材86を介して後端側からカートリッジ本体7によって押圧されることでベース部81aに固定されている。また、バルブホルダ85の略中間部にはバルブ本体82が移動可能に挿入される軸孔85bが設けられ、後端部には、カートリッジ本体7からの液体燃料の流路となる連通孔85cが設けられている。
バルブ本体82は、バルブ機構を構成するものであり、バルブホルダ85の軸孔85bに移動可能に挿入される略棒状の後端側挿入部82aと、プラグヘッド81の軸孔81cに移動可能に挿入される略棒状の先端側挿入部82bと、バルブホルダ85のバルブ室に配置され、後端側挿入部82aや先端側挿入部82bよりも径大とされた径大部82cとを有している。
径大部82cの先端側には、先端側挿入部82bの周囲を囲むようにOリング等の環状シール部材87が配置され、また後端側にはバルブ本体82を先端側へと押圧するように圧縮スプリング等の弾性体88が配置されている。このような弾性体88によって径大部82cを介して環状のシール部材87が押圧されることでバルブ機構が閉状態とされており、バルブ室から軸孔81cへの液体燃料の流出が抑制されている。
このようなプラグ8の構成材料についても、ソケット6と同様、環状シール部材86、87、弾性体88を除き、一般には非金属材料、例えばポリプロピレン(PP)、ポリフェニレンサルファイド(PPS)、高密度ポリエチレン(HDPE)、ポリスチレン(PS)等が用いられるほか、耐メタノール性を有するポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、液晶ポリマー(LCP)等のスーパーエンジニアプラスチックや、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリアセタール(POM)等の汎用エンジニアプラスチックが好適に用いられる。
また、環状シール部材86、87としては、耐メタノール性に優れた弾性材料が好適に用いられ、熱可塑性エラストマーとして、例えばスチレン系エラストマー(TPS)、オレフィン系エラストマー(TPO)、ポリエステル系エラストマー(TPEE)、ポリアミド系エラストマー(PEBAX)、シリコーン系エラストマー、フッ素系エラストマー等が用いられ、ゴム材料として、例えばエチレン−プロピレン−ジエンゴム(EPDM)、アクリロニトリル−ブタジエンゴム(NBR)、水素化ニトリルゴム(HNBR)、フッ素ゴム(FKM)、シリコーンゴム(VMQ)、フロロシリコーンゴム(FVMQ)等が用いられる。これらの中でも、特に耐メタノール性等を考慮して、エチレン−プロピレン−ジエンゴム(EPDM)、フッ素ゴム(FKM)、シリコーンゴム(VMQ)等が好適に用いられる。
このようなカップラー9は、以下のようにして連結することができる。まず、ソケット6にプラグ8を挿入すると、図6に示すように、ソケット本体61の内部に配置されたプラグ保持部材66にプラグ8の先端部が挿入され、そのシール凹部81dにプラグ保持部材66のプラグシール部材74が嵌め合わされるように当接し、燃料吐出口81eの周囲がシール状態となる。
さらにソケット6にプラグ8を挿入していくと、図7に示すようにプラグ保持部材66が後端側へと押し下げられるようにスライドし、これと共にソケット本体61の後端側に向かって径小となるテーパー部61tやその後端側部分によって外径側から応力が加えられ、アーム部66bが内径側へと弾性変形する。これにより、アーム部66bに形成されているプラグ嵌合部66pがプラグ8に形成されている保持部材嵌合部81pに嵌め合わされ、プラグ保持部材66によってプラグ8が径方向の外側から保持される。
また、プラグ保持部材66の後端側へのスライドに伴い、その底部66aに筒状シール部材68が当接し、プラグ保持部材66の孔部66cと先端側内筒部63の内側筒部63bとの間の液体燃料の流路が確立される。これにより、ソケット6のバルブ機構が開状態となったときの液体燃料の外部への流出が抑制されると共に、プラグ8のバルブ機構が開状態となったときの液体燃料の後端側内筒部62への供給が可能となる。
さらに、ソケット6のバルブ本体65とプラグ8のバルブ本体82とが当接し、ソケット6のバルブ本体65が後端側へと押し下げられることにより、ソケット6のバルブ機構が開状態となる。この際、プラグ8におけるバルブ本体82は後端側へ移動せず、プラグ8のバルブ機構は閉状態のままとなっている。
ソケット6とプラグ8とのバルブ機構の開放順序は、それぞれのバルブ機構においてバルブ本体を押圧する弾性体の反発力を調整することにより行われ、この場合はプラグ8のバルブ本体82を押圧する弾性体88の反発力がソケット6のバルブ本体65を押圧する弾性体71の反発力よりも大きくなるように構成されていることによりソケット6のバルブ機構がプラグ8のバルブ機構よりも先に開放するように構成されている。液体燃料が供給されるソケット6のバルブ機構を先に開放することで安全性を確保しやすくなるが、バルブ機構の開放順序は必ずしもこのようなものに限られるものではない。
そして、ソケット6のバルブ本体65が後端側に押し下げられ、その段部65eが後端側内筒部62の孔部62bに引っ掛かることにより移動できなくなったとき、反対にプラグ8のバルブ本体82がソケット6のバルブ本体65に押し返されるようにして後端側へと移動し、プラグ8のバルブ機構が開状態となる。
この際、予めプラグ保持部材66の底部66aに筒状シール部材68が当接することにより液体燃料の流路が確立されているため、プラグ8から吐出される液体燃料はこの筒状シール部材68によって確立された流路を通して供給される。
さらにソケット6にプラグ8を挿入していくと、図8に示すようにプラグ保持部材66が先端側内筒部63におけるスリット部63sの後端部、すなわちスリット部63sが形成されていない部分に達することによりスライドが停止され、同時にプラグ8の挿入もできなくなり、挿入が完了する。
この際、プラグ保持部材66のソケット嵌合部66sがソケット本体61の保持部材嵌合部61sに嵌め合わされることにより、ソケット本体61にプラグ保持部材66が保持される。また、上記したようにプラグ保持部材66はプラグ8を保持しているため、結果としてソケット6にプラグ8が保持されることとなり、連結状態が維持される。
また、ソケット本体61の開口部61aには燃料識別手段として機能するキーリング64が配置されているため、このキーリング64に適合しないキー部84を有するプラグ8は挿入、連結することができず、異なる液体燃料が誤って注入されることが防止される。
このようなソケット6によれば、始めはプラグ保持部材66のアーム部66bが開いており、その後にプラグ8の挿入に合わせてアーム部66bが閉じることから、プラグ8が斜めに挿入されたような場合であっても容易に挿入することができる。また、このようなソケット6によれば、連結時のプラグ8の外れが抑制されることから、外部への液体燃料の流出が抑制され、安全性が向上する。
一方、ソケット6からプラグ8を取り外す場合、上記工程と逆の工程が行われる。まず、ソケット6からプラグ8を引き抜こうとすると、プラグ8に加えられた引き抜き力がその保持部材嵌合部81pに嵌め合わされているプラグ嵌合部66pを介してプラグ保持部材66に伝えられ、これによりソケット6の保持部材嵌合部61sからプラグ保持部材66のソケット嵌合部66sが外れ、プラグ保持部材66の引き抜きが可能となる。
そして、ソケット6からプラグ8を引き抜いていくと、ソケット6におけるバルブ本体65やプラグ8におけるバルブ本体82の位置はそのままで、プラグ8のプラグヘッド81のみが引き抜かれ、プラグ8のバルブ機構が閉状態となる。そして、プラグ8のバルブ機構が閉状態となった後は、プラグ8のプラグヘッド81とバルブ本体82とが同様に引き抜かれるため、ソケット6におけるバルブ本体65が先端側へと移動し、ソケット6のバルブ機構が閉状態となる。
この際、プラグ保持部材66は、後端側から弾性体73によって押圧されているため、プラグ8の引き抜きに合わせて先端側へとスライドする。また、このプラグ保持部材66の先端側へのスライドに合わせて、筒状シール部材68も元に戻るように伸びるように変形するため、液体燃料の流路も確保される。
さらに、ソケット本体61のテーパー部61tが先端側へと向かって径大となっていることから、このプラグ保持部材66の先端側へのスライドに伴ってアーム部66bに加えられていた外径側からの応力が取り除かれ、アーム部66bが外径側へと開くことによりプラグ8の保持部材嵌合部81pからプラグ嵌合部66pが外れ、プラグ8の保持が解除される(図6)。
このようなソケット6については、図3に示されるようにプラグ保持部材66の底部66aの先端側にプラグシール部材71を設けると共に、後端側に筒状シール部材68を設ける代わりに、例えば図9に示すようにこれらが一体に形成されたシール部材76を設けてもよい。
シール部材76は、例えばプラグ保持部材66の底部66aの先端側であって、その孔部66cの周囲に配置される環状部76aと、この環状部76aからプラグ保持部材66の孔部66cを通して先端側内筒部63の内側筒部63bの外側に嵌め込むように設けられる蛇腹状の筒部76bとを有し、内部が液体燃料の流路となるものである。
このようなプラグシール部材76によれば、プラグ保持部材66の孔部66cから先端側内筒部63の内側筒部63bに至る液体燃料の流路が一体的に確立されているため、例えば図3に示されるものにおけるプラグ保持部材66とプラグシール部材71との間や、プラグ保持部材66と筒状シール部材68との間からの外部への液体燃料の流出といったことが抑制され、信頼性に優れたものとなる。また、筒部76bが蛇腹形状とされており、プラグ保持部材66のスライドに合わせて容易に伸縮することができるため、プラグ保持部材66のスライドを阻害することもなく、プラグ8の挿入も容易に行うことができる。
次に、本発明の燃料電池1について、内部気化型のDMFCを例に挙げて説明する。図10は、本発明の燃料電池1の一例を示す断面図である。燃料電池1は、起電部を構成する燃料電池セル3と、燃料収容部4と、図示を省略したソケット6を有する燃料受容部5とから主として構成されている。なお、図示が省略された燃料受容部5は、例えば図1に示されるように燃料収容部4の下面側に設けられている。
燃料電池セル3は、アノード触媒層31およびアノードガス拡散層32からなるアノード(燃料極)と、カソード触媒層33およびカソードガス拡散層34からなるカソード(酸化剤極/空気極)と、アノード触媒層31とカソード触媒層33とで挟持されたプロトン(水素イオン)伝導性の電解質膜35とから構成される膜電極接合体(MEA:Membrane Electrode Assembly)を有している。
アノード触媒層31およびカソード触媒層33に含有される触媒としては、例えば、Pt、Ru、Rh、Ir、Os、Pd等の白金族元素の単体、白金族元素を含有する合金等が挙げられる。具体的には、アノード触媒層31にメタノールや一酸化炭素に対して強い耐性を有するPt−RuやPt−Mo等を、カソード触媒層33に白金やPt−Ni等を用いることが好ましい。また、炭素材料のような導電性担持体を使用する担持触媒、あるいは無担持触媒を使用してもよい。
電解質膜35を構成するプロトン伝導性材料としては、例えばスルホン酸基を有するパーフルオロスルホン酸重合体のようなフッ素系樹脂(ナフィオン(商品名、デュポン社製)やフレミオン(商品名、旭硝子社製)等)、スルホン酸基を有する炭化水素系樹脂、タングステン酸やリンタングステン酸等の無機物等が挙げられる。ただし、これらに限られるものではない。
アノード触媒層31に積層されるアノードガス拡散層32は、アノード触媒層31に燃料を均一に供給する役割を果たすと同時に、アノード触媒層31の集電体も兼ねている。一方、カソード触媒層33に積層されるカソードガス拡散層34は、カソード触媒層33に酸化剤を均一に供給する役割を果たすと同時に、カソード触媒層33の集電体も兼ねている。アノードガス拡散層32にはアノード導電層36が積層され、カソードガス拡散層34にはカソード導電層37が積層されている。
アノード導電層36およびカソード導電層37は、例えば金のような導電性金属材料からなるメッシュや多孔質膜、あるいは薄膜等で構成されている。なお、電解質膜35とアノード導電層36との間、および電解質膜35とカソード導電層37との間には、ゴム製のOリング等の環状シール部材38、39が介在されており、これらによって燃料電池セル3からの燃料漏れや酸化剤漏れを防止している。
燃料収容部4の内部には、液体燃料Fとして例えばメタノール燃料が充填されている。また、燃料収容部4は燃料電池セル3側が開口されており、この燃料収容部4の開口部と燃料電池セル3との間に気体選択透過膜11が設置されている。気体選択透過膜11は、液体燃料Fの気化成分のみを透過し、液体成分は透過させない気液分離膜である。このような気体選択透過膜11の構成材料としては、例えばポリテトラフルオロエチレンのようなフッ素樹脂が挙げられる。ここで、液体燃料Fの気化成分とは、液体燃料Fとしてメタノール水溶液を使用した場合にはメタノールの気化成分と水の気化成分からなる混合気、純メタノールを使用した場合にはメタノールの気化成分を意味する。
カソード導電層37上には保湿層12が積層されており、さらにその上には表面層13が積層されている。表面層13は酸化剤である空気の取入れ量を調整する機能を有し、その調整は表面層13に形成された空気導入口13aの個数やサイズ等を変更することで行う。保湿層12はカソード触媒層33で生成された水の一部が含浸されて、水の蒸散を抑制する役割を果たすと共に、カソードガス拡散層34に酸化剤を均一に導入することで、カソード触媒層33への酸化剤の均一拡散を促進する機能も有している。保湿層12は例えば多孔質構造の部材で構成され、具体的な構成材料としてはポリエチレンやポリプロピレンの多孔質体等が挙げられる。
燃料収容部4上に積層された気体選択透過膜11、燃料電池セル3、保湿層12、および表面層13は、例えばステンレス製のカバー14が被されることによって保持されている。カバー14には表面層13に形成された空気導入口13aと対応する部分に開口14aが設けられている。また、燃料収容部4にはカバー14の爪14bを受けるテラス4aが設けられており、このテラス4aに爪14bをかしめることで全体がカバー14によって一体的に保持されている。
上述したような構成を有する燃料電池1においては、燃料収容部4内の液体燃料F(例えばメタノール水溶液)が気化し、この気化成分が気体選択透過膜11を透過して燃料電池セル3に供給される。燃料電池セル3内において、液体燃料Fの気化成分はアノードガス拡散層32で拡散されてアノード触媒層31に供給される。アノード触媒層31に供給された気化成分は、例えば下記の(1)に示すメタノールの内部改質反応を生じさせる。
CHOH+HO → CO+6H+6e …(1)
なお、液体燃料Fとして純メタノールを使用した場合には、燃料収容部4から水蒸気が供給されないため、カソード触媒層33で生成した水や電解質膜35中の水をメタノールと反応させて上記(1)式の内部改質反応を生起するか、あるいは上記(1)式の内部改質反応によらず、水を必要としない他の反応機構により内部改質反応を生じさせる。
内部改質反応で生成されたプロトン(H)は電解質膜35を伝導し、カソード触媒層33に到達する。表面層13の空気導入口13aから取り入れられた空気(酸化剤)は、保湿層12、カソード導電層37、カソードガス拡散層34を拡散して、カソード触媒層33に供給される。カソード触媒層33に供給された空気は、次の(2)式に示す反応を生じさせる。この反応によって、水の生成を伴う発電反応が生じる。
(3/2)O+6H+6e → 3HO …(2)
上述した反応に基づく発電反応が進行するにしたがって、燃料収容部4内の液体燃料F(例えばメタノール水溶液や純メタノール)は消費される。燃料収容部4内の液体燃料Fが空になると発電反応が停止するため、その時点でもしくはそれ以前の時点で燃料収容部4内にカートリッジ2から液体燃料を供給する。
カートリッジ2からの液体燃料の供給は、前述したようにカートリッジ2側のプラグ8を燃料電池1側のソケット6に挿入することにより実施することができる。この際、ソケット6が前述したようなプラグ保持部材66を有するものとされていることで、プラグ8の挿入が容易となり、また連結時の外れも抑制されるため、損傷が抑制され、外部への液体燃料の流出も抑制され、安全性に優れたものとなる。
以上、本発明の燃料電池用ソケットと、それを用いた燃料電池用カップラーおよび燃料電池について説明したが、本発明の燃料電池用ソケット、燃料電池用カップラーおよび燃料電池は上記実施形態そのものに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。
例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。また、例えば燃料電池としては小型化が進められているパッシブ型DMFCが好適であるが、少なくとも本発明の燃料電池用ソケットを具備し、液体燃料が該ソケットを介して供給されるものであれば、その方式や機構等については何等限定されるものではない。
本発明の燃料電池と燃料カートリッジとを示す概観図。 本発明の燃料電池用カップラーの分離状態の一例を示す縦断面図。 図2に示される燃料電池用ソケットを拡大して示す縦断面図。 プラグ保持部材の一部切り欠き断面図。 キーリングの一例を示す平面図。 図2に示す燃料電池用カップラーの連結初期の状態を示す縦断面図。 図2に示す燃料電池用カップラーの連結途中の状態を示す縦断面図。 図2に示す燃料電池用カップラーの連結完了時の状態を示す縦断面図。 本発明の燃料電池用ソケットの変形例を示す縦断面図。 本発明の燃料電池の一例を示す断面図。
符号の説明
1…燃料電池、2…カートリッジ、3…燃料電池セル、4…燃料収容部、5…燃料受容部、6…燃料電池用ソケット、7…カートリッジ本体、8…燃料電池用プラグ、9…燃料電池用カップラー、11…気体選択透過膜、12…保湿層、13…表面層、14…カバー、31…アノード触媒層、32…アノードガス拡散層、33…カソード触媒層、34…カソードガス拡散層、35…電解質膜、36…アノード導電層、37…カソード導電層、38、39…環状シール部材、61…ソケット本体、61a…開口部、61b…孔部、61s…保持部材嵌合部、61t…テーパー部、62…後端側内筒部、62b…孔部、63…先端側内筒部、63a…外側筒部、63b…内側筒部、63s…スリット部、64…キーリング、64a…キー溝、65…バルブ本体、66…プラグ保持部材、66a…底部、66b…アーム部、65p…プラグ嵌合部、66s…ソケット嵌合部、67…環状シール部材、68…筒状シール部材、71…環状シール部材、72、73…弾性体、74…環状シール部材、81…プラグヘッド、81a…ベース部、81b…細径部、81c…軸孔、81d…シール凹部、81e…燃料吐出口、81p…保持部材嵌合部、82…バルブ本体、83…押えキャップ、84…キー部、85…バルブホルダ、86、87…環状シール部材、88…弾性体

Claims (10)

  1. 燃料電池に液体燃料を供給するために前記液体燃料を吐出する燃料電池用プラグが着脱可能に挿入されて用いられる筒状のソケット本体とバルブ機構とを有する燃料電池用ソケットであって、
    前記燃料電池用プラグの挿入に伴う軸線方向のスライドにより、前記燃料電池用プラグを保持すると共に、自身がソケット本体内に保持されるプラグ保持部材を有することを特徴とする燃料電池用ソケット。
  2. 前記ソケット本体は、前記燃料電池用プラグの挿入方向に向かって内径が小さくなるテーパー部を有し、前記プラグ保持部材による保持は、前記テーパー部を利用して行われることを特徴とする請求項1記載の燃料電池用ソケット。
  3. 前記プラグ保持部材は、中心部に孔部を有する略円板状の底部と、前記底部の縁部から前記底部に対して略垂直方向となるように形成されたアーム部とを有し、前記アーム部は前記底部側に対して先端側が外径側に広がっていることを特徴とする請求項1または2記載の燃料電池用ソケット。
  4. 前記アーム部は、前記燃料電池用プラグを保持するために前記燃料電池用プラグに嵌め合わされるプラグ嵌合部を内径側に有することを特徴とする請求項3記載の燃料電池用ソケット。
  5. 前記アーム部は、前記ソケット本体により保持されるために前記ソケット本体に嵌め合わされるソケット嵌合部を外径側に有することを特徴とする請求項3または4記載の燃料電池用ソケット。
  6. 前記プラグ保持部材は、前記底部の前記燃料電池用プラグが当接する側の主面における前記孔部の周囲に、前記燃料電池用プラグの燃料吐出口の周囲をシールする環状部を有するプラグシール部材を有することを特徴とする請求項3乃至4のいずれか1項記載の燃料電池用ソケット。
  7. 前記プラグシール部材は、前記環状部と一体に形成され、前記底部に設けられた孔部を通して前記環状部が配置された主面と反対側に延びる筒部を有することを特徴とする請求項6記載の燃料電池用ソケット。
  8. 前記筒部は蛇腹状であることを特徴とする請求項7記載の燃料電池用ソケット。
  9. 請求項1乃至8のいずれか1項記載の燃料電池用ソケットと、前記燃料電池用ソケットに着脱可能に挿入され、液体燃料を吐出する燃料電池用プラグとを有することを特徴とする燃料電池用カップラー。
  10. 請求項1乃至8のいずれか1項記載の燃料電池用ソケットと、前記燃料電池用ソケットを通して供給された液体燃料を収容する燃料収容部と、前記液体燃料を用いて発電動作を行う起電部とを有することを特徴とする燃料電池。
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