JP2009217222A - 反射型透過照明補助装置付観察台 - Google Patents

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Abstract

【課題】被写体の下に透過照明光源そのものを配置することなく、外部光源を利用し、簡単かつ低コストで、被写体下部からの透過照明法を利用した被写体観察を実現することができる反射型透過照明補助装置付観察台を提供する。
【解決手段】被写体を置くためのステージ1は、被写体を観察する部分とその周辺に、透明または開放部1aを有し、その下部に上面がマットなスリガラス面2a、下面が鏡面蒸着されたミラー面2bで成り立つガラス板2を配置することにより、ステージ1を照らす外部光源の光が、ガラス板2のスリガラス面2aで拡散、ミラー面2bで反射され、ほとんど照度ムラの無い光として、ステージ1の透明または開放部1aを通過し、被写体下部から被写体9を照射する。
【選択図】図2

Description

本発明は、外部からの光を利用し、被写体を照明する照明補助装置付観察台に関するものである。
多くの顕微鏡や、CCD・CMOSイメージセンサー等を用いモニター映出させる電子映像拡大器に代表される観察装置などに採用されているように、透過照明法は、宝石や細胞をはじめとする透明・半透明な被写体を観察する際には非常に有効な照明法であることは周知の事実である。
以下、図4(a)、(b)、(c)により従来の透過照明装置について説明する。図4(a)従来の透過拡散照明法を示す縦断面図において、21は電球やLEDなどの光源で、その光源の上部に被写体を設置するステージ22があり、その被写体観察部には、ステージ22の透明または開放部22aがある。また、光源21の周りには反射鏡23があり、反射鏡23に反射した光を拡散するために拡散板24を設置すると、照度ムラの無い透過拡散照明法となる。
図4(b)従来の暗視野照明法を示す縦断面図において、25は遮光板で、光源21の上部に遮光板25を設置すると、暗い背景の中に明瞭な映像が映し出される暗視野照明法となる。
図4(c)従来の陰影照明法を示す縦断面図において、26は黒色板で、光源21からの照明光と被写体との間に、黒色板26を適切な位置まで挿入すると、一部の照明光を遮り、下部からの光が斜光となるため、透明・半透明被写体が立体的に観察できる陰影照明法となる。
以上に述べた従来の透過照明装置の問題点は、光源21やその他の電気的駆動装置が必要で、筐体27にも放熱や絶縁を考慮する必要があるため、簡易でなくコストを要するという課題があった。
また、上記のような問題があったため、実際、透過照明装置を備えず、照明を上部照明のみとする顕微鏡や電子映像拡大器が多く存在し、上部照明しか備えていない観察装置で、被写体下部からの透過照明法を利用し被写体を観察しようとする際には、新たに透過照明用の光源21と電気的駆動装置が必要となり、コストを要す、新たに電源が必要などという課題があった。
本発明は、この問題を解決するものであり、自己発光部を必要としないため、上部照明しか備えていない観察装置や、照明を上部からしか行えない場合でも、簡易でかつ低コストで被写体下部からの透過照明法を利用した被写体観察を実現することを目的とするものである。
このような課題に対し、本発明は上記目的を達成するために、被写体観察部分とその周辺が透明または開放になっているステージを備え、そのステージ下部に外部光源からの光を反射する反射部と、その反射光を拡散する拡散部を設けたものである。
本発明装置のステージの透明または開放にする範囲は、前記光源からの光が当範囲を通過し前記反射部で反射光となった光が被写体を下部から照射できる範囲とする。
また、本発明装置の反射・拡散部とステージとの距離は、反射・拡散部が被写体観察に支障をきたさないためには、観察装置の被写界深度に入らない範囲の距離である必要があるが、本発明装置による反射光を被写体に十分照射するためには、上記条件の範囲で被写体に近く設定されていると良い。
この解決手段の作用は次の通りである。外部からの光が、ステージ上部からステージ方向へ照射される。その光がステージの透明または開放部を通過し、その下部にある拡散部を通過し、拡散された光となり下方へ向かう。前記拡散光は、その下部にある反射部で反射され上方に向かい、再び拡散部を通過し、拡散され上方へ向かう。よって、ほとんど照度ムラの無い光が、ステージの透明または開放部を通過し、その上部にある被写体を下部から透過的に照明する。
また、仮に、単に反射部のみを設けたときは、反射部で被写体像が反射し、すなわち被写体の虚像が発生し、この虚像が観察背景に形を崩しながら現れ、観察に支障が出る。よって、前記拡散部は、光の拡散以外にも、被写体虚像の写り込みを防ぐ効果がある。
このように本発明によれば、上部照明しか備えていない照明装置や、照明を上部からしか行えない場合でも、透過照明光源そのものを新たに追加することなく、簡単かつ低コストで、被写体下部からの透過照明法を利用した被写体観察を実現することができる。
以下、本発明の実施の形態を図1、図2、図3に基づいて説明する。図1は、本発明に基づく反射型透過照明補助装置付観察台の縦断面図である。この図において、1は被写体を置くためのステージで、ステージ1は被写体を観察する部分とその周辺に、ステージ1の透明または開放部1aを有し、その下部に、上面がマットなスリガラス面2aで、下面が鏡面蒸着されたミラー面2bで成り立つガラス板2が配置されている。
ステージ1とガラス板2は、筐体3に支持されており、また、筐体3が有するツマミ4によりリード棒4aを介し、遮光黒色板5の移動が可能である。なお、その変位構造は固定軸4bを中心とした公知の円弧移動機構などでよく、その説明は省略する。
図2(a)は、同観察台に被写体を置き上部照明を備えた観察装置で観察した時の縦断面図である。図2(a)において、6は被写体を観察・撮影するための観察装置12の撮影レンズで、スライドガラス8に被写体9が設置されている。7は観察装置12に備えられた上部照明であり、上部照明7は観察装置12の撮影レンズ6の周囲を取り囲むように配置されている。
以下、上記構成の動作を、図2(b)の本発明に基づく照明状態を示す部分拡大縦断面図で説明する。上部照明7から発せられた照明光線10は、ステージ1の透明または開放部1aを通過し、ガラス板2の上面に到達する。そして、照明光線10は、ガラス板2上面のスリガラス面2aで拡散されガラス板2内部に進入し、ガラス板2下面のミラー面2bで反射され上方に向かい、ガラス板2上面のスリガラス面2aで再び拡散し、ほとんど照度ムラの無い光として、ステージ1の透明または開放部1aを通過し、被写体下部から被写体9を照射する。
ステージ1とガラス板2の距離L12は、ステージ1にある被写体9に観察装置12のピントを合わせたとき、ガラス板2が観察装置12の被写界深度に入らない範囲の距離であり、すなわち、この状態であれば、観察装置12で被写体9を観察している際に、ガラス板2の映像は合焦せず均一な観察背景と成るため、被写体観察に支障をきたすことはない。また、本発明装置による反射光を被写体9に十分照射するためには、上記条件の範囲でL12を短く設定する。
本発明では、上記のように、上部照明7から発せられた照明光線10がガラス板2の下面のミラー面2bで反射し被写体9を照射するため、上部照明7の照射方向と照射範囲はこの条件を満たすように設定する。この様子の詳細を図3(a)上部照明の照射条件を説明する部分拡大縦断面図に示す。
図3(a)において、Θaは上部照明7の照射方向角度で、Θbは上部照明7の照射範囲角度である。照射方向角度Θaと照射範囲角度Θbは、上記の照明条件すなわち、上部照明7から発せられガラス板2の下面のミラー面2bで反射し被写体9を下部から照射する効果がある有効照明光線10aや10b、を有するように設定する。
また、光源は、上記照明条件を満たせば、観察装置に備えられた上部照明7以外の外部の光源でも構わない。
ステージ1の透明または開放部1aの範囲は、前記有効照明光線10a、10bを遮らない範囲に設定する。
本発明の反射・拡散部は、上記した各々の役割を果たせば、反射部は光沢のある金属板、拡散部は乳白板などでも構わない。また、形状も上記では簡単の為、平面ガラス板を用いたが、前記反射部をわん曲させお椀型にし、反射光のより多くが被写体に照射されるようにしても良い。
また、ツマミ4を操作し、遮光黒色板5を観察背景部にもってくれば、暗視野照明法となる。この様子を図3(b)本発明に基づく暗視野照明状態を説明する部分拡大縦断面図に示す。このとき、遮光黒色板5の大きさは、観察範囲の背景を遮光し暗くするための大きさが必要となるが、被写体を下部から照射する効果がある有効照明光線10a、10bを遮らない大きさに設定する。また、リード棒4aは、照明光線を妨げないように、細くしたり透明にする等、影響を無視できるように設定する。
さらに、ツマミ4を操作し、遮光黒色板5を少しずつ移動させ、有効照明光線10aは遮らないが、有効照明光線10bを遮るような位置まで移動させていくと、下部からの反射透過光が均一な光で無くなり傾きを持つため、透明・半透明被写体が立体的に観察できる陰影照明法となる。この様子を、図3(c)本発明に基づく陰影照明状態を説明する部分拡大縦断面図に示す。
また、前記遮光黒色板5も、観察装置12の被写界深度に入らない範囲に設置すれば、被写体観察に支障をきたすことはない。
以上のように本実施例によれば、上部照明しか備えていない照明装置や、照明を上部からしか行えない場合でも、透過拡散照明法・暗視野照明法・陰影照明法を兼ね備えることが出来る。
産業上の利用の可能性
このように本発明によれば、上部照明しか備えていない照明装置や、照明を上部からしか行えない場合でも、透過照明光源そのものを新たに追加することなく、簡単かつ低コストで、透過拡散照明法・暗視野照明法・陰影照明法を兼ね備えることが出来るため、例えば、工業、医学、バイオの各分野に利用することが出来る。
本発明に基づく反射型透過照明補助装置付観察台の縦断面図 (a)同観察台に被写体を置き上部照明を備えた観察装置で観察した時の縦断面図 (b)本発明に基づく照明状態を示す部分拡大縦断面図 (a)上部照明の照射条件を説明する部分拡大縦断面図 (b)本発明に基づく暗視野照明状態を説明する部分拡大縦断面図 (c)本発明に基づく陰影照明状態を説明する部分拡大縦断面図 (a)従来の透過拡散照明法を示す縦断面図 (b)従来の暗視野照明法を示す縦断面図 (c)従来の陰影照明法を示す縦断面図
符号の説明
1 ステージ
1a ステージ1の透明または開放部
2 ガラス板
2a スリガラス面
2b ミラー面
3 筐体
4 ツマミ
4a リード棒
4b 固定軸
5 遮光黒色板
6 撮影レンズ
7 上部照明
8 スライドガラス
9 被写体
10 照明光線
10a 有効照明光線
10b 有効照明光線
11 観察用モニター
12 観察装置
13 撮像素子
L12 ステージ1とガラス板2の距離
Θa 照射方向角度
Θb 照射範囲角度

Claims (3)

  1. 観察装置を用い被写体を観察する際の被写体を設置する為のステージを備え、そのステージの観察部分とその周辺が透明または開放になっていて、そのステージの下部に外部光源からの光を反射する反射部と、その反射光を拡散する拡散部があり、前記反射部は、ステージ上部からステージ方向へ照射されステージの透明または開放部を通過し下方へ進行する外部光を上方に反射させ、前記拡散部はその反射光を拡散させ、その拡散光がステージの透明または開放部を通過し、その上部にある被写体を下部から透過的に照明するように設置された反射部と拡散部を備えることを特徴とする反射型透過照明補助装置付観察台。
  2. カム構造などで変位する遮光黒色板をステージ下部、反射・拡散部の上部に備え、その遮光黒色板を変位させることにより、暗視野での観察や斜光状態での観察が可能となることを特徴とする請求項1に記載の観察台。
  3. 請求項1または請求項2の観察台に、観察装置を保持する為の支柱、または支柱と観察装置を備える観察ユニット。
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