JP2009216719A - 圧力測定方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 水晶振動子の電極部分の腐食を防ぎ、固有共振インピーダンスを安定して一定に保つことができ、圧力等の測定精度、および圧力測定機器等としての信頼性および寿命を向上させた水晶振動子を含む計測装置を用いた圧力測定方法を提供する。
【解決手段】 この計測装置は、圧力の変化に応じて変化する水晶振動子18の共振インピーダンスを測定することに基づいて計測方法であり、該計測に用いる計測装置は、開口部20aを有し、内部に水晶振動子18を収容する保護ケース20と、この保護ケースの開口部に関連して設けられ、活性を有する気体分子を、衝突を生じさせながら移動させて開口部に導く通路としての隙間25を形成する保護キャップ24と、を備えるように構成される。
【選択図】 図1

Description

本発明は、水晶摩擦真空計を用いた圧力測定方法関し、特に、音叉型水晶振動子等を利用して構成され活性を有する気体分子を含有する成膜チャンバ等の内部圧力を測定する水晶摩擦真空計を用いた圧力測定方法に関する。
真空領域を利用する各種半導体製造装置や電子デバイス製造装置では、装置の立上げ、メンテナンス、各種のプロセスに応じて、大気圧から高真空領域にかけての広範囲における圧力の測定が必要となる。このため測定の用途に応じて様々な真空計が使い分けられている。
一般的に、105〜1Pa程度の高圧力領域(低真空領域)では、ピラニ真空計等の熱伝導真空計、水晶摩擦真空計、回転型粘性真空計に代表される気体の輸送現象に基づく真空計が使用される。プロセス中の圧力測定では圧力制御の容易性および高精度といった要求を満たす隔膜真空計が主に使用される。他方、1Pa以下の低圧力領域(高真空領域)では、ベヤードアルパート型電離真空計(以下「B−A型電離真空計」と記す)に代表される電離真空計が広く使用される。
ここで水晶摩擦真空計について説明する。水晶摩擦真空計は、気体の輸送現象に基づく真空計の一種である。
水晶摩擦真空計では水晶振動子が用いられる。エレクトロニクス分野で広く使用される水晶振動子は、圧電素子であって、共振時での電気的インピーダンス(共振インピーダンス)が周囲の気体の圧力に応じて変化するという特性を有している。水晶振動子の共振インピーダンスは、分子流領域では圧力に比例し、粘性流領域では圧力の1/2乗に比例するという特性を有している。中でも、音叉型水晶振動子は最も大きな共振インピーダンス変化を示す。このような水晶振動子を利用して構成された真空計が水晶摩擦真空計である。水晶摩擦真空計によれば、水晶振動子と周囲の気体の分子(圧力要因)との間の摩擦効果を利用して当該気体の圧力を測定するものであり、水晶振動子の共振インピーダンスの変化を検出することにより圧力値を得ることができる。具体的には、水晶振動子の固有共振抵抗(Z0)と測定した共振抵抗(Z)との差ΔZに基づいて気体の圧力を測定する。
上記水晶摩擦真空計に関連する従来技術として、特許文献1に示される水晶真空計や、特許文献2に開示される音叉型水晶振動子による圧力測定方法が存在する。
特許文献1に開示される水晶摩擦真空計は、圧力測定対象である真空容器に付設される測定容器内に配置されて使用されるものであり、真空容器の電位が不安定であっても、その影響を受けず、安定して正確な測定を行えるようにするための水晶真空計である。特許文献1によれば、被測定真空容器に付設される測定容器における水晶振動子の取付け構造を工夫することにより、上記課題を達成している。
特許文献2に示される音叉型水晶振動子による圧力測定方法は、音叉型水晶振動子を利用して広範囲の圧力測定を行うものであり、当該水晶振動子の固有共振抵抗と実測共振抵抗との差から気体の圧力を測定するものにおいて、固有共振抵抗について、音叉型水晶振動子の温度を共振周波数に基づいて求め、この求められた温度に応じた抵抗値を用いるようにしている。すなわち、固有共振抵抗を温度条件を考慮して補正することによって、圧力の測定精度を高めている。
また水晶振動子の製造方法等については特許文献3に開示されている。特許文献3で開示される技術は、一定の周波数で発振する水晶振動子に関して、当該一定周波数の経時的変化を防ぐことによりその発振特性を劣化させないようにした水晶振動子およびその製造方法に関するものである。この水晶振動子によれば、腐食による重量の経時的変化を防ぐことにより周波数の経時的変化を防いでいる。すなわち、この水晶振動子では、表裏の2つの面の電極上に絶縁膜を堆積して当該電極を安定な絶縁膜で保護し、電極それ自体の腐食等による重量の経時的変化を抑え、これにより周波数の経時的変化を防いでいる。
次に、図4〜図7を参照して、従来の水晶摩擦真空計の装置構成、およびこの水晶摩擦真空計に利用される音叉型水晶振動子の構造を概念的に説明する。図4は従来の水晶摩擦真空計の装置構成図、図5は音叉型水晶振動子の要部斜視図、図6は音叉型水晶振動子の角型ロッド部の表面における電極の配置パターンを概念的に示した図、図7は電極の膜構造を示した図である。
図4を参照して水晶摩擦真空計の装置構成を説明する。筒型の金属製真空計容器15の一端は開放され、開口部15aが形成されると共にフランジ15bが形成されている。フランジ15bは、被測定真空容器11の真空計取付け部14のフランジ14aに結合される。真空計容器15のフランジ15bと真空計取付け部14のフランジ14aとの結合は真空封止状態を保持してボルト等で行われる。真空計取付け部14に対して真空計容器15は自在に取付け・取外しを行うことができる。この連結構造により、真空計容器15の内部空間と被測定真空容器11の内部空間とがつながる。
真空容器15の開口部15aの反対側端部はハーメチックシール部16によって真空封止されている。ハーメチックシール部16には一対のリードピン17が貫通状態でかつ真空封止された状態で固定されている。
水晶振動子18は音叉型水晶振動子である。水晶振動子18は、被測定真空容器11側の端部に開口部20aを有しかつ他の端部は絶縁ガラス19で封止された金属製の保護ケース20内に収容されている。水晶振動子18は保護ケース20内に収容されかつ開口部20aを除いて覆われた状態で、真空計容器15内のほぼ中央部に配置されている。また保護ケース20も真空計容器15内でほぼ中央位置に図示しない支持機構に基づき配置されている。
上記のリードピン17の内部端には、水晶振動子18から引き出されたリード線21がスポット溶接によって接続されている。またリードピン17の大気側外部端は、ケーブル22を介して制御回路23に接続されている。制御回路23は交流電源を含む構成を有している。
以上の水晶摩擦真空計によれば、被測定真空容器11の内部圧力は、水晶振動子18における共振抵抗の変化を、制御回路23で検出することにより測定される。図4において26は、被測定真空容器11の内部から真空計容器15へ移動してきた反応性ガス等の活性を有する気体分子を粒子のイメージで示したものである。
次に図5等を参照して音叉型水晶振動子を説明する。音叉型水晶振動子101は平行な2本の角型ロッド部101a,101bを有する。音叉型水晶振動子101の表面には所定のパターンで2つの電極102,103が形成されている。その結果、図6に示されるごとく、2つの角形ロッド部101a,101bのそれぞれには図6中の上下の面および左右の面に一対の電極102,103が設けられている。これらの電極102,103の間に交流電源104によって一定周波数(例えば32.8KHz)の交流電力を供給することにより音叉型水晶振動子101を振動させ、共振状態を生じさせる。水晶振動子101では、角型ロッド部101a,101bの表面を含む所定の表面領域に電極102,103が付されている。電極102,103の素材には、図7に示すごとく、Au(金)膜105が用いられる。Au膜は約200nm程度の厚みを有している。電極102,103のAu膜には、水晶振動子の面との間の密着性を高めるため、下地としてCr(クロム)膜106が用いられている。Cr膜の厚みは約200nmである。
上記の構造を有する音叉型水晶振動子によれば、共振状態に駆動された状態において、その共振インピーダンスを測定すると、大気圧から0.01Paの高真空状態までの圧力変化を捉えることができる。なおこの場合、音叉型水晶振動子は共振状態にあるので、共振インピーダンスはほとんど共振抵抗の分だけになっている。また共振インピーダンスに基づいて真空状態に係る圧力を測定する際、常に周波数に応じて共振インピーダンスの温度補正が行われる。
上記の音叉型水晶振動子を利用した水晶摩擦真空計では次の問題が提起される。
水晶摩擦真空計が装備される各種の半導体製造装置や電子デバイス製造装置などでは、様々なプロセス条件の要求から反応性ガスが使用される場合が多い。例えば半導体超微細加工技術として必要不可欠であるドライエッチングプロセスではCF4やCCl4に代表されるフッ素系ガスや塩素系ガスが使用され、またアッシングプロセスではO2ガスが使用される。これらのガス(気体)は真空中でプラズマになると、化学的に活性の強いラジカルを発生する。このため、前述した従来の音叉型水晶振動子を利用した水晶摩擦真空計では、プロセス条件によって、水晶振動子の電極における下地膜であるCr膜の露出部分に腐食を生じる。このようなCr膜の腐食が生じると、音叉型水晶振動子の固有共振インピーダンス(主に固有共振抵抗)において経時的変化が生じる。例えばガス雰囲気によっては数時間から数週間の時間経過後に音叉型水晶振動子の固有共振インピーダンスの値が上昇し始め、1.2〜2倍程度の値になる。これは音叉型水晶振動子の固有共振抵抗の変化を意味している。このため、共振インピーダンスの変化が圧力変化に正確に対応せず、圧力の測定精度が低下する。
また上記固有共振インピーダンスは、温度が高くなるにつれて大きくなるという温度依存性を有している。この固有共振インピーダンスの温度依存性の特性曲線は、その増加の傾きが固有共振インピーダンスの増加に伴って急峻になるという特性を有している。水晶振動子の固有共振インピーダンスが水晶振動子の電極下地膜の腐食が原因で変化すると、圧力測定精度の維持のため、頻繁に零点調整する必要が生じる。従って圧力測定の要となる水晶振動子の固有共振インピーダンスの変化を抑えることが望まれる。
上記の問題を解決する手段として、真空計容器15の接続部にカットバルブを設けて腐食を防止したり、真空計取付け位置を工夫してプロセスガスの影響を低減させることが考えられていた。しかしながら、問題の解決の観点で十分な解決策とは言えなかった。
上記の問題は水晶摩擦真空計だけの問題ではなく、上記の電極構造を有する水晶振動子を利用して構成される計測装置に一般的に生じる問題である。
特開2000−28465号公報 特開平4−93735号公報(特公平7−97060号公報) 特開平11−68501号公報
本発明の課題は、圧力変化に応じた水晶振動子の共振インピーダンスの変化を測定して、ハロゲンや酸素等のガスを導入してプラズマを生成する反応容器内の圧力を測定する水晶摩擦真空計等の計測装置において、水晶振動子の固有共振インピーダンスの経時的変化を抑制し、さらに固有共振インピーダンスの温度依存性の経時変化も抑制しようとするものである。
本発明の目的は、上記の課題に鑑み、水晶振動子の電極部分の腐食を防ぎ、さらに水晶振動子の固有共振インピーダンスおよびその傾きに関する温度依存性の経時的変化を防ぎ、固有共振インピーダンスを安定して一定に保つことができ、圧力等の測定精度、および圧力測定機器等としての信頼性および寿命を向上させた水晶摩擦真空計を用いた圧力測定方法を提供することにある。
本発明に係る水晶振動子を含む計測装置は、上記目的を達成するため、次のように構成される。
請求項1に記載された、活性を有する気体分子を含有する空間の水晶摩擦真空計を用いた圧力測定方法は、水晶振動子と、Au膜からなる電極膜とCr膜からなる下地膜の二層構造を有し、水晶振動子の表面に配置された電極と、内側に水晶振動子を収容し、一端部側に開口部を有するとともに他端部側が封止された管状の保護ケースと、保護ケースの外径寸法よりも大きな内径寸法を有し、開口部および外壁との間に隙間を有した状態で被せられた有底円筒状の保護キャップとを備えた水晶摩擦真空計を用い、活性を有する気体分子は、隙間を通って開口部に導かれることを特徴とする。
水晶振動子を含む計測装置で、例えば圧力の測定では、水晶振動子の固有共振抵抗(Z) と測定した共振抵抗(Z) との差ΔZ に基づいて気体の圧力を測定する。水晶振動子に共振状態を生じさせるため、所定の配置パターンの電極を有する。この電極は、本来の電極膜と、密着性を高めるための下地膜からなる二層構造を有している。水晶摩擦真空計では、反応性を有する気体(ガス) の分子や活性種(ラジカル) 等の圧力要因が水晶振動子と接することになる。このような状況にあるので、下地膜の表面にO,H,F 等の活性種が輸送され、反応が生じ、摩擦量変化が発生するおそれが高い。そこで、この状態の発生を防止するため、水晶振動子に活性種等が到達したときには、活性種等の活性が失活するような構造を有したキャップ部材を設けるようにした。これによって、電極の下地膜に活性種等が侵入するのを防止することが可能となる。
水晶振動子は保護ケース内に収容され、通路は気体分子を保護ケースの開口部側に導く構成を有している。通路を通る気体分子が通路の壁面と衝突を繰り返しながら保護ケースの開口部側に導かれることで、保護ケースの開口部を通して水晶振動子に活性種等が到達したときには、通路によって活性種等の活性が失活するようにした。
また、前記の通路は、キャップ部材の外壁と保護ケースの内壁との間に形成される隙間である。この構成では、水晶振動子を収容する保護ケースの開口部側に被せられる有底円筒状のキャップ部材を用意するだけで、活性種等を導く導入部材を設けることができる。当該キャップ部材を保護ケースに被せると、保護ケースとキャップ部材との間に隙間が形成され、当該隙間が上記通路としての機能を有し、保護ケースの開口部に輸送される活性
種の活性を失活させることになる。
上記の構成において、好ましくは、上記の通路で、気体分子を失活させる程度の十分な回数の衝突が生じることを特徴とする。上記導入部材の通路は、計測対象のガスを水晶振動子に設置箇所まで導くとともに、活性種等の活性を失活させるための機能を有するものであるから、失活を可能にする十分な衝突回数が生じるような形態を有するように形成されている。
上記の構成において、好ましくは、前記の通路を形成する前記キャップ部材の内壁若しくは保護ケースの外壁には前記活性種の失活を促進するコーティングが施されている。このコーティングは、ポリイミドからなる樹脂から構成されており、気体分子の活性を低減させて、安定なガスにすることができる。
本発明によれば、水晶振動子を利用した水晶摩擦真空計等の計測装置で、電極に電極膜と下地膜から成る二層構造を用いたものにおいて、活性種等が水晶振動子に到達した時にはその活性が失活するように、あるいは、水晶振動子を保護ケースに収容させる構造として活性種等が保護ケースの開口部に到達した時にはその活性が失活するように、導入部材を設けたため、反応性ガスや活性種に起因する下地膜の腐食を防止することができ、水晶摩擦真空計等が反応性ガスや化学的に活性な要素に曝される真空雰囲気でも測定性能に係る特性劣化や寿命の悪化などがなく、安定した圧力測定等の計測を行うことができる。
本発明に係る水晶振動子を含む計測装置の代表的実施形態である水晶摩擦真空計の構造を示す縦断面図である。 保護キャップなしの従来の水晶摩擦真空計の特性を示すグラフである。 保護キャップ付きの水晶摩擦真空計の特性を示すグラフである。 従来の水晶摩擦真空計の構造を示す縦断面図である。 従来の音叉型水晶振動子の外観を示す斜視図である。 従来の音叉型水晶振動子の2つの角型ロッド部の電極の配置を示す断面図である。 従来の二層構造の電極の積層構造を示す断面図である。
以下に、本発明の好適な実施形態(実施例)を添付図面に基づいて説明する。
図1は、本発明に係る水晶振動子を含む計測装置の代表的実施形態である水晶摩擦真空計を示す。図1で示した構成において、図4で説明した要素と実質的に同じ要素には同一の符号を付している。
11は被測定真空容器の一部を示している。被測定真空容器11は、例えば、基板を処理するための真空チャンバを形成するものである。被測定真空容器11では、内部空間12が所要の真空状態にされ、この内部空間12において材料ガスやプロセスガス等が導入されてプラズマが生成され、当該容器内に搬入された基板に対して所要の処理が施される。被測定真空容器11の内部空間12の圧力が、本実施形態による水晶摩擦真空計の測定対象となる。
被測定真空容器11の壁部の一部に、測定用開口部13を形成する真空計取付け部14が設けられる。測定用開口部13に通じるように、当該真空計取付け部14に対して、水晶摩擦真空計を収容する金属製真空計容器15が取り付けられる。真空計容器15は筒型形状を有し、図1中、左端は開放されて開口部15aが形成され、さらに開口部の外側周囲にはフランジ15bが形成されている。真空計容器15のフランジ15bは、真空計取付け部14の取付け用フランジ14aに結合される。フランジ15bと取付け用フランジ14aとの結合は、真空封止状態を形成してボルト等(図示せず)によって行われる。真空計取付け部14に真空計容器15を取り付けると、測定用開口部13と真空計容器15の開口部15aが通じる。被測定用真空容器11の真空計取付け部14に対して、真空計容器15は、自在に取付けまたは取外しすることができる。この連結構造によって、真空計容器15の内部空間と被測定真空容器11の内部空間12とがつながることになる。
真空計容器15の図1中の右端部は、例えばハーメチックシール部16によって封止されている。これにより真空計容器15の内部も真空に保持される。ハーメチックシール部16には、一対のリードピン17が貫通状態で、かつ真空封止された状態で固定されている。
水晶振動子18は音叉型水晶振動子である。水晶振動子18は、被測定真空容器11側の端部に開口部20aを有しかつ他の端部は絶縁ガラス19で封止された金属製の保護ケース20内に収容されている。水晶振動子18は、保護ケース20内に収容され、かつ開口部20aを除いて覆われた状態で、真空計容器15内のほぼ中央部に配置されている。また保護ケース20も真空計容器15内でほぼ中央位置に図示しない支持機構に基づき配置されている。上記リードピン17の内部端には、水晶振動子18から引き出されたリード線21がスポット溶接によって接続されている。またリードピン17の大気側外部端は、ケーブル22を介して制御回路23に接続されている。制御回路23は交流電源を含む構成を有している。また水晶振動子18の電極の各リードピン17の間には、制御回路23に内蔵される交流電源から所要周波数の交流が与えられている。
保護ケース20には、開口部20aを塞ぐように、保護キャップ24が被せられている。保護キャップ24は、有底円筒体の形状を有し、円筒部分の内径が、保護ケース20の円筒部分の外径の寸法よりも例えば0.5mmほど大きくなるような寸法で形成されている。その結果、保護ケース20と保護キャップ24の間には隙間25が形成されている。この隙間25によって通路が形成され、図示されるごとく、この通路によって反応性ガスや活性種(ラジカル)等の気体分子26が保護ケース20内の水晶振動子18まで移動する。隙間25内に示された軌跡27は、活性種等の気体分子26の輸送または移動の軌跡であり、複数回の衝突を繰返しながら、気体分子26は保護ケース20の開口部20aまで導かれる。保護キャップ24の円筒部分の軸方向の寸法は、隙間25において活性種等の気体分子26がその活性が失活するまでに十分な衝突が行われる程度の長さに決定される。このようにして反応性ガスや活性種を含む気体分子26は、保護ケース20と保護キャップ24の間に形成された隙間25を通って、保護ケース20の内部に設置された水晶振動子18の設置箇所まで進入する。
上記の構成に基づき、水晶振動子18の電極、リード線21およびリードピン17、およびケーブル22を経由して制御回路23に入力される信号に基づいて被測定真空容器11の内部圧力が測定される。制御回路23は、保護ケース20の内部空間に配置された水晶振動子18の共振状態における共振インピーダンス(共振抵抗)の変化を検出する。制御回路23が、水晶振動子18の電極から与えられる信号に基づき水晶振動子の共振インピーダンスを測定しかつその変化を検出することにより、被測定真空容器11の内部空間12の圧力を測定することができる。これは、水晶振動子18の共振インピーダンスすなわち共振抵抗が圧力に応じて変化する特性を利用している。
水晶振動子18の共振インピーダンスすなわち共振抵抗は、上記のごとく、圧力だけではなく、温度によっても変化する。また水晶振動子18は、その共振周波数も、温度に応じて変化するという特性を有している。そこで、高精度の測定特性を持たせるように構成された水晶摩擦真空計では、水晶振動子18の共振周波数の変化に基づいて温度変化を捉え、温度変化量に応じた共振インピーダンスの補正を行うことによって周囲温度の変化の影響を受けない高精度の圧力測定を行えるように構成されている。なお、圧力に変換される共振インピーダンスの変化(ΔZ)は、下記の式(数1)で表される。
(数1)
ΔZ=Z−(Z0+ZT)

ここで、

Z:圧力測定時の共振インピーダンス

Z0:固有共振インピーダンス

ZT:温度Tにおける共振インピーダンス補正値
上記の実施形態の構成によれば、水晶振動子18を収容する保護ケース20の外側に開口部20a側から保護キャップ24を設けるようにしている。反応性ガスや活性種を含む気体分子26は、隙間25において保護ケース20の外壁と保護キャップ24の内壁との衝突を繰返しながら進入することで、活性を失い、水晶振動子18に到達する。このため、水晶振動子18のSiO2基板部や電極側面部のCr膜の露出部分に生じる腐食を抑制することができる。それ故、温度補償精度の悪化や寿命の悪化、さらには圧力測定値の信頼性を欠くことなく、様々なプロセス条件下で安定した圧力測定を行うことができる。
図2と図3によってその効果を対比的に示す。図2は酸素ラジカル環境下(圧力0.1Pa程度)での標準製品の周波数特性31とインピーダンス特性32を示しており、図3は同じ環境下での保護キャップ付き製品の周波数特性41とインピーダンス特性42を示している。保護キャップを備えない水晶摩擦真空計ではインピーダンスが増大するのに対して、保護キャップを備えた水晶摩擦真空計ではインピーダンスが一定に保持され、増大しない。これにより安定な圧力測定を行うことができる。
上記の実施形態において、保護キャップ24の材質にはステンレス材料を用いた。水晶摩擦真空計の使用環境に応じて、材質としてチタンやタンタル等の活性な材料を用いることができる。また保護キャップ24の内壁や、保護ケース20の外壁をポリイミド等の樹脂のコーティング処理を行うことも好ましい。このような表面処理を施すことにより、反応性ガスや活性種等の保護キャップ24や保護ケース20の壁面との反応によって当該気体分子の活性を低減させ、安定なガスにすることができる。
上記の実施形態によれば、活性種等の気体分子26の通路としては保護ケース20と保護キャップ24の間の隙間25を利用したが、当該通路に限定されない。水晶振動子18に到る通路は、反応性ガスや活性種等の気体分子が水晶振動子18に到達する前の段階でその活性を失うように所要回数の衝突を生じる通路であればよい。従って、当該通路を形作る部材は、任意の部材を選択することができる。
さらに上記の実施形態によれば、水晶振動子を保護ケース内に設けた構造としたが、本発明はこれに限定されない。すなわち、保護ケースは必須のものではない。上記機能を有した通路部分を備えた保護キャップに相当する導入部材を使用し、水晶振動子に対して活性を低減させた気体分子を直接に導入するように構成することもできる。
本実施形態に係る水晶摩擦真空計によれば、例えばスパッタ装置、プラズマCVD装置、ドライエッチング装置、アッシャ装置等のように真空計が反応性ガスや化学的に活性なラジカルにされる真空雰囲気で、特性劣化や寿命の悪化などの心配がない、安定した測定を行うことができる。
上記の実施形態では、水晶摩擦真空計への適用例として説明したが、本発明は水晶振動子を利用して構成されたその他の計測装置、例えば、温度計や時計、膜厚計等、さらには電離真空計との複合ゲージなどにも適用することができるのは勿論である。
以上の実施形態で説明された構成、形状、大きさおよび配置関係については本発明が理解・実施できる程度に概略的に示したものにすぎず、また数値および各構成の組成(材質)については例示にすぎない。従って本発明は、説明された実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に示される技術的思想の範囲を逸脱しない限り様々な形態に変更することができる。
本発明は、半導体製造装置等の成膜や処理のチャンバ等内の圧力測定、またはハロゲンガスを含むガスや酸素等のガスを導入しプラズマを生成する反応容器内の圧力測定、さらに電離真空計の複合ゲージ、あるいは圧力測定方法して利用される。
11 被測定真空容器
12 内部空間
14 真空計取付け部
15 真空計容器
16 ハーメチックシール部
17 リードピン
18 水晶振動子
19 絶縁ガラス
20 保護ケース
21 リード線
22 ケーブル
23 制御回路
24 保護キャップ

Claims (1)

  1. 水晶摩擦真空計を用いた、活性を有する気体分子を含有する空間の圧力測定方法であって、
    水晶振動子と、
    Au膜からなる電極膜とCr膜からなる下地膜の二層構造を有し、前記水晶振動子の表面に配置された電極と、
    内側に前記水晶振動子を収容し、一端部側に開口部を有するとともに他端部側が封止された管状の保護ケースと、
    前記保護ケースの外径寸法よりも大きな内径寸法を有し、前記開口部および外壁との間に隙間を有した状態で被せられた有底円筒状の保護キャップとを備えた水晶摩擦真空計を用い、
    前記活性を有する気体分子は、前記隙間を通って前記開口部に導かれることを特徴とする圧力測定方法。
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CN107078031A (zh) * 2014-07-28 2017-08-18 佳能安内华股份有限公司 成膜方法、真空处理装置、半导体发光元件的制造方法、半导体发光元件、半导体电子元件的制造方法、半导体电子元件、照明装置

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