JP2009216220A - ユニバーサルジョイント - Google Patents
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Abstract
【課題】スパイダなどの構成要素が破損して駆動側ヨークと従動側ヨークとが分離しても、駆動側ヨークと従動側ヨークとを係合させ、回転軸の脱落を防止するとともに駆動側の動力を従動側に伝達させることができるユニバーサルジョイントを提供すること。
【解決手段】プロペラシャフト3に連結される第1ヨーク11と、プロペラシャフト5に連結される第2ヨーク12と、第1ヨーク11に回転自在に支持された第1短軸13および第2ヨーク12に回転自在に支持された第2短軸14が十字に交差するよう一体化されたスパイダ15とを備え、第1ヨーク11の基端部11aと結合した一方端部と、第2ヨーク12の基端部12aと結合した他方端部とを有するワイヤ25と、第1ヨーク11の基端部11aと結合した一方端部と、第2ヨーク12の基端部12aと結合した他方端部とを有するワイヤ26とを備えたことを特徴とする。
【選択図】図2
【解決手段】プロペラシャフト3に連結される第1ヨーク11と、プロペラシャフト5に連結される第2ヨーク12と、第1ヨーク11に回転自在に支持された第1短軸13および第2ヨーク12に回転自在に支持された第2短軸14が十字に交差するよう一体化されたスパイダ15とを備え、第1ヨーク11の基端部11aと結合した一方端部と、第2ヨーク12の基端部12aと結合した他方端部とを有するワイヤ25と、第1ヨーク11の基端部11aと結合した一方端部と、第2ヨーク12の基端部12aと結合した他方端部とを有するワイヤ26とを備えたことを特徴とする。
【選択図】図2
Description
本発明は、一方の回転軸と他方の回転軸を回転伝動および軸交差可能に連結するユニバーサルジョイント、特に十字継手部材を有するユニバーサルジョイントに関する。
従来のこの種のユニバーサルジョイントとしては、例えばエンジンからの駆動力を車両の駆動輪側に伝達するために、トランスミッションの出力部に車両前後方向に延びるプロペラシャフトの一端側を連絡するカルダンジョイントが知られている。
このユニバーサルジョイントは、トランスミッションの出力軸に連結される基端部および二股の先端部を有する第1ヨークと、プロペラシャフト側の第2の回転軸に連結される基端部および二股の先端部を有する第2ヨークと、第1ヨークの先端部にニードルベアリングを介して回転自在に結合する第1短軸および第2ヨークの先端部にニードルベアリングを介して回転自在に結合する第2短軸が十字に交差するよう一体化された十字継手部材、いわゆるスパイダとを備えている。
このようなユニバーサルジョイントにおいては、大きな衝撃が作用してスパイダなどが破損した場合、プロペラシャフトの脱落を阻止する部材が設けられていないため、プロペラシャフトが車体側から脱落するのを防止する脱落防止構造が必要となる。
このような従来の脱落防止構造として、例えば、ステンレスワイヤなどの可撓性部材の一端を車体の底板に取付金具を介して固定し、他端をプロペラシャフトの近傍に配置された排気管などの静止部材に溶接して、可撓性部材でプロペラシャフトを軸回りに囲みプロペラシャフトが車体側から脱落するのを防止するようにしたものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
このような従来の脱落防止構造として、例えば、ステンレスワイヤなどの可撓性部材の一端を車体の底板に取付金具を介して固定し、他端をプロペラシャフトの近傍に配置された排気管などの静止部材に溶接して、可撓性部材でプロペラシャフトを軸回りに囲みプロペラシャフトが車体側から脱落するのを防止するようにしたものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
また、従来の脱落防止構造として、可撓性を有するプロペラシャフトを軸回りに囲むワイヤと、ワイヤの両端に固定された取付部とを含んで構成され、ユニバーサルジョイントなどのプロペラシャフトの構成部品が破損してもプロペラシャフトが車体側から脱落するのを防止したものが知られている(例えば、特許文献2参照)。
また、従来の脱落防止構造として、略U字状に形成されたガード本体と、ガード本体の内側部に形成され、プロペラシャフトの外形よりも小さい連通部を有するプロテクタとを含んで構成され、連通部によりガード本体の内側を上部側と底部側の空間に分け、底部側の空間にプロペラシャフトを挿通させるようにしたものが知られている(例えば、特許文献3参照)。この脱落防止構造においては、プロペラシャフトの振れ回りをプロテクタの底部側の空間の範囲内に留めるようにして、他方の空間に位置する配管や配線および車体に対する衝撃をプロテクタで阻止するようにしている。
特開2004−42774号公報
特開平10−329559号公報
特開平6−80033号公報
しかしながら、特許文献1ないし3に記載の従来の脱落防止構造においては、ユニバーサルジョイントのスパイダなどの構成要素が破損した場合には、可撓性部材、ワイヤおよびプロテクタなどの脱落防止部材によりプロペラシャフトの振れ回りや脱落が防止されるものの、構成要素の破損により、第1ヨークと第2ヨークとが分離してしまう。その結果、第1ヨークと第2ヨークとが係合する位置関係を保持することができず、駆動側の回転軸の動力を従動側のプロペラシャフトに伝達することが不能となってしまうという問題があった。
本発明は、前述のような従来の諸問題を解決し、以下の目的を達成することを課題とする。すなわち、本発明は、スパイダなどの構成要素が破損して駆動側ヨークと従動側ヨークとが分離しても、駆動側ヨークと従動側ヨークとを係合させ、回転軸の脱落を防止するとともに駆動側の動力を従動側に伝達させることができるユニバーサルジョイントを提供することを目的とする。
本発明に係るユニバーサルジョイントは、上記目的達成のため、(1)第1の回転軸に連結される第1ヨークと、第2の回転軸に連結される第2ヨークと、前記第1ヨークに回転自在に支持された第1短軸および前記第2ヨークに回転自在に支持された第2短軸が十字に交差するよう一体化された十字継手部材とを備えたユニバーサルジョイントにおいて、前記第1ヨークと結合した一方端部と、前記第2ヨークと結合した他方端部とを有する可撓性部材を少なくとも2個備えたことを特徴とする。
この構成により、ユニバーサルジョイントが破損して第1ヨークと第2ヨークとが分離した場合でも、第1ヨークおよび第2ヨークは、可撓性部材の一方端部と他方端部とで連結されているので、第1の回転軸および第2の回転軸の車体からの脱落が防止される。
また、可撓性部材によって、第1ヨークおよび第2ヨークの可動範囲が制限され、ユニバーサルジョイントの周辺に配置された部品との干渉が防止される。少なくとも2個の可撓性部材を備えているので、第1ヨークおよび第2ヨークが回転すると可撓性部材の中間部分に捩じれ部が生じ、速やかに、第1ヨークおよび第2ヨークが係合し、ユニバーサルジョイントの動力伝達機能が復帰する。また、第1ヨークおよび第2ヨークを可撓性部材で連結するという簡単な構造で、ユニバーサルジョイントの破損時における動力伝達が確保される。
この構成により、ユニバーサルジョイントが破損して第1ヨークと第2ヨークとが分離した場合でも、第1ヨークおよび第2ヨークは、可撓性部材の一方端部と他方端部とで連結されているので、第1の回転軸および第2の回転軸の車体からの脱落が防止される。
また、可撓性部材によって、第1ヨークおよび第2ヨークの可動範囲が制限され、ユニバーサルジョイントの周辺に配置された部品との干渉が防止される。少なくとも2個の可撓性部材を備えているので、第1ヨークおよび第2ヨークが回転すると可撓性部材の中間部分に捩じれ部が生じ、速やかに、第1ヨークおよび第2ヨークが係合し、ユニバーサルジョイントの動力伝達機能が復帰する。また、第1ヨークおよび第2ヨークを可撓性部材で連結するという簡単な構造で、ユニバーサルジョイントの破損時における動力伝達が確保される。
上記(1)に記載のユニバーサルジョイントにおいて、(2)前記第1ヨークが第1の回転軸に連結される基端部および二股の先端部を有し、前記第2ヨークが第2の回転軸に連結される基端部および二股の先端部を有し、前記可撓性部材の前記一方端部が前記第1ヨークの前記基端部に結合するとともに、前記可撓性部材の前記他方端部が前記第2ヨークの前記基端部に結合するよう構成する。
この構成により、ユニバーサルジョイントが破損して第1ヨークと第2ヨークとが分離し、第1ヨークおよび第2ヨークが回転した際、速やかに可撓性部材の中間部分に捩じれ部が生じ、速やかに第1ヨークおよび第2ヨークが係合し、ユニバーサルジョイントの動力伝達機能が復帰する。第1ヨークの基端部および第2ヨークの基端部を可撓性部材で連結するという簡単な構造で、ユニバーサルジョイントの破損時における動力伝達を確保することができる。
この構成により、ユニバーサルジョイントが破損して第1ヨークと第2ヨークとが分離し、第1ヨークおよび第2ヨークが回転した際、速やかに可撓性部材の中間部分に捩じれ部が生じ、速やかに第1ヨークおよび第2ヨークが係合し、ユニバーサルジョイントの動力伝達機能が復帰する。第1ヨークの基端部および第2ヨークの基端部を可撓性部材で連結するという簡単な構造で、ユニバーサルジョイントの破損時における動力伝達を確保することができる。
上記(1)に記載のユニバーサルジョイントにおいて、(3)前記可撓性部材の前記一方端部が前記第1ヨークの前記先端部に結合するとともに、前記可撓性部材の前記他方端部が前記第2ヨークの前記先端部に結合するよう構成する。
この構成により、ユニバーサルジョイントが破損して第1ヨークと第2ヨークとが分離し、第1ヨークおよび第2ヨークが回転した際、速やかに可撓性部材の中間部分に捩じれ部が生じ、速やかに第1ヨークおよび第2ヨークが係合し、ユニバーサルジョイントの動力伝達機能が復帰する。第1ヨークの基端部および第2ヨークの基端部を可撓性部材で連結するという簡単な構造で、ユニバーサルジョイントの破損時における動力伝達を確保することができる。
この構成により、ユニバーサルジョイントが破損して第1ヨークと第2ヨークとが分離し、第1ヨークおよび第2ヨークが回転した際、速やかに可撓性部材の中間部分に捩じれ部が生じ、速やかに第1ヨークおよび第2ヨークが係合し、ユニバーサルジョイントの動力伝達機能が復帰する。第1ヨークの基端部および第2ヨークの基端部を可撓性部材で連結するという簡単な構造で、ユニバーサルジョイントの破損時における動力伝達を確保することができる。
上記(1)に記載のユニバーサルジョイントにおいて、(4)前記可撓性部材の前記一方端部が前記第1ヨークの前記基端部に結合するとともに、前記ワイヤの前記他方端部が前記第2ヨークの前記先端部に結合するよう構成する。
この構成により、ユニバーサルジョイントが破損して第1ヨークと第2ヨークとが分離し、第1ヨークおよび第2ヨークが回転した際、速やかに可撓性部材の中間部分に捩じれ部が生じ、速やかに第1ヨークおよび第2ヨークが係合し、ユニバーサルジョイントの動力伝達機能が復帰する。第1ヨークの基端部および第2ヨークの基端部を可撓性部材で連結するという簡単な構造で、ユニバーサルジョイントの破損時における動力伝達を確保することができる。
この構成により、ユニバーサルジョイントが破損して第1ヨークと第2ヨークとが分離し、第1ヨークおよび第2ヨークが回転した際、速やかに可撓性部材の中間部分に捩じれ部が生じ、速やかに第1ヨークおよび第2ヨークが係合し、ユニバーサルジョイントの動力伝達機能が復帰する。第1ヨークの基端部および第2ヨークの基端部を可撓性部材で連結するという簡単な構造で、ユニバーサルジョイントの破損時における動力伝達を確保することができる。
本発明に係るユニバーサルジョイントは、上記目的達成のため、(5)第1の回転軸に連結される第1ヨークと、第2の回転軸に連結される第2ヨークと、前記第1ヨークに回転自在に支持された第1短軸および前記第2ヨークに回転自在に支持された第2短軸が十字に交差するよう一体化された十字継手部材とを備えたユニバーサルジョイントにおいて、前記第1の回転軸と結合した一方端部と、前記第2ヨークと結合した他方端部とを有する可撓性部材を少なくとも2個備えたことを特徴とする。
この構成により、ユニバーサルジョイントが破損して第1ヨークから第2ヨークが分離した場合でも、第2ヨークは、第1の回転軸に可撓性部材の一方端部と他方端部とで連結されているので、第2ヨークと連結した第2の回転軸の車体からの脱落が防止される。
また、可撓性部材によって、第2ヨークの可動範囲が制限され、ユニバーサルジョイントの周辺に配置された部品との干渉が防止される。少なくとも2個の可撓性部材を備えているので、第1の回転軸および第2ヨークが回転すると可撓性部材の中間部分に捩じれ部が生じ、速やかに、第1ヨークおよび第2ヨークが係合し、ユニバーサルジョイントの動力伝達機能が復帰する。また、第1の回転軸および第2ヨークを可撓性部材で連結するという簡単な構造で、ユニバーサルジョイントの破損時における動力伝達が確保される。
この構成により、ユニバーサルジョイントが破損して第1ヨークから第2ヨークが分離した場合でも、第2ヨークは、第1の回転軸に可撓性部材の一方端部と他方端部とで連結されているので、第2ヨークと連結した第2の回転軸の車体からの脱落が防止される。
また、可撓性部材によって、第2ヨークの可動範囲が制限され、ユニバーサルジョイントの周辺に配置された部品との干渉が防止される。少なくとも2個の可撓性部材を備えているので、第1の回転軸および第2ヨークが回転すると可撓性部材の中間部分に捩じれ部が生じ、速やかに、第1ヨークおよび第2ヨークが係合し、ユニバーサルジョイントの動力伝達機能が復帰する。また、第1の回転軸および第2ヨークを可撓性部材で連結するという簡単な構造で、ユニバーサルジョイントの破損時における動力伝達が確保される。
本発明によれば、スパイダなどの構成要素が破損して駆動側ヨークと従動側ヨークとが分離しても、駆動側ヨークと従動側ヨークとを係合させ、回転軸の脱落を防止するとともに駆動側の動力を従動側に伝達させることができるユニバーサルジョイントを提供することができる。
以下、本発明の好ましい実施の形態について図面を参照して説明する。
(第1の実施の形態)
図1〜図9は本発明の第1の実施の形態に係るユニバーサルジョイントを示す図であり、本発明のユニバーサルジョイントをプロペラシャフトの中間ジョイントに適用した例を示している。まず、その構成について説明する。
図1〜図9は本発明の第1の実施の形態に係るユニバーサルジョイントを示す図であり、本発明のユニバーサルジョイントをプロペラシャフトの中間ジョイントに適用した例を示している。まず、その構成について説明する。
図1は、その第1の実施の形態に係るプロペラシャフト1の側面図であり、図2は、プロペラシャフト1を構成するユニバーサルジョイント10の分解斜視図である。
図1に示すように、プロペラシャフト1は、ジョイント2と、ジョイント2と連結された第1の回転軸としてのプロペラシャフト3と、プロペラシャフト3を回転自在に弾性的に支持するセンターベアリング4と、プロペラシャフト3に連結されたユニバーサルジョイント10と、ユニバーサルジョイント10に連結されたプロペラシャフト5と、プロペラシャフト5に連結されたジョイント6とを含んで構成されている。このようなプロペラシャフト1の全体構成自体は、従来のプロペラシャフトとほぼ同様であるので、ここでは本実施の形態のユニバーサルジョイント10についてのみ詳述する。
図1に示すように、プロペラシャフト1は、ジョイント2と、ジョイント2と連結された第1の回転軸としてのプロペラシャフト3と、プロペラシャフト3を回転自在に弾性的に支持するセンターベアリング4と、プロペラシャフト3に連結されたユニバーサルジョイント10と、ユニバーサルジョイント10に連結されたプロペラシャフト5と、プロペラシャフト5に連結されたジョイント6とを含んで構成されている。このようなプロペラシャフト1の全体構成自体は、従来のプロペラシャフトとほぼ同様であるので、ここでは本実施の形態のユニバーサルジョイント10についてのみ詳述する。
図2に示すように、ユニバーサルジョイント10は、第1ヨーク11と、第2ヨーク12と、十字継手部材としてのスパイダ15と、ニードルベアリング16、17、18、19と、カップ21、22、23、24と、可撓性部材としてのワイヤ25、26とを含んで構成されている。
第1ヨーク11は、基端部11aと、この基端部11aから突出し互いに平行で対向するよう配置され基端部11aと一体的に形成された二股の先端部11b、11cとで構成されている。この基端部11aには、貫通孔11dが4箇所に形成されている。
この貫通孔11dには、図示しないボルトが挿入され、第1ヨーク11とプロペラシャフト3とが図示しないナットにより固定されており、エンジン側の動力が第1ヨーク11に伝達されるようになっている。また、この基端部11aの中央部には、係合部11eが形成されており、第1ヨーク11とプロペラシャフト3とが連結される際に、プロペラシャフト3の端部が係合部11eと係合するようになっている。また、先端部11b、11cには、貫通孔11f、11gがそれぞれの軸線が互いに一致するよう形成されており、この貫通孔11f、11gには、カップ21、22がそれぞれ挿入されるようになっている。
この貫通孔11dには、図示しないボルトが挿入され、第1ヨーク11とプロペラシャフト3とが図示しないナットにより固定されており、エンジン側の動力が第1ヨーク11に伝達されるようになっている。また、この基端部11aの中央部には、係合部11eが形成されており、第1ヨーク11とプロペラシャフト3とが連結される際に、プロペラシャフト3の端部が係合部11eと係合するようになっている。また、先端部11b、11cには、貫通孔11f、11gがそれぞれの軸線が互いに一致するよう形成されており、この貫通孔11f、11gには、カップ21、22がそれぞれ挿入されるようになっている。
第2ヨーク12は、基端部12aと、この基端部12aから突出し互いに平行で対向するよう配置され基端部12aと一体的に形成された二股の先端部12b、12cとで構成されている。先端部12b、12cには、それぞれ貫通孔12d、12eが、その軸線が互いに一致するよう形成されており、この貫通孔12d、12eには、カップ23、24がそれぞれ挿入されるようになっている。また、この基端部12aには、プロペラシャフト5の端部が連結されており、第2ヨーク12に伝達された動力がプロペラシャフト5に伝達されるようになっている。
スパイダ15は、円柱状の第1短軸13と、第1短軸13に十字に交差するよう一体化された円柱状の第2短軸14とを含んで構成されている。第1短軸13の一端部13cはカップ21にニードルベアリング16を介して回転自在に支持されるようになっており、その他端部13dはカップ22にニードルベアリング17を介して回転自在に支持されるようになっている。また、第2短軸14の一端部14cはカップ23にニードルベアリング18を介して回転自在に支持されるようになっており、その他端部14dはカップ24にニードルベアリング19を介して回転自在に支持されるようになっている。
図3は、ワイヤ15の側面図であり、(a)ないし(d)は、一方端部25aおよび他方端部25bに取付金具25cないし25fのいずれかを装着した状態を示す。また、図4は、ユニバーサルジョイント10が破損した状態の第1ヨーク11および第2ヨーク12の径方向の可動範囲を示す説明図であり、図5は、第1の実施の形態に係るユニバーサルジョイント10の側面図であり、図6は、ユニバーサルジョイント10の平面図であり、図7は、図6のA−A断面を示す断面図である。
図3(a)に示すように、ワイヤ25は、第1ヨーク11の基端部11aに結合する一方端部25aと、第2ヨーク12の基端部12aに結合する他方端部25bとを含んで構成されている。一方端部25aには、ワイヤをかしめて固定する取付金具25cが設けられており、この取付金具25cが第1ヨーク11の基端部11aに結合するようになっている。他方端部25bにも一方端部25aと同様に取付金具25cが設けられており、この取付金具25cが第2ヨーク12の基端部12aに結合するようになっている。
この取付金具25cは、図3(a)に示す形状以外の他の形状であってもよく、例えば、図3(b)に示すように、取付用の貫通孔を有する半円形の固定板で形成してもよく、図3(c)に示すように、ワイヤをループ状にして固定したループ金具で形成してもよく、図3(d)に示すように、取付用の貫通孔を有し直角に屈曲した屈曲部を有する固定板で形成してもよい。この取付金具25cは、一方端部25aに設けられたものと他方端部25bに設けられたものとが同一の形状のものでもよく、異なった形状のものでもよい。
また、一方端部25aを基端部11aに結合させる結合手段は、取付金具による固定手段以外の他の手段であってもよく、例えば、基端部11aに圧入のための穴を形成し、この穴に一方端部25aを圧入して結合させる圧入手段でもよく、一方端部25aに装着した取付金具を基端部11aに直接溶接する溶接手段であってもよい。ワイヤ26においても、ワイヤ25の構成と同様に構成されている。
また、一方端部25aを基端部11aに結合させる結合手段は、取付金具による固定手段以外の他の手段であってもよく、例えば、基端部11aに圧入のための穴を形成し、この穴に一方端部25aを圧入して結合させる圧入手段でもよく、一方端部25aに装着した取付金具を基端部11aに直接溶接する溶接手段であってもよい。ワイヤ26においても、ワイヤ25の構成と同様に構成されている。
ワイヤ25、26の全長L(mm)、直径d(mm)および破断荷重(N)などの機械的強度に関する事項は、ユニバーサルジョイント10の形状、構造、大きさなどの設定条件および、ユニバーサルジョイント10の配置箇所における他の部材との干渉関係などの諸条件により適宜選択される。
図4に示すように、スパイダ15が破損し、第1ヨーク11および第2ヨーク12がワイヤ25、26により径方向の可動範囲が制限された状態において、その可動範囲が第1ヨーク11の回転中心Pを中心とする半径rで描かれる一点鎖線Kの範囲内になるようワイヤ25、26の全長L最大値が決定される。すなわち、一点鎖線Kの範囲は、ユニバーサルジョイント10以外の構成部品が配置されていない範囲であり、第1ヨーク11および第2ヨーク12が回転しても他の構成部品と干渉しない範囲である。
他方、ワイヤ25、26の全長Lの最小値は、ユニバーサルジョイント10が正常な状態において、設定された第1ヨーク11および第2ヨーク12の揺動範囲を妨げない値で決定される。また、ワイヤ25、26は、径方向におけるいずれの方向であっても同様に柔軟に撓む可撓性を有するとともに、繰り返し荷重に対して高い機械的強度を有する材料で形成されている。例えば、ワイヤ25、26は、複数の素線を撚り合わせて形成された数mmの直径を有するステンレスワイヤで構成されている。
図5および図6に示すように、ワイヤ25の一方端部25aは、第1ヨーク11の基端部11aにおける先端部11bの近傍であって、図7に示す上面部11hの近傍に結合されている。ワイヤ25の他方端部25bは、第2ヨーク12の基端部12aにおける先端部11bに対向する側に結合されている。
ワイヤ26の一方端部26aは、第1ヨーク11の基端部11aにおける先端部11cの近傍であって、図7に示す底面部11iの近傍に結合されている。ワイヤ26の他方端部26bは、第2ヨーク12の基端部12aにおける先端部11cに対向する側に結合されている。
ワイヤ26の一方端部26aは、第1ヨーク11の基端部11aにおける先端部11cの近傍であって、図7に示す底面部11iの近傍に結合されている。ワイヤ26の他方端部26bは、第2ヨーク12の基端部12aにおける先端部11cに対向する側に結合されている。
ワイヤ25の一方端部25aの結合部分とワイヤ26の一方端部26aの結合部分とは、できるだけ離隔していることが好ましく、ワイヤ25の他方端部25bの結合部分とワイヤ26の他方端部26bの結合部分とは、できるだけ離隔していることが好ましい。
各結合部分が離隔していると、ユニバーサルジョイント10のスパイダ15が破損して脱落したとき、第1ヨーク11と第2ヨーク12とが相対回転しワイヤ25とワイヤ26とが捩れる際に、少ない捩れ回数で第1ヨーク11と第2ヨーク12とを近接させ、互いに係合させて動力を第1ヨーク11から第2ヨーク12に伝達させることができる。
各結合部分が離隔していると、ユニバーサルジョイント10のスパイダ15が破損して脱落したとき、第1ヨーク11と第2ヨーク12とが相対回転しワイヤ25とワイヤ26とが捩れる際に、少ない捩れ回数で第1ヨーク11と第2ヨーク12とを近接させ、互いに係合させて動力を第1ヨーク11から第2ヨーク12に伝達させることができる。
以下、本発明の第1の実施の形態に係るプロペラシャフト1およびユニバーサルジョイント10の動作について説明する。
図8は、第1の実施の形態に係るユニバーサルジョイント10を組み込んだプロペラシャフト1の側面図であり、(a)は、スパイダ15が正常に機能し、第1ヨーク11の動力が第2ヨーク12に伝達される状態を示し、(b)は、スパイダ15が脱落して第1ヨーク11と第2ヨーク12とがワイヤ25およびワイヤ26により可動範囲が制限されている状態を示す。また、図9は、ユニバーサルジョイント10のスパイダ15が脱落した状態を示し、(a)は、ワイヤ25およびワイヤ26が捩じれる前の状態を示し、(b)は、ワイヤ25およびワイヤ26が捩じられて、第1ヨーク11と第2ヨーク12とが近づいた状態を示す。図10は、ワイヤ25およびワイヤ26が捩じられて、第1ヨーク11と第2ヨーク12とが係合し、第1ヨーク11の動力が第2ヨーク12に伝達される状態を示す。
図8(a)に示すように、ユニバーサルジョイント10が正常に機能している場合には、エンジンの出力軸から伝達された動力がプロペラシャフト3から第1ヨーク11に伝達されると、第1ヨーク11が回転し、スパイダ15を介して第2ヨーク12に伝達され、第2ヨーク12が回転する。その結果、第1ヨーク11の動力は、第2ヨーク12に固定されているプロペラシャフト5に伝達される。この場合、ワイヤ25およびワイヤ26は、第1ヨーク11および第2ヨーク12とともに回転するので、第1ヨーク11から第2ヨーク12への動力伝達機能に影響することはない。また、ワイヤ25およびワイヤ26は、第1ヨーク11および第2ヨーク12の重量よりも著しく小さい重量を有しているので、ユニバーサルジョイント10の回転の抵抗となることはなく、ワイヤ25およびワイヤ26の重量は無視することができる範囲である。
他方、図8(b)および図9(a)に示すように、ユニバーサルジョイント10が破損した場合、例えば、スパイダ15が破損して第1ヨーク11と第2ヨーク12とが分離した場合、第1ヨーク11および第2ヨーク12は、ワイヤ25およびワイヤ26で繋がれているので、第1ヨーク11に連結されたプロペラシャフト3および第2ヨーク12に連結されたプロペラシャフト5は、車体から脱落することはない。また、ワイヤ25およびワイヤ26で制限された範囲内で、プロペラシャフト1が回転するので、ユニバーサルジョイント10の周辺に配置された部品と干渉することはない。
この状態で、第1ヨーク11および第2ヨーク12の少なくともいずれかが回転し続けた場合、第1ヨーク11が、図9(b)に示す矢印D1の回転方向に回転するとともに、第2ヨーク12が矢印D1と異なる矢印D2の回転方向に回転するとき、ワイヤ25およびワイヤ26が捩られ、ワイヤ25およびワイヤ26の中間部分に捩じれ部Nが生ずる。また、第1ヨーク11または第2ヨーク12の回転方向が同じ方向であっても、それぞれの回転速度が異なる場合には、回転方向が異なる方向の場合と同様にワイヤ25およびワイヤ26の中間部分に捩じれ部Nが生ずる。
さらに、第1ヨーク11および第2ヨーク12の少なくともいずれかが回転し続けた場合、図10に示すように、ワイヤ25およびワイヤ26の捩じれ部Nが増大するとともに、第1ヨーク11および第2ヨーク12が接近して、第1ヨーク11の先端部11bと第2ヨーク12の先端部12bとが係合し、第1ヨーク11と第2ヨーク12とが一緒に回転する。その結果、第1ヨーク11に伝達された動力が第2ヨーク12に伝達され、ユニバーサルジョイント10の動力伝達機能が復帰する。
このように、本実施の形態のユニバーサルジョイント10においては、プロペラシャフト3に連結される第1ヨーク11と、プロペラシャフト5に連結される第2ヨーク12と、第1ヨーク11に回転自在に支持された第1短軸13および第2ヨーク12に回転自在に支持された第2短軸14が十字に交差するよう一体化されたスパイダ15とを備え、第1ヨーク11の基端部11aと結合した一方端部25aと、第2ヨーク12の基端部12aと結合した他方端部25bとを有するワイヤ25と、第1ヨーク11の基端部11aと結合した一方端部26aと、第2ヨーク12の基端部12aと結合した他方端部26bとを有するワイヤ26とを備えているので、以下のような効果が得られる。
すなわち、ユニバーサルジョイント10が破損して第1ヨーク11と第2ヨーク12とが分離した場合、第1ヨーク11および第2ヨーク12は、ワイヤ25およびワイヤ26で繋がれているので、プロペラシャフト1は、車体から脱落することはない。また、ワイヤ25およびワイヤ26によって、第1ヨーク11および第2ヨーク12の可動範囲が制限されているので、ユニバーサルジョイント10の周辺に配置された部品と干渉することはない。第1ヨーク11および第2ヨーク12の異なった方向の回転または回転速度差によりワイヤ25およびワイヤ26の中間部分に捩じれ部Nが生ずるので、ユニバーサルジョイント10の破損による第1ヨーク11および第2ヨーク12の分離後、速やかに、第1ヨーク11および第2ヨーク12が係合し、ユニバーサルジョイント10の動力伝達機能を復帰させることができる。また、第1ヨーク11および第2ヨーク12をワイヤ25およびワイヤ26で連結するという簡単な構造で、ユニバーサルジョイント10の破損時における動力伝達を確保することができる。
次に、本実施の形態のユニバーサルジョイント10の変形例について説明する。
図11(a)、(b)、(c)ないし図15(a)、(b)、(c)は、ワイヤの一方端部をユニバーサルジョイント10の第1ヨーク11の基端部11aおよび先端部11b、11cのいずれかに連結し、ワイヤの他方端部をユニバーサルジョイント10の第2ヨーク12の基端部12aおよび先端部12b、12cのいずれかに連結した例を示している。
図11(a)、(b)、(c)ないし図15(a)、(b)、(c)は、ワイヤの一方端部をユニバーサルジョイント10の第1ヨーク11の基端部11aおよび先端部11b、11cのいずれかに連結し、ワイヤの他方端部をユニバーサルジョイント10の第2ヨーク12の基端部12aおよび先端部12b、12cのいずれかに連結した例を示している。
本実施の形態のユニバーサルジョイント10においては、ワイヤ25の一方端部25aおよびワイヤ26の一方端部26aを第1ヨーク11の基端部11aに連結し、ワイヤ25の他方端部25bおよびワイヤ26の他方端部26bを第2ヨーク12の基端部12aに連結した場合について説明したが、本発明のユニバーサルジョイントにおいては、ワイヤの一方端部および他方端部を第1ヨーク11および第2ヨーク12の他の部分に連結するようにしてもよい。また、ワイヤを2個より多い個数で構成してもよい。
例えば、図11(a)、(b)、(c)に示すように、ワイヤ31、32、33、34の4個のワイヤで構成してもよい。この場合、ワイヤ31の一方端部31aは、第1ヨーク11の基端部11aの上面部11hにおいて先端部11b側に連結され、他方端部31bは、第2ヨーク12の基端部12aの先端部12b側に連結されている。また、ワイヤ32の一方端部32aは、第1ヨーク11の基端部11aの上面部11hにおいて先端部11c側に連結され、他方端部32bは、第2ヨーク12の基端部12aの先端部12c側に連結されている。また、ワイヤ33の一方端部33aは、第1ヨーク11の基端部11aの底面部11iにおいて先端部11b側に連結され、他方端部33bは、第2ヨーク12の基端部12aの先端部12b側に連結されている。さらに、ワイヤ34の一方端部34aは、第1ヨーク11の基端部11aの底面部11iにおいて先端部11c側に連結され、他方端部34bは、第2ヨーク12の基端部12aの先端部12c側に連結されている。
このように、ワイヤ31、32、33、34の4個のワイヤで構成されているので、スパイダ15などの構成要素が破損して第1ヨーク11と第2ヨーク12とが分離しても、第1ヨーク11および第2ヨーク12の回転速度差によりワイヤ31、32、33、34の各中間部分に速やかに捩じれ部が生じ、第1ヨーク11と第2ヨーク12とを係合させ、プロペラシャフトの脱落を防止するとともに駆動側の動力を従動側に伝達させることができる。
また、図12(a)、(b)、(c)に示すように、ワイヤ35、36、37、38の4個のワイヤで構成してもよい。この場合、ワイヤ35の一方端部35aは、第1ヨーク11の先端部11cの外側面部において上面部11h側に連結され、他方端部35bは、第2ヨーク12の先端部12bの側面部に連結されている。また、ワイヤ36の一方端部36aは、第1ヨーク11の先端部11cの外側面部において底面部11i側に連結され、他方端部36bは、第2ヨーク12の先端部12cの側面部に連結されている。また、ワイヤ37の一方端部37aは、第1ヨーク11の先端部11bの外側面部において上面部11h側に連結され、他方端部37bは、第2ヨーク12の先端部12cの側面部に連結されている。さらに、ワイヤ38の一方端部38aは、第1ヨーク11の先端部11bの外側面部において底面部11i側に連結され、他方端部38bは、第2ヨーク12の先端部12c側面部に連結されている。
このように、ワイヤ35、36、37、38の4個のワイヤで構成されているので、スパイダ15などの構成要素が破損して第1ヨーク11と第2ヨーク12とが分離しても、第1ヨーク11および第2ヨーク12の回転速度差によりワイヤ35、36、37、38の各中間部分に速やかに捩じれ部が生じ、第1ヨーク11と第2ヨーク12とを係合させ、プロペラシャフトの脱落を防止するとともに駆動側の動力を従動側に伝達させることができる。
また、図13(a)、(b)、(c)に示すように、ワイヤ41、42の2個のワイヤで構成してもよい。この場合、ワイヤ41の一方端部41aは、第1ヨーク11の先端部11bの外側面部の中央部に連結され、他方端部41bは、第2ヨーク12の基端部12aの先端部11b側に連結されている。また、ワイヤ42の一方端部42aは、第1ヨーク11の先端部11cの外側面部の中央部に連結され、他方端部42bは、第2ヨーク12の基端部12aの先端部11c側に連結されている。
このように、ワイヤ41、42の2個のワイヤで構成されているので、スパイダ15などの構成要素が破損して第1ヨーク11と第2ヨーク12とが分離しても、第1ヨーク11および第2ヨーク12の回転速度差によりワイヤ41、42の中間部分に速やかに捩じれ部が生じ、第1ヨーク11と第2ヨーク12とを係合させ、簡単な構造でプロペラシャフトの脱落を防止するとともに駆動側の動力を従動側に伝達させることができる。
また、図14(a)、(b)、(c)に示すように、ワイヤ43、44の2個のワイヤで構成してもよい。この場合、ワイヤ43の一方端部43aは、第1ヨーク11の基端部11aの上面部11hの中央部に連結され、他方端部43bは、第2ヨーク12の先端部12bの外側面部の中央部に連結されている。また、ワイヤ44の一方端部44aは、第1ヨーク11の底面部11iの中央部に連結され、他方端部44bは、第2ヨーク12の先端部12cの中央部に連結されている。このように、ワイヤ43、44の2個のワイヤで構成されているので、スパイダ15などの構成要素が破損して第1ヨーク11と第2ヨーク12とが分離しても、第1ヨーク11および第2ヨーク12の回転速度差によりワイヤ41、42の中間部分に速やかに捩じれ部が生じ、第1ヨーク11と第2ヨーク12とを係合させ、簡単な構造でプロペラシャフトの脱落を防止するとともに駆動側の動力を従動側に伝達させることができる。
また、図15(a)、(b)、(c)に示すように、ワイヤ45、46、47、48の4個のワイヤで構成してもよい。この場合、ワイヤ45の一方端部45aは、第1ヨーク11の先端部11cの上面部に連結され、他方端部45bは、第2ヨーク12の基端部12aの先端部12c側に連結されている。また、ワイヤ46の一方端部46aは、第1ヨーク11の先端部11cの底面部に連結され、他方端部46bは、第2ヨーク12の基端部12aの先端部12c側に連結されている。また、ワイヤ47の一方端部47aは、第1ヨーク11の先端部11bの上面部に連結され、他方端部47bは、第2ヨーク12の基端部12aの先端部12c側に連結されている。さらに、ワイヤ48の一方端部48aは、第1ヨーク11の先端部11bの底面部に連結され、他方端部48bは、第2ヨーク12の基端部12aの先端部12c側に連結されている。
このように、ワイヤ35、36、37、38の4個のワイヤで構成されているので、スパイダ15などの構成要素が破損して第1ヨーク11と第2ヨーク12とが分離しても、第1ヨーク11および第2ヨーク12の回転速度差によりワイヤ45、46、47、48の各中間部分に速やかに捩じれ部が生じ、第1ヨーク11と第2ヨーク12とを係合させ、プロペラシャフトの脱落を防止するとともに駆動側の動力を従動側に伝達させることができる。
本実施の形態に係るユニバーサルジョイント10においては、可撓性部材としてのワイヤ25、26、31ないし48を、数mmの直径を有するステンレスワイヤで構成した場合について説明したが、本発明に係るユニバーサルジョイントにおいては、他の材質や形状の可撓性部材で構成してもよい。例えば、硬鋼線やピアノ線などのステンレス以外の金属線材でもよく、ポリアミド系などの樹脂材料でもよい。また、単一の材料で構成する単一構造でもよく、複数の材料を接合や撚り合わせなどにより一体化した複合構造でもよい。また、その断面が円形、楕円形、方形などの任意の形状を有していてもよく、例えば、帯状のベルトであってもよい。
(第2の実施の形態)
図16は、本発明の第2の実施の形態に係るプロペラシャフト101の側面図であり、図17は、ユニバーサルジョイント110の斜視図であり、図18は、ユニバーサルジョイント110の側面図であり、図19は、ユニバーサルジョイント110の平面図であり、図20は、図19のG−G断面を示す断面図である。
図16は、本発明の第2の実施の形態に係るプロペラシャフト101の側面図であり、図17は、ユニバーサルジョイント110の斜視図であり、図18は、ユニバーサルジョイント110の側面図であり、図19は、ユニバーサルジョイント110の平面図であり、図20は、図19のG−G断面を示す断面図である。
なお、第2の実施の形態に係るプロペラシャフト101においては、第1の実施の形態におけるジョイント2、プロペラシャフト3およびセンターベアリング4に代えて、トランスミッション102の回転軸103が第1ヨーク11に連結されている。回転軸103は、本発明に係るユニバーサルジョイントが連結される第1の回転軸を構成している。
図16に示すように、プロペラシャフト101は、ユニバーサルジョイント110と、プロペラシャフト5と、ジョイント6とを含んで構成されている。
図16に示すように、プロペラシャフト101は、ユニバーサルジョイント110と、プロペラシャフト5と、ジョイント6とを含んで構成されている。
また、第2の実施の形態に係るユニバーサルジョイント110においては、第1の実施の形態における可撓性部材としてのワイヤの連結部位が異なっているが、他の構成は同様に構成されている。したがって、同一の構成については、図1ないし図15に示した第1の実施の形態と同一の符号を用いて説明し、特に相違点についてのみ詳述する。
図17ないし図20に示すように、第2の実施の形態に係るユニバーサルジョイント110においては、ワイヤ105、106の2個のワイヤを含んで構成されている。
ワイヤ105の一方端部105aは、回転軸103の外周面部103aにおいて、第1ヨーク11の上面部11hの近傍に連結され、他方端部105bは、第2ヨーク12の先端部12bの外側面部の中央部に連結されている。また、ワイヤ106の一方端部106aは、回転軸103の外周面部103aにおいて、第1ヨーク11の底面部11iの近傍に連結され、他方端部106bは、第2ヨーク12の先端部12cの中央部に連結されている。
ワイヤ105の一方端部105aは、回転軸103の外周面部103aにおいて、第1ヨーク11の上面部11hの近傍に連結され、他方端部105bは、第2ヨーク12の先端部12bの外側面部の中央部に連結されている。また、ワイヤ106の一方端部106aは、回転軸103の外周面部103aにおいて、第1ヨーク11の底面部11iの近傍に連結され、他方端部106bは、第2ヨーク12の先端部12cの中央部に連結されている。
このように、ワイヤ43、44の2個のワイヤで構成されているので、スパイダ15などの構成要素が破損して第1ヨーク11と第2ヨーク12とが分離しても、第1ヨーク11および第2ヨーク12の回転速度差によりワイヤ41、42の中間部分に速やかに捩じれ部が生じ、第1ヨーク11と第2ヨーク12とを係合させ、簡単な構造でプロペラシャフトの脱落を防止するとともに駆動側の動力を従動側に伝達させることができる。
以下、本発明の第2の実施の形態に係るプロペラシャフト1およびユニバーサルジョイント10の動作について説明する。
図21は、第2の実施の形態に係るユニバーサルジョイント110を組み込んだプロペラシャフト101の斜視図であり、ワイヤ105およびワイヤ106が捩じられて、第1ヨーク11と第2ヨーク12とが係合し、第1ヨーク11の動力が第2ヨーク12に伝達される状態を示す。
図21は、第2の実施の形態に係るユニバーサルジョイント110を組み込んだプロペラシャフト101の斜視図であり、ワイヤ105およびワイヤ106が捩じられて、第1ヨーク11と第2ヨーク12とが係合し、第1ヨーク11の動力が第2ヨーク12に伝達される状態を示す。
第2の実施の形態に係るユニバーサルジョイント110が破損した場合、例えば、スパイダ15が破損して第1ヨーク11と第2ヨーク12とが分離した場合、第2ヨーク12は、第1ヨーク11に連結された回転軸103にワイヤ105およびワイヤ106で繋がれているので、第2ヨーク12は、車体から脱落することはない。また、ワイヤ105およびワイヤ106で制限された範囲内で、プロペラシャフト5が回転するので、ユニバーサルジョイント110の周辺に配置された部品と干渉することはない。
第1ヨーク11と第2ヨーク12とが分離した状態で、回転軸103および第2ヨーク12の少なくともいずれかが回転し続けた場合、ワイヤ105およびワイヤ106が捩られ、ワイヤ105およびワイヤ106の中間部分に捩じれ部Nが生ずる。また、回転軸103または第2ヨーク12の回転方向が同じ方向であっても、それぞれの回転速度が異なる場合には、回転方向が異なる方向の場合と同様にワイヤ105およびワイヤ106の中間部分に捩じれ部Nが生ずる。
さらに、回転軸103および第2ヨーク12の少なくともいずれかが回転し続けた場合、ワイヤ105およびワイヤ106の捩じれ部Nが増大するとともに、第2ヨーク12が第1ヨーク11に接近して、第1ヨーク11の先端部11bと第2ヨーク12の先端部12bとが係合し、第1ヨーク11と第2ヨーク12とが一緒に回転する。その結果、第1ヨーク11に伝達された動力が第2ヨーク12に伝達され、ユニバーサルジョイント110の動力伝達機能が復帰する。
このように、本実施の形態のユニバーサルジョイント110においては、プロペラシャフト3に連結される第1ヨーク11と、プロペラシャフト5に連結される第2ヨーク12と、第1ヨーク11に回転自在に支持された第1短軸13および第2ヨーク12に回転自在に支持された第2短軸14が十字に交差するよう一体化されたスパイダ15とを備え、回転軸103の外周面部103aと結合した一方端部105aと、第2ヨーク12の先端部12bの中央部と結合した他方端部105bとを有するワイヤ105と、回転軸103の外周面部103aと結合した一方端部106aと、第2ヨーク12の先端部12cの中央部と結合した他方端部106bとを有するワイヤ106とを備えているので、以下のような効果が得られる。
すなわち、ユニバーサルジョイント110が破損して第1ヨーク11と第2ヨーク12とが分離した場合、回転軸103および第2ヨーク12は、ワイヤ105およびワイヤ106で繋がれているので、プロペラシャフト5は、車体から脱落することはない。また、ワイヤ105およびワイヤ106によって、第2ヨーク12の可動範囲が制限されているので、ユニバーサルジョイント110の周辺に配置された部品と干渉することはない。回転軸103および第2ヨーク12の異なった方向の回転または回転速度差によりワイヤ105およびワイヤ106の中間部分に捩じれ部Nが生ずるので、ユニバーサルジョイント110の破損による第1ヨーク11および第2ヨーク12の分離後、速やかに、第1ヨーク11および第2ヨーク12が係合し、ユニバーサルジョイント110の動力伝達機能を復帰させることができる。また、回転軸103および第2ヨーク12をワイヤ105およびワイヤ106で連結するという簡単な構造で、ユニバーサルジョイント110の破損時における動力伝達を確保することができる。
本実施の形態のユニバーサルジョイント110においては、ワイヤ105の一方端部105aを回転軸103の外周面部103aに連結し、他方端部105bを、第2ヨーク12の先端部12bの外側面部の中央部に連結するとともに、ワイヤ106の一方端部106aを回転軸103の外周面部103aに連結し、他方端部106bを、第2ヨーク12の先端部12cの中央部に連結した場合について説明したが、本発明のユニバーサルジョイントにおいては、可撓性部材としてのワイヤの他方端部を本実施の形態の連結部位以外の第2ヨークの部位に連結するようにしてもよい。例えば、第2ヨークの基端部、第2ヨークの先端部の上面部または底面部に連結してもよい。また、ワイヤを2個より多い個数で構成してもよい。
以上説明したように、本発明に係るユニバーサルジョイントは、スパイダなどの構成要素が破損して第1ヨークと第2ヨークとが分離しても、第1ヨークと第2ヨークとを係合させ、プロペラシャフトの脱落を防止するとともに駆動側の動力を従動側に伝達させるユニバーサルジョイントを提供することができるという作用効果を奏する。したがって、本発明に係るユニバーサルジョイントは、自動車の駆動軸、トラクターの駆動軸、搬送装置の駆動軸など、十字継手部材を有する動力伝達装置に広く有用である。
1、101 プロペラシャフト
2、6 ジョイント
3 プロペラシャフト(第1の回転軸)
4 センターベアリング
5 プロペラシャフト(第2の回転軸)
10、110 ユニバーサルジョイント
11 第1ヨーク
11a、12a 基端部
11b、11c、12b、12c 先端部
12 第2ヨーク
13 第1短軸
14 第2短軸
15 スパイダ(十字継手部材)
25、26、31、32、33、34、35、36、37、38、41、42、43、44、45、46、47、48、105、106 ワイヤ(可撓性部材)
25a、31a、32a、33a、34a、35a、36a、37a、38a、41a、42a、43a、44a、45a、46a、47a、48a、105a、106a 一方端部
25b、31b、32b、33b、34b、35b、36b、37b、38b、41b、42b、43b、44b、45b、46b、47b、48b、105b、106b 他方端部
102 トランスミッション
103 回転軸(第1の回転軸)
2、6 ジョイント
3 プロペラシャフト(第1の回転軸)
4 センターベアリング
5 プロペラシャフト(第2の回転軸)
10、110 ユニバーサルジョイント
11 第1ヨーク
11a、12a 基端部
11b、11c、12b、12c 先端部
12 第2ヨーク
13 第1短軸
14 第2短軸
15 スパイダ(十字継手部材)
25、26、31、32、33、34、35、36、37、38、41、42、43、44、45、46、47、48、105、106 ワイヤ(可撓性部材)
25a、31a、32a、33a、34a、35a、36a、37a、38a、41a、42a、43a、44a、45a、46a、47a、48a、105a、106a 一方端部
25b、31b、32b、33b、34b、35b、36b、37b、38b、41b、42b、43b、44b、45b、46b、47b、48b、105b、106b 他方端部
102 トランスミッション
103 回転軸(第1の回転軸)
Claims (5)
- 第1の回転軸に連結される第1ヨークと、
第2の回転軸に連結される第2ヨークと、
前記第1ヨークに回転自在に支持された第1短軸および前記第2ヨークに回転自在に支持された第2短軸が十字に交差するよう一体化された十字継手部材とを備えたユニバーサルジョイントにおいて、
前記第1ヨークと結合した一方端部と、前記第2ヨークと結合した他方端部とを有する可撓性部材を少なくとも2個備えたことを特徴とするユニバーサルジョイント。 - 前記第1ヨークが第1の回転軸に連結される基端部および二股の先端部を有し、
前記第2ヨークが第2の回転軸に連結される基端部および二股の先端部を有し、
前記可撓性部材の前記一方端部が前記第1ヨークの前記基端部に結合するとともに、前記可撓性部材の前記他方端部が前記第2ヨークの前記基端部に結合することを特徴とする請求項1に記載のユニバーサルジョイント。 - 前記可撓性部材の前記一方端部が前記第1ヨークの前記先端部に結合するとともに、前記可撓性部材の前記他方端部が前記第2ヨークの前記先端部に結合することを特徴とする請求項1に記載のユニバーサルジョイント。
- 前記可撓性部材の前記一方端部が前記第1ヨークの前記基端部に結合するとともに、前記ワイヤの前記他方端部が前記第2ヨークの前記先端部に結合することを特徴とする請求項1に記載のユニバーサルジョイント。
- 第1の回転軸に連結される第1ヨークと、
第2の回転軸に連結される第2ヨークと、
前記第1ヨークに回転自在に支持された第1短軸および前記第2ヨークに回転自在に支持された第2短軸が十字に交差するよう一体化された十字継手部材とを備えたユニバーサルジョイントにおいて、
前記第1の回転軸と結合した一方端部と、前記第2ヨークと結合した他方端部とを有する可撓性部材を少なくとも2個備えたことを特徴とするユニバーサルジョイント。
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JP2019090481A (ja) * | 2017-11-15 | 2019-06-13 | 株式会社ジェイテクト | ユニバーサルジョイント |
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2008
- 2008-03-12 JP JP2008062838A patent/JP2009216220A/ja active Pending
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