JP2009214721A - 自動二輪車のスクリーン支持構造 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】車体側に固定され上下に延びる左右のレール61と、ウインドスクリーン側に設けられ左右のレール61に係合する左右のスライダ71とを備え、各スライダ71にはスライダ本体72から左右方向に突出しレール61に係合する突起77を設けると共に、その突起77が嵌合しウインドスクリーンの位置を規制する凹部80が各レール61に車体前後方向に設けられ該凹部80がレール61の長手方向に所定間隔を空けて配置された。
【選択図】図4
Description
この種の規制機構は、例えば、スライダ側方にばね付勢される付勢体を設けると共に、レールの側壁に該付勢体が嵌る穴部を設け、該付勢体が穴部に入った際にばね力でその状態が保持されてウインドスクリーンの位置を規制するように構成されている。
この発明によれば、車体側に固定され上下に延びる左右のレールと、ウインドスクリーン側に設けられ左右のレールに係合する左右のスライダとを備え、各スライダにはスライダ本体から左右方向に突出しレールに係合する突起を設けると共に、その突起が嵌合しウインドスクリーンの位置を規制する凹部が各レールに車体前後方向に設けられ該凹部がレールの長手方向に所定間隔を空けて配置されたので、ウインドスクリーンの自重を凹部で支えて該自重を支えるばねを不要にでき、スクリーン移動操作に要する操作力を軽くしつつウインドスクリーンの保持力を確保できる。
また、前記凹部には、前記突起が嵌合したときに前記突起を係止する係止片を設けるようにしてもよい。この構成によれば、係止片のばね力を強くしなくても、この係止片によって突起を凹部内に保持する保持力を十分に確保でき、また、係止片との係合/係合解除に要する操作力も軽くすることができる。
また、突起は、スライダ本体の上端と下端に設けられ、凹部には、上端の突起が嵌合するので、上端の突起を下端の突起を支点にして容易に凹部に嵌合させることができる。
また、凹部には、突起が嵌合したときに突起を係止する係止片を設けたので、係止片のばね力を強くしなくても係止片によって突起を凹部内に確実に保持でき、係止片のばね力を強くしなくても突起を凹部内に保持する保持力を十分に確保できる。
図1は本発明の実施形態に係る自動二輪車の側面図である。
自動二輪車10は、車体フレーム11と、車体フレーム11の前端部に取り付けられたヘッドパイプ12に回動自在に支持された左右一対のフロントフォーク13と、フロントフォーク13の上端部を支持するトップブリッジ14に取り付けられた操舵用のハンドル15と、フロントフォーク13に回転自在に支持された前輪16と、車体フレーム11に支持されたエンジン17と、エンジン17に排気管18を介して連結された排気マフラ19と、車体フレーム11の後下部のピボット20に上下に揺動自在に支持されたリアスイングアーム21と、このリアスイングアーム21の後端部に回転自在に支持された後輪22とを備え、リアスイングアーム21と車体フレーム11との間にリアクッション23が配設されている。
また、シートレール29には乗員用シート35及びグラブレール36が支持され、ダウンチューブ27にはラジエータ37が支持されている。
このウインドスクリーン51には、移動機構60によってその高さを調整可能な可動式スクリーンに構成されている。このため、ユーザの体格に合わせて、或いは、ユーザの好みに応じてウインドスクリーン51の上下位置を調整することができる。例えば、ウインドスクリーン51を高い位置に調整した場合には、高速走行時に適した高いウインドプロテクション効果(運転者への風圧や風切り音の低減、空気の流れを整流する効果)を発揮させることができ、また、ウインドスクリーン51を低い位置に調整した場合には、中低速時に適した運転者が適度な風圧を感じるウインドプロテクション効果に調整することができ、走行時の快適性を高めることができる。
図2に示すように、ブラケット50は、略U字状に屈曲された金属パイプ50Aと、この金属パイプ50Aの上部間に設けられた上下一対のクロスパイプ50B、50Bと、金属パイプ50Aの左右から後方へ延びてヘッドパイプ12に連結される左右一対のステー50C、50Cとを備えている。金属パイプ50Aには、複数のボルト受け部50Dが配設され、これらボルト受け部50Dにアッパカウリング41及びヘッドライトユニット等がボルト止めされる。
また、上下一対のクロスパイプ50B、50B間には、左右一対のレール支持ステー50E、50Eが設けられ、これらレール支持ステー50E、50Eには、左右一対のレール61、61がボルト止めされる。レール61、61は、略車体上下方向に延び、各レール61、61には、スライダ71、71(図3参照)が各々設けられる。これらスライダ71、71は、ブラケット50に固定されたアッパカウリング41を貫通して上方へ延び、その上部には、連結板53、53が複数のねじ52で固定される。この連結板53、53には、ウインドスクリーン51が複数のねじ54で固定される。
図5に示すように、レール61は、金属材または樹脂材から形成された左右一対の左レール半体62Lと右レール半体62Rとを備えている。左レール半体62Lと右レール半体62Rとは、略左右対称形状を有し、図5乃至図7に示すように、略コ字状断面のレール部63L、63Rと、このレール部63L、63Rの下方でレール長手方向に間隔を空けて形成された複数(本例では5個)の凹部80(図4参照)と、レール部63L、63R及び凹部80から延出する基端部64L、64Rとを一体に備える。左レール半体62L及び右レール半体62Rのレール部63L、63R内には、摺動板65、65が各々配置され、左レール半体62Lと右レール半体62Rとの間にスライダ71が挟み込まれる。各基端部64L、64Rは互いに重ね合わせた状態でボルト66及びナット67で締め付けられ、これによってレール61が組み立てられる。摺動板65は、ステンレス材或いはアルミニウム材等の板部材で形成され、摩擦係数の低い摺動面を形成している。
また、基端部72Aは、左右方向に突出する第1突起76、76及び第2突起77、77とが前後に間隔を空けて一体に設けられる。ここで、第1突起76、76には、低摩擦材料で形成された樹脂キャップ75、75が嵌められる。樹脂キャップ75が嵌められた第1突起76、76は、図6に示すように、レール部63L、63R間の間隙と略同じ大きさに形成され、レール部63L、63Rに係合し、レール61の長手方向に沿って案内される。この場合、樹脂キャップ75、75が、レール部63L、63R内の低摩擦係数の摺動板65、65に接触しながら移動するので、スライダ71を滑らかに移動させることができる。
凹部80は、図5及び図7に示すように、レール61の左右方向に延出し、スライダ71の第2突起77、77が、レール部63L、63Rの底面63Aに形成された開口部81、81を介して各々嵌合自在な左右の第1凹部82、82を備えると共に、これら第1凹部82、82に、第2突起77、77を挿入可能に第2突起77、77間のスライダ71部分を逃げる逃げ部84、84とを備えている。
また、上記逃げ部84、84は、第1凹部81の底面に連なる底面84A、84Aと、この底面84A、84Aの下方に連なる下部傾斜面84B、84Bと、底面84A、84Aの上端から略垂直に立ち上がる上部立上面84C、84Cとを備え、下部傾斜面84B、84Bは、スライダ71の第2突起77、77を第1凹部81に入れた際にスライダ71の基端部72A底面に沿う傾斜面に形成されている。
しかも、この凹部80には、スライダ71の第2突起76に係止する係止片90、90が配置されるため、第2突起77、77の凹部80からの抜けが係止片90、90によって防止される。このため、車体に車体前後方向への外力が作用した場合でもスライダ71及びウインドスクリーン51が該位置に規制される。
従って、スライダ71の第2突起77、77を係止片90、90に係止させる際に必要な操作力、及び、この係止片90、90から第2突起77、77を抜く際に必要な操作力を小さくすることができ、係止片90、90との係合/係合解除に要する操作力を低減することができる。
従って、ウインドスクリーン51をユーザが所望の高さに移動した後、ウインドスクリーン51を車体後方側に傾動させる操作を行うことで、スライダ71の第2突起77、77を別の凹部80に入れて係止片90、90に係止させ、ウインドスクリーン51をその高さに保持させることができる。本構成では、図3に示すように、レール61の長手方向に間隔を空けて5カ所に凹部80が設けられるため、ウインドスクリーン51の高さを5段階で調節することが可能である。
さらに、本構成では、レール61に設けた凹部80には、第2突起77、77が嵌合したときに第2突起77、77を係止する係止片90、90を設けたので、車体前方向への強い外力が車体に作用した場合でも、第2突起77、77を凹部80内に確実に保持できる。この場合、この係止片90、90がウインドスクリーン51の自重を支える必要がない分、この係止片90、90のばね力を強くしなくても保持力を十分に確保でき、係止片90、90との係合/係合解除に要する操作力を軽くすることができる。
また、本構成では、第2突起77、77を凹部80外にある状態ではスライダ71には係止片90、90のばね力が全く作用しないので、ウインドスクリーン51の上下動に要する操作力も軽くすることができる。
また、上述の実施形態では、ウインドスクリーン51の位置を規制する凹部80をレール61の車体後方向に設ける場合について説明したが、これに限らず、凹部80をレール61の車体前方向に設けるようにしてもよい。凹部80をレール61の車体前方向に設けた場合には、例えば、第1突起76、76と第2突起77、77とを上記実施形態とは逆の形状に形成し、ウインドスクリーン51を車体後方側に傾動することによってスライダ本体72の上端に設けた第2突起77、77を回動支点にして第1突起76、76を上記凹部80に嵌合させるように構成することができる。この場合、レール61の車体前方向に設けた凹部80が第1突起76、76に作用するウインドスクリーン51及びスライダ71の自重を支えるので、ウインドスクリーン51及びスライダ71の自重を支えるばねが不要となり、スクリーン移動操作に要する操作力を軽くしつつウインドスクリーン51の保持力を確保できる。
また、本実施形態では、上記の自動二輪車10のスクリーン構造に本発明を適用する場合について説明したが、これに限らず、スクータ型車両等の他の自動二輪車のスクリーン支持構造に広く適用が可能である。
41 アッパカウリング
50 ブラケット
51 ウインドスクリーン
60 移動機構
61 レール
65 摺動板
71 スライダ
72 スライダ本体
76 第1突起
77 第2突起
80 凹部
90 係止片
Claims (3)
- 車体の前上部を覆うカウリングを備え、そのカウリングの上方に設けたウインドスクリーンを、上下に移動可能に支持する自動二輪車のスクリーン支持構造において、
車体側に固定され上下に延びる左右のレールと、ウインドスクリーン側に設けられ左右のレールに係合する左右のスライダとを備え、各スライダにはスライダ本体から左右方向に突出しレールに係合する突起を設けると共に、その突起が嵌合しウインドスクリーンの位置を規制する凹部が各レールに車体前後方向に設けられ該凹部がレールの長手方向に所定間隔を空けて配置されたことを特徴とする自動二輪車のスクリーン支持構造。 - 前記突起は、前記スライダ本体の上端と下端に設けられ、前記凹部には、上端の突起が嵌合することを特徴とする請求項1に記載の自動二輪車のスクリーン支持構造。
- 前記凹部には、前記突起が嵌合したときに前記突起を係止する係止片を設けたことを特徴とする請求項1又は2に記載の自動二輪車のスクリーン支持構造。
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