JP2009214319A - 溶融樹脂カッター - Google Patents
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Abstract
【解決手段】溶融樹脂供給装置のカッター28は、刃先30の断面形状が鋭角に形成され、刃先30は、刃先面の上面側には溶融樹脂の切断時に押出口側に面する逃げ面32を形成し、カッター面の下面側にはドロップの上端部と接触するすくい面33を形成している。カッター28の刃先30には、該刃先30から間隔を空けて、すくい面33に逃げ面32側に窪む凹部34を形成した。
【選択図】図4
Description
下記特許文献1には、前成形体のような成形品を圧縮成形するための圧縮成形型に合成樹脂を供給するための合成樹脂供給手段が開示されている。このような合成樹脂供給装置は、鉛直方向下方に開口した円形押出口を有する押出機と、周方向に間隔をおいて配設された複数個のカッター及びカッターの各々に付設された保持手段を有する切断・搬送手段とを具備している。カッター及び保持手段は、押出機の押出口に対向する受入位置と排出位置とを含む円形軌跡に沿って移動される。そして、受入位置においては押出口を横切って移動されるカッターが押出口から押し出されている合成樹脂(溶融樹脂)を切断する。保持手段は、切断された合成樹脂を保持して排出位置に搬送し、排出位置にて合成樹脂を開放して圧縮成形型に供給する。
特許文献2によると、押出ノズル51の押出口52から押し出された溶融樹脂55を切断したカッター53の背面即ち逃げ面56に、引き続いて押出口52から押し出されている溶融樹脂55が干渉し、これによって押し出されている溶融樹脂55の形状に望ましくない変形が生成される傾向があると記載されている。そして、特許文献2によれば、カッターの逃げ面56の角度αを一定の条件下で設定することによって、その解決を図っている。
また、本発明の圧縮成形に用いる溶融樹脂を切断するカッターは、上記課題を解決することを目的として、圧縮成形に用いる溶融樹脂が連続的に吐出される押出ノズルの押出口の吐出側近傍を横切って移動し、刃先の断面形状が鋭角に形成され前記押出口から押し出された溶融樹脂を切断するカッターであって、前記カッターの刃先面のうち、前記押出口側の面には溶融樹脂の切断時に前記押出口側に面し前記押出口から連続して吐出される溶融樹脂との接触を回避する逃げ面を形成し、前記刃先面の押出口と反対側の面には溶融樹脂を切断したドロップの端部と接触するすくい面を形成した、圧縮成形に用いる溶融樹脂を切断するカッターにおいて、前記カッターの刃先から間隔を空け、前記すくい面から前記逃げ面までを貫通する孔を形成した。
上記圧縮成形に用いる溶融樹脂を切断するカッターは、該圧縮成形に用いる溶融樹脂を切断するカッターと、該カッターによって切断されたドロップを収容して圧縮成形する成形金型とを備えた圧縮成形装置に適用が可能である。
図1は、プリフォームと呼ばれるPETボトルなどの前成形体を形成する圧縮成形装置の概略平面図を示している。
圧縮成形装置1は、押出機2、溶融樹脂供給装置3、圧縮成形機4、出口ホイール6及び取出しコンベア7を備えている。
押出機2は、ほぼ筒状の外形を有しており、PET等の合成樹脂材料を加熱溶融及び混練して、溶融樹脂をギヤポンプ8に搬送する。ギヤポンプ8は、歯車の噛み合いによって、溶融樹脂を安定した状態で吐出する。ギヤポンプ8の吐出口は、導管2aを介して下向きのダイヘッド10に接続されている。ダイヘッド10は円筒断面を有しており、溶融状態の樹脂は、ダイヘッド10からほぼ円柱形状の状態で連続的に下方に押し出される。
溶融樹脂供給装置3は、カッターホイール11を備え、カッターホイール11は、回転板12、揺動カム14、揺動ユニット15、伸縮ユニット16、保持ユニット17及びカッター28を備えている。
回転板12は、円板状部材であり、周縁部に等角度間隔で、図では6個の揺動ユニット15が回転板12とともに回動自在に配設されている。この回転板12は、駆動手段をモータ(図示せず)として、上方から見て時計回り方向に回転する。
揺動ユニット15は、下部にカムフォロワーが設けられており、回転板12が回転すると、カムフォロワーが揺動カム14に形成された溝18に沿って移動することにより、揺動する。
保持ユニット17は、揺動ユニット15の揺動運動と伸縮ユニット16の往復移動とによって、運転時の軌跡19に沿って回転し、圧縮成形機4の金型13に溶融樹脂を受け渡しする前後においては、金型13の回転軌跡20に沿って移動する。これにより、高速運転した場合であっても、溶融樹脂の受け渡しを確実に行なうことができる。
保持ユニット17は、基部21と一対のホルダー22,23とを備えている。基部21は、半円形状の収納凹部24が上下方向に形成され、一対のホルダー22,23が基部21に設けられた回動軸に回動可能に取付けられ、図示しないカム機構やアクチュエータなどの手段によってホルダー22,23を開閉することができる。
ホルダー22,23は、閉状態にあるときに、上述の収納凹部24と共にドロップを収納する収納凹部25を形成している。
保持ユニット17は、図3A及びBに示す平面図の状態では、矢印a方向を前にして軌道上を回転し、一方のホルダー22が回転半径の外側に配置され、他方のホルダー23が回転半径の内側に配置されている。そして、ホルダー22,23は、矢印bに示すように、回転方向に対してほぼ直角方向両側へ開閉することができる。したがって、保持ユニット17を回転させる回転板12の回転軸Oは、図3のA及びBの保持ユニット17の右側に位置する。
カッター28は、下側に位置する本体部29と、該本体部29の上部に設けられた刃先30とを備えている。刃先30の断面形状は、刃先30の先端部31の角度が鋭角をなし、矢印aに示すように、カッター28の移動方向に対して、刃先30の先端部31を前方にして移動する。そして、カッター28は、刃先30の先端部31を前方側に高く向け、移動方向後方側が低くなるように傾斜して配置されている。
カッター28のすくい面33には、上方の逃げ面32側に窪む凹部34を形成している。凹部34の形状は、カッター28の移動方向における切断面が円弧形状になるように形成されている。凹部34の幅(カッター28の移動方向に対して直角方向)は、溶融樹脂(ドロップ)の直径よりも大きく形成するのが好ましい。溶融樹脂の直径は、形成されるプリフォームの胴径などで異なるが、一般的には15mm〜30mmである。
凹部34の長さ(カッター28の移動方向に対する長さ)は、平面視の長さで、10mm以上が好ましく、前述の直径15〜30mmの溶融樹脂を切断する場合、10mm〜20mm程度である。(図4の寸法L2参照)。
また、図4のCに図示されているように、凹部34は、凹部34の刃先側端部より溶融樹脂切断方向(矢印2点鎖線)の上方側後方に逃がし空間34aが備わった形状にすると、ドロップの後側頭部が凹部34の刃先側の部分に押圧されにくく、また、押圧された直後に逃げやすい形状となるので好ましい。
圧縮成形機4は、複数の金型13が連続して円軌道上を移動するように回転可能に設けられている。
金型13は上方が開放し、ドロップ9の受け渡し位置では、保持ユニット17が金型13の直上方に配置され、ホルダー22,23を開放することによって、ドロップ9を金型13に供給する。図5のBに示すように、保持ユニット17は、ドロップ9を金型13に供給した後は、圧縮成形機4の回転軌道20から離れる(図2参照)。金型13では、溶融樹脂9を圧縮成形してプリフォームを成形することができる。
図1に示すように、圧縮成形機4には、金型13からプリフォームを取り出す出口ホイール6が設置され、出口ホイール6には、プリフォームを次工程に搬送する取り出しコンベア7が設置されている。
押出機2は、ポリエチレンテレフタレート等の合成樹脂材料を加熱溶融及び混練して、溶融樹脂をギヤポンプ8に搬送する。ギヤポンプ8では、溶融樹脂の供給を安定させるために、歯車の噛み合いによって、溶融樹脂の吐出を行うよう構成されている。ギヤポンプ8は、導管2aを介して図2に示す下向きのダイヘッド10に搬送され、ダイヘッド10は、その下端部に形成した押出口から略円柱形状に形成された溶融樹脂を連続的に下方に押し出している。
こうして、切り離されたドロップ9は、保持ユニット17のホルダー22,23を閉じることによってドロップ9を保持する。そして、ホルダー22,23が閉状態の保持ユニット17に保持されたドロップ9は、圧縮成形機4に備えられた金型13の上方位置まで移動させられる。
金型13による成形によって、プリフォームが成形されると、ドロップ9の後側頭部にズリ変形が回避又は抑制されているので、プリフォームにキズ、歪み、皺の発生が抑制され、品質の良いプリフォームを形成することができる。この結果、プリフォームをブロー成形することによって、品質の良い容器を成形することができる。
金型13によって形成されたプリフォームは、冷却されながら、図1に示すように、金型13の移動により。出口ホイール6のグリップ35の円軌道に接近する。そして、ネックハーフ53とコア55がプリフォームを支持したまま上昇し、金型13からプリフォームを抜き出して、取り出しコンベア7に移送し、プリフォームは次工程に搬送される。
図6〜図7を参照にして、カッター38は、下側に位置する本体部39と、該本体部39の上部に設けられた刃先40とを備えている。カッター38は、その刃先40の先端部41が保持ユニット17および回転板12の回転半径方向に対し平行(若しくは半径方向の延長線上)に配置されるよう設けられている(図2参照)。
カッター38の刃先40の断面形状は、刃先40の先端部41の角度が鋭角をなしている。そして、カッター38は、矢印aに示すように、移動方向に対して、刃先40の先端部41を前方にして移動し、かつ刃先40の先端部41を前方側に高く向け、移動方向後方側が低くなるように傾斜して配置されている。
カッター38の刃先40には、下方のすくい面43から上方の逃げ面42側に貫通する孔44を形成している。本実施形態では、孔44の前方側の両端部に大きい丸みを、後方側に小さい丸みを形成している。孔44の幅(カッター38の移動方向に対して直角方向)は、溶融樹脂(ドロップ9)の直径よりも大きく形成するのが好ましい。
孔44の長さ(カッター38の移動方向に対する長さ)は、平面視の長さで10mm以上が好ましく、上記の直径15〜30mmの溶融樹脂を切断するものであれば10mm〜20mm程度である(図7の寸法L4参照)。孔44の刃先側端部は、該刃先側端部より溶融樹脂切断方向の上方、すなわち、切断方向に対して斜め上後方へ逃がし空間44aを形成している。
なお、図6に示すカッター38の符合45は、保持ユニット17の基部21への取付孔である。
ダイヘッド10の押出口から押し出された溶融樹脂は、カッター38によって切断され、保持ユニットは、収納凹部24,25(図3参照)に収納されたドロップ9を保持する。その後、保持ユニット17は、切断し保持したドロップ9を、ホルダー22,23(図3参照)を閉じた状態で、圧縮成形機4に搬送する。
押出機2によって押し出された溶融樹脂は、カッター38によって切断され、押出口26から切り離されて、ドロップ9が形成される。この溶融樹脂の切断時には、カッター38の刃先40の先端部41が溶融樹脂に接触し、カッター38の移送力によって、溶融樹脂9が切断される。カッター38の刃先40には、孔44を形成しているので、ドロップ9となる溶融樹脂の後側頭部が全面ですくい面43と接触することが抑制される。詳しくは、逃がし空間44aを形成し、ドロップの後側頭部が刃先側の部分に押圧されにくく、また、押圧された直後に逃げやすい形状となるので好ましい。これによって、ドロップ9の後側頭部がすくい面43によって、こすられることが抑制され、接触応力が軽減することから、ズリ変形を回避又は抑制することができる。すなわち、ドロップ9の後側頭部の接触応力を軽減する逃げ空間を形成したことによって、ズリ変形を回避又は抑制するようにした。
金型13による成形によって、プリフォームが成形されると、ドロップ9の後側頭部にズリ変形が回避又は抑制されているので、プリフォームにキズ、歪み、皺の発生が抑制され、品質の良いプリフォームを形成することができる。この結果、プリフォームをブロー成形することによって、品質の良い容器を成形することができる。
カッターの種類としては、逃げ面の角度αが45度,すくい面の角度βが28度である(図9参照)、第1の実施形態(凹部34を備えたカッター28;L1=2mm)と第2の実施形態(孔44を備えたカッター38;L3=2mm)、及び、比較例として凹部も孔も備えていないカッター53を用いた。
第1の実施形態、及び第2の実施形態のカッター28及びカッター38は、ドロップの後側頭部にズリ変形が見られなかった。
比較例のカッター58にはドロップ後側頭部にズリ変形が見られた。
例えば、上記第1の実施形態では、凹部34のカッター28の移動方向における切断面形状を円弧形状に形成したが、他の形状であってもよい。例えば三角形などの多角形状や、楕円弧,二次曲線状などの湾曲面状などでもよい。
また、凹部34,孔44の四隅の形状も、第1実施形態の角張った形状と第2の実施形態の丸めた形状を自由に組み合わせることが可能であり、例えば、四隅のうち2箇所以上同一の形状・大きさの箇所を設けたり、四隅とも同一の形状・大きさにしたり、四隅とも形状または大きさが異なるようにしたりしてもよい。
また、第1の実施形態の凹部34と第2実施形態の孔44を組み合わせた形状でもよく、上記第1の実施形態では、すくい面33に形成した凹部34の内部若しくは該凹部34に隣接させて、上記第2の実施形態で形成したような、すくい面43から逃げ面42までを貫通する孔を形成してもよい。
また、各実施形態については、下向きの押出口から押し出され垂下した溶融樹脂を、押出口の直下を水平方向に移動することによって切断可能としたカッターについて説明したが、例えば、特表平10−500370のように、上向きの押出口から押し出される溶融樹脂の場合は、押出口の直上をカッターが移動することによって溶融樹脂を切断可能にしても勿論よいし、押出口が横向きや傾斜する場合も相対的に押出口をカッターが横切って通過することによって溶融樹脂を切断可能でありさえすれば、押出口とカッターの配置や移動方向は特に問わない。
さらに、圧縮成形品としては、上記のプリフォームに限らず、キズ,歪みのない物が好ましい圧縮成形品に好適であり、例えばレンズなどの光学部品が挙げられる。
2 押出機
3 溶融樹脂供給装置
17 保持ユニット
26 押出口
28,38 カッター
30,40 刃先
31,41 先端部
32,42 逃げ面
33,43 すくい面
34 凹部
44 孔
Claims (3)
- 圧縮成形に用いる溶融樹脂が連続的に吐出される押出ノズルの押出口の吐出側近傍を横切って移動し、刃先の断面形状が鋭角に形成され前記押出口から押し出された溶融樹脂を切断するカッターであって、
前記カッターの刃先面のうち、前記押出口側の面には溶融樹脂の切断時に前記押出口側に面し前記押出口から連続して吐出される溶融樹脂との接触を回避する逃げ面を形成し、前記刃先面の押出口と反対側の面には溶融樹脂を切断したドロップの端部と接触するすくい面を形成した、圧縮成形に用いる溶融樹脂を切断するカッターにおいて、
前記カッターの刃先から間隔を空けて前記すくい面に、前記逃げ面側に窪む凹部を形成したことを特徴とする、圧縮成形に用いる溶融樹脂を切断するカッター。 - 圧縮成形に用いる溶融樹脂が連続的に吐出される押出ノズルの押出口の吐出側近傍を横切って移動し、刃先の断面形状が鋭角に形成され前記押出口から押し出された溶融樹脂を切断するカッターであって、
前記カッターの刃先面のうち、前記押出口側の面には溶融樹脂の切断時に前記押出口側に面し前記押出口から連続して吐出される溶融樹脂との接触を回避する逃げ面を形成し、前記刃先面の押出口と反対側の面には溶融樹脂を切断したドロップの端部と接触するすくい面を形成した、圧縮成形に用いる溶融樹脂を切断するカッターにおいて、
前記カッターの刃先から間隔を空け、前記すくい面から前記逃げ面までを貫通する孔を形成したことを特徴とする、圧縮成形に用いる溶融樹脂を切断するカッター。 - 前記請求項1又は2に記載の圧縮成形に用いる溶融樹脂を切断するカッターと、該カッターによって切断されたドロップを収容して圧縮成形する成形金型とを備えたことを特徴とする、圧縮成形装置。
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