以下、本発明に係る遊技機の一実施の形態について、図面を参照して説明する。まず、図1〜図3を参照して、パチンコ機1の機械的構成について説明する。図1は、パチンコ機1の正面図である。図2は、遊技盤2の正面図である。図3は表示装置8の正面図である。
図1に示すように、パチンコ機1の正面の上半分の部分には略正方形の遊技盤2が設けられ、遊技盤2には、ガイドレール3で囲まれた略円形の遊技領域4が設けられている。パチンコ機1の遊技盤2の下方部には、図示外の発射機に遊技媒体としての遊技球を供給し、かつ賞品球を受ける上皿5が設けられている。そして、上皿5の直下には、賞品球を受ける下皿6が設けられ、下皿6の右横には発射ハンドル7が、下皿6の上にはスピーカー48がそれぞれ設けられている。
また、図2に示すように、遊技盤2前面中央に位置する遊技領域4の略中央には、LCDや各種ランプ、LEDを備えた表示装置8が設けられている。この表示装置8の左右上方には電飾風車10,9がそれぞれ設けられ、また表示装置8の右側方には普通図柄始動ゲート12が設けられている。そして、普通図柄始動ゲート12の下方には普通入賞口20が設けられている。また表示装置8の下側には特別図柄始動電動役物15が設けられており、さらにその特別図柄始動電動役物15の下方に、大入賞口16が設けられている。
図3に示すように表示装置8の下部には、遊技盤2(図2参照)の表面から遊技盤2の奥方向に向かって遊技球を暫時載置可能なステージ21が略水平に設けられ、また表示装置8の左右両肩にはワープ口23,22がそれぞれ設けられている。これらのワープ口22,23を通過した遊技球は表示装置8の内部(ワープゾーン)を通ってステージ21に現出するようになっており、ステージ21に現出した遊技球が、ステージ21の直下に設けられている特別図柄始動電動役物15に向かって落下しやすくなるように、ステージ21に若干の勾配が設けられている。
また表示装置8の上部には4個のLEDから成る特別図柄記憶数表示LED60が設けられており、特別図柄始動電動役物15(図2参照)に入賞した遊技球の個数、いわゆる作動保留数を4個まで、LEDの点灯で表示することができる。そして、この特別図柄記憶数表示LED60の下方に設けられた4個のLEDから成る普通図柄記憶数表示LED59は、普通図柄始動ゲート12を通過した遊技球の個数、いわゆる作動保留数を、前記同様4個まで、LEDの点灯で表示することができる。また表示装置8の中央に位置するデモ図柄表示画面30の左右には、それぞれ3個の電飾用のLED62が列設されている。なお、遊技盤2(図2参照)には、上記以外に、種々の電飾ランプ63(図4参照)、その他のLED、風車および多数の障害釘等が設けられている。
次に表示装置8の構造およびそこに表示される画面について説明する。表示装置8は、中央にデモ図柄表示画面30を、デモ図柄表示画面30の左下方に特別図柄表示部28を備えている。また、デモ図柄表示画面30の上方には、7セグメントLEDから構成される普通図柄表示部24が設けられている。この普通図柄表示部24には、1桁の数字や1文字のアルファベット等の図柄を表示できるようになっている。
まず、特別図柄表示部28について説明する。特別図柄表示部28は、1桁の数字や1文字のアルファベット、マーク等の図柄を表示できるように構成されている。特別図柄表示部28に表示される図柄としては、本実施の形態の例では数字の「0」,「1」,「2」,「3」,「4」,「5」,「6」,「7」,「8」及び「9」の10種類があり、また、図柄の表示される背景色の種類として、「赤」、「橙」、「黄」、「緑」、「水色」、「青」、「紫」、「白」の8種類が用意されている。特別図柄始動電動役物15に遊技球が入賞して大当たりの判定が行われると、これら10種類の図柄が原則としてこの順序で順次表示され、図柄と背景色の組み合わせにより、大当たりとなるか否か、大当たりの場合に確率変動遊技状態に突入する特定図柄であるか否かを表示するようになっている。例えば、本実施の形態では、以下のように構成されている。すなわち、「0」の場合には、「赤」の背景色で特定図柄、「橙」、「黄」、「緑」、「水色」、の背景色で非特定図柄による大当たりを示し、その他の背景色でははずれを示す。「1」の場合には、「赤」、「橙」、「黄」の背景色で特定図柄による大当たりを示し、その他の背景色でははずれを示す。「2」の場合には、「橙」の背景色で特定図柄、「赤」、「黄」、「緑」、「水色」の背景色で非特定図柄による大当たりを示し、その他の背景色でははずれを示す。「3」の場合には、「赤」、「橙」、「黄」の背景色で特定図柄による大当たりを示し、その他の背景色でははずれを示す。「4」の場合には、「黄」の背景色で特定図柄、「赤」、「橙」、「緑」、「水色」の背景色で非特定図柄による大当たりを示し、その他の背景色でははずれを示す。「5」の場合には、「赤」、「橙」、「黄」の背景色で特定図柄による大当たりを示し、その他の背景色でははずれを示す。「6」の場合には、「緑」の背景色で特定図柄、「赤」、「橙」、「黄」、「水色」の背景色で非特定図柄による大当たりを示し、その他の背景色でははずれを示す。「7」の場合には、「赤」、「橙」、「黄」の背景色で特定図柄による大当たりを示し、その他の背景色でははずれを示す。「8」の場合には、「水色」の背景色で特定図柄、「赤」、「橙」、「黄」、「緑」の背景色で非特定図柄による大当たりを示し、その他の背景色でははずれを示す。「9」の場合には、「赤」、「橙」、「黄」の背景色で特定図柄による大当たりを示し、その他の背景色でははずれを示す。大当たりとなると、大入賞口16が開放される大当たり遊技状態が生起され、大入賞口16内に設けられているVゾーン(図示外)に遊技球が入賞すると、大入賞口16の開放が再度行われ、所定回数(例えば、15回や16回等)まで反復継続可能となっている。この大当たり遊技状態は、パチンコ機1のCPU51(図4参照)が図示外の大当たり遊技プログラムに従って、諸条件を判定しながら遊技者が多数の遊技球の払出を得ることができる遊技状態であり、いわゆる条件装置が作動した状態である。
次に、デモ図柄表示画面30について説明する。本実施の形態ではデモ図柄表示画面30に表示される図柄の可変表示の一例として、図柄が上から下または下から上にスクロールされて表示される図柄の変動表示を例に説明する。図3に示すように、デモ図柄表示画面30には、左から、デモ図柄表示部D1,デモ図柄表示部D3,デモ図柄表示部D2の順に、3つのデモ図柄表示部が横一列に配置されている。このデモ図柄表示部D1〜D3には、後述する図柄が上から下方向にスクロールするように変動表示され、また、デモ図柄表示画面30上には、デモ図柄表示部D1〜D3の背景画像やキャラクターやメッセージ等も表示されるようになっている。
デモ図柄表示部D1〜D3に表示される図柄は、通常時はそれぞれ縦スクロール(上から下へのスクロール)がなされて、デモ図柄表示部D1、デモ図柄表示部D2、デモ図柄表示部D3の順に停止するようになっている。なお、このデモ図柄表示部D1〜D3の配置および停止表示させる順序などは任意に変更できることはいうまでもない。またデモ図柄表示画面30には、上記のデモ図柄表示部D1〜D3に図柄が常に表示されているわけではなく、これらの表示に代えて動画やメッセージ等も表示できるようになっている。また表示装置8は、その裏面に図柄表示基板44(図4参照)を備えている。
図2,図3に示すように、デモ図柄表示部D1〜D3に各々表示される図柄としては、本実施の形態の例では数字の「0」,「1」,「2」,「3」,「4」,「5」,「6」,「7」,「8」,「9」の10種類があり、特別図柄始動電動役物15に遊技球が入賞して大当たりの判定が行われると、これら10種類の図柄が順次表示される。大当たりである場合には、横1列に表示された3つの図柄が同じ数字や文字の図柄で揃った状態(例えば、「7,7,7」のように3つ揃った場合)で大当たり図柄が構成されて表示され、遊技者に大当たりが報知される。尚、大当たりを報知する図柄の組み合わせは、3つの図柄が同じ数字や文字の図柄で揃った状態に限られるものではなく、自由に定めることができる。
また、前記10図柄のうち「3」及び「7」を確率変動図柄(特定図柄)とし、これらのうちのいずれかの図柄が横1列に同じ図柄で揃った場合には、確率変動遊技状態が生起されて確率変動突入とし、高確率状態として次の大当たりを引く確率を高くするように変更する。大当たりの確率は、一例としては、通常状態では315分の1であり、確率変動遊技状態(高確率状態)では63分の1であるが、必ずしもこの値に限られるものではない。なお、「0」,「1」,「2」,「4」,「5」,「6」,「8」及び「9」は非確率変動図柄(非特定図柄)であり、その後に大当たりを引く確率は通常状態となる。但し、この図柄の設定は電源投入直後の初期設定であり、一度非確率変動図柄で大当たりとなり、次回同じ図柄で大当たりとなるとその後は確率変動遊技状態となる。例えば、「1」で大当たりとなった場合、その直後の確率は通常状態であるが、もう一度「1」で大当たりを引いた場合には、その後は高確率状態となる。
次に、本実施の形態のパチンコ機1の電気的構成について、図4を参照して説明する。図4は、パチンコ機1の電気的回路構成を示すブロック図である。図4に示すように、制御部40は、主基板41、電源基板42、音基板43、図柄表示基板44、払出制御基板45、電飾基板46、中継基板47およびサブ統合基板58から構成されている。この制御部40は、パチンコ機1(図1参照)の裏側(背面側)に設けられている。
主基板41には、プログラムに従って各種の処理を行うCPUユニット50が設けられている。このCPUユニット50には、各種の演算処理を行うCPU51と、フラグやカウンタの乱数値やデータ等を記憶するRAM52と、制御プログラムおよび各種の初期値のデータや表示装置8への表示内容を指示するコマンドのデータ等を記憶したROM53とが設けられており、これらは一つのLSIとして一体にモールディングされている。また、CPUユニット50には割込信号発生回路57が接続され、この割込信号発生回路57は、0.002秒(以下、「2ms」と略す。)毎にCPU51に割込信号を与えるようになっている。CPU51は、この割込信号が入力される毎にROM53に記憶されたメインルーチン(後述)を先頭から実行し、このメインルーチンに従ってパチンコ機1の制御を行う。
また、主基板41にはI/Oインターフェース54が設けられており、サブ統合基板58、払出制御基板45、中継基板47等のサブ基板とデータ信号の送受信を行う。音基板43、図柄表示基板44および電飾基板46は、サブ統合基板58を介して主基板41と接続されている。さらに、このI/Oインターフェース54には、図示外の遊技場管理用コンピュータにパチンコ機1の情報を出力する出力ポート55が接続されている。
なお、主基板41はパチンコ機1の主制御を司り、電源基板42は各基板に直流電流を供給し、サブ統合基板58は音基板43、図柄表示基板44および電飾基板46を制御している。また、音基板43はパチンコ機1の効果音の発生を制御し、図柄表示基板44は特別図柄表示部28,デモ図柄表示画面30および普通図柄表示部24に表示される図柄の制御を行い、払出制御基板45は賞品球払出装置49の制御を行い、電飾基板46はパチンコ機1の各電飾の発光態様を制御し、中継基板47は、各センサーの配線の中継を行っている。サブ統合基板58にはCPU58a、ROM58bおよびRAM58cが設けられ、音基板43、図柄表示基板44、払出制御基板45および電飾基板46にも、図示外のCPU、RAM、ROM、入力インターフェース等がそれぞれ搭載されている。
電飾基板46には、電飾風車9,10、4個のLEDから構成された普通図柄記憶数表示LED59、4個のLEDから構成された特別図柄記憶数表示LED60、電飾用のLED62、及び電飾ランプ63が接続されている。また、図柄表示基板44には特別図柄表示部28、デモ図柄表示画面30、および普通図柄表示部24が接続され、音基板43には、スピーカー48が接続され、払出制御基板45には、賞品球払出装置49が接続されている。さらに、中継基板47には、大入賞口16の開閉部材を開放・閉鎖する大入賞口開放ソレノイド70、電動役物の開閉部材を開放・閉鎖する電動役物開放ソレノイド71、特別図柄始動電動役物15に入賞した遊技球を検出する始動口スイッチ72、普通図柄始動ゲート12を通過した遊技球を検出する普通図柄作動スイッチ73、大入賞口16内のVゾーンに入賞した遊技球を検出するVスイッチ74、大入賞口16に入賞した遊技球数を計数するためのカウントスイッチ75、普通入賞口20に入賞した入賞球を検出する入賞口スイッチ76が接続されている。
また、電源基板42は、主基板41、音基板43、図柄表示基板44、払出制御基板45、電飾基板46およびサブ統合基板58に各々接続されて、直流の安定化された電力が供給されるようになっている。なお、電源基板42には、交流24Vが供給されている。電源基板42には、図示外のシリコンダイオードブリッジからなる整流器、電解コンデンサからなる平滑回路、レギュレータICからなる安定化回路等が設けられており、安定化された直流の12Vおよび5V等を供給できるようになっている。なお、図4では、特に図示しないが、主基板41、電源基板42、音基板43、図柄表示基板44、払出制御基板45、電飾基板46、中継基板47およびサブ統合基板58は、すべてアースラインで接続されている。
次に、図5を参照して、ROM53の記憶エリアについて説明する。図5は、ROM53の記憶エリアを示す模式図である。図5に示すように、ROM53には、パチンコ機1のリセットが行われる際に各記憶エリアに記憶される初期値が記憶された初期設定記憶エリア53a、CPU51がパチンコ機1を制御するための各種プログラムが記憶された制御プログラム記憶エリア53b、デモ図柄の変動時の変動時間や確定表示が行われる時間を決定するためのデモ図柄変動時間テーブルが記憶されたデモ図柄変動時間テーブル記憶エリア53c、主基板41からサブ統合基板58に出力させる制御コマンドのテーブルを記憶した制御コマンドテーブル記憶エリア53d等が設けられている。さらに、ROM53には、図示外の各種の記憶エリアが設けられている。
ここで、デモ図柄変動時間テーブルについて説明する。パチンコ機1では、デモ図柄表示画面30に表示する図柄の制御を行う図柄表示基板44等の制御をサブ統合基板58が行っている。CPU51は、サブ統合基板58に各種制御コマンドを出力して図柄表示基板44等の制御を行わせるが、それらコマンドに基づく処理の終了を検知することができないので、デモ図柄変動時間テーブル等を参照して、各コマンドに基づく処理にかかる時間を求め、各処理を行うタイミングを調整している。例えば、デモ図柄変動時にリーチ動作が行われる場合、後述するリーチパターン決定カウンタLC8(図7参照)に基づいて決定されるリーチパターンの種類によって、低速変動時の変動時間が異なってくる。そこで、CPU51は、サブ統合基板58を通じて図柄表示基板44にデモ図柄表示画面30へのリーチパターンの表示を開始させるとともに、デモ図柄変動時間テーブルより求めたそのリーチパターンの終了にかかる時間を元にタイミング調整を行うことで、そのリーチパターンの表示の終了時に合わせて図柄の停止コマンドを送るようにしている。
次に、図6を参照して、RAM52の記憶エリアについて説明する。図6は、RAM52の記憶エリアを示す模式図である。図6に示すように、RAM52には、各種のカウンタを一時的に記憶するループカウンタ記憶エリア52a、各ゲートを通過した遊技球や各入賞口に入賞した遊技球のそれぞれに対応したフラグの情報が書き込まれる入賞球フラグ記憶エリア52b、普通図柄始動ゲート12へ遊技球が通過した場合に取得される乱数が書き込まれる普通当たり関係情報記憶エリア52c、普通図柄始動ゲート12への遊技球の通過数が記憶される普通図柄作動保留数記憶エリア52d、特別図柄始動電動役物15への遊技球の通過時に取得される乱数や判定結果が書き込まれる大当たり関係情報記憶エリア52e、特別図柄始動電動役物15への遊技球の入賞数が記憶される特別図柄作動保留数記憶エリア52f、条件装置が作動中か否かのフラグを記憶する条件装置作動フラグ記憶エリア52g、確率変動遊技状態に突入するか否かを示すフラグを記憶する確率変動フラグ記憶エリア52h、主基板41からサブ統合基板58に出力させる制御コマンドに対応したフラグやその制御コマンドの変数を記憶するコマンド関係記憶エリア52m、デモ図柄処理における各状態の遷移を行うための状態フラグを記憶する状態フラグ記憶エリア52n、高確率状態となることを報知するための高確率図柄パターンを記憶する高確率図柄パターン記憶エリア52p、通常確率となることを報知するための通常確率図柄パターンを記憶する通常確率図柄パターン記憶エリア52q等が設けられている。なお、状態フラグ記憶エリア52nの状態フラグは2bitのフラグであり、デモ図柄表示画面30のデモ図柄表示部D1,D2,D3に変動表示される図柄の高速変動状態(変動開始から一定の高速変動を継続している状態)、低速変動状態(変動速度を低速に落とし始めて確定表示が行われる直前までの状態)、確定表示状態(図柄の変動が停止して確定表示を行っている状態)、非動作状態(図柄の変動を行わない状態)の4つの状態に対応している。
次に、図7を参照して、ループカウンタ記憶エリア52aについて説明する。図7は、RAM52のループカウンタ記憶エリア52aを示す模式図である。図7に示すように、ループカウンタ記憶エリア52aには、普通図柄選択用ループカウンタLC1、大当たり判定用ループカウンタLC2、特別図柄作成カウンタLC3、デモ図柄作成カウンタLC4、デモ図柄作成カウンタLC5、デモ図柄作成カウンタLC6、リーチ判定カウンタLC7、リーチパターン決定カウンタLC8、デモ図柄変動時間カウンタLC9等が各々記憶されている。なお、カウンタLC1〜LC8の記憶値、すなわちカウント値は設定された範囲の数値内を循環するように、図4に示す割込信号発生回路57からの割込信号に基づいて実行されるパチンコ機1のメインルーチンのループカウンタ更新処理(図12参照)において、一定間隔の時間(例えば、2ms)毎に所定量ずつインクリメントされ、各々設定されている最大値(上限値)になると、次は、「0」に戻るように構成されている。これらのカウント値は、後述する普通図柄処理や特別図柄処理などにおいて、普通当たり関係情報記憶エリア52cや大当たり関係情報記憶エリア52eなどに各々取り込まれて格納されるようになっている。
また、カウンタLC1〜LC8のカウント値は、一巡すると、カウント初期値として、CPU51が、メインルーチン(図12参照)の処理を行わないときに繰り返し行っている図示外の乱数初期値更新処理(所定のアルゴリズムによって乱数を発生させる処理)によって発生された乱数が取り込まれ、各カウンタにこの乱数値がセットされる。なお、カウント値が一巡するとは、各カウンタのカウント値が更新され続けた結果、カウント初期値と同値となった場合である。また、カウンタLC1〜LC8は、そのカウント値が一巡するごとに、カウントを開始する最初のカウント値が更新されるが、その更新されるカウント値がカウント初期値である。その後、カウンタLC1〜LC8の各カウント値が一巡すると、再度、乱数初期値更新処理によって発生された乱数が取り込まれ、新たなカウント初期値としてセットされる。以降同様に、カウンタLC1〜LC8のカウント値が一巡する毎にカウント初期値の更新が行われるようになっている。
一方、カウンタLC9は、経過時間を計測するためのタイマカウンタとして使用される。カウンタLC9のカウント値も、カウンタLC1〜LC8と同様に、ループカウンタ更新処理(図12参照)にて例えば2ms毎に所定量ずつインクリメントされる。
以下、各カウンタについて詳述する。普通図柄選択用ループカウンタLC1のカウント値(乱数)は、普通図柄表示部24に表示される図柄を決定するために使用される。カウント値は、パチンコ機1のリセット時は「0」からスタートし、1割込毎(2ms毎)に「1」加算され「256」以上で0クリアされる。従って、カウンタLC1のカウント値は「0」から「255」までのいずれかの値を取り、1周期は、512msとなる。
大当たり判定用ループカウンタLC2のカウント値は、大当たりを判定するために使用される。初期化処理後は「0」からスタートし、1割込毎(2ms毎)に「1」加算され「315」以上で0クリアされる。従って、大当たり判定用ループカウンタLC2のカウント値は「0」から「314」までのいずれかの値を取り、1周期は630msとなる。なお、大当たり判定用ループカウンタLC2の最大カウント値は、単一の設定値としてもよいし、設定1、設定2、設定3というように、異なる値を選択して設定できる設定手段を設けてもよい。
特別図柄作成カウンタLC3のカウント値は、特別図柄表示部28に表示される図柄及び背景色を決定するために使用される。この特別図柄作成カウンタLC3のカウント値は、パチンコ機1のリセット時は「0」からスタートし、1割込毎(2ms毎)に「1」加算され「10」以上で0クリアされる。従って、特別図柄作成カウンタLC3のカウント値は「0」から「9」までのいずれかの値を取り、1周期は20msとなる。
デモ図柄作成カウンタLC4のカウント値は、デモ図柄表示画面30に大当たりが表示される場合には、大当たり図柄を決定するために使用される。また、リーチ動作を行う場合は、デモ図柄表示部D1、デモ図柄表示部D2に表示される図柄を決定するために使用される。さらに、はずれ表示の場合は、デモ図柄表示部D1に表示される第1停止図柄を決定するために使用される。このデモ図柄作成カウンタLC4のカウント値は、パチンコ機1のリセット時は「0」からスタートし、1割込毎(2ms毎)に「1」加算され「10」以上で0クリアされる。従って、デモ図柄作成カウンタLC4のカウント値は「0」から「9」までのいずれかの値を取り、1周期は20msとなる。
デモ図柄作成カウンタLC5のカウント値は、はずれの場合、デモ図柄表示部D2に表示される第2停止図柄を決定するために使用される。パチンコ機1のリセット時は「0」からスタートし、10割込毎(20ms毎、デモ図柄作成カウンタLC4の1周期毎)に「1」加算され「10」以上で0クリアされる。従って、デモ図柄作成カウンタLC5のカウント値は「0」から「9」までのいずれかの値を取り、1周期は、200msとなる。
デモ図柄作成カウンタLC6のカウント値は、はずれの場合、デモ図柄表示部D3に表示される第3停止図柄を決定するために使用される。パチンコ機1のリセット時は「0」からスタートし、100割込毎(200ms毎、デモ図柄作成カウンタLC5の1周期毎)に「1」加算され「10」以上で0クリアされる。従って、デモ図柄作成カウンタLC6のカウント値は「0」から「9」までのいずれかの値を取り、1周期は、2000msとなる。
リーチ判定カウンタLC7のカウント値は、はずれの場合にリーチ動作を行うかどうかを判定するために使用される。パチンコ機1のリセット時は「0」からスタートし、1割込毎(2ms毎)に「1」加算され「200」以上で0クリアされる。従って、リーチ判定カウンタLC7のカウント値は「0」から「199」までのいずれかの値を取り、1周期は、400msとなる。なお、リーチ判定カウンタLC7のカウント値が「20」から「39」までの間の場合には、リーチ動作が行われる。このリーチ動作では、デモ図柄表示部D1に停止表示される第1停止図柄(左図柄)と、デモ図柄表示部D2に停止表示される第2停止図柄(右図柄)とが同じ図柄となり、デモ図柄表示部D3の図柄が所定時間だけ変動表示され、結局、デモ図柄表示部D3に停止表示される第3停止図柄(中図柄)は、第1停止図柄および第2停止図柄とは異なる図柄が表示される。
リーチパターン決定カウンタLC8のカウント値は、リーチ動作を行うと判定された場合のリーチパターンを決定するために使用される。パチンコ機1のリセット時は「0」からスタートし、1割込毎(2ms毎)に「1」加算され「60」以上で0クリアされる。従って、リーチパターン決定カウンタLC8のカウント値は「0」から「59」までのいずれかの値を取り、リーチのパターンは60通りとなる。なお、1周期は、120msとなる。
デモ図柄変動時間カウンタLC9は、デモ図柄の変動時の変動時間や確定表示が行われる時間を計測するために使用されるタイマカウンタである。ROM53のデモ図柄変動時間テーブル記憶エリア53c(図5参照)に記憶されたデモ図柄変動時間テーブルに基づいて決定されたデモ図柄の変動時間などが経過したかどうかを計測するためのカウンタである。本実施の形態では、サブ統合基板58への高速変動状態の開始を指示する高速変動コマンド、低速変動状態の開始を指示する低速変動コマンド、および確定表示状態の開始を指示する全図柄停止コマンドの出力時に、それぞれ、高速変動時間、低速変動時間、および確定表示時間の終了のタイミングを計測するためのカウント値が、デモ図柄変動時間カウンタLC9の上限値としてセットされる。すなわち、同時には発生しない高速変動状態、低速変動状態、および確定表示状態のそれぞれの時間をカウントするのにデモ図柄変動時間カウンタLC9が利用される。ここで、低速変動時間はデモ図柄変動時間テーブルに基づいて決定される。また、確定表示時間は固定値である。カウント開始時は「0」よりスタートし、1割込(2ms)毎に「1」加算され、カウント値が上限値となることで前記各タイミングが計測される。例えば、デモ図柄変動時間テーブルに基づくデモ図柄の低速変動時間が10秒である場合、デモ図柄変動時間カウンタLC9の上限値には「5000」がセットされる。
次に、図8,図9を参照して、大当たり関係情報記憶エリア52eおよび普通当たり関係情報記憶エリア52cについて説明する。図8は、RAM52の大当たり関係情報記憶エリア52eを示す模式図である。図9は、RAM52の普通当たり関係情報記憶エリア52cを示す模式図である。
図8に示すように、大当たり関係情報記憶エリア52eには、特別図柄始動電動役物15への遊技球の入賞時に、大当たり判定用ループカウンタLC2、特別図柄作成カウンタLC3,デモ図柄作成カウンタLC4,LC5,LC6、リーチ判定カウンタLC7、リーチパターン決定カウンタLC8の各々のカウント値を乱数として取得して記憶できる記憶エリア1乃至記憶エリア4の4つの記憶エリアと、大当たりの判定処理を行うために記憶エリア1に記憶された各乱数をシフトして記憶する判定エリアが1つ設けられており、併せて5つの記憶エリアが設けられている。
また、図9に示すように、普通当たり関係情報記憶エリア52cには、普通図柄処理(図12参照)において、普通図柄始動ゲート12への遊技球の通過が確認された場合に、普通図柄選択用ループカウンタLC1のカウント値を乱数として取得して記憶できる記憶エリア1〜4の4つの記憶エリアと、普通図柄の当たりの判定処理を行うために記憶エリア1に記憶された乱数をシフトして記憶する判定エリアが1つ設けられており、合わせて5つの記憶エリアが設けられている。従って、普通図柄の作動保留数は4個まで記憶できることになる。
次に、図10及び図11を参照して、高確率図柄パターン記憶エリア52p及び通常確率図柄パターン記憶エリア52qについて説明する。図10は、RAM52の高確率図柄パターン記憶エリア52pを示す模式図であり、図11は、RAM52の通常確率図柄パターン記憶エリア52qを示す模式図である。図10に示すように、高確率図柄パターン記憶エリア52pには、各データの番号を示す値が予め記憶されているNO.カラム52p1、デモ図柄作成カウンタLC4の値が記憶されているLC4カラム52p2、図柄パターンの番号を示す値が記憶されるパターンNO.カラム52p3、パターンNO.カラム52p3に記憶された図柄パターンの確定デモ図柄を示すデータが記憶される確定デモ図柄カラム52p4が設けられている。大当たりの場合には、後述するデモ図柄処理の中で、取り込まれたデモ図柄作成カウンタLC4に基づいて確率変動遊技状態(高確率状態)とするかどうかが判定され、高確率状態とすると判定された場合に、この高確率図柄パターン記憶エリア52pにおいて、該当するデモ図柄作成カウンタLC4の値で検索がかけられ、LC4カラム52p2に記憶されたデモ図柄作成カウンタLC4の値に相当する図柄パターンがデモ図柄表示画面30に表示される。
また、図11に示すように、通常確率図柄パターン記憶エリア52qには、高確率図柄パターン記憶エリア52pと同様に、各データの番号を示す値が予め記憶されているNO.カラム52q1、デモ図柄作成カウンタLC4の値が記憶されているLC4カラム52q2、図柄パターンの番号を示す値が記憶されるパターンNO.カラム52q3、パターンNO.カラム52q3に記憶された図柄パターンの確定デモ図柄を示すデータが記憶される確定デモ図柄カラム52q4が設けられている。大当たりの場合に、後述するデモ図柄処理の中で、取り込まれたデモ図柄作成カウンタLC4に基づいて高確率状態にはしないと判定された場合に、デモ図柄作成カウンタLC4の値で検索がかけられ、LC4カラム52q2に記憶されたデモ図柄作成カウンタLC4の値に相当する図柄パターンがデモ図柄表示画面30に表示される。
尚、図10と図11に示すデータの内容は可変であり、図10と図11は初期設定の状態を示している。この初期設定では、高確率状態を示す図柄パターンは、「3」と「7」であり、残りの図柄パターンである「0」「1」「2」「4」「5」「6」「8」「9」はすべて通常確率図柄パターンに設定されている。
次に、本実施の形態のパチンコ機1の動作の詳細について、図12〜図15に示すフローチャートに従って説明する。図12は、メインルーチンのフローチャートである。図13は、特別図柄処理のフローチャートである。図14及び図15は、デモ図柄処理のフローチャートである。以下、フローチャートの各ステップについて「S」と略記する。
パチンコ機1のRAM52には、パチンコ機1の電源切断時にも記憶内容が保持されるように、バックアップ用のバッテリ(図示外)が接続されている。パチンコ機1の電源切断時にはRAM52のチェックサムの計算や例えばハッシュ関数によるパスワードの生成が行われ、次回電源投入時には、同様の処理を行って計算されたRAM52のチェックサムや生成されたパスワードとの同一性チェックが行われる。前回電源終了時との同一性が認められない場合、パチンコ機1のCPU51はROM53の初期設定記憶エリア53aに記憶された値を使用して、例えば、各カウンタのカウント値や各フラグのクリアを行うなど、パチンコ機1のリセットを行う。また、図示外のリセットボタンを押しながらパチンコ機1の電源が投入された場合にも、パチンコ機1のリセットが行われる。パチンコ機1のリセットが行われない場合には、RAM52の各記憶エリアの記憶値の状態が前回電源切断時と同じ状態に戻される、いわゆる復帰処理が行われ、その後、図示外の乱数初期値更新処理が繰り返し行われる。
図12に示すメインルーチンのフローチャートは、主基板41のCPU51が繰り返し行っている乱数初期値更新処理に対し、一定間隔の時間(本実施例では2ms)で、図4に示す割込信号発生回路57が発生する割込信号に同期して発生される割込みによって、実行が開始される。なお、図12に示すフローチャートの処理を行うプログラムは、図5に示すROM53の制御プログラム記憶エリア53bに記憶されている。
割込みによってメインルーチンの処理が開始されると、まず制御コマンドをサブ基板に出力するコマンド出力処理が行なわれる(S1)。このコマンド出力処理では、図柄表示基板44に特別図柄表示部28、デモ図柄表示画面30、普通図柄表示部24へ図柄を表示させるためのコマンド、音基板43にスピーカー48から効果音等を発音させるためのコマンド、電飾基板46にパチンコ機1に設けられている各種のランプの点滅の制御を行わせるコマンド等の制御コマンドが、I/Oインターフェース54を介してサブ統合基板58に出力される。具体的には、メインルーチンのS3以降の各処理にて、サブ統合基板58に対して出力させる制御コマンドに対応したフラグと、その制御コマンドの変数がRAM52のコマンド関係記憶エリア52mに記憶される。すると、メインルーチンの次の巡目のコマンド出力処理にて、これらのフラグに対応した制御コマンドがROM53の制御コマンドテーブル記憶エリア53dより選択され、その制御コマンドの変数とともにサブ統合基板58に出力される。
次に、各種入賞口への遊技球の入賞を検出するスイッチ読込処理が行われる(S3)。このスイッチ読込処理は、普通図柄始動ゲート12、特別図柄始動電動役物15、大入賞口16、普通入賞口20等への遊技球の入賞を検出するものである。具体的には、特別図柄始動電動役物15に設けられている始動口スイッチ72、普通図柄始動ゲート12に設けられている普通図柄作動スイッチ73、大入賞口16のVゾーンに設けられているVスイッチ74、大入賞口16に設けられているカウントスイッチ75、普通入賞口20等入賞口からの遊技球の入賞を検出する入賞口スイッチ76等の遊技球検出手段が遊技球の入賞を検出した場合に、RAM52の入賞球フラグ記憶エリア52bに各スイッチに対応したフラグが立つ。なお、スイッチ読込処理はメインルーチンの割込み間隔、すなわち2ms毎に実行されることになるので、遊技球が各スイッチを通過する速度を考慮すると遊技球の入賞が検出された次のスイッチ読込処理の際にも入賞が検出されてしまう。このため、これらのフラグは、例えばスイッチ読込処理の連続した3回の実行において「非検出」・「検出」・「検出」の状態となった場合に初めて成立されるようになっている。また、スイッチ読込処理の開始時には、入賞球フラグ記憶エリア52bの各フラグはリセットされる。
スイッチ読込処理が終了すると、次いで、ループカウンタ記憶エリア52aに記憶されているカウンタ値を更新するループカウンタ更新処理(S5)が行われる。このループカウンタ更新処理では、RAM52のループカウンタ記憶エリア52aに各々記憶されている普通図柄選択用ループカウンタLC1、大当たり判定用ループカウンタLC2、特別図柄作成カウンタLC3,デモ図柄作成カウンタLC4,LC5,LC6、リーチ判定カウンタLC7、リーチパターン決定カウンタLC8、デモ図柄変動時間カウンタLC9(図7参照)の各値が上記の所定量だけ増加(インクリメント)される。なお、カウンタLC1〜LC8の更新されたカウンタ値が各ループカウンタに設定されている最大値(上限値)を越える場合には、各ループカウンタの値は0クリアされ「0」に戻るようにプログラムされている。
ループカウンタ更新処理が終了すると、大当たり遊技の制御を行う特別電動役物処理が行われる(S7)。この特別電動役物処理では、大当たりである場合に、大入賞口16の開放やデモ図柄表示画面30に表示するデモ画面の制御等の処理が行われる。また、大当たりである場合には、次の大当たり確率を通常確率よりも高確率とする確率変動か否かを判定して、確率変動の場合には確率変動フラグを「ON」にセットし、通常状態の場合には確率変動フラグを「OFF」にセットして、RAM52の確率変動フラグ記憶エリア52hに記憶する。メインルーチンの1巡目の処理では、まだ大当たり判定がなされていないので、特別電動役物処理では何も行われない。
特別電動役物処理が終了すると、大当たりの判定を行ってその結果を特別図柄表示部28に表示する特別図柄処理が行われる(S9)。特別図柄処理では、特別図柄始動電動役物15に入賞した遊技球がある場合に、ループカウンタ記憶エリア52aに記憶されているカウンタ値を大当たり関係情報記憶エリア52eに取り込み、取り込んだカウンタ値が大当たりかどうかを判定して、特別図柄表示部28への表示態様を決定している。特別図柄処理の詳細については、図13のフローチャートを参照して後述する。メインルーチンの1巡目の処理では、まだ特別図柄始動電動役物15への入賞球はないので、特別図柄処理では何も行われない。
特別図柄処理が終了すると、大当たり関係情報記憶エリア52eに取り込まれたカウンタ値を参照してデモ図柄をデモ図柄表示画面30に表示させるデモ図柄処理(S11)が行われる。図13及び図14に示すフローチャートに従ってデモ図柄の変動の指示等が行われるが、このデモ図柄処理の詳細については後述する。メインルーチンの1巡目の処理では、まだ大当たり関係情報記憶エリア52eには何も記憶されていないので、デモ図柄処理では何も行われない。
デモ図柄処理が終了すると、普通図柄当たりとなった場合に特別図柄始動電動役物15を開成する普通電動役物処理が行われる(S13)。次のS15の普通図柄処理にて普通図柄当たりとなると、遊技球が特別図柄始動電動役物15へ入賞しやすくなるように、特別図柄始動電動役物15に設けられた一対の玉受部材(いわゆるチューリップ)の開成が行われる。メインルーチンの1巡目の処理では、まだ普通図柄の当たり判定が行われていないので、普通電動役物処理では何も行われない。
普通電動役物処理が終了すると、普通図柄始動ゲート12を遊技球が通過した場合に普通当たりを判定する普通図柄処理が行われる(S15)。普通図柄処理では、普通図柄始動ゲート12への遊技球の通過にともない、S3のスイッチ読込処理にて入賞球フラグ記憶エリア52bの普通図柄作動スイッチ73に対応したフラグが立つと、普通図柄選択用ループカウンタLC1のカウント値が、普通図柄乱数として、RAM52の普通当たり関係情報記憶エリア52cの記憶エリア1〜4に順次記憶される。そして判定エリアにシフトされた普通図柄乱数に基づいて表示図柄が選択され、普通図柄表示部24に図柄が停止表示される。
RAM52の普通当たり関係情報記憶エリア52cに記憶される普通図柄乱数は「0」から「255」までであるので、この普通図柄処理では、RAM52の普通当たり関係情報記憶エリア52cに記憶された普通図柄乱数が「0」から「63」の場合ははずれとなり、普通図柄表示部24にはずれ図柄である「−」が停止表示される。また、RAM52の普通当たり関係情報記憶エリア52cに記憶された普通図柄乱数が「64」から「255」の場合は、当たりとなり、普通図柄表示部24に、当たり図柄である「7」が停止表示されるようになっている。そして、当たり図柄が普通図柄表示部24に表示されたときには、前述したように、普通電動役物処理(S13)において特別図柄始動電動役物15の玉受部材の開成が行われる。なお、普通図柄始動ゲート12を遊技球が通過してからその遊技球にかかる特別図柄始動電動役物15の作動まで所定時間かかるが、その間に普通図柄始動ゲート12を他の遊技球が通過した場合でも、最大4つまで、普通図柄乱数が取得され、普通図柄の始動が保留される。メインルーチンの1巡目の処理では、まだ普通図柄始動ゲート12を通過した遊技球はないので、普通図柄処理では何も行われない。
普通図柄処理が終了すると賞品球の払い出しを行う払出処理が行われ(S17)、次いでエラーチェックが行われる(S19)。パチンコ機1にエラーが発生している場合には、表示装置8にエラー表示を行わせたり、電飾ランプ63にエラー時の点灯・点滅パターンを行わせたり、スピーカー48からエラー音を発音させたりするため、S1のコマンド出力処理にてサブ統合基板58にエラーコマンド出力させるためのフラグ(図示外)が立てられる。そして、情報出力処理が行われる(S21)。この情報出力処理では、図示外のホール管理用コンピュータにパチンコ機1の大当たり情報、始動情報、確率変動情報、時間短縮情報等の各種の情報が出力ポート55を介して出力される。
情報出力処理が終わるとメインルーチンの処理は終了する。そして、次の割込信号発生回路57からの割込信号に同期して発生される割込みによって、また最初からメインルーチンの処理が開始される。
例えば、遊技者が、遊技盤2の下側に設けられた発射ハンドル7を操作して遊技球を遊技領域4に打ち込み、遊技球が特別図柄始動電動役物15に入賞すると、メインルーチンのスイッチ読込処理(S3)において、遊技球の特別図柄始動電動役物15への入賞が検出され、入賞球フラグ記憶エリア52bの対応するフラグが「ON」となる。そして、特別図柄処理(S9)にて、大当たり関係情報記憶エリア52eにループカウンタLC2〜LC8までが取り込まれる。取り込まれたカウント値に基づいて、特別図柄表示部28への表示がなされ(S9)、デモ図柄の変動表示が開始される(S11)。取り込まれたカウント値により大当たり条件が成立したと判定されれば、RAM52の条件装置作動フラグ記憶エリア52gに「1」が記憶され、大当たりフラグが「ON」となる。デモ図柄の変動表示が終了した次の巡目の特別電動役物処理(S7)では、条件装置作動フラグ記憶エリア52gに「1」が記憶されていれば、大入賞口16の開放、閉鎖の動作が所定回数(例えば、15回や16回)開閉される大当たり遊技が開始される。そして、この大当たり遊技終了後には、条件装置作動フラグ記憶エリア52gに「0」が記憶される。また、デモ図柄表示処理では、カウント値が大当たりと判定される場合には、次の大当たりとなる当たり確率を通常よりも高確率にするかどうかをさらに判定し、高確率状態となる変動パターンと通常確率のままとなる変動パターンの中から選択して図柄を表示させる。以上概略説明した特別図柄処理とデモ図柄処理の詳細について、以下に説明する。
まず、メインルーチンのS9で行われる特別図柄処理について、図13のフローチャートを参照して説明する。特別図柄処理が開始されると、特別図柄始動電動役物15へ遊技球が入賞しているか否かを判断する(S101)。メインルーチンのスイッチ読込処理(図12、S3)において、特別図柄始動電動役物15に設けられている始動口スイッチ72が遊技球の入賞を検出した場合に、RAM52の入賞球フラグ記憶エリア52bの始動口スイッチ72に対応するフラグが立てられる。この始動口スイッチ72に対応するフラグが「ON」かどうかを確認し、「OFF」の場合には(S101:NO)、S109の処理にジャンプする。
入賞球フラグ記憶エリア52bの始動口スイッチ72に対応するフラグが立っている場合、すなわち特別図柄始動電動役物15に遊技球が入賞した場合(S101:YES)、保留数が「4」か否かを判断する(S103)。前述したように、パチンコ機1では、特別図柄の作動保留数は記憶エリア1〜4に対応する4個まで記憶され、それ以上の記憶は行われず破棄される仕様となっている。従って、特別図柄作動保留数記憶エリア52fの記憶値が「4」である場合は(S103:YES)、なにもせずにS109の処理にジャンプする。
作動保留数が「4」でない場合、すなわち「0」〜「3」のいずれかである場合(S103:NO)、特別図柄作動保留数記憶エリア52fの記憶値に「1」を加算する(S105)。そして、大当たり関係情報記憶エリア52eにループカウンタ記憶エリア52aのカウンタ値を取り込む乱数取得処理(S107)を行う。具体的には、大当たり関係情報記憶エリア52eの記憶エリア1〜4のうち、特別図柄作動保留数記憶エリア52fの記憶値に対応する番号の記憶エリアに、ループカウンタ記憶エリア52aに記憶されている大当たり判定用ループカウンタLC2、特別図柄作成カウンタLC3,デモ図柄作成カウンタLC4,LC5,LC6、リーチ判定カウンタLC7、リーチパターン決定カウンタLC8の各カウント値を取り込んで記憶させる。
乱数取得処理が終了すると、大当たり遊技中か否かを条件装置が作動中か否かを確認することにより判断する(S109)。具体的には、RAM52の条件装置作動フラグ記憶エリア52gに「1」が記憶されているか否かによって判断される。条件装置作動フラグが「ON」であれば(S109:YES)、大当たり遊技中であるため、特別図柄表示部への図柄の表示は行わないので、特別図柄処理を終了してメインルーチンに戻る。
条件装置作動フラグが「OFF」である場合(S109:NO)、特別図柄が変動中か否かを判断する(S111)。特別図柄が変動中の場合は(S111:YES)、既に入賞した遊技球についての大当たりの判定結果が報知中であり、これが終わるまでは次の入賞球についての処理は行わないので、変動が終了するタイミングかどうかを判断し(S113)、まだ特別図柄が変動を継続する場合には(S113:NO)、特別図柄処理を終了してメインルーチンにリターンする。変動が終了するタイミングであれば(S113:YES)、特別図柄停止コマンドをRAM52のコマンド関係記憶エリア52mに記憶させてセットする(S115)。これを受けて、次の巡目のメインルーチンでは、S1(図12)のコマンド出力処理で特別図柄停止コマンドがサブ統合基板58に出力される。S115が終了すると、特別図柄処理を終了してメインルーチンにリターンする。
特別図柄が変動中でない場合には(S111:NO)、大当たり判定を行なうため、まず、RAM52の大当たり関係情報記憶エリア52eの記憶エリア1に記憶された各値を判定エリアへシフトする(S117)。同様に、記憶エリア2〜4に記憶されている各値も一つずつ記憶エリアがシフトされる。すなわち、記憶エリア2の記憶値が記憶エリア1へ、記憶エリア3の記憶値が記憶エリア2へ、記憶エリア4の記憶値が記憶エリア3へ移動される。そして、記憶エリア4の各記憶値が0クリアされる。
そして、判定エリアに記憶されている大当たり判定用ループカウンタLC2の値を用いて、大当たりか否かの判断を行う(S119)。この大当たり判定処理では、判定エリアに記憶された大当たり判定用ループカウンタLC2の値が大当たりとして決められている特定の値であるか否かが判定される。大当たりとして決められている値は、通常確率状態では、特定の1つの値、例えば、「7」である。一方、確率変動フラグ記憶エリア52hに「1」が記憶されている(確率変動フラグが「ON」の場合)高確率状態では、複数の特定の値、例えば、「3」,「7」,「33」,「77」,「177」である。
大当たりと判定された場合には(S119:YES)、高速変動後、判定エリアに記憶された特別図柄作成カウンタLC3の値に基づいて、当たり図柄となる図柄と背景色の組み合わせを決定し、特別図柄表示部28に表示するように、コマンドをRAM52のコマンド関係記憶エリア52mに記憶させてセットする(S121)。大当たりと判定されなかった場合には(S119:NO)、判定エリアに記憶された特別図柄作成カウンタLC3の値に基づいてはずれ図柄となる図柄と背景色の組み合わせを決定し、高速変動後、特別図柄表示部28に表示するように、コマンドをRAM52のコマンド関係記憶エリア52mに記憶させてセットする(S123)。そして特別図柄作動保留数記憶エリア52fの記憶数を「1」減算する保留数減算処理が行われ(S125)、特別図柄処理を終了してメインルーチンにリターンする。
次に、図14及び図15を参照して、メインルーチンのS11で行われる、デモ図柄処理について説明する。デモ図柄処理では、特別図柄処理の中で大当たり関係情報記憶エリア52eに取り込まれ、大当たり関係情報記憶エリア52eの判定エリアに記憶されているループカウンタの値を用いて図柄を選択し、デモ図柄表示画面30に表示させる処理を行う。
まず、メインルーチンのS11でデモ図柄処理が開始されると、大当たり遊技中か否かを条件装置が作動中か否かを確認することにより判断する(S301)。具体的には、RAM52の条件装置作動フラグ記憶エリア52gに「1」が記憶されているか否かによって判断される。条件装置作動フラグが「ON」であれば(S301:YES)、大当たり遊技中であるため、デモ図柄表示画面30への図柄の表示は行わないので、デモ図柄処理を終了してメインルーチンに戻る。
条件装置作動フラグが「OFF」である場合(S301:NO)、デモ図柄が高速変動中か否かを判断する(S303)。ここでは、RAM52の状態フラグ記憶エリア52nに記憶された状態フラグの確認を行う。ある入賞球についてのデモ図柄の変動が行われる前は、状態フラグは非動作状態を示すフラグとなっているので(S303:NO)、次に、デモ図柄が低速変動中か否かを判断する(S309)。そして同様に状態フラグの確認を行い、状態フラグが低速変動状態を示していなければ(S309:NO)、デモ図柄が確定表示中か否かを判断する(S315)。さらに同様に状態フラグの確認を行った結果確定表示状態を示していなければ(S315:NO)、RAM52の大当たり関係情報記憶エリア52eの判定エリアに記憶されたデータがあるか否かを判断する(S329)。特別図柄処理において、RAM52の大当たり関係情報記憶エリア52eにループカウンタの値が取り込まれ(図13、S107)、判定エリアへのシフトがなされた結果(図13、S117)、判定エリアに値が記憶されている場合には(S329:YES)、これらの値に基づいて後述するようにデモ図柄の変動表示を行い、判定エリアに何も記憶されていなければ(S329:NO)、デモ図柄を表示すべきものはないとして、デモ図柄処理を終了し、メインルーチンに戻る。
判定エリアにループカウンタの値が記憶されている場合には(S329:YES)、その判定エリアに記憶されている大当たり判定用ループカウンタLC2の値を用いて、大当たりか否かの判定を行う(S341)。この大当たり判定処理では、特別図柄処理における大当たり判定処理(図13、S119)と同様に、判定エリアに記憶された大当たり判定用ループカウンタLC2の値が大当たりとして決められている特定の値であるか否かが判定される。大当たりとして決められている値は、通常確率状態では、特定の1つの値、例えば、「7」である。また、確率変動フラグ記憶エリア52hに「1」が記憶されている(確率変動フラグが「ON」の場合)高確率状態では、複数の特定の値、例えば、「3」,「7」,「33」,「77」,「177」である。
大当たりと判定された場合には(S341:YES)、判定エリアの大当たりフラグに「1」を記憶して「ON」とする(S343)。そして、この大当たりに基づく大当たり遊技が終了した後、次回の大当たりを判定するための確率を高確率状態にするかどうか、すなわち確率変動遊技状態とするかどうかを判断する(S345)。この判断は、具体的には、判定エリアに記憶されたデモ図柄作成カウンタLC4の値を用いて行う。デモ図柄作成カウンタLC4の値が「1」,「3」,「5」,「7」,「9」である場合には、高確率状態にすると判定する(S345:YES)。高確率状態にすると判定された場合には(S345:YES)、デモ図柄の確定表示図柄を、図10に示す高確率図柄パターン記憶エリア52pに記憶された高確率図柄パターンの中から選択する(S347)。具体的には、高確率図柄パターンのLC4カラム52p2の欄を上から順に検索し、判定エリアに記憶されたデモ図柄作成カウンタLC4の値と同一の値が記憶されている行の図柄パターンを選択する。本実施の形態の場合には、「3」と「7」が当初から高確率状態を示す図柄として指定されているので、デモ図柄作成カウンタLC4の値が「3」又は「7」の場合には、それぞれ図柄パターン「3」及び「7」が選択される。又、デモ図柄作成カウンタLC4の値が「1」,「5」,「9」の場合には、大当たりとなった時に該当するデモ図柄作成カウンタLC4の値の行に記憶されている図柄パターンが選択される。初期設定では、図10に示すように、これらの該当行には何も記憶されていないので、この場合には、1行目に戻って、図柄パターン「3」を選択する。
高確率状態にしない、通常状態にすると判定された場合には(S345:NO)、通常確率図柄パターン記憶エリア52qに記憶された通常図柄パターンの中から表示するデモ図柄のパターンを選択する(S349)。具体的には、図11に示す通常確率図柄パターンのLC4カラム52q2の欄を上から順に検索し、判定エリアに記憶されたデモ図柄作成カウンタLC4の値と同一の値が記憶されている行の図柄パターンを選択する。そして、その選択図柄を高確率図柄に変更する処理を行うが、その前に、高確率図柄パターンの数が5以上になっているかどうかを判断する(S351)。本実施の形態では、高確率図柄のパターンを最大5つまでになるように設定している。このため、高確率図柄パターン記憶エリア52pに記憶された図柄パターンの数が既に5以上になっている場合には(S351:YES)、変更済の図柄パターンのうち、最も古い図柄パターンを通常確率図柄パターン記憶エリア52qに書き戻す(S353)。具体的には、高確率図柄パターン記憶エリア52pのNO.カラム52p1の「3」の行に記憶されている図柄パターンを通常確率図柄パターン記憶エリア52qの最後尾のデータ位置に移動する。そして、高確率図柄パターン記憶エリア52pのNO.カラム52p1の「4」及び「5」の行に記憶されている図柄パターンをそれぞれ「3」、「4」の行にシフトする。次に、S349で選択した図柄パターンを高確率図柄パターン記憶エリア52pに移動する(S355)。具体的には、選択された図柄パターンを高確率図柄パターン記憶エリア52pのNO.カラム52p1の「5」の行に記憶し、その図柄パターンを通常確率図柄パターン記憶エリア52qから消去して、以後の行に入っているデータを1つずつ上の行にシフトする。高確率図柄パターン記憶エリア52pに記憶された図柄パターンの数が5よりも少ない場合には(S351:NO)、S349で選択した図柄パターンを高確率図柄パターン記憶エリア52pに移動する(S355)。具体的には、選択された図柄パターンを高確率図柄パターン記憶エリア52pの最後尾のデータ位置に記憶し、その図柄パターンを通常確率図柄パターン記憶エリア52qから消去して、以後の行に入っているデータを1つずつ上の行にシフトする。
以上の図柄パターンの変更処理の例を、図16〜図19を参照して説明する。図16及び図18は高確率図柄パターン記憶エリア52pを示す模式図であり、図17及び図19は、通常確率図柄パターン記憶エリア52qを示す模式図である。例えば、高確率図柄パターン記憶エリア52pが図16に示すような状態で、高確率図柄パターンとして「3」「7」「6」「1」が用意されており、通常確率図柄パターン記憶エリア52qが図17に示すような状態で、通常確率図柄パターンとして「0」「2」「4」「8」「5」「9」が用意されているとする。今、判定エリアのデモ図柄作成カウンタLC4の値が「2」であったとする。これは確率変動遊技状態に突入するための「1」,「3」,「5」,「7」,「9」の値の中に入っていないので、確率変動とはならず(S345:NO)、通常確率図柄パターン記憶エリア52qからLC4の値が「2」のデータを検索すると、図柄パターン「2」がヒットする(S349)。現在高確率図柄パターン記憶エリア52pに記憶されている高確率図柄パターンの数は4であるから(S351:NO)、そのまま高確率図柄パターン記憶エリア52pのNO.5のデータ位置に図柄パターン「2」を記憶し、通常確率図柄パターン記憶エリア52qから図柄パターン「2」を消去し、以後の行に入っているデータを1つずつ上の行にシフトする(S355)。ここまでの処理によって、高確率図柄パターンは図18に示す「3」「7」「6」「1」「2」となり、通常確率図柄パターンは図19に示す「0」「4」「8」「5」「9」となる。次に大当たりとなった際に、判定エリアのデモ図柄作成カウンタLC4の値が「9」であったとすると、確率変動となり、高確率図柄パターンからLC4の値が「9」のデータを検索すると、図柄パターン「2」がヒットする。そこで、この図柄パターン「2」を高確率図柄として選択する。このように処理を行うことにより、当初通常確率図柄であった図柄パターン「2」が、確率変動遊技状態に突入する高確率図柄となるために、確率変動遊技状態に突入するための確率が高まったかのように遊技者には見えるので、確率変動遊技状態へ突入する期待感が高まり、遊技を継続するインセンティブを与えることができる。
一方、S341において、大当たりと判定されなかった場合には(S341:NO)、リーチを行うか否かの判定が行われる(S357)。リーチを行うか否かは、判定エリアに記憶されているリーチ判定カウンタLC7の値に基づいて判断される。リーチ判定カウンタLC7の値は「0」〜「199」の間をとるが、この処理においては、判定エリアに記憶されているリーチ判定カウンタLC7の値が、あらかじめリーチを行うとして決められている範囲の値、例えば「20」〜「39」の範囲内の値であるか否かが判定され、「20」〜「39」の範囲内の値であれば、リーチを行うと判定する(S357:YES)。そして、リーチフラグを「ON」として、判定エリアに記憶する(S359)。また、大当たりと判定されている場合には(S341:YES)、必ずリーチを行うので、S343〜355の処理の後、同様に、リーチフラグを「ON」として、判定エリアに記憶する(S359)。そして、S361に進む。リーチを行わないと判定された場合には(S357:NO)、なにもせずにS361に進む。
次に、停止図柄整合処理を行う(S361)。デモ図柄表示画面30のデモ図柄表示部D1〜D3に表示する図柄は、大当たり関係情報記憶エリア52eの判定エリアに記憶された、デモ図柄作成カウンタLC4〜LC6の値に基づいて決定されるが、大当たり条件が成立していないのにLC4〜LC6が同値となってしまったり、リーチを行わないと判定されているのにLC4とLC5とが同値となってしまったりすることがある。これを防止するため、判定エリアに記憶されたリーチフラグが「OFF」の場合にLC4とLC5の値を比較し、同値であった場合にはLC5の記憶値に「1」を加算する。
また、判定エリアのリーチフラグが「ON」である場合には、デモ図柄作成カウンタLC5の記憶値が、デモ図柄作成カウンタLC4の記憶値で上書きされる。また、大当たりフラグが「ON」の場合には、さらに、S347又はS349で選択された図柄パターンに従って、デモ図柄作成カウンタLC4〜LC6の値が書き換えられる。
次に、デモ図柄の高速変動を開始するコマンドに対応するフラグをRAM52のコマンド関係記憶エリア52mに記憶させて、高速変動コマンドをセットする(S363)。さらに、例えば「2500」(5秒)を、デモ図柄変動時間カウンタLC9に、そのカウントの上限値としてセットする。このとき、デモ図柄変動時間カウンタLC9のカウント値はリセットされる。そして、状態フラグ記憶エリア52nの状態フラグを、高速変動状態を示すフラグにセットする。そして、デモ図柄処理を終了し、メインルーチンに戻る。
メインルーチンの次の巡目以降でも、デモ図柄変動時間カウンタLC9に上限値としてセットされた高速変動時間が経過しないうちは状態フラグ記憶エリア52nに高速変動状態を示すフラグがセットされている(S303:YES)。次いで、高速変動終了か否かを確認し(S305)、デモ図柄変動時間カウンタLC9のカウント値が上限値(高速変動時間)に達していない場合は(S305:NO)、デモ図柄処理を終了して、メインルーチンに戻り、デモ図柄の高速変動を継続する。そして、デモ図柄変動時間カウンタLC9のカウント値が上限値(高速変動時間)に達すると(S305:YES)、低速変動コマンドセットを行って(S307)、デモ図柄の低速変動を開始するコマンドに対応するフラグをRAM52のコマンド関係記憶エリア52mに記憶させる。その後、デモ図柄処理を終了してメインルーチンに戻る。
メインルーチンの次の巡目以降のデモ図柄処理では、状態フラグ記憶エリア52nの状態フラグが低速変動状態を示すフラグとなっているので(S309:YES)、低速変動終了か否かを確認し(S311)、デモ図柄変動時間カウンタLC9のカウント値が上限値(低速変動時間)に達していない場合は(S311:NO)、デモ図柄処理を終了して、メインルーチンに戻り、デモ図柄の低速変動を継続する。そして、デモ図柄変動時間カウンタLC9のカウント値が上限値(低速変動時間)に達すると(S311:YES)、全図柄停止コマンドセットを行って(S313)、デモ図柄の低速変動を停止するコマンドに対応するフラグをRAM52のコマンド関係記憶エリア52mに記憶させる。その後、デモ図柄処理を終了してメインルーチンに戻る。
メインルーチンの次の巡目以降のデモ図柄処理では、状態フラグ記憶エリア52nの状態フラグが確定表示状態を示すフラグとなっているので(S315:YES)、次に、確定表示終了か否かを確認し(S317)、デモ図柄変動時間カウンタLC9のカウント値が上限値(確定表示時間)に達していない場合は(S317:NO)、デモ図柄処理を終了して、メインルーチンに戻り、デモ図柄の確定表示を継続する。
そして、デモ図柄変動時間カウンタLC9のカウント値が上限値(確定表示時間)に達すると(S317:YES)、フラグリセットを行う(S319)。この処理では、RAM52の状態フラグ記憶エリア52nに記憶されたフラグのリセットを行う。さらに、状態フラグに非動作状態を示すフラグがセットされる。
次に、大当たりか否かの確認を行う(S321)。これは、大当たり関係情報記憶エリア52eの実行エリアを参照し、大当たりフラグが「OFF」であれば(S321:NO)デモ図柄処理を終了し、大当たりフラグが「ON」であれば(S321:YES)、条件装置作動フラグを「ON」として(S323)、RAM52の条件装置作動フラグ記憶エリア52gの記憶値を「1」にする。そして、大入賞口16を開放して(S325)、大入賞口開放フラグを「ON」して、大入賞口開放カウンタのカウント値を「1」に設定する(S327)。そして、デモ図柄処理を終了する。S323〜S327の処理を受けて、次の巡目の特別電動役物処理では、大当たり遊技状態へ移行し、大入賞口16の開放処理が行われる。
尚、図13に示す特別図柄処理のフローチャートのS107において乱数取得処理を実行するCPU51が、本発明における「抽選手段」として機能し、S119おいて大当たり判断処理を実行するCPU51が、本発明における「当たり判定手段」として機能する。また、図15に示すデモ図柄処理のフローチャートのS345において確率変動判定処理を実行するCPU51が、本発明における「確率判定手段」として機能する。さらに、RAM52の高確率図柄パターン記憶エリア52p及び通常確率図柄パターン記憶エリア52qが、本発明の「記憶手段」に相当する。また、図15に示すデモ図柄処理のフローチャートのS355において通常図柄を高確率図柄に変更する処理を行なうCPU51が、本発明における「報知態様変更手段」として機能する。さらに、図15に示すデモ図柄処理のフローチャートのS353において変更済図柄を通常図柄に戻す処理を行なうCPU51が、本発明における「報知態様変更終了手段」として機能する。
以上説明したように、本実施形態のパチンコ機1によれば、確率変動遊技状態への抽選の判定結果を示す図柄パターンを、通常確率図柄パターンと高確率図柄パターンの2種類用意し、ある図柄パターンを通常確率図柄パターンから高確率図柄パターンへ変更することができる。さらに、1度通常確率図柄として表示された図柄パターンを、その表示以降は高確率図柄パターンに変更するため、あたかも高確率状態となる確率が高まったかのように見え、確率変動遊技状態へ突入する期待感が高まり、遊技を継続するインセンティブを与えることができる。
尚、上記実施の形態では、図15のS349で選択された通常図柄をS355においてそのまま高確率図柄に変更するように処理しているが、その通常図柄を高確率図柄に変更するか否かを決定するための抽選を行なうように構成してもよい。例えば、LC4の値が「2」と「4」ならその図柄を変更する等のようにすることができる。また、通常確率図柄パターン記憶エリア52qに記憶されている図柄パターンの中からランダムに選択して、高確率図柄パターン記憶エリア52pに移動させてもよい。また、図15のS353では、最も古い変更済図柄パターンを通常図柄に戻すように処理しているが、戻す図柄パターンの数を1ではなく、複数にしてもよい。さらに、高確率図柄パターンの数が例えば7になった時点で初期設定に戻るように処理してもよい。