JP2009213336A - モータ制御装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】モータ1の回転数が高い高回転数領域で所定の第1電圧振幅を矩形波により前記モータに印加する矩形波電圧制御手段43と、前記高回転数領域よりもモータの回転数が低い低回転数領域で、dq軸電流制御における最大効率制御を行う、目標トルクに応じて前記第1電圧振幅よりも小さい電圧振幅をパルス幅変調により前記モータに印加するPWM電圧制御手段41と、を具えたモータ制御装置において、dq軸電流制御における弱め磁束制御の電圧振幅よりも大きい制限電圧振幅を前記モータに印加する電圧振幅制限制御手段42を設け、前記矩形波電圧制御手段による高回転数領域と前記PWM電圧制御手段による低回転数領域との間の中間回転数領域において、電圧振幅制限制御を行う。
【選択図】図1
Description
モータの回転数が高い高回転数領域で所定の第1電圧振幅を矩形波により前記モータに印加する矩形波電圧制御手段と、前記高回転数領域よりもモータの回転数が低い低回転数領域で、dq軸電流制御における最大効率制御を行う、目標トルクに応じて前記第1電圧振幅よりも小さい電圧振幅をパルス幅変調により前記モータに印加するPWM電圧制御手段と、を具えることを前提とする。
そして、dq軸電流制御における弱め磁束制御の電圧振幅よりも大きい制限電圧振幅を前記モータに印加する電圧振幅制限制御手段を設け、前記矩形波電圧制御手段による高回転数領域と前記PWM電圧制御手段による低回転数領域との間の中間回転数領域において、電圧振幅制限制御を行うことを特徴としたものである。
図1は本発明の一実施例になるモータ制御装置を具えたモータおよびインバータの全体構成を示すブロック図であり、ハイブリッド自動車ないし電気自動車の駆動系の一部として好適なものである。図示しない車輪を駆動する3相交流モータ1はインバータ2と電気的に接続する。インバータ2は直流電源であるバッテリ3と電気的に接続する。インバータ2はバッテリ3の直流電圧を交流電圧に変換し、この交流電圧をモータ1の図示しない駆動用コイルに印加する。インバータ2は、モータ1の目標トルクおよび回転数に応じて、この交流電圧の波形および電圧振幅を適宜、生成する。このためインバータ2は、コントローラ4によって制御される。コントローラ4はインバータ2にスイッチング指令を与えて、インバータ2内部に設けた複数のスイッチング素子をオンオフ制御する。
ω=dθ/dt
θ’=θ+(dθ/dt)・Δt
但し、Δt[s]=進み補償時間である。
なお、任意電圧制御における電圧ベクトルは、理論上の上限値vdc/√2以下である。
この制御の主な点は、上述した任意電圧制御41のように、先にdq軸電圧指令値vd[V]、vq[V]を求める結果として、電圧振幅が任意に決まるものではない。つまり、電圧振幅に制限をかけて先に電圧振幅(電圧ベクトル絶対値va)を決定することにある。
T=p×{Φa×iq+(Ld−Lq)×id×iq}
但し、p:モータ1の極対数、Φa:モータ1内部の磁石磁束[wb]、Ld:d軸インダクタンス[H]、Lq:q軸インダクタンス[H]
磁石磁束Φa、d軸インダクタンスLd、およびq軸インダクタンスLqは固定値としてもよいし、d軸電流値idおよびq軸電流値iqからマップまたはテーブルを参照して求めてもよい。
また、トルク検出値Tを、以下の数6に基づき電力から算出してもよい。
電力損失Plossは、dq軸電流値id、iq、後述するdq軸電圧指令値vd、vqから数式に基づき算出するか、マップまたはテーブルを参照して求める。
ω=dθ/dt
va=√(vd2+vq2) である。
ここで求めた電圧ベクトル絶対値vaは、前述した任意電圧制御41の非干渉制御部105によって算出すれば得られるであろうdq軸電圧指令値vd、vq に係る電圧ベクトル絶対値よりも小さくなるよう制限された電圧振幅である。ここで、任意電圧制御は、dq軸電流制御の最大効率(最小電流最大トルク)制御のことを意味する。
つまり前述した任意電圧制御41では、電圧ベクトル絶対値を直接に求めることなくdq軸電圧指令値vd、vqを個々に算出することから、結果として電圧ベクトル絶対値√(vd2+vq2)が任意に定まる。これに対し、電圧振幅制限制御42では、まず電圧ベクトル絶対値vaを求め、次にこの電圧ベクトル絶対値vaに基づきdq軸電圧指令値vd、vqを算出することから、電圧ベクトル絶対値vaは任意に定まるものではない。
θ’=θ+(dθ/dt)・Δt
但し、Δt[s]=進み補償時間である。
なお、電圧振幅制限制御における電圧ベクトルは、理論上vdc/√2〜√6/π*Vdcである。
この第2実施例も電圧振幅(電圧ベクトル絶対値va)を求める。またq軸電流制御を行う。
第1座標変換部210は、前述した第1座標変換部201と略同様であり、回転子位相θ、三相電流値であるU相電流iuおよびV相電流ivから、前述の数1に基づき、q軸電流値iq[A]を算出する。
この第3実施例も電圧振幅(電圧ベクトル絶対値va)を求める。また、電流を制御せずに電圧位相角αを操作する。
va=√(vd2+vq2) である。
この第4実施例も電圧振幅(電圧ベクトル絶対値va)を求める。また目標トルクおよびトルク検出値からd軸電圧指令値vdを求め、次にq軸電圧指令値vqを求める。
vq=√(va2−vd2)
この第5実施例も電圧振幅(電圧ベクトル絶対値va)を求める。またq軸電流目標値およびq軸電流値からd軸電圧指令値vdを求め、次にq軸電圧指令値vqを求める。
この第6実施例も電圧振幅(電圧ベクトル絶対値va)を求める。また、電流を制御せずにd軸電圧指令値を操作する。
この第7実施例も電圧振幅(電圧ベクトル絶対値va)を求める。この電圧振幅は前述した任意電圧制御41のようにdq軸電圧指令値vd、vqから求まる値ではなく、制限された値である。また目標トルクおよびトルク検出値からq軸電圧指令値vqを求め、次にd軸電圧指令値vdを求める。
vd=−√(va2−vq2)
この第8実施例も電圧振幅(電圧ベクトル絶対値va)を求める。この電圧振幅は前述した任意電圧制御41のようにdq軸電圧指令値vd、vqから求まる値ではなく、制限された値である。またq軸電流目標値およびq軸電流値からq軸電圧指令値vqを求め、次にd軸電圧指令値vdを求める。
この第9実施例も電圧振幅(電圧ベクトル絶対値va)を求める。また、電流を制御せずにq軸電圧指令値を操作する。
T=p×{Φa×iq+(Ld−Lq)×id×iq}
但し、p:モータ1の極対数、Φa:モータ1内部の磁石磁束[wb]、Ld:d軸インダクタンス[H]、Lq:q軸インダクタンス[H]
磁石磁束Φa、d軸インダクタンスLd、およびq軸インダクタンスLqは固定値としてもよいし、d軸電流値idおよびq軸電流値iqからマップまたはテーブルを参照して求めてもよい。
また、トルク検出値Tを、前述した数6に基づき電力から算出してもよい。
ω=dθ/dt
選択部44は、任意電圧制御41を選択中モータ1に印加する電圧ベクトルの絶対値、つまりモータ1に印加する電圧振幅が所定値vth以上になると、選択対象を電圧振幅制限制御42に切り替える。
vth=vdc/√2
なお、電圧振幅(電圧ベクトルの絶対値)は前述したdq軸電圧指令値vd、vqから求めることができる。
電圧振幅制限制御42を選択中、dq軸平面上で表される電流ベクトルが図16に示す太線に達すると、選択対象を任意電圧制御41に切り替える。この電流ベクトルは前述した図3・図6等に示す実施例で算出するd軸電流値id、q軸電流値iqに相当する。
図16中、太線上は任意電圧制御を示し、正弦波電流による最大効率制御である。また太線よりもd軸電流id左方(idマイナス側)のハッチング領域は電圧振幅制限制御および矩形波制御を示す。図16中、細線で示す矢は電流ベクトルの一例である。この電流ベクトルはハッチング領域にあることから、選択対象は任意電圧制御41に切り替わる前の状態である。
なお、図16のハッチング領域において、トルクTがプラスのときはq軸電流iqもプラスとなり、また、トルクTがマイナスのときはq軸電流iqもマイナスとなる。このハッチング領域は図17のように書き改めることができる。
図17中、縦軸はモータ1の図示しない駆動用コイルを流れる交流電流の電流振幅iaを示す。電流振幅ia[A]は下式で表される。
ia=√(id2+iq2)
d軸電流値idおよびq軸電流値iqは第1座標変換部201等によって算出する。
また図17中、横軸はトルクTを示す。トルクTはトルク指令値T*を用いる。
図17に示す太線は任意電圧制御を示し、正弦波電流による最大効率制御である。電圧振幅制限制御および矩形波制御を行うのは図17に示す太線よりも縦軸上方(電流プラス側)のハッチング領域である。
図18中、縦軸は電流位相角βを示す。尚、この電流位相角βはq軸と電流ベクトルとのなす角であり、β=tan―1(−id/iq)として算出される。
また図18中、横軸はトルクTを示す。トルクTはトルク指令値T*を用いる。図18に示す太線は任意電圧制御を示し、正弦波電流による最大効率制御である。電圧振幅制限制御および矩形波制御を行うのは図18に示す太線に挟まれたハッチング領域である。このハッチング領域は、トルクTが正であるとき電流位相角βが太線を超える値であり、トルクTが負であるとき電流位相角βが太線未満かつ0以上の値である。
予め、モータ1の回転数、モータ1の目標トルク、またはバッテリ3の直流電圧のいずれか1について閾値を規定しておく。電圧振幅制限制御42を選択中に回転数、目標トルク、または直流電圧が閾値に達すると、選択対象を矩形波制御43に切り替える。また逆の場合、すなわち矩形波制御43を選択中に回転数、目標トルク、または直流電圧が上記の閾値に達すると、選択対象を電圧振幅制限制御42に切り替える。
va=√6×vdc/π
したがって、矩形波制御43において、変調率aは以下の数18のように導かれる。
このことから電圧振幅制限制御42を選択中は回転数が高くなるほど、変調率aも1.1に向けて上昇させる。
したがって、前述した任意電圧制御41から電圧振幅制限制御42に切り替える条件では、閾値ath=1であり、電圧振幅制限制御42から矩形波制御43に切り替える条件では、a=1.1である。また、逆に切り替える条件の閾値athも同様である。
図20は、モータ1の回転数ωを横軸に表しトルクTを縦軸に表した座標平面で、任意電圧制御と、電圧振幅制限制御と、矩形波制御とを分類した選択ロジックの説明図である。回転数ωの低い低回転数領域Iでは、選択部44が任意電圧制御41を選択し、コントローラ4はPWM制御に基づくスイッチング指令をインバータ2に出力する。これにより低回転数領域Iでインバータ2は、目標トルクに応じた電圧振幅の正弦波交流電圧をモータ1に印加することができ、エネルギー効率の高い運転を実現することができる。
図21のタイムチャートはモータ回転数ωを上昇させながら走行する場合を示す。まず、瞬時t1以前は、任意電圧制御41によるスイッチング指令をインバータ2に与える。この任意電圧制御中、電流振幅は一定であり、電圧振幅vaは上昇する。
T*に最も適合する電圧振幅よりも小さい制限電圧振幅を前記モータ1に印加する電圧振幅制限制御42を行う。
PWMによる電圧振幅制限制御42が電圧を印加中に検出した高調波成分または消費電力リップル量が目標値になるよう、制限電圧振幅vaを変化させてもよい。これによっても電圧振幅制限制御42から矩形波制御43に、あるいは電圧振幅制限制御42から任意電圧制御41にエネルギー効率上最適に切り替えることができる。さらに、切り替えに伴うモータトルクの負所望な変動も生じることがない。
矩形波制御43による電圧印加中に検出した高調波成分または消費電力リップル量が所定値に達したとき、矩形波制御43による当該電圧印加を終了し、PWMによる電圧振幅制限制御42でモータ1に対する制限電圧振幅vaの印加を開始するよう、選択部44が切り替えてもよい。これによっても上述したエネルギー効率上最適な切り替えを具体的に実現することができる。
2 インバータ
3 バッテリ直流電源
4 コントローラ
5 モータ電流検出センサ
6 レゾルバ
7 バッテリ直流電圧検出センサ
8 エンジン回転数センサ
41 任意電圧制御
42 電圧振幅制限制御
43 矩形波制御
44 選択部
Claims (9)
- モータの回転数が高い高回転数領域で所定の第1電圧振幅を矩形波により前記モータに印加する矩形波電圧制御手段と、
前記高回転数領域よりもモータの回転数が低い低回転数領域で、dq軸電流制御における最大効率制御を行う、目標トルクに応じて前記第1電圧振幅よりも小さい電圧振幅をパルス幅変調により前記モータに印加するPWM電圧制御手段と、を具えたモータ制御装置において、
dq軸電流制御における弱め磁束制御の電圧振幅よりも大きい制限電圧振幅を前記モータに印加する電圧振幅制限制御手段を設け、前記矩形波電圧制御手段による高回転数領域と前記PWM電圧制御手段による低回転数領域との間の中間回転数領域において、電圧振幅制限制御を行うことを特徴とするモータ制御装置。 - 請求項1に記載のモータ制御装置において、
前記PWM電圧制御手段による電圧印加中に、電圧振幅が所定の第2電圧振幅以上になる場合には、前記電圧振幅制限制御を行うことを特徴とするモータ制御装置。 - 請求項1または2に記載のモータ制御装置において、
該モータに流れるd軸q軸平面上の電流ベクトルを監視する電流ベクトル監視手段と、
該電流ベクトルがd軸q軸平面上の所定の領域にあるか否かを判断する電流ベクトル判断手段とを具え、
前記電流ベクトル判断手段が前記所定の領域にあると判断した場合に、前記PWM電圧制御手段は前記電圧振幅制限制御を行うことを特徴とするモータ制御装置。 - 請求項1または2に記載のモータ制御装置において、
モータを流れる電流の電流振幅がモータのトルクに関連づけられる閾値を超えるか否かを判断する電圧振幅判断手段を具え、
該電圧振幅判断手段が前記閾値を超えると判断した場合に、前記PWM電圧制御手段は前記電圧振幅制限制御を行うことを特徴とするモータ制御装置。 - 請求項1または2に記載のモータ制御装置において、
モータを流れる電流の電流位相角を監視する電流位相監視手段と、
該電流位相角がモータのトルクに関連づけられる閾値を満足するか否かを判断する電流位相判断手段とを具え、
該電流位相判断手段が前記閾値を満足すると判断した場合に、前記PWM電圧制御手段は前記電圧振幅制限制御を行うことを特徴とするモータ制御装置。 - 請求項1〜5のいずれか1項に記載のモータ制御装置において、
前記電圧振幅制限制御による電圧印加中に前記PWM電圧制御手段は、モータの回転数、モータの目標トルク、または前記PWM電圧制御手段の電源の直流電圧のいずれかに応じて前記制限電圧振幅を変化させることを特徴とするモータ制御装置。 - 請求項1〜5のいずれか1項に記載のモータ制御装置において、
モータを流れる電流の高調波成分またはモータの消費電力リップル量を検出するモータ状態検出手段を具え、
前記電圧振幅制限制御による電圧印加中に前記PWM電圧制御手段は、検出した高調波成分または消費電力リップル量が目標値になるよう、前記制限電圧振幅を変化させることを特徴とするモータ制御装置。 - 請求項6または7に記載のモータ制御装置において、
前記電圧振幅制限制御による電圧印加中に前記制限電圧振幅が前記第1電圧振幅に達したとき、前記PWM電圧制御手段による当該電圧印加を終了し、前記矩形波電圧制御手段が前記モータに電圧印加を開始することを特徴とするモータ制御装置。 - 請求項1〜8のいずれか1項に記載のモータ制御装置において、
モータを流れる電流の高調波成分またはモータの消費電力リップル量を検出するモータ状態検出手段を具え、
前記矩形波電圧制御手段による電圧印加中に検出した高調波成分または消費電力リップル量が所定値に達したとき、前記矩形波電圧制御手段による当該電圧印加を終了し、前記PWM電圧制御手段が前記モータに対する前記制限電圧振幅の印加を開始することを特徴とするモータ制御装置。
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