JP2009210738A - 液体光学素子の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】より高い光透過性能が得られる液体光学素子の製造方法を提供する。
【解決手段】液体光学素子1は、以下のようにして形成される。まず、下部基板11上の下部電極12を覆うように疎水性絶縁膜13を形成したのち、その表面を親水化する親水化処理を行う。そののち、親水化処理された疎水性絶縁膜の表面に、この絶縁膜上のセル領域を取り囲むように立設する隔壁14を形成する。ここで、隔壁14の表面を親水化する親水化処理を行う。さらに、下部電極12と対向するように、上部電極17が形成された上部基板18を配置すると共に、疎水性絶縁膜13と上部電極17との間に、互いに分離された状態を保つ極性液体16および無極性液体15を封入する。
【選択図】図1

Description

本発明は、一対の電極間に無極性液体および極性液体を封入し、一対の電極間に電圧を印加することで透過光量が変化する液体光学素子の製造方法に関する。
従来、静電的な濡れ性を制御することで液体の変形および変位を発生させ、その現象により所望の効果を得るエレクトロウェッティング技術が知られており、様々な分野での応用が検討されている。
エレクトロウェッティング技術を応用したものとしては、例えば、画像表示装置に搭載され、屈折率調整や光量制御などの光学的作用を発現する液体光学素子が挙げられる(例えば特許文献1参照)。
特開2006−267386号公報
一般的に、このような液体光学素子では、疎水性の絶縁膜に覆われた一対の電極間に、極性液体(例えば水)と無極性液体(例えばシリコンオイル)とを挟み、それらに電圧を印加することで極性液体および無極性液体を変形させ、透過光量(透過光の強度)を制御するようにしている。
図23に、従来の一般的な液体光学素子110の構成および動作を説明するための概略図を表す。液体光学素子110は、下部電極112が設けられた下部基板111と、上部電極117が設けられた上部基板118とが側壁119によって支持されて、無極性液体115および極性液体116を挟むように対向配置されたものである。下部電極112は疎水性絶縁膜113によって覆われており、その疎水性絶縁膜113に立設する隔壁114によってセル領域Zが画定されるようになっている。無極性液体115は、例えば黒色顔料を含むことで遮光性を有しており、セル領域Zの内部に収まっている。また、下部電極112および上部電極117は、スイッチ121および電源122を有する制御部120と接続されており、疎水性絶縁膜113に対して電圧を印加するようになっている。ここで、疎水性絶縁膜113は極性液体116よりも無極性液体115に対して親和性を呈するものである。一方、隔壁114は無極性液体115よりも極性液体116に対して親和性を呈するものが好ましい。このような液体光学素子110では、図23(A)に示したように、下部電極112と上部電極117との間に電圧を印加しない状態においては、無極性液体115がセル領域Z全体に亘って広がるので入射光Linがほとんど反対側に透過せず、射出光がほとんど射出されない状態(いわゆる黒表示状態)となる。一方、下部電極112と上部電極117との間に所定の電圧を印加した状態においては、図23(B)に示したように、無極性液体115がセル領域Zの一部の領域αに集まるので、領域αへの入射光L1inが遮断されるもののそれ以外の領域βへ入射する入射光L2inは反対側に透過し、射出光L2outとして射出する状態(いわゆる白表示状態)となる。
こうした液体光学素子では、無極性液体115の形状や大きさを高精度かつ、再現性良く制御することが所望の透過光量を得るために重要な要素となる。しかしながら、隔壁114を構成する材料として一般的に使用されるものは、疎水性絶縁膜113を構成する材料との密着性が弱く、隔壁114を高精度に、かつ再現性良くパターニングすることが困難であり、結果として、形成された隔壁114の一部が欠けたり、セル領域Zを区画する輪郭に意図せぬ凹凸が生じたりすることが多かった。これは、疎水性絶縁膜113および隔壁114が、極性液体116および無極性液体115に対して互いに相反する親和性を示すことに起因すると考えられる。このため、製造工程における歩留まりの低下を招くうえ、仮に隔壁114の形成を行うことができたとしても、使用時において無極性液体115の形状や大きさが不安定となり、電圧印加操作に対する応答性の劣化や印加電圧に対する透過光量のばらつきが増大するなどの問題が生ずる可能性が高い。
本発明はかかる問題点に鑑みてなされたもので、その目的は、簡素な構成でありながら、より高い光透過性能が得られる液体光学素子を高精度かつ容易に製造する方法を提供することにある。
本発明の液体光学素子の製造方法は、以下の(1)〜(5)の各工程を全て含むようにしたものである。
(1)第1の電極を用意し、その第1の電極を覆うように絶縁膜を形成する工程
(2)絶縁膜の表面を親水化する親水化処理を行う工程
(3)親水化処理された絶縁膜の表面に、この絶縁膜上の領域を取り囲むように立設する壁構造体を形成する工程
(4)第1の電極の、前記絶縁膜の側に第2の電極を対向配置する工程
(5)絶縁膜と第2の電極との間に、互いに分離された状態を保つ、一方が透明で他方が不透明の極性液体および無極性液体を封入する工程
ここでいう親水化処理とは、絶縁膜における無電界下での壁構造体に対する親和性が高まるようにその表面を改質する処理をいい、例えば絶縁膜の表面への紫外線照射、酸素プラズマ照射、またはレーザ照射を行う処理である。
本発明の液体光学素子の製造方法では、壁構造体を形成する前に、絶縁膜の表面を親水化するようにしたので、親水化処理を行わない場合と比べて絶縁膜と壁構造体との密着性が高まる。特に、壁構造体が配置される領域のみを選択的に親水化すると共に、その親水化処理がなされた領域に壁構造体を形成するようにするとよい。
本発明の液体光学素子の製造方法によれば、第1の電極を覆う絶縁膜の表面を親水化処理したのち、この絶縁膜上の領域を取り囲むように立設する壁構造体を形成するようにしたので、絶縁膜と強固な密着性を有し、かつ高精度なパターン形状を有する壁構造体を再現性良く形成することができる。したがって、第1および第2の電極間への印加電圧を調整することで高精度な透過光量の調整を行うことができる液体光学素子を、効率よく製造することができる。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。
図1は、本発明における一実施の形態としての液体光学素子10の全体構成を表す断面図であり、図2は、液体光学素子10の全体構成を表す平面図である。なお、図1は、図2に示したI−I切断線に沿った矢視方向の断面を示している。また、図2では、後述する疎水性絶縁膜13、無極性液体15、極性液体16、上部電極17、上部基板18、側壁19などの各構成要素についての図示を省略している。液体光学素子10は、制御部20と接続され、静電的な濡れ性を制御することで内包する極性液体16(後出)の変形および変位を発生させ、その現象によって自らを透過する透過光の光量を制御する、いわゆるエレクトロウェッティング素子である。液体光学素子10は、複数のセル領域Zがアレイ状に配置されたものである。なお、図2では9つのセル領域Zを表しているが、その数はこれに限定されない。図2に示したように、各セル領域Zは、例えば正方形をなしている。
液体光学素子10は、下部基板11と、この下部基板11に選択的に設けられた下部電極12と、下部基板11、下部電極12を覆う疎水性絶縁膜13と、隔壁14と、無極性液体15と、極性液体16と、上部電極17と、上部基板18と、側壁19とを有している。一方、制御部20は、電源21と、スイッチ部22とを有している。
下部基板11および上部基板18は、側壁19によって支持されて対向するように配置され、例えばガラスや透明な樹脂など、可視光を透過する透明な絶縁材料によって構成される。使用可能な樹脂としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリアミド(PA)、ポリサルフォン(PS)、ポリエーテルサルフォン(PES)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリフェニレンサルファイド(PPS)、ポリカーボネート(PC)、ポリイミド(PI)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、ポリスチレン等の高分子材料が挙げられる。より具体的には、下部基板11および上部基板18として、ポリイミド基板(例えば、三菱ガス化学製商品名「ネオプリムL」、耐熱温度:285℃、光透過率90%(厚さ100μm))、フッ素樹脂基板(耐熱温度:250℃)、ポリエーテルスルホン基板(例えば、住友ベークライト株式会社製商品名「スミライトFS」、耐熱温度:180℃、光透過率88%(厚さ550nm))、ポリエチレンナフタレート基板(耐熱温度:160℃)、ポリエチレンテレフタレート基板(耐熱温度:140℃)を用いることができる。
下部基板11には、各セル領域Zに駆動素子(薄膜トランジスタなど)41が設けられていると共に、それらの駆動素子41を個別に駆動させるための信号を伝達する、制御部20と接続された図示しない信号線対(例えばゲート線およびデータ線)が設けられている。なお、駆動素子41や信号線対は、下部基板11とは別の基板に設けるようにしてもよい。
下部電極12および上部電極17は、例えば酸化インジウム(In2 3 )や酸化亜鉛(SnO2 )、あるいは、In2 3とSnO2との混合物である酸化インジウム錫(ITO:Indium Tin Oxide)などの透明な導電材料によって構成される。また、In2 3 ,SnO2もしくはITOからなる膜に、錫(Sn)、アンチモン(Sb)もしくはフッ素(F)などをドープしてもよい。その他、酸化マグネシウム(MgO)や酸化亜鉛(ZnO)なども適用できる。さらには、ZnOにアルミニウム(Al)をドープしたAZO膜、ZnOにガリウム(Ga)をドープしたGZO膜、ZnOにインジウムをドープしたものなども適用可能である。
下部電極12は駆動素子41の一端と接続されると共に、上部電極17は一定の電位に保たれている。すなわち、後述するように、制御部20によって下部電極12と上部電極17との間にセル領域Zごとに電圧を印加することで、セル領域Zごとに外部からの入射光の透過量を制御することができるようになっている。下部電極12はセル領域Zごとに複数に分割して配置され、互いに絶縁されている。下部電極12はセル領域Zの全面に亘って延在していることが望ましい。
疎水性絶縁膜13は、極性液体16に対して疎水性(撥水性)を示す(例えば水に対する接触角が10°以上であるとよい)、より厳密には無電界下において極性液体16よりも無極性液体15に対して親和性を示すと共に、電気的絶縁性に優れた性質を有する材料によって構成される。疎水性絶縁膜13の膜厚は、絶縁強度の観点からは厚い方が好ましく、誘電率を大きくする観点からは薄い方が好ましい。疎水性絶縁膜13を設けることで、無極性液体15の移動(変位)に要する電圧が低くなると共に駆動速度が速まるうえ、上部電極17と下部電極12とが構造的に絶縁することにより高電圧をかけても極性液体16の分解反応が生じないなどの利点が得られる。なお、下部電極12と上部電極17との電気的絶縁性をより高めることを目的として、下部電極12と疎水性絶縁膜13との間に例えばスピン・オン・グラス(SOG)などからなる他の絶縁膜を設けるようにしてもよい。
疎水性絶縁膜13の構成材料としては、フルオロアルキル系高分子によって形成されるものが好適である。フルオロアルキル系高分子の具体例としては、例えば化1に示した1,1,2,4,4,5,5,6,7,7−デカフルオロ−3−オキサ−1,6−ヘプタジエンのほか、化2および化3に示したビニリデンフッ素共重合体、化4に示したヘキサフルオロイソブチレン含有高分子、化5に示したエチレン共重合体、または化6に示したパーフルオロジメチルジオキソール共重合体が挙げられる。
Figure 2009210738
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疎水性絶縁膜13は、その表面が親水化処理されたものである。親水化処理とは、疎水性絶縁膜13における無電界下での極性液体16に対する親和性が高まるようにその表面を改質する処理をいい、例えば疎水性絶縁膜13の表面への紫外線照射、酸素プラズマ照射、またはレーザ照射を行う処理である。この親水化処理により、疎水性絶縁膜13の表面では、例えば比較的結合エネルギーの高いC−C結合やC−F結合が分解され、親水的な官能基(C−OHなど)が誘起された状態となっている。
隔壁14は、光が透過する単位領域となるセル領域Zを画定する仕切部材であり、その平面形状が格子状(網目状)をなすように疎水性絶縁膜13に立設したものである。隔壁14は、その表面における極性液体15に対する接触角が20°〜90°の範囲であるとよい。隔壁14を構成する材料としては、無極性液体15や極性液体16に溶解せず、かつ、反応しないことが要求され、例えばCH基を含有する分子からなるものが好適である。特に、アクリル系樹脂やエポキシ系樹脂などの高分子材料が好適である。具体的には、フォトレジスト処理によるパターニングが可能な、光硬化型のエポキシ樹脂(化薬マイクロケム株式会社製、SU−8 3035など)が挙げられる。代表的には、化7に示した、エポキシ基を含有する分子を、化8に示した光酸発生剤によって光カチオン重合させたものが挙げられる。
Figure 2009210738
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隔壁14は、その表面が親水化処理されたものである。親水化処理とは、隔壁14における無電界下での極性液体16に対する親和性が高まるようにその表面を改質する処理をいい、例えば隔壁14の表面への紫外線照射、酸素プラズマ照射、またはレーザ照射を行う処理である。この親水化処理により、隔壁14の表面では、例えばC−C結合やC−F結合よりも低い結合エネルギーを有するC−H結合やC−O結合が分解され、酸素含有官能基(−CO,−CHO、−COO、−COOHなど)が形成された状態となっている。
隔壁14によって区画されたセル領域Zには、無極性液体15が保持されている。すなわち、無極性液体15は、隔壁14によって隣り合う他のセル領域Zへ移動(流出)しないようになっている。隔壁14は、極性液体16に対して親水性を示すと共に、無極性液体15および極性液体16に溶解等しない材料、例えば、エポキシ系樹脂やアクリル系樹脂などによって構成されることが望ましい。あるいは、隔壁14の表面が、上記材料からなる被膜によって覆われたものとすることが望ましい。そうすることで、無極性液体15の形状を安定化できるうえ、無極性液体15の流出をより確実に回避することができるからである。
無極性液体15は、ほとんど極性を有さず、かつ、電気絶縁性を示す非極性溶媒に染料または顔料を含有させたものである。非極性溶媒として、ベンゼン、トルエン、n−ヘキサン、n−オクタン、n−デカン、n−ドデカン、n−ヘキサデカン、ウンデカン、キシレン、メシチレン、ブチルベンゼン、1,1−ジフェニルエチレンなどの炭化水素系材料、あるいはシリコーンオイルなどが挙げられる。また、これらの非極性溶媒の2種以上を混合して使用してもよい。さらに、無極性液体15として上記以外の液体材料を用いるようにしてもよいが、低粘度であり、かつ、極性液体16と交じり合わないことが条件となる。この無極性液体15に対して電圧を印加した場合、その直接の影響が疎水性絶縁膜13に対する濡れ性に及ぶことはほとんどない。この無極性液体15は、下部電極12と上部電極17との間に電圧を印加しない場合において、各セル領域Zにおける疎水性絶縁膜13の表面を全て覆う程度に十分な容量を有していることが望ましい。無極性液体15は所定の波長光(例えば可視光)を吸収する顔料や染料によって着色されて不透明となっている。染料または顔料は、非極性溶媒への溶解性(あるいは分散性)が高いものが好ましい。黒色の染料としては、例えば化9に示したものが好適である。また、黒色の染料または顔料として、450nm付近に吸収帯を有する材料と550nm付近に吸収帯を有する材料と650nm付近に吸収帯を有する材料とを組み合わせたものを用いてもよい。
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一方、極性液体16は、極性を有する透明な液体材料であり、例えば水のほか、塩化カリウムや塩化ナトリウムなどの電解質を溶解させた水溶液が好適である。あるいは、分子量の小さなアルコール(メチルアルコール、エチルアルコール)などを用いてもよい。さらに、極性液体16として上記以外の液体材料を用いるようにしてもよいが、低粘度であり、かつ、無極性液体15と交じり合わないことが条件となる。この極性液体16に電圧を印加すると、疎水性絶縁膜13に対する濡れ性(極性液体16と疎水性絶縁膜13との接触角)が比較的大きく変化する。
無極性液体15および極性液体16は疎水性絶縁膜13と上部電極17との間に封入され、互いに混在することなく分離して2つの層を形成する。
側壁19は、下部基板11および上部基板18と共に無極性液体15および極性液体16を密封するシール部材であり、例えばシリコーンなどが好適である。光硬化型樹脂や熱硬化型樹脂を併用するようにしてもよい。
制御部20は、液体光学素子10に対する駆動制御をおこなうものである。制御部20には、スイッチ21と電源22とが設けられている。スイッチ21は、その一方の端子が金属配線によって上部電極17と接続され、他方の端子が金属配線によって電源22および駆動素子41を介して下部電極12と接続されている。スイッチ21は、両端子の間を電気的に接続する投入状態と、両端子の間を電気的に切断する切断状態との2つの状態が選択可能なものである。電源22は、電圧の大きさを所定範囲内で変化させることができ、かつ、任意に設定可能なものである。したがって、制御部20は、スイッチ21の操作(投入状態および切断状態を選択する操作)と、電源22の電圧制御とにより、下部電極12と上部電極17との間に所定の電圧を印加することができるようになっている。その際、図示しないゲートドライバによって特定のセル領域Zの駆動素子41を選択して駆動することもできるようになっている。
次に、図3を参照して、上記のように構成された液体光学素子10の動作について説明する。図3は、液体光学素子10における任意のセル領域Zを拡大して表したものである。なお、ここでは、無極性溶媒15としてn−ドデカンなどの直鎖型炭化水素を用いた場合を例として動作を説明する。
まず、制御部20においてスイッチ21を切断状態とし、下部電極12と上部電極17との間に電圧を印加しない場合には、例えば図3(A)に示したように、無極性液体15が各セル領域Zの全体を覆うように広がった状態となる。そのため、着色された無極性液体15によって、例えば下部基板11の側から照射された外部からの入射光Linが遮断される。一方、制御部20においてスイッチ21を投入状態とし、下部電極12と上部電極17との間に電圧を印加した場合には、例えば図3(B)に示したように、極性液体16が疎水性絶縁膜13と接触するようになり、無極性液体15が各セル領域Zの任意の領域αに集まった状態となる。そのため、例えば下部基板11の側から照射された外部からの光Linのうち、領域αに入射する一部の光L1inが無極性液体15によって進行を遮断される一方、領域βに入射する残りの光L2inは反対側(上部基板18側)に透過し、透過光L2outとして射出することとなる。なお、このよう無極性液体15の挙動は、電圧印加により、極性液体16と疎水性絶縁膜13との濡れ性が変化することに起因する。詳細には、下部電極12と上部電極17との間に電圧を印加した場合、疎水性絶縁膜13の表面に電荷が蓄積されるので、その電荷のクーロン力によって、極性を有する極性液体16が疎水性絶縁膜13へ引き寄せられる。そのため、無極性液体15は、極性液体16によって疎水性絶縁膜13の表面から排除されるように移動(変形)し、結果として任意の領域αに集まることとなると考えられる。
本実施の形態では、疎水性絶縁膜13の表面が親水化処理されたものであるため、その上に立設する隔壁14は疎水性絶縁膜13との密着性に優れており、高精度なパターン形状を有するように形成されたものである。したがって、電圧を印加しない状態(図3(A))から電圧を印加した状態(図3(B))へ変化させる操作、あるいは逆の操作の際、無極性液体115における形状の変化や大きさの変化が安定したものとなり、電圧印加操作に対する応答性が向上するうえ、印加電圧に対する透過光量のばらつきも低減される。さらに、本実施の形態では、隔壁14の表面も親水化処理されたものであるので、電圧印加操作に対する無極性液体15および極性液体16の移動(変位)速度が高まり、応答性の向上が期待される。
なお、図3(B)では、最大の透過率(最大の開口率)が得られる状態を表しているが、印加電圧を調整することで無極性液体15の大きさを制御し、任意の透過光強度(透過率)を得ることも可能である。
また、無極性溶媒15としてn−ドデカンなどの直鎖型炭化水素に加えてp−キシレンなどの芳香族炭化水素を用いた場合には、芳香族炭化水素が直鎖型炭化水素と比べて凝集力が比較的弱いので、図4(A)および図4(B)に示したような挙動を示す。すなわち、まず、制御部20においてスイッチ21を切断状態とし、下部電極12と上部電極17との間に電圧を印加しない場合には、例えば図4(A)に示したように、無極性液体15が各セル領域Zの全体を覆うように広がった状態となる。但し、無極性溶媒15が芳香族炭化水素を含む場合には直鎖型炭化水素のみを含む場合よりも隔壁14との親和性が強いので、無極性溶媒15の液面が中央部よりも隔壁14に近い周辺部において高くなり、隔壁14と無極性液体15との接触面積が大きくなる。一方、制御部20においてスイッチ21を投入状態とし、下部電極12と上部電極17との間に電圧を印加した場合には、例えば図4(B)に示したように、極性液体16が疎水性絶縁膜13と接触するようになり、無極性液体15が隔壁14と接するように複数に分離し、各セル領域Zのうちの領域βに集まった状態となる。これは、無極性溶媒15が芳香族炭化水素を含むことで直鎖型炭化水素のみを含む場合よりも隔壁14との親和性が強く、かつ、凝集力が比較的弱いためである。その結果、例えば下部基板11の側から照射された外部からの光Linのうち、領域βに入射する一部の光L2inは無極性液体15によって進行を遮断される一方、領域αに入射する残りの光L1inは反対側(上部基板18側)に透過し、透過光L2outとして射出することとなる。
このように、本実施の形態の液体光学素子10では、疎水性絶縁膜13の表面が親水化処理されたものであるので、隔壁14の寸法形状が高精度なものとなりやすい。そのため、電圧印加操作前後における無極性液体15の形状や大きさがそれぞれ安定化する結果、電圧印加操作に対する高い応答性を発揮し、かつ、高精度な透過光量制御が可能となる。
次に、液体光学素子10の製造方法について、図5に表したフローチャートと共に図6〜図9,図12,図13,図15,図16に表した断面模式図を参照して説明する。
説明する。
まず、図6に示したように所定の材料からなる透明な下部基板11を用意し、ITOなどを用いて、その下部基板11の上に選択的に複数の下部電極12を形成する(ステップS101)。具体的には、下部基板11を全面に亘ってITO膜で覆ったのち、例えばフォトリソグラフィ法によりITO膜のパターニングを行うことで、セル領域Zごとに隙間12Vを形成するようにする。その一方で、図7に示したように上部基板18の上に上部電極17を形成する(ステップS102)。但し、上部電極17には間隙を設ける必要はない。
続いて、スピンコーティング法やディップコーティング法などの湿式法、あるいは蒸着法などの乾式法により、図8に示したように下部基板11および下部電極12を覆うように疎水性絶縁膜13を形成する(ステップS103)。この際、疎水性絶縁膜13の表面が平坦になるような厚みとすることが望ましい。そののち、図9に示したように、酸素が存在する減圧下で酸素プラズマPを疎水性絶縁膜13の表面に照射するなどして、疎水性絶縁膜13の表面処理(親水化処理)を行う(ステップS104)。具体的には、例えば酸素プラズマアッシング装置を用いて酸素プラズマPを照射することで、比較的結合エネルギーの高いC−C結合やC−F結合を分解し、親水的な官能基(C−OHなど)が誘起された状態とする。より詳細には、疎水性絶縁膜13の表面に酸素プラズマPを照射することで、電子と酸素分子との衝突による解離反応により、化10および化11に示したように直接的に一重項励起酸素原子O(D)を形成する。この場合、全ての反応において一重項励起酸素原子O(D)を生成するため、高濃度な励起酸素原子雰囲気を形成できる。特に、減圧下で酸素プラズマPを照射すれば、優先的に疎水性絶縁膜13の最表面と励起酸素原子を反応させることができるので好ましい。励起酸素原子雰囲気の形成によって疎水性絶縁膜13の表面におけるC−C結合、C−F結合もしくはC−O結合などの解離反応を誘起させ、親水的な官能基(C−OHなど)を誘起させるようにする。酸素プラズマPを照射することにより、例えば図10に示したように、疎水性絶縁膜13の表面において、酸素プラズマPの照射時間に応じてフッ素原子に対する酸素原子の含有量比が増加する。また、酸素プラズマPを照射することにより、例えば図11に示したように、酸素プラズマPの照射時間に応じて疎水性絶縁膜13の表面の粗度が低下し、平坦化される。このため、疎水性絶縁膜13の厚みを低減しつつ、十分な絶縁性を保つことができる。なお、疎水性絶縁膜13の親水化処理としては、酸素プラズマPを照射するほか、紫外線を照射したり、157nm以下の波長を有するF2 レーザやAr2 レーザを照射したりしてもよい。
Figure 2009210738
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また、疎水性絶縁膜13の親水化処理は、その表面の全てに亘って行うのではなく、隔壁14が形成されることとなる領域のみを選択的に行うようにしてもよい。具体的には、複数の短冊状のスリットが平行に配置されたマスクを用いて1回目の酸素プラズマ照射をおこなったのち、そのマスクを平面内で90°回転させてから2回目の酸素プラズマ照射をおこなうようにすることで、格子状のパターンを有する被照射領域(被親水化処理領域)を形成することができる。このようにすれば、疎水性絶縁膜13上の、親水化処理がなされた領域に隔壁14を設けることで疎水性絶縁膜13と隔壁14との密着性を高めることができる一方で、セル領域Zにおける疎水性絶縁膜13に対する極性液体16の濡れ性に影響を与えなくて済む。
疎水性絶縁膜13の親水化処理を終えたのち、図12に示したように、疎水性絶縁膜13の上の、下部電極12同士の隙間12Vに対応する位置に立設するように隔壁14を形成する(ステップS105)。具体的には、例えばスピンコーティング法により、所定の樹脂を疎水性絶縁膜13の上に均一に塗布したのち、図2に示したパターン形状となるようにパターニングする。隔壁14を形成したのち、図13に示したように、酸素が存在する減圧下で酸素プラズマPを隔壁14の表面に照射するなどして、隔壁14の表面処理(親水化処理)を行う(ステップS106)。具体的には、比較的結合エネルギーの低いC−H結合やC−O結合のみを解離させることができ、かつ、比較的結合エネルギーの高いC−C結合やC−F結合を解離することのないエネルギーを隔壁14の表面に付与する。例えば、185nmと254nmの両方の波長光を照射可能な低圧水銀灯を用いることが好ましい。低圧水銀灯によって185nmおよび254nmの輝線を有する紫外光を照射すると、化12に示したように酸素分子の解離反応が波長185nm(<240nm) の紫外光によって生じる。さらに、化13に示したように生成した三重項基底酸素原子が酸素分子と反応して、オゾンを生成する。オゾンは、波長260nm付近に吸収帯を有し、波長254nmの紫外光により解離反応が生じる。化14に示したように、この解離反応によって一重項励起酸素原子が生成する。この励起酸素原子が紫外光により励起された隔壁14の表面のC−H結合を酸化し、酸素含有官能基(−CO、−CHO、−COO、−COOHなど)を形成することとなる。酸素プラズマPを照射することにより、例えば図14に示したように、隔壁14の表面において、酸素プラズマPの照射時間に応じて炭素原子に対する酸素原子の含有量比が増加する。なお、隔壁14の表面に、所定のエネルギーを有するレーザ光を照射するようにしてもよい。
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続いて図15に示したように、無極性液体15を、隔壁14で仕切られた各セル領域Zにおける疎水性絶縁膜13の表面に塗布する(ステップS107)。さらに、図16に示したように、ステップS103で作製した上部基板18に上部電極17が設けられたものを洗浄したのち、下部基板11と上部基板18とが一定の間隔となるように側壁19を介して対向配置する。そののち、疎水性絶縁膜13、側壁19、上部電極17で囲まれた空間に所定の注入口(図示せず)から極性液体16を充填し、注入口を封止する(ステップS108)。以上の手順により、応答性に優れた液体光学素子10を簡便に製造することができる。
このように本実施の形態によれば、隔壁14を形成する前に、疎水性絶縁膜13の表面を親水化する親水化処理を行うようにしたので、疎水性絶縁膜13と、その上に立設する隔壁14との密着性を高めることができ、高精度なパターン形状を有する隔壁14を容易にかつ効率的に形成することができる。したがって、電圧を印加しない状態(図3(A)または図4(A))から電圧を印加した状態(図3(B)または図4(B))へ変化させる操作、あるいは逆の操作の際、無極性液体115における形状の変化や大きさの変化が安定したものとなり、電圧印加操作に対する応答性が向上するうえ、印加電圧に対する透過光量のばらつきも低減される。
さらに、本実施の形態では、隔壁14の表面についても親水化するようにしたので、電圧印加操作に対する無極性液体15および極性液体16の移動(変位)速度を高めることができ、応答性のさらなる向上が期待できる。
次に、上記した本実施の形態における液体光学素子10の具体的な利用例について説明する。
図17は、本実施の形態における液体光学素子10を搭載した画像表示装置30の概略構成を表すブロック図である。
画像表示装置30は、画像表示がなされる画像表示部31と、画像表示のための光を画像表示部31に向けて照射する光源部32と、画像表示部31の駆動制御を行う駆動部33とを備えており、光源部32から射出された光が画像表示部31を透過して視聴者に届くように構成された透過型のディスプレイである。
光源部32は、いわゆるバックライトと称される画像表示のための光を発する機構であり、例えば、熱陰極管や冷陰極管、あるいは発光ダイオード等を有するものである。
駆動部33は、外部から供給される画像情報(例えば映像信号)Jに基づいて画像表示部31の動作を制御する機構である。
画像表示部31は、複数のセル領域Zがアレイ状に配置された液体光学素子10を含むものであり、光源部32と対向して配置されている。画像表示部31は、駆動部33からの制御信号Sに基づいて、光源部32からの入射光の透過量を制御する(射出光の強度を制御する)ことにより映像表示を行うようになっている。ここで、光源部32からの入射光が例えば下部基板11の側から入射するように、画像表示部31と光源部32との配置がなされている。
このような液体光学素子10を含む画像表示装置30では、駆動部33に所定の画像情報Jを入力し、駆動部33から制御信号Sを画像表示部31に送信することで、セル領域Zごとに電圧の印加が行われる。例えば図18に示したように、3つのセル領域Z1〜Z3のうちセル領域Z1,Z3に対応する上部電極17および下部電極12の間にのみ電圧を印加し、無極性液体15を変形させることで、光源部32から入射光Linを照射するとセル領域Z1,Z3(のうちの領域β)のみから透過光Loutを取り出すことができる。その結果、例えば光源部32が白色光を射出する場合、セル領域Z1,Z3に対応する部分が白色として表現され、一方、セル領域Z2に対応する部分が黒色として表現される。したがって、液体光学素子40全体として2値画像が表示されることとなる。なお、図18では、無極性溶媒15としてn−ドデカンなどの直鎖型炭化水素を用いた場合を例として動作を説明する。
また、画像表示装置30では、上部電極17と下部電極12との間に印加する電圧の大きさを任意もしくは多段階に制御するなどして、各セル領域Zの透過光の強度を任意もしくは多段階に制御することで階調表現を行うこともできる。
さらに、各セル領域Zにおける無極性液体15を、黒色ではなく、それぞれ赤色(R),緑色(G)または青色(B)のいずれかに着色し、光源部32からの入射光のうち、それぞれ同色の色のみを透過するようにすることで、カラー画像を画像表示部31に表示させることもできる。あるいは、例えば上部基板18と上部電極17との間にカラーフィルタを設けることでカラー画像の表示をおこなうようにしてもよい。
本実施の形態の画像表示装置30では、液体光学素子10における疎水性絶縁膜13の表面が親水化処理されたものであるので、隔壁14の寸法形状が高精度なものとなっている。そのため、電圧印加操作前後における無極性液体15の形状や大きさがそれぞれ安定化する結果、電圧印加操作に対する高い応答性を発揮し、かつ、高精度な透過光量制御が可能となる。したがって、透過光の高精度な制御が可能となり、より高精細な階調表現が可能となる。
以下、本発明の具体的な実施例について説明する。
(実施例1)
実施例1として、図1などに示した液体光学素子10を以下のようにして作製した。まず、厚さ0.7mmの無アルカリ性ガラス板を下部基板11として用意し、その上に、下部電極12として100Ω/□の面積抵抗を有するITO膜を形成した。同様に、厚さ0.7mmの無アルカリ性ガラス板を上部基板18として用意し、その上に、上部電極17として100Ω/□の面積抵抗を有するITO膜を形成した。
続いて、下部電極12の上に、化1に示した1,1,2,4,4,5,5,6,7,7−デカフルオロ−3−オキサ−1,6−ヘプタジエンを6重量%含有したパーフルオロトリブチルアミン溶液をスピンコート法により塗布することで、膜厚500nmの疎水性絶縁膜13を形成した。
さらに、疎水性絶縁膜13の表面を酸素プラズマアッシング装置(ダイレクトプラズマモード、対向電極方式、出力:130W)により、30秒間に亘って親水化処理(表面改質処理)を行った。親水化処理の際、酸素プラズマアッシング装置における処理室内へ一定流量の酸素ガスを導入し、真空ポンプにより処理室内の圧力を133Paに調節した。
疎水性絶縁膜13の表面の親水化処理をおこなったのち、その表面に立設するように隔壁14を形成した。具体的には、化7に示したエポキシ基を含有する分子と、シクロペンタノンと、化8に示した光酸発生剤としてのスルホニウム塩と、プロピレンカーボネートとを9:16:1:1の重量比で混合した混合溶液を塗布したのち、選択的な露光処理、加熱処理およびプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートによる現像処理を順次行うことで格子状にパターン化された隔壁14を得た。
さらに、処理室内を10分間に亘って窒素置換したのち、隔壁14の表面を、低圧水銀灯によって185nmおよび254nmの輝線を有する紫外光を240秒間に亘って照射することで親水化処理をおこなった。
隔壁14の表面処理をおこなったのち、手動または機械により、n−ドデカンとp−キシレンとの混合液へ化9に示した黒色の染料を溶解させ、無極性液体15を作製した。この無極性液体15を、隔壁14によって取り囲まれたセル領域Zにおける疎水性絶縁膜13の表面に滴下したのち、上部電極17が設けられた上部基板18を、側壁19を介して下部基板11と対向するように配置し、極性液体16としての水を封入した。以上により、実施例1の液体光学素子を得た。
(実施例2)
疎水性絶縁膜13の表面の親水化処理を600秒間に亘っておこなうようにしたことを除き、他は実施例1と同様にして実施例2〜5の液体光学素子を得た。
(実施例3)
隔壁14の表面の親水化処理を600秒間に亘っておこなうようにしたことを除き、他は実施例1と同様にして実施例3の液体光学素子を得た。
(実施例4)
隔壁14の表面の親水化処理を実施しなかったことを除き、他は実施例1と同様にして実施例3の液体光学素子を得た。
このようにして作製した実施例1〜4の液体光学素子では、図19の電子顕微鏡写真に示したように、隔壁14は、寸法精度が高く、欠陥もないものとなった。これは、図20に示したように、疎水性絶縁膜13が親水化されたためであると考えられる。図20は、実施例1の条件で疎水性絶縁膜13の表面の親水化を行う場合の、処理時間と、疎水性絶縁膜13の表面における水およびn−ドデカンの濡れ性との関係を表したものである。詳細には、図20(A)が処理時間(s)と、疎水性絶縁膜13の表面における水に対する空気中での接触角(°)との関係を示し、図20(B)が処理時間(s)と、疎水性絶縁膜13の表面におけるn−ドデカンに対する空気中での接触角(°)との関係を示し、図20(C)が処理時間(s)と、疎水性絶縁膜13の表面におけるn−ドデカンに対する水中での接触角(°)との関係を示す。図20(A)〜20(C)の結果から、少なくとも30秒間の親水化処理を行うことで、空気中では大きな差が見られないものの、水中ではn−ドデカンの接触角が大幅に上昇しており、親水化されていることがわかる。すなわち、酸素プラズマから生成した励起酸素原子によって疎水性絶縁膜13の表面が親水化されたことで、精度良く隔壁14を形成できたものと考えられる。
また、図21に示したように、隔壁14の表面処理の際、低圧水銀灯による照射によって疎水性絶縁膜13における水およびn−ドデカンの濡れ性は変化しないことが確認できた。一方、低圧水銀灯による照射に伴って、図22(A)に示したように、隔壁14の表面では、水に対する接触角およびn−ドデカンに対する接触角が低下することが確認できた。また、低圧水銀灯による照射に伴って、図22(B)に示したように、隔壁14の表面における水中でのn−ドデカンに対する接触角は、処理時間に応じて上昇し、親水化されることが確認できた。
実施例1については、無極性液体15がセル領域Zにおける疎水性絶縁膜13の表面を薄く全面に覆っていることが観測された。これは、適度な紫外光の照射により隔壁14の表面が親水化され、無極性液体15の存在状態を最適化することができたためと考える。実施例1の液体光学素子について透過率分布を測定したところ、実用上十分な透過率が得られた。さらに、実施例1の液体光学素子において、下部電極12および上部電極17との間に矩形波の電圧を印加したところ、電圧印加前には無極性液体15によってセル領域Zの全面が覆われているのに対し、電圧印加後には直ちに無極性液体15がセル領域Zのうちの所定の領域へ移動することが確認された。また、この変化は可逆的変化であることもわかった。さらに、その変化に要する時間は5ms以下であり、実用上充分な応答速度であった。さらに、電圧のオンとオフとを1Hzで5万回繰返したところ、応答速度や透過率などが初期の状態と殆ど変化せず、実用上充分に優れた耐久性を有していることが確認された。
なお、実施例2では、疎水性絶縁膜13の表面の親水化処理時間が実施例1よりも長かったので、疎水性絶縁膜13と極性液体16である水との結合力が強まり、水中におけるn−ドデカンの接触角がやや大きくなった。このため、電圧を印加しない状態において、セル領域Zのうち無極性液体15によって覆われない領域が生じ、コントラストがやや低下した。
また、実施例3では、隔壁14の表面の親水化処理時間が実施例1よりも長かったので、隔壁14と極性液体16である水との結合力が強まり、電圧を印加しない状態においてセル領域Zのうち無極性液体15によって覆われない領域が生じ、コントラストがやや低下した。
また、実施例4では、隔壁14の表面の親水化処理を行わなかったので、実施例1と比較した場合、電圧印加時における無極性液体15の移動が遅く、応答速度がやや低下した。
(比較例)
比較例として、疎水性絶縁膜13の表面の親水化処理を実施しなかったことを除き、他は実施例1と同様にして隔壁14を形成するまでの工程を実施した。しかしながら、この場合、エポキシ樹脂を含む混合溶液を塗布した段階で細かい膜の欠陥がみられ、良好な寸法精度を有する隔壁14を形成できなかった。これは、図20(C)に示したように、疎水性絶縁膜13の表面におけるn−ドデカンに対する水中での接触角が5°以下であることからもわかるように、疎水性絶縁膜13の表面へ上記の混合溶液がなじみにくいためと考える。
このように、本実施例では、疎水性絶縁膜13の表面の親水化処理を実施したのち、隔壁14を形成するようにしたので、良好な寸法精度を有する隔壁14を得ることができ、無極性液体15の素早く安定した変形が可能な液体光学素子を作製することができた。
さらに、上記の実施例1および比較例1と同様にして隔壁14を形成するまでの工程を実施して得たサンプルについて、密着性の評価をおこなった。
ここでは、各サンプルについて、以下の3種類のテープ1〜3を隔壁14に接着したのち剥がすことにより、隔壁14の状態を観察するようにした。
テープ1:ポリプロピレンテープ「ザ・テープNo.86超透明包装用テープ(大創産業株式会社製)」
テープ2:ポリイミド上にシリコーン系の接着剤を塗布したテープ「カプトンテープNo.650S,厚さ♯12(株式会社タカハシ製)」
テープ3:「養生用ポリエチレンクロス粘着テープP−カットテープ建築・塗装No.4140若葉(株式会社寺岡製作所製)」
なお、洗浄なしのソーダガラス「マイクロスライドガラス S−1111(松浪ガラス工業株式会社)」の表面に貼り付けたのち垂直方向に剥がす際に要する力は、テープ1が265g/cmであり、テープ2が135g/cmであり、テープ3が205g/cmであった。
その結果、実施例1のサンプルにおいては、図23に示したように、テープ1〜3のいずれによっても隔壁14が剥がれることはなかった。これに対し、比較例のサンプルにおいては、図24(A)に示したように、テープ1を貼り付けて剥がした箇所(矢印24Aで示した箇所)において全面的に隔壁14が除去されたり、図24(B)に示したように、テープ1を貼り付けて剥がした箇所(矢印24Bで示した箇所)において部分的に隔壁が除去されたりする結果となった。この結果、隔壁14を形成する前に疎水性絶縁膜13の表面の親水化処理を実施することで、良好な密着性が得られることが確認できた。
以上、いくつかの実施の形態を挙げて本発明を説明したが、本発明はこれらの実施の形態等に限定されず、種々の変形が可能である。例えば、上記実施の形態では、液体光学素子を画像表示装置に適用した場合について説明したが、本発明の用途はこれに限定されるものではない。例えば光学絞りなど、他のデバイスにも応用可能である。
また、上記実施の形態では、液体光学素子が複数のセル領域を有するようにしたが、これに限定されるものはなく、単一のセル領域を有するものであってもよい。
本発明の一実施の形態に係る液体光学素子の全体構成を表す断面図である。 図1に示した液体光学素子の全体構成を表す平面図である。 図1に示した液体光学素子の動作を説明するための概略図である。 図1に示した液体光学素子の動作を説明するための他の概略図である。 図1に示した液体光学素子の製造方法を説明するためのフローチャートである。 図1の液体光学素子の製造方法を説明するための断面模式図である。 図6に続く工程を説明するための断面模式図である。 図7に続く工程を説明するための断面模式図である。 図8に続く工程を説明するための断面模式図である。 図1に示した液体光学素子の疎水性絶縁膜の表面における、酸素プラズマの照射時間と、フッ素原子に対する酸素原子の含有量比との関係を表す特性図である。 図1に示した液体光学素子の疎水性絶縁膜における、酸素プラズマの照射時間と、表面粗度との関係を表す特性図である。 図9に続く工程を説明するための断面模式図である。 図12に続く工程を説明するための断面模式図である。 図1に示した液体光学素子の隔壁の表面における、酸素プラズマの照射時間と、炭素原子に対する酸素原子の含有量比との関係を表す特性図である。 図13に続く工程を説明するための断面模式図である。 図15に続く工程を説明するための断面模式図である。 本発明の一実施の形態に係る液体光学素子を有する画像表示装置の全体構成を表すブロック図である。 図17に示した画像表示装置に搭載される液体光学素子の動作を説明するための概略図である。 実施例1としての液体光学素子における隔壁の平面形状を表す電子顕微鏡写真である。 実施例1における、疎水性絶縁膜の親水化処理時間と、疎水性絶縁膜の表面における水およびn−ドデカンの濡れ性との関係を表す特性図である。 実施例1における、隔壁の親水化処理時間と、疎水性絶縁膜の表面における水およびn−ドデカンの濡れ性との関係を表す特性図である。 実施例1における、隔壁の親水化処理時間と、隔壁の表面における水およびn−ドデカンの濡れ性との関係を表す特性図である。 実施例1における密着性試験の結果を表す説明図である。 比較例1における密着性試験の結果を表す説明図である。
符号の説明
10…液体光学素子、11…下部基板、12…下部電極、13…疎水性絶縁膜、14…隔壁、15…無極性液体、16…極性液体、17…上部電極、18…上部基板、19…側壁、20…制御部、21…スイッチ、22…電源、30…画像表示装置、31…画像表示部、32…光源部、33…駆動部、41…駆動素子、Z…セル領域。

Claims (9)

  1. 第1の電極を用意し、その第1の電極を覆うように絶縁膜を形成する工程と、
    前記絶縁膜の表面を親水化する親水化処理を行う工程と、
    親水化処理された前記絶縁膜の表面に、この絶縁膜上の領域を取り囲むように立設する壁構造体を形成する工程と、
    前記第1の電極の、前記絶縁膜の側に第2の電極を対向配置する工程と、
    前記絶縁膜と前記第2の電極との間に、互いに分離された状態を保つ、一方が透明で他方が不透明の極性液体および無極性液体を封入する工程と
    を含むことを特徴とする液体光学素子の製造方法。
  2. 前記絶縁膜の表面のうち、前記壁構造体が配置される領域を選択的に親水化すると共に、前記絶縁膜の表面のうち前記親水化処理がなされた領域に、前記壁構造体を形成することを特徴とする請求項1記載の液体光学素子の製造方法。
  3. 前記親水化処理として、前記絶縁膜の表面への紫外線照射、酸素プラズマ照射、またはレーザ照射を行うことを特徴とする請求項1記載の液体光学素子の製造方法。
  4. 高分子化合物を用いて前記絶縁膜を形成し、前記親水化処理として、C−C結合およびC−F結合を分解可能なエネルギーを前記絶縁膜の表面に付与することを特徴とする請求項1記載の液体光学素子の製造方法。
  5. 前記壁構造体の表面を親水化する親水化処理を行う工程をさらに含むことを特徴とする請求項1記載の液体光学素子の製造方法。
  6. 前記親水化処理として、前記壁構造体の表面への紫外線照射、酸素プラズマ照射、またはレーザ照射を行うことを特徴とする請求項5記載の液体光学素子の製造方法。
  7. 高分子化合物を用いて前記壁構造体を形成し、前記親水化処理として、C−C結合およびC−F結合を分解することなくC−O結合およびC−H結合を分解することが可能なエネルギーを前記壁構造体の表面に付与することを特徴とする請求項5記載の液体光学素子の製造方法。
  8. 前記絶縁膜を、無電界下において前記極性液体よりも前記無極性液体に親和性を示す材料によって形成することを特徴とする請求項1記載の液体光学素子の製造方法。
  9. 透明な前記極性液体と不透明な前記無極性液体とを、前記絶縁膜と前記第2の電極との間に封入することを特徴とする請求項1記載の液体光学素子の製造方法。
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