JP2009210361A - 原子間力顕微鏡装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明の課題は、AFM測定の計測時間を短縮化し、試料へのダメージを低減することである。
【解決手段】
上記課題を解決するために、本発明に係る原子間力顕微鏡装置は、試料表面の表面形状をタッピングモードで画像化する原子間力顕微鏡装置であって、試料表面と原子間力を介して相互作用する探針を有し、カンチレバと、レーザ光提供手段と、光検出手段と、振幅変復調器と、ピエゾ素子と、試料表面の表面形状を推定するコントローラと、推定された表面形状を記録するデータ記憶手段とを備えたことを特徴とする。
【選択図】図5

Description

本発明は、原子間力顕微鏡装置に関する。
精密計測分野において、その最も高分解能を持つ計測装置のひとつに原子間力顕微鏡(Atomic Force Microscope(AFM))がある。原子間力顕微鏡装置は、カンチレバ先端と試料表面との間に働く力をカンチレバ先端の変化(変位、振幅変化、周波数変化、位相変化など)から測るものである。近接する2つの物体間には必ず力が作用するため、AFMには試料に対する制約が原則的に存在しない。
また、AFMは、真空中や大気中に加え、液中での計測も可能であり、ナノスケールの生体試料観察を行うことができる(非特許文献1)。その他にも、AFMは、ナノスケールマニピュレーション(非特許文献2)、および次世代メモリへの応用(非特許文献3)に用いられており、AFMは、ナノテクノロジを支える装置のひとつとして注目されている。
しかし、AFMの有する問題として、機器の取り扱いが困難であること、実験条件の設定が人間の経験によるところが大きいこと、計測時間が長時間に及ぶことなどが知られている(非特許文献4)。特に、計測時間は作業効率そのものと直結することや、生体試料観察のように時間経過による環境変化を避けたい場合など、産業応用の多くの場で測定時間の短縮化が望まれている。
従来のAFMの短時間計測のための取組みは、PID制御に代表される古典制御を基にしたフィードバック(FB)帯域の高帯域化がほとんどであった。
しかし、最近では高性能化のために様々な取組みが報告されている。例えば、zピエゾ素子の駆動を素早くするためのアクティブダンピング法(非特許文献5)、ライン毎の情報をフィードフォワード信号を印加して補償する方法(非特許文献6、非特許文献7)、Q値制御法(非特許文献8)、繰返し制御を用いたもの(非特許文献9)などが報告されている。
また、表面形状をオブザーバにより推定する表面形状オブザーバ(非特許文献10、非特許文献11)や、コンタクトモードにおいて走査経路の特徴を活かしたFF信号を印加して補償する単方向型表面形状学習オブザーバ(非特許文献12)が提案されている。
「Biological atomic force microscopy: what is achieved and what is needed」,Advances in Physics,Vol.45,No.1,p.1−86(1996) 「Atomic force microscope probe based controlled pushing for nanotribological characterization」,IEEE−ASME T.Mech.,Vol.9,p.343−349(2004) 「Millipede−a MEMS−based scanningprobe data−storage system」,IEEE Trans. Mag.,Vol.39,p.938−945(2003) 「A Tutorial on the Mechanisms, Dynamics, and Control of Atomic Force Microscopes」,Proc. Amer. Ctrl. Conf.,p.3488−3502(2007) 「Active damping of the scanner for high−speed atomic force microscopy」,Rev.Sci.Instrum.,Vol.76,p.053708(2005) 「Robust two−degree of−freedom control of an atomic force microscope」,Asian Journal of Control,6,2,p.156−163(2004) 「Feed−Forward Compensation for High−Speed Atomic Force Microscopy Imaging of Biomolecules」,JJAP,Vol.45,No.3B,p.1904−1908(2006) 「Highspeed tapping mode imaging with active Q control for atomic force microscopy」,Applied Physics Letters,Vol.76,p.1473(2000) 「Iterative Control of Dynamics− Coupling−Caused Errors in Piezoscanners During High−Speed AFM Operation」,IEEE Trans. Ctrl. Sys. Tech.,Vol.13,No.6,p.921−931(2005) 「原子間力顕微鏡におけるナノスケールサーボ技術の新展開」,平成18年電気学会産業応用部門全国大会,Vol.2,p.127−132(2006) 「タッピングモードAFMにおける表面形状オブザーバの提案」,IIC−07−119,p.7−12(2007) 「コンタクトモードAFMにおける表面形状学習型オブザーバの提案」,IIC−07−117,p.7−12(2007) 「Harmonic analysis based of tapping−mode AFM」,Proc. Amer. Ctrl. Conf.,p.232−236(1999)
しかしながら、AFMを、生体試料などの塑性材料の測定に適用するためには、AFM測定の計測時間を短縮化し、試料へのダメージを低減しなければならない。
上記課題を解決するために、本発明に係る原子間力顕微鏡装置は、試料表面の表面形状をタッピングモードで画像化する原子間力顕微鏡装置であって、前記試料表面と原子間力を介して相互作用し、前記原子間力によって振動振幅が振幅変調を受けるカンチレバと、前記カンチレバを前記カンチレバの共振周波数で振動させるための振動用ピエゾ素子と、前記カンチレバに向けて第1のレーザ光を入射するレーザ光提供手段と、前記カンチレバが前記第1のレーザ光を反射することにより発せられた第2のレーザ光を検出する光検出手段と、前記光検出手段により検出された前記カンチレバの先端の変位を振幅変復調するための振幅変復調器と、前記試料を載せたピエゾ素子と、前記試料表面と前記カンチレバの先端との間の距離を一定に保ち、前記ピエゾ素子に入力電圧を入力し、行きの走査の間に表面形状を計測し、前記ピエゾ素子の出力電圧および前記ピエゾ素子の入力電圧から、前記試料表面の表面形状を推定するコントローラと、推定された前記表面形状を記録するデータ記憶手段とを備え、前記コントローラは、前記行きの走査と同一ラインの帰りの走査において、記憶された前記表面形状を用いて制御を行うことを特徴とする
本発明によれば、AFM測定の計測時間を短縮化し、試料へのダメージを低減することができる。
以下で本発明に係る実施形態について説明する。ここで説明する実施形態は、あくまでも一例であり、本発明は、以下の実施形態によりいかなる制限も受けるものではない。
<実施形態>
本実施形態は、試料の表面形状の測定時間短縮化し、試料へのダメージを低減することができるAM−AFMを開示する。
(AFMの概要)
AFMにおける計測方式は、大きく分けてコンタクトモードとダイナミックモードに分類される。本実施形態に係るAFMは、コンタクトモードと比較して試料との接触力が小さく、生体試料のように柔らかい試料にも適用できる振幅変調型のダイナミックモード(タッピングモードともいう)を計測方式として用いる。
振幅変調型のタッピングモードとは、カンチレバの先端が、試料表面を周期的に叩きながらその振幅の変化を計測する方式である。
このような振幅変調型のタッピングモードを用いるAFMを、振幅変調型原子間力顕微鏡装置(Amplitude Modulation Atomic Force Microscope(AM−AFM))と呼ぶ。
AM−AFMの計測原理を、図1を用いて、以下で説明する。
まず、カンチレバの先端104と周期的に試料表面120とを接触させるためカンチレバの先端104を発振させる。ここで、内部摩擦による振動の減衰を補うためにカンチレバ103の後端部に備えた発振用ピエゾ素子101をDDS(ダイレクト・デジタル・シンセサイザー)102によりカンチレバ103の共振周波数(通常、数十kHz〜数百kHz)で駆動する。タッピングモードAFMでは、カンチレバの先端104に、レーザ光提供手段107によりLD(レーザ光)105が照射される。そして、タッピングモードAFMは、カンチレバの先端104から反射された光をPD(フォトダイオード)106で受光することでカンチレバの先端104の変位を測定する。
ここで、レーザ光の光検出手段であるフォトダイオードとして、例えば、四分割フォトダイオードを用いても良い。また、レーザ光提供手段として、可視光半導体レーザを用いても良い。
PD106により測定された信号は、後述する原子間力によりAM変調されたものである。まず、PD106で測定された信号は、BPF(バンドパスフィルタ)108を通る。次に、PD106により測定された信号を復調するために、PD106により測定された信号は、RMS−DC109により実効値に換算される。本実施形態では、この実効値を原子間力とみなす。
得られた原子間力を一定に保ちながら走査するために、コントローラ110は、試料の台座にあるz方向駆動ピエゾ素子(z−走査器)111をフィードバック制御により駆動させる。このときの制御入力は表面形状から受ける原子間力を打消すように与えられる。これを取出し、画像化することで表面形状が得られ、表面形状のデータがデータ記憶手段116に保存される。
ここで、コントローラ110に含まれる走査回路113は、試料がのせられているピエゾ素子面115に水平なxy平面の走査をするxy−走査器112を制御する。また、コントローラ110に含まれる補償器114は、試料がのせられているピエゾ素子面115に垂直なz方向の走査をするz−走査器111を制御する。
Figure 2009210361
式(1)において、Rは、原子間の距離[10-10m]であり、εとσは、物質に依存した定数で、実験によりフィッティングされるパラメータである。
本実施形態に係るAM−AFMは、受光した信号を復調するために実効値(RMS−DC)に換算し、出力する。
出力電圧を一定に保ちながら走査するために、試料の台座にあるピエゾ素子をFB制御により駆動させる。このとき、従来法では、表面形状から受ける原子間力が一定となるように制御入力は与えられる。
カンチレバ発振用ピエゾ素子、カンチレバ、原子間力、試料、z方向駆動ピエゾ素子の全てのダイナミクスを考慮した詳細モデルについては、非特許文献11に示されている。しかし、詳細モデルは複雑であるため、本実施形態では、ピエゾ素子および試料を剛体とみなし、簡単化した力学モデルを用いる。
以下で、本実施形態に係る簡単化した力学モデルを、図2を用いて説明する。
図2に示されている簡単化した力学モデルは、非特許文献13に示されているモデルとほぼ同一である。
原子間力は、図4に示されているレナードジョーンズポテンシャルで表される。図4に示されているように、原子間力は、近距離では斥力的となり、長距離では引力的となる。図2では、引力を負のバネ係数および粘性摩擦係数により表している。
以上の本実施形態に係る簡単化した力学モデルを基に運動方程式を立て、ブロック図で表すと、図3のようになる。
図2、3において、mc[kg]は、カンチレバの先端の質量である。
また、図2、3において、kc[N/m]は、バネ202のバネ係数である。また、図2、3において、ka[N/m]は、バネ203のバネ係数であり、kr[N/m]は、バネ204のバネ係数である。
また、図2、3において、bc[N×s/m]は、摩擦力発生源212の粘性摩擦係数である。また、図2、3において、ba[N×s/m]は、摩擦力発生源213の粘性摩擦係数であり、br[N×s/m]は、摩擦力発生源214の粘性摩擦係数である。
また、図2、3において、x[m]は、発振用ピエゾ素子の位置であり、xc[m]は、カンチレバの探針先端の変位である。また、図2、3において、xpz[m]は、z方向駆動ピエゾ素子の位置である。また、図2、3において、x0[m]は、カンチレバの探針先端の初期位置であり、La[m]は、バネ203の自然長の位置であり、Lr[m]は、バネ204の自然長の位置であり、d[m]は、試料の高さである。
また、図3において、func.1とfunc.2は、飽和関数である。
なお、図3において、func.1とfunc.2で表される飽和関数は、任意の入力値に対して値を出力し、原子間力を構成する斥力と引力が及ぶ範囲が限定されることを表している。
また、図3において、sは、ラプラス演算子(時間微分演算子)を表し、1/sは時間積分を表している。
図3に示されているブロック図には、非線形要素である飽和関数が含まれている。本実施形態では、さらに、図3に示されている力学モデルを線形解析するために、非特許文献11に示されているように、斥力領域と引力領域で状態空間を分離し、状態空間平均化法を用いて近似解析を行う。このような近似解析により、簡単化した力学モデルは、2次系となることがわかる。
図6、7は、本実施形態に係るAM−AFMのサーボアナライザを用いて得られた制御対象P(s)の周波数応答を示している。また、図6、7は、P(s)の周波数応答にフィッティングさせて得られたノミナルプラントPn(s)の周波数応答も重ねて示している。ノミナルプラントPn(s)の伝達関数は、(2)式のように表される。
Figure 2009210361
本実施形態は、市販の原子間力顕微鏡装置を改造することにより実行することができる。例えば、市販の原子間力顕微鏡装置として、日本電子株式会社製のJSPM−5200を用いても良い。
本実施形態に係るAM−AFMでは、以下のような経路で試料の走査が行われる。図8は、試料をz軸上から見た、本実施形態に係るAM−AFMによる試料の走査経路を示している。図8に示されているように、まず、X方向の走査開始位置から走査幅L[μm]だけ右方向へ「行きの」走査が行われる。このような走査をフォワードスキャン(Forward Scan(FWS))と呼ぶ。次に、FWSと同じ経路をたどって右端から左端まで戻るように「帰りの」走査が行われる。このような走査をバックワードスキャン(Backward Scan(BWS))と呼ぶ。ここで、FWSとBWSの走査速度は等しいとすることができる。FWSとBWSの往復が完了したら、y方向にステップ変位して「次のラインの」走査が行われる。以上の走査を繰返し行うことで、試料表面の走査が実行される。
本実施形態では、例えば、走査の解像度を、X方向とY方向共に512ポイント/ラインとすると、走査幅をL[μm]として、この場合、分解能はおおよそ2L[nm]である。
(従来法と表面形状学習オブザーバとの比較)
以下で、従来法に係る制御、表面形状オブザーバ(STO)に係る制御、および本実施形態に係る表面形状学習オブザーバ(STLO)に係る制御について説明する。
図5は、本実施形態で用いられる制御ブロック図を示す。本実施形態では、連続時間で設計した補償器114が、DSP501により、サンプリング時間T(s)=0.1[ミリ秒]で離散化されている。また、本実施形態では、FB補償器C(s)として、以下の式(3)で示されるPI補償器が用いられる。
Figure 2009210361
(従来法)
前述したように、従来法に係るAM−AFMは、制御入力uを表面形状の観測値としている。したがって、従来法に係るAM−AFMでは、表面形状dから制御入力uまでの伝達関数は、このシステムの相補感度関数T(s)と等しく、以下の式(4)のようになる。
Figure 2009210361
式(4)より、従来法の表面形状の観測値uは、補償器C(s)をハイゲインなコントローラにすれば表面形状dを高い精度で反映できることがわかる。しかしながら、式(4)において、C(s)は、閉ループ極を構成するため、むやみなハイゲイン化は制御系の不安定化を招く。
(表面形状オブザーバ(STO))
上記のような従来法の持つ欠点を解決するものが、表面形状を入力端外乱とみなし、これを外乱オブザーバにより推定する表面形状オブザーバ(Surface Topography Observer(STO))(非特許文献10)である。
図5の破線内に、STOのブロック図が示されている。STOでは、推定された表面形状
Figure 2009210361
を制御入力uへ戻さず、単に推定器としてのみ用いている。STOで推定される表面形状
Figure 2009210361
を求めると、
Figure 2009210361
である。ここで、Δ(s)は、P(s)=Pn(S)(1+Δ(s))という関係式を満たす乗法的モデル化誤差である。式(5)の両辺をQ(s)dで割ると
Figure 2009210361
となる。
ここで、感度関数S(s)は、相補感度関数T(s)とS(s)=1−T(s)の関係にあることを式(6)に用いて、式(6)の両辺にQ(s)dをかけると、推定する表面形状
Figure 2009210361
は、
Figure 2009210361
となる。
ここで、例えば、Qフィルタとして、以下の式(8)で示されるカットオフ周波数が1[kHz]のものを用いることができる。
Figure 2009210361
ここで、表面形状オブザーバにおけるモデル化誤差Δ(s)の影響は感度関数S(s)に従って抑圧される。また、精度よくモデル化した場合、すなわちモデル化誤差Δ(s)が小さいならばSTOにより推定された表面形状
Figure 2009210361
は、Qフィルタの時定数に従って、直ちに真の表面形状dに収束する。このため、STOの設計においては閉ループ系の安定性を考慮する必要がなく、気軽に操作できる。
しかし、STOでは、閉ループ系の応答が改善されるわけではない。したがって、AM−AFMにおいて、サーボ剛性が十分でない場合、STOを用いると、試料の凸部の高速走査時に、試料の表面形状で、カンチレバと試料の接触力が大きくなり試料を傷めてしまう場合がある。また、AM−AFMにより、試料の凹部を走査する場合には、試料とカンチレバが完全に離れてしまうため、出力の飽和現象などにより正確な計測が行えない場合がある。
(表面形状学習オブザーバ(STLO))
上記のSTOの問題点を解決するたに、フィードフォワード信号を制御入力に印加して補償を行うことにより、追従誤差eの低減を図るものが、本実施形態に係る表面形状学習オブザーバ(STLO)である。
STLOは、ディジタル外乱オブザーバを適用することにより推定された外乱を、系の安定性に影響することなくフィードフォワード的に外乱を抑圧して、高精度でAFMにより観測する表面画像を推定することができる。
図5の一点鎖線内に本実施形態に係るSTLOのブロック図が示されている。
STLOの制御入力uは、以下の式(9)によって表される。
Figure 2009210361
上記の式(9)において、
Figure 2009210361
は、
Figure 2009210361
をもとに生成されたフィードフォワード信号である。
本実施形態の特徴は、AM−AFMのコントローラにおいて、以下で説明する、単方向型表面形状学習オブザーバ(SD−STLO)、前列走査型表面形状学習オブザーバ(PLS−STLO)、および双方向型表面形状学習オブザーバ(DD−STLO)を用いて、追従誤差eの低減を図る点にある。
(単方向型表面形状学習オブザーバ(SD−STLO))
本実施形態に係る単方向型表面形状学習オブザーバ(Single Directional Type Surface Topography Learning Observer(SD−STLO))は、FWS時とBWS時のスキャン経路が同じであることをうまく利用したものである。
SD−STLOは、FWS(行きの走査)の間に表面形状を計測および記憶し、当該FWS(行きの走査)と同一ラインのBWS(帰りの走査)において、記憶された表面形状を用いて制御し、試料表面の表面形状を推定する。
具体的には、SD−STLOでは、FWS時に得た表面形状
Figure 2009210361
を学習信号として、メモリに記憶し、BWS時にフィードフォワード信号として制御入力に印加する。
図9は、SD−STLOにおける、メモリの入出力を示している。SD−STLOにおいて、FWSとBWSの切替りは、X方向の走査による波形から判断される。
図9において、flnは、FWSでの学習信号を示しており、flnの添字のlは、ライン数を示し、nは、X方向の位置に相当する。
SD−STLOの特徴は、FWSで得られた学習信号
Figure 2009210361
をBWSにて同一ライン上でフィードフォワード信号
Figure 2009210361
として与えているので、
Figure 2009210361
Figure 2009210361
の整合性が高いことである。しかしながら、図9から明らかなようにフィードフォワード信号の制御入力への印加は、BWSのみであり、FWS時には、フィードフォワード信号は制御入力へ印加されない。
なお、SD−STLOでは、1ライン目のFWS時は学習信号がないため、FB動作のみが実行される。
(前列走査型表面形状学習オブザーバ(PLS−STLO))
本実施形態に係る前列走査型表面形状学習オブザーバ(Pre−Line Scanning Type Surface Topography Learning Observer(PLS−STLO))は、1ライン前のFWS(行きの走査)とBWS(帰りの走査)の間に表面形状を計測および記憶し、当該FWS(行きの走査)の次のラインのFWS(行きの走査)とBWS(帰りの走査)において、記憶された表面形状を用いて制御し、試料表面の表面形状を推定する。
具体的には、PLS−STLOは、1ライン前のFWSとBWSで得られた表面形状
Figure 2009210361
を、学習信号として、メモリに記憶し、次のラインのFWSとBWSでフィードフォワード信号
Figure 2009210361
に用いる。
図10は、PLS−STLOにおける、メモリの入出力を示している。 図10において、flnは、FWSでの学習信号を示しており、flnの添字のlは、ライン数を示し、nは、X方向の位置に相当する。また、図10において、blnは、BWS時の学習信号を示している。
PLS−STLOの特徴は、FWSとBWSの両方でフィードフォワード信号を制御入力へ印加することで、追従性能を改善し、その結果、FBコントローラで抑圧すべき誤差eが減少するという点である。
また、SD−STLOは、同一ライン上で得た学習信号を同一ライン上でフィードフォワード信号として与えているのに対し、PLS−STLOは、1ライン前に学習したフィードフォワード信号を制御入力へ印加する。このため、PLS−STLOでは、フィードフォワード信号と表面形状の整合性の保証はできず、隣接ラインに相関が全く無い場合にはフィードフォワード信号が外乱となってしまう。
しかしながら、適切に走査範囲を選べば試料表面はある程度の滑らかさを持っている場合が殆どであるので、実用上では、PLS−STLOは有効である。
なお、PLS−STLOでは、1ライン目のFWS時とBWS時に学習信号がないため、FB動作のみが実行される。
(双方向型表面形状学習オブザーバ(DD−STLO))
双方向型表面形状学習オブザーバ(Dual Directional Type Surface Topography Learning Observer(DD−STLO))は、SD−STLOとPLS−STLOの長所を継承したものである。
DD−STLOは、1ライン前のBWS(帰りの走査)の間に表面形状を計測および記憶し、FWS(行きの走査)において、当該FWS(行きの走査)よりも1ライン前のBWS(帰りの走査)で記憶された表面形状を用いて制御し、FWS(行きの走査)の間に表面形状を計測および記憶し、BWS(帰りの走査)において、BWS(帰りの走査)と同一のラインのFWS(行きの走査)で記憶された表面形状を用いて制御し、試料表面の表面形状を推定する。
図11は、DD−STLOにおける、メモリの入出力を示している。図11において、flnは、FWSでの学習信号を示しており、flnの添字のlは、ライン数を示し、nは、X方向の位置に相当する。また、図11において、blnは、BWS時の学習信号を示している。
DD−STLOでは、FWS時に1ライン前のBWS中に、学習信号として、記憶された表面形状がフィードフォワード信号として制御入力へ印加される。また、BWS時には同一ラインのFWS時に、学習信号として、記憶された表面形状がフィードフォワード信号として制御入力へ印加される。つまり、DD−STLOでは、BWS時には、STLOと同様に、同一ライン上で学習信号と表面形状が対応するため、学習信号と表面形状の整合性が高い。
また、実際の走査において、制御入力に印加されたフィードフォワード信号によりカンチレバの受ける原子間力が一定に保たれ、出力飽和が低減されるので、DD−STLOでは、STOの推定精度の向上が期待できる。このため、次のラインのFWS時に与えられる学習信号
Figure 2009210361
の精度が高いと考えられる。
なお、DD−STLOでは、1ライン目のFWS時は学習信号がないため、FB動作のみが実行される。
(シミュレーションの結果)
図12は、SD−STLOによるシミュレーションの結果を示し、図13は、PLS−STLOによるシミュレーションの結果を示し、図14は、DD−STLOによるシミュレーションの結果を示している。
図12〜図14において、dは、表面形状であり、eは追従誤差であり、uは制御入力であり、
Figure 2009210361
は、フィードフォワード信号が制御入力に印加されるメモリの出力である。
図12〜図14の最上段のグラフでは、dを破線で表し、
Figure 2009210361
を実線で表して、同一のグラフ上に重ねている。
dの外乱パターンは、1ライン目と2ライン目は同一の外乱が制御入力に印加された場合、2ライン目から4ライン目にかけて高さが増加、最後の5ライン目で高さが小さくなる表面形状を与えた場合である。同一ライン上でのFWSとBWSの表面形状は同じである。このシミュレーションでは0.01[秒]毎に走査ラインは次のラインへと移ってゆく。
図12の最下段のグラフに示されているように、SD−STLOでは、BWSにおいて外乱が抑圧され、追従誤差(e)がゼロになっている。しかし、FWSではFB動作のみが実行されているので、外乱が大きくなると追従誤差(e)が増大し、試料との接触力が増大している。
図13の最下段のグラフに示されているように、PLS−STLOでは、1ライン前と同一の外乱が制御入力に印加された2ライン目で、FWSとBWSでの外乱抑圧性が最も高くなり、追従誤差(e)がゼロになっている。また、3ライン目以降でも、外乱の増減について1ライン前の情報を活かしているので、FWSにおいてSD−STLOよりも追従誤差(e)の大きさが抑圧されている。しかし、SD−STLOと異なり、BWSにおいて追従誤差(e)がゼロとならず、残ってしまう。
図14の最下段のグラフに示されているように、DD−STLOでは、BWSにおいてSD−STLOと同じく良好な外乱抑圧性を示し、追従誤差(e)の大きさが抑圧されている。また、FWSにおいてもPLS−STLOと同じく、1ライン前の情報を活かし、追従誤差(e)が抑圧されている。
(AM−AFMを用いた実験結果)
以下で、AM−AFMにより、試料を計測した結果について説明する。なお、計測する試料として、高さ約100[nm]、Line&Space(それぞれ500[nm])の標準試料を用いている。
図15は、AM−AFMにおいて従来法による制御を用いて、走査スピードを2.7[μm/s](画像取得時間:4105[秒])と十分遅くして計測した試料の表面形状を示している。
図16は、AM−AFMにおいて従来法による制御を用いて、計測した試料の表面形状を示す。
図17は、AM−AFMにおいて本実施形態に係るSD−STLOによる制御を用いて、計測した試料の表面形状を示す。
図18は、AM−AFMにおいて本実施形態に係るPLS−STLOによる制御を用いて、計測した試料の表面形状を示す。
図19は、AM−AFMにおいて本実施形態に係るDD−STLOによる制御を用いて、計測した試料の表面形状を示す。
図20は、AM−AFMにおいて従来法による制御を用いて、計測した場合の追従誤差(e)を示す。
図21は、AM−AFMにおいて本実施形態に係るSD−STLOによる制御を用いて、計測した場合の追従誤差(e)を示す。
図22は、AM−AFMにおいて本実施形態に係るPLS−STLOによる制御を用いて、計測した場合の追従誤差(e)を示す。
図23は、AM−AFMにおいて本実施形態に係るDD−STLOによる制御を用いて、計測した場合の追従誤差(e)を示す。
図16〜23に示されている計測では、走査速度が16.1[μm/s](画像取得時間:410[秒])である。
以下で説明する図24〜31に示されている計測結果は、図16〜23に示されている計測よりも、走査速度を高速化して得られたものである。図24〜31に示されている計測結果が得られた計測では、走査速度が53.7[μm/s](画像取得時間:123[秒])である。
具体的には、図24は、AM−AFMにおいて従来法による制御を用いて、計測した試料の表面形状を示す。
図25は、AM−AFMにおいて本実施形態に係るSD−STLOによる制御を用いて、計測した試料の表面形状を示す。
図26は、AM−AFMにおいて本実施形態に係るPLS−STLOによる制御を用いて、計測した試料の表面形状を示す。
図27は、AM−AFMにおいて本実施形態に係るDD−STLOによる制御を用いて、計測した試料の表面形状を示す。
また、図28は、AM−AFMにおいて従来法による制御を用いて、計測した場合の追従誤差(e)を示す。
図29は、AM−AFMにおいて本実施形態に係るSD−STLOによる制御を用いて、計測した場合の追従誤差(e)を示す。
図30は、AM−AFMにおいて本実施形態に係るPLS−STLOによる制御を用いて、計測した場合の追従誤差(e)を示す。
図31は、AM−AFMにおいて本実施形態に係るDD−STLOによる制御を用いて、計測した場合の追従誤差(e)を示す。
図20、28に示されているように、AM−AFMにおいて従来法による制御を用いると、FWSとBWSの両方で追従誤差(e)が大きい。
これに対し、図21、29に示されているように、AM−AFMにおいて本実施形態に係るSD−STLOによる制御を用いると、FWSでは、従来法と同様に追従誤差(e)が大きくなるが、BWSにおいてフィードフォワード信号の効果で追従誤差(e)が抑圧される。
また、図22、30に示されているように、AM−AFMにおいて本実施形態に係るPLS−STLOによる制御を用いると、BWSのみならずFWSにおいてもフィードフォワード信号が制御入力に印加されるので、追従誤差(e)の抑圧を達成できる。
また、図23、31に示されているように、AM−AFMにおいて本実施形態に係るDD−STLOによる制御を用いると、FWSとBWSにおいてSD−STLOのBWSと同程度まで追従誤差(e)を抑圧できる。
以上のように、AM−AFMにおいて、本実施形態に係るSD−STLO、PLS−STLO、およびDD−STLOによる制御を用いると、高速走査を行っても、追従誤差(e)を低減することができ、試料を傷つけないで、計測時間を短縮化することができる。
AM−AFMの計測原理を示す図である。 本実施形態に係る簡単化した力学モデルを示す図である。 本実施形態に係るブロック図を示す図である。 原子間力を示す図である。 制御ブロック図を示す図である。 周波数応答を示す図である。 周波数応答を示す図である。 試料の走査経路を示す図である。 本実施形態に係るSD−STLOにおける、メモリの入出力を示す図である。 本実施形態に係るPLS−STLOにおける、メモリの入出力を示す図である。 本実施形態に係るDD−STLOにおける、メモリの入出力を示す図である。 本実施形態に係るSD−STLOによるシミュレーションの結果を示す図である。 本実施形態に係るPLS−STLOによるシミュレーションの結果を示す図である。 本実施形態に係るDD−STLOによるシミュレーションの結果を示す図である。 AM−AFMにおいて従来法による制御を用いて、計測した試料の表面形状を示す図である。 AM−AFMにおいて従来法による制御を用いて、計測した試料の表面形状を示す図である。 AM−AFMにおいて本実施形態に係るSD−STLOによる制御を用いて、計測した試料の表面形状を示す図である。 AM−AFMにおいて本実施形態に係るPLS−STLOによる制御を用いて、計測した試料の表面形状を示す図である。 AM−AFMにおいて本実施形態に係るDD−STLOによる制御を用いて、計測した試料の表面形状を示す図である。 AM−AFMにおいて従来法による制御を用いて、計測した場合の追従誤差(e)を示す図である。 AM−AFMにおいて本実施形態に係るSD−STLOによる制御を用いて、計測した場合の追従誤差(e)を示す図である。 AM−AFMにおいて本実施形態に係るPLS−STLOによる制御を用いて、計測した場合の追従誤差(e)を示す図である。 AM−AFMにおいて本実施形態に係るDD−STLOによる制御を用いて、計測した場合の追従誤差(e)を示す図である。 AM−AFMにおいて従来法による制御を用いて、計測した試料の表面形状を示す図である。 AM−AFMにおいて本実施形態に係るSD−STLOによる制御を用いて、計測した試料の表面形状を示す図である。 AM−AFMにおいて本実施形態に係るPLS−STLOによる制御を用いて、計測した試料の表面形状を示す図である。 AM−AFMにおいて本実施形態に係るDD−STLOによる制御を用いて、計測した試料の表面形状を示す図である。 AM−AFMにおいて従来法による制御を用いて、計測した場合の追従誤差(e)を示す図である。 AM−AFMにおいて本実施形態に係るSD−STLOによる制御を用いて、計測した場合の追従誤差(e)を示す図である。 AM−AFMにおいて本実施形態に係るPLS−STLOによる制御を用いて、計測した場合の追従誤差(e)を示す図である。 AM−AFMにおいて本実施形態に係るDD−STLOによる制御を用いて、計測した場合の追従誤差(e)を示す図である。
符号の説明
101 発振用ピエゾ素子
102 DDS(ダイレクト・デジタル・シンセサイザー)
103 カンチレバ
104 カンチレバの先端
105 LD(レーザ光)
106 PD(フォトダイオード)
107 レーザ光提供手段
108 BPF(バンドパスフィルタ)
109 RMS−DC
110 コントローラ
111 z−走査器
112 xy−走査器
113 走査回路
114 補償器
115 ピエゾ素子面
116 データ記憶手段

Claims (4)

  1. 試料表面の表面形状をタッピングモードで画像化する原子間力顕微鏡装置であって、
    前記試料表面と原子間力を介して相互作用し、前記原子間力によって振動振幅が振幅変調を受けるカンチレバと、
    前記カンチレバを前記カンチレバの共振周波数で振動させるための振動用ピエゾ素子と、前記カンチレバに向けて第1のレーザ光を入射するレーザ光提供手段と、
    前記カンチレバが前記第1のレーザ光を反射することにより発せられた第2のレーザ光を検出する光検出手段と、
    前記光検出手段により検出された前記カンチレバの先端の変位を振幅変復調するための振幅変復調器と、
    前記試料を載せたピエゾ素子と、
    前記試料表面と前記カンチレバの先端との間の距離を一定に保ち、前記ピエゾ素子に入力電圧を入力し、行きの走査の間に表面形状を計測し、前記ピエゾ素子の出力電圧および前記ピエゾ素子の入力電圧から、前記試料表面の表面形状を推定するコントローラと、
    推定された前記表面形状を記録するデータ記憶手段とを備え、
    前記コントローラは、前記行きの走査と同一ラインの帰りの走査において、記憶された前記表面形状を用いて制御を行うことを特徴とする原子間力顕微鏡装置。
  2. 試料表面の表面形状をタッピングモードで画像化する原子間力顕微鏡装置であって、
    前記試料表面と原子間力を介して相互作用し、前記原子間力によって振動振幅が振幅変調を受けるカンチレバと、
    前記カンチレバを前記カンチレバの共振周波数で振動させるための振動用ピエゾ素子と、
    前記カンチレバに向けて第1のレーザ光を入射するレーザ光提供手段と、
    前記カンチレバが前記第1のレーザ光を反射することにより発せられた第2のレーザ光を検出する光検出手段と、
    前記光検出手段により検出された前記カンチレバの先端の変位を振幅変復調するための振幅変復調器と、
    前記試料を載せたピエゾ素子と、
    前記試料表面と前記カンチレバの先端との間の距離を一定に保ち、前記ピエゾ素子に入力電圧を入力し、1ライン前の行きの走査と帰りの走査の間に表面形状を計測し、前記ピエゾ素子の出力電圧および前記ピエゾ素子の入力電圧から、前記試料表面の表面形状を推定するコントローラと、
    推定された前記表面形状を記録するデータ記憶手段とを備え、
    前記コントローラは、前記行きの走査の次のラインの行きの走査と帰りの走査において、記憶された前記表面形状を用いて制御を行うことを特徴とする原子間力顕微鏡装置。
  3. 試料表面の表面形状をタッピングモードで画像化する原子間力顕微鏡装置であって、
    前記試料表面と原子間力を介して相互作用し、前記原子間力によってその先端の振動振幅が振幅変調を受けるカンチレバと、
    前記カンチレバを前記カンチレバの共振周波数で振動させるための振動用ピエゾ素子と、
    前記カンチレバに向けて第1のレーザ光を入射するレーザ光提供手段と、
    前記カンチレバが前記第1のレーザ光を反射することにより発せられた第2のレーザ光を検出する光検出手段と、
    前記光検出手段により検出された前記カンチレバの先端の変位を振幅変復調するための振幅変復調器と、
    前記試料を載せたピエゾ素子と、
    前記試料表面と前記カンチレバの先端との間の距離を一定に保ち、前記ピエゾ素子に入力電圧を入力し、1ライン前の帰りの走査の間に表面形状を計測し、前記ピエゾ素子の出力電圧および前記ピエゾ素子の入力電圧から、前記試料表面の表面形状を推定するコントローラと、
    推定された前記表面形状を記録するデータ記憶手段とを備え、
    前記コントローラは、行きの走査において、前記行きの走査より前記1ライン前の帰りの走査で記憶された表面形状を用いて制御し、行きの走査の間に表面形状を計測および記憶し、帰りの走査において、前記帰りの走査と同一のラインの前記行きの走査で記憶された表面形状を用いて制御を行うことを特徴とする原子間力顕微鏡装置。
  4. 前記コントローラは、ディジタル外乱オブザーバを用いて前記試料表面の表面形状を推定することを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の原子間力顕微鏡装置。
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