JP2009209644A - 回転貫入杭 - Google Patents

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衛 藤井
Tetsuji Shimoyasu
哲二 下保
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隆司 上田
Jun Shimomura
潤 霜村
Yoshihiko Yamamoto
吉彦 山本
Koji Fujita
弘司 藤田
Tetsuo Hatanaka
哲夫 畑中
Masazumi Konaka
正純 小仲
Keiji Kishimoto
圭司 岸本
Hirotoshi Mizumori
寛敏 水守
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Abstract

【課題】どのような施工条件においても、安定した支持力を得る。
【解決手段】 円筒状の杭本体23の下端24に螺旋状のドリル10を同軸心に取り付け、そのドリル10は、同一の螺旋径r1で軸方向に伸びる支持部11と、その支持部11の先端側に設けられ先端に向かって徐々に螺旋径r2が小さくなるドリル部12とを備え、前記支持部11の螺旋径r1を前記杭本体23の最大径R以下とし、前記支持部11と前記ドリル部12の外形を任意の軸直交断面において正方形となる回転貫入杭20とした。ドリル10の螺旋径を杭本体23の最大径R以下としたので、周囲の地盤がほぐされにくくなり安定した周面摩擦力を確保し得る。また、ドリルの断面を正方形としたことにより、杭の先端に圧力球根部を生じさせ所定の支持力を得ることができる。さらに、ドリル10を支持部11とドリル部12とに分けたので、杭の支持力を維持しながら地盤への貫入をスムースにできる。
【選択図】図1

Description

この発明は、建築物等の構造物の基礎として地盤に打設される回転貫入杭に関するものである。
構造物を支えるために地盤に打設される支持杭として、回転貫入杭がある。一般的な回転貫入杭1は、例えば、図28(a)(b)に示すように、円筒状の杭本体3の下端4に、外径側に突出する螺旋状の回転羽根2が備えられている。
この杭本体3を筒軸周りに回転させながら地盤に貫入させ、その下端4を基礎地盤に到達させる。このとき、回転貫入杭1には、杭本体3の断面積、及び図28(b)に濃色で示す回転羽根2の有効面積s等に見合った支持力が得られるようになっている。
この回転羽根2は、通常、杭の先端支持力を高めるために、杭本体3の外周面からの突出幅w(前記有効面積sに相当する部分の径方向への突出幅)が大きい板状の部材が多用されている。
板状の部材であれば、構造物や地盤から回転貫入杭1に作用する上下方向の力を、その板面で受けることができる。また、杭本体3の回転によって回転羽根2は、地中の土砂をすくい上げるように機能するので、その土砂のすくい上げによる回転貫入杭1の推進効果も期待できる(例えば、特許文献1参照)。
また、用途は異なるが、同じく地盤に貫入させる部材としてスクリューポイントと呼ばれる軸状の回転貫入部材がある。この回転貫入部材は、スウェーデン式サウンディング(JIS A 1221:2002)に用いられる。
その構成は、図29に示すスクリューポイント7のように、地盤に食い込んで行き易いように先端が螺旋状となっており、その断面形状は、任意の軸直交断面において正方形となっている。この形状は、いわば、先端に向かって徐々に細くなる正四角錐状の細長い鋼材を、一定の曲率で軸周りにひねって螺旋状に形成したような態様となっている。螺旋状の部分の断面形状を正方形としたのは、JIS規格の規定によるものである。
この図29に示すスクリューポイント7は、図28に示す前記回転貫入杭1のように、板状の部材からなる回転羽根2を、外径側に大きく突出させたものではない。
これは、スウェーデン式サウンディングという試験方法が、地盤をほぐさない状態の原位置において、その地盤の支持力(硬さ又は柔らかさ)を相対的な指標をもとに計測することを目的とし、すなわち、その回転羽根2に、回転貫入杭1のような推進効果や、回転羽根2による杭の支持力を期待する必要がないからではないか、あるいは、原位置試験という性格上、むしろ地盤をほぐさないことを要件としているからではないか、と考えられる(例えば、特許文献2参照)。
特開昭59−85028号公報 特開2007−32274号公報
前述のように、回転貫入杭1は、円筒状の杭本体3から外径側に大きく突出する回転羽根2を備えているため、地盤に貫入すると杭本体3以上の大きな径の孔が地盤に形成されることとなる。
このとき、回転羽根2の作用により掘削した土砂が、すくい上げられるように順次上方へ排出されるため、土の圧密現象が生じて杭周辺の地盤が締め固められる作用がある。この締め固めにより、杭本体3の外周面と地盤との周面摩擦力が確保できると、一般的には考えられている。
しかし、現実的には、例えば、地盤の質や採用する工法等の施工条件によって、確保できる前記周面摩擦力は異なるものと考えられる。特に、粘土質地盤において、回転貫入杭1を非常に速い貫入速度で地盤に貫入させた場合と、ゆっくりとした貫入速度で地盤に貫入させた場合とでは、周面摩擦力に差異が生じてしまうことも予想される。安定した杭の支持力を得るためには、周面摩擦力は、できる限り安定して確保できることが望ましい。
そこで、この発明は、構造物を地盤に支持するために打設される回転貫入杭において、どのような施工条件においても、安定した支持力を得ることができるようにすることを課題とする。
上記の課題を解決するために、この発明は、構造物の基礎として地盤に打設され、円筒状の杭本体の下端に螺旋状のドリルを同軸心に取り付けた回転貫入杭において、前記ドリルを多条ねじとするとともに、前記ドリルの軸心を含む任意の断面における前記多条ねじの隣り合うねじ山の頂部と頂部との間の全長を円弧状としたことを特徴とする回転貫入杭の構成を採用した。
また、他の構成として、構造物の基礎として地盤に打設され、円筒状の杭本体の下端に螺旋状のドリルを同軸心に取り付けた回転貫入杭において、前記ドリルを多条ねじとするとともに、前記ドリルの外形を任意の軸直交断面において正多角形としたことを特徴とする回転貫入杭の構成を採用した。
なお、前記多条ねじを4条ねじとし、前記正多角形は正方形とすることができる。また、前記正多角形は、その角(かど)を平面視において、面取りあるいは円弧状とした形状を採用することもできる。正多角形、正方形とは、そのような角(かど)を面取りあるいは円弧状とした形状も含む概念である。
打設後の杭の支持力については、前記ドリルを多条ねじとして、そのドリルの軸心を含む任意の断面における隣り合うねじ山の頂部と頂部との間の全長を円弧状としたことにより、ドリルの外形が任意の軸直交断面において非円形断面となり、その結果、杭先端近くの地盤に圧力球根部(図3参照)を生じさせ、所定の杭の支持力を得ることができる。
また、前記ドリルを多条ねじとして、そのドリルの外形を任意の軸直交断面において正多角形としたことにより、同じく、杭先端近くの地盤に圧力球根部を生じさせ、所定の杭の支持力を得ることができる。
これは、圧力球根部が、地盤がドリルによって乱されない状態で圧密された場合に生じるものであり、ドリルの多条ねじの頂部と頂部との間の全長を円弧状としたこと、あるいは多条ねじの軸直交断面を正多角形としたことにより、ドリルと土との間に生じるせん断力を増加させ、且つ杭周囲の圧密を促進し、圧力球根部の形成に有利に作用しているものと考えられる。
また、ドリルとして多条ねじ構造を採用していることから、杭として土中に貫入する際に、1回転当たりの貫入量が1条ねじの場合と比較してその条数倍となり、その大きな貫入量により、周辺の地盤を乱すことが少なくなって、周面摩擦力の増大につながっているとも考えられる。
また、上記の構成において、前記ドリルは、同一の螺旋径で軸方向に伸びる支持部と、その支持部の先端側に設けられ先端に向かって徐々に螺旋径が小さくなるドリル部とを備えた構成とすることができる。
このように、ドリルの形状を、同一の螺旋径で軸方向に伸びる支持部と、その支持部の先端側に設けられ先端に向かって徐々に螺旋径が小さくなるドリル部とに分けた構成を採用した場合においては、そのドリルは、主に根元側(上側)の支持部の作用により周囲の土との間にせん断力を生じさせ、且つ、主に先端側(下側)のドリル部の作用により杭本体を地盤に貫入しやすいように機能し得る。
なお、前記正多角形は、ドリルの支持部とドリル部の全長に亘って同一断面(同一断面とは、相似の関係となる形状を含む)であることが望ましい。同一断面であれば、ドリルの全長に亘って有効面積が均等に近くなり、特に支持部においてはより均等な支持力を期待できる。また、螺旋の稜線は、部分的に断続な部分が含まれていてもよいが、ドリルの支持部とドリル部の全長にわたって連続的であることが望ましい。また、その稜線の曲率は、ドリルの支持部とドリル部の全長に亘ってスムースにつながっていることが望ましい。
また、前記ドリルの最大螺旋径を、前記杭本体の最大径以下とした構成を採用することができる。
この構成によれば、ドリルの螺旋径を杭本体の最大径以下としたことにより、杭本体の外周面よりも外径側に位置する地盤がほぐされにくくなる。このため、安定した周面摩擦力を確保し得る。
また、この構成によれば、ドリルの羽根が杭本体の外周面から外径側に突出しないので、嵩張らないという利点がある。このドリルは、杭本体とともに地中に埋めたまま構造物の基礎として利用されるので、杭の本数に見合う大量のドリルを運搬し、保管する必要がある。このため、ドリルの嵩が小さいことは、資材の輸送面及び保管面において有利である。
さらに、前記ドリルの螺旋状を成す部分の先端側に正多角錐状の先鋭部を設けた構成を採用することができる。
このように先鋭部を設ければ、ドリルの刃が、その先端の一定部分のみ直線状になって、そのドリルの地盤への貫入がさらにスムースになる。
また、その先鋭部を成す多角錐の底面(軸直交断面)をドリル部の軸直交断面と同形状として、先鋭部の各母線に多条ねじの稜線を接続すれば、ドリル全体の地盤へのスムースな貫入を維持し得る。
また、先鋭部の他の構成として、前記ドリルの螺旋状を成す部分の先端側に先鋭部を設け、その先鋭部は、前記軸心から外径側に伸びるフィンを備え、そのフィンの外縁が前記ドリルの先端に向かうにつれて徐々に前記軸心に近づくものである構成を採用することができる。
この先鋭部によれば、隣り合うフィンの間の空間を通って、掘削した土がドリルの螺旋間に誘導されやすくなる。その結果、土は杭の上部へとリフトアップされて、杭周囲の圧密度合いを高め、周面摩擦力を向上することができる。
なお、前記多条ねじのピッチ角(軸直交方向に対するねじ山の螺旋の稜線方向の角度)を45度以下とすれば、土をリフトアップする力が土を側方に押し出す力を上まわるので好ましく、さらに、そのピッチ角は、15度以上30度以下の角度とすることが好ましい。
この発明は、多条ねじのねじ山の頂部と頂部との間の全長を円弧状としたこと、あるいは多条ねじの軸直交断面を正多角形としたことにより、杭の先端に圧力球根部を生じさせやすくなり、安定した杭の支持力を得ることができる。
また、ドリルの形状を、同一の螺旋径で軸方向に伸びる支持部と、その支持部の先端側に設けられ先端に向かって徐々に螺旋径が小さくなるドリル部とに分けたので、杭の地盤への貫入を良好にしながら、且つ前記圧力球根部を良好に形成し得る。
さらに、ドリルの螺旋径を杭本体の最大径以下としたので、杭本体の外周面よりも外径側に位置する地盤がほぐされにくくなり、安定した周面摩擦力を確保し得る。
この発明の実施形態を、図1乃至図4に基づいて説明する。この実施形態は、図4に示すように、構造物を支える支持杭として地盤gに多数打設される回転貫入杭20である。
この回転貫入杭20は、図1に示すように、円筒状の杭本体23の下端24に、螺旋状のドリル10が取り付けられたものである。ドリル10は、例えば、ダクタイル鋳鉄製、鋼製、樹脂製など、土中に貫入可能で且つ所定の強度を有するものであれば、どのような素材であっても構わない。
ドリル10は、その上端に円筒状の接続部14が設けられており、その接続部14が前記杭本体23の下端24の接続孔22に嵌められている。また、その杭本体23と接続部14とを貫通する2本のボルト16にそれぞれナット15が締付けられて、その杭本体23とドリル10とが固定されている。
このとき、ドリル10の軸心と、杭本体23の軸心とは、同軸心になるように固定されている。すなわち、ドリル10の螺旋の軸心と、杭本体23の軸心とは、同軸心になるように固定されている。
杭本体23とドリル10との固定は、前記ボルト16及びナット15による固定方法に限定されず、杭本体23からドリル10へのトルク伝達が可能な構造であれば、種々の固定方法を採用し得る。例えば、溶接による固定方法を採用してもよい(例えば、後述の他の実施形態を示す図7参照)。
そのドリル10は4条ねじであり、図1に示すように、同一の螺旋径(直径)r1で軸方向に伸びる支持部11と、その支持部11の先端側に設けられ先端に向かって徐々に螺旋径(直径)r2が小さくなるドリル部12とを備えている。支持部11の軸方向距離はL1となっており、ドリル部12の軸方向距離はL2となっている。この4条ねじのねじ山の螺旋のピッチ角は29度となっている。つまり、ねじ山の稜線の伸びる方向は、軸直交方向に対して29度の角度を成している。
前記支持部11の螺旋径r1は、前記杭本体3の最大径(直径)Rと同一か、あるいはその最大径Rよりもわずかに小さくなっている。
また、前記支持部11と前記ドリル部12の外形は、任意の軸直交断面において正方形(正多角形)である。図中の符号10aは螺旋の稜線(山)であり、符号10bは螺旋の谷を示している。
4条ねじで構成されているドリル10のねじ山の螺旋の稜線10aは、ドリル10の支持部11における稜線11aと、ドリル部12における稜線12aとが、その全長にわたって連続的に形成されており、その各稜線11a,12aは、支持部11とドリル部12の全長に亘って折れ点等なく、稜線11aは一定の曲率で、稜線12aはその稜線11aの曲率から徐々に小さくなるようにスムースに連続している。
また、この実施形態では、ドリル10の螺旋の稜線10aが、支持部11からドリル部12に亘って全体で軸周り1.0回転するように設定されたものである。
さらに、前記ドリル部12の先端側に、前記ドリル部12の軸直交断面と同形状の軸直交断面を外形とする正四角錐状の先鋭部13が設けられている。その先鋭部13の各母線13aに前記ドリル部12の各螺旋の稜線12a(10a)が接続されている。先鋭部13の軸方向距離は、L3となっている。
この回転貫入杭20をドリル10を下向きにして杭打ち機(図示せず)に支持し、その杭打ち機の機能により杭本体23を筒軸周りに回転させながら、ドリル10の先端が基礎地盤に到達するまで地盤gに貫入させていく。
この貫入の際に、ドリル10の螺旋径r1,r2を杭本体23の最大径R以下としたので、杭本体23の外周面よりも外径側に位置する地盤gがほぐされにくくなる。このため、杭本体23の外周面と周囲の地盤gとの間に空隙ができることを抑制し、安定した周面摩擦力を確保し得る。
さらに、ドリル10の形状を、同一の螺旋径r1で軸方向に伸びる支持部11と、先端に向かって徐々に螺旋径r2が小さくなるドリル部12とに分けたので、そのドリル10は、主に支持部11において地盤に対する支持力を維持しながら、主にドリル部12の作用により地盤gへの貫入をスムースにできる。
また、打設後の杭の支持力については、前記ドリル10の螺旋径r1,r2を杭本体23の最大径R以下としたことに加え、前記支持部11と前記ドリル部12の外形を任意の軸直交断面において正方形としたことにより、図3に示すように、杭の先端に圧力球根部5を生じさせ、所定の杭の支持力を得ることができる。また、杭に加わる下向きの荷重は、その杭の先端から地盤に対し、その圧力球根部5を一部に含む符号6に示すエリアに対して主に伝達される。
なお、杭周囲の地盤に圧力球根部5が生じていることは、例えば、模型実験等により、杭の打設後に周囲の地盤全体を抽出して、その抽出土の硬度測定により確認することができる。
また、杭周囲の地盤に圧力球根部5が生じていることは、杭の鉛直載荷試験を行うことでも確認することができる。杭の鉛直載荷試験は、一般的には、杭の鉛直支持力及び周面摩擦力を測定するものであるが、杭先端部の有効面積から推測される杭支持力よりも大きな支持力が確認できれば、圧力球根部5が形成されていることを推察することができる。
この圧力球根部5は、断面正方形を成すドリル10外周の螺旋の谷10bと、周囲の地盤gの土とのせん断力によって、そのドリル10の軸周りに、側面視球根状の形状を成す範囲で土がほぐされることなく圧密されて形成されている。
この圧力球根部5の形成により、支持部11及びドリル部12の投影面積(平面視における投影面積)が小さくとも、大きな回転羽根2を備えた従来の回転貫入杭1(図28参照)と同程度以上の支持力を確保することができる。
このように、圧力球根部5は、支持部11及びドリル部12によって大きく乱されない状態で圧密された場合に生じるものであり、上記のドリル形状を有する本発明の杭先端構造によって生じる特有の現象である。
また、このドリル10の多条ねじ構造によれば、その支持部11及びドリル部12の軸直交断面を正方形としたことにより、そのねじ山が、従来の板状を成す回転羽根2よりも剛性が高いものとなっており、この高い剛性により、羽根の変形等に伴う有効面積の減少を生じさせにくいものとなっている。
また、従来の板状の回転羽根2によれば、地盤からの力は多くても2、3段の回転羽根2にしか加わらないため、仮に、杭に対して偏心荷重が作用した場合に、芯ずれが生じる可能性もある。
これに対し、この発明の多条ねじ構造によれば、ねじ山の稜線が多数本存在することによって、ドリル10の全周全長に亘って均等に近い力が作用する。このため、杭に偏心荷重が作用しても、その偏心荷重がドリル10の全周全長に亘って相殺されるので、仮に、芯ずれが生じてもその芯ずれの程度が小さく抑制されるという効果が期待できる。
また、この実施形態では、前記ドリル部12の先端側に、正四角錐状の先鋭部13を設け、その先鋭部13の各母線13aに前記ドリル部12の各螺旋の稜線12aを接続している。
このように先鋭部13を設ければ、ドリル10の刃が先端の一定部分(先鋭部13の母線13aに相当)のみ直線状になって、そのドリル10の地盤gへの貫入がさらにスムースになる。
また、その先鋭部13の各母線13aに前記ドリル部12の各螺旋の稜線12aがスムースに接続されているので、ドリル10全体の地盤へのスムースな貫入を維持し得るようになっている。
他の実施形態を図5に示す。この実施形態は、4条ねじで構成されるドリル10のねじ山の各螺旋の稜線10aが、支持部11からドリル部12に亘って全体で軸周り0.5回転に設定されたものである。ねじ山の螺旋ピッチや螺旋のピッチ角は、上記図1乃至図4に示す実施形態と同一であり、このため、ドリル10の軸方向長さは短くなっている。
さらに他の実施形態を図6に示す。この実施形態は、4条ねじで構成されるドリル10の各螺旋の稜線10aが、支持部11からドリル部12に亘って全体で軸周り1.5回転に設定されたものである。ねじ山の螺旋ピッチや螺旋のピッチ角は、上記図1乃至図4、及び上記図5に示す実施形態と同一であり、このため、ドリル10の軸方向長さは、いずれの実施形態に対しても長くなっている。この構成によれば、ドリル10と土とのせん断力が高くなるため、期待できる杭の先端支持力は相対的に高くなると考えられる。
さらに他の実施形態を図7に示す。この実施形態は、上記図1乃至図4に示す実施形態において、ドリル10の螺旋の稜線10aの外形を、非円形に形成したものである。また、ドリル10と杭本体23とを、ボルト16及びナット15を用いずに溶接により固定している。
前述の各実施形態では、支持部11の螺旋の稜線11aが平面視円形になるように形成していた。また、先端に設けられる先細りのドリル部12においても、その螺旋の稜線12aが平面視円形に近い外形となるように、その曲率が先端へ向かうにつれて不連続なく徐々に小さくなるように形成していた。
それに対し、この図7に示す実施形態では、支持部11とドリル部12の螺旋の稜線11a,12aが、それぞれ曲率の小さい部分と曲率の大きい部分とが交互に出現するようにし、その曲率の小さい部分が、螺旋に沿って軸周り90度毎に出現するようにしたものである。
このため、螺旋の稜線11a,12aの外形は、平面視四角形に近い形態となっている。
これらの図5乃至図7に示す実施形態において、各部の基本的作用については、前述の実施形態と同様であるので、説明を省略する。
さらに他の実施形態を図8及び図9に示す。この実施形態は、ドリル10の螺旋の構成を、先端に向かって徐々に螺旋径r2が小さくなるドリル部12のみで構成し、螺旋径r1が一定となる支持部11を設けないようにしたものである。
ドリル10の最大径r2は、図9に示すように、前記杭本体23の最大径Rよりも若干大きくなっている。また、ドリル部12のねじ山の螺旋のピッチ角は15度となっている。
また、先鋭部13の構成を、前述の多角錐状のものに代えて、ドリル10の軸心から平面視放射状に伸びる複数のフィン13bを備えたものとしている。この実施形態では、螺旋の稜線10aが4本であるので、4本のフィン13bが等分方位となるよう十字状に設けられている。
各フィン13bの外縁13cは、前記ドリル10の先端に向かうにつれて徐々に前記軸心に近づくものであり、前記各外縁13cに前記ドリル10の各螺旋の稜線がそれぞれ接続されている。
この先鋭部13によれば、隣り合うフィン13b,13bの間の空間を通って、掘削した土がドリル10の螺旋間に誘導されやすくなる。その結果、土は杭本体23の上部へとリフトアップされて、杭周囲の圧密度合いを高め、周面摩擦力を向上することができる。
また、ドリル10の最大径r2は、前記杭本体23の最大径Rよりも大きくなっているので、その土のリフトアップの効果が高められている。
さらに他の実施形態を図10に示す。この実施形態は、前記図8及び図9に示す構成において、ねじ山の各螺旋の稜線10aが、全体で軸周り0.5回転に設定されたものである。また、ねじ山の螺旋のピッチ角は、30度に設定されている。
なお、これらの各実施形態において、ドリル10として4条ねじを採用し、且つその軸直交断面の形状を、ドリル10の支持部11とドリル部12の全長に亘って正方形としたが、この4条ねじと正方形の組合わせに代えて、例えば、3条ねじと断面正三角形の組合わせ、5条ねじと断面正五角形の組合わせ、6条ねじと断面正六角形の組合わせ、8条ねじと断面正八角形の組合わせ等、多条ねじとその多条ねじのねじ山の本数と同数の頂点を有する正多角形との組合わせの構成を採用し得る。
この場合、多角錐状の先鋭部13の構成は、その断面に対応する正三角錐、正五角錐、正六角錐、正八角錐等とすることができるが、多条ねじのねじ山の本数に関わりなく、正四角錐状の先鋭部13を採用してもよい。
また、フィン13bを備えた先鋭部13の場合は、そのフィン13bは、例えば、4つのフィン13bを十字状に配置することができる。また、二つのフィン13bを一文字状に配置することもできる。
また、ドリル10の先に前記先鋭部13を設けずに、ドリル10の先端をドリル部12とした構成も考えられる。
さらに他の実施形態として、ドリル10を4条ねじ等の多条ねじ構造として、そのドリル10の軸心を含む任意の断面において、前記多条ねじの隣り合うねじ山の頂部と頂部との間の螺旋の谷10bの全長を円弧状とした構成を採用することができる。
この構成においても、前記各実施形態に示す断面正多角形のドリル10を用いた回転貫入杭と同様の効果を発揮することができる。
一実施形態を示し、(a)は斜視図、(b)は側面図、(c)は(b)の底面図 ドリルの詳細を示し、(a)は斜視図、(b)は側面図、(c)は(b)のc−c断面図、(d)は(b)のd−d断面図、(e)は(b)のe−e断面図 同実施形態の作用図 回転貫入杭の使用状態を示す説明図 他の実施形態を示し、(a)は斜視図、(b)は側面図、(c)は(b)の底面図 さらに他の実施形態を示し、(a)は斜視図、(b)は側面図、(c)は(b)の底面図 さらに他の実施形態を示し、(a)は斜視図、(b)は側面図、(c)は(b)の底面図 さらに他の実施形態を示し、(a)は斜視図、(b)は側面図、(c)は(b)の底面図、(d)は(b)のd−d断面図 図8の回転貫入杭の作用図 さらに他の実施形態を示し、(a)は斜視図、(b)は側面図 図1に示す実施形態の写真図 図1に示す実施形態の写真図 図1に示す実施形態の写真図 図5に示す実施形態の写真図 図5に示す実施形態の写真図 図5に示す実施形態の写真図 図6に示す実施形態の写真図 図6に示す実施形態の写真図 図6に示す実施形態の写真図 図7に示す実施形態の写真図 図7に示す実施形態の写真図 図8に示す実施形態の写真図 図8に示す実施形態の写真図 図8に示す実施形態の写真図 図10に示す実施形態の写真図 図10に示す実施形態の写真図 図10に示す実施形態の写真図 従来例を示し、(a)は側面図、(c)は(b)の底面図 スクリューポイントを示し、(a)は側面図、(b)は(a)のb−b断面図
符号の説明
1,20 回転貫入杭
2 回転羽根
3,23 杭本体
4,24 下端
5 圧力球根部
10 ドリル
10a,11a,12a 螺旋の稜線(山)
10b 螺旋の谷
11 支持部
12 ドリル部
13 先鋭部
13a 母線
14 接続部
15 ナット
16 ボルト
22 接続孔

Claims (7)

  1. 構造物の基礎として地盤に打設され、円筒状の杭本体23の下端24に螺旋状のドリル10を同軸心に取り付けた回転貫入杭において、
    前記ドリル10を多条ねじとするとともに、前記ドリル10の軸心を含む任意の断面における前記多条ねじの隣り合うねじ山の頂部と頂部との間の全長を円弧状としたことを特徴とする回転貫入杭。
  2. 構造物の基礎として地盤に打設され、円筒状の杭本体23の下端24に螺旋状のドリル10を同軸心に取り付けた回転貫入杭において、
    前記ドリル10を多条ねじとするとともに、前記ドリル10の外形を任意の軸直交断面において正多角形としたことを特徴とする回転貫入杭。
  3. 前記多条ねじは4条ねじであり、前記正多角形は正方形であることを特徴とする請求項2に記載の回転貫入杭。
  4. 前記ドリル10の最大螺旋径を、前記杭本体23の最大径R以下としたことを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の回転貫入杭。
  5. 前記ドリル10の螺旋状を成す部分の先端側に正多角錐状の先鋭部13を設けたことを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の回転貫入杭。
  6. 前記ドリル10の螺旋状を成す部分の先端側に先鋭部13を設け、その先鋭部13は、前記軸心から外径側に伸びるフィン13bを備え、そのフィン13bの外縁13cが前記ドリル10の先端に向かうにつれて徐々に前記軸心に近づくものであることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の回転貫入杭。
  7. 前記多条ねじのピッチ角を、15度以上30度以下の角度としたことを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の回転貫入杭。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2013194416A (ja) * 2012-03-19 2013-09-30 Hokoku Eng Kk スクリュー型回転式貫入杭と地盤改良杭の構築方法
JP2020106063A (ja) * 2018-12-26 2020-07-09 日東精工株式会社 フロードリルねじ

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