JP2009207790A - 拭き取り清掃を行う自走式掃除機 - Google Patents

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信之 林
Shozo Masuda
昭三 増田
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康彦 石榑
Jun Mizumoto
淳 水元
Hiroshi Noda
博 野田
Toshiro Yamada
俊郎 山田
Takashi Nishijima
隆 西嶋
Katsutoshi Fujii
勝敏 藤井
Akio Inaba
昭夫 稲葉
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Abstract

【課題】 スーパーマーケット等の店舗の通路や、病院の廊下など、左右両側と前方と後方に壁が設けられているほぼ長方形の滑らかな床を、効率よく拭き取り掃除できる安価な自走式掃除機を提供する。
【解決手段】 掃除機1は、走行時には、左右いずれかのより近い壁面までの距離を算出して、その壁面と平行に走行する。また毎時2.0Kmの低速走行を行い、走行制御CPU22と壁面検出CPU24の2つのCPUによって、自立走行に必要な制御を分散処理し、不織布を0.9gf/cm以上1.2gf/cm以下の圧力で床面に押し付けて拭き取り清掃を行っている。
【選択図】 図3

Description

本発明は、拭き取り清掃を行う自走式掃除機に関する。特に、スーパーマーケット等の店舗の通路や、病院の廊下など、左右両側と前方と後方に壁が設けられているほぼ長方形の滑らかな床を、効率よく拭き取り清掃することのできる自走式掃除機に関する。
従来から、自立走行の機能を備えた自走式掃除機が知られている。特許文献1には、制御部と、超音波送受信器から成る位置検出部と、モータと車輪から成る駆動装置部と、清掃部を備えた掃除機が開示されている。特許文献1の掃除機は、ゴミを吸引して貯める吸引式の掃除機である。又、特許文献1の掃除機は、障害物を検出した時に、進行方向を自動的に変えて走行する。
特許文献2には、本体の左右に速度センサを備え、更にジャイロセンサを備えることで、移動距離、移動速度、及び移動方向を正確に検出する自走式掃除機が開示されている。更にこの掃除機は、記憶回路に走行した距離と方向を記憶して、清掃領域の形状と大きさを認識して、この認識された領域を清掃することにより、確実に清掃領域を全て清掃する。
特許文献3には、走行速度を制御する中央制御演算部と、走行速度と比例する回転速度を維持する清掃用回転パッドを備えた清掃装置が開示されている。特許文献1及び特許文献2の清掃装置が塵埃の吸い込みを行って清掃するのに対し、この清掃装置は、床面の拭き取り掃除を行っている。
一般の住宅で自走式掃除機を使用した場合には、清掃領域の形状が複雑であるために、前進と回転の動作が多くなり、この結果、走行方向が当初計画された方向とずれてくる可能性がある。このようなずれを補正しながら走行するために、より多くのセンサと走行制御手段からなる補正手段を更に設けた自走式掃除機が特許文献4に開示されている。
このように、従来開示されている自走式掃除機は、主に一般家庭での使用を前提としており、家庭で安全に使用するために、障害物の回避手段や、速度制御の手段や、走行方向の補正手段を備えている。これらの手段によって、様々な形状の清掃領域に多くの障害物が存在する場合であっても、障害物を回避して全ての領域を確実に清掃することが可能となっている。しかしながら、具体的にこれらの手段を構成するには、複数のセンサと、センサが検出したデータの複雑な解析を行う演算装置と、走行のための高速で複雑な処理を行う走行制御装置が必要となっており、清掃装置全体が高価なものとなっている。
一方、病院の廊下やスーパーやコンビニエンスストアなどの店舗の通路は、前後左右の壁面によってほぼ規定された略長方形の単純な形状を有している。更に、閉店後や夜間は、これらの通路上に歩行者や障害物が存在する可能性が低く、このような場所を掃除する場合には、多様な障害物の回避や種々の複雑な走行制御がさほど要求されない。このような背景から、病院の廊下や店舗の通路の掃除に適用が可能な自走式掃除機であって、簡易で安価に構成されており、且つ確実に効率よく掃除をおこなうことのできる掃除機が求められている。
又、病院で吸引式の掃除機を使用すると、掃除機の排気が微小な埃を空中に舞い上げて、衛生上の問題を発生することがある。店舗に於いても、舞い上がった微小な埃が商品に付着することは好ましくない場合がある。このため、病院の廊下や店舗の通路を拭き取り掃除することのできる自走式掃除機が強く求められていた。
特開昭55−97608号公報 特開昭62−109528号公報 特開昭63−36312号公報 特開平1−207803号公報
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであって、前後左右に壁面が存在するほぼ長方形に規定された清掃領域に対して特に好適に適用される、効率的で確実な清掃を行うことのできる、より安価な自走式掃除機を提供することを解決すべき課題としている。
又本発明は、前後左右に壁面が存在する病院の廊下や店舗の通路を拭き取り掃除するために最適な、自走式掃除機を提供することを解決すべき課題としている。
請求項1に記載の発明は、拭き取り掃除を行うために特に最適化された自走式掃除機に関する。本発明の自走式掃除機は、レーザを走査することで走査面上の距離データを測定するレーザレンジセンサを1個以上備えており、このセンサによって、進行方向に対して前方と左右両側に存在する、側壁や陳列棚等で構成される清掃区画の境界を規定する連続した壁面までの距離を検出する位置検出部を備えている。又、位置検出部の情報に基づいて時速2.0km以下の速度で、左右の壁面のうち、より近くに認識された壁面側から所定の距離を保ちつつ当該壁面に対して平行な走行を行い、前方の壁面の手前で方向転換するための回転を行う走行部と、床面の拭き取り掃除を行う清掃部を備えている。本発明の自走式掃除機は、清掃部が、未使用の不織布をロール状に保持している一端側の送り出しローラと、使用済みの不織布を巻き取って保持している引き込みローラと、送り出しローラと引き込みローラの間に配置されて、不織布を0.9gf/cm以上1.2gf/cm以下の圧力で床面に押し付けて床面の拭き取り掃除を行う加圧拭き取り部とを備えていることを特徴とする。
種々の検討の結果、発明者らは、最適な走行速度と、拭き取り清掃に用いられる不織布を床面に押圧する圧力との最適な関係を見出すに至った。即ち、時速2.0km以下で走行する際には、不織布を0.9gf/cm以上1.2gf/cm以下の圧力で床面に押し付けて床面の拭き取り掃除を行うことにより、床面を拭き残すことなく掃除することができ、又不織布が切断したり走行部が過負荷となったりする恐れがないことを確認した。
請求項2の発明は、自走式掃除機の拭き取りを行う清掃部に関する。本発明の清掃部は、送り出しローラと引き込みローラを所定時間毎に回転させて、加圧拭き取り部に新しい不織布を供給するローラ制御部と、送り出しローラに保持されている不織布がなくなった時に警告を発すると同時に走行部に停止命令を入力する送り出しローラ監視部とからなる清掃制御部を更に備えていることを特徴とする。
請求項3に記載の発明は、拭き取り掃除を行う安価に構成された自走式掃除機に関する。本発明の自走式掃除機は、レーザを走査することで走査面上の距離データを測定するレーザレンジセンサを備えており、このセンサから半径4.0m以下の範囲で、進行方向に対して前方と左右両側に存在する、側壁や陳列棚等で構成される清掃区画の境界を規定する連続した壁面までの距離を検出する位置検出部を備えている。又、位置検出部の情報に基づいて時速2.0km以下の速度で、左右の壁面のうちより近くに認識された壁面側から所定の距離を保ちつつ当該壁面に対して平行な走行を行い、前方の壁面の手前で方向転換するための回転を行う走行部を備えている。更に、超音波センサを備えており、当該超音波センサと前記レーザレンジセンサによって進行方向に障害物が検出された場合には、前記走行部に停止命令を入力し、障害物が検出されなくなると走行を指示する緊急停止処理部と、床面の拭き取り掃除を行う清掃部とを備えていることを特徴とする。
発明者らは、鋭意検討した結果、前後左右に壁面が存在する清掃領域に適用される安価な自走式掃除機の構成を最適化することに成功した。即ち、本発明の自走式掃除機は、走行速度を2.0km以下という低速に規制し、且つ走行中により近い壁面側からの距離だけを算出し、その壁面に対して平行に走行するという単純な制御を行うことにより、検出距離が4.0m以下の安価なレーザレンジセンサと、処理速度の比較的遅い同様に安価な位置検出部を適用することを可能とし、その結果、全体として安価に構成されているにもかかわらず、特に左右両側に壁面のある掃除の必要な領域を確実に拭き取り掃除することのできる自走式掃除機を提供するに至った。
又、本発明の自走式掃除機は、障害物が検出されると停止し、障害物が検出されなくなると再度走行を開始することができる。このような自走式掃除機は、歩行者や障害物が存在する可能性が低く、多様な障害物の回避や種々の複雑な走行制御がほとんど要求されない、夜間の病院や閉店後の店舗の掃除に特に適しており、複雑な緊急停止処理を行いために、安価に構成されており、しかも停止前後の走行にずれが少なく安定しているものである。
請求項4の発明は、自走式掃除機の位置検出部が、レーザレンジセンサによって、床面から高さ80mm以上150mm以下の範囲に存在する連続した壁面までの距離を検出することを特徴とする。
本発明の位置検出部が検出する高さは、特に店舗の陳列棚の下部を検出する際に最適の高さである。発明者らは、一般的な店舗に配置されている異なる種類の多数の陳列棚によって検証を行った結果、本発明の高さで壁面を検出することにより、陳列棚に種々の商品が並べられている場合であっても、これら商品を壁面と誤認することなく、陳列棚で規定された境界を高精度に検出できることを確認した。
請求項5の発明は、自走式掃除機の走行部と位置検出部の構成に関する。本発明の走行部は、走行する位置と方向とを制御する走行制御CPUを備えている。位置検出部は、レーザレンジセンサによって計測された距離の計測結果を入力して計測結果を数値演算処理することにより直線的に連続する壁面の情報を検出する壁面検出処理CPUを備えている。走行制御CPUは、走行開始時に、位置検出部に対して左右の壁を検出するように指令し、位置検出部が検出した左右の壁のデータを入力し、左右の壁の間の距離と左右の壁のいずれがより近い位置にあるかとを判断して、壁面と平行に走行する時に、位置検出部に対してより近い側の壁面のみを検出するように指令する。
本発明により、壁面を検出するセンサ及びセンサによって得られたデータを演算して壁面までの距離を演算するCPUと、この演算結果を得て走行制御を行うCPUとが掃除機の制御を分散して実施することで、CPU単体にかかる負荷を低減することを可能としている。これにより、処理時間に余裕のある状態で掃除機の制御が可能となると同時に、単体としての処理速度の遅い安価なCPUを適用することが可能となり、掃除機全体を安価に構成することが可能となる。
請求項6の発明は、走行部の走行制御CPUに関する。本発明の走行制御CPUは、走行時に清掃部によって清掃可能な幅を予め記憶しており、位置検出部が最初に検出した左右の壁面との間の距離を前記清掃可能な幅で除した値を、折り返し走行の必要回数として一時記憶しており、走行開始時には、左右の壁面のより近くに認識された壁面に近接するように移動する制御を行った後に、当該壁面に対して平行な走行を開始させる。そして、前方の認識された壁面の手前で折り返しのための反転走行を行う際には、清掃可能な幅以下の距離を幅方向に平行移動するように走行量を制御しており、折り返し走行の回数が一時記憶している前記必要回数に到達すると、認識された前方の壁面の手前で停止することを特徴とする。
請求項7の発明の走行部の走行制御CPUは、壁面検出処理CPUが送信する左右の壁面の情報が中断した場合に、進行方向を変更せずに直線走行を続ける制御を行うことを特徴とする。本発明の走行制御によって、例えば、通路が交叉していて一時左右の壁面の情報が得られない場合であっても、安定して直線走行することのできる自走式掃除機を得ることができる。
請求項8の緊急停止処理部は、タイマーを備えており、検出された障害物が所定時間動かないことが確認された場合には、走行部に対して障害物を回避して走行する指示を送信することを特徴とする。本発明の緊急停止処理によって、通路に落ちている物品等、壁とは認識されず、又移動しない障害物を回避することが可能となる。
請求項9の発明は、自走式掃除機が走行を開始する時に、位置検出部がいずれか一方の壁面のみを検出した場合の走行方法に関する。この場合、自走式掃除機は、検出した側の壁面に対して所定の距離まで接近し、次に壁面までの所定の距離を保ちつつ走行する制御を行う。そして、走行中に位置検出部が左右両側に存在する連続した壁面の情報を検出した場合には、より近くに認識された壁面側から所定の距離を保ちつつ当該壁面に対して平行な走行を行い、且つ前方の壁面の手前で方向転換するための回転を行うことを特徴とする。
請求項10の発明は、自走式掃除機が走行を開始する時に、位置検出部が前方及び左右に壁面を検出しなかった場合の走行方法に関する。この場合、走行部は、最初に前進走行する制御を行い、走行中に位置検出部が前方又は左右両側に存在する連続した壁面の情報を検出した場合には、走行部は、より近くに認識された壁面側から所定の距離を保ちつつ当該壁面に対して平行な走行を行い、且つ前方の壁面の手前で方向転換するための回転を行うことを特徴とする。
本発明によって、前後左右に壁面が存在する清掃領域に対して特に好適に適用される、効率的で拭き残しのない確実な清掃を行うことのできる自走式掃除機が提供される。
本発明によって、前後左右に壁面が存在する病院の廊下や店舗の通路等を拭き取り掃除することのできる、安価な自走式掃除機が提供される。
以下、本発明の拭き取り掃除を行う自走式掃除機の実施例について、図面を参照しつつ詳細に説明する。図1に、上カバーを外した掃除機1の斜視図を示し、側面図を図2に示す。掃除機1の上部には、拭き取りに使用される不織布8の供給と回収を行うローラ部26が設けられている。ローラ部26は、未使用の不織布をロール状に保持している一端側の送り出しローラ27と、使用済みの不織布を巻き取って保持している引き込みローラ28とを備えている。送り出しローラ27に近接して、不織布8の残量を検出するローラ監視部として光電センサ29が取り付けられており、不織布8がなくなった場合には警告を発信することができる。
本実施例における不織布8は、ポリアミド樹脂やポリエステルの超極細繊維が絡み合って形成されている。不織布8の中には、極めて小さな無数の空間が内部に形成されており、塵埃や水分を吸着することができる。
ローラ部26を外した掃除機1の、斜視図を図3に示し、側面図を図4に示す。掃除機1は、台車部2の左右に、走行部を構成する駆動輪4が設けられている。各々の駆動輪4の内側には1つずつ駆動モータ6が設けられており、バッテリー7から供給される電力によって各々の駆動輪4を駆動して、独立した動作を行わせることができる。駆動輪4を独立して動作させることにより、掃除機1は、壁面と平行な走行が可能である他、横移動を伴わない回転を行うことができる。折り返し走行の際には、90度回転と、不織布8の幅よりもわずかに少ない距離の横移動と、再度の90度回転を行うことにより方向転換をすることができる。この折り返し走行を行った場合、掃除機1は、折り返し前と折り返し後の清掃領域の端部同士がわずかに重なり合うことになり、折り返しによる拭き残しを全く発生させることなく掃除を行うことができる。
台車部2の上に、1個のレーザレンジセンサ12と、複数の超音波センサ14と、段差センサ16が搭載されている。これらのセンサ群は、制御ボード18と通信ケーブルによって接続されており、制御ボード18からの命令に従って計測を行い、計測データを制御ボード18に入力する。又、台車部2の前面には、バンパスイッチ20が設けられている。バンパスイッチ20は、障害物等との接触によって所定の量を超える衝撃が加わったときにスイッチが入り、その信号を制御ボード18に伝える。
レーザレンジセンサ12は台車部2の前面中央に固定されている。レーザレンジセンサ12は、進行方向を基準として、左右共に0度から135度、合計270度の角度範囲をレーザ光でスキャンして、その範囲内にある物体までの距離を測定し、その結果を出力することができる。又、制御ボード18から指示することによって、より狭い角度範囲でスキャン結果を出力することが可能である。本実施例におけるレーザレンジセンサ12には、計測距離が400cm(4.0m)の小型で安価なものが適用されている。
本実施例のレーザレンジセンサ12は、その計測距離が、特に店舗内の通路を正確に認識して清掃するために最適化されている。発明者らが広く検討したところによると、コンビニエンスストア等の小規模店舗における通常のメイン通路幅は、2人がすれ違える幅として基本的に1800mmに設定されており、サブ通路幅は人が通過できる900mmに設定されている。中規模店舗の通常のメイン通路幅は、3人がすれ違える幅として基本的に2700mmに設定されており、サブ通路幅は人とカートが通れる1500mmに設定されている。大型スーパーマーケット等の大規模店舗におけるメイン通路幅は、4人がすれ違える3600mmを基本として設定されており、サブ通路幅は両側に商品を見ている人がいた場合でも通過可能な2400mmに設定されている。従って、本実施例のレーザレンジセンサ12の400cmの計測距離は、これらの種々の店舗内通路の棚や壁までの距離を全て正確に計測可能であり、尚かつ、万一扉が開いていた時等に、遠くの障害物等を壁面と誤認して計測し誤動作を引き起こさないための、最適で必要十分な計測距離なのである。
超音波センサ14は、台車部2の、前面両側と、右側面前方と、左側側面前方の計4カ所に固定されている。超音波センサ14は、レーザレンジセンサ12では検出が困難な、高さ150mm以上の高い位置にある障害物を検出する。例えば、左右の棚等から飛び出している荷物など、掃除機1が接触する恐れのある障害物は、超音波センサ14によって検出される。
段差センサ16は、台車部2に対して、前方下向きに取り付けられている。段差センサ16は、走行面との距離を赤外線によって測定しており、走行面に穴が合ったときに、これを検出して警告することができる。
制御ボード18には、走行制御CPU22と、壁面検出処理CPU24が、それぞれ1つずつ搭載されている。走行制御CPU22は、走行部の構成要素であり、走行する位置と方向とを制御する。走行部には、走行制御CPU22の他に、駆動輪4と、駆動モータ6とが含まれる。壁面検出処理CPU24は、位置検出部の構成要素であり、レーザレンジセンサ12から入力されたデータに基づいて、左右又は前方の直線的に連続する壁面の情報を検出する。制御ボード18には、緊急停止部が設けられており、レーザレンジセンサ12と超音波センサ14と段差センサ16とバンパスイッチ20が緊急時に発する信号を受けて、走行制御CPU22に緊急停止の指令を送ると同時に、駆動モータを停止させる割り込み処理を行う。
図4の掃除機1の側面図に示すように、台車部2の後ろに、不織布8を床面に押し付けて拭き取り掃除を行う加圧拭き取り部30が取り付けられている。掃除部10は、加圧拭き取り部30とローラ部26によって構成されている。加圧拭き取り部30は、シャフト32の下に不織布8を床面に押し付ける加圧部34を備えている。不織布8は、送り出しローラ27から供給されて、図2の側面図に示されるローラ35とローラ36を通過して、加圧部34の下を通り、次にローラ37とローラ38を経由して、引き込みローラ28に巻き取られる。コイルスプリング39は、加圧部34の加圧力を、床面に対して0.9gf/cm以上1.2gf/cm以下となるように調整することができる。
図5に、本実施例の掃除機1が掃除する店舗50の上面図を示す。そしてその中に、掃除機1が掃除開始点53から掃除を開始した場合に、掃除機1が自走する経路の一例を実線54で示す。店舗50には、向かって右側の壁面に沿って棚56が配置されており、向かって左側の壁面に沿って棚57が配置されている。店舗50内は、縦3列横2列で同一形状の棚52が配置されている。
図6に、店舗50の掃除開始点53から掃除機1が掃除を行う場合に、制御ボード18に搭載されている走行制御CPU22と、壁面検出処理CPU24が実施する自立走行の為の制御のフローチャートを示す。以下、本フローチャートに沿って、掃除機1の自立走行の内容を詳細に説明する。
掃除機1が、棚52と棚52の間の掃除開始点53に、通路の長手方向を進行方向とするように置かれて電源が入れられると、走行制御CPU22は、壁面検出処理CPU24に対して、左右の壁までの距離を算出する命令を出す(ステップS2)。壁面検出処理CPU24は、レーザレンジセンサ12に、検出可能な距離範囲にある全ての物体の検出を命じる。
レーザレンジセンサ12は、高さ80mm以上150mm以下の範囲で検出可能な全ての角度範囲にレーザを走査して、その範囲に存在する全ての物体の距離データを計測する。レーザレンジセンサ12は、上下の昇降運動を行うことで、必要な高さ範囲の計測を行うことができる。ここで、高さ80mm以上150mm以下の範囲に限定して検出を行うことは、特に店舗の全ての種類の棚について、その最も下部の棚木(脚部と脚部の間の幅方向に水平に架け渡されて固定されているビーム材)を検出する際に最適である。高さ80mm以下の範囲で検出を行った場合には、店舗の棚の最下部の、脚部と脚部の間の空間を走査してしまい、棚の更に向こう側に置かれている物品を検出してしまう恐れがある。又、150mm以上の高さの検出を行った場合には、棚に載せられている物品を検出してしまう恐れがある。これらいずれの場合も、壁面を正確に検出することが困難となる。更に、高い精度で店舗の棚木を検出したい場合には、高さ100mm以上120mm以下の範囲で物体の距離データを計測するようにレーザレンジセンサ12の設定を行うことが特に好ましい。
掃除開始点53に置かれた掃除機1のレーザレンジセンサ12が、高さ80mm以上150mm以下の範囲で検出可能な全ての角度範囲にレーザを走査して左右の棚52の棚木に反射させ、左右の壁面までの多数の測定点Pi(Xi,Zi)までの距離データを得ている状態を、図7に模式的に示す(ステップS4)。レーザレンジセンサ12は、検出した全ての壁面の測定点Piまでの距離データを壁面検出処理CPU24に入力する。壁面検出処理CPU24は、その中から左右の予め定められた角度範囲(右45度〜左45度)の距離データをハフ変換し、最も投票の多い直線を検出する。そして、この直線式を検出された左右の壁面のデータとして、走行制御CPUに入力する(ステップS6)。
左右の壁面の情報を入力された走行制御CPU22は、両方の壁面までの距離を合算して、通路の幅を算出する。又、左右の棚52の壁面のうち、どちらがより近くにあるかを判定する。更に走行制御CPU22は、通路幅を、一度に拭き取ることのできる掃除可能幅から折り返して掃除する際の掃除領域の最低重なり幅を引いた幅で除すことによって、折り返し走行の必要回数を算出し、一時記憶する(ステップS8)。その際の計算処理式(1)を、以下に示す。

W ÷(A−α)= X ・・・(1)

ここで、Wは算出された通路の幅であり、Aは掃除機1の掃除可能幅であり、αは折り返して掃除する際の掃除領域の最低重なり幅である。又、Xは、折り返し必要回数であり、式(1)の左辺を少数1位で切り上げた値となる。更に、走行制御CPU22は、折り返し必要回数Xの値で通路幅を除すことによって、折り返しを行う際の幅方向の平行移動の計画量を算出する。そして、この平行移動の計画量に基づいて折り返しの回数に応じた掃除機1の幅方向の予想位置を計算して、それぞれの位置における左右の壁までの距離とともに、一時記憶している。本実施例における掃除可能幅Aは450mmであって、この幅は不織布8の幅及びこの不織布8を床面に押し付ける加圧部34の幅によって決定されている。又、折り返して掃除する際の掃除領域の最低重なり幅αは、最低100mmに予め設定されて折り返し回数を算出する際に用いられている。通路幅と折り返し走行の必要回数の算出結果によって、実際の掃除実施時の掃除領域の重なり幅は、100mm以上450mm以下の任意の値となる。
尚、走行制御CPU22は、壁際の所定の幅の領域を、「清掃を行わない領域」として予め設定しておき、両方の壁面までの距離を合算した距離から「清掃を行わない領域」の幅を予め減じて、通路幅を算出することができる。その場合、走行制御CPU22は、折り返しの回数に応じた掃除機1の幅方向の予想位置について、「清掃を行わない領域」の幅を考慮した算出を行う。このような「清掃を行わない領域」を設定した掃除機1で掃除を行った後には、この領域を別途作業者によって掃除するという作業が行われる。掃除機1と作業者との共同作業により、より確実な掃除が可能となる。
ステップS10で走行制御CPU22は、壁面検出CPU24に対し、より近い側に存在すると判定した一方の壁面を指定して、その壁面までの距離の計測を継続的に行うように要求を行う。壁面検出CPU24は、レーザレンジセンサ12に距離データの計測を開始するように命令し、得られた距離データのうち指定された一方の壁面に相当する角度範囲、即ち掃除開始位置点53に於いては進行方向の左45度までの範囲の距離データのみをハフ変換して直線を検出し、指定された壁面までの距離のデータとして走行制御CPU22に入力する(ステップS10)。同時に、走行制御CPU22は、超音波センサ14と段差センサ16にも計測を開始するように指示する。
壁面検出CPU24には、比較的処理速度が遅い安価なCPUが適用されている。レーザレンジセンサ12からのデータの取得と、距離データのハフ変換による直線の検出には、1回当たり約0.3秒必要となる。即ち、壁面検出CPU24は、0.3秒間隔で、より近い側の壁面までの距離データを走行制御CPU22に入力する。走行制御CPU22は、この入力値を基に、駆動モータ6を制御して走行を制御する。本実施例における掃除機1の走行速度は、毎時2.0kmに抑制されているため、壁面検出CPU24が次のデータを入力する迄に、約0.17mしか進行しない。そこで、0.3秒間隔後に入力される次の直線のデータによって、壁面からの距離を調整して一定に保ち、誤差の少ない走行を続けることができる。
尚、本実施例における掃除機1は、走行速度が毎時2.0Kmに設定されているが、これは走行制御CPU22の設定を変更して制御することにより、毎時1.5Km以下に制限することが可能である。人通りがない夜間の通路では、走行速度を毎時2.0Kmとすることにより、効率よく掃除を行うことが可能である。一方、人通りのある昼間の店舗等の通路の掃除では、人との衝突を回避するために、毎時1.5Km以下の速度で走行することが一層好ましい。
ステップS12で、掃除機1の走行制御CPU22は、左右の棚52の中のより近い側の壁面まで近寄るように、駆動モータ6を制御して走行を開始する。走行開始と同時に、掃除部10の加圧部34は、不織布8を1.0gf/cmの圧力で床面に垂直に押しつける。不織布8を床面に押し付ける圧力は、床面が滑らかで凹凸が少ないほど相対的に小さくすることが可能である。塩化ビニルや化粧板等の滑らかな床材の上を毎時2.0Kmの速度で走行する場合には、その加圧力を0.9gf/cm以上1.2gf/cm以下の範囲で調整することが好ましいことが、種々の検討の結果明らかとなった。即ち、0.9gf/cm未満の圧力で掃除を行った場合、塵埃などの拭き残しが増えることが明らかとなっている。又1.2gf/cmを越えて加圧した場合、部分的に不織布8が破れる恐れがある。又、圧力が高い場合には、加圧部がブレーキとなって走行に必要なエネルギーが大きくなるために、バッテリーが早く消耗する。
ローラ部2にはタイマーとモータを備えた図示されないローラ駆動部が設けられている。本実施例におけるローラ駆動部は、走行時間が60分経過する毎に加圧部34の荷重を解除して送り出しローラ27と引き込みローラ28を回転させ、加圧部34の下に新しい不織布8を供給する。即ち、同一の不織布8によって、距離にして最長2Kmの区間の清掃が行われる。不織布8がこのような適切な区間毎に交換されることで、不織布8の汚れ過ぎに由来する拭き取り残しの発生を防止する。
走行制御CPU22は、壁面検出CPU24から入力される壁面までの距離が40cmになるように当該壁面に徐々に近づき、その後は壁面と平行に走行するように指示を出す。壁面検出CPU24から入力される壁面までの距離が400mmのとき、掃除機1の壁面に近い端部から壁面までの距離は、実質的に150mmとなっており、掃除機1は棚52と接触することなく平行に走行する(ステップS14)。
掃除機1の壁面検出CPU24は、壁面と平行な走行が開始されてからも引き続き、レーザレンジセンサ12が検出した距離データのうち、より近い壁面を検出するために必要な角度範囲の距離データのみをハフ変換して壁面の直線を算出し、走行制御CPU22に入力する。図8に、棚52の最下部の棚木の直線データを算出するために壁面検出CPU24が用いた測定点Pi(Xi,Zi)の分布を、模式的に示す。
掃除機1が壁面と平行に走行を続けていく中で、棚52と棚52の間に通路51が存在する位置にさしかかる場合がある。このような場所では、レーザレンジセンサ12の検出可能な範囲内に左右の壁面が存在しないため、レーザレンジセンサ12が一時的に壁面検出処理CPU24に距離データを入力しない。この間は、壁面検出処理CPU24が、走行制御CPU22に対して、一時的に左右の壁面のデータを送信しなくなる。このように、近い側の壁面の直線データが中断した場合、走行制御CPU22は、進行方向を変更せずに直線走行を続け、壁面検出処理CPU24の入力を待つ。
緊急停止部は、走行中にバンパスイッチ20から障害物と接触した情報が入力されると、緊急停止命令を出して警告を発して、掃除を一時停止する。この場合、操作者が障害物の回避等を行って、掃除機1の一時停止を解除することで掃除機1は掃除を続けることができる。
壁面検出CPU24は、レーザレンジセンサ12が、前方に存在する障害物を検出した場合、即ちステップS16がイエスとなった場合には、その障害物の距離データから壁面の直線データの算出を試みる(ステップS18)。
レーザレンジセンサ12が検出した前方の障害物が壁面でなかった場合、ステップS18がノーとなり、掃除機1はそのまま前進走行を続けていく。更に、超音波センサ14によってレーザレンジセンサ12が検出したものと同じ前方の障害物が検出されると、走行制御CPU22は、緊急停止命令を出して一旦停止し、障害物が移動するかどうかを所定時間観察する(ステップS22)。所定時間内に障害物が検出から移動して超音波センサ14によって検出されなくなった場合には、処理はステップS14に戻り、掃除機1は再び前進走行を開始する。所定時間内に障害物が移動しない場合には、ステップS22がノーとなり、掃除機1は障害物を回避するように走行する(ステップS24)。その後、掃除機1の走行制御CPU22は、再びより近い壁面までの距離の計測を要求し、処理はステップS10に戻って、壁面と平行な走行による掃除が続けられる。
レーザレンジセンサ12が検出した前方の障害物が壁面であった場合、ステップS18がイエスとなり、掃除機1の走行制御CPU22は、前進走行を継続しつつ、一時記憶している折り返し必要回数と現在の掃除で既に折り返した回数とを比較する(ステップS20)。もし、既に折り返した回数が、必要回数に到達していた場合にはステップS20がイエスとなって、方の壁面の前で停止して掃除を終了する。これまでに折り返した回数が必要回数に到達していない場合には、ステップS20がノーとなって、処理はステップS26に進む。ステップS26では、前方の壁面までの距離が60cmの位置に到着した掃除機1が、折り返し走行を行う。
ステップS26の折り返し走行で、走行制御CPU22は、一対の駆動モータ6を操作して、より遠い側であると認識された壁面の方向を向くように、掃除機1をその場で90度回転させる。更に走行制御CPU22は、ステップS8で折り返し回数を算出した際に同時に計算した幅方向の平行移動の計画量に従って、前進走行を行う。そして更に、走行制御CPU22は、掃除機1を、同一方向に90度回転させる。このような折り返し走行の結果、掃除機1は、掃除が未だ行われていない方向に、不織布8の幅よりも短い距離だけ平行移動している。本実施例における掃除機1は、不織布8の幅が450mmであるのに対して350mm幅方向に平行移動しており、折り返し前と折り返し後の清掃領域の端部同士が100mm重なり合うことになり、折り返しによる拭き残しを全く発生させることなく掃除を行う。
折り返し走行が完了すると、走行制御CPU22は、一時記憶している折り返し回数に1を加算する(ステップS28)。そして処理はステップS10に戻り、走行制御CPU22は、折り返し回数に対応して一時記憶しているところの、掃除すべき位置からより近い側の壁面までの距離を指定して、壁面検出CPU24に対して、より近い側の壁面までの距離の計測を継続的に行うことを要求する。ステップS12の処理によって、掃除機1は次に掃除すべき位置に移動して壁面から平行に走行する。
より掃除を正確に行うために、掃除機1は折り返し走行を行った後の処理をステップS2に戻すことができる。このような制御を行うときの走行制御CPU22は、壁面検出処理CPU24に対して、左右の壁までの距離を算出する命令を出す。ステップS4でレーザレンジセンサ12が左右の壁面を検出し、ステップS6で壁面検出CPUが左右の壁面までの距離を算出して走行制御CPU22にその結果を入力する。走行制御CPU22は、ステップS8において、通路幅と一時記憶している折り返し回数とから、次に掃除すべき場所の両側の壁面からの距離を確認する。そして、次に掃除すべき場所に対してより近い側の壁面を再度判定する。このように、折り返し走行が行われた後、再び左右の壁面までの距離を確認して壁面に平行な走行を行う場合には、仮に折り返し走行によって移動距離に誤差が生じた場合であっても、その誤差はステップS12の走行時に修正されるため、拭き残しが発生しない。
このようにして、本実施例の掃除機1は、店舗50の通路の拭き取り掃除を続ける。掃除開始点53から掃除を開始し、経路54を走行しながら拭き取り掃除を行い、最終的に掃除終了点55に到達して掃除を終了する。
掃除機1が、図9に示すように、店舗50の内壁と広い通路の間の掃除開始点58に、通路の向かって右側から左側に向かう方向をを進行方向として掃除を開始する場合、位置検出部は、両側の壁面を検出しようと試みるにも拘わらず、右側即ち店舗50の内壁のみを検出して、その直線データを送信することになる。このような場合、走行制御CPU22は、位置検出部が検出した右側の壁面に対して150mmまで接近し、次に壁面までの所定の距離を保ちつつ平行に走行する制御を行う。この間、位置検出部は、継続的に、左右両側に存在する連続した壁面の情報を検出しようと試みる。そして、左右両側に存在する壁面の情報が得られた場合には、掃除機1の走行制御CPU22と壁面検出CPU24は、図6に示した自立走行の為の制御のフローチャートに沿った処理を実施して、経路59のように走行して掃除を行う。
掃除機1が、広い通路の中央など、位置検出部が、左右いずれの壁面も検出できない状態で掃除を開始した場合、走行制御CPU22は、まず駆動モータ6に対して、前進走行する制御を行う。この間、位置検出部は、継続的に、左右両側に存在する連続した壁面の情報を検出しようと試みる。そして、左右両側に存在する壁面の情報が得られた場合には、掃除機1の走行制御CPU22と壁面検出CPU24は、図6に示した自立走行の為の制御のフローチャートに沿った処理を実施して、掃除を行う。
本実施例の掃除機1は、走行制御CPUのステップ8の折り返し回数を計算する際の処理方法を制御することで、掃除開始時に後方にあたる側の壁面に必ず戻ってきて掃除を終了するように、その走行方法を制御することが可能である。即ち、ステップS8で計算された折り返し必要回数Xが偶数となった場合は、この値に1を加えて折り返し回数を奇数とすることにより、掃除機1を掃除開始時の側に戻ってくるように制御することが可能である。尚、折り返し回数を増やした場合には、折り返し走行時の平行移動量が少なくなり、掃除領域の重なり幅が実際には広くなるように制御される。同様に、折り返し回数を偶数になるように制御することによって、掃除が前方の壁面沿いで必ず終了するように制御することが可能である。
本実施例の掃除機1は、走行時には、左右いずれかのより近い壁面のみを検出して走行している。又、毎時2.0Kmの低速走行での清掃に限定して、壁面の検出と自立走行の方法を最適化している。更に、走行制御CPU22と壁面検出CPU24の2つのCPUを備えることによって、自立走行に必要な制御を分散処理している。以上のような構成によって、各々のCPUには低速の処理が許容されている。この結果、制御ボード18に比較的安価なCPUが適用可能となっており、掃除機全体としてのコストが低減されている。
本実施例の掃除機1は、レーザレンジセンサ12がレーザを走査する距離範囲を4.0m以下とし、且つ走査する高さを、高さ80mm以上150mm以下の範囲に限定して検出を行っている。これにより、走査距離の短い安価なレーザレンジセンサを適用し、尚かつ店舗に設置されているあらゆる種類の棚の最下部の棚木を確実に検出して、棚に平行な安定した走行を行うことができる。
本実施例の掃除機1は、不織布8を0.9gf/cm以上1.2gf/cm以下の最適な圧力で、床面に押し付けて床面の拭き取り掃除を行っている。しかも、ローラ制御部によって、走行時間が60分経過する毎に新たな不織布が加圧部34に供給されている。拭き取り掃除の圧力と不織布の交換時期の最適化が図られていることにより、塵埃の拭き残しを生じることなく、常に確実な拭き取り掃除が実施される。
以上、実施例において本発明の具体例を詳細に説明したが、これらは例示にすぎず、特許請求の範囲を限定するものではない。特許請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。例えば、実施例において掃除機が掃除する領域は、棚が設置された店舗であったが、例えば病院や学校の廊下など、両側に壁面がある場所は、たとえ一部で壁面が途切れるような箇所がある場合でも、実施例と同様に確実に清掃することが可能である。又、壁面の検出について、実施例ではハフ変換を行う技術を説明したが、最小二乗法などの他の数値演算処理を適用することは可能である。更に、実施例では、緊急停止の警告を発する手段として、超音波センサと、段差センサと、バンパスイッチを設けた構成について説明したが、これらの警告装置の配置と構成については、適宜変更が可能である。その他、レーザレンジセンサの走査を行う角度範囲や、拭き取り掃除の不織布の素材についても、変更が可能である。
実施例の上カバーを外した掃除機1の斜視図である。 実施例の上カバーを外した掃除機1の側面図である。 実施例のローラ部26を外した掃除機1の斜視図である。 実施例のローラ部26を外した掃除機1の側面図である。 実施例の掃除機1が掃除する店舗50の上面図である。 実施例の掃除機1の制御ボード18が実施する制御のフローチャートを示す図である。 掃除開始点53に置かれた掃除機1が、左右の壁面にレーザを走査して距離データを得ている状態を模式的に示す図である。 平行走行時の掃除機1が、より近い壁面にレーザを走査して距離データを得ている状態を模式的に示す図である。 店舗50の中の左側に広い空間のある掃除開始点58に置かれた掃除機1の掃除の経路を模式的に示す図である。
符号の説明
1 掃除機
2 台車部
4 駆動輪
6 駆動モータ
8 不織布
10 掃除部
12 レーザレンジセンサ
14 超音波センサ
16 段差センサ
18 制御ボード
20 バンパスイッチ
22 走行制御CPU
24 壁面検出CPU
26 ローラ部
27 送り出しローラ
28 引き込みローラ
29 光電センサ
30 加圧拭き取り部
32 シャフト
34 加圧部
35,36,37,38 ローラ
39 コイルスプリング
50 店舗
51 通路
52,56,57 棚
53,58 掃除開始点
54,59 掃除経路
55,60 掃除終了点

Claims (10)

  1. レーザを走査することで走査面上の距離データを測定するレーザレンジセンサを1個以上備えており、当該センサによって進行方向に対して前方と左右両側に存在する、側壁や陳列棚等で構成される清掃区画の境界を規定する連続した壁面までの距離を検出する位置検出部と、
    前記位置検出部の情報に基づいて時速2.0km以下の速度で、左右の壁面のうち、より近くに認識された壁面側から所定の距離を保ちつつ当該壁面に対して平行な走行を行い、前方の壁面の手前で方向転換するための回転を行う走行部と、
    床面の拭き取り掃除を行う清掃部を備えており、
    前記清掃部が、未使用の不織布をロール状に保持している一端側の送り出しローラと、使用済みの不織布を巻き取って保持している引き込みローラと、送り出しローラと引き込みローラの間に配置されて、不織布を0.9gf/cm以上1.2gf/cm以下の圧力で床面に押し付けて床面の拭き取り掃除を行う加圧拭き取り部とを備えていることを特徴とする自走式掃除機。
  2. 清掃部の送り出しローラと引き込みローラを所定時間毎に回転させて、加圧拭き取り部に新しい不織布を供給するローラ制御部と、
    送り出しローラに保持されている不織布がなくなった時に、警告を発すると同時に走行部に停止命令を入力する送り出しローラ監視部と、
    からなる清掃制御部を更に備えていることを特徴とする請求項1に記載の自走式掃除機。
  3. レーザを走査することで走査面上の距離データを測定するレーザレンジセンサを備えており、当該センサから半径4.0m以下の範囲で、進行方向に対して前方と左右両側に存在する、側壁や陳列棚等で構成される清掃区画の境界を規定する連続した壁面までの距離を検出する位置検出部と、
    前記位置検出部の情報に基づいて時速2.0km以下の速度で、左右の壁面のうち、より近くに認識された壁面側から所定の距離を保ちつつ当該壁面に対して平行な走行を行い、前方の壁面の手前で方向転換するための回転を行う走行部と、
    超音波センサを備えており、当該超音波センサと前記レーザレンジセンサによって進行方向に障害物が検出された場合には前記走行部に停止命令を入力し、障害物が検出されなくなると走行を指示する緊急停止処理部と、
    床面の拭き取り掃除を行う清掃部と、
    を備えていることを特徴とする自走式掃除機。
  4. 位置検出部が、レーザレンジセンサによって、床面から高さ80mm以上150mm以下の範囲に存在する連続した壁面までの距離を検出することを特徴とする請求項1乃至3に記載の自走式掃除機。
  5. 走行部が、走行する位置と方向とを制御する走行制御CPUを備えており、
    位置検出部が、レーザレンジセンサによって計測された距離の計測結果を入力し、当該計測結果を数値演算処理することにより直線的に連続する壁面の情報を検出する壁面検出処理CPUを備えており、
    前記走行制御CPUは、走行開始時に、位置検出部に対して左右の壁を検出するように指令し、位置検出部が検出した左右の壁のデータを入力し、左右の壁の間の距離と左右の壁のいずれがより近い位置にあるかとを判断して、壁面に平行に走行する時に、位置検出部に対してより近い側の壁面のみを検出するように指令することを特徴とする請求項1乃至4に記載の自走式掃除機。
  6. 走行部の走行制御CPUは、
    走行時に清掃部によって清掃可能な幅を予め記憶しており、
    位置検出部が最初に検出した左右の壁面との間の距離を前記清掃可能な幅で除した値を、折り返し走行の必要回数として一時記憶しており、
    走行開始時には、左右の壁面のより近くに認識された壁面に近接するように移動する制御を行った後に、当該壁面に対して平行な走行を開始させており、
    前方の認識された壁面の手前で折り返しのための反転走行を行う際には、清掃可能な幅以下の距離を幅方向に平行移動するように走行量を制御しており、
    折り返し走行の回数が一時記憶している前記必要回数に到達すると、認識された前方の壁面の手前で停止することを特徴とする請求項1乃至5に記載の自走式掃除機。
  7. 走行部の走行制御CPUは、壁面検出処理CPUが送信する左右の壁面の情報が中断した場合に、進行方向を変更せずに直線走行を続ける制御を行うことを特徴とする請求項1乃至6に記載の自走式掃除機。
  8. 緊急停止処理部は、タイマーを備えており、検出された障害物が所定時間動かないことが確認された場合には、走行部に対して障害物を回避して走行する指示を送信することを特徴とする請求項3乃至7のいずれかに記載の自走式掃除機。
  9. 走行開始時に、位置検出部が、左右いずれか一方のみに連続した壁面を検出した場合、走行部は、前記位置検出部が検出した壁面に対して所定の距離まで接近し、次に壁面までの所定の距離を保ちつつ走行する制御を行い、
    走行中に、前記位置検出部が左右両側に存在する連続した壁面の情報を検出した場合、前記走行部は、より近くに認識された壁面側から所定の距離を保ちつつ当該壁面に対して平行な走行を行い、且つ前方の壁面の手前で方向転換するための回転を行うことを特徴とする請求項1乃至8に記載の自走式掃除機。
  10. 走行開始時に、位置検出部が、前方及び左右に壁面を検出しなかった場合、走行部は、前進走行する制御を行い、
    走行中に、前記位置検出部が前方又は左右両側に存在する連続した壁面の情報を検出した場合、前記走行部は、より近くに認識された壁面側から所定の距離を保ちつつ当該壁面に対して平行な走行を行い、且つ前方の壁面の手前で方向転換するための回転を行うことを特徴とする請求項1乃至9に記載の自走式掃除機。
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