JP2009203891A - 電磁ポンプ - Google Patents

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幸広 庄司
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Abstract

【課題】二つのボビンとガイドとをスリーブにより一体化にしてボディの半径方向位置誤差によるプランジャ摺動部の半径方向誤差を防止する。
【解決手段】電磁ポンプ10は本体11の内孔に円筒形のガイド12が液密に嵌挿されている。ボディ11の内孔11aにはガイド12の両側面に当接してボビン13、14が嵌合されている。ガイド12及びボビン13,14の内孔21にスリーブ22が嵌挿されて、該スリーブ22によりガイド12及びボビン13,14は一体化されてガイド12内に配置されている。スリーブ22にはプランジャ24が嵌挿され、プランジャ24の両端面に隣接して吐出側本体38、39が設けられている。プランジャ24の両端面には吸入逆止弁60,61が設けられ、吐出側本体38、39に吐出逆止弁57,58が設けられている。
【選択図】図1

Description

本発明は、電磁力により往復動する往復動部材により、その左右に設けた二つのポンプ室の容積を変化させて交互にポンプ作用させる複動型の電磁ポンプに関する。
従来、この種の電磁ポンプはハウジングに形成されたシリンダ内を電磁力により往復動するアーマチャと、シリンダの両端側にそれぞれ形成されたポンプ室の容積を前記アーマチャの往復動により容積変化してポンプ作用を行っている。
係る電磁ポンプとして、二分割構造のハウジング1A、1Bに小径のシリンダ3A、3Bと大径のアーマチャ摺動空間4A,4 Bとを形成する。シリンダ3A,3Bには、ピストン5A,5Bを挿入してポンプ室6A、6Bを設け、アーマチャ摺動空間4A、4Bにはピストン5A,5Bとは別体でハウジング1にソレノイド12A,12Bにより駆動されるアーマチャ7を収納して左右のピストン5A,5Bを当接させ、これにより、ポンプ室6A,6Bに交互にポンプ作用を行わせている(例えば、特許文献1参照)。
特開2001−41148号特許公報 図1
しかしながら、特許文献1の複合型電磁ポンプにおいては、シリンダを形成するハウジングが中央部分で二分割される構造であり、1つのピストンが各ハウジングのシリンダ内を摺動するため、二分割されたハウジングの位置誤差によるピストン摺動部の半径方向の誤差が生じやすく、ハウジングとピストンとの半径方向の嵌合部の隙間管理が困難であった。
さらに、アーマチャとピストンとの当接部に高硬度のライナを装着しているので構造が複雑で組み付けが困難であり、アーマチャとシリンダとの摺動空間の磁気的なクリアランスが大きいため電磁力が低下することがあった。
本発明はこのような従来の問題点に鑑みてなされたもので、シリンダを形成するハウジングを一体にすると共に、アーマチャとプランジャを一体にし、プランジャとアーマチャとの外径を略同一とする電磁ポンプを提供することを目的とする。
前記の課題を解決するため請求項1記載の発明は、電磁力により往復動される往復動部材により、本体に形成されたポンプ室の容積を変化させて二つのポンプ室に交互にポンプ作用を行わせる電磁ポンプにおいて、
本体と、
前記本体の内孔に嵌挿されたガイド部材と、
前記ガイド部材の両側面に隣接して前記本体の内孔に嵌挿されたボビン部材と、
前記ガイド部材及び前記ボビン部材の内孔に装着されたスリーブ部材と、
を備え、前記ガイド部材及び前記ボビン部材を前記スリーブ部材により一体化にして前記本体の半径方向の位置誤差による前記往復動部材の摺動部の半径方向誤差を防止することを特徴とする。
本発明によれば、ガイド部材及びボビン部材をスリーブ部材により一体化にして本体の半径方向の位置誤差による往復動部材の摺動部の半径方向誤差を防止することができる。これにより、往復動部材とスリーブ部材との磁気的なクリアランス管理、油圧的なクリアランス管理が容易となり、電磁力を大きくすることができ、電磁ポンプの吐出圧力、流量を高めることができる。
請求項2記載の発明は、前記往復動部材の両端部に設けられた吸入逆止弁と、前記ガイド部材に嵌挿されたストッパ部材の側壁部に設けられた吐出逆止弁と、を有し、前記吸入逆止弁及び前記吐出逆止弁が近接して略同一線上に設けられているので、流体の粘性抵抗の影響を小さくすることができる。
本発明は、往復動部材とスリーブ部材との磁気的なクリアランス管理、油圧的なクリアランス管理が容易となり、電磁力を大きくすることができ、電磁ポンプの吐出圧力、流量を高めることができる。さらに、略同一直線上に吸入逆止弁及と吐出逆止弁があるため流体の粘性抵抗の影響を小さくすることができる。
以下、本発明の電磁ポンプにつき好適の実施の形態を挙げ、添付図面を参照して詳細に説明する。
図1は、本発明の実施に形態に係る電磁ポンプ10の概略構造を示す略縦断面である。
図2は吐出逆止弁57,58の要部拡大図で、括弧内の符号は図1の吐出逆止弁58の構成を示し、図3は吸入逆止弁60、61の要部拡大図で、括弧内の符号は図1の吸入逆止弁61の構成を示す。
図1において、電磁ポンプ10は鉄製材料なる略円筒形状のボディ(本体)11の内孔11aの略中央に円筒形のガイド(ガイド部材)12がOリング16により液密に嵌挿されている。さらに、ボディ11の内孔11aにはガイド12の両側面に当接してボビン13、14が嵌合されている。ボビン(ボビン部材)13、14は円筒形状を有し、その両側面には側壁部13a,13b、14a,14bを形成しており、内方の側壁部13a,14aは円盤になってガイド12の両側面にOリング15を介して係合し、側壁部13b,14bは端子17,18を接合している。さらに、ボビン13,14には、側壁部13a,13b及び14a,14b間のコイル19,20が巻きまわされ、端子17,18に接続されている。
前記ガイド12及びボビン13,14の内孔21を形成する内周面には薄肉状のスリーブ(スリーブ部材)22が嵌挿されており、該スリーブ22は両端面がボビン13,14の軸芯方向に指向する長さの略半分位に配置されており、前記スリーブ22によりガイド12及びボビン13,14は一体化されてガイド12内に配置されている。
スリーブ22の内孔23にはプランジャ(往復動部材)24が摺動自在に嵌挿されており、さらにボビン13,14の内孔21に固定鉄芯であるストッパ(ストッパ部材)25,26が臨入されている。ストッパ25,26は一側にOリング31を介してボビン13,14の側壁部13b,14bに当接する鍔部27,28と、ボビン13,14の内孔21に嵌挿された中央部29,30と、他側に中央部29,30に接合する側壁部32、33と、備える。中央部29,30は横断面凹状を有し、側壁部32,33に出口穴34,35を有する出口シート36,37(図2参照)が形成されている。
前記ストッパ25,26の中央部29,30には、吐出側本体38,39の円筒部40,41がOリング42を介して液密的に嵌挿されており、該吐出側本体38,39の鍔部43,44をストッパ25,26の鍔部27,28に接合してボディ11に加締め挟持することにより吐出側本体38,39をストッパ25、26に固定している。
前記吐出側本体38,39には、軸芯方向に指向する比較的に口径が大きく液体の吐出口としての機能を有する開口穴45,46と、これらの開口穴45,46に連通しストッ,パ25,26の出口穴34,35に接続する段付貫通孔47,48が形成されている。
図2に示すように、中央部29,30に嵌挿された円筒部40,41の先端部40a,41aは該円筒部40,41よりも小径で台形の円錐状に形成されており、該先端部40a,41aには円周方向に十字状に削成された溝55,56が設けられている。
参照符号49,50は段付貫通孔47,48に嵌挿されたばね部材を示し、該ばね部材49,50の一端を段付貫通孔47,48の段部47a,48aに係合し、他端を出口ボール51、52に当接させており、ばね部材49,50の弾発力により出口ボール51,52を軸芯方向に付勢して、出口ボール51,52を出口シート36,37に押圧するように機能する。なお、出口ボール51,52は側壁部32,33側の円筒部40,41の端部に形成された截頭形状の先端部40a,41aの開口穴53,54に嵌挿されている。
溝55,56は出口ボール51,52が開口穴53,54のテーパ面53a,54aに係合しても液体を流す機能を有する。
この場合、図2に示すように出口シート36,37、ばね部材49,50,出口ボール51,52により、吐出逆止弁57,58が形成される。
一方、吐出逆止弁57,58に対向して吸入逆止弁60,61がストッパ25,26とプランジャ24との間に設けられている。
すなわち、図3に示すように吸入逆止弁60,61はプランジャ24の両端面に形成されてポンプ室として機能する開口穴62,63に嵌挿された円筒形のシート64,65と、該シート64,65に側面に係合するリード弁66,67と、該リード弁66,67を押えるリード弁押え68,69と、開口穴62,63に嵌挿され一端をストッパ25,26の側壁部32,33に接触し、他端をリード弁押え68,69に係合するばね部材70,71と、を備える。
本発明に係る電磁ポンプ10は基本的には以上のように構成されるものであり、次にその動作について説明する。
図1はコイル19,20が非励磁の状態を示しており、この状態ではばね部材70,71の弾発力によりプランジャ24はボビン13,14の略中央、すなわちボディ11の略中央に位置している。
図1の状態で、例えばコイル20に通電されると、電磁力によりプランジャ24が矢印Y方向に吸引され、該電磁力とばね部材70,71の弾発力の合力により、該プランジャ24は矢印Y方向に移動する。これにより、ポンプ室63(図3参照)の容積が縮小するので吸入口12a、通路24b,24aを経てリード弁67を開いてポンプ室63に流入した流体は圧縮され、ポンプ室63の内圧上昇により出口ボール52がばね部材50を押圧して出口シート37から離脱して矢印Y方向に変位する。このため、吐出逆止弁58が開いて流体がポンプ室63より段付貫通孔48よりと吐出口46より吐出される。
一方、ポンプ室62内の容積は増大して負圧になるので吸入逆止弁60が開く。すなわち、リード弁66が開いて流体は通路24aよりポンプ室62に吸い込まれ該ポンプ室62に充填される。
図4に示すように、電磁力によりプランジャ24が吸着されると、左右のポンプ室62,63は共に容積変化がなくなり、吐出逆止弁58はばね部材50の弾発力により出口ボール52が出口シート37に当接し、出口穴35と段付貫通孔48とを遮断する。すなわち、吐出逆止弁58は閉じる。
電磁力によりプランジャ24がストッパ26に吸着されると、左右のポンプ室62,63は共に容積変化がなくなると、吸入逆止弁60はリード弁66の弾発力により該リード弁66がシート64に当接する。これにより、吸入逆止弁60は閉じる。
コイル20の通電が停止され、しかる後にコイル19に通電されると、電磁力によりプランジャ24が矢印X方向に吸引され、該電磁力とばね部材70の弾発力の合力により、該プランジャ24が矢印X方向に移動する。
これにより、ポンプ室63(図3参照)の容積は増大して負圧になってリード弁67を開くので吸入逆止弁61が開弁する。これにより、流体が吸入口12a、通路24b,24aを経てリード弁67を介してポンプ室63に流入し、該ポンプ室63に充填される。
一方、ポンプ室62(図3参照)の容積が縮小するので吸入口12a、通路24b,24aを経てリード弁66を開いてポンプ室62に流入した流体は圧縮され、該ポンプ室62の内圧上昇により出口ボール51がばね部材49を押圧して出口シート36から離脱して矢印X方向に変位する。このため、吐出逆止弁57が開いて流体がポンプ室62より段付貫通孔47よりと吐出口45より吐出される。
図5に示すように、プランジャ24がストッパ25に吸着されると、左右のポンプ室62,63は共に容積変化がなくなり、吐出逆止弁57はばね部材49の弾発力により出口ボール51が出口シート36に当接し、出口穴34と段付貫通孔47とを遮断する。すなわち、吐出逆止弁57は閉じる。
以下、このような動作を繰り返すことにより、左右の二つのポンプ室、例えばポンプ室62、63より交互に吸入・吐出動作が行われる。
本発明の実施の形態においては、吸入口12aをガイド12の略中央に、吐出口である開口穴45,46を電磁ポンプ10の両端に設けたが、これらの位置を逆にしてもよい。
その際、吐出逆止弁57,58及び吸入逆止弁60,61の作動方向を反転させることはいうまでもない。
本発明の実施の形態に係る電磁ポンプの略縦断面図である。 図1に示す吐出逆止弁の要部拡大略縦断面である。 図1に示す吸入逆止弁の要部拡大縦断面図である。 図1の右側の電磁ポンプの動作説明図である。 図1の左側の電磁ポンプの動作説明図である。
符号の説明
10 電磁ポンプ 11 ボディ
12 ガイド 13,14 ボビン
22 スリーブ 23 プランジャ ,
25,26 ストッパ 38,39 吐出側本体
57,58 吐出逆止弁 60,61 吸入逆止弁

Claims (2)

  1. 電磁力により往復動される往復動部材により、本体に形成されたポンプ室の容積を変化させて二つのポンプ室に交互にポンプ作用を行わせる電磁ポンプにおいて、
    本体と、
    前記本体の内孔に嵌挿されたガイド部材と、
    前記ガイド部材の両側面に隣接して前記本体の内孔に嵌挿されたボビン部材と、
    前記ガイド部材及び前記ボビン部材の内孔に装着されたスリーブ部材と、
    を備え、前記ガイド部材及び前記ボビン部材を前記スリーブ部材により一体化にして前記本体の半径方向の位置誤差による前記往復動部材の摺動部の半径方向誤差を防止することを特徴とする電磁ポンプ。
  2. 請求項1記載の電磁ポンプにおいて、
    前記往復動部材の両端部に設けられた吸入逆止弁と、前記ガイド部材に嵌挿されたストッパ部材の側壁部に設けられた吐出逆止弁と、を有し、前記吸入逆止弁及び前記吐出逆止弁が近接して略同一線上に設けられていることを特徴とする電磁ポンプ。
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