JP2009203585A - 再生ガラス繊維不織布およびその製造方法 - Google Patents

再生ガラス繊維不織布およびその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】廃FRPを用いた再生FRP成形時の作業効率および曲げ強度の向上可能な、再生ガラス繊維不織布製造方法を提供すること。
【解決手段】不飽和ポリエステルを含む繊維強化プラスチックから劣化させることなく回収した繊維1と熱融着繊維2とを混合して、これをシート状に形成するガラスウェブシート形成工程P1と、得られたガラスウェブシート3を複数枚重ねるガラスウェブシート重ね工程P2と、得られた積層ガラスウェブシート4をプレスするプレス工程P3とを経て、再生ガラス繊維不織布5を得る。
【選択図】図1

Description

本発明は再生ガラス繊維不織布およびその製造方法に係り、特に、廃FRP(繊維強化プラスチック)を用いた再生FRP成形における作業効率を向上させ、またその強度を向上させることのできる、再生ガラス繊維不織布およびその製造方法に関する。
FRPは耐熱性、耐候性、耐薬品性、耐水性、機械的特性に優れているため、種々の産業分野で広範に利用されている。しかし、成形に用いる樹脂が熱硬化性であって成形後は溶融しないため、廃FRPのリサイクルは困難であった。しかしながら従来、種々の技術的提案はなされている。
たとえば後掲特許文献1開示の技術は、ガラス繊維含有ポリアミド成形品を、リン酸水溶液中にて加熱することにより、熱可塑性樹脂であるポリアミドとガラス繊維とを分離する技術である。この他にも、廃FRPからガラス繊維を分離する技術としては多くのものが提案されてきたが、いずれも実用上の問題が多いものであった。
それを受けた形で、後掲特許文献2に示す技術が提案されている。これは、不飽和ポリエステルを含むFRPから劣化させることなく回収したガラス繊維を強化材として再利用することを目的として、リン酸塩を含む有機溶媒からなる処理液の利用を提案したものである。
特開2000−80199号公報「ガラス繊維含有ポリアミド成形品からのポリアミドとガラス繊維との分離方法」 特開2003−55475号公報「再生繊維で強化された繊維強化プラスチック」
上記特許文献開示の従来技術により、曲げ特性の低下が抑えられた再生FRPの提供が可能となった。しかしながら、回収したガラス繊維からなるガラスウェブシートを重ねてマット状にしたガラスウェブマットを用いて、ハンドレイアップ法により再生FRPを成形する場合、作業上の問題点があった。それは、ガラスウェブマットが複数のガラスウェブシートを重ねて形成されており、ふかふかの状態であるため、ガラスウェブシートがローラーに絡みついてしまい、効率良く樹脂を含浸させることが困難であるということである。
図13は、従来技術により製造したガラスウェブマットにハンドレイアップ法により不飽和ポリエステル樹脂を塗布する工程を示す写真図である。図示するように従来は、ガラスウェブマットが柔らかいことによって、不飽和ポリエステル樹脂を塗布する際マットにローラーが絡まってしまい、作業効率が低かった。
また、曲げ特性の低下が抑えられたとはいえ、通常市販されている新品のFRPと比較すれば充分とはいえず、より曲げ特性の高い再生FRPが求められていた。
したがって本発明が解決しようとする課題は、上記従来技術の問題点を除き、廃FRPを用いた再生FRP成形における作業効率を向上させ、またその曲げ特性(曲げ強度)を向上させることのできる、再生ガラス繊維不織布およびその製造方法を提供することである。
本願発明者は上記課題について検討した結果、FRPから回収したガラス繊維に熱融着繊維を混合してシート状とし、これを積層し、さらにプレス処理することにより上記課題が解決可能であることを見出し、本発明に至った。すなわち、上記課題を解決するための手段として本願で特許請求される発明、もしくは少なくとも開示される発明は、以下の通りである。
(1) 不飽和ポリエステルを含む繊維強化プラスチックから劣化させることなく回収した繊維(以下、「回収繊維」ともいう。)と熱融着繊維とを混合してこれをシート状に形成するガラスウェブシート形成工程と、該ガラスウェブシート形成工程により得られる該ガラスウェブシートを複数枚重ねるガラスウェブシート重ね工程と、重ねられたガラスウェブシートをプレスするプレス工程とを経て再生ガラス繊維不織布を得ることを特徴とする、再生ガラス繊維不織布製造方法。
(2) 前記プレス工程には少なくとも、加熱を伴う熱プレス工程が含まれることを特徴とする、(1)に記載の再生ガラス繊維不織布製造方法。
(3) 前記プレス工程では、前記熱プレス工程の後さらに、該熱プレス工程よりも低温にて行う冷却プレス工程がなされることを特徴とする、(2)に記載の再生ガラス繊維不織布製造方法。
(4) 前記熱プレス工程における処理温度は、50℃以上であることを特徴とする、(2)または(3)に記載の再生ガラス繊維不織布製造方法。
(5) 前記冷却プレス工程における処理温度は、30℃未満であることを特徴とする、(2)ないし(4)のいずれかに記載の再生ガラス繊維不織布製造方法。
(6) 用いられる前記熱融着繊維の量は、前記回収繊維重量に対して0.1%以上50%以下であることを特徴とする、(1)ないし(5)のいずれかに記載の再生ガラス繊維不織布製造方法。
(7) 用いられる前記熱融着繊維の量は、前記回収繊維重量に対して5%以上30%以下であることを特徴とする、(1)ないし(5)のいずれかに記載の再生ガラス繊維不織布製造方法。
(8) 前記熱融着繊維は、下記(A)または(B)のいずれかを用いることを特徴とする、(1)ないし(7)のいずれかに記載の再生ガラス繊維不織布製造方法。
(A)芯部はポリプロピレン、鞘部はポリエチレン。
(B)芯部はポリエチレンテレフタレート、鞘部はポリエチレン。
(9) 不飽和ポリエステルを含む繊維強化プラスチックから劣化させることなく回収した繊維(回収繊維)と熱融着繊維とが含まれていることを特徴とする、再生ガラス繊維不織布。
(10) 前記熱融着繊維の量は、前記回収繊維重量に対して1%以上30%以下であることを特徴とする、(9)に記載の再生ガラス繊維不織布。
(11) 不飽和ポリエステルを含む繊維強化プラスチックから劣化させることなく回収した繊維と熱融着繊維とが混合されてなることを特徴とする、再生ガラス繊維不織布製造用のガラスウェブシート。
本発明の再生ガラス繊維不織布およびその製造方法は上述のように構成されるため、これによれば、廃FRPを用いた再生FRP成形における作業効率を向上させ、つまり、樹脂を含浸させる性質が高まり、ハンドレイアップ法により再生FRPを成形する場合にも、従来のようにガラスウェブシートがローラーに絡みつくことがなく、効率良く樹脂を含浸させることができ、市販品と同等レベルまで作業効率を向上させることができる。
また本発明によれば、その曲げ特性(曲げ強度)をより向上させることができる。前出特許文献2開示技術で得られる再生FRPの曲げ強度は、市販品の約70%程度であったが、本発明によれば約90%程度もの曲げ強度を得ることができ、より市販品に近い特性を実現することができる。
以下、本発明について、図面も用いてより詳細に説明する。
図1は、本発明の再生ガラス繊維不織布製造方法の構成を示すフロー図である。図示するように本方法は、不飽和ポリエステルを含む繊維強化プラスチックから劣化させることなく回収した繊維(回収繊維)1と熱融着繊維2とを混合して、これをシート状に形成するガラスウェブシート形成工程P1と、ガラスウェブシート形成工程P1により得られるガラスウェブシート3を複数枚重ねるガラスウェブシート重ね工程P2と、重ねられた積層ガラスウェブシート4をプレスするプレス工程P3とを経て、再生ガラス繊維不織布5を得ることを、基本的な構成とする。
かかる構成の本方法により、ガラスウェブシート形成工程P1においては、回収繊維1と熱融着繊維2とが混合されて、ガラスウェブシート3が形成される。ついでガラスウェブシート重ね工程P2を経て、ガラスウェブシート3が複数枚重ねられた積層ガラスウェブシート4が得られる。そしてプレス工程P3において、積層ガラスウェブシート4はプレス処理されて、再生ガラス繊維不織布5が得られる。
なお、プレス工程P3は異なる条件の2以上のプレス処理を含むことができ、特に、少なくとも熱融着繊維2の熱による融着に充分な程度の加熱を伴う熱プレス工程を含むものとする。
本発明方法による再生ガラス繊維不織布5の原料である回収繊維1の回収源、回収方法、種類などは特に限定されない。たとえば前掲特許文献2に開示された技術は、好適に用いることができる。
また、熱融着繊維2としては、たとえば、芯部はポリプロピレンで鞘部はポリエチレンのものや、あるいは、芯部はポリエチレンテレフタレートで鞘部はポリエチレンのもの等を用いることができる。
図1に示した方法にて製造した再生ガラス繊維不織布5は、プレス工程P3を経ることによってマット状となる。再生ガラス繊維不織布5を形成する積層ガラスウェブシート4は、各ガラスウェブシート3同士が熱融着繊維2の作用によって接着した状態となっている。これにより本再生ガラス繊維不織布5では、従来のようなふかふかの表面ではなく、硬い表面が形成される。
したがって、本再生ガラス繊維不織布5を用いてハンドレイアップ法にてFRPを製造する際には、ローラーにガラスウェブシートが絡みつくことがなく、樹脂が充分に再生ガラス繊維不織布5に含浸されるため、作業効率が向上する。さらに、プレス工程P3を経ることによって再生ガラス繊維不織布5は、その厚さも薄く形成される。
図2は、本発明の再生ガラス繊維不織布製造方法の別の構成を示すフロー図である。図示するように本方法は、不飽和ポリエステルを含む繊維強化プラスチックから劣化させることなく回収した繊維(回収繊維)21と熱融着繊維22とを混合して、これをシート状に形成するガラスウェブシート形成工程P21と、ガラスウェブシート形成工程P21により得られるガラスウェブシート23を複数枚重ねるガラスウェブシート重ね工程P22と、重ねられた積層ガラスウェブシート24をプレスするプレス工程P23とを経て、再生ガラス繊維不織布25を得る構成であるが、さらにプレス工程P23では、熱プレス工程P23Hを含み、その後さらに、熱プレス工程23Hよりも低温にて行う冷却プレス工程P23Lが備えられていることを、特徴的構成とする。
つまり、プレス工程P23は熱プレス工程P23Hと、その後の冷却プレス工程P23Lとを備えてなる。かかる構成により、熱プレス工程P23Hにおいて熱融着繊維22が融けて、積層ガラスウェブシート24を形成する各ガラスウェブシート23が相互に接着した状態となった後、より低温の冷却プレス工程P23Lによって、積層ガラスウェブシート24がプレス処理されて、再生ガラス繊維不織布25が製造される。
プレス工程を熱プレス工程のみとする場合でも、最終的に製造される再生ガラス繊維不織布からのガラスウェブシートの剥離は従来技術と比較して良好に防止され、作業効率も向上するのであるが、最終的に製造される再生ガラス繊維不織布からはこれを成すガラスウェブシートが剥離する場合がまったくないわけではない。しかし、図2に示す冷却プレス工程P23Lを設ける方法を用いることにより、最終的に製造される再生ガラス繊維不織布25からのガラスウェブシート23の剥離は完全に防止することができる。そして、熱プレス工程P23Hとその後の冷却プレス工程P23Lを経ることによって得られた再生ガラス繊維不織布25は、樹脂含浸性能が高まるため、市販品のチョップドストランドマット(以下、「チョップマット」ともいう。)と同等レベルにまでも、再生FRP製造時の作業効率を向上させることができる。
また冷却プレス工程P23Lを設ける方法によれば、実施例にも述べるように、曲げ強度や厚さを、より一層、市販品レベルに近づけることができる。また従来技術と比較して、より薄い再生FRPを得ることができる。
熱プレス工程P23Hにおける処理温度、つまり熱プレス処理に用いるプレス盤の温度は、処理効率および仕上がりを考慮して、50℃以上とすることが望ましい。さらには、80℃以上とすることがより望ましい。しかしながら50℃未満であっても最低30℃以上であれば、最低限の効果は得ることができる。
一方、冷却プレス工程P23Lにおける処理温度、つまりプレス処理に用いるプレス盤の温度は、処理効率および仕上がりを考慮して、30℃未満であること、たとえば常温が望ましい。しかしながら、冷却プレス工程P23Lは熱プレス工程P23Hと比較して低い温度であることが最低条件である。したがって、たとえば熱プレス工程P23Hにおける処理温度が80℃以上の場合には、冷却プレス工程P23Lの処理温度は高くても80℃未満、また熱プレス工程P23Hにおける処理温度が50℃以上の場合には同様に、高くても50℃未満、とする。
なお、用いる熱融着繊維の量は、FRPからの回収繊維重量に対して、0.1%以上50%以下、望ましくは1%以上30%以下、より望ましくは5%以上30%以下とすることによって、再生ガラス繊維不織布をより良好に製造することができる。しかし、本発明がそれに限定されるわけではない。
また、熱融着繊維としては、たとえば、芯部はポリプロピレンで鞘部はポリエチレンのものや、あるいは、芯部はポリエチレンテレフタレートで鞘部はポリエチレンのものを好適に用いることができる。
以下、本発明の実施例を説明するが、本発明はかかる実施例に限定されるものではない。
<1 再生ガラス繊維不織布の製造>
図3〜7は、本発明の再生ガラス繊維不織布製造方法の具体的工程の一部を示す写真図である。このうち図3は、開繊工程、つまり、不飽和ポリエステルを含むFRPから劣化させることなく回収したガラス繊維と、熱融着繊維とを一緒にほぐす機械に入れる工程を示す。熱融着繊維の量は上述のように回収ガラス繊維重量に対して、0.1%以上50%以下、望ましくは1%以上30%以下、より望ましくは5%以上30%以下とすることができるが、写真に示す例ではこれを15%としており、良好な結果を得ている。
なお作業効率向上効果の観点からは、熱融着繊維量を20%としても15%としても変わりはない。したがってかかる観点からは、混合する熱融着繊維の量は、回収ガラス繊維量に対して最大15%とすることで足りる。
図4は、開繊工程を経た材料を薄いシート状にする機械によって、ガラスウェブシートにする工程を示す。このようにして回収したガラス繊維と熱融着繊維とが混合されてなる再生ガラス繊維不織布製造用のガラスウェブシートが得られる。
図5は、ガラスウェブシートを重ねる工程を示す。また図6は、このようにして熱融着繊維とガラス繊維を混合した、積層ガラスウェブシートが形成された状態を示す。つまりこのようにして、回収したガラス繊維と熱融着繊維とが混合されてなる再生ガラス繊維不織布製造用の積層ガラスウェブシートが得られる。
そして図7は、形成された積層ガラスウェブシートを熱プレス機を用いた熱プレス工程にかけた後の状態、つまり本発明の再生ガラス繊維不織布が形成された状態を示す。熱プレス工程における望ましい処理温度は、上述の通り50℃以上、より望ましくは80℃以上であるが、ここでは150℃にて熱プレス処理している。
なお図示しないが、熱プレス工程の後さらに冷却プレス工程を設けることによって、上述したように、最終的に製造される再生ガラス繊維不織布からのガラスウェブシートの剥離を完全に防止することができ、また樹脂が含浸しやすくなり、作業効率をより一層向上させることができる。
図8は、再生FRP製造のために、本発明製法で製造された再生ガラス繊維不織布を用いて、ハンドレイアップ法により不飽和ポリエステル樹脂を塗布する工程を示す写真図である。熱融着繊維とガラス繊維とを混ぜ、機械を用いてシート状にしたものを重ね、熱プレスを行って製造した本発明の再生ガラス繊維不織布は、従来技術の説明に用いた図13との比較で明らかなように、冷却プレス工程を設けない場合であってもガラス繊維不織布にローラーが絡まることがなく、一般の市販品のチョップマットを用いた場合と大差ないほど高い作業効率を得ることができる。なお、冷却プレス工程を特に設けることによって利点があることは、既に述べた通りである。
<2 再生FRPの作製とその評価>
以下は、上記<1>による再生ガラス繊維不織布を用いた再生FRP作製の作業効率、および作製した再生FRPの強度等について行った試験とその結果である。
<2−1 実施例1 熱プレス工程を行った再生ガラス繊維不織布による再生FRP>
再生ガラス繊維不織布は、廃FRP船の船体から回収したガラス繊維を用い、熱融着繊維としてはユニチカファイバー製メルティ(登録商標)を回収ガラス繊維重量に対して15%用い、熱プレス工程での処理温度は150℃で1分間、圧力30kgf/cm(製品圧)とし、上記<1>により作製した。使用した装置は次の通りである。
開繊機:池上機械(株)製
熱プレス機:HOT PRESS、名機製作所、H−202
再生FRP作製工程は、次の通りである。
1)市販のチョップマットを敷き、これに樹脂を塗布する。
2)その上に、上述の通り作製した再生ガラス繊維不織布を敷き、これに樹脂を塗布する。
3)その上にさらに、市販のチョップマットを敷き、樹脂を塗布する。
4)このように積層されたものを乾燥させることで、1枚の再生FRP板となる。
具体的には、作製した再生ガラス繊維不織布(縦300mm、横550mm)を複数枚用いて全体の厚さが0.8mmとなるように重ね、その上下を同サイズに切断した市販のチョップマットにてサンドイッチ状に挟んで、これに不飽和ポリエステル樹脂、具体的には100%表面平滑揺変性不飽和ポリエステル樹脂1000gを、ハンドレイアップ法により含浸させた。さらにこれを、恒温室内にて乾燥処理することにより、再生FRPの作製を完成した。
市販チョップマットとしては、エヌエヌジー・ヴェトロテックス(株)製のG8 450−1860 2E(厚さ0.6mm)を用いた。
<2−2 実施例2 熱プレス工程および冷却プレス工程を行った再生ガラス繊維不織布による再生FRP>
熱プレス工程後の冷却プレス工程を、処理温度20℃、3分間、圧力5kgf/cm(製品圧)で行った他は、実施例1と同様にして、再生ガラス繊維不織布および再生FRPの作製を行った。
<2−3 比較例1 プレス工程を行わない再生ガラス繊維不織布による再生FRP>
熱プレス工程または冷却プレス工程のいずれも行わなかった他は、実施例1と同様にして、再生ガラス繊維不織布および再生FRPの作製を行った。
<2−4 対照 市販FRP>
実施例1に用いた市販チョップマットを複数枚用いて全体の厚さが2.4mmとなるように重ね、その上下を同じチョップマットにてサンドイッチ状に挟んだ。その他は実施例1と同様にして、FRPの作製を行った。
<2−5 曲げ強度の評価>
実施例1、2、比較例1、および対照の各試験体を用意し、オートグラフ((株)島津製作所製、AGS−10kNG)を用いてJISK7171に準じて、クロスヘッドスピード2.0mm/minで曲げ強度試験を行った。
図9は、各実施例および比較例による作製FRPの曲げ強度を示したグラフである。なお、本図9および後掲の図10、11ならびに12中、「一般」は対照、「初期」は比較例1、「熱プレス」は実施例1、そして「熱プレス+冷プレス」は実施例2を示す。図9に示すように、市販品(対照)の曲げ強度228MPaに対して比較例1では70%の曲げ強度に留まったが、実施例1では84%、実施例2では約90%もの曲げ強度を示した。本発明による再生ガラス繊維不織布を用いることにより、従来よりも顕著に高く、市販品にも近いほどの曲げ強度を備えた再生FRPを製造できることが示された。
図10は、各実施例および比較例による作製FRPの厚さを示したグラフである。ここで厚さは、各例で作製した最終的なFRP全体の厚さである。図示するように、市販品(対照)の厚さ2.3mmに対して比較例1では約2倍もの厚さであったが、実施例1では約1.5倍、実施例2では約1.4倍の厚さに留まった。本発明による再生ガラス繊維不織布を用いることにより、従来よりもより市販品に近い厚さの再生FRPを製造できることが示された。
図11は、各実施例および比較例による作製FRPの比重を示したグラフである。また、
図12は、各実施例および比較例による作製FRPの曲げヤング率を示したグラフである。比重は、各実施例および比較例間で有意な差異は認められなかった。しかし曲げヤング率においては、比較例1が対照よりも小さかったのに対し、各実施例は対照と同じ値を示した。つまり、本発明による再生ガラス繊維不織布を用いることにより、市販品と同等の曲げヤング率の再生FRPを製造できることが示された。
本発明によれば、従来は困難であった廃FRPのリサイクルおよび再生FRP製品の開発を促進することができ、新規市場を開拓、拡大することが大いに期待できる。したがって、産業上利用価値が高い発明である。
本発明の再生ガラス繊維不織布製造方法の構成を示すフロー図である。 本発明の再生ガラス繊維不織布製造方法の別の構成を示すフロー図である。 本発明の再生ガラス繊維不織布製造方法の具体的工程の一部を示す写真図であり、開繊工程を示す。 本発明方法の具体的工程の一部を示す写真図であり、ガラスウェブシートにする工程を示す。 本発明方法の具体的工程の一部を示す写真図であり、ガラスウェブシートを重ねる工程を示す。 本発明方法の具体的工程の一部を示す写真図であり、積層ガラスウェブシートが形成された状態を示す。 本発明方法の具体的工程の一部を示す写真図であり、再生ガラス繊維不織布が形成された状態を示す。 製造されたガラス繊維不織布に、ハンドレイアップ法により不飽和ポリエステル樹脂を塗布する工程を示す写真図である。
各実施例および比較例による作製FRPの曲げ強度を示したグラフである。 各実施例および比較例による作製FRPの厚さを示したグラフである。 各実施例および比較例による作製FRPの比重を示したグラフである。 各実施例および比較例による作製FRPの曲げヤング率を示したグラフである。 従来技術により製造したガラス繊維不織布にハンドレイアップ法により不飽和ポリエステル樹脂を塗布する工程を示す写真図である。
符号の説明
1、21…回収繊維
2、22…熱融着繊維
3、23…ガラスウェブシート
4、24…積層ガラスウェブシート
5、25…再生ガラス繊維不織布
P1、P21…ガラスウェブシート形成工程
P2、P22…ガラスウェブシート重ね工程
P3、P23…プレス工程
P23H…熱プレス工程
P23L…冷却プレス工程P23L

Claims (11)

  1. 不飽和ポリエステルを含む繊維強化プラスチックから劣化させることなく回収した繊維(以下、「回収繊維」ともいう。)と熱融着繊維とを混合してこれをシート状に形成するガラスウェブシート形成工程と、該ガラスウェブシート形成工程により得られる該ガラスウェブシートを複数枚重ねるガラスウェブシート重ね工程と、重ねられたガラスウェブシートをプレスするプレス工程とを経て再生ガラス繊維不織布を得ることを特徴とする、再生ガラス繊維不織布製造方法。
  2. 前記プレス工程には少なくとも、加熱を伴う熱プレス工程が含まれることを特徴とする、請求項1に記載の再生ガラス繊維不織布製造方法。
  3. 前記プレス工程では、前記熱プレス工程の後さらに、該熱プレス工程よりも低温にて行う冷却プレス工程がなされることを特徴とする、請求項2に記載の再生ガラス繊維不織布製造方法。
  4. 前記熱プレス工程における処理温度は、50℃以上であることを特徴とする、請求項2または3に記載の再生ガラス繊維不織布製造方法。
  5. 前記冷却プレス工程における処理温度は、30℃未満であることを特徴とする、請求項2ないし4のいずれかに記載の再生ガラス繊維不織布製造方法。
  6. 用いられる前記熱融着繊維の量は、前記回収繊維重量に対して0.1%以上50%以下であることを特徴とする、請求項1ないし5のいずれかに記載の再生ガラス繊維不織布製造方法。
  7. 用いられる前記熱融着繊維の量は、前記回収繊維重量に対して5%以上30%以下であることを特徴とする、請求項1ないし5のいずれかに記載の再生ガラス繊維不織布製造方法。
  8. 前記熱融着繊維は、下記(A)または(B)のいずれかを用いることを特徴とする、請求項1ないし7のいずれかに記載の再生ガラス繊維不織布製造方法。
    (A)芯部はポリプロピレン、鞘部はポリエチレン。
    (B)芯部はポリエチレンテレフタレート、鞘部はポリエチレン。
  9. 不飽和ポリエステルを含む繊維強化プラスチックから劣化させることなく回収した繊維(回収繊維)と熱融着繊維とが含まれていることを特徴とする、再生ガラス繊維不織布。
  10. 前記熱融着繊維の量は、前記回収繊維重量に対して1%以上30%以下であることを特徴とする、請求項9に記載の再生ガラス繊維不織布。
  11. 不飽和ポリエステルを含む繊維強化プラスチックから劣化させることなく回収した繊維と熱融着繊維とが混合されてなることを特徴とする、再生ガラス繊維不織布製造用のガラスウェブシート。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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