JP2009203105A - セラミックス配向膜の製造方法及び原料粉末 - Google Patents

セラミックス配向膜の製造方法及び原料粉末 Download PDF

Info

Publication number
JP2009203105A
JP2009203105A JP2008046439A JP2008046439A JP2009203105A JP 2009203105 A JP2009203105 A JP 2009203105A JP 2008046439 A JP2008046439 A JP 2008046439A JP 2008046439 A JP2008046439 A JP 2008046439A JP 2009203105 A JP2009203105 A JP 2009203105A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
ceramic
raw material
powder
pzt
material powder
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2008046439A
Other languages
English (en)
Other versions
JP5490996B2 (ja
Inventor
Hideki Shimizu
清水  秀樹
Takashi Ebigase
隆 海老ヶ瀬
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
NGK Insulators Ltd
Original Assignee
NGK Insulators Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by NGK Insulators Ltd filed Critical NGK Insulators Ltd
Priority to JP2008046439A priority Critical patent/JP5490996B2/ja
Publication of JP2009203105A publication Critical patent/JP2009203105A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5490996B2 publication Critical patent/JP5490996B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Compositions Of Oxide Ceramics (AREA)

Abstract

【課題】電気泳動法によりセラミックス配向膜を容易に製造することができるようにする。
【解決手段】区別可能な複数の結晶面が表面に露出している略立方体形状のPZT粉末の表面に分散剤を吸着させることによりPZT粉末に電荷異方性を付与する。これにより、PZTセラミックス配向膜の形成面とPZT粉末の分散剤を吸着させた面とを略平行に対向させた状態で膜形成面にPZT粉末を電気泳動法により堆積させ、PZT粉末を配向させることができる。
【選択図】図2

Description

本発明は、電気泳動法によるセラミックス配向膜の製造方法及び電気泳動法によるセラミックス配向膜の製造に使用する原料粉末に関する。
非特許文献1に示すように、チタン酸ジルコン酸鉛等の圧電/電歪セラミックスのセラミックス膜を安価に製造する方法として、分散媒に分散させた原料粉末をセラミックス膜の形成面に向かって電気泳動させ、セラミックス膜の形成面に原料粉末を堆積させる方法が知られている。しかし、非特許文献1に示す方法では、セラミックス配向膜を製造することができないという問題がある。
一方、特許文献1には、磁気異方性を有する原料粉末を強磁場で回転させることにより原料粉末を配向させる発明が示されている。また、特許文献2は、形状異方性を有する粉末を含む原料粉末に剪断応力を加えることにより配向性を得る発明が示されている。
「電気泳動法によるセラミック複合膜の製造プロセス」、ニューセラミックス、1997年、第8号、p.15-22 特開2004−131363号公報 特開2006−124251号公報
しかし、特許文献1に示される発明では、粒子径が小さな原料粉末や磁気異方性が小さい原料粉末を配向させることが困難である。また、特許文献1に示される発明では、強磁場を発生させる装置が高価であるため、製造原価を低減することが困難である。
また、特許文献2に示される発明では、形状異方性を有する粉末を含む特殊な原料粉末を製造する必要がある。
本発明は、これらの問題を解決するためになされたもので、電気泳動法によりセラミックス配向膜を容易に製造することができるようにすることを目的とする。
上記課題を解決するため、請求項1の発明は、セラミックス配向膜の製造方法であって、(a) 電荷異方性を有する第1の原料粉末を製造する工程と、(b) 前記工程(a)において製造した第1の原料粉末を分散媒に分散させる工程と、(c) 前記工程(b)において第1の原料粉末を分散させた分散媒に直流電界を印加し、セラミックス配向膜の形成面に向かって第1の原料粉末を電気泳動させ、セラミックス配向膜の形成面に第1の原料粉末を堆積させる工程と、(d) 前記工程(c)において堆積させた堆積膜を熱処理する工程と、を備える。
請求項2の発明は、請求項1に記載のセラミックス配向膜の製造方法において、前記工程(a)は、(a-1) 区別可能な複数の結晶面が表面に露出している粉末を合成する工程と、(a-2) 前記工程(a-1)において合成した粉末の表面に、露出している結晶面に応じて分散剤を吸着させる工程と、を備える。
請求項3の発明は、請求項2に記載のセラミックス配向膜の製造方法において、前記工程(a-2)は、前記工程(a-1)において合成した粉末の表面の一部を占める、分散剤の吸着能が相対的に高い結晶面が露出している領域に分散剤を選択的に平衡吸着させる。
請求項4の発明は、請求項2に記載のセラミックス配向膜の製造方法において、前記工程(a-2)は、前記工程(a-1)において合成した粉末の表面の一部を占める、分散剤との反応性が相対的に高い結晶面が露出している領域に分散剤を化学結合により選択的に吸着させる。
請求項5の発明は、請求項4に記載のセラミックス配向膜の製造方法において、前記工程(a-2)は、高温高圧の流体中で分散剤を化学結合により吸着させる。
請求項6の発明は、請求項5に記載のセラミックス配向膜の製造方法において、前記工程(a-2)は、超臨界流体中で分散剤を化学結合により吸着させる。
請求項7の発明は、請求項2に記載のセラミックス配向膜の製造方法において、前記工程(a-2)は、(a-2-1) 前記工程(a-1)において合成した粉末の表面の一部を占める、第1の分散剤との反応性が相対的に高い結晶面が露出している第1の領域に第1の分散剤を化学結合により選択的に吸着させる工程と、(a-2-2) 前記工程(a-2-1)において第1の分散剤を吸着させた粉末の表面の第1の領域以外の第2の領域に第2の分散剤を平衡吸着させる工程と、を備える。
請求項8の発明は、請求項7に記載のセラミックス配向膜の製造方法において、前記工程(a-2-1)は、高温高圧の流体中で第1の分散剤を化学結合により吸着させる。
請求項9の発明は、請求項8に記載のセラミックス配向膜の製造方法において、前記工程(a-2-1)は、超臨界流体中で第1の分散剤を化学結合により吸着させる。
請求項10の発明は、請求項2ないし請求項9のいずれかに記載のセラミックス配向膜の製造方法において、前記工程(a)は、(a-3) 前記工程(a-1)の後であって前記工程(a-2)の前に、前記工程(a-1)において合成した粉末の表面の表面水酸基を増加させる工程、をさらに備える。
請求項11の発明は、請求項1ないし請求項10のいずれかに記載のセラミックス配向膜の製造方法において、前記工程(b)において第1の原料粉末を分散させる分散媒がアルコールを主成分とする有機溶媒である。
請求項12の発明は、請求項1ないし請求項11のいずれかに記載のセラミックス配向膜の製造方法において、前記工程(c)は、第1の原料粉末の粉末径に相当する間隔で配列されたドット状電極の集合が形成されたセラミックス配向膜の形成面に向かって第1の原料粉末を電気泳動させる。
請求項13の発明は、請求項1ないし請求項12のいずれかに記載のセラミックス配向膜の製造方法において、(e) 前記工程(d)において形成された配向膜の上に粒径が第1の原料粉末の1/2以下である第2の原料粉末を重ねて堆積させる工程と、(f) 前記工程(d)において形成された配向膜及び前記工程(e)において堆積させた堆積膜を同時に熱処理する工程と、をさらに備える。
請求項14の発明は、セラミックス配向膜の製造方法であって、(g) 電荷異方性を有する第1の原料粉末を製造する工程と、(h) 前記工程(g)において製造した第1の原料粉末を分散媒に分散させる工程と、(i) 前記工程(h)において第1の原料粉末を分散させた分散媒に直流電界を印加し、セラミックス配向膜の形成面に向かって第1の原料粉末を電気泳動させ、セラミックス配向膜の形成面に第1の原料粉末を堆積させる工程と、(j) 前記工程(i)において堆積させた堆積膜の上に粒径が第1の原料粉末の1/2以下である第2の原料粉末を重ねて堆積させる工程と、(k) 前記工程(i)及び前記工程(j)において堆積させた堆積膜を同時に熱処理する工程と、を備える。
請求項15の発明は、請求項1ないし請求項14のいずれかに記載のセラミックス配向膜の製造方法において、セラミックス配向膜がPZTセラミックス配向膜である。
請求項16の発明は、電気泳動法によるセラミックス配向膜の製造に使用する原料粉末であって、区別可能な複数の結晶面が表面に露出した単結晶の粉末と、露出している結晶面に応じて前記結晶の表面に吸着させた分散剤と、を備える。
請求項1ないし請求項16の発明によれば、直流電界が第1の原料粉末に作用して第1の原料粉末を配向させるので、電気泳動法によりセラミックス配向膜を容易に製造することができる。
請求項2の発明によれば、粉末の表面に吸着する分散剤の量や種類が露出している結晶面に応じて変化するので、粉末に大きな電荷異方性を付与することができる。
請求項3又は請求項4の発明によれば、1種類の分散剤だけで粉末に電荷異方性を付与することができるので、電荷異方性を有する第1の原料粉末を少ない手順で製造することができる。
請求項4の発明によれば、粉末の表面から分散剤が脱離しないので、分散剤の吸着量を増加させることができ、粉末に大きな電荷異方性を付与することができる。
請求項5又は請求項6の発明によれば、反応を短時間で終了させることができ、分散剤の吸着量を増加させることができる。
請求項7の発明によれば、粉末の表面の全体が分散剤で覆われるので、第1の原料粉末の分散媒への分散が容易になる。
請求項8又は請求項9の発明によれば、反応を短時間で終了させることができ、分散剤の吸着量を増加させることができる。
請求項10の発明によれば、粉末の表面の分散剤の吸着サイトを増加させることができるので、粉末の表面に吸着する分散剤を増加させることができ、粉末に大きな電荷異方性を付与することができる。
請求項11の発明によれば、第1の原料粉末を電気泳動させるときに分散媒に印加する直流電界を強くすることができるので、第1の原料粉末の電荷異方性が小さい場合でも原料粉末を配向させることができる。
請求項12の発明によれば、セラミックス配向膜の形成面に第1の原料粉末を自律的に密に整列させることができるので、セラミックス配向膜の膜密度を向上することができる。
請求項13又は請求項14の発明によれば、膜厚の厚いセラミックス配向膜を容易に製造することができる。
<1 第1実施形態>
<1.1 概略>
第1実施形態は、チタン酸ジルコン酸鉛(以下では、「PZT」という)セラミックス配向膜の製造方法に関する。第1実施形態に係るPZTセラミックス配向膜の製造方法では、略立方体形状のPZT粉末の特定の面のみに分散剤を平衡吸着させることによりPZT粉末に電荷異方性を付与する。これにより、PZTセラミックス配向膜の形成面(以下では、「膜形成面」という)とPZT粉末の分散剤を吸着させた面(以下では、「分散剤吸着面」という)とを略平行に対向させた状態で膜形成面にPZT原料粉末を電気泳動法により堆積させることができる。
<1.2 電荷異方性を有するPZT原料粉末の製造>
図1は、第1実施形態に係る電荷異方性を有するPZT原料粉末の製造方法を説明するフローチャートである。また、図2は、製造途上のPZT原料粉末の模式図である。図2は、製造途上のPZT原料粉末の斜視図となっている。
{略立方体形状の単結晶のPZT粉末の合成}
図1に示すように、PZT原料粉末の製造にあたっては、最初に、図2(a)に示すような略立方体形状の単結晶のPZT粉末101を合成する(ステップS101)。
「単結晶」とは、区別可能な複数の結晶面がPZT粉末101の表面に露出し、PZT粉末101の表面に対する分散剤の吸着能が場所によって異なる状態となっている程度の結晶性をPZT粉末101が有していることを意味する。このような結晶性の高いPZT粉末101は、例えば、水熱法、ゾルゲル法等により合成することができる。
なお、PZT粉末101の立体形状を「略立方体形状」とすることは必須ではなく、他の立体形状としてもよい。もちろん、PZT粉末101の表面が平面であることも必須ではなく、曲面であってもよい。
{PZT粉末の表面の表面水酸基の増加}
続いて、ステップS101において合成したPZT粉末101を水熱処理し、PZT粉末101の表面の表面水酸基を増加させる(ステップS102)。このように表面水酸基を増加させることにより、PZT粉末101の表面の分散剤の吸着サイトを増加させることができるので、PZT粉末101の表面に吸着する分散剤を増加させることができ、PZT粉末101により大きな電荷異方性を付与することができる。水熱処理は、高温高圧の水とPZT粉末101とを接触させることにより行うことができる。PZT粉末101に接触させる水の温度は、200℃以上であることが望ましく、圧力は1MPa以上であることが望ましい。ただし、水熱処理は必ずしも必須ではなく、PZT粉末101の表面に十分な量の表面水酸基があらかじめ存在しているのであれば、省略してもよい。
{分散剤の平衡吸着}
さらに続いて、図2(b)に示すように、PZT粉末101の表面の一部を占める面103,105に分散剤107,109を選択的に平衡吸着させる(ステップS103)。PZT粉末101の表面の一部を占める領域である面103,105にのみ分散剤107,109を平衡吸着させることができるのは、PZT粉末101が高い結晶性を有していることによる。すなわち、高い結晶性を有するPZT粉末101に適量の分散剤を添加すると、分散剤の吸着能が相対的に高い結晶面が露出している面103,105に分散剤107,109を選択的に平衡吸着させることができることによる。分散剤の添加量が適量であることが要求されるのは、添加量が多すぎると面103,105だけでなく、面103,105以外の面にも分散剤を吸着させてしまい、面103,105のみに分散剤107,109を吸着させることができなくなるからであり、添加量が少なすぎるとPZT粉末101が凝集してしまい、PZT粉末101を分散媒に分散させることが困難になるからである。もちろん、「適量」が具体的にどの程度の添加量であるのかは、PZT粉末101の比表面積、吸着サイトの種類、吸着サイトの密度、分散剤の種類等によって変化する。
「平衡吸着」とは、PZT粉末101の表面の吸着サイトに分散剤の分子を可逆的に吸着させることをいう。吸着サイトは何であってもよいが、PZT粉末101の表面の表面水酸基を利用することが望ましい。
分散剤107,109としては、PZT粉末101の表面の吸着サイトに吸着する有機化合物を使用することができる。例えば、表面水酸基を吸着サイトとして利用する場合、酸性の表面水酸基に可逆的に平衡吸着する塩基性の官能基を分子内に有する有機化合物や塩基性の表面水酸基に可逆的に平衡吸着する酸性の官能基を分子内に有する有機化合物を使用することができる。酸性の官能基には、カルボキシル基(-COOH)等があり、塩基性の官能基には、アミノ基(-NH2,-NHR,NHR1R2;R,R1,R2は炭化水素基)、イミノ基(=NH,-NH-,=NR,-NR-;Rは炭化水素基)等がある。分散剤107,109の望ましい例としては、カルボキシル基を分子内に有するカチオン性の分散剤である乳酸・ヒドロキシ酪酸・ヒドロキシカプロン酸等の脂肪族ヒドロキシカルボン酸、サリチル酸・マンデル酸等の芳香族ヒドロキシカルボン酸等、アミノ基を分子内に有するカチオン性の分散剤であるプロパノールアミン・ジエタノールアミン等の脂肪族ヒドロキシアミン等、イミノ基を分子内に有するポリエチレンイミン等の脂肪族イミン等、カルボキシル基及びアミノ基の両方を分子内に有する双性の分散剤であるグリシン・アミノ安息香酸・アミノサリチル酸等のアミノカルボン酸等を挙げることができる。PZT粉末101の表面に吸着した分散剤107,109は、PZT粉末101同士を静電反発力や立体反発力により反発させてPZT粉末101の凝集を防ぐという分散剤としての本来の役割を果たす。加えて、PZT粉末101の表面に吸着した分散剤107,109は、PZT粉末101を帯電させるとともに、PZT粉末101の表面に不均一に吸着していることから、PZT粉末101に電荷異方性を付与する。
なお、面103,105のみに分散剤107,109を吸着させるのではなく、面103,105に相対的に多量の分散剤を吸着させ、面103,105以外の面に相対的に少量の分散剤を吸着させた場合でも、PZT粉末101に電荷異方性を付与することができる。より一般的にいえば、PZT粉末101の表面の分散剤の吸着能が露出している結晶面によって異なることを利用して、露出している結晶面に応じて分散剤をPZT粉末101の表面に吸着させることにより、PZT粉末101の表面に吸着する分散剤の量や種類が露出している結晶面に応じて変化するので、PZT粉末101に電荷異方性を付与することができる。
このPZT原料粉末123の製造方法によれば、1種類の分散剤だけでPZT粉末101に電荷異方性を付与することができるので、電荷異方性を有するPZT原料粉末123を少ない手順で製造することができる。
<1.3 PZTセラミックス配向膜の製造>
図3は、第1実施形態に係るPZTセラミックス配向膜の製造方法を説明するフローチャートである。また、図4〜図5は、PZTセラミックス配向膜の製造途上の電気泳動装置151の模式図である。図4〜図5は、電気泳動装置151の断面図となっている。
{PZT原料粉末の分散媒への分散}
図3に示すように、PZTセラミックス配向膜の製造にあたっては、最初に、ステップS101〜S103において製造したPZT原料粉末123を分散媒125に分散させる(ステップS111)。PZT原料粉末123を分散媒125に分散させた直後は、図4に示すように、PZT原料粉末123の方向はランダムとなっている。
PZT原料粉末123の分散媒125への分散は、例えば、湿式ジェットミルを用いて行うことができる。この分散においては、凝集したPZT原料粉末123を解砕するのにとどめ、PZT粉末101をより粒子径が小さい粉末に粉砕してしまったり、PZT粉末101の表面に吸着させた分散剤107,109を脱着させてしまうことがないような処理条件を採用する。
分散媒125としては、水を使用することが典型的であるが、アルコールを主成分とする有機溶媒を使用することもできる。アルコールを主成分とする有機溶媒を使用した場合、PZT原料粉末123を電気泳動させるときに分散媒125に印加する直流電界を強くすることができるので、PZT原料粉末123の電荷異方性が小さい場合でもPZT原料粉末123を配向させることができる。ただし、この場合には、膜形成面153へのPZT原料粉末123の堆積速度が速くなるので、膜形成面153にPZT原料粉末123を整列させることが困難になる。
なお、PZT粉末101の表面への分散剤107,109の吸着(ステップS103)とPZT原料粉末123の分散媒125への分散(ステップS111)とを別々に実施することは必須ではなく、同時に実施してもよい。
{膜形成面へのPZT原料粉末の堆積}
さらに続いて、ステップ111においてPZT原料粉末123を分散させた分散媒125に直流電界を印加し、膜形成面153に向かってPZT原料粉末123を電気泳動させ、膜形成面153にPZT原料粉末123を堆積させる(ステップS112)。このとき、図5に示すように、PZT原料粉末123は、表面に分散剤107,109を吸着させることにより生じた帯電と直流電界との作用により、膜形成面153に向かう並進力を受けるだけでなく、表面の一部を占める面103,105に分散剤107,109を選択的に吸着させることにより生じた電荷異方性による局所的な双極子と直流電界との作用により、当該双極子の方向を直流電界の方向に近づける回転力を受ける。したがって、直流電界の作用を受けたPZT原料粉末123は、膜形成面153に堆積するときに、膜形成面153と分散剤吸着面103,105とが略平行に対向した状態に配向する。
このとき、分散媒125に印加する直流電界を弱くしPZT原料粉末123の堆積速度を遅くすれば、膜形成面153においてPZT原料粉末123を密に整列させることができ、PZT原料粉末123の堆積膜129の膜密度を向上することができる。この他、図6の平面図に示すように、PZT原料粉末123の粒子径に相当する間隔で縦横両方向に規則的に配列されたドット状電極155の集合を膜形成面153に形成し、ドット状電極155の集合に向かってPZT原料粉末123を電気泳動させることも望ましい。なぜならば、このようなドット状電極155を使用すると、ドット状電極155の各々の上方にPZT原料粉末123が1個ずつ堆積するので、膜形成面153に堆積したPZT原料粉末123を自律的に密に整列させ、PZT原料粉末123の堆積膜129の膜密度を向上することができるからである。このような堆積膜129の膜密度の向上は、もちろん、後述する熱処理を経て最終的に製造されるPZTセラミックス配向膜の膜密度の向上に寄与する。
{PZT原料粉末の堆積膜の熱処理}
最後に、ステップ112において堆積させたPZT原料粉末123の堆積膜129を熱処理し、PZTセラミックス配向膜を得る。熱処理の温度は、PZT粉末101の組成、比表面積等や堆積膜129の膜密度、膜厚等によっても変化するが、概ね、500℃以上1300℃以下である。
このようにして製造されたPZTセラミックス配向膜は、配向性が高く膜密度も高いので、優れた圧電/電歪特性を発揮する。また、このような電気泳動法を利用したPZTセラミックス配向膜の製造方法には、化学的気相成長法やスパッタリング法を利用した場合と比較して、容易で製造原価を低減することができるという利点がある。
<2 第2実施形態>
<2.1 概略>
第2実施形態は、第1実施形態に係る電荷異方性を有するPZT原料粉末の製造方法に代えて採用することができる電荷異方性を有するPZT原料粉末の製造方法に関する。第2実施形態に係る電荷異方性を有するPZT原料粉末の製造方法では、略立方体形状のPZT粉末の特定の面のみに分散剤を化学結合により吸着させることによりPZT粉末に電荷異方性を付与する。
<2.2 電荷異方性を有するPZT原料粉末の製造>
図7は、第2実施形態に係る電荷異方性を有するPZT原料粉末の製造方法を説明するフローチャートである。また、図8は、製造途上のPZT原料粉末の模式図である。図8は、PZT原料粉末の斜視図となっている。
{略立方体形状の単結晶のPZT粉末の合成}
図7に示すように、PZT原料粉末の製造にあたっては、最初に、図8(a)に示すような略立方体形状の単結晶のPZT粉末201を合成する(ステップS201)。
「単結晶」とは、区別可能な複数の結晶面がPZT粉末201の表面に露出し、PZT粉末201の表面と分散剤との反応性が場所によって異なる状態となっている程度の結晶性をPZT粉末201が有していることを意味している。このような結晶性の高いPZT粉末201は、例えば、水熱合成法、ゾルゲル法等により合成することができる。PZT粉末201の立体形状を他の立体形状としてもよいことや、PZT粉末201の表面が曲面であってもよいことは、第1実施形態の場合と同様である。
{PZT粉末の表面の表面水酸基の増加}
続いて、第1実施形態の場合と同様に、ステップS201において合成したPZT粉末201を水熱処理し、PZT粉末201の表面の表面水酸基を増加させる(ステップS202)。このように表面水酸基を増加させるのは、第1実施形態の場合と同様に、PZT粉末101の表面に吸着する分散剤を増加させ、PZT粉末により大きな電荷異方性を付与するためである。また、PZT粉末201の表面に十分な量の表面水酸基があらかじめ存在しているのであれば、水熱処理を省略してもよいことも第1実施形態の場合と同様である。
{分散剤の化学結合による吸着}
さらに続いて、図8(b)に示すように、PZT粉末201の表面の一部を占める面203,205に分散剤207,209を化学結合により選択的に吸着させる(ステップS203)。PZT粉末201の表面の一部を占める領域である面203,205にのみ分散剤207,209を化学結合により吸着させることができるのは、PZT粉末201が高い結晶性を有していることによる。すなわち、高い結晶性を有するPZT粉末201に適量の分散剤を添加すると、分散剤との反応性が相対的に高い結晶面が露出している面203,205に分散剤207,209を化学結合により選択的に吸着させることができることによる。分散剤の添加量が適量であることが要求される理由は、第1実施形態の場合と同様である。もちろん、「適量」が具体的にどの程度の添加量であるのかは、PZT粉末201の比表面積、吸着サイトの種類、吸着サイトの密度、分散剤の種類等によって変化する。
「化学結合により吸着」とは、PZT粉末201の表面の吸着サイトに分散剤の分子を非可逆的に吸着させることをいう。より詳しくは、PZT粉末201の表面の吸着サイトと分散剤の分子との間で脱水反応その他の化学反応を起こさせ、分散剤の分子の残存部をPZT粉末201の表面に化学結合により吸着させることである。このように化学結合された分散剤は、PZT粉末201の表面から脱離しない。したがって、化学結合により分散剤を吸着させれば、分散剤の吸着量を増やすことができ、PZT粉末201に大きな電荷異方性を付与することができる。吸着サイトは何であってもよいが、PZT粉末201の表面の表面水酸基を利用することが望ましい。
このような化学結合による吸着は、反応を短時間で終了させるため、高温高圧の流体中で行わせることが望ましく、超臨界流体中で行わせることがさらに望ましい。ここで、「高温高圧」とは、上述の化学反応を進行させることができる温度及び圧力であるが、流体が水である場合、概ね、温度が200℃以上であり、圧力が1MPa以上である。
分散剤207,209としては、PZT粉末201の表面の吸着サイトに吸着する有機化合物を使用することができる。例えば、表面水酸基を吸着サイトとして利用する場合、表面水酸基と反応させることができる水酸基(-OH)、アルデヒド基(-CHO)、カルボキシル基(-COOH)、アミノ基(-NH2,-NHR,NHR1R2;R,R1,R2は炭化水素基)、イミノ基(=NR,-NR-;Rは炭化水素基)、メルカプト基(-SH)等の官能基を分子内に有する有機化合物を使用することができる。分散剤207,209の望ましい例としては、カルボキシル基を分子内に有するカチオン性の分散剤である乳酸・ヒドロキシ酪酸・ヒドロキシカプロン酸等の脂肪族ヒドロキシカルボン酸、サリチル酸・マンデル酸等の芳香族ヒドロキシカルボン酸等、アミノ基を分子内に有するカチオン性の分散剤であるプロパノールアミン・ジエタノールアミン等の脂肪族ヒドロキシアミン等、イミノ基を分子内に有するポリエチレンイミン等の脂肪族イミン等、カルボキシル基及びアミノ基の両方を分子内に有する双性の分散剤であるグリシン・アミノ安息香酸・アミノサリチル酸等のアミノカルボン酸等を挙げることができる。PZT粉末201の表面に吸着した分散剤207,209は、第1実施形態の場合と同様に、分散剤としての本来の役割を果たす。加えて、PZT粉末201の表面に吸着した分散剤は、第1実施形態の場合と同様に、PZT粉末201を帯電させるとともに、PZT粉末201に電荷異方性を付与する。
なお、第1実施形態の場合と同様に、面203,205に相対的に多量の分散剤を吸着させ、面203,205以外の面に相対的に少量の分散剤を吸着させた場合でも、PZT粉末201に電荷異方性を付与することができる。より一般的にいえば、PZT粉末201の表面と分散剤との反応性が露出している結晶面によって異なることを利用して、露出している結晶面に応じて分散剤をPZT粉末201の表面に吸着させることにより、PZT粉末201に電荷異方性を付与することができる。
このようにして得られたPZT原料粉末223を使用して第1実施形態の場合と同様に製造したPZTセラミックス配向膜は、配向性が高く膜密度も高いので、優れた圧電/電歪特性を発揮する。また、容易で製造原価を低減することができるという利点があることも第1実施形態の場合と同様である。
また、第2実施形態に係る電荷異方性を有するPZT原料粉末の製造方法によれば、1種類の分散剤だけでPZT粉末201に電荷異方性を付与することができるので、電荷異方性を有するPZT原料粉末223を少ない手順で製造することができる。
<3 第3実施形態>
<3.1 概略>
第3実施形態は、第1実施形態に係る電荷異方性を有するPZT原料粉末の製造方法に代えて採用することができる電荷異方性を有するPZT原料粉末の製造方法に関する。第3実施形態に係る電荷異方性を有するPZT原料粉末の製造方法では、略立方体形状のPZT粉末の特定の面のみに第1の分散剤を化学結合により吸着させた後、残余の面に第2の分散剤をさらに平衡吸着させることによりPZT粉末に電荷異方性を付与する。
<3.2 電荷異方性を有するPZT原料粉末の作製>
図9は、第3実施形態に係る電荷異方性を有するPZT原料粉末の製造方法を説明するフローチャートである。また、図10は、製造途上のPZT原料粉末の模式図である。図10は、製造途上のPZT原料粉末の斜視図となっている。
{略立方体形状の単結晶のPZT粉末の合成}
図9に示すように、PZT原料粉末の製造にあたっては、最初に、図10(a)に示すような略立方体形状の単結晶のPZT粉末301を合成する(ステップS301)。
「単結晶」とは、第2実施形態の場合と同様に、区別可能な複数の結晶面がPZT粉末301の表面に露出し、PZT粉末301の表面と第1の分散剤との反応性が場所によって異なる状態となっている程度の結晶性をPZT粉末301が有していることを意味している。このような結晶性の高いPZT粉末301は、例えば、水熱合成法、ゾルゲル法等により合成することができる。PZT粉末301の立体形状を他の立体形状としてもよいことや、PZT粉末301の表面が曲面であってもよいことは、第1実施形態の場合と同様である。
{PZT粉末の表面の表面水酸基の増加}
続いて、第1実施形態の場合と同様に、ステップS301において合成したPZT粉末301を水熱処理し、PZT粉末301の表面の表面水酸基を増加させる(ステップS302)。このように表面水酸基を増加させるのは、第1実施形態の場合と同様に、PZT粉末301の表面に吸着する分散剤を増加させ、PZT粉末により大きな電荷異方性を付与するためである。また、PZT粉末301の表面に十分な量の表面水酸基があらかじめ存在しているのであれば、水熱処理を省略してもよいことも第1実施形態の場合と同様である。
{第1の分散剤の化学結合による吸着}
さらに続いて、図10(b)に示すように、PZT粉末301の表面の一部を占める面303,305に第1の分散剤307,309を化学結合により選択的に吸着させる(ステップS303)。このようにPZT粉末301の表面の一部を占める領域である面303,305にのみ第1の分散剤307,309を化学結合により吸着させるのは、第2実施形態の場合と同様に、高い結晶性を有するPZT粉末301に適量の第1の分散剤を添加し、第1の分散剤との反応性が相対的に高い結晶面が露出している面303,305に第1の分散剤307,309を化学結合により選択的に吸着させることにより行えばよい。「適量」が具体的にどの程度の添加量であるのかは、PZT粉末301の比表面積、吸着サイトの種類、吸着サイトの密度、分散剤の種類等によって変化する点は、第2実施形態の場合と同様である。
「化学結合により吸着」とは、第2実施形態の場合と同様に、PZT粉末301の表面の吸着サイトに第1の分散剤の分子を非可逆的に吸着させることをいう。吸着サイトは何であってもよいが、PZT粉末301の表面の表面水酸基を利用することが望ましい。
このような化学結合による吸着は、第2実施形態の場合と同様に、反応を短時間で終了させるため、高温高圧の流体中で行わせることが望ましく、超臨界流体中で行わせることがさらに望ましい。
第1の分散剤307,309としては、第2実施形態において使用した分散剤107,109と同様の分散剤を使用することができる。
{第2の分散剤の平衡吸着}
次に、図10(c)に示すように、PZT粉末301の表面の面303,305以外の面に第2の分散剤311,313,315,317を平衡吸着させる(ステップS304)。このとき、第1の分散剤307,309は非可逆的にPZT粉末301の表面に吸着しているので、第1の分散剤307,309がPZT粉末301の表面から脱着することはない。
「平衡吸着」とは、第1実施形態の場合と同様に、PZT粉末301の表面の吸着サイトに第2の分散剤の分子を可逆的に吸着させることをいう。吸着サイトは何であってもよいが、PZT粉末301の表面の表面水酸基を利用することが望ましい。
第2の分散剤311,313,315,317としては、ノニオン性の分散剤を使用することが望ましい。このように第2の分散剤311,313,315,317としてノニオン性の分散剤を使用すれば、第2の分散剤311,313,315,317の吸着面を強く帯電させることを避けることができるので、第2の分散剤311,313,315,317の吸着によりPZT粉末301の電荷異方性が解消されてしまうことを抑制することができ、電気泳動のときにPZT粉末301を配向させることが容易になる。ただし、このことは、第1実施形態において使用した分散剤107,109と同様の分散剤を第2の分散剤311,313,315,317として使用することを妨げない。
PZT粉末301の表面に吸着した第1の分散剤307,309及び第2の分散剤311,313,315,317は、分散剤としての本来の役割を果たす。加えて、PZT粉末301の表面に吸着した第1の分散剤307,309及び第2の分散剤311,313,315,317は、第1実施形態及び第2実施形態の場合と同様に、PZT粉末301を帯電させるとともに、PZT粉末301に電荷異方性を付与する。
このようにして得られたPZT原料粉末324を使用して第1実施形態の場合と同様に製造したPZTセラミックス配向膜は、配向性が高く膜密度も高いので、優れた圧電/電歪特性を発揮する。また、容易で製造原価を低減することができるという利点があることも第1実施形態の場合と同様である。
また、第3実施形態に係る電荷異方性を有するPZT原料粉末の製造方法によれば、PZT粉末301の表面の全体が分散剤で覆われるので、PZT原料粉末324の分散媒への分散が容易になる。
<4 第4実施形態>
図11は、第1実施形態に係るPZTセラミックス配向膜の製造方法に代えて採用することができるPZTセラミックス配向膜の製造方法に関する。
第4実施形態に係るPZTセラミックス配向膜の製造方法では、まず、第1実施形態に係るPZTセラミックス配向膜の製造方法と同様にPZT原料粉末の分散媒への分散(ステップS411)、膜形成面へのPZT原料粉末の堆積(ステップS412)及びPZT原料粉末の堆積膜の熱処理(ステップS413)を行う。
次に、ステップS413において形成されたPZTセラミックス配向膜(第4実施形態では、「下地配向膜」という)の上にPZT原料粉末を重ねて堆積させ(ステップS414)、下地配向膜及びステップS414において堆積させた堆積膜(第4実施形態では、「付加堆積膜」という)を同時に熱処理する(ステップS415)。これにより、下地配向膜及び付加配向膜を一体化したPZTセラミックス配向膜の焼成体を得ることができる。このとき、同時焼成前の付加堆積膜が配向膜でなくても、下地配向膜との同時焼成によって付加堆積膜は配向膜となる。したがって、ステップS414において堆積させるPZT原料粉末は必ずしも上述したような電荷異方性を有している必要はない。したがって、ステップS414におけるPZT原料粉末の堆積は、電気泳動法以外の方法、例えば、スピンコート法、スクリーン印刷法等により行うこともできる。もちろん、付加堆積膜は下地配向膜と同様に高密度の膜である必要があるので、付加堆積膜の形成にあたってはPZT原料粉末を分散媒に十分に分散させることが望ましい。
ステップS414で堆積させるPZT原料粉末の粒径は、ステップS412で堆積させるPZT原料粉末の粒径の1/20以上1/2以下であることが望ましい。「粒径」は、レーザ回折/散乱法で測定した50%粒径D50を用いればよい。
この第4実施形態に係るPZTセラミックス配向膜の製造方法によれば、膜厚の厚いPZTセラミックス配向膜を容易に製造することができる。
<5 第5実施形態>
図12は、第1実施形態に係るPZTセラミックス配向膜の製造方法に代えて採用することができるPZTセラミックス配向膜の製造方法に関する。
第5実施形態に係るPZTセラミックス配向膜の製造方法では、まず、第1実施形態に係るPZTセラミックス配向膜の製造方法と同様にPZT原料粉末の分散媒への分散(ステップS511)及び膜形成面へのPZT原料粉末の堆積(ステップS512)を行う。
次に、ステップS512において堆積させた堆積膜(第5実施形態では、「下地堆積膜」という)の上にPZT原料粉末を重ねて堆積させ(ステップS513)、下地堆積膜及びステップS513において堆積させた堆積膜(第5実施形態では、「付加堆積膜」という)を同時に熱処理する(ステップS514)。これにより、下地堆積膜及び付加堆積膜を一体化したPZTセラミックス配向膜の焼成体を得ることができる。このとき、同時焼成前の付加堆積膜が配向膜でなくても、下地堆積膜との同時焼成によって付加堆積膜は配向膜となる。したがって、ステップS513において堆積させるPZT粒子は必ずしも上述したような電荷異方性を有している必要はない。したがって、ステップS513におけるPZT原料粉末の堆積は、電気泳動法以外の方法、例えば、スピンコート法、スクリーン印刷法等により行うこともできる。もちろん、付加堆積膜は下地配向膜と同様に高密度の膜である必要があるので、付加堆積膜の形成にあたってはPZT原料粉末を分散媒に十分に分散させることが望ましい。
ステップS513で堆積させるPZT原料粉末の粒径は、ステップS512で堆積させるPZT原料粉末の粒径の1/20以上1/2以下であることが望ましい。「粒径」は、レーザ回折/散乱法で測定した50%粒径D50を用いればよい。
この第5実施形態に係るPZTセラミックス配向膜の製造方法によれば、膜厚の厚いPZTセラミックス配向膜を容易に製造することができる。
<6 その他>
上述の説明では、PZT粉末の表面に分散剤を吸着させることにより、PZT粉末に電荷異方性を付与したが、PZT粉末そのものが大きな電荷異方性を有していれば、そのまま電気泳動させてもよい。
また、前述の説明では、PZTセラミックス配向膜の製造方法について説明したが、同様の製造方法により、チタン酸鉛(PbTiO3)等の他の種類の圧電/電歪材料のセラミックス配向膜を製造することができるし、圧電/電歪材料以外の材料のセラミックス配向膜を製造することもできる。
以下では、本発明の第1実施形態に係る実施例及び本発明の範囲外の比較例について説明する。
<実施例>
実施例では、水熱法によりPZT粉末を合成するとともに、合成したPZT粉末を洗浄して粒子径が約0.5μmの略立方体形状のPZT粉末を得た。水熱法によるPZT粉末の合成にあたっては、出発原料として硝酸鉛(Pb(NO3)2)、塩化酸化ジルコニウム(ZrOCl2)、塩化チタン(TiCl3)、水酸化カリウム(KOH)を使用し、オートクレーブ中で出発原料を200℃で4時間反応させた。
続いて、得られたPZT粉末100重量部に分散剤として0.85重量部の乳酸(CH3-CH(OH)-COOH)を添加し、分散媒である水に分散させた。PZT原料粉末の分散は、湿式ジェットミル方式で行った。
さらに続いて、PZT原料粉末を分散させたスラリー中に、陰極となる10mm×1mmの矩形の白金電極膜をジルコニア板に焼き付けた基板と陽極となるステンレス電極板とを1mmの間隔をおいて対向させ、白金電極膜とステンレス電極版との間に2Vの電圧を印加した。これにより、PZT原料粉末が電気泳動し、白金電極膜の上にはPZT原料粉末の堆積膜が形成された。この堆積膜を電子顕微鏡で観察したところ、膜形成面と分散剤吸着面とが対向した状態で堆積していることがわかった。
さらに、堆積膜を900℃で熱処理したところ、白金電極膜と同様の平面形状にパターニングされた緻密なPZTセラミックス配向膜を得ることができた。このPZTセラミックス配向膜の密度は、理想密度の98%に達していた。また、PZTセラミックス配向膜のX線回折パターンを測定しロットゲーリング法で配向度を算出したところ、配向度が80%の(001)配向膜が得られていることがわかった。
{比較例}
乳酸の添加量を1.70重量部に増加させた点を除いては実施例と同様にPZTセラミックス膜を製造したところ、配向膜を得ることができなかった。
この発明は詳細に説明されたが、上記した説明は、すべての局面において、例示であって、この発明がそれに限定されるものではない。例示されていない無数の変形例が、この発明の範囲から外れることなく想定され得るものと解される。
第1実施形態に係る電荷異方性を有するPZT原料粉末の製造方法を説明するフローチャートである。 製造途上のPZT原料粉末の斜視図である。 第1実施形態に係るPZTセラミックス配向膜の製造方法を説明するフローチャートである。 PZTセラミックス配向膜の製造途上における電気泳動装置の断面図である。 PZTセラミックス配向膜の製造途上における電気泳動装置の断面図である。 ドット状電極の集合が形成された膜形成面の平面図である。 第2実施形態に係る電荷異方性を有するPZT原料粉末の製造方法を説明するフローチャートである。 製造途上のPZT原料粉末の斜視図である。 第3実施形態に係る電荷異方性を有するPZT原料粉末の製造方法を説明するフローチャートである。 製造途上のPZT原料粉末の斜視図である。 第4実施形態に係るPZTセラミックス配向膜の製造方法を説明するフローチャートである。 第5実施形態に係るPZTセラミックス配向膜の製造方法を説明するフローチャートである。
符号の説明
101,201,301 PZT粉末
107,109,207.209,307,309,311,313,315,317 分散剤

Claims (16)

  1. セラミックス配向膜の製造方法であって、
    (a) 電荷異方性を有する第1の原料粉末を製造する工程と、
    (b) 前記工程(a)において製造した第1の原料粉末を分散媒に分散させる工程と、
    (c) 前記工程(b)において第1の原料粉末を分散させた分散媒に直流電界を印加し、セラミックス配向膜の形成面に向かって第1の原料粉末を電気泳動させ、セラミックス配向膜の形成面に第1の原料粉末を堆積させる工程と、
    (d) 前記工程(c)において堆積させた堆積膜を熱処理する工程と、
    を備えるセラミックス配向膜の製造方法。
  2. 請求項1に記載のセラミックス配向膜の製造方法において、
    前記工程(a)は、
    (a-1) 区別可能な複数の結晶面が表面に露出している粉末を合成する工程と、
    (a-2) 前記工程(a-1)において合成した粉末の表面に、露出している結晶面に応じて分散剤を吸着させる工程と、
    を備えるセラミックス配向膜の製造方法。
  3. 請求項2に記載のセラミックス配向膜の製造方法において、
    前記工程(a-2)は、
    前記工程(a-1)において合成した粉末の表面の一部を占める、分散剤の吸着能が相対的に高い結晶面が露出している領域に分散剤を選択的に平衡吸着させる、
    セラミックス配向膜の製造方法。
  4. 請求項2に記載のセラミックス配向膜の製造方法において、
    前記工程(a-2)は、
    前記工程(a-1)において合成した粉末の表面の一部を占める、分散剤との反応性が相対的に高い結晶面が露出している領域に分散剤を化学結合により選択的に吸着させる、
    セラミックス配向膜の製造方法。
  5. 請求項4に記載のセラミックス配向膜の製造方法において、
    前記工程(a-2)は、
    高温高圧の流体中で分散剤を化学結合により吸着させる、
    セラミックス配向膜の製造方法。
  6. 請求項5に記載のセラミックス配向膜の製造方法において、
    前記工程(a-2)は、
    超臨界流体中で分散剤を化学結合により吸着させる、
    セラミックス配向膜の製造方法。
  7. 請求項2に記載のセラミックス配向膜の製造方法において、
    前記工程(a-2)は、
    (a-2-1) 前記工程(a-1)において合成した粉末の表面の一部を占める、第1の分散剤との反応性が相対的に高い結晶面が露出している第1の領域に第1の分散剤を化学結合により選択的に吸着させる工程と、
    (a-2-2) 前記工程(a-2-1)において第1の分散剤を吸着させた粉末の表面の第1の領域以外の第2の領域に第2の分散剤を平衡吸着させる工程と、
    を備えるセラミックス配向膜の製造方法。
  8. 請求項7に記載のセラミックス配向膜の製造方法において、
    前記工程(a-2-1)は、
    高温高圧の流体中で第1の分散剤を化学結合により吸着させる、
    セラミックス配向膜の製造方法。
  9. 請求項8に記載のセラミックス配向膜の製造方法において、
    前記工程(a-2-1)は、
    超臨界流体中で第1の分散剤を化学結合により吸着させる、
    セラミックス配向膜の製造方法。
  10. 請求項2ないし請求項9のいずれかに記載のセラミックス配向膜の製造方法において、
    前記工程(a)は、
    (a-3) 前記工程(a-1)の後であって前記工程(a-2)の前に、前記工程(a-1)において合成した粉末の表面の表面水酸基を増加させる工程、
    をさらに備えるセラミックス配向膜の製造方法。
  11. 請求項1ないし請求項10のいずれかに記載のセラミックス配向膜の製造方法において、
    前記工程(b)において第1の原料粉末を分散させる分散媒がアルコールを主成分とする有機溶媒である、
    セラミックス配向膜の製造方法。
  12. 請求項1ないし請求項11のいずれかに記載のセラミックス配向膜の製造方法において、
    前記工程(c)は、
    第1の原料粉末の粉末径に相当する間隔で配列されたドット状電極の集合が形成されたセラミックス配向膜の形成面に向かって第1の原料粉末を電気泳動させる、
    セラミックス配向膜の製造方法。
  13. 請求項1ないし請求項12のいずれかに記載のセラミックス配向膜の製造方法において、
    (e) 前記工程(d)において形成された配向膜の上に粒径が第1の原料粉末の1/2以下である第2の原料粉末を重ねて堆積させる工程と、
    (f) 前記工程(d)において形成された配向膜及び前記工程(e)において堆積させた堆積膜を同時に熱処理する工程と、
    をさらに備えるセラミックス配向膜の製造方法。
  14. セラミックス配向膜の製造方法であって、
    (g) 電荷異方性を有する第1の原料粉末を製造する工程と、
    (h) 前記工程(g)において製造した第1の原料粉末を分散媒に分散させる工程と、
    (i) 前記工程(h)において第1の原料粉末を分散させた分散媒に直流電界を印加し、セラミックス配向膜の形成面に向かって第1の原料粉末を電気泳動させ、セラミックス配向膜の形成面に第1の原料粉末を堆積させる工程と、
    (j) 前記工程(i)において堆積させた堆積膜の上に粒径が第1の原料粉末の1/2以下である第2の原料粉末を重ねて堆積させる工程と、
    (k) 前記工程(i)及び前記工程(j)において堆積させた堆積膜を同時に熱処理する工程と、
    を備えるセラミックス配向膜の製造方法。
  15. 請求項1ないし請求項14のいずれかに記載のセラミックス配向膜の製造方法において、
    セラミックス配向膜がPZTセラミックス配向膜である、
    セラミックス配向膜の製造方法。
  16. 電気泳動法によるセラミックス配向膜の製造に使用する原料粉末であって、
    区別可能な複数の結晶面が表面に露出した単結晶の粉末と、
    露出している結晶面に応じて前記結晶の表面に吸着させた分散剤と、
    を備える原料粉末。
JP2008046439A 2008-02-27 2008-02-27 セラミックス配向膜の製造方法 Expired - Fee Related JP5490996B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008046439A JP5490996B2 (ja) 2008-02-27 2008-02-27 セラミックス配向膜の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008046439A JP5490996B2 (ja) 2008-02-27 2008-02-27 セラミックス配向膜の製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2009203105A true JP2009203105A (ja) 2009-09-10
JP5490996B2 JP5490996B2 (ja) 2014-05-14

Family

ID=41145735

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2008046439A Expired - Fee Related JP5490996B2 (ja) 2008-02-27 2008-02-27 セラミックス配向膜の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5490996B2 (ja)

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010100515A (ja) * 2008-09-24 2010-05-06 Ngk Insulators Ltd 結晶配向セラミックスの製造方法
JP2011207666A (ja) * 2010-03-30 2011-10-20 Ngk Insulators Ltd セラミックス及び圧電/電歪素子
JP2011207665A (ja) * 2010-03-30 2011-10-20 Ngk Insulators Ltd セラミックス及び圧電/歪電素子
CN102531594A (zh) * 2010-11-02 2012-07-04 日本碍子株式会社 铅系压电材料及其制造方法
RU2796209C1 (ru) * 2023-02-08 2023-05-17 Федеральное государственное автономное образовательное учреждение высшего образования "Белгородский государственный национальный исследовательский университет" (НИУ "БелГУ") Способ создания ориентированных структур на основе сегнетоэлектрического порошка

Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH08306985A (ja) * 1995-04-28 1996-11-22 Taiyo Yuden Co Ltd 配向性強誘電体膜の製法及び圧電素子の製法
JP2002208271A (ja) * 2000-12-05 2002-07-26 Sony Internatl Europ Gmbh 強誘電体メモリの製造方法、情報格納方法及び記憶素子

Patent Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH08306985A (ja) * 1995-04-28 1996-11-22 Taiyo Yuden Co Ltd 配向性強誘電体膜の製法及び圧電素子の製法
JP2002208271A (ja) * 2000-12-05 2002-07-26 Sony Internatl Europ Gmbh 強誘電体メモリの製造方法、情報格納方法及び記憶素子

Non-Patent Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Title
JPN6012032150; SU,B. et al.: 'Hydrothermal and electrophoretic deposition of lead zirconate titanate (PZT) films' Journal of the European Ceramic Society Vol.21, pp.1539-1542, 2001, Elsevier;European Ceramic Society *

Cited By (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010100515A (ja) * 2008-09-24 2010-05-06 Ngk Insulators Ltd 結晶配向セラミックスの製造方法
JP2011207666A (ja) * 2010-03-30 2011-10-20 Ngk Insulators Ltd セラミックス及び圧電/電歪素子
JP2011207665A (ja) * 2010-03-30 2011-10-20 Ngk Insulators Ltd セラミックス及び圧電/歪電素子
US9115031B2 (en) 2010-03-30 2015-08-25 Ngk Insulators, Ltd. Ceramic, and piezoelectric/electrostriction element
CN102531594A (zh) * 2010-11-02 2012-07-04 日本碍子株式会社 铅系压电材料及其制造方法
EP2447234A3 (en) * 2010-11-02 2012-08-01 NGK Insulators, Ltd. Lead-based piezoelectric material and production method therefor
US8721913B2 (en) 2010-11-02 2014-05-13 Ngk Insulators, Ltd. Lead-based piezoelectric material and production method therefor
RU2796209C1 (ru) * 2023-02-08 2023-05-17 Федеральное государственное автономное образовательное учреждение высшего образования "Белгородский государственный национальный исследовательский университет" (НИУ "БелГУ") Способ создания ориентированных структур на основе сегнетоэлектрического порошка

Also Published As

Publication number Publication date
JP5490996B2 (ja) 2014-05-14

Similar Documents

Publication Publication Date Title
Lv et al. Emerging new phase boundary in potassium sodium-niobate based ceramics
Villafuerte-Castrejón et al. Towards lead-free piezoceramics: Facing a synthesis challenge
Safari et al. Piezoelectric and acoustic materials for transducer applications
Joshi et al. Surfactant-free hydrothermal synthesis of highly tetragonal barium titanate nanowires: a structural investigation
Wang et al. Temperature‐insensitive (K, Na) NbO3‐based lead‐free piezoactuator ceramics
Liu et al. Significantly enhanced energy-harvesting performance and superior fatigue-resistant behavior in [001] c-textured BaTiO3-based lead-free piezoceramics
JP5599203B2 (ja) 圧電薄膜、圧電素子、圧電素子の製造方法、液体吐出ヘッドおよび超音波モータ
JP5490996B2 (ja) セラミックス配向膜の製造方法
JP5676148B2 (ja) 結晶配向セラミックス複合体及び圧電/電歪素子
JP2011213581A (ja) ビスマス鉄酸化物粉体、その製造方法、誘電体セラミックス、圧電素子、液体吐出ヘッドおよび超音波モータ
Yan et al. Extremely high piezoelectric properties in Pb-based ceramics through integrating phase boundary and defect engineering
Copie et al. Adsorbate screening of surface charge of microscopic ferroelectric domains in sol–gel PbZr0. 2ti0. 8o3 thin films
CN108238795A (zh) 一种具有高居里温度的新型三元铁电陶瓷系统及其制备方法和应用
Ji et al. Reversible and high-temperature-stabilized strain in (Pb, La)(Zr, Sn, Ti) O3 antiferroelectric ceramics
CN110845230A (zh) 一种三元系铌钪酸铅-铌镁酸铅-钛酸铅陶瓷及其制备方法
CN104064670B (zh) 压电薄膜元件、压电传感器和振动发电机
Yue et al. Building submicron crystalline piezoceramics: One‐step pressureless sintering partially amorphized nanopowder
Purusothaman et al. Textured lead-free piezoelectric ceramics for flexible energy harvesters
CN113213918A (zh) 兼具高压电性能和低损耗的钛酸锶铋—钪酸铋—钛酸铅系高温压电陶瓷材料及其制备方法
Yan et al. Influence of Sb doping on structure, domain size, and piezoelectric properties of Pb0. 99Nb0. 02 [(Sn0. 30Zr0. 70) 0.52 Ti0. 48] 0.98 O3 ceramics
JP3213295B2 (ja) 電気泳動成膜法を利用した圧電/電歪膜型素子の低温形成方法及びその圧電/電歪膜型素子
JP2010275185A (ja) 圧電特性を有する化合物、圧電素子及びそれを用いた液体吐出ヘッドと超音波モーター
CN103896586B (zh) 一种压电陶瓷及其制备方法
Damjanovic Lead-based piezoelectric materials
Ren et al. Shape evolution of Pb (Zr, Ti) O3 nanocrystals under hydrothermal conditions

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20101119

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20111021

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20111101

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20111121

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20120626

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20120822

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20120822

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20130402

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20140225

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20140227

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5490996

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees