JP2009201772A - カーボンナノチューブ係止ファスナー、その組合体及び製造方法 - Google Patents
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Abstract
【目的】強力な係止力を具備し、微細領域における接着に利用可能な小型化が可能で、しかも高温等の種々の環境下でも使用可能なCNT係止ファスナー、その組合体及び製造方法を提供することである。
【構成】CNT製造炉Aを用いて成長用基板1の触媒層2上にブラシ状CNT3を合成する。基板1を反転して裏返し、CNT成長端部4を下向きにしてPP容器5内の溶融PPに浸す。ついで、PPを冷却して固化した後、カッター7によりブラシ状CNT3を基板1から分離する。基板1を除去したブラシ状CNT3を容器5から取り出して、PP部分を成形して基体10を形成する。
【選択図】図2
【構成】CNT製造炉Aを用いて成長用基板1の触媒層2上にブラシ状CNT3を合成する。基板1を反転して裏返し、CNT成長端部4を下向きにしてPP容器5内の溶融PPに浸す。ついで、PPを冷却して固化した後、カッター7によりブラシ状CNT3を基板1から分離する。基板1を除去したブラシ状CNT3を容器5から取り出して、PP部分を成形して基体10を形成する。
【選択図】図2
Description
本発明は、カーボンナノチューブ(以下、CNTで表記する)を係合子に用いたCNT係止ファスナー、CNT係止ファスナー組合体及びCNT係止ファスナーの製造方法に関する。
従来、一般に用いられているテープ状又は面状のファスナー組合体は、特許文献1に示すように、ループあるいはアーチ形の雌形係合子をシート基材の片面に形成した雌ファスナーと、雌形係合子と係合する鉤形あるいはキノコ形の立毛状雄形係合子をシート基材の片面に形成した雄ファスナーからなる。
特開2002−136306公報
Liehui Ge,Suuny Ssthi,Lijie Ci,Pulickel M.Ajayan,and Ali Dhinojwala,"Carbon nanotube−based synthetic gecko tapes",10792−10795 PNAS june 26,2007 vol.104、NO.26
しかしながら、従来のファスナーにおいては、鈎状等種々の形態の係合子が考案されているものの、係止力に限界があり、しかも樹脂等の材質上、高熱環境下では使用できないといった問題があった。殊に、従来のファスナーは、鈎状突起などの係合子を樹脂材や有機物で形成したものであるため、接着部分の大きさはミリメートルないしサブミリメートルサイズにするのが限界であり、マイクロメートルサイズの微細領域における接着に利用することは不可能であった。
従って、本発明の目的は、上記問題を解消して、強力な係止力を具備し、微細領域における接着に利用可能な小型化が可能で、しかも高温等の種々の環境下でも使用可能なCNT係止ファスナー、及び一対のCNT係止ファスナーの組合体を提供することである。また、本発明の別の目的は、前記CNT係止ファスナーを製造するための製造方法を提供することである。
本発明の第1の形態は、基体表面に植設される多数の係合子を有し、前記係合子が相手側のファスナーの係合子と係脱するファスナーにおいて、密植状態のCNTからなるブラシ状CNTと、前記ブラシ状CNTを前記基体表面に固定する固定部とを有し、前記ブラシ状CNTにより前記結合子を構成したCNT係止ファスナーである。
本発明の第2の形態は、前記第1の形態において、前記密植状態のCNTを成長用基板上にブラシ状に成長形成し、前記成長用基板から前記ブラシ状CNTを分離し、前記ブラシ状CNTの先端側を前記固定部により前記基体表面に固定したCNT係止ファスナーである。
本発明の第3の形態は、前記第1の形態において、前記密植状態のCNTを成長用基板上にブラシ状に成長形成し、前記成長用基板から前記ブラシ状CNTを分離し、前記ブラシ状CNTの根元側を前記固定部により前記基体表面に固定したCNT係止ファスナーである。
本発明の第4の形態は、前記第1、第2又は第3の形態において、前記固定部が樹脂材からなるCNT係止ファスナーである。
本発明の第5の形態は、基体表面に植設される多数の係合子を有し、前記係合子が相手側のファスナーの係合子と係脱する、一対のファスナーからなる組合体であって、夫々の前記ファスナーは、密植状態のCNTからなるブラシ状CNTと、前記ブラシ状CNTを前記基体表面に固定する固定部とを有し、前記密植状態のCNTを成長用基板上にブラシ状に成長形成し、前記成長用基板から前記ブラシ状CNTを分離し、前記ブラシ状CNTの先端側を前記固定部により前記基体表面に固定してなるCNT係止ファスナーからなり、前記ブラシ状CNTの根元側を前記係合子として係脱するCNT係止ファスナー組合体である。
本発明の第6の形態は、基体表面に植設される多数の係合子を有し、前記係合子が相手側のファスナーの係合子と係脱する、一対のファスナーからなる組合体であって、夫々の前記ファスナーは、密植状態のCNTからなるブラシ状CNTと、前記ブラシ状CNTを前記基体表面に固定する固定部とを有し、前記密植状態のCNTを成長用基板上にブラシ状に成長形成し、前記成長用基板から前記ブラシ状CNTを分離し、前記ブラシ状CNTの根元側を前記固定部により前記基体表面に固定してなるCNT係止ファスナーからなり、前記ブラシ状CNTの先端側を前記係合子として係脱するCNT係止ファスナー組合体である。
本発明の第7の形態は、各ファスナーが基体表面に植設される多数の係合子を有し、一方のファスナーの係合子が他方のファスナーの係合子と係脱する、一対のファスナーからなる組合体であって、前記一方のファスナーは、密植状態のCNTからなるブラシ状CNTと、前記ブラシ状CNTを前記基体表面に固定する固定部とを有し、前記密植状態のCNTを成長用基板上にブラシ状に成長形成し、前記成長用基板から前記ブラシ状CNTを分離し、前記ブラシ状CNTの先端側を前記固定部により前記基体表面に固定してなるCNT係止ファスナーからなり、前記他方のファスナーは、密植状態のCNTからなるブラシ状CNTと、前記ブラシ状CNTを前記基体表面に固定する固定部とを有し、前記密植状態のCNTを成長用基板上にブラシ状に成長形成し、前記成長用基板から前記ブラシ状CNTを分離し、前記ブラシ状CNTの根元側を前記固定部により前記基体表面に固定してなるCNT係止ファスナーからなり、前記一方のファスナーの前記ブラシ状CNTの根元側を、また前記他方のファスナーの前記ブラシ状CNTの先端側を夫々の前記係合子として係脱するCNT係止ファスナー組合体である。
本発明の第8の形態は、基体表面に植設される多数の係合子を有し、前記係合子が相手側のファスナーの係合子と係脱するファスナーの製造方法において、密植状態のCNTをブラシ状に配向した状態で成長用基板面に成長形成し、前記成長用基板からブラシ状CNTを分離するブラシ状CNT分離工程と、前記基体用樹脂材を所定深さの容器内で溶融又は軟化し、前記ブラシ状CNTの先端側を前記溶融又は軟化樹脂材に漬して溶着し、前記ブラシ状CNTを固定する固定工程からなるCNT係止ファスナー製造方法である。
本発明の第9の形態は、基体表面に植設される多数の係合子を有し、前記係合子が相手側のファスナーの係合子と係脱するファスナーの製造方法において、密植状態のCNTをブラシ状に配向した状態で成長用基板面に成長形成し、前記成長用基板からブラシ状CNTを分離するブラシ状CNT分離工程と、前記基体用樹脂材を所定深さの容器内で溶融又は軟化し、前記ブラシ状CNTの根元側を前記溶融又は軟化樹脂材に漬して溶着し、前記ブラシ状CNTを固定する固定工程からなるCNT係止ファスナー製造方法である。
本発明の第10の形態は、前記第8又は第9の形態において、前記基体用樹脂材がポリプロピレン又はポリイミドからなるCNT係止ファスナー製造方法である。
本発明の第11の形態は、基体表面に植設される多数の係合子を有し、前記係合子が相手側のファスナーの係合子と係脱するファスナーの製造方法において、密植状態のCNTをブラシ状に配向した状態で成長用基板面に成長形成し、前記成長用基板からブラシ状CNTを分離するブラシ状CNT分離工程と、前記ブラシ状CNTの端部を無機物、例えばシリコン炭化物又はシリコン酸化物、シリコン窒化物により前記基体上に薄膜合成して埋設する固定工程からなるCNT係止ファスナー製造方法である。
カーボンナノチューブ(CNT)は炭素からなるナノメートルサイズの直径をもつ円筒状ナノ物質であり、優れた機械的特性、熱伝導性などを有する。このCNTは、原子間力顕微鏡用のCNT探針、CNT量子効果トランジスタ等、ナノテクノロジーを飛躍的に発展させる新素材として注目を集めている。
最近、非特許文献1に示されるように、ヤモリの接着機構を模した接着テープに、垂直配向したCNTの先端を利用し、微細な構造で使用温度の制限を低減できる接着構造が提案されている。
近年、化学気相成長法により無数のCNTをSi(シリコン)基板上に垂直に高配向して成長させることが可能になっている。そこで、本発明者達は、CNTを高配向させたCNTシートの接着性を検討した。鋭意研究した結果、垂直配向したCNTシート同士にはN/cm2オーダーの接着力を有することが判明した。従って、CNTの接着特性に基づき、CNT先端が無数に(〜1010本/cm2以上)密植して突出したCNT表面同士を噛み合わせることにより、繰り返し使用可能なファスナーを実現することができる。また、CNTを使用したファスナーは、従来のファスナーより優れた接着力を有するだけでなく、優れた適応性等の特性を具備していることも判明した。
最近、非特許文献1に示されるように、ヤモリの接着機構を模した接着テープに、垂直配向したCNTの先端を利用し、微細な構造で使用温度の制限を低減できる接着構造が提案されている。
近年、化学気相成長法により無数のCNTをSi(シリコン)基板上に垂直に高配向して成長させることが可能になっている。そこで、本発明者達は、CNTを高配向させたCNTシートの接着性を検討した。鋭意研究した結果、垂直配向したCNTシート同士にはN/cm2オーダーの接着力を有することが判明した。従って、CNTの接着特性に基づき、CNT先端が無数に(〜1010本/cm2以上)密植して突出したCNT表面同士を噛み合わせることにより、繰り返し使用可能なファスナーを実現することができる。また、CNTを使用したファスナーは、従来のファスナーより優れた接着力を有するだけでなく、優れた適応性等の特性を具備していることも判明した。
本発明の第1の形態によれば、前記ブラシ状CNTにより係合子を構成したので、相手側のファスナーと係合させると、密植状態にあるCNTどうしが相互に密着し合って強い係止力を生ずる。従って、CNTのアスペクト比(長さ/直径)が大きく、単位面積当たりの接触面積が大きいので、密植CNTの接合面積が極めて大きく、強力な接着力を具備したファスナーを実現することができる。
前記ブラシ状CNTは、アーク放電法、レーザーアブレーション法、化学気相成長法(CVD法)、プラズマCVD法などにより合成される。
特に、CVD法等によりCNTを成長させる場合には、表面に適度の欠陥(アモルファスの付着、あるいは7員環や5員環等のトポロジカルな欠陥等)が生じて、ファンデル・ワールス力のみで支配される理想的CNTと比べて滑り摩擦力をもつため、前記ブラシ状CNTはより強力な接着力を発揮することができる。また、前記ブラシ状CNTは単位面積当りのCNT本数が無数に形成可能であり、より高い接着性を具備させることができる。CNTの密植度合いも、CNTの単位面積当たりの密度と太さの成長制御などで行え、例えば、化学気相成長法に用いる触媒密度および反応ガス(例えば、エチレン系あるいはアセチレン系)の供給量を制御して密植度合いを調整し、種々の接着力を具備したファスナーの製造も可能である。
前記ブラシ状CNTは、アーク放電法、レーザーアブレーション法、化学気相成長法(CVD法)、プラズマCVD法などにより合成される。
特に、CVD法等によりCNTを成長させる場合には、表面に適度の欠陥(アモルファスの付着、あるいは7員環や5員環等のトポロジカルな欠陥等)が生じて、ファンデル・ワールス力のみで支配される理想的CNTと比べて滑り摩擦力をもつため、前記ブラシ状CNTはより強力な接着力を発揮することができる。また、前記ブラシ状CNTは単位面積当りのCNT本数が無数に形成可能であり、より高い接着性を具備させることができる。CNTの密植度合いも、CNTの単位面積当たりの密度と太さの成長制御などで行え、例えば、化学気相成長法に用いる触媒密度および反応ガス(例えば、エチレン系あるいはアセチレン系)の供給量を制御して密植度合いを調整し、種々の接着力を具備したファスナーの製造も可能である。
また、耐熱性に優れたCNTによる係合子を構成するので、高温環境下でも使用可能な耐久性を具備したファスナーを提供することができる。更に、係合子を前記ブラシ状CNTにより極小化できるため、微細領域における接着を行える、マイクロメートルサイズの超小型強力接着性ファスナーを実現することができる。特に、本発明に係るファスナーは、合成樹脂や有機物を使用せず、炭素組成からなるCNTにより係合子を形成するので、真空中やクリーンルーム等の環境下でも汚染したりすることなく使用することができる。また、本発明に係るファスナーを薬液等による洗浄を行って使用する場合にも繰り返し洗浄して使用することができる。殊に、熱伝導性及び電気伝導性に優れたCNTにより係合子を構成するので、単に接着の利用態様だけでなく、ファスナー接着を介して部材間の熱伝導又は電気伝導を円滑に行わせる利用態様が可能になる。なお、本発明における基体は、前記ブラシ状CNTの固定部と一体化したものあるいは、前記固定部が固着される別の基板を用いた合体構成にしてもよい。
CNT成長用基板上で成長したCNTの先端の向きに異形性が生じているときには、成長用基板から分離するとき、反転させて垂直配向性に富む根元側を係合子に使用することができる。即ち、本発明の第2の形態によれば、前記密植状態のCNTを成長用基板上にブラシ状に成長形成し、前記成長用基板から前記ブラシ状CNTを分離し、前記ブラシ状CNTの先端側を前記固定部により前記基体表面に固定するので、CNT成長根元側を接着部位にして強い係止力を具備したCNT係止ファスナーを実現することができる。
本発明の第3の形態によれば、前記密植状態のCNTを成長用基板上にブラシ状に成長形成し、前記成長用基板から前記ブラシ状CNTを分離し、前記ブラシ状CNTの根元側を前記固定部により前記基体表面に固定するので、CNT成長先端側を接着部位にして強い係止力を具備したCNT係止ファスナーを実現することができる。
本発明の第4の形態によれば、前記固定部が樹脂材からなるので、ポリプロピレンを用いて前記ブラシ状CNTを簡易に固定したCNT係止ファスナーを実現することができる。ポリプロピレンの他にポリエチレン、ポリスチレン等の熱軟化性樹脂を使用することができる。また、樹脂材として、耐熱性のあるポリイミド、無機物のシリコン炭化物、シリコン酸化物、シリコン窒化物等を用いることにより、高温環境下での使用に耐えることのできるCNT係止ファスナーを実現することができる。
本発明は基体表面に植設される多数の係合子を有し、前記係合子が相手側のファスナーの係合子と係脱する、一対のファスナーからなる組合体に適用可能である。
本発明の第5の形態によれば、夫々の前記ファスナーは、密植状態のCNTからなるブラシ状CNTと、前記ブラシ状CNTを前記基体表面に固定する固定部とを有し、前記密植状態のCNTを成長用基板上にブラシ状に成長形成し、前記成長用基板から前記ブラシ状CNTを分離し、前記ブラシ状CNTの先端側を前記固定部により前記基体表面に固定してなるCNT係止ファスナーからなり、前記ブラシ状CNTの根元側を前記係合子にして強い係止力を具備したCNT係止ファスナー組合体を実現することができる。
本発明の第5の形態によれば、夫々の前記ファスナーは、密植状態のCNTからなるブラシ状CNTと、前記ブラシ状CNTを前記基体表面に固定する固定部とを有し、前記密植状態のCNTを成長用基板上にブラシ状に成長形成し、前記成長用基板から前記ブラシ状CNTを分離し、前記ブラシ状CNTの先端側を前記固定部により前記基体表面に固定してなるCNT係止ファスナーからなり、前記ブラシ状CNTの根元側を前記係合子にして強い係止力を具備したCNT係止ファスナー組合体を実現することができる。
本発明の第6の形態によれば、夫々の前記ファスナーは、密植状態のCNTからなるブラシ状CNTと、前記ブラシ状CNTを前記基体表面に固定する固定部とを有し、前記密植状態のCNTを成長用基板上にブラシ状に成長形成し、前記成長用基板から前記ブラシ状CNTを分離し、前記ブラシ状CNTの根元側を前記固定部により前記基体表面に固定してなるCNT係止ファスナーからなり、前記ブラシ状CNTの先端側を前記係合子にして強い係止力を具備したCNT係止ファスナー組合体を実現することができる。
本発明の第7の形態によれば、前記一方のファスナーは、密植状態のCNTからなるブラシ状CNTと、前記ブラシ状CNTを前記基体表面に固定する固定部とを有し、前記密植状態のCNTを成長用基板上にブラシ状に成長形成し、前記成長用基板から前記ブラシ状CNTを分離し、前記ブラシ状CNTの先端側を前記固定部により前記基体表面に固定してなるCNT係止ファスナーからなり、前記他方のファスナーは、密植状態のCNTからなるブラシ状CNTと、前記ブラシ状CNTを前記基体表面に固定する固定部とを有し、前記密植状態のCNTを成長用基板上にブラシ状に成長形成し、前記成長用基板から前記ブラシ状CNTを分離し、前記ブラシ状CNTの根元側を前記固定部により前記基体表面に固定してなるCNT係止ファスナーからなり、前記一方のファスナーの前記ブラシ状CNTの根元側を、また前記他方のファスナーの前記ブラシ状CNTの先端側を夫々、前記係合子にして強い係止力を具備したCNT係止ファスナー組合体を実現することができる。
本発明の第8の形態によれば、基体表面に植設される多数の係合子を有し、前記係合子が相手側のファスナーの係合子と係脱するファスナーの製造方法において、密植状態のCNTをブラシ状に配向した状態で成長用基板面に成長形成し、前記成長用基板からブラシ状CNTを分離するブラシ状CNT分離工程と、前記基体用樹脂材を所定深さの容器内で溶融又は軟化し、前記ブラシ状CNTの先端側を前記溶融又は軟化樹脂材に漬して溶着し、前記ブラシ状CNTを固定する固定工程からなるので、前記ブラシ状CNTの先端側を前記樹脂材により前記基体表面に固定してCNT成長根元側を接着部位にした、強い係止力を具備するCNT係止ファスナーを製造することができる。
本発明の第9の形態によれば、基体表面に植設される多数の係合子を有し、前記係合子が相手側のファスナーの係合子と係脱するファスナーの製造方法において、密植状態のCNTをブラシ状に配向した状態で成長用基板面に成長形成し、前記成長用基板からブラシ状CNTを分離するブラシ状CNT分離工程と、前記基体用樹脂材を所定深さの容器内で溶融又は軟化し、前記ブラシ状CNTの根元側を前記溶融又は軟化樹脂材に漬して溶着し、前記ブラシ状CNTを固定する固定工程からなるので、前記ブラシ状CNTの根元側を前記樹脂材により前記基体表面に固定してCNT成長先端側を接着部位にした、強い係止力を具備するCNT係止ファスナーを製造することができる。
本発明の第10の形態によれば、本発明に係るCNT係止ファスナーの製造において、ポリプロピレン等の熱軟化性樹脂を用いて前記ブラシ状CNTを簡易に固定したCNT係止ファスナーを製造することができ、また、樹脂材として、耐熱性のあるポリイミドを用いることにより、高温環境下での使用に耐えることのできるCNT係止ファスナーを製造することができる。
本発明の第11の形態によれば、前記ブラシ状CNTの端部をSiC等のシリコン炭化物又はSiO2等のシリコン酸化物、Si3N4等のシリコン窒化物等により前記基体上に薄膜合成して埋設する固定工程を有するので、シリコン炭化物又はシリコン酸化物、シリコン窒化物等の無機物を使用し、薄膜合成技術により前記固定部を形成することができる。
以下に、本発明に係るCNT係止ファスナー及びその製造方法の実施形態を図面に従って詳細に説明する。
図1は本実施形態に用いるブラシ状CNTの製造装置を示す。CNT製造炉Aは、筒形の反応容器からなり、抵抗加熱式の電気炉Bで囲んで構成されたホットウオール型常圧CVD装置である。反応容器の一端C側から原料ガスDが導入される。平滑な表面を有する結晶シリコン基板E上には、Feからなる触媒層Fを真空蒸着法によって薄膜形成され、CNT成長のために基板EがCNT製造炉Aに挿入される。ついで、反応容器内にヘリウム(He)を一端C側から導入し、基板温度を600〜1200°Cまで上昇させ、所望の温度に達した後、原料ガスのC2H2とHeを導入して、C2H2を熱分解して触媒層F上にブラシ状カーボンナノチューブGを成長させる。
上記CNT製造炉Aを用いたCNT合成過程において、触媒微粒子に出合った炭化水素ガス等の炭素源ガスの水素−炭素結合が触媒により切断され、炭素が触媒微粒子に取り込まれる。触媒微粒子の表面あるいは内部で過飽和状態になった炭素が六角編み目構造を作りながら析出する。この析出物がCNTである。触媒微粒子の大きさとその他の条件によって、単層から複数の層数をもつCNTの作り分けが可能である。触媒微粒子を基板上に担持しない場合には、合成されるCNTは微視的にバンドル化して、巨視的には糸くず様の玉状になって取り出される。
本実施形態においては、ブラシ状に垂直配向した多層CNTを高速合成するための一例として、下記合成プロセス条件を用いる。基板Eには、約4nmの厚さの鉄触媒膜を塗布、形成した6インチSi基板を使用する。この基板をCNT製造炉Aに送り込み、He雰囲気中で800℃まで昇温する。ついで、C2H2とHeの混合ガスを導入して、直径約10nm、長さ約150μmの密植状態のブラシ状CNTが合成される。
図2は、上記合成により製造されたブラシ状CNTを用いたCNT係止ファスナーの製造工程を示す。この製造工程は、触媒層2を形成したCNT成長用基板1からブラシ状CNT3を分離するブラシ状CNT分離工程と、ファスナー基体用樹脂材6を所定深さの容器5内で溶融し、ブラシ状CNT3の先端側を溶融樹脂材6に漬して溶着し、ブラシ状CNT3を固定する固定工程からなる。
図2の(2A)は上記CNT製造炉Aを用いて基板1の触媒層2上に合成されたブラシ状CNT3を示す。(2B)はプロピレン(PP)6を溶融したPP容器5を示す。基板1を反転して裏返し、CNT成長端部4を下向きにしてPP容器5内の溶融PPに浸す。ついで、(2C)に示すように、PPを冷却して固化した後、カッター7によりブラシ状CNT3を基板1から分離する。(2D)に示すように、基板1を除去したブラシ状CNT3を容器5から取り出して、PP部分を成形して基体10を形成する。
図2の(2A)は上記CNT製造炉Aを用いて基板1の触媒層2上に合成されたブラシ状CNT3を示す。(2B)はプロピレン(PP)6を溶融したPP容器5を示す。基板1を反転して裏返し、CNT成長端部4を下向きにしてPP容器5内の溶融PPに浸す。ついで、(2C)に示すように、PPを冷却して固化した後、カッター7によりブラシ状CNT3を基板1から分離する。(2D)に示すように、基板1を除去したブラシ状CNT3を容器5から取り出して、PP部分を成形して基体10を形成する。
上記製造工程により、(2E)に示すように、密植状態のCNTからなるブラシ状CNT8において、合成時のブラシ状CNTの先端側を基10体表面に固定して、CNT成長根元9側を係合子とした、強い係止力を具備したCNT係止ファスナーを製造することができる。
図3は別のCNT係止ファスナーの製造工程を示す。この製造工程では、上記製造工程と異なり、ブラシ状CNT3の根元側を溶融樹脂材6に漬して溶着し、ブラシ状CNT3を固定する固定処理を行う。
図3の(3A)は、上記(2A)と同様のブラシ状CNT3を示す。ブラシ状CNT3は根元部分でカッター7により基板1から分離される。(3B)はプロピレン(PP)6を溶融したPP容器5を示す。基板1から切断したブラシ状CNT12の根元部11を下向きにしてPP容器5内の溶融PPに浸す。ついで、(3C)に示すように、PPを冷却して固化した後、(3D)に示すように、CNT成長端部4を開放端とするブラシ状CNT12を容器5から取り出して、PP部分を成形して基体10を形成する。
上記製造工程により、(3E)に示すように、密植状態のCNTからなるブラシ状CNT12において、合成時のブラシ状CNTの先端側を基体10表面に固定して、CNT成長先端部4側を係合子とした、強い係止力を具備したCNT係止ファスナーを製造することができる。なお、CNT固着に溶融PPを用いたが、軟化PPを用いてよい。また、PP固化により基体10を形成したが、PP固定部を別の基板に固着して合体基体を用いてよい。
図3の(3A)は、上記(2A)と同様のブラシ状CNT3を示す。ブラシ状CNT3は根元部分でカッター7により基板1から分離される。(3B)はプロピレン(PP)6を溶融したPP容器5を示す。基板1から切断したブラシ状CNT12の根元部11を下向きにしてPP容器5内の溶融PPに浸す。ついで、(3C)に示すように、PPを冷却して固化した後、(3D)に示すように、CNT成長端部4を開放端とするブラシ状CNT12を容器5から取り出して、PP部分を成形して基体10を形成する。
上記製造工程により、(3E)に示すように、密植状態のCNTからなるブラシ状CNT12において、合成時のブラシ状CNTの先端側を基体10表面に固定して、CNT成長先端部4側を係合子とした、強い係止力を具備したCNT係止ファスナーを製造することができる。なお、CNT固着に溶融PPを用いたが、軟化PPを用いてよい。また、PP固化により基体10を形成したが、PP固定部を別の基板に固着して合体基体を用いてよい。
図4は、図2又は図3の製造工程で製造された、一対のCNT係止ファスナー組合体を示す。
図4の(4A)は、ファスナー20、24からなるCNT係止ファスナー組合体を示す。ファスナー20は、密植状態のCNT23からなるブラシ状CNT22をPP基体21表面に固定したCNT係止ファスナーである。ファスナー24は、密植状態のCNT27からなるブラシ状CNT26をPP基体25表面に固定したCNT係止ファスナーである。
図4の(4A)は、ファスナー20、24からなるCNT係止ファスナー組合体を示す。ファスナー20は、密植状態のCNT23からなるブラシ状CNT22をPP基体21表面に固定したCNT係止ファスナーである。ファスナー24は、密植状態のCNT27からなるブラシ状CNT26をPP基体25表面に固定したCNT係止ファスナーである。
各ファスナーのブラシ状CNT22、27の形成態様には、図2の製造によるCNT根元側を係合子とする態様、図3の製造によるCNT先端側を係合子とする態様、あるいは一方を図2の製造によるCNT根元側を係合子とし、かつ他方を図3の製造によるCNT先端側を係合子とする組み合わせ態様がある。特に、CNT成長用基板上で成長したCNTの先端の向きに異形性が生じているときには、成長用基板から分離するとき、反転させて垂直配向性に富む根元側を係合子とする、図2の製造によるものが好ましい。
(4A)のCNT係止ファスナー組合体において、(4B)に示すように、ブラシ状CNT22、27同士を噛み合わせることにより互いに強い係止力を発揮して強力な接着を行う。
本実施形態に係るCNT係止ファスナーによれば、CNTのアスペクト比(長さ/直径)が大きく、単位面積当たりの接触面積が大きいので、密植CNTの接合面積が極めて大きく、強力な接着力を具備する。特に、CVD法等によりCNTを成長させる場合には、表面に適度の欠陥(アモルファスの付着、あるいは7員環や5員環等のトポロジカルな欠陥等)が生じて、ファンデル・ワールス力のみで支配される理想的CNTと比べて滑り摩擦力をもつため、ブラシ状CNTはより強力な接着力を発揮することができる。また、ブラシ状CNTは単位面積当りのCNT本数が無数に形成可能であり、より高い接着性を具備させることができる。CNTの密植度合いも、CNTの単位面積当たりの本数や太さの成長制御などで行え、例えば、化学気相成長法に用いる触媒密度および反応ガス(例えば、エチレン系あるいはアセチレン系)の供給量を制御して密植度合いを調整し、種々の接着力を具備したファスナーの製造も可能である。
本実施形態に係るCNT係止ファスナーによれば、CNTのアスペクト比(長さ/直径)が大きく、単位面積当たりの接触面積が大きいので、密植CNTの接合面積が極めて大きく、強力な接着力を具備する。特に、CVD法等によりCNTを成長させる場合には、表面に適度の欠陥(アモルファスの付着、あるいは7員環や5員環等のトポロジカルな欠陥等)が生じて、ファンデル・ワールス力のみで支配される理想的CNTと比べて滑り摩擦力をもつため、ブラシ状CNTはより強力な接着力を発揮することができる。また、ブラシ状CNTは単位面積当りのCNT本数が無数に形成可能であり、より高い接着性を具備させることができる。CNTの密植度合いも、CNTの単位面積当たりの本数や太さの成長制御などで行え、例えば、化学気相成長法に用いる触媒密度および反応ガス(例えば、エチレン系あるいはアセチレン系)の供給量を制御して密植度合いを調整し、種々の接着力を具備したファスナーの製造も可能である。
また、本実施形態に係るCNT係止ファスナーは、耐熱性に優れたCNTによる係合子を構成するので、高温環境下でも使用可能な耐久性を具備する。更に、係合子をブラシ状CNTにより極小化できるため、微細領域における接着を行える、マイクロメートルサイズの超小型強力接着性を有する。特に、合成樹脂や有機物を使用せず、炭素組成からなるCNTにより係合子を形成するので、真空中やクリーンルーム等の環境下でも汚染したりすることなく使用可能な利点を有する。また、薬液等による洗浄を行って使用する場合にも繰り返し洗浄して使用することができる。殊に、熱伝導性及び電気伝導性に優れたCNTにより係合子を構成するので、単に接着の利用態様だけでなく、ファスナー接着を介して部材間の熱伝導又は電気伝導を円滑に行わせる利用態様が可能になる。
本発明に係るCNT係止ファスナーについて行った接着力計測例を以下に説明する。
図5は、接着力計測用CNT係止ファスナー試料の作成工程を示す。この試料には、図1のCNT製造炉AによりSi基板30の触媒層31上に合成したブラシ状CNT32を用いた。図2の製造工程と同様に、(5A)に示すように、基板30を反転してCNT成長側先端33を下向きにして、加熱により軟化されたPPシート34に接触させ、(5B)に示すように、ブラシ状CNT32をPPシート34に溶着、転写した。溶着後、基板30を切除して、PP基体にブラシ状CNT32を固着したファスナー試料を作成した。
図5は、接着力計測用CNT係止ファスナー試料の作成工程を示す。この試料には、図1のCNT製造炉AによりSi基板30の触媒層31上に合成したブラシ状CNT32を用いた。図2の製造工程と同様に、(5A)に示すように、基板30を反転してCNT成長側先端33を下向きにして、加熱により軟化されたPPシート34に接触させ、(5B)に示すように、ブラシ状CNT32をPPシート34に溶着、転写した。溶着後、基板30を切除して、PP基体にブラシ状CNT32を固着したファスナー試料を作成した。
図6は、上記ファスナー試料の接着力計測例を示す。PP基体にブラシ状CNT32を転写した試料を2つ用意し、それぞれのPPシート40、42をカーボンテープ43,44でアクリル保持板45、46に接着した。ついで、図6の(6A)に示すように、これらのファスナー保持状態を上下に対向させて、図4の(4B)に示したように、互いにブラシ状CNT32を噛み合わせた接着状態41にして、下側のアクリル保持板45に錘47を付け、上側のアクリル保持板46を上方に持ち上げて、(6B)に示すように、CNT同士が分離する錘47の重量を変えた。互いに分離した時点で、アクリル保持板と錘47の重量から接着力を求めた。
試料のブラシ状CNT32として、30秒CVDにより成長させたブラシ状CNTを使用した。この試料CNTは高さ約70μmで配向した多層CNTであり、表面に適度の欠陥として、1nm未満のアモルファスが付着しているのを走査型電子顕微鏡(SEM)により確認された。また、ブラシ状CNT32の撮像写真から接着面積は0.28cm2であった。分離時の錘の荷重は6.79gであった。以上の計測結果から、本試料によるファスナーの単位面積当りの接着力は24.3(=6.79/0.28)g/cm2=243mN/cm2であった。この接着力の計測から、本発明に係るCNT係止ファスナーは、N/cm2以上の強力性を具備することがわかった。
また、CNT密植度合いの接着力への影響を検証した。CNT密植度合い、つまりCNTの密度が大きいとCNT同士が噛み合いにくくなり、それだけ接着力が低下すると考えられた。CNTの密度の違いは、ブラシ状CNTから各CNTを糸引き状態に紡ぎ出せるか否かで分かる。そこで、成長用基板に形成されたブラシ状CNTの先端側と根元側で、糸引き状態が異なる点に着目して、それぞれ基体に固定したときの接着力を計測した。
図7は接着力計測用CNT係止ファスナー試料の別の作成工程を示す。(7A)は、図1のCNT製造炉AによりSi基板50の触媒層51上に合成したブラシ状CNT52を用いた。図3の製造工程と同様に、(7A)に示すように、基板50からCNT根元をカッター56により分離して、加熱により軟化されたPPシート54に接触させ、(7B)に示すように、成長側先端53を上にしてブラシ状CNT52をPPシート54に溶着、転写して根元固着型ファスナー試料を作成した。一方、(7C)に示すように、基板50を反転して加熱により軟化されたPPシート54に接触させ、(7D)に示すように、CNT根元55から基板50を切除して、根元55を上にしてブラシ状CNT52をPPシート54に溶着、転写して先端固着型ファスナー試料を作成した。
図7は接着力計測用CNT係止ファスナー試料の別の作成工程を示す。(7A)は、図1のCNT製造炉AによりSi基板50の触媒層51上に合成したブラシ状CNT52を用いた。図3の製造工程と同様に、(7A)に示すように、基板50からCNT根元をカッター56により分離して、加熱により軟化されたPPシート54に接触させ、(7B)に示すように、成長側先端53を上にしてブラシ状CNT52をPPシート54に溶着、転写して根元固着型ファスナー試料を作成した。一方、(7C)に示すように、基板50を反転して加熱により軟化されたPPシート54に接触させ、(7D)に示すように、CNT根元55から基板50を切除して、根元55を上にしてブラシ状CNT52をPPシート54に溶着、転写して先端固着型ファスナー試料を作成した。
上記2種類の根元固着型ファスナー試料及び先端固着型ファスナー試料につき、引っ張り試験を行った。
図8は引っ張り試験機用測定部を示す。PP基体にブラシ状CNT52を転写した上記2種類の試料を、それぞれのPPシート60、62をカーボンテープ63、64で試料台65、66に接着した。試料台65、66にはそれぞれ、画鋲67、68が固着されている。ついで、これらのファスナー保持状態を上下に対向させて、互いにブラシ状CNT52を噛み合わせた接着状態61にして、上下の画鋲67、68の軸部69、70を引っ張り試験機のチャックに挟み込んで引っ張り荷重を加えた。
図8は引っ張り試験機用測定部を示す。PP基体にブラシ状CNT52を転写した上記2種類の試料を、それぞれのPPシート60、62をカーボンテープ63、64で試料台65、66に接着した。試料台65、66にはそれぞれ、画鋲67、68が固着されている。ついで、これらのファスナー保持状態を上下に対向させて、互いにブラシ状CNT52を噛み合わせた接着状態61にして、上下の画鋲67、68の軸部69、70を引っ張り試験機のチャックに挟み込んで引っ張り荷重を加えた。
引っ張り試験には、試料台の自重も含めて計測最大荷重200mNである荷重試験機(日本計測システム社製「MAX−1KN−S」)を使用した。
図11は引張距離(mm)に対する引張応力(mN/cm2)の測定結果を示す。この引っ張り試験に用いた試料は、図7の(7C)及び(7D)により作製した根元55を接着表面にしたファスナーである。引張応力はブラシ状CNTの撮像写真から得た接触面積に基づいて換算した、単位面積当りの応力値である。図からわかるように、引張距離が増加するに従い、破線で示すように、引張距離が約0.05mm付近で最大引張応力となっている。これを過ぎると、引張応力は段階的に減少していくのは、限界まで伸ばされた係合CNTの束が一束ずつ切れることによるものと考えられる。また、ファスナー全体同士が接着係合の状態にあるのは最大引張応力を記録した時点までと考えられる。この測定では、矢印で示すように、引張距離が0.5mmを越えたところで脱離した。
図11は引張距離(mm)に対する引張応力(mN/cm2)の測定結果を示す。この引っ張り試験に用いた試料は、図7の(7C)及び(7D)により作製した根元55を接着表面にしたファスナーである。引張応力はブラシ状CNTの撮像写真から得た接触面積に基づいて換算した、単位面積当りの応力値である。図からわかるように、引張距離が増加するに従い、破線で示すように、引張距離が約0.05mm付近で最大引張応力となっている。これを過ぎると、引張応力は段階的に減少していくのは、限界まで伸ばされた係合CNTの束が一束ずつ切れることによるものと考えられる。また、ファスナー全体同士が接着係合の状態にあるのは最大引張応力を記録した時点までと考えられる。この測定では、矢印で示すように、引張距離が0.5mmを越えたところで脱離した。
次に、本実施形態に係るファスナー組合体につき、実用上重要な繰り返し使用の耐久性を検証すべく、ファスナーの係脱を繰り返したときの繰り返し接着耐久性試験を行った。
図12は、繰り返し接着耐久性試験時の引張応力の最大値を上記荷重試験機を用いて測定した結果を示す。この実験では、7種類の試料に対して、繰り返し係脱実験回数に対する単位面積当りの荷重値(N/cm2)を測定した。
6種類の試料は、図7の(7A)及び(7B)により作製した先端53を接着表面側にしたファスナー組合体2種(試料番号1、2)と、(7C)及び(7D)により作製した根元55を接着表面側にしたファスナー組合体2種(試料番号3、4)、接着表面の一方を前者、他方を後者にしたファスナー組合体試料(試料番号5、6)である。この繰り返し接着耐久性試験から、接着回数が増えるに従い引張応力が低下していくことがわかる。試料番号1、2と試料番号3、4の測定結果を比較すると、根元55を接着表面側にしたファスナーの方が先端53を接着表面側にしたファスナーよりも引張応力が大きい。これは、先端53の成長形態に異形性を有するために、比較的まとまって整列している根元55よりも接着状態が不完全ないし不均一になるからと考えられる。試料番号1−4と試料番号6の測定結果を比較すると、根元55と先端53の両方を接着表面にしたファスナーの方が、根元55同士、先端53同士を接着表面側にしたファスナーよりも引張応力が大きい。しかしながら、試料番号5の場合、試料番号6と同様に根元55と先端53が接着表面となっているが、その引張応力は試料番号1と同程度である。これは上述した先端53の異型性やブラシ状CNTの密植度合い、つまり嵩密度に起因するものと考えられ、詳細な議論については後述する。尚、先端53同士のファスナー組合体(試料番号1、2)では、7回以上の繰り返しにより引張応力が変化しなくなった。この傾向は、試料のブラシ状CNTの先端形態が7回以上繰り返し以降ほぼ均一なもので、一定の接着力で係合し合うことによると考えられる。
図12は、繰り返し接着耐久性試験時の引張応力の最大値を上記荷重試験機を用いて測定した結果を示す。この実験では、7種類の試料に対して、繰り返し係脱実験回数に対する単位面積当りの荷重値(N/cm2)を測定した。
6種類の試料は、図7の(7A)及び(7B)により作製した先端53を接着表面側にしたファスナー組合体2種(試料番号1、2)と、(7C)及び(7D)により作製した根元55を接着表面側にしたファスナー組合体2種(試料番号3、4)、接着表面の一方を前者、他方を後者にしたファスナー組合体試料(試料番号5、6)である。この繰り返し接着耐久性試験から、接着回数が増えるに従い引張応力が低下していくことがわかる。試料番号1、2と試料番号3、4の測定結果を比較すると、根元55を接着表面側にしたファスナーの方が先端53を接着表面側にしたファスナーよりも引張応力が大きい。これは、先端53の成長形態に異形性を有するために、比較的まとまって整列している根元55よりも接着状態が不完全ないし不均一になるからと考えられる。試料番号1−4と試料番号6の測定結果を比較すると、根元55と先端53の両方を接着表面にしたファスナーの方が、根元55同士、先端53同士を接着表面側にしたファスナーよりも引張応力が大きい。しかしながら、試料番号5の場合、試料番号6と同様に根元55と先端53が接着表面となっているが、その引張応力は試料番号1と同程度である。これは上述した先端53の異型性やブラシ状CNTの密植度合い、つまり嵩密度に起因するものと考えられ、詳細な議論については後述する。尚、先端53同士のファスナー組合体(試料番号1、2)では、7回以上の繰り返しにより引張応力が変化しなくなった。この傾向は、試料のブラシ状CNTの先端形態が7回以上繰り返し以降ほぼ均一なもので、一定の接着力で係合し合うことによると考えられる。
以上の繰り返し接着耐久性試験結果をまとめると以下の成果が得られた。CNT係止ファスナー同士の接着力はN/cm2のオーダーであり、強力な接着力を有することがわかる。図12の( )で囲んだ測定点は、測定時にオーバーロードしたため、試験機の最大荷重値200mNを用いた換算値であり、実際の値はこれより大きい。最大接着力を比較すると、先端側を接着表面としたファスナーの場合、嵩密度の高いCNTの方が高い接着力を示すという予想に反して、実際には嵩密度の低いCNTが嵩密度の高いCNTよりも3.5倍大きな接着力を示した。先端側と根元側を比較すると、根元側の方が1.5倍大きな接着力を示した。また、いずれの試料についても、試験を重ねるにつれ最大値から9〜20%減少し、0.2N/cm2程度になった。
図9は、ブラシ状CNT同士の良好な接着繰り返しモデルにおける接着機構を模式的に示す。同図の(9A)は基体82、83の夫々に植設されたブラシ状CNTの一部であり、互いに係合し合うCNT81、82を示す。(9B)はそれらのCNT同士が互いに深く噛み合った良好な接着係合状態83を示す。次に、(9C)に示すように、各CNTを引っ張って引き剥がすと、CNT間ですべり摩擦が生じて、上記引張応力として現れる。分離したときには、(9D)に示すように、各CNT81、82が元の植立状態に復帰する。このような接着繰り返しモデルによれば、繰り返しの係脱使用に耐えるファスナーを形成することが可能となる。本実施形態においては、上記繰り返し接着試験から、比較的に整列性に富んだ根元55を接着表面側にしたファスナーは繰り返し接着性に優れている。
図10は、ブラシ状CNT同士の不完全な接着繰り返しモデルにおける接着機構を模式的に示す。同図の(10A)は基体82、83の夫々に植設されたブラシ状CNTの一部であり、互いに係合し合うCNT81、80を示す。(10B)はそれらのCNT同士が互いに中に入り込めずに折れ曲がった不完全な接着係合状態84を示す。この接着係合状態84では、CNT先端に座屈が生ずるため、各CNTを引っ張って引き剥がすと、(10C)に示すように、CNT間ですべり摩擦が僅かしか生じず、小さい引張応力として現れる。分離したときには、(10D)に示すように、各CNT81、82の先端に座屈85、86が残ったままとなる。前記座屈が残留すると、繰り返し使用時の係合の妨げとなって、比較的係止力の弱いファスナーを形成することになる。以上の不完全接着繰り返しモデルにおいては、CVD合成時に生ずるCNT先端の異形性などのばらつきが大きいときには、CNT先端同士の折れ曲がり現象が起き易くなる。
ブラシ状CNTのCNT密植度合いについては、嵩密度(g/cm3)が良い指標となる。図12に示した試料番号2、4、6の場合は、平均嵩密度が0.029g/cm3と小さく、CNT間の相互作用が弱い、また、その他の試料は平均嵩密度が0.052g/cm3と高く、高密度の密植状態にあることが判明した。比較的整列性に富んだ根元55を接着表面にすると密殖状態による接着強度の違いは見られないが、先端53を接着表面にした場合、高密度すぎると前述のような先端同士の折れ曲がり現象がおきやすくなるために、引張り強度が低減する。図12の試料番号5は、片方の接着表面が先端53からなり、高密度の密植状態にある。従って、試料番号5の引張り強度が低下して、接着表面が先端53からなる試料番号1の引張り強度と同程度にあることは、高密度過ぎるために起こる先端同士の折れ曲がり現象に起因していると考えることができる。
本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の技術的逸脱しない範囲における種々の変形例や設計変更なども本発明の技術的範囲に包含されるのは言うまでもない。
本発明によれば、前記ブラシ状CNTからなる係合子を備え、軽量かつ超小型が可能であり、通常環境下で使用するファスナーの他に、宇宙空間、あるいは真空装置等の高純度環境下における設備、作業に利用可能な接着テープ用ファスナーを提供することができる。また、CNTの耐熱性を利用して高温・高熱環境下でも使用できる耐久性のあるファスナーあるいは、CNTの導電性を利用して除電作用のある接着テープ用ファスナー等を提供することができる。
A CNT製造炉
B 電気炉
C 一端
D 原料ガス
E 結晶シリコン基板
F 触媒層
1 基板
2 触媒層2
3 ブラシ状CNT
4 CNT成長端部
5 PP容器
6 プロピレン
7 カッター
8 ブラシ状CNT
9 CNT成長根元
10 基体
11 根元部
12 ブラシ状CNT
20 ファスナー
21 PP基体
22 ブラシ状CNT
23 CNT
24 ファスナー
25 PP基体
26 ブラシ状CNT
27 CNT
30 Si基板
31 触媒層
32 ブラシ状CNT
33 先端
34 PPシート
40 PPシート
41 接着状態
42 PPシート
43 カーボンテープ
44 カーボンテープ
45 アクリル保持板
46 アクリル保持板
47 錘
50 Si基板
51 触媒層
52 ブラシ状CNT
53 先端
54 PPシート
55 根元
56 カッター
60 PPシート
61 接着状態
62 PPシート
63 カーボンテープ
64 カーボンテープ
65 試料台
66 試料台
67 画鋲
68 画鋲
69 軸部
70 軸部
80 CNT
81 CNT
82 基体
83 基体
84 接着係合状態
85 座屈
86 座屈
B 電気炉
C 一端
D 原料ガス
E 結晶シリコン基板
F 触媒層
1 基板
2 触媒層2
3 ブラシ状CNT
4 CNT成長端部
5 PP容器
6 プロピレン
7 カッター
8 ブラシ状CNT
9 CNT成長根元
10 基体
11 根元部
12 ブラシ状CNT
20 ファスナー
21 PP基体
22 ブラシ状CNT
23 CNT
24 ファスナー
25 PP基体
26 ブラシ状CNT
27 CNT
30 Si基板
31 触媒層
32 ブラシ状CNT
33 先端
34 PPシート
40 PPシート
41 接着状態
42 PPシート
43 カーボンテープ
44 カーボンテープ
45 アクリル保持板
46 アクリル保持板
47 錘
50 Si基板
51 触媒層
52 ブラシ状CNT
53 先端
54 PPシート
55 根元
56 カッター
60 PPシート
61 接着状態
62 PPシート
63 カーボンテープ
64 カーボンテープ
65 試料台
66 試料台
67 画鋲
68 画鋲
69 軸部
70 軸部
80 CNT
81 CNT
82 基体
83 基体
84 接着係合状態
85 座屈
86 座屈
Claims (11)
- 基体表面に植設される多数の係合子を有し、前記係合子が相手側のファスナーの係合子と係脱するファスナーにおいて、密植状態のカーボンナノチューブ(以下、CNTと表記する。)からなるブラシ状CNTと、前記ブラシ状CNTを前記基体表面に固定する固定部とを有し、前記ブラシ状CNTにより前記結合子を構成したことを特徴とするCNT係止ファスナー。
- 前記密植状態のCNTを成長用基板上にブラシ状に成長形成し、前記成長用基板から前記ブラシ状CNTを分離し、前記ブラシ状CNTの先端側を前記固定部により前記基体表面に固定した請求項1に記載のCNT係止ファスナー。
- 前記密植状態のCNTを成長用基板上にブラシ状に成長形成し、前記成長用基板から前記ブラシ状CNTを分離し、前記ブラシ状CNTの根元側を前記固定部により前記基体表面に固定した請求項1に記載のCNT係止ファスナー。
- 前記固定部が樹脂材からなる請求項1、2又は3に記載のCNT係止ファスナー。
- 基体表面に植設される多数の係合子を有し、前記係合子が相手側のファスナーの係合子と係脱する、一対のファスナーからなる組合体であって、夫々の前記ファスナーは、密植状態のCNTからなるブラシ状CNTと、前記ブラシ状CNTを前記基体表面に固定する固定部とを有し、前記密植状態のCNTを成長用基板上にブラシ状に成長形成し、前記成長用基板から前記ブラシ状CNTを分離し、前記ブラシ状CNTの先端側を前記固定部により前記基体表面に固定してなるCNT係止ファスナーからなり、前記ブラシ状CNTの根元側を前記係合子として係脱することを特徴とするCNT係止ファスナー組合体。
- 基体表面に植設される多数の係合子を有し、前記係合子が相手側のファスナーの係合子と係脱する、一対のファスナーからなる組合体であって、夫々の前記ファスナーは、密植状態のCNTからなるブラシ状CNTと、前記ブラシ状CNTを前記基体表面に固定する固定部とを有し、前記密植状態のCNTを成長用基板上にブラシ状に成長形成し、前記成長用基板から前記ブラシ状CNTを分離し、前記ブラシ状CNTの根元側を前記固定部により前記基体表面に固定してなるCNT係止ファスナーからなり、前記ブラシ状CNTの先端側を前記係合子として係脱することを特徴とするCNT係止ファスナー組合体。
- 各ファスナーが基体表面に植設される多数の係合子を有し、一方のファスナーの係合子が他方のファスナーの係合子と係脱する、一対のファスナーからなる組合体であって、前記一方のファスナーは、密植状態のCNTからなるブラシ状CNTと、前記ブラシ状CNTを前記基体表面に固定する固定部とを有し、前記密植状態のCNTを成長用基板上にブラシ状に成長形成し、前記成長用基板から前記ブラシ状CNTを分離し、前記ブラシ状CNTの先端側を前記固定部により前記基体表面に固定してなるCNT係止ファスナーからなり、前記他方のファスナーは、密植状態のCNTからなるブラシ状CNTと、前記ブラシ状CNTを前記基体表面に固定する固定部とを有し、前記密植状態のCNTを成長用基板上にブラシ状に成長形成し、前記成長用基板から前記ブラシ状CNTを分離し、前記ブラシ状CNTの根元側を前記固定部により前記基体表面に固定してなるCNT係止ファスナーからなり、前記一方のファスナーの前記ブラシ状CNTの根元側を、また前記他方のファスナーの前記ブラシ状CNTの先端側を夫々の前記係合子として係脱することを特徴とするCNT係止ファスナー組合体。
- 基体表面に植設される多数の係合子を有し、前記係合子が相手側のファスナーの係合子と係脱するファスナーの製造方法において、密植状態のCNTをブラシ状に配向した状態で成長用基板面に成長形成し、前記成長用基板からブラシ状CNTを分離するブラシ状CNT分離工程と、前記基体用樹脂材を所定深さの容器内で溶融又は軟化し、前記ブラシ状CNTの先端側を前記溶融又は軟化樹脂材に漬して溶着し、前記ブラシ状CNTを固定する固定工程からなることを特徴とするCNT係止ファスナー製造方法。
- 基体表面に植設される多数の係合子を有し、前記係合子が相手側のファスナーの係合子と係脱するファスナーの製造方法において、密植状態のCNTをブラシ状に配向した状態で成長用基板面に成長形成し、前記成長用基板からブラシ状CNTを分離するブラシ状CNT分離工程と、前記基体用樹脂材を所定深さの容器内で溶融又は軟化し、前記ブラシ状CNTの根元側を前記溶融溶融又は軟化樹脂材に漬して溶着し、前記ブラシ状CNTを固定する固定工程からなることを特徴とするCNT係止ファスナー製造方法。
- 前記基体用樹脂材がポリプロピレン又はポリイミドからなる請求項8又は9に記載のCNT係止ファスナー製造方法。
- 基体表面に植設される多数の係合子を有し、前記係合子が相手側のファスナーの係合子と係脱するファスナーの製造方法において、密植状態のCNTをブラシ状に配向した状態で成長用基板面に成長形成し、前記成長用基板からブラシ状CNTを分離するブラシ状CNT分離工程と、前記ブラシ状CNTの端部をシリコン炭化物、シリコン酸化物又はシリコン窒化物により前記基体上に薄膜合成して埋設する固定工程からなることを特徴とするCNT係止ファスナー製造方法。
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