JP2009201546A - 噴流浴装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】リラックス感など入浴者に快適さを与える機能をシステム全体で実現する噴流浴装置を提供する。
【解決手段】本発明の噴流浴装置は、浴槽と、浴槽壁に開口され浴槽の内部に貯留された浴槽水が吸い込まれる吸入口と、吸入口から浴槽水を吸入し加圧して吐出する加圧装置と、加圧装置から供給される浴槽水を浴槽内に噴出させる噴流ノズルと、を備え、吸入口と噴流ノズルの噴出口との間の流路は大気との連通口に通じず噴流ノズルは実質気泡を有しない噴流を浴槽水中に噴出し、浴槽内の浴槽水の熱が逃げることを阻止するように、浴槽壁に遮音機能を有する断熱材を設けた。
【選択図】図1
【解決手段】本発明の噴流浴装置は、浴槽と、浴槽壁に開口され浴槽の内部に貯留された浴槽水が吸い込まれる吸入口と、吸入口から浴槽水を吸入し加圧して吐出する加圧装置と、加圧装置から供給される浴槽水を浴槽内に噴出させる噴流ノズルと、を備え、吸入口と噴流ノズルの噴出口との間の流路は大気との連通口に通じず噴流ノズルは実質気泡を有しない噴流を浴槽水中に噴出し、浴槽内の浴槽水の熱が逃げることを阻止するように、浴槽壁に遮音機能を有する断熱材を設けた。
【選択図】図1
Description
本発明は、浴槽内に噴流を噴出させる噴流ノズルを備えた噴流浴装置に関する。
従来、噴流浴装置においては噴流刺激による人体のマッサージ機能に主眼を置いたものが主であった。特に刺激をより高めるには気泡入り噴流を人体に当てることが有効であるが、この場合、噴流噴出音が騒々しいことや、また空気混入時に浴槽水から空気への熱交換によって浴槽水温度の低下をきたすなど、長時間リラックスして噴流浴を楽しむことが難しかった。
特許文献1によれば、加圧水供給手段から供給される加圧水がノズルから噴出され、チャンバ内に流入し、そのチャンバ内に装着されている回転体が回転するとともに、被覆部材の蓋部の中央連通孔より噴流が浴槽内に噴出する。チャンバ内には水流のみが混入し、空気は混入しない構成とされている。しかし、噴流浴中における浴槽水の温度低下防止や、騒音に着目する記載及び示唆はない。
浴槽の保温に関しては特許文献2に開示があり、またポンプから発生する振動・騒音対策としては特許文献3に開示があるが、特許文献2、3はそれぞれ1つの機能にのみ着目したものであり、他の構成要素にも着目してシステム全体で、入浴者が快適な噴流浴を楽しめるということを実現するべくアプローチはされていない。
特許文献4には、噴出口が縦長若しくは横長或いは斜長のスリット形状に形成され、円形ノズルからのジェット噴流に比べて刺激の柔らかいジェット噴射を行うように構成したノズル構造が開示されている。しかし、気泡を混入させているためうるさくリラックスできるとはいえない。また、吸入空気に浴槽水の熱を奪われ、浴槽水温度が低下し身体が冷えてしまい、血流が悪くなり、リラックスできなくなるといったことも懸念される。
特開2007−167580号公報
特開2005−2738号公報
特開平4−285558号公報
特開2000−140058号公報
本発明は、上述の問題に鑑みてなされ、噴流浴において考慮すべき要素として複数の様々な要素に着目し、それら全体の相乗的な作用によって、リラックス感など入浴者に快適さを与える機能をシステム全体で実現する噴流浴装置を提供する。
本発明の一態様によれば、浴槽と、前記浴槽の浴槽壁に開口され前記浴槽の内部に貯留された浴槽水が吸い込まれる吸入口と、前記吸入口から浴槽水を吸入し加圧して吐出する加圧装置と、前記加圧装置から供給される浴槽水を前記浴槽内に噴出させる噴流ノズルと、を備えた噴流浴装置であって、前記吸入口と前記噴流ノズルの噴出口との間の流路は大気との連通口に通じず、前記噴流ノズルは実質気泡を有しない噴流を浴槽水中に噴出し、前記浴槽内の浴槽水の熱が逃げることを阻止するように、前記浴槽壁に遮音機能を有する断熱材を設けたことを特徴とする噴流浴装置が提供される。
本発明によれば、リラックス感など入浴者に快適さを与える機能をシステム全体で実現する噴流浴装置が提供される。
[第1の実施形態]
図1は、本発明の実施形態に係る噴流浴装置の構成を示す模式図であり、浴槽を長辺浴槽壁側から見た図である。
図2は、同噴流浴装置において浴槽を上面側から見た模式図である。
図1は、本発明の実施形態に係る噴流浴装置の構成を示す模式図であり、浴槽を長辺浴槽壁側から見た図である。
図2は、同噴流浴装置において浴槽を上面側から見た模式図である。
本実施形態に係る噴流浴装置は、浴槽1と、浴槽1の浴槽壁に開口された吸入口5と、循環路13、14と、循環路13、14の間に接続された加圧装置であるポンプ7と、浴槽壁に設けられた例えば2つの噴流ノズル(以下、単にノズルともいう)11と、浴槽壁に設けられた遮音機能を有する断熱材16とを備える。
浴槽1は、図2に示すように、略平行に相対向する一対の長辺浴槽壁3a、3bと、略平行に相対向する一対の短辺浴槽壁4a、4bとを有する。
吸入口5は一対の長辺浴槽壁3a、3bのうちの一方(図2に示す例では長辺浴槽壁3b)に形成されている。ポンプ7が駆動されると、浴槽1の内部に貯留された浴槽水(湯も含む)は吸入口5を介して循環路13へと吸い込まれる。
一般に、入浴者は、向かい合う一対の短辺浴槽壁4a、4bのうちの一方に背をもたれかけて他方の短辺浴槽壁に足を向けた姿勢で入浴するため、吸入口5を短辺浴槽壁に形成した場合には、入浴者の背中や足裏で吸入口5がふさがれポンプ7に過剰の負荷がかかることが懸念される。したがって、吸入口5は、入浴者の身体の一部等によってふさがれにくい長辺浴槽壁に形成するのが望ましい。
循環路13の一端は吸入口5に接続され、他端はポンプ7の吸込口に接続されている。循環路14の一端はポンプ7の吐出口に接続され、他端は各ノズル11に接続されている。ポンプ7は、吸入口5から循環路13内に浴槽水を吸い込むと共に、その吸い込んだ浴槽水を加圧してポンプ7の下流側の循環路14に吐出する。このポンプ7から吐出された加圧浴槽水は、各ノズル11の内部に流入する。なお、使用していないときに、ポンプ7内部の残留水を抜くために、ポンプ7は吸入口5よりも上方に設けることが望ましい。
本実施形態では、一対の短辺浴槽壁4a、4bのうちの一方の例えば短辺浴槽壁4aに2つのノズル11を取り付けている。ここで、図2の平面視において、短辺浴槽壁4a、4bの水平方向の中心を通る中心線Cを1点鎖線で示す。2つのノズル11は、その中心線Cを挟んでその水平方向に互いに離間して並んで設けられている。上記中心線Cに対する各ノズル11の離間距離は略同じであり、また、2つのノズル11の設置高さは略同じ高さである。
ノズル11は浴槽1のあふれ縁より下で、短辺浴槽壁4aに対して保持されている。ここで、「あふれ縁」とは、浴槽1内に浴槽水をためていったとき、最初に浴槽1内から溢れる部分の浴槽1の縁(またはリム)を意味する。このような構成のため、ノズル11からの噴流を浴槽1内に貯留された浴槽水中に噴出させることができる。
また、本実施形態では、図1に示すように、浴槽壁に断熱材16を設けている。断熱材16は、浴槽壁の外壁面(底部裏面も含む)に貼り付けられ、浴槽壁を外側から覆っている。あるいは、浴槽壁自体を断熱材から構成してもよい。
断熱材16は、浴槽内の浴槽水の熱が逃げることを阻止する機能はもちろん、遮音性(もしくは吸音性)も有する。このような遮音機能も有する断熱材16の材料として、例えば、発泡塩化ビニル、発泡スチロール、発泡ポリプロピレン、発泡ポリエチレン、発泡ポリウレタン、フェノールフォームなどを挙げることができる。あるいは、微細なシリカやガラス繊維の外側を樹脂フィルムで拘束し、内部を脱気した真空断熱材を用いてもよい。
ノズル11において短辺浴槽壁4aの外側に突出する部分は、断熱材16に形成された開口を通じて断熱材16の外側に延出し、循環路14と接続されている。ポンプ7は、ノズル11が取り付けられた短辺浴槽壁4a側のリム2下空間に設けられている。リム下空間にポンプ7を設置すると、吸入口5とノズル11とを接続する配管を浴室外に出す必要がなく、限られた浴室設置スペースを有効に使うことができる。
また、吸入口5とノズル11の噴出口との間の流路は大気との連通口に通じず、ノズル11は実質気泡を有しない噴流、好ましくは水流のみからなる噴流を浴槽水中に噴出する。
図3は、第1の実施形態に係るノズル11aの模式断面図である。このノズル11aは、図1、2に示すノズル11に対応する。
ノズル11aは、主として、ノズル本体31、固定部材32、回転体33、ノズルカバー34を備える。図3において短辺浴槽壁4aの左側が浴槽内であり、右側が浴槽外側のリム下空間である。
ノズル本体31はリム下空間で固定部材32に結合され、固定部材32は短辺浴槽壁4aに固定して取り付けられている。したがって、ノズル本体31は、固定部材32によって短辺浴槽壁4aに対して固定保持されている。
ノズル本体31の上流側にはエルボ形状に屈曲した流水導入路43が設けられている。固定部材32及びこれに結合されたノズル本体31の下流側の大径部31aは筒状に形成され、この筒状の内部空間は、流水導入路43に連通し且つ流水導入路43の径よりも大きな径の空間となっている。
その空間内には、円筒状の回転体33が設けられている。回転体33の軸中心を回転軸55が貫通しており、回転軸55は、ノズルカバー34及びノズル本体31に対して支持されている。回転体33は、回転軸55に対して固定され回転軸55と共に回転する、もしくは固定された回転軸55に対してそのまわりに回転する。
回転体33の上流側端部には、回転中心に対して対称的に広がるバッファ室46が形成されている。バッファ室46よりも下流側には、バッファ室46に連通する流路56が形成されている。この流路56は、回転体33における回転中心に対して偏心した位置に設けられている。
回転体33を下流側の端面側から見た図5に示すように、流路56における上流側の入口56bの中心と、下流側の噴出口56aの中心とは、回転体33の回転面の周方向にずれており、回転体33は、流路56を通過する流水の反力によって回転する。
図4は、ノズルカバー34の正面図を示す。ノズルカバー34には、回転体33が設けられた空間と、浴槽内とを連通させる開口34aが形成され、その開口34aを通じて、回転体33の噴出口56aから浴槽内に噴流を噴出させることができる。
以上説明したように構成される本実施形態に係る噴流浴装置において、浴槽1近傍に設けられた図示しないコントローラのスイッチを入浴者が操作すると、ポンプ7が起動し、浴槽1内に貯留された浴槽水が吸入口5から循環路13内へと吸い込まれる。この吸い込まれた浴槽水は、ポンプ7にて加圧されて、循環路14を介して、図3に示すノズル11aの流水導入口44に導入される。
流水導入口44から流水導入路43内に導入された加圧浴槽水は、流水導入路43を下流側へと導かれてその下流端の流水流入路45に至り、回転体33のバッファ室46に流れ込む。流水流入路45は、流水導入路43に比べ流路断面が縮小されており、そこで流れが加速されてバッファ室46内に流入する。
バッファ室46内に流入した流水は、流路56の内部を流れ、さらに噴出口56a及びノズルカバー34の開口34aを通過して、浴槽1内に貯留された浴槽水中に噴流として噴出する。
ここで、流路56の軸方向の両端開口(入口56bと噴出口56a)が回転体回転面の周方向にずれるように、流路56が回転軸55に対して傾いているため、流路56内を流れる水流は回転体33の周方向速度成分を持ち、その水流の反力により回転体33が回転される。
回転体33の回転に伴って、噴出口56aは、回転体33の回転中心のまわりを周方向に移動し、これにより、ノズル11aからは回転しながら浴槽水中を進む噴流(旋回噴流)が噴出される。
本実施形態では、噴流に気泡を混入しないため、その気泡に浴槽水の熱が奪われることがなく、さらに断熱材16で浴槽壁を覆うことで浴槽水の保温効果を高めていることもあって、噴流浴中における浴槽水の温度低下を抑制できる。したがって、入浴者は体が十分に温められた状態で噴流マッサージを受けるため血行が促進されマッサージ効果が高まる。また、特に長時間にわたる噴流浴中であっても、入浴者は体の冷えを感じることなくリラックスして噴流浴を楽しむことができる。もちろん、浴槽水の保温効果を高めることは、浴槽水を温め直す追い焚きにエネルギーを無駄に消費することを回避して省エネルギーである。
噴流に気泡を混入しないため、吸入口5とノズル11の噴出口との間の流路は、大気との連通口(空気取り入れ口)に通じていない。この結果、空気が浴槽水の循環流路内に取り込まれる際の音や、気泡発泡音が発生せず、入浴者は静かな環境でよりリラックスして噴流マッサージを受けることができる。特に空気を混入する際に発生する気泡混入時の気液混合音は、大気との連通口を通して浴槽外へ伝播するが、本実施形態では、大気との連通口自身がないため、静かな環境でよりリラックスして噴流マッサージを受けることができる。
噴流音の静音化は、今まで噴流音にまぎれてあまり気にならなかったポンプ7の駆動音や、循環路内水流音の顕在化をまねく。しかし、本実施形態では、浴槽壁に設けた断熱材16が遮音機能を兼ねる材料でもあるため、ポンプ駆動音などの浴槽外部で発生した音も、浴槽入浴者に対して低減でき、入浴者は、噴流音、ポンプ駆動音、循環路内水流音を気にせず静かな環境でよりリラックスした入浴が可能となる。
また、人体が気泡入り噴流を受けた場合、噴流が衝突していると感じる部位とそうでない部位との境界は、複数点における気泡の衝突感及び浮力による気泡の上昇によりあいまいとなり、人体表面での水流の移動を明瞭に感じることは難しい。そのため、水流で押されたまま人体表面を移動する感じは受けられず、指で押されたまま人体表面上を移動するような指圧マッサージ感を得にくい。
これに対して、本実施形態のノズル11aは、実質気泡を有しない旋回噴流を浴槽水中に噴出し、さらに前述した静音化により耳のみならず他の感覚器も外部の刺激等に対して鋭敏となり水流移動を肌で感じやすいことも相俟って、入浴者は人体表面での水流の移動を明瞭に感じることができ、水流で押される部位が人体表面上を移動する感じ、すなわち手もみ感や指圧感を得ることができる。
ここで、「実質気泡を有しない噴流」とは、水流のみからなる噴流が好ましいが、直径が数十μm以下の気泡(マイクロバブル、ナノバブル等)を含む噴流であってもよい。そのような直径が数十μm以下の気泡が噴流に含まれたとしても、人体表面での水流の移動を明瞭に感じることができる。
また、静音化によって感覚器が鋭敏になることで、肌が浴槽水の温度低下を感じやすくなるが、本実施形態では、断熱材16によって浴槽水の保温を図っているため、浴槽水の温度低下を抑え入浴者に不快感を与えにくい。
以上説明したように、本実施形態によれば、噴流浴装置を構成する要素の一つのみに着目して、その要素の機能を単独で実現するのではなく、噴流浴装置を複数要素からなるシステムとして捉え、各要素をどう工夫し組み合わせればどのような相乗的作用によりシステム全体としてどのような機能が発現するかというアプローチで、入浴者に快適さを与えるべく設計している。これにより、入浴者が音や温度低下などの外部刺激をストレスに感じずにリラックスした状態で噴流マッサージを受けることができ、リラックスすることで筋肉の弛緩や血行が促進され、噴流マッサージの効果をより高めることができる。
[第2の実施形態]
図6は、本発明の第2の実施形態に係る噴流浴装置の構成を示す模式図である。
図6は、本発明の第2の実施形態に係る噴流浴装置の構成を示す模式図である。
本実施形態では、浴槽壁に設けた前述の断熱材16に対して、浴槽壁の外側で空間18を隔てて対向する断熱材17をさらに設けている。これら断熱材16と断熱材17との間の空間18に、吸入口5とノズル11との間の循環路13、14およびポンプ7を配置している。また、空間18の上部は浴槽リム2によって覆われている。
断熱材17は、浴槽壁に設けた断熱材16と同様に断熱性及び遮音性(吸音性)を有し、例えば、発泡塩化ビニル、発泡スチロール、発泡ポリプロピレン、発泡ポリエチレン、発泡ポリウレタン、フェノールフォームなどを用いることができる。あるいは、微細なシリカやガラス繊維の外側を樹脂フィルムで拘束し、内部を脱気した真空断熱材を用いてもよい。
本実施形態では、前述した第1の実施形態の構成に加えて、断熱材16と断熱材17とに囲まれた空間18にポンプ7及び循環路13、14を配置した構造を採用している。したがって、前述した第1の実施形態と同様の効果に加えて、さらなる静音化および浴槽水温度の低下抑制が図られ、入浴者はより快適に噴流浴を楽しむことができる。
すなわち、ポンプ7および循環路13、14を、遮音機能も有する断熱材16、17間の空間18に閉じこめることで、ポンプ駆動音及び循環路内水流音が空間18の外に漏れ出ることを防止でき、騒音をよりいっそう抑えることができる。これは入浴者に対しての騒音低減がなされるだけでなく、浴室外への音漏れも抑制することができ、特に集合住宅などでは隣室や階下への騒音漏れに気兼ねすることなく噴流浴を楽しめる。
また、浴槽水が浴槽1の外部を流れる部分(吸入口5から循環路13、ポンプ7および循環路14を経てノズル11へと流入する経路)が上記空間18内にあることで、その経路を流れているときの浴槽水の温度低下を抑制できる。この結果、ノズル11から噴出される噴流の温度低下を抑制でき、入浴者が噴流衝突部位に冷たさを感じることがなく、また浴槽1内浴槽水全体の温度低下を抑制できる。
図7は、第2の実施形態に係るノズル11bの模式断面図である。このノズル11bは、図6に示すノズル11に対応する。
ノズル11bは、主として、ノズル本体31、固定部材32、回転体75、ノズルカバー34を備える。
回転体75の下流側端面の中心は軸部材85を介して回転自在にノズルカバー34に支持されている。回転体75の上流側端面における中心には回転体75に一体に中空の回転軸77が設けられている。回転軸77は、回転体75より上流側の流水導入路43内に向けて延在し、その一端部はノズル本体31に対して回転自在に支持されている。
回転体75における回転中心(回転軸77)に対して偏心した位置に第1の流路76が形成されている。第1の流路76の上流端開口である入口76bの中心と、下流端開口である噴出口76aの中心とは、回転体75の回転面の周方向にずれており、回転体75は、第1の流路76を通過する流水の反力によって回転する。
ノズル本体31における、回転軸77の一端部を支持する部分の近傍には、流水導入部79が設けられている。流水導入部79の内部は中空の回転軸77の内部に形成された第2の流路78に連通している。第2の流路78は、回転軸77の内部に形成された流路と、この流路に続いて回転体75の内部に形成された流路とからなる。
第2の流路78における回転体75の内部に形成された部分の下流側部分は、回転体75の半径方向に対して傾斜し、その最下流端開口である第2の流路78の出口78aは、第1の流路76の噴出口76a付近に臨んでいる。すなわち、第2の流路78は第1の流路76に合流している。第2の流路78は、第1の流路76との合流部近傍では、第1の流路76に対して平行でも垂直でもなく、傾斜して第1の流路76に対して合流している。
以上のように構成されるノズル11bにおいて、流水導入口44から流水導入路43内に導入された流水は流水導入路43を導かれて第1の流路76に流入する。ここで、第1の流路76における入口76bと噴出口76aとが回転体回転面の周方向にずれるように、第1の流路76が回転軸方向に対して傾いているため、第1の流路76内を流れる水流は回転体75の周方向成分を持ち、その水流の反力により回転体75が回転される。
流水導入部79を介して第2の流路78に導入された流水は、第1の流路76の噴出口76a付近で第1の流路76を流れてきた流水と衝突する。このノズル11bの前段(上流側)には、図示しない例えば三方弁などの流量分配機構が設けられ、第1の流路76に導入される流水の流量と、第2の流路78に導入される流水の流量との流量比を変更可能となっている。
第1の流路76を流れる流水と、第2の流路78を流れる流水との流量比を変化させることで、第1の流路76と第2の流路78との合流点での衝突噴流の、浴槽水中への噴出角度が変化して、噴出噴流の断面中心の移動半径が変化する。
また、第1の流路76を流れる流水の流量を変更することで、この反力により回転される回転体75の回転角速度を変えることができる。回転体75の回転角速度の変化により、噴出噴流の断面中心の移動速度が変化する。
すなわち、ノズル11bは、噴出噴流の断面中心の移動半径及び移動速度を変化させながら噴流噴出を行い、噴出口76aに正対する方向から見た噴流挙動(軌跡)が一定半径の円ではなく、曲率が変化する曲線を描き、その移動速度も一定ではなく変化している。この結果、機械的ではない変化に富んだ噴流刺激感が得られ、長時間入浴していても飽きがなくゆったりとリラックスできる。
また、第1の流路76を流れる流水の流量、および第1の流路76を流れる流水と第2の流路78を流れる流水との流量比を不規則に変化させることで、ノズル11bは、噴出噴流の断面中心の移動速度及び移動半径を不規則に変化させながら噴流噴出を行い、人の手もみ感覚に近い自然なマッサージ感が得られ、よりリラックス効果を高めることができる。
なお、上記第1の実施形態の回転体33や、本実施形態の回転体75を、モータにより回転駆動させてもよいが、流体反力により回転駆動させる構成の場合、機構が単純化され安価に製作が可能である。
なお、狭い部位を複数本の噴流束で押されるよりも単一(1本)の噴流束で押される方が、押されている点を入浴者が認知しやすく押圧点が人体表面上を移動する感じを得ることができ、自然な指圧感を感じやすい。すなわち、人体の皮膚は、互いに接近した複数部位への同時刺激よりも、1部位への刺激の方が刺激の変化をより感じやすい。
したがって、一つの回転体に2つの噴流流路(噴出口)があると互いに接近した2部位への同時刺激となり噴流の移動を感じにくいが、前述した実施形態のように、一つの回転体に一つの噴出口しか設けないことで、噴出噴流が人体表面上を移動する感じを得やすくできる。
[第3の実施形態]
次に、図8は、第3の実施形態に係るノズル11cの模式断面図である。このノズル11cは、図1または図6に示す噴流浴装置に適用され、それら図におけるノズル11に対応する。
次に、図8は、第3の実施形態に係るノズル11cの模式断面図である。このノズル11cは、図1または図6に示す噴流浴装置に適用され、それら図におけるノズル11に対応する。
ノズル11cは、大きく分けて、略円筒形状でほぼまっすぐに延在する筒体20と、筒体20の軸方向の上流側端部に設けられた湾曲部30とを有する。筒体20と湾曲部30とは一体成形構造であってもよいし、別体のものを結合させてもよい。また、筒体20は、略円筒形状に限らず、略楕円筒形状であってもよい。
湾曲部30の内部には流水導入部22が形成され、その流水導入部22における上流側端部の最上流端には、前述した循環路14と浴槽1の外部で接続される流水導入口21が開口形成されている。筒体20の軸方向の下流側端部には噴出口26が開口形成されている。
流水導入部22の下流側端部は、流水導入部22の中で最も流路断面が縮小された流路断面収縮部23として機能する。流路断面収縮部23の最下流端は、筒体20の軸方向の上流側端部に開口している。
流水導入部22の流路断面は円形または楕円形であり、その流路断面積は、上流側端部から下流側端部である流路断面収縮部23に向けて漸次減少している。すなわち、流水導入部22の流路は、上流側端部から下流側端部である流路断面収縮部23に向けて漸次細くなっている。
流路断面収縮部23と噴出口26との間の筒体20の内部には、筒体20の軸方向に延在するチャンバー25が設けられている。
流路断面収縮部23の流路断面の中心は、筒体20の軸中心C1に一致している。流水導入部22の流路断面の中心を通る流路中心線C2は曲率を有する曲線を描き、すなわち、流水導入部22は湾曲している。その流路中心線C2の下流端位置は、チャンバー25の軸中心C1に一致している。
流路断面収縮部23は、筒体20の内部に形成されたチャンバー25に連通し、且つチャンバー25に対して流路断面が縮小されている。また、流路断面収縮部23は、その流路断面の中心を、チャンバー25の軸中心C1に一致させて、チャンバー25の軸方向に対して略平行に延在し、径が一定な直管状に形成されている。すなわち、流水導入部22の流路は上流側から下流側に向けて漸次細くなり、その細くなった先には、流路径が一定な直管部として流路断面収縮部23が続いている。
チャンバー25の軸方向の上流側端部には、流路断面収縮部23に対して流路断面が急拡大(例えば径が3倍以上急拡大された)された流路断面急拡大部24が設けられている。流路断面急拡大部24は、流路断面収縮部23より下流側で流路断面収縮部23に連通している。
チャンバー25の軸方向の下流側端部には噴出口26が開口している。チャンバー25の内壁面は、流路断面急拡大部24から噴出口26の近傍に至るまで、チャンバー25の軸中心C1に対して略平行に延在し、また、チャンバー25は流路断面急拡大部24の内径寸法のまま噴出口26近傍まで続いている。チャンバー25における軸方向の上流側端部が流路断面急拡大部24として機能し、チャンバー25における軸方向の下流側端部が噴出口26として機能する。
流路断面収縮部23から流路断面急拡大部24にかけての流路壁面は略垂直に変化している。すなわち、流路断面収縮部23の流路壁面は、チャンバー25の軸方向に対して略平行であるのに対して、流路断面急拡大部24として機能するチャンバー25の軸方向の上流側端部の壁面は、流路断面収縮部23の流路壁面に対して略垂直に続いて径外方に広がって形成されている。この流路壁面の急変化により、後述するように流路断面急拡大部24にて、壁面からの流れの剥離が生じる。
噴出口26近傍のチャンバー25内には、噴出口26へと通じるチャンバー25内流路の一部を遮る遮蔽体27を設けている。遮蔽体27は例えば円盤状に形成され、その中心をチャンバー25の軸中心C1に一致させて、チャンバー25の内部に設けられている。
遮蔽体27は、例えば、遮蔽体27とチャンバー25の内壁部との間に放射状に設けられた図示しない複数本の保持部材を介してチャンバー25の内壁部に対して保持されている。それら保持部材は、円盤状の遮蔽体27の外周面のまわりに周方向に沿って等間隔で設けられ、よって、遮蔽体27によってチャンバー25内流路のすべてが遮蔽されず、遮蔽体27とチャンバー25の内壁部との間には、チャンバー25から噴出口26への流水の流れを許容する流路が確保されている。
また、チャンバー25の軸方向の下流側端部における噴出口26へと続く内壁面に、チャンバー25の軸中心C1に向けて傾斜した環状の傾斜面28を形成している。傾斜面28は、上流側から下流側に向かうにしたがって徐々に軸中心C1に近づくように傾斜している。
以上のように構成されるノズル11cにおいて、流水導入口21から導入された流水は、流水導入部22を流れ、この下流側端部である流路断面収縮部23から流路断面急拡大部24を経てチャンバー25内に噴流となって流入する。流水が、流路断面収縮部23からチャンバー25内に流入する際、流路断面の急拡大により、流路内壁面に沿って流れることができなくなり、流路内壁面に対して流れの剥離が生じる。
一般的に、噴流は、外部流体との運動量交換により外部流体を加速し、噴流内部に巻き込む。このとき、噴流近傍に壁面が存在すると、外部流体を内部に引き込むように作用する引きつけ力の反作用により、噴流自身が壁面に向かって曲げられ、再び流れが壁面に沿うようになる。つまり、チャンバー25の内壁面の周の一部に流れが再付着する。
チャンバー25の内壁面に付着した主流は、そのままチャンバー25内壁面に沿い、遮蔽体27の外周面とチャンバー25内壁面との間を噴出口26に向かって流れ、噴出口26の上流側手前でチャンバー25の軸中心C1に向かうように傾斜して形成された傾斜面28に沿って軸中心C1に対して傾斜した噴流として噴出口26から浴槽1内に噴出する。
以上のようにして、チャンバー25内に、主流(図8において太線矢印aで表す)が形成される。
流路断面収縮部23に比べて噴出口26の流路断面が大きく、流れは下流に向かって減速、すなわち、チャンバー25内部では下流に向かって静圧が増加する逆圧力勾配が形成されること、さらにチャンバー25内に流路の一部を遮るように遮蔽体27が設けられていることによって、前述した主流の一部は、噴出口26から噴出されず、図8において矢印bで表すように、チャンバー25の上流側に戻される。
その上流側に戻された流れが、流路断面急拡大部24付近にて主流が剥離したよどみ領域に流れ込むことで、流路断面急拡大部24付近で中心軸C1まわりに旋回流が形成され、これにより、主流の流路壁面に対する再付着位置が周方向で不規則に変化し、噴出口26からは中心軸C1まわりに不規則に旋回した噴流が噴出される。本実施形態においても、ノズル11cは実質気泡を含まない、好ましくは水流のみからなる噴流を噴出する。
このノズル11cから噴出される噴流は、一般的に広く知られる気泡浴装置による細く強い直線的な噴流とは異なり、太くやわらかい旋回噴流であるため、腰を包み込む、背中、腰全体を押すようにもみほぐすなど、局所的に強い刺激感ではなく、広範囲をもみほぐすような手もみに近いマッサージ感を得ることができ、長時間入浴していても飽きがなくゆったりとリラックスできる。また、直線的な強い噴流を局所的に受ける場合には、所望の部位にその噴流を受けるべく姿勢を保つために緊張状態になりがちであったが、本実施形態の旋回噴流は広範囲にわたってやわらかい刺激を与えるため、入浴者に緊張を強いることなく、力を抜いたリラックスした状態にさせやすい。
また、本実施形態に係るノズル11cは、内部に導入された流体自身が、前述したようにチャンバー25内での還流作用によって、噴出口26から噴出される噴流の旋回を励起する構成となっているため、回転摺動部分が不要である。さらに、チャンバー25を形成した筒体20は一重構造である。すなわち、ひとつの筒体20によって周囲が囲まれる単一空間(流路)内で、噴出口26へと向かう主流、および主流とは逆方向に流れる還流が形成され、浴槽水中に旋回噴流として噴出される。したがって、ノズル構造が単純化され、安価に作製することができ、またメンテナンスも容易になる。さらには、回転摺動部分における摩耗やゴミ詰まりなどによる旋回性能低下の心配もない。
図9は、本実施形態のノズル11cから噴出される噴流束の太さと、その噴流束が移動する範囲を模式的に表す図である。図9において、噴流束の太さをaの円で表し、その噴流束が移動する所定範囲をAの円で表す。また、噴流束(の中心)の移動軌跡例を1点鎖線で表す。
噴流束の太さは人の指の太さに対応し、所定範囲Aはその指が移動する範囲に対応する。したがって、本実施形態によれば、指で押されたまま人体表面上を移動するような指圧マッサージ感が得られる。指(特に一般的な指圧でよく用いられる親指)でマッサージされている感覚を実現するためには、直径5cm以上10cm以下の円内(所定範囲A)を、1cm以上3cm以下の太さの噴流束で押しながら移動させるのが好ましく、よってノズル11cの噴出口26の直径を1cm以上3cm以下とするのがよい。
また、噴流束aの移動速度や移動半径の時間変化の周波数は、1〜10Hzが好ましく、より好ましくは1〜6Hz程度がよい。このような周波数で噴流束aの移動速度や移動半径が変化することで、噴出束の移動速度や移動範囲の変化を十分に感じることができ、人の指によるマッサージ刺激に似た自然な変化を持った刺激感が得られる。
[第4の実施形態]
次に、図10は、第4の実施形態に係るノズル11dの模式断面図である。このノズル11dも、図1または図6に示す噴流浴装置に適用され、それら図におけるノズル11に対応する。
図11は、図10におけるノズル11dを噴出口126側から見た正面図である。
次に、図10は、第4の実施形態に係るノズル11dの模式断面図である。このノズル11dも、図1または図6に示す噴流浴装置に適用され、それら図におけるノズル11に対応する。
図11は、図10におけるノズル11dを噴出口126側から見た正面図である。
ノズル11dは、大きく分けて、略円筒形状でほぼまっすぐに延在する筒体120と、筒体120の軸方向の上流側端部に設けられた湾曲部130とを有する。筒体120は筒状の外側カバー131の内部に設けられ、湾曲部130はエルボカバー132の内部に設けられている。筒体120と湾曲部130とは一体成形構造であってもよいし、別体のものを結合させてもよい。
外側カバー131の下流側端部には、図11に示すようにその中央部分に円形の貫通孔134aが形成された円環状のフランジ部134が設けられている。その貫通孔134aから筒体120の噴出口126を含む下流側端面が露出している。
湾曲部130の内部には流水導入部122が形成され、その流水導入部122における上流側端部の最上流端に開口形成された流水導入口121は、前述した循環路14と接続される配管133と接続されている。
流水導入部122の下流側端部は、流水導入部122の中で最も流路断面が縮小された流路断面収縮部123として機能する。流路断面収縮部123の最下流端は、筒体120の軸方向の上流側端部に開口している。
流水導入部122の流路断面は円形または楕円形であり、その流路断面積は、上流側端部から下流側端部である流路断面収縮部123に向けて漸次減少している。すなわち、流水導入部122の流路は、上流側端部から下流側端部である流路断面収縮部123に向けて漸次細くなっている。
流路断面収縮部123の流路断面の中心は、筒体120及びチャンバー125の中心軸C1に一致している。流水導入部122の流路断面の中心を通る流路中心線C2は曲率を有する曲線を描き、流水導入部122は湾曲している。その流路中心線C2の下流端位置は、筒体120及びチャンバー125の中心軸C1に一致している。
筒体120の内部には筒体120の軸方向に延在するチャンバー125が形成され、流路断面収縮部123は、そのチャンバー125に連通し、且つチャンバー125に対して流路断面が縮小されている。また、流路断面収縮部123は、その流路断面の中心を、チャンバー125の中心軸C1に一致させて、チャンバー125の軸方向に対して略平行に延在し、径が一定な直管状に形成されている。すなわち、流水導入部122の流路は上流側から下流側に向けて漸次細くなり、その細くなった先には、流路径がほぼ一定な直管部(流路断面収縮部123)が続いている。
チャンバー125の軸方向の上流側端部には、流路断面収縮部123に対して流路断面が急拡大(例えば噴出口126からチャンバー125内を見た正面視でチャンバー125の略長方形状の長手方向の長さが4倍以上)された流路断面急拡大部124が設けられている。
筒体120の外形は円筒状であるが、その内部に中空穴として形成されたチャンバー125は、チャンバー125のみを抽出して模式的に示す図12に示すように、流路断面急拡大部124から噴出口126にかけての断面形状が略長方形状に形成されている。すなわち、噴出口126からチャンバー125内を見た正面視でチャンバー125及び噴出口126の断面形状が略長方形状となっている。ここで、「略長方形状」とは、4つの角が直角に形成された矩形状に限らず、矩形において4つの角が丸まった(アールが付いた)形状や、略平行に対向する一対の直線を長辺として有すると共に短辺部分が曲線で構成されたオーバルもしくはレーストラック形状も含む。
チャンバー125の軸方向の下流側端部には、チャンバー断面と同じ「略長方形状」の噴出口126が開口している。チャンバー125の内壁面は、流路断面急拡大部124から噴出口126に至るまで、チャンバー125の中心軸C1に対して略平行に延在し、また、チャンバー125は流路断面急拡大部124の断面形状が略長方形状のまま噴出口126まで続いている。チャンバー125における軸方向の上流側端部が流路断面急拡大部124として機能し、チャンバー125における軸方向の下流側端部が噴出口126として機能する。
流路断面収縮部123から流路断面急拡大部124にかけての流路壁面は略垂直に変化している。すなわち、流路断面収縮部123の流路壁面は、チャンバー125の軸方向に対して略平行であるのに対して、流路断面急拡大部124として機能するチャンバー125の軸方向の上流側端部の端面は、流路断面収縮部123の流路壁面に対して略垂直に続いて径外方に広がって形成されている。この流路壁面の急変化により、後述するように流路断面急拡大部124にて、壁面からの流れの剥離が生じる。
流路断面収縮部123におけるチャンバー125内に臨む下流端開口は円形状に形成され、その中心はチャンバー125の軸中心に位置している。その流路断面収縮部123の下流端開口は、噴出口126からチャンバー125内を見た正面視において、チャンバー125の断面形状を形作る輪郭線よりも内側に位置し、図11において円形で表される流路断面収縮部123の下流端開口の開口縁部は、同じ図11において矩形状に表されるチャンバー125断面の輪郭線に対して離間し、それら開口縁部と輪郭線との間には上記正面視で隙間が存在する。
図10において、外側カバー131は浴槽壁に対して保持固定され、その内部に設けられた筒体120は外側カバー131に対して中心軸C1のまわりに回動自在となっている。図11に示すように、筒体120の下流側端面には噴出口126が開口しているが、その下流側端面において噴出口126の長辺部の外側には、噴出口126を挟んで位置する2つのくぼみ38が形成されている。くぼみ38は、図11において紙面奥側にくぼんでいる。これら2つのくぼみ38を指でつまみながら、図10における、筒体120を外側カバー131に対して回動させることができ、この筒体120の回動によって、噴出口126の長手方向を任意の向きに設定することができる。図11においては、噴出口126の長手方向は縦向きにされているが、横向きにしたり、縦横に対して傾いた向きにしたりと、自由にその向きを変えることができる。
前述したポンプ7が起動すると、浴槽1内に貯留された浴槽水が吸入口5から循環路13内へと吸入され、その吸入された浴槽水は、ポンプ7にて加圧されて、循環路14を介して、ノズル11dの流水導入部122に導入される。
ここで、図13(a)〜(d)において左側に表される図は、チャンバー125内での流水の挙動を説明するための模式図であり、その図の右側には噴出口126側から見た正面図を示す。この正面図において、噴出噴流の正面側から見た位置を1点鎖線の円で模式的に表す。(a)において左側の図は、その右側の図におけるA−A断面に対応し、(b)〜(d)の各図においても同様である。
流水導入部122に導入された加圧浴槽水は、流路断面収縮部123および流路断面急拡大部124を順に経てチャンバー125内に噴流となって流入する。加圧浴槽水が、流路断面収縮部123からチャンバー125内に流入する際、流路断面の急拡大により、筒体120の内壁面に沿って流れることができなくなり、すなわち流路内壁面に対して流れの剥離が生じる。
一般的に、噴流は、外部流体との運動量交換により外部流体を加速し、噴流内部に巻き込む。このとき、噴流近傍に壁面が存在すると、外部流体を内部に引き込むように作用する引きつけ力の反作用により、噴流自身が壁面に向かって曲げられ、再び流れが壁面に沿うようになる。つまり、チャンバー125の内壁面の一部に流れが再付着する。
チャンバー125の内壁面に付着した主流aは、そのままチャンバー125の内壁面に沿って噴出口126に向かって流れ、噴出口126の出口断面の一部に偏って浴槽1内に噴出する。
流路断面収縮部123に比べて噴出口126の流路断面が大きく、流れは下流に向かって減速、すなわち、チャンバー125内部では下流に向かって静圧が増加する逆圧力勾配が形成されることによって、前述した主流aの一部は噴出口126から噴出されず、図13(b)において矢印bで表すように、チャンバー125の上流側に戻される。
その上流側に戻された流れが、図13(c)に表すように、流路断面急拡大部124付近にて主流が剥離したよどみ領域に流れ込むことで、図13(d)に表すように、流路断面急拡大部124付近で中心軸C1まわりに旋回流が形成され、これにより、主流の内壁面に対する再付着位置が不規則に変化し、チャンバー125内には中心軸C1まわりに不規則に旋回する流れが形成される。
ここで、流路断面収縮部123のチャンバー125に臨む下流端開口の開口縁部(図示の例では円形状)と、チャンバー125の略長方形状の輪郭線(すなわちチャンバー125の周囲を囲む4つの内壁面)と、の間には、前述した隙間が存在することから、チャンバー125内の上記よどみ領域に、流路断面収縮部123の下流端開口径よりも広がった空間が流路断面収縮部123の下流端開口の全周方向に存在し、そこでの旋回流の形成を可能とする。
そして、噴出口126も含めたチャンバー125の断面形状は前述したように略長方形状であるため、その短手方向への旋回流の広がり(膨らみ)は規制され、結果として噴出口126からはその長手方向に不規則に往復移動する噴流が噴出される。図13(d)の右側の正面図において、正面側から見た噴出噴流の位置の移動軌跡を1点鎖線の矢印で模式的に表す。
流路断面収縮部の流路径(図10におけるd)を8.3mm、チャンバー125の軸方向長さ(図10におけるL)を76.6mm、チャンバー125及び噴出口126の断面における長手方向寸法(図11におけるD)を34mm、チャンバー125及び噴出口126の断面における短手方向寸法(図11におけるW)を14mm、流路断面収縮部123におけるチャンバー125内に臨む下流端開口の開口縁部と、チャンバー125の断面輪郭線における長辺部との間の距離(図11におけるX)を2.85mmにそれぞれ設計し、ノズル内への供給流量を25〜45リットル/分とした場合に、噴出口126の長手方向に往復して振れるような噴流の噴出を確認できた。
前述したように筒体120を回動させることで噴出口126の長手方向を縦向きにしたり、横向きにしたり、斜め向きにしたりと任意にその向きを設定できるため、例えば噴出口126を縦向きにした場合に、入浴者がノズル11dが取り付けられた短辺浴槽壁4aに背中を向けた姿勢で入浴すれば、背骨に沿って往復移動する噴流マッサージを受けることができる。
同じく噴出口126を縦向きにした場合において、入浴者が足裏をノズル11d側に向けた姿勢で入浴すれば、足裏における足先と踵との間の足裏縦方向に沿って往復移動する噴流マッサージを受けることができる。
また、噴出口126を横向きにした場合において、入浴者が足裏をノズル11d側に向けた姿勢で入浴すれば、足の指の付け根部分に沿って往復移動する噴流マッサージを受けることができる。
このような往復移動する噴流によるマッサージは、一般に広く知られる気泡浴装置による細くて強く、まっすぐに噴出する直線的な噴流では得られないものである。しかも、そのような直線噴流に比べて、本実施形態によって実現される噴流は太くてやわらかいため、局所的に強い刺激感ではなく、もみほぐすような手もみに近いマッサージ感を得ることができ、長時間入浴していても飽きがなくゆったりとリラックスできる。
また、本実施形態に係るノズル11dは、チャンバー125の流路断面急拡大部124から断面形状が略長方形状のまま噴出口126まで続いており、内部に導入された流体自身が、前述したようにチャンバー125内での還流作用によって、噴出口126から噴出される噴流の往復移動を励起する構成となっているため、チャンバー125が凸凹の少ない形状になっているため、汚れも付き難くメンテナンスや製作も容易である。また、噴出方向切り換え用の三方弁が不要であり、ノズル構造が単純化され、安価に作製することができ、またメンテナンスも容易になる。さらには、細い制御用流路がないため、ゴミ詰まりなどの心配もない。
また、本実施形態では、チャンバー125を囲む筒体120は一重構造である。すなわち、ひとつの筒体120によって周囲が囲まれる単一空間(流路)内で、噴出口126へと向かう主流、および主流とは逆方向に流れる還流が形成され、浴槽水中に往復噴流として噴出される。したがって、構造が単純化され、安価に作製することができ、またメンテナンスも容易になる。さらには、ゴミ詰まりの心配もない。
前述した第1〜第3の実施形態に示したノズル11a〜11cからは回転もしくは旋回噴流が噴出され、人体に対する噴流衝突部位は円や楕円を描くように人体表面上を移動する。これは、往復移動する噴流よりも広範囲に当たるため、広範囲の筋肉を刺激したり、広範囲の温度境界層を破壊し、より効果的に温めることができる。また、広背筋は背骨を挟んで左右対称にあるので、短辺浴槽壁の水平方向に並んで設けた2つのノズルを使うことで、左右両側の広背筋を同時に刺激し効果的な血行促進を図れる。
また、一般に、筋束が走っている方向に対して直交する方向に押圧力をかけながら移動させると筋肉を確実にほぐすことができマッサージ効果が高い。ここで、広背筋は背骨に対して斜めに筋束が走っているため、噴流衝突部位が円や楕円を描く軌跡で移動することで筋束に対して直交する方向に押し移動する成分が確実に含まれ、筋肉をほぐして効果的なマッサージを行うことができる。
また、腰の筋肉の筋束は背骨に沿った方向に走っており、この部位に対しては、往復振動する噴流を噴出できる第4の実施形態のノズル11dを用いて、その往復振動方向を水平方向に設定することで、腰の筋肉の筋束に対して直交する方向に押し移動するマッサージを行うことができ、効果的なマッサージを行うことができる。
1…浴槽、3a,3b…長辺浴槽壁、4a,4b…短辺浴槽壁、5…吸入口、7…加圧装置、11,11a〜11d…噴流ノズル、13,14…循環路、16,17…断熱材
Claims (4)
- 浴槽と、
前記浴槽の浴槽壁に開口され前記浴槽の内部に貯留された浴槽水が吸い込まれる吸入口と、
前記吸入口から浴槽水を吸入し加圧して吐出する加圧装置と、
前記加圧装置から供給される浴槽水を前記浴槽内に噴出させる噴流ノズルと、
を備えた噴流浴装置であって、
前記吸入口と前記噴流ノズルの噴出口との間の流路は大気との連通口に通じず、前記噴流ノズルは実質気泡を有しない噴流を浴槽水中に噴出し、
前記浴槽内の浴槽水の熱が逃げることを阻止するように、前記浴槽壁に遮音機能を有する断熱材を設けたことを特徴とする噴流浴装置。 - 前記浴槽壁に設けた前記断熱材に対して空間を隔てて対向する断熱材をさらに設け、
前記空間に、前記吸入口と前記噴流ノズルとの間の循環路および前記加圧装置を配置したことを特徴とする請求項1記載の噴流浴装置。 - 前記噴流ノズルは旋回噴流を噴出することを特徴とする請求項1または2に記載の噴流浴装置。
- 前記浴槽は、対向する一対の短辺浴槽壁と、対向する一対の長辺浴槽壁とを有し、
前記噴流ノズルは、一方の前記短辺浴槽壁における水平方向の中心線を挟んでその水平方向に並んで設けられた少なくとも2つのノズルを有することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1つに記載の噴流浴装置。
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Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2017074303A (ja) * | 2015-10-16 | 2017-04-20 | 株式会社Lixil | 噴出ノズル |
JP2021016747A (ja) * | 2019-07-24 | 2021-02-15 | 株式会社Lixil | 吐出装置及び浴室設備 |
CN113116693A (zh) * | 2021-04-19 | 2021-07-16 | 浙江力明机械有限公司 | 一种基于地热流体的无毒副作用理疗箱 |
-
2008
- 2008-02-26 JP JP2008043849A patent/JP2009201546A/ja active Pending
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