JP2009200859A - 通信機能を備えた外付け型情報端末機器 - Google Patents
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Abstract
【課題】主にパソコン等の情報機器に外付けする受信機器としてノイズ電磁波の影響を受けにくく、デジタルテレビ放送帯域内で、良好な受信映像、音声の状態を得ることができる通信機能を備えた外付け型情報端末機器を提供する。
【解決手段】
第1の基体と、前記基体内を通る第1の導体とを有する第1のアンテナ素子と、第2の基体と、前記第2の基体内を通る第2の導体とを有する第2のアンテナ素子とからなるダイポールアンテナと、チューナー部とを搭載する外付け型情報端末機器であって、前記ダイポールアンテナは、バランと整合回路とを介してチューナー部に接続される。このためモノポールアンテナや、一般的なダイポールアンテナに比べてノイズ電磁波の影響を受けにくく、広い周波数帯域でVSWRが低くて、高い利得が得られる通信機能を備えた外付け型情報端末機器となる。
【選択図】図1
【解決手段】
第1の基体と、前記基体内を通る第1の導体とを有する第1のアンテナ素子と、第2の基体と、前記第2の基体内を通る第2の導体とを有する第2のアンテナ素子とからなるダイポールアンテナと、チューナー部とを搭載する外付け型情報端末機器であって、前記ダイポールアンテナは、バランと整合回路とを介してチューナー部に接続される。このためモノポールアンテナや、一般的なダイポールアンテナに比べてノイズ電磁波の影響を受けにくく、広い周波数帯域でVSWRが低くて、高い利得が得られる通信機能を備えた外付け型情報端末機器となる。
【選択図】図1
Description
本発明は、通信機能を備えた外付け型情報端末機器、特に携帯電話や受信機器などに用いるアンテナに関する。さらにはアンテナを備えた受信機器に関する。
近年デジタルテレビ放送をパソコン等の情報機器で受信する事を可能とする外付き型受信機器が普及してきている。このような受信機器で地上デジタルテレビ放送の全チャンネルを視聴可能とするために使用するアンテナは、例えば日本国内のデジタルテレビ放送帯域では470MHz〜770MHzといった広い周波数帯域をカバーできる必要がある。パソコン等の情報機器に外付けされる地上デジタルテレビ放送を視聴可能なチューナー部を搭載した受信機器はその取り扱い上、小型でありながら広帯域かつ高効率であることが求められている。また、前記受信機器には外部との通信のために送信回路を搭載し通信機器とすることもできる。したがって、それに使用されるアンテナも小型でありながら広帯域かつ高利得で機能することが要求される。
従来、テレビやラジオに使われている受信用アンテナとして、例えばアナログ式の小型液晶テレビなどでは金属棒を用いたホイップアンテナが一般的に用いられていた。この方式は地上デジタルテレビ機能搭載携帯電話にも一般的に使われている。別の例として、携帯電話で用いられるイヤホンの一部である電線をラジオやテレビ受信用アンテナとして利用される場合もある。更にはパソコン外付け型の地上デジタルテレビ放送受信機器においてもモノポールタイプのアンテナが使用される例もある。
また、ダイポールアンテナが使われている例としては、ダイポールアンテナを移動用として使うため垂直偏波として無指向性となるように基板に取り付け、基板に整合回路と送受信回路とを備えた移動用電話機用平衡ダイポールアンテナが提案されている。(特許文献1)
また、別の例として、ダイポールアンテナとして、若しくはモノポールアンテナとして切り替える接続部を備えた車載用切り替えアンテナが提案されている。(特許文献2)
更には、磁性基体と磁性基体を貫通する線状の導体を有するチップアンテナであって、前記磁性基体を貫通する線状の導体が接続導体により互いに直列に接続されているチップアンテナが提案されている。(特許文献3)
上記従来例に記載されるようなモノポールタイプのアンテナによって、小型化を図ることは可能であるが、広帯域化に対しては以下のような問題がある。モノポールタイプのアンテナはその長さに対応した共振周波数で最も強く共振する。したがってデジタルテレビ放送の受信に用いた場合、比較的狭い一定の周波数範囲内では所定の性能を得ることは可能である。しかし、デジタルテレビ放送帯域の低い周波数から高い周波数帯域に亘って一定レベル以上の利得は得ることができず、特に低い周波数帯域において利得が低下気味になる。さらにモノポールタイプのアンテナを使用した場合、無指向性で利得も低いためパソコン等の情報機器を近接して配置するとパソコン等のCPUやLCDから発生するノイズ電磁波の影響を受けやすくなる。このため送信電波の強電界地域でなければモノポールタイプのアンテナでは受信映像、音声の状態が良くないといった問題があった。
また特許文献1および特許文献2に移動通信機器用にダイポールアンテナを使う例があるが磁性基体をアンテナ素子に利用していないため広帯域は期待できず、信号源やチューナー部からのノイズ電磁波の影響を少なくするようにスペースを設けたり、アンテナの配置方向の工夫がなされたものではない。特許文献3には磁性基体を利用したモノポールアンテナの例が記載されているが、モノポールアンテナのみの構成であり送受信回路等は無く、ノイズ電磁波の影響を少なくすることまでを考慮したものではない。
そこで本発明では、主にパソコン等の情報機器用外付け型受信機器としてノイズ電磁波の影響を受けにくく、デジタルテレビ放送帯域内の低い周波数帯域でも、良好な受信映像、音声の状態を得ることができ、送信回路も搭載でき、送信にも使用できる通信機能を備えた外付け型の情報端末機器を提供することを目的とする。
本発明の通信機能を備えた外付け型情報端末機器は、第1の基体と、前記基体内を通る第1の導体とを有する第1のアンテナ素子と、第2の基体と、前記第2の基体内を通る第2の導体とを有する第2のアンテナ素子とからなるダイポールアンテナと、チューナー部とを搭載したことを特徴とする。かかる構成によれば、前記外付け型情報端末機器はダイポールアンテナ、チューナー部の順に接続され、ダイポールアンテナのジョイント部側、チューナー部は一つの筐体に収納される。前記ダイポールアンテナは前記筐体のパソコンとの接続端子側とは筐体を介して離れた側に設けられているので、パソコンからのノイズ電磁波の影響を受けることが少なくできる。また、前記ダイポールアンテナは基体と、前記基体内を通る導体で構成されるアンテナ素子からなり、基体は磁性体セラミックスで形成するので、通常のダイポールアンテナに比べて長さを短くできるとともに、広帯域化に寄与している。
本発明の通信機能を備えた外付け型情報端末機器は、前記第1および第2のアンテナ素子が、それぞれ前記第1および第2のアンテナ素子の保持角度が可変可能なジョイント部を備えることを特徴とする。かかる構成によれば、ジョイント部は2つの回転軸で同時に回動可能とすることができるので、それぞれアンテナ素子の保持角度を自由に可変することができる。このことにより受信信号が最大になるように、かつパソコンからのノイズ電磁波の影響を少なくするように適宜ダイポールアンテナを構成する第1、第2のアンテナ素子の開度角度を設定することができる。
前記第1および第2のアンテナ素子は支持部材に搭載され、該支持部材の支持角度が可変可能なジョイント部を備えることを特徴とする。かかる構成によれば、ジョイント部は支持部材が基板の面と平行に回動可能に基板に取り付けられている。したがって前記通信機能を備えた外付け型情報端末機器の未使用時には、前記第1および第2のアンテナ素子が搭載された支持部材を、ジョイント部の回動により前記アンテナ素子が突出しないように前記通信機能を備えた外付け型情報端末機器の筐体に沿わせるができる。
本発明の通信機能を備えた外付け型情報端末機器は、前記基体が複数個からなることを特徴とする。かかる構成によれば、前記第1、第2のアンテナ素子は導体を軸に基体を複数串ざし状に構成することができる。基体は磁性体セラミックス等からなるので長くすると衝撃に対して弱いが、本構成とすることによりアンテナ素子に柔軟性を持たせることができ、破損することが少なくできる。また基体長さを短くするので製造も容易となる。
本発明の通信機能を備えた外付け型情報端末機器は、本発明の基体が六方晶フェライトからなることを特徴とする。かかる構成によれば、前記六方晶フェライトの基体は、プラーナと呼ばれるZ型、Y型等である。これらフェライト材料を含む複合材等も用いることができるが、フェライトの焼結体であることが好ましく、特にY型フェライトを用いることが好ましい。
前記第1のアンテナ素子および/または第2のアンテナ素子の導体はミアンダ状に形成され、該ミアンダ状に形成された導体の途中に基体が設けられていることを特徴とする。かかる構成によれば、ミアンダ状に形成された導体の途中に前記基体が串団子状に分割されてかつ基体同士の長手方向側面が平行になるように設けられている。このように形成することにより棒状のアンテナ素子を、該アンテナ素子全体を棒状のアンテナ素子に比べ一辺が短い長方形状にまとめることができる。
本発明のチューナー部は、テレビ電波および/またはラジオ電波の受信用であることを特徴とする。かかる構成によれば、デジタルテレビ電波および/またはデジタルラジオ電波を受信するチューナー部であっても本発明のダイポールアンテナを一つ用いるだけでデジタルテレビ電波およびデジタルラジオ電波をカバーすることもできる。
本発明によれば、小型化、広帯域化に有利な導体と基体からなるダイポールアンテナをパソコンの外付け型情報端末機器に搭載する構成としたことにより、特に地上デジタルテレビ放送帯域内の低い周波数から高い周波数帯域までパソコンのCPUやLCDから発生するするノイズ電磁波の影響を少なくでき、良好な受信映像、音声および送信の状態を得ることが出来る。また広い周波数帯域でVSWRが低くて、高い利得と指向性が得られる。
以下、本発明について具体的な実施形態を示しつつ説明するが、本発明はこれらの実施形態に限定されるものではない。なお、同一部材については同一の符号を付してある。
図1に本発明に係る通信機能を備えた外付け型情報端末機器の実施形態の一例を示す。図1の通信機能を備えた外付け型情報端末機器Aは、磁性基体を用いたダイポールアンテナ1とチューナー部40とを搭載した情報端末機器である。該通信機能を備えた外付け型情報端末機器Aは情報機器(パソコン)60のUSB端子に接続して用いることができる。図1は平面図(アンテナが基板に実装されている状態で、基板面に対して垂直に見た図)である。図1に示す通信機能を備えた外付け型情報端末機器Aは、第1の基体12と、前記基体内を通る第1の導体13とを有する第1のアンテナ素子11と、第2の基体22と、前記第2の基体内を通る第2の導体23とを有する第2のアンテナ素子21とからなるダイポールアンテナ1と、ジョイント部24と、バラン31と、整合回路32と、チューナー部40とを搭載した情報端末機器である。
バラン31と、整合回路32と、チューナー部40の配置関係は、たとえば図11(a)に示すように配置し、前記チューナー部40 には受信回路41のみが内蔵されている。また図11(b)に示すように前記チューナー部40 にバラン31と、整合回路32と受信回路41を内蔵し、更には送信回路42が内蔵されていても良い。また図11(c)に示すように前記チューナー部40 には受信回路41のみが内蔵され、更には送信回路42がチューナー部40とは別に配置されていても良い。以上のように前記ダイポールアンテナは、バランだけでなく整合回路とを介してチューナー部や送受信回路に接続されるのでモノポールアンテナはいうまでもなく、通常のダイポールアンテナのみの場合と比べても広い周波数帯域でVSWRが低くて、高い利得が得られる。前記受信回路41はデジタルテレビの受信回路だけでなく、デジタルラジオや携帯電話若しくは無線LANなどの受信回路とすることができる。また前記送信回路42は無線LANや携帯電話の送信回路とすることができる。
はじめにダイポールアンテナのアンテナ素子の角度を自由に可変できることと、その効果について説明する。前記基体12内を通る線状の導体13の給電側端部はジョイント部14を介してバラン31に、基体22を通る線状の導体23の給電端側端部はジョイント部24を介してバラン31にそれぞれ接続する。この場合、ジョイント部14、24の可動部側は前記第1のアンテナ素子11と、第2のアンテナ素子21にそれぞれ接続される。該ジョイント部14、24の固定部側は前記第1のアンテナ素子11と、第2のアンテナ素子21が基板50の面と平行になるように基板50に取り付けられる。また前記ジョイント部14、24の固定部側軸心が、接続端子51の接続面と平行になるように設けられている。このため前記第1および第2のアンテナ素子11、12はパソコン60の筐体の側面と平行となすことができる。さらに前記ジョイント部14、24はその軸心に対して2つの垂直な回転軸で同時に回動可能とすることができるので、それぞれアンテナ素子の角度を基板50の面と平行な方向、垂直な方向に対して自由に可変することができる。
ダイポールアンテナはダイポールアンテナのアンテナ素子と直角な方向にアンテナ素子を中心軸として8の字状に指向性を持つ。本発明ではこの特性を発揮させるために受信信号または送信信号が大きくなるように、かつパソコンからのノイズ電磁波の影響を小さくなるように前記ダイポールアンテナ1を構成する第1のアンテナ素子11と、第2のアンテナ素子21がなす角度を自由に設定することができる。例えば前記外付け型情報端末機器Aを前記パソコンのUSB端子に接続して、前記パソコンのUSB端子側の側面を電波の飛来方向または放射方向に向け、前記第1のアンテナ素子11と、第2のアンテナ素子21を電波の飛来方向または放射方向に対してV字状に開くように設定すれば、ダイポールアンテナの基本形に比べ前記飛来方向または放射方向に対して電界が集中するので利得が高く、V字状の前記飛来方向または放射方向とは反対の方向に対しては利得が低くなり、V字状に開いた反対の方向となるパソコンからのノイズ電磁波の影響を少なくすることができる。
前述のようにジョイント部14、24は前記第1のアンテナ素子11と、第2のアンテナ素子21が基板50の面と平行に時計の針が回転するがのごとく回動可能になるように基板50に設けられている。このため構造的な利点として、前記通信機能を備えた外付け型情報端末機器Aの未使用時には図1(a)の矢印方向にジョイント部24を回動させ、前記第1のアンテナ素子11と、第2のアンテナ素子21を前記通信機能を備えた外付け型情報端末機器Aの筐体側面に沿わせるように該通信機能を備えた外付け型情報端末機器Aの筐体と一体化した直方体形状にまとめることができる。使用時には前記第1のアンテナ素子11、第2のアンテナ素子21を図1(b)の矢印方向に回動させることにより広げてダイポールアンテナ1として構成することができる。
次に、本発明に係るダイポールアンテナと送受信回路との間にバランおよび整合回路を設ける構成とすることにより優れる点を説明する。一般的にバランはアンテナと送受信回路の平衡と不平衡を変換するLC素子であり、アンテナと送受信回路の間にバランのみを挿入することで整合性は確保される。しかし本願発明ではバランの後段に更にLC素子による整合回路を挿入することによりバランの周波数特性が補正されさらに整合性を良くすることができる。その結果VSRWがより改善され、広帯域において高利得なアンテナとすることができる。例えばバラン31と、整合回路32を直列に接続した場合は、図5に示す回路を用いる。図5の例では、キャパシタCn、インダクタLn(n=1〜4)でバランを、キャパシタCm、インダクタLm(m=a,b)で整合回路を構成している。アンテナ側のC1とL1の接続点にアンテナ素子の導体を接続し、回路側のC3とL2の接続点にはLaを接続し、Cbの送受信回路側には送受信回路を接続する。
次に、本発明に係るチューナー部の優れる点を説明する。前記チューナー部にはアンテナをのぞく前記通信機能を備えた外付け型情報端末機器の主要部分を内蔵することができる。図1の例では前記チューナー部40 にはバラン31と、整合回路32と受信回路41が内蔵されている。更には送信回路42が内蔵されていても良い。このような構成とすることによりチューナー部を1チップとすることができるので前記通信機能を備えた外付け型情報端末機器Aの筐体をコンパクトにすることができるとともに、製造工程が大幅に削減できる。また図4の例では前記チューナー部40 には受信回路41のみ内蔵され、バラン31と整合回路32とが内蔵されていない。更には送信回路42がチューナー部40とは別に設けられていても良い。このような構成とすることによりバラン31、整合回路32、受信回路41、送信回路42を個別に取り替え可能となり、設計変更がし易く設計変更が生じた場合の製造費用も削減できる。また前記構成要素の配置の自由度が高まるので前記通信機能を備えた外付け型情報端末機器Aの筐体の形状設計も容易となる。
次に、本発明に係る通信機能を備えた外付け型情報端末機器の実施形態の別の一例を示す。図4の通信機能を備えた外付け型情報端末機器Aは、別の実施形態のダイポールアンテナを搭載した情報端末機器である。該通信機能を備えた外付け型情報端末機器Aは情報機器(パソコン)60のUSB端子に接続して用いることができる。図4は平面図(アンテナが基板に実装されている状態で、基板面に対して垂直に見た図)である。図4に示す通信機能を備えた外付け型情報端末機器Aは、第1の基体12と、前記基体内を通る第1の導体13とを有する第1のアンテナ素子11と、第2の基体22と、前記第2の基体内を通る第2の導体23とを有する第2のアンテナ素子21とからなるダイポールアンテナ1と、バラン31と、支持部材25と、ジョイント部14と、整合回路32と、チューナー部40とを搭載した通信機能を備えた外付け型情報端末機器である。
バラン31と、整合回路32と、チューナー部40の配置関係は、たとえば図11(a)に示すように配置し、前記チューナー部40 には受信回路41のみが内蔵されている。また図11(b)に示すように前記チューナー部40 にバラン31と、整合回路32と受信回路41を内蔵し、更には送信回路42が内蔵されていても良い。また図11(c)に示すように前記チューナー部40 には受信回路41のみが内蔵され、更には送信回路42がチューナー部40とは別に配置されていても良い。以上のように前記ダイポールアンテナは、バランだけでなく整合回路とを介してチューナー部や送受信回路に接続されるのでモノポールアンテナはいうまでもなく、通常のダイポールアンテナのみの場合と比べても広い周波数帯域でVSWRが低くて、高い利得が得られる。また前記受信回路41はデジタルテレビの受信回路だけでなく、デジタルラジオや携帯電話若しくは無線LANなどの受信回路とすることができる。また前記送信回路42は無線LANや携帯電話の送信回路とすることができる。
前記第1のアンテナ素子11は図1の前記第1の実施例の第1のアンテナ素子11と同じ構造であるが、前記第2のアンテナ素子21は導体23がミアンダ状に形成されている。ミアンダ状に形成された導体23の途中に基体22が串団子状に分割されてかつ基体22同士の長手方向側面が平行になるように設けられている。このように形成することにより直線状のアンテナ素子に比べ、前記第2のアンテナ素子21の長さ方向が短くなり、幅方向が広くなるので方形状のサブ基板25に搭載することができる。このように前記第2のアンテナ素子21をサブ基板25にコンパクトに搭載することができるので、図4(a)のように前記情報端末機器Aがパソコンの右側面に取り付けられる場合でもキーボード操作時に邪魔にならい。前記第2のアンテナ素子21をこのように形成した場合でもダイポールアンテナとしての機能は保たれ、特性としてもほとんど変わらない。
この実施例では前記第1のアンテナ素子11と、前記第2のアンテナ素子21と、バラン31とをサブ基板25等を用いて一体的に搭載する。ジョイント部24は支持部材25が基板50の面と平行に回動可能に基板50に取り付けられている。したがって前記通信機能を備えた外付け型情報端末機器Aは、未使用時には図4(a)の矢印方向にダイポールアンテナ1が搭載された支持部材25をジョイント部14により回動させ、前記通信機能を備えた外付け型情報端末機器Aの筐体と一体化するように前記通信機能を備えた外付け型情報端末機器Aを直方体形状にまとめることができる。もちろん前記第2のアンテナ素子21だけでなく前記第1のアンテナ素子11もミアンダ状に形成することができる。使用時には前記第1のアンテナ素子11、第2のアンテナ素子21を図4(b)の矢印方向に回動させることにより広げてダイポールアンテナとして構成することができる。
尚、サブ基板25は図4の場合だけでなく図1の場合にもダイポールアンテナ1と、バラン31と、ジョイント部14とを基板50とは別のサブ基板25に搭載することもできる。このことにより通信機能を備えた外付け型情報端末機器Aの構造上の制約条件を少なくすることができ、前記通信機能を備えた外付け型情報端末機器Aの筐体形状も設計の自由度を高めることができる。例えばサブ基板25を基板50に対して垂直とすることにより筐体の長手方向の長さを短くすることができる。
本発明は磁性基体をアンテナ素子に利用してダイポール化したアンテナを用いている。このため次に磁性基体部分による効果を説明する。第1、第2のアンテナ素子は磁性体からなる基体と、該基体内を通る導体からなるので、磁性体による波長短縮の効果により導体のみからなるアンテナ素子に比べ長さを短くすることができる。この波長短縮の原理を説明する。基体として磁性体を使用する場合、磁性体を貫通する導体の全周に磁性体が存在することになるので磁界は導体の周りに同軸状にできる。その結果、基体が持つ透磁率が高くなることによる。波長短縮後のアンテナ長さL2は磁性基体の初透磁率をμ、基体の実長さをL1とすると、L2=L1×√μで示される。
つまり本発明では前記ダイポールアンテナのアンテナ素子部分を、導体が磁性基体を貫通する構造とすることにより、磁性基体による波長短縮効果が生じダイポールアンテナの基本形よりアンテナ素子の長さが短くなる。そのためアンテナ素子と、情報機器(パソコン)60のグランド部分のアンテナ素子が対向する部分(例えば図1(a)で、前記第1のアンテナ素子11と、第2のアンテナ素子21が情報機器(パソコン)60側に投影する長さ部分)が少なくなる。この結果アンテナ素子と前記グランド部との容量結合が減少することで利得が向上し帯域幅が広がる。更に情報機器(パソコン)60から放射されるノイズ電磁波をアンテナ側で受信し難くなり前記通信機能を備えた外付け型情報端末機器Aの受信状態が相対的に向上する効果がある。またアンテナ素子が短くなるので取り扱い易くなる。
また図2に示すように磁性基体内を導体が貫通する構造なので、ヘリカル電極を有する磁性基体アンテナのように導体が基体に巻回されていない。したがってヘリカル電極の線間容量成分に相当するものがなく、帯域全体の利得を向上させることができる。つまり帯域を拡大するうえで優れた構成となる。
通信機能を備えた外付け型の情報端末機器には取り扱い上ある程度の構造的強度が要求される。そのため基体の強度について詳しく説明する。基体が磁性基体の場合、セラミックスを基体の母体材質とするため過大な衝撃が加わったときには割れる可能性がある。外付け型通信機器においては、取り付け取り外し時に誤って落下させてしまう可能性が有る。この落下の場合衝撃が加わるが、アンテナの信頼性を高めるためには、高い耐衝撃性が要求される。このため基体の長手方向を短くしておけば、外力に対する基体の信頼性を高めることができる。
次に基体の強度対策について説明する。例えば図1や図4では前記第1のアンテナ素子11と、第2のアンテナ素子21は基体が分割され、一本の導体13が前記分割された基体を貫通している構造であるため、前記分割された基体は一直線上に並ぶことになる。基体を分割構造とする場合、個々の基体の長さを小さくすることもできる。このため、柔軟性が生じ構造的強度が高まり割れにくく、アンテナの信頼性向上に寄与する。一方前記第1、第2のアンテナ素子の基体内を通る導体13‘は必ずしも一本の導線で構成されていなくてもよい。例えば、図3に示すように個々の基体にそれぞれ導体13‘を貫通させて該導体13‘の端部26を若干突出させておき、該端部26同士をハンダ付け等により接続しても良い。ただし、連続した一本の線状の導体13で構成すれば、接続数を減らすことができ、アンテナの製造工程の簡略化や製品信頼性の向上を図ることができる。
次に、基体を導体が一本貫通している構造と効果について詳しく説明する。図2に、アンテナを構成する基体が磁性基体によるアンテナ素子の一例を示す。図2の(a)は斜視図、(b)は長手方向に沿って導体を含んだ断面図、(c)は長手方向に垂直な方向での断面図である。図2に示す構成は、直線状の導体13が直方体状の基体12をその長手方向に貫通している。直線状の導体は、磁界が該導体を周回するように形成するため基体の外側の面からの距離は一定で基体の中心軸を貫通していることが好ましい。また基体12の内部には、放射導体として機能する直線状の導体が一本だけ貫通している構造なので、該導体は基体内部で導体同士が対向する部分を持たず、容量成分の低減には特に有効である。また、直線状の導体13が基体12を貫通している構造なので、基体に導体を巻回する場合に比べて、アンテナ素子全体の小型化を図ることができる。
次に磁性体チップアンテナ部分によって広帯域化が可能となる理由を説明する。たとえばデジタルテレビ放送で使用する周波数帯域は470〜770MHzと広い。更にデジタルラジオ放送帯域である188MHz〜192MHzまでを含めると、より広帯域を要求される。該帯域全域で良好な受信品質を得るには該帯域全域に亘って一定以上の利得と低いノイズレベルを維持することが必要である。
まず広帯域化のためにはアンテナのQ値を下げることが必要となるが、Q値はインダクタンスをL、容量をCとすると(C/L)1/2で表されるため、Lを上げる一方、Cを下げる必要がある。たとえば基体として誘電体を用いた場合には、基体に導体を巻回するが、インダクタンスLを上げるためには導体の巻き線数を増やす必要がある。しかし、巻線数の増加は線間容量の増加を招くため、アンテナのQ値を効果的に下げることができない。
本発明に係るアンテナ素子は、上述のように容量成分の低減に効果的な、直線状の導体が磁性基体を貫通する構成であるので、基体に導体を巻回する方法とは異なり透磁率でインダクタンスLを上げることができる。したがって巻線による線間容量Cの増加が無いので、Q値を下げることができアンテナの広帯域化に特に顕著な効果を発揮するのである。たとえば磁路は前記導体を周回するように基体内に閉磁路を構成する。該構成で得られるインダクタンス成分Lは導体を覆う基体部分の長さや断面積に依存する。よって、前記アンテナ素子は、効率よくL成分を確保しアンテナの小型化を図ることができる。もちろん基体として誘電体を用いることができるが、前述のように周波数帯域を広くするには磁性基体を導体が貫通する構成のほうが有利である。
さらに、基体の分割について説明する。本発明では例えば上述した図1や図4の例のようにアンテナ素子の基体を導体の長手方向に複数個に分割することもできる。この理由は上述のように、本発明に係るアンテナ素子における磁路は、導体の中心軸を周回するように形成されるため、基体が導体の長手方向に複数個に分割されても、分割したことがインダクタンス成分Lの形成に与える影響は原理的に極めて小さいからである。これに対して、例えば誘電体の基体に導体を巻回して形成するヘリカル電極の場合は、基体内の磁路は巻回したコイルの中心軸方向(基体の長手方向を貫くように)に形成されるため、基体を分割すると磁路が分断されL成分は著しく低下する。
基体の形状は、特に限定するものではないが断面は長方形、正方形又は円形で、外観形状としては直方体、円柱等とすることができる。安定な実装を実現する上では直方体の形状が好ましい。また、直方体の場合には、長手方向に垂直な方向に位置する角の部分に面取りを設けることが好ましい。面取りを設けることによって、例えば基体に磁性基体を使用する場合は磁束が漏れにくくなるほか、チッピング等の不具合も防止できる。面取りの仕方は、角部を直線状に切り落とす方法であってもよいし、曲面状にする方法でもよい。面取りの幅(磁性基体の側面において面取り部分によって失われている長さ)は、その実質的な効果を発揮するためには0.2mm以上であることが好ましい。一方、面取りが大きくなると直方体形状であっても安定な実装が困難になるので1mm以下(基体の幅または高さの1/3以下)が好ましい。また各アンテナ素子の基体の長さは必ずしも同一でなくてもよいが、同一とすることにより製造工程の簡略化が図られる。
また、基体を貫通する導体の断面形状も特に限定するものではないが、例えば円形、正方形、長方形等である。すなわち、導体としては線状(ワイヤ)、箔状(リボン)のものを用いることができる。例えば基体に磁性基体を使用する場合は導体の断面形状と基体の断面形状を略相似とし、導体の外周を同軸状に取り囲む基体の厚さを一定にすると、均一性の高い磁路が形成されるので好ましい。ここで断面とは前記基体の長手方向に垂直な断面を指す。
また、基体を貫通して使用される導体には42アロイ、コバール、リン青銅、コルソン系銅合金など硬度の高い導体材料が好ましい。これらの材質は特に導体の両端を屈曲せず直線状のまま使用する場合に適する。導体にはポリウレタンやエナメル等の絶縁被覆を設けてもよい。例えば基体に体積抵抗率の高い、例えば1×105Ω・m以上の磁性基体を用いることで絶縁被覆を設けることなく絶縁を確保することも可能であるが、絶縁被覆を設けることによって、特に高い絶縁性が得られる。この場合絶縁被覆の厚さは25μm以下が好ましい。
前記の磁性基体としては、Ni−Zn系フェライト、Li系フェライトに代表されるスピネル型フェライト、プラーナと呼ばれるZ型、Y型等の六方晶フェライト、これらフェライト材料を含む複合材等を用いることができるが、フェライトの焼結体であることが好ましく、特にY型フェライトを用いることが好ましい。フェライトの焼結体は体積抵抗率が高く、導体との絶縁を図るうえで有利である。体積抵抗率の高いフェライト焼結体を用いれば、導体との間に絶縁被覆を必要としなくなる。
一般的にフェライトをアンテナに用いた場合、アンテナの損失は磁気損失tanδ×透磁率μに比例するが、磁気損失tanδは極力小さいのが好ましく、透磁率μは2〜6程度が好ましい。なかでも六方晶フェライトのうち後述する表1のY型フェライトは、3GHz以上の高周波まで透磁率μが2〜6程度に維持される点と、3GHzまでの周波数帯域で磁気損失tanδが小さい点から、日本国内のデジタルラジオ放送帯域(188MHz〜192MHz)やデジタルテレビ放送帯域(470MHz〜770MHz)からUMTS帯(1710〜2170MHz)までをも含むアンテナ素子にも好適である。かかる場合、Y型フェライトの焼結体を磁性基体として用いればよい。Y型フェライトの焼結体は、Y型フェライト単相に限らず、Z型やW型等他の相を含有するものであってもよい。
前記六方晶フェライトであるY型フェライトの1GHzにおける初透磁率を2以上で、損失係数を0.1以下、より好ましくは0.05以下とすると、日本国内のデジタルテレビやデジタルラジオの放送帯域においても広帯域、高利得のアンテナ素子を得る上で有利である。初透磁率が低くなりすぎると、広帯域化を図ることが困難となる。また、損失係数、すなわち磁気損失が大きくなると磁性体チップアンテナとして利用した場合、利得が低下する。アンテナ素子として−5dBi以上の平均利得を得るためには、損失係数は0.05以下が好ましい。更に損失係数を0.03以下と低くすると、特に利得の高いアンテナ素子を得ることができる。
このように本発明の磁性基体をアンテナ素子に用いた構造は前述のように容量成分を形成しにくいため、比誘電率が多少大きくなってもアンテナ素子の内部損失の増加が抑制される。損失の観点からは、比誘電率は低いことが好ましいが、本発明の磁性基体をアンテナ素子に用いた構造ではアンテナの内部損失が比誘電率の影響を受けにくい。したがって、共振周波数のばらつきを抑えるために、基体には誘電率の大きい誘電材料を用いることもできる。この場合、比誘電率は4以上が好ましく、より好ましくは6以上である。
本発明のアンテナ素子の被覆および保護について説明する。磁性基体はその材料特性から衝撃に対して弱い。本発明の図1や図4の実施例では対衝撃性を高めるため磁性基体に分割して、導体を軸に繋がってアンテナ素子を構成している。しかしながら磁性基体を分割することにより柔軟性は生じるものの、実用性の観点からアンテナ素子全体を被覆して一体化する必要がある。よって図3に示すように被覆部70として樹脂などにより磁性基体を含めたアンテナ素子全体の表面をジョイント部との接続部分まで覆うなどして固めるのが良い。被覆の厚さは層厚さ0.5mm程度が好ましい。樹脂には通信機能を備えた外付け型情報端末機器の筐体色とのバランスを考慮して適宜着色剤を混合することもできる。
次に、本発明に係るアンテナの構成をダイポールアンテナとすることにより優れる点を説明する。本発明のダイポールアンテナのアンテナ素子は磁性体からなる基体と、該基体内を貫通する導体からなる。一般にダイポールアンテナは、λ/4で共振する無指向性のモノポールタイプのアンテナとは異なりλ/2の長さを有し、アンテナ素子の長手方向と直角な方向に指向性を有し、該方向の利得もモノポールタイプのアンテナに比べ高い。
また、基体を貫通して使用される導体には42アロイ、コバール、リン青銅、コルソン系銅合金など硬度の高い導体材料が好ましい。これらの材質は特に導体の両端を屈曲せず直線状のまま使用する場合に適する。導体にはポリウレタンやエナメル等の絶縁被覆を設けてもよい。例えば基体に体積抵抗率の高い、例えば1×105Ω・m以上の磁性基体を用いることで絶縁被覆を設けることなく絶縁を確保することも可能であるが、絶縁被覆を設けることによって、特に高い絶縁性が得られる。この場合絶縁被覆の厚さは25μm以下が好ましい。これが厚くなりすぎると基体と導体との隙間が大きくなり、インダクタンス成分が減少する。
以下ここで、本発明の磁性基体の製作方法と実施例を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例によって限定されるものではない。
はじめに図2に示す本発明のY型の六方晶フェライトからなる磁性基体の製作にあたっては、主成分であるFe2O3、BaO(BaCO3を使用)、SrO(SrCO3を使用)、CoO(Co3O4を使用)、ZnOを、この順に60mol%、12mol%、8mol%、12mol%、8mol%のモル比となるように秤量し、この主成分100重量部に対してLi2CO3を0.5重量部添加し、水を媒体として湿式ボールミルにて16時間混合した。
次に、この混合粉を乾燥後、大気中1000℃で2時間、仮焼した。この仮焼粉を、水を媒体とした湿式ボールミルにて18時間粉砕した。得られた粉砕粉にバインダー(PVA)を1%添加し、造粒した。造粒後リング状および直方体状に圧縮成形し、その後酸素濃度を変えた雰囲気中で焼成温度を1150〜1200℃まで変えて、それぞれ3時間焼結し、焼結体を得た。比較のためにSrOを含有せず(その分BaOを8mol%増やす)、Fe2O3、BaO、CoO、ZnOをそれぞれ60mol%、20mol%、12mol%、8mol%のモル比となるように秤量して、焼成温度を1180〜1200℃まで変えて、それぞれ3時間焼結し、焼結体を作製した。これら得られた外径7.0mm、内径3.5mm、高さ3.0mmのリング状焼結体の焼結体密度と25℃、500MHzの初透磁率μiおよび損失係数tanδを測定した。その測定結果を表1に示す。なお、密度測定は、水中置換法により測定し、初透磁率μiおよび損失係数tanδは、インピーダンス・ゲインフェイズ・アナライザー(Hewlett・Packard社製4291B)を用いて測定した。
表1に示すフェライト焼結体はいずれもY型フェライトが主相である。前記主成分のうちSrOを0mol%とし、ZnOを8mol%としたNo4、5のフェライト焼結体では焼成温度を1200℃から1180℃に下げることにより焼結体密度が低下すると、損失係数が0.08から0.05と低下するが、初透磁率も6.6から5.5と低下することがわかる。これに対して前記主成分のうちSrOを8mol%とし、ZnOを8mol%としたNo1〜3のフェライト焼結体では焼成温度を下げることにより焼結体密度を変化させても初透磁率は4.7程度で、ほとんど変化しないという特異な挙動を示している。一方損失係数は焼結体密度が減少するにしたがって0.10から0.03と低下しており、焼結体密度の減少によって初透磁率を維持しつつ、損失係数を小さくできることがわかる。表1のNo1では焼結体密度が4.73×103kg/m3で、500MHzに於いて初透磁率μiは4.7、損失係数tanδは0.03を実現した。尚、表1のNo1では1GHz程度まで損失係数0.03が得られた。本発明では高透磁率でありながら低損失係数である表1のNo1のフェライト焼結体を使用した。
上記磁性部材の製作方法は磁性体粉末のみを用いて混練、焼成したものであるが、磁性体粉末と樹脂材を混合、固化して複合部材としたものを複合磁性部材として利用することもできる。この場合樹脂で固めることにより磁性体粉末のみの場合に比べて強度を向上させることができる。また磁性体粉末と樹脂材の混合比率を変えることができるため磁性部材の密度を変えることが容易となる。
また別な製造方法としては基体と導体を一体で形成してもよい。例えば、基体が磁性体で構成される場合、すなわち磁性体の粉末の中に導線を配した状態で圧縮成形し、その後焼結する方法で形成することができる。また、基体と導体を一体で形成する方法として、グリーンシートを積層する積層プロセスを採用することもできる。磁性体粉末と結合剤、可塑剤の混合物をドクターブレード法等でシート成形してグリーンシートを得て、該グリーンシートを積層して積層体を得る。グリーンシートにAg等の導体ペーストを直線状に印刷して導体が貫通している磁性基体を得ることができる。
次に図1に示す本発明に係る通信機能を備えた外付け型情報端末機器に搭載するダイポールアンテナの実施例について説明する。本実施例では基体12、22の長さ55mm、直径4mmの円柱状で初透磁率μが4.7の磁性材料を前記基体に使用した。この場合の波長短縮効果による実効長さ(基体10の実長さ55mm×√4.7)は120mmとなり、該長さは550MHzの略λ/4である136mmに相当する。この導体が貫通した磁性基体2つでダイポールアンテナのアンテナ素子を構成し地上デジタルテレビ放送帯域に共振させることができる。このような構成とすることによりアンテナ素子が導体のみ、若しくは導体が貫通していない磁性基体の表面に逆F型アンテナ等の導体が印刷されたアンテナでは十分得ることの出来ない地上デジタルテレビ放送帯域内の低い側の周波数でVSWRが低く、高い利得が得ることができる。もちろん地上デジタルテレビ放送帯域より周波数の低いデジタルラジオ放送帯域に用いてもアンテナ素子を短くできるので、モノポールタイプのアンテナに比べ取り扱いが容易となる。
次に、アンテナ装置の共振周波数の調整方法について説明する。本発明のアンテナで使用する帯域を決めるには、まず中心周波数f0を決める必要がある。基体が磁性基体で構成される場合、あらかじめ対象とする周波数帯域に好ましい透磁率μと寸法から選定した磁性基体を、ダイポールアンテナを構成する2つの導体に装着する。最後に対象とする周波数帯域の中心周波数f0に合うように前記2つの導体の長さを調整して決める。磁性基体の大きさが大きいほど共振周波数は低くなるので、調整分を見込んで磁性基体の幅、高さを大きめに取っておく。基体を分割する場合は基体の一個あたりの長さを耐衝撃性に有効となるような長さとする。
次に、前記通信機能を備えた外付け型情報端末機器Aの性能の実測例について説明する。アンテナ性能の実測例の装置構成として、前記通信機能を備えた外付け型情報端末機器Aに前記ダイポールアンテナ1を実装した状態で、該通信機能を備えた外付け型情報端末機器Aの接続端子51をパソコン60に接続した。前記ダイポールアンテナ1を搭載した実施例を図10に示す。すなわち基板50に、ダイポールアンテナ、バラン、整合回路、チューナー部を搭載したものであり、図1に示す構成を具体化したものである。この例ではアンテナ素子の各寸法は前述の基体10の長さ55mm、直径4mmの円柱状を使用した。前記ダイポールアンテナ1から3m離れた位置に測定用アンテナ(図10の通信機能を備えた外付け型情報端末機器の右側に設置(図示せず))を設け、該測定用アンテナを50Ωの同軸ケーブルを介してネットワークアナライザに接続して、アンテナ特性を測定した。具体的には図10に示す基板50の横方向(基板の短辺方向)をX、それに直角な方向(基板の長手方向)をY、それらに垂直な方向すなわち基板の面に垂直な方向をZとし、XY面での平均利得と、VSWRを測定した。測定した周波数帯域は450〜850MHzである。
また図6には本発明の実施例である図10に記載のダイポールアンテナ1を実装した状態の前記通信機能を備えた外付け型情報端末機器Aをパソコン60に接続した場合と、該通信機能を備えた外付け型情報端末機器A単体で測定した場合のVSWRと周波数の関係を示す。図6に示すVSWRは、パソコン60に接続した場合と、該通信機能を備えた外付け型情報端末機器A単体での場合とで大きな違いは無く、本発明のダイポールアンテナ1を搭載した外付け型情報端末機器Aはパソコン60からの電磁気的影響が少ないことを示している。実施例では地上デジタルテレビ放送帯の低域側も高域側も低く、3.5以下となっていてVSWRが低い優れたアンテナ特性を示していることを確認している。
図7には本発明の実施例である図10に記載のダイポールアンテナ1を実装した状態の前記通信機能を備えた外付け型情報端末機器Aをパソコン60に接続した場合と、該通信機能を備えた外付け型情報端末機器A単体で測定した場合の平均利得と周波数の関係を示す。図7に示す平均利得は、パソコン60に接続した場合と、該通信機能を備えた外付け型情報端末機器A単体での場合とで大きな違いは無く、本発明のダイポールアンテナ1を搭載した通信機能を備えた外付け型情報端末機器Aがパソコン60からの電磁気的影響が少ないことを示している。実施例では地上デジタルテレビ放送帯の特に低域側での利得が低下しないのが特徴的で、帯域内の平均利得は全帯域で−5B以上を示し実用上十分な利得となっている。
本発明の実施例がノイズ電磁波の影響が少ないことのデータとして図8には前記実施例である図10に記載のダイポールアンテナ1をバラン31と整合回路32を介してスペクトルアナライザに接続した場合と、前記従来例のモノポールアンテナをスペクトルアナライザに接続した場合によるノイズ受信電力と周波数の関係の測定データを示す。図8では本発明のダイポールアンテナ1のノイズ電磁波の受信電力が平均−65dB程度とかなり低いことがわかる。更にはノイズ電磁波の受信電力が450〜600MHzおよび700〜850MHzでモノポールアンテナでは平均−55dBm程度であるが、本発明のダイポールアンテナでは平均−65dBm程度であり、モノポールアンテナに比べ平均7〜10dBmも低く、かつ一定の範囲での変動に収まっている。一般的にパソコンのUSB端子に前記情報端末機器Aを接続してテレビを視聴する場合は固定状態で使用することが多いので、一旦アンテナ状態を設定してしまえばモノポールアンテナに比べノイズの少ない良好な受信状態を広帯域に亘って安定して確保することができる。
また図9には本発明の実施例である図10に記載の前記ダイポールアンテナ1による指向性を示す。本発明の実施例ではX−Y平面において8の字状のダイポールアンテナ特有の指向性パターンを示している。
このようにダイポールアンテナのアンテナ素子部分に磁性体による基体を設け、ダイポールアンテナ部分を回動可能とし、ダイポールアンテナとチューナー部の間にバランと整合回路を挿入することにより、小型でありながら広帯域で感度が高く、パソコン等からのノイズ電磁波の影響を受けることが少なく、取り扱いも容易な通信機能を備えた外付け型情報端末機器とすることができる。ちなみに地上デジタルテレビ放送の各チャンネルについて、モノポールアンテナでは画像が途切れたりして不安定となる電界強度の地点で、本発明のダイポールアンテナを用いて受信を試みたところいずれのチャンネルにおいても画像が途切れることなく安定して受信することを確認した。
前記ダイポールアンテナおよびそれを用いて構成した前記通信機能を備えた外付け型情報端末機器は、受信だけでなく送受信可能な通信機器に用いることができる。例えば、携帯電話、無線LAN、パーソナルコンピュータ、地上デジタルテレビ放送関連機器等の通信機器にも用いることができ、これらの機器を用いた通信における広帯域対応に寄与する。
A:通信機能を備えた外付け型情報端末機器
1:ダイポールアンテナ
11、21:アンテナ素子
13、13‘、23:導体 12、22:基体
14、24:ジョイント部 25:サブ基板 26:端部
31:バラン 32:整合回路
40:チューナー部 41:受信回路 42:送信回路
50:基板 51:接続端子
60:情報機器(パソコン) 70:被覆部
1:ダイポールアンテナ
11、21:アンテナ素子
13、13‘、23:導体 12、22:基体
14、24:ジョイント部 25:サブ基板 26:端部
31:バラン 32:整合回路
40:チューナー部 41:受信回路 42:送信回路
50:基板 51:接続端子
60:情報機器(パソコン) 70:被覆部
Claims (7)
- 第1の基体と、前記基体内を通る第1の導体とを有する第1のアンテナ素子と、第2の基体と、前記第2の基体内を通る第2の導体とを有する第2のアンテナ素子とからなるダイポールアンテナと、チューナー部とを搭載したことを特徴とする通信機能を備えた外付け型情報端末機器。
- 前記第1および第2のアンテナ素子は、それぞれ前記第1および第2のアンテナ素子の保持角度が可変可能なジョイント部を備えることを特徴とする請求項1に記載の通信機能を備えた外付け型情報端末機器。
- 前記第1および第2のアンテナ素子とは支持部材に搭載され、該支持部材の支持角度が可変可能なジョイント部を備えることを特徴とする請求項1に記載の通信機能を備えた外付け型情報端末機器。
- 前記基体は、複数個からなることを特徴とする請求項1〜3に記載の通信機能を備えた外付け型情報端末機器。
- 前記基体は、六方晶フェライトからなることを特徴とする請求項1〜4に記載の通信機能を備えた外付け型情報端末機器。
- 前記第1のアンテナ素子および/または第2のアンテナ素子の導体はミアンダ状に形成され、該ミアンダ状に形成された導体の途中に基体が設けられていることを特徴とする請求項1〜5に記載の通信機能を備えた外付け型情報端末機器。
- 前記チューナー部は、テレビ電波および/またはラジオ電波の受信用であることを特徴とする請求項1に記載の通信機能を備えた外付け型情報端末機器。
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JP2008040800A JP2009200859A (ja) | 2008-02-22 | 2008-02-22 | 通信機能を備えた外付け型情報端末機器 |
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- 2008-02-22 JP JP2008040800A patent/JP2009200859A/ja active Pending
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