JP2009199834A - 燃料電池のエージング方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】膜電極接合体中のプロトン伝導パスの形成を促進させるばかりでなく、カソード電極に付着した有機物等の不純物を効率的に除去することができる燃料電池のエージング方法を提供する。
【解決手段】固体高分子電解質型の燃料電池100の膜電極接合体10に電源20を接続して燃料電池100のエージングを行う方法であって、膜電極接合体10のカソード電極15Aに酸素ガスを含む加湿したガス又は加湿した窒素ガスを供給し、膜電極接合体10のカソード電極15Bに水素ガスを供給すると共に、膜電極接合体10のカソード電極15Bに電源20の出力の正極21を接続し、膜電極接合体10のアノード電極15Bに電源20の出力の負極22を接続して、電源20により連続的に膜電極接合体10に電圧を印加する。
【選択図】図1

Description

本発明は、固体高分子電解質型の燃料電池のエージング方法であって、自動車等の車両の燃料電池に好適なエージング方法に関する。
燃料電池の一形態として固体高分子電解質型の燃料電池が知られている。固体高分子電解質型燃料電池は、他の形態の燃料電池と比較して作動温度が低く(−30℃〜100℃程度)、低コスト、コンパクト化が可能なことから、自動車の動力源等として期待されている。
このような固体高分子電解質型の燃料電池は、図5に示すように、膜電極接合体(MEA)10を主要な構成要素とし、それを空気(酸素)ガス流路17aおよび燃料(水素)ガス流路17bが形成されたセパレータ18A,18Bで挟持して、単セルと呼ばれる1つの燃料電池100を形成しており、これらを複数積層させることにより燃料電池スタックを形成している。
そして、膜電極接合体10は、イオン交換膜である電解質膜11と、電解質膜11の一方の側であるカソード側には、触媒層13aと拡散層14aを積層したカソード電極15Aと、他方の側であるアノード側には、触媒層13bと拡散層14bを積層したアノード電極15Bと、を有している。
ところで、固体高分子電解質型の燃料電池100は、セルの組み立て後において、プロトン伝導パスが充分に形成されていなことから、発電特性が低く不安定である。そこで、セル組み立て後に、エージングと呼ばれる電池電圧が飽和するまで初期馴らし運転(予備運転)を行ない、燃料電池100の発電を行なって、発電特性の安定化を図っている(例えば、特許文献1参照)。
また、別のエージング方法として、燃料電池のアノード電極側を電源の出力の正極に結線し、燃料電池のカソード電極側を電源の出力の負極に結線し、アノード電極にアノード媒質、カソード電極にカソード媒質を供給して、発電時における通電と同じ方向に、前記電源により、燃料電池の強制通電を行なっている(例えば、特許文献2参照)。
特開2007−66666号公報 特開2006−40869号公報
特許文献1に記載の燃料電池を発電させることによるエージング方法を行なった場合には、膜電極接合体にプロトンを伝導させることにより、膜電極接合体を構成する電解質膜やアイオノマー中のプロトン伝導パスをより形成することができる。しかし、プロトン伝導パスを形成させることにより、燃料電池の発電特性を安定させるまでには、発電を数時間から数十時間行なう必要があり、このエージングが工程のネックとなって、燃料電池の生産性を向上させることは難しくなる場合がある。
ところで、膜電極接合体の電極には、製造時に、有機物等の不純物が付着する。特に電極のうちカソード電極に不純物が付着した状態で発電した場合には、燃料電池の発電特性を充分に発揮することが難しい。このような場合、この不純物は有機物等であることから、高電位を付与することにより、例えば二酸化炭素と水等に電気的に分解して除去することが望ましい。
しかし、特許文献2に記載の強制通電によるエージング方法によれば、発電時における通電と同じ方向に通電を行っているため、カソード電極の電位を十分に高めることは難しい。この結果、カソード電極に付着した不純物の除去効果を充分に得ることができず、エージングにより発電特性を確実に向上させることが難しい場合がある。
本発明は、前記問題に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、膜電極接合体中のプロトン伝導パスの形成を促進させるばかりでなく、カソード電極に付着した有機物等の不純物を効率的に除去することができる燃料電池のエージング方法を提供することにある。
前記課題を解決すべく、本発明に係る燃料電池のエージング方法は、固体高分子電解質型の燃料電池に電源を接続して燃料電池のエージングを行う方法であって、前記燃料電池のカソード電極に酸素ガスを含む加湿したガス又は加湿した不活性ガスを供給し、前記燃料電池のアノード電極に水素ガスを供給すると共に、前記燃料電池のカソード電極側に前記電源の出力の正極を接続し、前記燃料電池のアノード電極側に前記電源の出力の負極を接続して、前記電源により連続的に前記燃料電池に電圧を印加することを特徴とする。
本発明に係る燃料電池のエージング方法によれば、燃料電池のカソード電極側に電源の出力の正極、燃料電池のアノード電極側に電源の出力の負極を接続して、電源により連続的に燃料電池に電圧を印加するので、発電時の通電方向とは逆方向に電流が通電され、アノード電極に対してカソード電極の電位を高めることができる。
この結果、カソード電極に付着した有機物等の不純物が分解可能なように、カソード電極に所望の電位を付与することが容易にできる。そして、カソード電極に残留した不純物を効率的に除去することにより、燃料電池の発電特性をこれまでの方法に比べて、短時間でかつ確実に向上させることができる。
また、カソード電極には加湿したガスを供給しているので、該ガス中に含まれる水をカソード電極において電気分解させることができる。そして、分解により生成されたプロトンを、アノード電極に向かって、膜電極接合体中に伝導させ、電解質膜や触媒層のアイオノマーにおいて、プロトン伝導パスの形成が促進される。
また、前記印加電圧によって、カソード電極に含まれる触媒を構成する白金(Pt)粒子の表面に、不動態皮膜である酸化皮膜(PtO)を形成することができる。このような白金粒子表面の不動態化により、エージング時における白金粒子からの白金の溶出を抑制することができる。
さらに、カソード電極に酸素ガスを含むガスを供給した場合には、以下の効果をも期待することができる。まず、第一に、酸素ガスを含む酸素ガス雰囲気下で、カソード電極を酸化雰囲気にすることにより、前記白金(Pt)粒子の不動態化をより促進させることができる。
第二に、酸素ガス雰囲気下において、カソード電極を構成するカーボン担体表面の官能基の形成を促進させることができ、触媒とアイオノマーとの界面形成が促進される。これは、疎水性を有するカーボンの表面に、親水性基(C−OH、C−OOH、C=Oなど)が付与されるからである。
また、本発明にかかる燃料電池のエージング方法によれば、電圧の印加を連続的に行なうことにより、白金の酸化・還元を繰返すような電位変動は抑制されるため、活性種である白金の溶出をさらに抑制することができる。
なお、本発明でいう「燃料電池」とは、電解質膜の両面に電極として、触媒層と拡散層が積層された膜電極接合体と、該膜電極接合体の挟持するセパレータと、を含む、単セルのものをいう。単セルである燃料電池のエージング方法は、燃料電池スタックとして積層させる前の燃料電池に対して行なってもよく、燃料スタックとして組み込まれた各燃料電池に対して行なってもよい。
また、本発明にいう「酸素ガスを含む加湿したガス」とは、酸素ガスを所定の割合で含むガスを加湿したガスであり、例えば、空気を加湿したガス、酸素ガスのみからなるガスを加湿したガスなどを挙げることができる。本発明でいう「不活性ガス」とは、窒素ガス、ヘリウムガス、ネオンガス、アルゴンガス等のガスをいう。
また、本発明に係る燃料電池のエージング方法において、前記電圧の印加を、カソード電極の電位が1.3〜1.5Vとなるように、行うことがより好ましい。
本発明によれば、カソード電極の電位を前記電位の範囲とすることにより、カソード電極において、カーボン担体が劣化することなく、上述した水の電気分解を確実に行なうと共に、カソード電極に付着した不純物を効率的に除去することができる。すなわち、カソード電極の電位が、1.3V未満である場合には、上述した水の電気分解は起こり難く、カソード電極の電位が、1.5Vを超えた場合には、カソード電極の触媒を構成するカーボン担体の腐食が発生し易くなる。
また、本発明に係る燃料電池のエージング方法において、前記電源として直流電源を用いることがより好ましい。すなわち、直流電源は電圧が安定しているので、直流電源の電圧の印加を連続的に行なうことにより、白金の酸化・還元を繰返すような電位変動は生じないため、活性種である白金の溶出をより一層抑制することができる。
また、本発明に係る燃料電池のエージング方法において、前記膜電極接合体のカソード電極の触媒を構成するカーボン担体として、600cm/g以下の低比表面積のカーボン担体を用いることがより好ましい。これにより、エージング中のカーボン担体の腐食を抑えることができるため、より高いエージング効果を得ることができる。
さらに、前記カーボン担体のラマン分光スペクトルにおけるGバンドに対するDバンドの面積強度比(D/G)が、2.0以下となるカーボン担体をカソード電極に用いることがより好ましい。
ここでいう、カーボン担体は、ラマン分光スペクトルにより分析した場合、ラマンシフトが1350cm−1付近及び1550cm−1付近に、ラマン分光スペクトルのピークが現れることが一般的である。「Gバンド」とは、このラマンシフトが1550cm−1付近のピークであり、グラファイト構造に起因したバンドを示し、「Dバンド」とは、1350cm−1付近のピークであり、アモルファス構造に起因したバンドを示している。
そして、Gバンドの面積強度に対するDバンドの面積強度の割合は、カーボン担体中に含まれるアモルファス構造の比率を示すことになり、面積強度比が2以下の場合には、高い結晶性を有するカーボン担体であるため、上述した腐食が発生し難く好適である。
本発明によれば、膜電極接合体中のプロトン伝導パスの形成を促進させるばかりでなく、カソード電極に付着した有機物等の不純物を効率的に除去することができる。
以下に、図面を参照して、本発明に係る燃料電池のエージング方法について説明する。図1は、本実施形態に係る燃料電池のエージング方法を説明するための図である。
図1に示すように、燃料電池100は、上述したように、膜電極接合体(MEA)10を主要な構成要素とし、それを空気(酸素)ガス流路17a及び燃料(水素)ガス流路17bが形成されたセパレータ18A,18Bで挟持して、単セルと呼ばれる1つの燃料電池100を形成している。これらの燃料電池100を複数積層させる(直列に配置する)ことにより燃料電池スタックが形成される。
そして、膜電極接合体10は、イオン交換膜である電解質膜11の一方の側であるカソード側には、触媒層と拡散層を積層したカソード電極15Aと、他方の側であるアノード側には、触媒層と拡散層を積層したアノード電極15Bと、を有している。
電解質膜11は、電解質(プロトン交換樹脂)を含んでおり、電解質に含まれるプロトン交換基として、スルホン酸基、カルボン酸基、リン酸基などを有するものが例示され、この中で、スルホン酸基が燃料電池の性能を発現する上で好ましく用いられる。このような、電解質としては、フルオロアルキルエーテル側鎖とパーフルオロアルキル主鎖を有するフルオロアルキル共重合体のパーフルオロ系プロトン交換樹脂が好ましく用いられ、例えば、デュポン社製ナフィオン(商標名)、旭化成製アシプレックス(商標名)、旭硝子製フレミオン(商標名)、ジャパンゴアテックス社製ゴア−セレクト(商標名)等が例示さる。また、それぞれの電極12A,12Bを構成する触媒層には、触媒担持導電体(例えば触媒として白金粒子を坦持したカーボン粒子)と、アイオノマーを含むポリマーと、を含んでいる。
このような燃料電池100に対して、以下に示すエージングを行う。図1に示すように、まず、直流電源20を準備し、単セルの固体高分子電解質型の燃料電池100の膜電極接合体10のカソード電極15A側のセパレータ18Aに直流電源20の出力の正極21を接続し、膜電極接合体10のアノード電極15B側のセパレータ18Bに直流電源20の出力の負極22を接続する。
次に、酸素ガス流路17aから、膜電極接合体10のカソード電極15Aに酸素ガスを含む加湿ガス(例えば加湿されたエア)を供給し、水素ガス流路17bから、膜電極接合体10のアノード電極15Bに水素を含む加湿ガスを供給する。
なお、本実施形態では、カソード電極15Aに供給するガスとして酸素ガスを含むガスを用いているが、エージング時に燃料電池100を発電しているわけではないので、供給するガスとして、窒素ガス、ヘリウムガス、ネオンガス、アルゴンガス等の不活性ガスをカソード電極15Aに供給してもよい。
そして、直流電源20により連続的に燃料電池100に電圧を連続的に印加する。このとき、印加する電圧を、カソード電極の電位が、1.3〜1.5Vなるように、直流電源20の出力を調整することが好ましい。そして、電圧を印加した状態を保持し、燃料電池100のエージングを行う。
このような燃料電池100のエージング方法によれば、燃料電池100のカソード電極15A側に直流電源20の出力の正極21、燃料電池100のアノード電極15B側に電源の出力の負極22を接続して、直流電源20により連続的に燃料電池100に電圧を印加するので、発電時の通電方向とは逆方向に電流が通電され、アノード電極15Bに対してカソード電極15Aの電位を高めると共に、その電位を1.3〜1.5Vの範囲に調整することができる。
この結果、燃料電池100のエージング時間の短縮化を図ると共に、カソード電極15Aに残留した不純物を効率的に除去することにより、燃料電池100の発電特性を確実に向上させることができる。
また、カソード電極15Aには加湿したガスを供給しているので、該ガス中に含まれる水をカソード電極15Aにおいて電気分解させることができる。そして、分解により生成されたプロトンを、アノード電極15Bに向かって膜電極接合体10内に伝導させて、電解質膜11や触媒層のアイオノマーにおいて、プロトン伝導パスの形成を促進することが可能となる。特に、発明者らの後述する実験からも明らかのように、カソード電極の電位が、1.3V以上となるように燃料電池の電圧を調整するので、水の電気分解を確実に引き起こすことができる。また、カソード電極15Aの電位が1.5V以下となるように、燃料電池100の電圧を調整するで、カソード電極15Aの触媒を構成するカーボン担体の腐食なく、カソード電極15Aに付着した不純物を電気分解して、除去することができる。
このようなカソード電極15A側の水の電気分解によって、カソード電極15Aに含まれる触媒を構成する白金(Pt)粒子の表面に、不動態皮膜である酸化皮膜(PtO)を形成することができる。白金粒子表面の不動態化により、発電時における白金粒子からの白金の溶出を抑制することができる。さらに、カソード電極15Aに酸素ガスを含むガスとして空気を供給したので、酸素ガス雰囲気下で、カソード電極15Aの電位を高めることにより、前記白金(Pt)粒子の不動態化をより促進させることができる。
また、酸素ガス雰囲気下において、カソード電極15Aを構成するカーボン担体表面の官能基の形成を促進させることができ、触媒とアイオノマーとの界面形成が促進される。これは、疎水性を有するカーボンの表面に、親水性基(C−OH、C−OOH、C=Oなど)が付与されるからである。さらに、直流電源20の電圧の印加を連続的に行なうことにより、白金の酸化・還元を繰返すような電位変動は抑制され、白金の溶出を抑制することができる。
以下、実施例により、本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものでない。
(実施例1)
固体高分子電解質型の燃料電池(単セル)と、電圧を調整可能な直流電源とを準備した。そして、燃料電池のカソード電極側に電源の出力の正極を接続し、燃料電池のアノード電極側に電源の出力の負極を接続した。次に、燃料電池の空気流路からカソード電極に100%RHに加湿した空気を供給し、燃料電池の水素流路からアノード電極に100%RHに加湿した水素ガスを供給し、セル温度を80℃に保持した。そして、カソード電極の電位が1.5Vとなるように、電位を測定しながら直流電源の電圧を調整して、連続的に燃料電池に6分間電圧を印加して、燃料電池のエージングを行なった。
このようにしてエージングを行なった燃料電池のカソード電極に100%RHに加湿した水素ガスを供給し、アノード電極に100%RHに加湿した酸素ガスを供給し、セル温度を80℃に保持して発電した。また、燃料電池の出力電流を変化させるために、燃料電池に接続する外部負荷を変更しながら発電を行ない、燃料電池の発電する電流値に対する燃料電池の電圧(セル電圧)の変化を測定すると共に、燃料電池を構成する電解質膜の抵抗値を測定した。この結果を図2に示す。
(比較例1)
実施例1と同じように、燃料電池のエージングを行なった。実施例1と相違する点は、燃料電池に電源を接続せず、発電によりエージングを行なった点である。そして、実施例1と同じようにして、エージング後の燃料電池の電流値に対する燃料電池の電圧の変化を測定すると共に、燃料電池を構成する抵抗値を測定した。この結果を図2に示す。
(評価1)
実施例1の電圧(■)は、比較例1のもの(◆)に比べて、電流の増加に応じて高くなった。このことから、実施例1の燃料電池から、比較例1のものに比べて、活性化過電圧の低減を確認することができた。これは、実施例1のエージングを燃料電池の発電により行なったほうが、カソード電極の電位を充分に高め、カソード電極に付着した有機物等の不純物をより分解することができたことによると考えられる。すなわち、比較例1のエージングを燃料電池の発電により行なっているので、実施例1よりもカソード電極の電位を高めることがでず、十分に不純物の除去ができなかったからであると考えられる。
さらに、実施例1の電解質膜の抵抗(□)は、比較例1のもの(◇)よりも低かった。このことから、実施例1の燃料電池は、比較例1のものに比べて、電解質膜の抵抗過電圧の低減を確認することができ、実施例1の方が、短時間でプロトン伝導パスを形成することができたと考えられる。
(実施例2)
実施例1と同じようにして、燃料電池のエージングを行なった。実施例1と相違する点は、エージングの時間を10分にした点である。そして、実施例1と同じように、エージング後の燃料電池の電流値に対する燃料電池の電圧(セル電圧)の変化を測定した。この結果を、図3に示す。
(実施例3)
実施例2と同じようにして、燃料電池のエージングを行なった。実施例2と相違する点は、カソード電極に供給するガスを窒素ガスにした点である。そして、実施例1と同じように、エージング後の燃料電池の電流値に対する燃料電池の電圧(セル電圧)の変化を測定した。この結果を、図3に示す。
(比較例2)
比較例1と同様にして、エージングを行なった。比較例1と相違する点は、エージングの時間を10分にした点である。そして、実施例2と同じように、燃料電池の電流値に対する燃料電池の電圧(セル電圧)の変化を測定した。この結果を、図3に示す。
(評価2)
実施例2のセル電圧(■)、実施例3のセル電圧(▲)、比較例2のセル電圧(○)の順に、電流の増加に応じて高くなった。このことから、実施例2及び3の燃料電池は、比較例2のものに比べて、活性化過電圧の低減を確認することができた。実施例2及び3の燃料電池が、比較例2の燃料電池に比べて、活性化過電圧の低減が図れたのは、評価1に示す理由と同じであると考えられる。
また、実施例2の燃料電池が、実施例3のものよりも、活性化過電圧の低減が図れたのは、実施例2は、酸素ガスを含む酸素ガス雰囲気下で、カソード電極の電位を高めることにより、エージング中の前記白金(Pt)粒子の不動態化が促進されたと考えられる。さらに、カソード電極を構成するカーボン担体表面の官能基の形成を促進させることができ、触媒とアイオノマーとの界面形成が促進される。これは、疎水性を有するカーボンの表面に、親水性基(C−OH、C−OOH、C=Oなど)が付与されるからであると考えられる。
(実施例4)
実施例1と同じようにして、燃料電池のエージングを行なった。実施例1と相違する点は、直流電源の電圧を調整して、エージング時におけるカソード電極の電位を、1.3V〜1.5Vの範囲(1.3V,1.4V,1.5V)にした点である。そして、燃料電池のエージング前後の燃料電池の高電流域における電圧(セル電圧)を測定し、その前後の電圧変化(エージング前のセル電圧−エージング後のセル電圧)を算出した。この結果を図4に示す。
(比較例3)
実施例4と同じようにして、燃料電池のエージングを行なった。実施例4と相違する点は、エージング時におけるカソード電極の電位を、1.3V〜1.5Vから外れる範囲に(1.2V,1.6V,1.7V)の範囲にした点である。そして、実施例4と同様に、燃料電池のエージング前後の電圧変化を算出した。この結果を図4に示す。
(評価3)
実施例4は、電圧変化(◆)が正となり、比較例3の電圧変化(◇)よりも大きくなった。このことにより、電圧の印加を、カソード電極の電位が1.3〜1.5Vとなるように、行うことがより好ましいと考えられる。すなわち、カソード電極の電位を前記電位の範囲とすることにより、カソード電極に付着した不純物を効率的に除去することができる。すなわち、カソード電極の電位が、1.3V未満である比較例3の場合には、カソード電極では水の電気分解は起こり難く、カソード電極の電位が、1.5Vを超えた比較例3の場合には、カソード電極の触媒を構成するカーボン担体の腐食が発生し易くなると考えられる。
以上、本発明の実施の形態を図面を用いて詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲における設計変更があっても、それらは本発明に含まれるものである。
例えば、本実施形態において、電源の出力の各極を、燃料電池の対応するセパレータに接続したが、カソード電極において、水の電気分解及び不純物の除去を行なうことができるのであれば、例えば直接的に対応する電極に、電源の出力の各極を接続してもよい。
本実施形態に係る燃料電池のエージング方法を説明するための図。 実施例1と比較例1に係る燃料電池の電流値に対する燃料電池の電圧変化及び電解質膜の抵抗の変化を示した図。 実施例2、3及び比較例2に係る燃料電池の電流値に対する燃料電池の電圧変化を示した図。 実施例4及び比較例3に係るエージング時のカソード電極の電位に対するエージング前後の燃料電池の電圧変化を示した図。 従来の固体高分子電解質型燃料電池(単セル)の一例を説明する模式図。
符号の説明
10:膜電極接合体、11:電解質膜、13a,13b:触媒層、14a,14b:拡散層、15A:カソード電極、15B:アノード電極、18A,18B:セパレータ、17a:空気(酸素)ガス流路、17b:燃料(水素)ガス流路、20:電源、21:正極、22:負極、100:燃料電池

Claims (3)

  1. 固体高分子電解質型の燃料電池に電源を接続して燃料電池のエージングを行う方法であって、
    前記燃料電池のカソード電極に酸素ガスを含む加湿したガス又は加湿した不活性ガスを供給し、前記燃料電池のアノード電極に水素ガスを供給すると共に、
    前記燃料電池のカソード電極側に前記電源の出力の正極を接続し、前記燃料電池のアノード電極側に前記電源の出力の負極を接続して、前記電源により連続的に前記燃料電池に電圧を印加することを特徴とする燃料電池のエージング方法。
  2. 前記電圧の印加を、前記カソード電極の電位が1.3〜1.5Vとなるように、行うことを特徴とする請求項1に記載の燃料電池のエージング方法。
  3. 前記電源として直流電源を用いることを特徴とする請求項1又は2に記載の燃料電池のエージング方法。
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