JP2009198855A - 広角レンズ及びこれを有する撮像装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 諸収差、特にサジタルコマフレアーを良好に補正しつつ、ゴースト、フレアをより低減させることができる、高い光学性能を備えた大口径の広角レンズ及びこれを有する撮像装置を提供する。
【解決手段】 本実施形態の広角レンズは、物体側から順に並んだ、正の屈折力を持つ第1レンズ群G1と、正の屈折力を持つ第2レンズ群G2とを有し、第2レンズ群G2は、物体側から順に並んだ、正屈折力の第21レンズ成分L21と、負屈折力の第22レンズ成分L22と、正屈折力の第23レンズ成分L23と、正屈折力の第24レンズ成分L24とを有し、合焦時に移動するとともに、第23レンズ成分L23の焦点距離をf23とし、第24レンズ成分L24の焦点距離をf24としたとき、次式1.00<f23/f24<5.00の条件を満足し、第1レンズ群G1及び第2レンズ群G2における光学面のうち少なくとも1面は、ウェットプロセスを用いて形成された層を少なくとも1層含んだ反射防止膜が施されていることを特徴とする。
【選択図】 図2

Description

本発明は、デジタル一眼レフカメラ、フィルムカメラ、ビデオカメラ等の撮影光学系に好適な広角レンズ及びこれを有する撮像装置に関する。
従来、大口径を有する広角レンズが提案されている(例えば、特許文献1参照)。また近年、上記のような大口径を有する広角レンズに対しては、収差性能だけではなく、光学性能を損なう要因の一つであるゴーストやフレアに関する要求も厳しさを増しており、そのためレンズ面に施される反射防止膜にもより高い性能が要求され、要求に応えるべく多層膜設計技術や多層膜成膜技術も進歩を続けている(例えば、特許文献2参照)。
特開平6−308385号公報 特開2000−356704号公報
しかしながら、従来の大口径広角レンズでは、球面収差、光線の各波長による球面収差の形状のばらつき(色ごとの球面収差)、非点収差及びサジタルコマフレアーに、さらなる改良の余地が残されていた。これに加えて、従来の広角レンズでは、光学面からは、光学性能に影響を与えるゴーストやフレアとなる反射光が発生しやすいという問題もあった。
本発明は、このような問題に鑑みてなされたものであり、諸収差、特にサジタルコマフレアーを良好に補正しつつ、ゴースト、フレアをより低減させることができる、高い光学性能を備えた大口径の広角レンズ及びこれを有する撮像装置を提供することを目的とする。
このような目的を達成するため、本発明の広角レンズは、物体側から順に並んだ、正の屈折力を持つ第1レンズ群と、正の屈折力を持つ第2レンズ群とを有し、前記第2レンズ群は、物体側から順に並んだ、正屈折力の第21レンズ成分と、負屈折力の第22レンズ成分と、正屈折力の第23レンズ成分と、正屈折力の第24レンズ成分とを有し、合焦時に移動するとともに、前記第23レンズ成分の焦点距離をf23とし、前記第24レンズ成分の焦点距離をf24としたとき、次式1.00<f23/f24<5.00の条件を満足し、前記第1レンズ群及び前記第2レンズ群における光学面のうち少なくとも1面は、ウェットプロセスを用いて形成された層を少なくとも1層含んだ反射防止膜が施されていることを特徴とする。
また、本発明の撮像装置は、上記広角レンズを有することを特徴とする。
以上説明したように、本発明によれば、諸収差、特にサジタルコマフレアーを良好に補正しつつ、ゴースト、フレアをより低減させることができる、高い光学性能を備えた大口径の広角レンズ及びこれを有する撮像装置を提供することができる。
以下、好ましい実施形態について、図面を参照しながら説明する。図1に示すように、撮影レンズ2として本実施形態に係る広角レンズを備えたデジタル一眼レフカメラ1(撮像装置)において、不図示の物体(被写体)からの光は、撮影レンズ2で集光されて、クイックリターンミラー3を介して焦点板4に結像される。そして、焦点板4に結像された光は、ペンタプリズム5中で複数回反射されて接眼レンズ6へと導かれる。これにより、撮影者は、物体(被写体)像を接眼レンズ6を介して正立像として観察することができる。
また、撮影者によって不図示のレリーズボタンが押されると、クイックリターンミラー3が光路外へ退避し、撮影レンズ2で集光された不図示の物体(被写体)の光は、撮像素子7上に到達する。これにより、不図示の物体(被写体)からの光は、撮像素子7により撮像され、被写体画像として不図示のメモリに記録される。このようにして、撮影者はカメラ1による物体(被写体)の撮影を行うことができる。
写真レンズを含む、対物光学系の設計において最も困難なことは、大画角化と同時に大口径化を図ることである。これは、即ちザイデル収差を余すところなく補正することに他ならない。加えて、大口径になるほど、球面収差とサジタルコマフレアー及び非点収差の補正を同時に行うことが困難になる。さらに、このような大口径を有する広角レンズに対しては、収差性能だけではなく、光学性能を損なう要因の一つであるゴーストやフレアに関する要求も厳しさを増している。そこで、本実施形態の広角レンズでは、レンズ全系を著しく大型化せず、十分な周辺光量を確保し、且つ、高い光学性能、特に球面収差を良好に補正し、色の球面収差(光線の各波長による球面収差の形状のばらつき)、非点収差、メリジオナルのコマ収差を増加させることなく、サジタルコマフレアーの発生を減少させ、さらに、ゴースト、フレアをより低減させる性能を有することに特徴がある。
具体的には、本実施形態に係る広角レンズは、物体側から順に並んだ、正の屈折力を持つ第1レンズ群と、正の屈折力を持つ第2レンズ群とを有し、前記第2レンズ群は、物体側から順に並んだ、正屈折力の第21レンズ成分と、負屈折力の第22レンズ成分と、正屈折力の第23レンズ成分と、正屈折力の第24レンズ成分とを有し、合焦時に移動するとともに、前記第23レンズ成分の焦点距離をf23とし、前記第24レンズ成分の焦点距離をf24としたとき、次式(1)の条件を満足するとともに、前記第1レンズ群及び前記第2レンズ群における光学面のうち少なくとも1面は、ウェットプロセスを用いて形成された層を少なくとも1層含んだ反射防止膜が施された構成となっている。
1.00<f23/f24<5.00 …(1)
上記条件式(1)は、第2レンズ群における、第23レンズ成分L23と第24レンズ成分L24との焦点距離の比の適切な範囲を規定するものである。この条件式(1)は、基本的にL23よりL24の屈折力が強いことが好ましいことを示している。また、条件式(1)は、球面収差の良好な補正、サジタルコマフレアー減少の効果の度合いを示している。
この条件式(1)の上限値を上回る場合、第2レンズ群中の正レンズ群の屈折力配置が著しくバランスを欠いた状態となり、結果的に球面収差の補正及びメリジオナルのコマ収差が悪化する。なお、条件式(1)の上限値を4.00に設定することにより、球面収差及びメリジオナルのコマ収差の補正が有利になる。また、条件式(1)の上限値を3.50、さらに好ましくは3.00に設定することにより、本実施形態の効果を最大限に発揮できる。
一方、条件式(1)の下限値を下回る場合、第23レンズ成分L23が第24レンズ成分L24よりも屈折力が高くなることを意味する。本実施形態のような構成の場合、球面収差及びサジタルコマフレアーを減少させるためには、第24レンズ成分L24の強い正の屈折力が必要である。したがって、条件式(1)の下限値を下回る場合、球面収差及びサジタルコマフレアーを徹底的に小さくすることに対しては不利となり、好ましくない。なお、条件式(1)の下限値を1.10に設定すると、よりサジタルコマフレアーの補正に効果がある。また、条件式(1)の下限値を1.15、さらに好ましくは1.20に設定することにより、本実施形態の効果を最大限に発揮できる。
なお、前記反射防止膜は多層膜であり、この多層膜の最表面層はウェットプロセスを用いて形成された層であることが好ましい。この構成とすることで、空気との屈折率差を小さくすることができるため、光の反射をより小さくすることが可能になり、ゴーストやフレアをさらに低減させることができる。
また、本実施形態の広角レンズでは、前記ウェットプロセスを用いて形成された層のd線(波長587.6nm)における屈折率をndとしたとき、次式nd≦1.30の条件を満足することが好ましい。この条件式を満足することで、空気との屈折率差を小さくすることができるため、光の反射をより小さくすることが可能になり、ゴーストやフレアをさらに低減させることができる。
また、本実施形態の広角レンズでは、反射防止膜が設けられた光学面は、開口絞りから見て凹面であることが好ましい。開口絞りに対して凹面にゴーストが発生し易いため、この構成により、ゴーストやフレアを効果的に低減させることができる。
なお、反射防止膜は、ウェットプロセスに限らず、(ドライプロセス等により)屈折率が1.30以下となる層を少なくとも1層含むようにしてもよい。このように構成しても、ウェットプロセスを用いた場合と同様の効果を得ることができる。なおこの時、屈折率が1.30以下になる層は、多層膜を構成する層のうち最表面層であることが望ましい。
また、本実施形態の広角レンズでは、第21レンズ成分は、正レンズと負レンズとの接合正レンズからなることが好ましい。この構成により、小型化を達成することができる。
また、本実施形態の広角レンズでは、第22レンズ成分は、単レンズもしくは接合レンズからなることが好ましい。この構成により、小型化を達成することができる。
また、本実施形態の広角レンズでは、第23レンズ成分は、単レンズもしくは接合レンズからなることが好ましい。この構成により、小型化を達成することができる。
また、本実施形態の広角レンズでは、第24レンズ成分は、単レンズもしくは接合レンズからなることが好ましい。この構成により、小型化を達成することができる。
また、本実施形態の広角レンズでは、第1レンズ群は、物体側から順に、負屈折力の第11レンズ成分と、正屈折力の第12レンズ成分とを有することが好ましい。この構成により、第1レンズ群がアフォーカルまたは若干正の屈折力を有するコンバーターを形成しているので、マスターレンズに入射する光束は発散することがなく、マスターレンズの著しい大型化を防いでいる。
また、本実施形態の広角レンズでは、第11レンズ成分は、負レンズからなることが好ましい。この構成により、小型化を達成することができる。
また、本実施形態の広角レンズでは、第12レンズ成分は、負レンズと正レンズとの接合正レンズからなることが好ましい。この構成により、小型化を達成することができる。
また、本実施形態の広角レンズでは、第24レンズ成分は、正レンズを有し、第24レンズ成分中の正レンズの物体側の曲率半径をr1とし、前記第24レンズ成分中の正レンズの像側の曲率半径をr2としたとき、次式(2)の条件を満足することが好ましい。
−1.00<(r2+r1)/(r2―r1)≦0.00 …(2)
上記条件式(2)は、第24レンズ成分中の正レンズの形状因子(qファクター)の適正な範囲を規定するものである。この条件式(2)を形状で示せば、第24レンズ成分中の正レンズの形状は、像側に凸面を向けた平凸レンズから両凸レンズの範囲の形状となる。なお、ベンディングによってqファクターを変えることは、発生する収差が大きく変化することを意味し、本実施形態においても、主に球面収差、上方コマ収差及びサジタルコマフレアーの補正に影響している。
この条件式(2)の上限値を上回る場合、第24レンズ成分中の正レンズの物体側のレンズ面の凸形状が、像側のレンズ面の凸形状よりも強くなることを意味している。このような形状になると、主に上方コマ収差の補正が困難になる。なお、条件式(2)の上限値を−0.10に設定すると、より上方コマ収差の補正が有利になる。また、条件式(2)の上限値を−0.15、さらに好ましくは−0.20に設定することにより、本実施形態の効果を最大限に発揮できる。
一方、条件式(2)の下限値を下回る場合、第24レンズ成分L24中の正レンズの形状が、像側に凸面を向けたメニスカスレンズ形状になることを意味している。本実施形態のような構成の場合、特にサジタルコマフレアーの補正に不利となり好ましくない。また、球面収差の補正も悪化するので好ましくない。なお、条件式(2)の下限値を−0.96に設定すると、より球面収差の補正等に効果がある。また、条件式(2)の下限値を−0.94、さらに好ましくは−0.80に設定することにより、本実施形態の効果を最大限に発揮できる。
また、本実施形態の広角レンズでは、最小限の構成枚数で高性能な大口径広角レンズを実現させるために、非球面を使用することが好ましい。特に、第23レンズ成分の物体側の凹面に設けることが、球面収差、上方コマ収差、サジタルコマフレアーの良好な補正に効果があり、好ましい。
また、本実施形態の広角レンズでは、第23レンズ成分は、接合レンズであることが好ましい。これにより、色収差を良好に補正することが可能となる。また、ガラスモールド非球面の場合は、ガラス材料に制限があるので、軸上や軸外の色収差補正にも好ましい。
また、本実施形態の広角レンズでは、第22レンズ成分中の負レンズのd線に対する屈折率をndとしたとき、次式(3)の条件を満足することが好ましい。
1.51<nd<1.85 …(3)
上記条件式(3)は、第22レンズ成分中の負レンズのd線に対する屈折率の最適な値を規定するものである。
この条件式(3)の上限値を上回る場合、ペッツバール和が大きくなりすぎ、像面湾曲と非点収差の補正が困難になる。また、通常の光学ガラスでは、nd=1.85を超える場合、分散も著しく大きくなる場合が多い。したがって、デジタル写真で問題になる色ずれの原因の1つである色の球面収差(波長ごとの球面収差の補正形状)が発生し、特にg線に対する球面収差が大きくプラス方向に発生し、好ましくない。
一方、条件式(3)の下限値を下回る場合、第22レンズ成分L22中の負レンズの凹面の曲率が著しく強くなり、球面収差、サジタルコマフレアーを悪化させるので好ましくない。なお、条件式(3)の下限値を1.6に設定すると、よりサジタルコマフレアーの発生が抑えられる。また、条件式(3)の下限値を1.65、さらに好ましくは1.70に設定することにより、本実施形態の効果を最大限に発揮できる。
また、本実施形態の広角レンズでは、第1レンズ群は、物体側より順に並んだ、負レンズよりなる第11レンズ成分と、負レンズと正レンズとの接合正レンズよりなる第12レンズ成分とを有し、第1レンズ群の焦点距離をf1とし、全系の焦点距離をfとしたとき、次式(4)の条件を満足することが好ましい。
0.012<f/f1<0.100 …(4)
上記条件式(4)は、第1レンズ群の屈折力を全系の屈折力で正規化した値の適正な範囲を規定するものである。
この条件式(4)の上限値を上回る場合、第1レンズ群の焦点距離が短くなり、すなわち第1レンズ群の屈折力が著しく強くなる。したがって、レトロフォーカスレンズのフロントコンバーターとして正の屈折力が強くなるということは、全系の焦点距離が長くなり、バックフォーカスが短くなるため、好ましくない。また、下方コマ収差が悪化するため、好ましくない。なお、条件式(4)の上限値を0.08に設定すると、十分なバックフォーカスの確保と軸外の収差補正が有利になる。また、条件式(4)の上限値を0.05、さらに好ましくは0.04に設定することにより、本実施形態の効果を最大限に発揮できる。
一方、条件式(4)の下限値を下回る場合、本実施形態の構成では最適な第1レンズ群の屈折力より弱い屈折力になることを意味する。この場合、第1レンズ群が第2レンズ群で発生する球面収差を補う作用が減少し、結果的に球面収差の補正が悪化するため、好ましくない。なお、条件式(4)の下限値を0.014に設定すると、より球面収差の補正が良好にできる。また、条件式(4)の下限値を0.015、さらに好ましくは0.016に設定することにより、本実施形態の効果を最大限に発揮できる。
また、本実施形態の広角レンズでは、第1レンズ群の光軸上の厚みをD1とし、第12レンズ成分中の負レンズの光軸上の厚みをDnとしたとき、次式(5)の条件を満足することが好ましい。
0.31<Dn/D1<0.50 …(5)
上記条件式(5)は、第12レンズ成分中の負レンズの光軸上の厚みを、第1レンズ群の厚みで正規化したものである。この厚い(第12レンズ成分中の)負レンズは、入射瞳をより物体側に位置させることによって、レンズの小径化、フィルターサイズの小径化に有効である。また、収差補正上も非常に少ない構成枚数にもかかわらず、像面湾曲や歪曲等の軸外収差をバランスよく補正する効果がある。すなわち、条件式(5)は、その厚い負レンズの最適な厚さを設定したものである。
この条件式(5)の上限値を上回る場合、全体の厚肉化によってレンズ全体が著しく重くなり好ましくない。また、研磨加工の難易度も上がりコストアップになり好ましくない。また、第12レンズ群の正レンズの厚みが充分に取れなくなり、球面収差を良好に補正できない。なお、条件式(5)の上限値を0.48に設定すると、より軽量化され、コストも抑えられ、好ましい。また、条件式(5)の上限値を0.45、さらに好ましくは0.44に設定することにより、本実施形態の効果を最大限に発揮できる。
一方、条件式(5)の下限値を下回る場合、前記した効果が発揮できず、レンズ径の大型化、フィルターサイズの増大、構成枚数の増加を招き、好ましくない。なお、条件式(5)の下限値を0.33に設定すると、より前玉径の小径化が達成でき好ましい。また、条件式(5)の下限値を0.35、より好ましくは0.36に設定することにより、本実施形態の効果を最大限に発揮できる。
また、本実施形態の広角レンズでは、第24レンズ成分は、負レンズと正レンズとの接合レンズからなることが好ましい。この構成により、効果的にペッツバール和を最適化しつつ、サジタルコマフレアーを補正することが可能となる。
また、本実施形態の広角レンズでは、第24レンズ成分中の負レンズのd線に対する屈折率をn24Nとし、第24レンズ成分中の正レンズのd線に対する屈折率をn24Pとしたとき、次式(6)の条件を満足することが好ましい。
1.000<n24P/n24N<1.200 …(6)
この条件式(6)は、第24レンズ成分中の正レンズと負レンズの屈折率の比の適正な範囲を規定するものである。この条件式(6)を満足すると、さらに高性能で球面収差、光線の各波長による球面収差の形状のばらつき(色ごとの球面収差)、非点収差及びサジタルコマフレアーの少ない大口径広角レンズを実現できる。
この条件式(6)の上限値を上回る場合、球面収差が悪化するので好ましくない。なお、条件式(6)の上限値を1.150に設定すると、ペッツバール和の最適化ができ、像面湾曲の補正が良好になり好ましい。また、条件式(6)の上限値を1.100に設定することにより、本実施形態の効果を最大限に発揮できる。
一方、条件式(6)の下限値を下回る場合、ペッツバール和の最適化が難しくなる。その結果、像面湾曲及び非点収差の補正が不利になる。なお、条件式(6)の下限値を1.005に設定すると、ペッツバール和の最適化ができ、像面湾曲の補正が良好になり、好ましい。また、条件式(6)の下限値を1.010に設定することにより、本実施形態の効果を最大限に発揮できる。
また、本実施形態の広角レンズでは、第2レンズ群に、下方コマ収差を有効にカットするために固定絞り(開口絞り)を設けても良い。
また、本実施形態の広角レンズでは、無限遠から近距離物体への合焦は、第1レンズ群を像面に対して固定し、比較的簡単な構成で構成枚数も少ない軽量である第2レンズ群を同時に繰り出しても良い。しかしながら、第2レンズ群を、第21レンズ成分と第22レンズ成分との間に設けた開口絞りと、開口絞りより物体側に正の屈折力を持つ前方群と、開口絞りより像側に正の屈折力を持つ後方群とを有し、これら前方群と後方群とをそれぞれ異なる移動量で繰り出し、近距離物体への合焦を行うように構成することがより好ましい。合焦時の前方群G2Fと後方群G2Rとの移動比は、本実施形態の場合、1:1.1〜1.4程度にすると、近距離収差変動、特に像面湾曲と球面収差の変動を抑えることができるため、好ましい。
以下、本実施形態に係る各実施例について、図面を参照しつつ説明する。以下に、表1〜表4を示すが、これらは第1〜第4実施例における各諸元の表である。[面データ]においては、面番号は光線の進行する方向に沿った物体側からのレンズ面の順序を、rは各レンズ面の曲率半径を、dは各光学面から次の光学面(又は像面)までの光軸上の距離である面間隔を、ndはd線(波長587.6nm)に対する屈折率を、νdはd線を基準とするアッベ数を示す。なお、レンズ面が非球面である場合には、面番号に*印を付し、曲率半径rの欄には近軸曲率半径を示す。また、曲率半径の「0.0000」及び「∞」は平面または開口を示している。また、空気の屈折率「1.00000」の記載は省略している。
[非球面データ]には、[面データ]に示した非球面について、その形状を次式(a)で示す。すなわち、光軸に垂直な方向の高さをyとし、非球面の頂点における接平面から高さyにおける非球面上の位置までの光軸に沿った距離(サグ量)をS(y)とし、基準球面の曲率半径(近軸曲率半径)をrとし、円錐係数をκとし、n次の非球面係数をAnとしたとき、以下の式(a)で示している。なお、Enは、×10nを表す。例えば、1.234E-05=1.234×10-5である。
S(y)=(y2/r)/{1+(1−κ・y2/r21/2}+A3×|y3
+A4×y4+A6×y6+A8×y8+A10×y10+A12×y12 …(a)
[各種データ]において、fはレンズ全系の焦点距離を、FNOはFナンバーを、ωは半画角(単位:度)を、Yは像高を、TLはレンズ系全長を示す。[可変面間隔データ]において、各合焦位置における撮影倍率、物面までの距離、di(但し、iは整数)は第i面の可変の面間隔を示す。[条件式]において、上記の条件式(1)〜(6)に対応する値を示す。
なお、表中において、焦点距離f、曲率半径r、面間隔d、その他の長さの単位は、一般に「mm」が使われている。但し、光学系は、比例拡大又は比例縮小しても同等の光学性能が得られるので、単位は「mm」に限定されることなく、他の適当な単位を用いることが可能である。
以上の表の説明は、他の実施例においても同様とし、その説明を省略する。
(第1実施例)
第1実施例に係る広角レンズについて、図2、図3、図4及び表1を用いて説明する。図2は、第1実施例に係る広角レンズの構成を示す断面図である。第1実施例に係る広角レンズは、図2に示すように、物体側から順に並んだ、正の屈折力を有する第1レンズ群G1と、正の屈折力を有する第2レンズ群G2とを有して構成される。
第1レンズ群G1は、物体側から順に並んだ、物体側に凸面を向けた負レンズである第11レンズ成分L11と、両凹形状を持った厚肉負レンズと両凸形状を持った正レンズとの接合正レンズである第12レンズ成分L12とから構成される。
第2レンズ群G2は、物体側から順に並んだ、正の屈折力の前方群G2Fと、F値を決定する開口絞りS、正の屈折力の後方群G2Rとから構成される。前方群G2Fは、物体側から順に並んだ、両凸形状の正レンズと両凹形状の負レンズとの接合正レンズである第21レンズ成分L21から構成される。後方群G2Rは、物体側から順に並んだ、両凹形状を持った負レンズである第22レンズ成分L22と、物体側に凹面を向けて非球面を物体側の面に設けた負メニスカスレンズと像側に凸面を向けた正メニスカスレンズとの接合正レンズである第23レンズ成分L23と、物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズと両凸形状を持った正レンズとの接合正レンズである第24レンズ成分L24とから構成される。
上記構成である本実施例に係る広角レンズにおいて、無限遠より近距離物体への合焦は、第1レンズ群G1を像面に対し固定し、前方群G2Fと後方群G2Rとを異なる移動量で繰り出すことによって行う。第1実施例では、合焦時の前方群G2Fと後方群G2Rの移動比は、1:1.18である。
表1に第1実施例における各諸元の表を示す。なお、表1における面番号1〜17は、図2に示す面1〜17に対応している。また、第1実施例において、第12面が非球面形状に形成されている。
(表1)
[面データ]
面番号 r d nd νd
物面 ∞ ∞
1 115.1525 2.0000 1.816000 46.62
2 31.1674 9.0000
3 -215.8440 15.8500 1.516800 64.12
4 38.1486 10.5000 1.816000 46.62
5 -101.0097 d5
6 39.4576 10.3000 1.882997 40.76
7 -52.1142 2.0000 1.717360 29.52
8 42.9666 d8
9 0.0000 5.0000 開口絞りS
10 -28.2121 2.3000 1.728250 28.46
11 233.7456 1.6000
12* -224.2964 2.5000 1.743300 49.32
13 -1000.0000 5.5000 1.696800 55.52
14 -38.4371 0.1000
15 309.0744 1.8000 1.575010 41.49
16 53.8750 9.5000 1.603001 65.44
17 -30.9322 Bf
[非球面データ]
第12面
κ=195.0000
A3=-0.20873E-06
A4=-1.24260E-05
A6=2.79980E-09
A8=-5.17360E-11
A10=1.79730E-13
A12=-0.89748E-16
[各種データ]
f=36.000
FNO=1.45
ω=31.53
Y=21.6
TL=131.135
[可変面間隔データ]
無限遠 近距離1 近距離2
倍率 0.00000 -0.03333 -0.19633
物面 ∞ 1062.6389 168.8648
d5 7.40434 6.32841 1.15510
d8 7.75179 7.55812 6.62693
Bf 38.02909 39.29868 45.40319
[レンズ群データ]
群 始面 焦点距離
G1 1 1063.59969
G2F 6 90.86801
G2R 10 56.15852
[条件式]
条件式(1) f23/f24=1.424
条件式(2) (r2+r1)/(r2−r1)=-0.271
条件式(3) nd=1.728
条件式(4) f/f1=0.03385
条件式(5) Dn/D1=0.4244
条件式(6) n24P/n24N=1.018
表1に示す諸元の表から、本実施例に係る広角レンズでは、上記条件式(1)〜(6)を全て満たすことが分かる。
図3は、第1実施例に係る広角レンズの無限遠合焦時の諸収差図である。各収差図において、FNOはFナンバーを、Yは像高を、dはd線(波長587.6nm)、gはg線(波長435.8nm)に対する諸収差をそれぞれ示す。なお、球面収差図では最大口径に対応するFナンバーの値を示し、非点収差図及び歪曲収差図では像高の最大値をそれぞれ示し、コマ収差図では各像高の値を示す。非点収差図において、実線はサジタル像面を示し、破線はメリジオナル像面を示す。また、コマ収差において、実線はメリジオナルコマ収差を、点線はサジタルコマ収差を示し、原点より右側の点線はd線に対してメリジオナル方向に発生するサジタルコマ収差、原点より左側の点線はd線に対してサジタル方向に発生するサジタルコマ収差をそれぞれ示す。
以上の収差図の説明は、他の実施例においても同様とし、その説明を省略する。
各収差図から明らかなように、第1実施例に係る広角レンズは、球面収差、サジタルコマフレアー等を含め、諸収差が良好に補正され、優れた結像性能を有していることが分かる。
その結果、第1実施例の広角レンズを搭載することにより、デジタル一眼レフカメラ1(撮像装置。図1参照)においても、高い光学性能を有していることが分かる。
なお、図4に示すように、物体側からの光線BMが上記広角レンズに入射すると、その光は正メニスカスレンズL12における物体側のレンズ面(第1番目のゴースト発生面であり、面番号6に該当)で反射した後に、その反射光は負メニスカスレンズL11における像側のレンズ面(第2番目のゴースト発生面であり、面番号2に該当)で再度反射して像面Iに到達し、ゴーストを発生させてしまう。なお、第1番目のゴースト発生面(面番号6)と第2番目のゴースト発生面(面番号2)は、開口絞りSに対して凹面である。このような面に、より広い波長範囲で広入射角に対応した反射防止膜を形成することで、ゴーストを効果的に低減させることができる。なお、反射防止膜について詳細は後述するが、各実施例に係る反射防止膜は7層からなる多層構造であり、最表面層の第7層はウェットプロセスを用いて形成され、d線に対する屈折率は1.26(以下に示す、表5参照)である。
(第2実施例)
第2実施例に係る広角レンズについて、図5、図6及び表2を用いて説明する。図5は、第2実施例に係る広角レンズの構成を示す断面図である。第2実施例に係る広角レンズは、図5に示すように、物体側から順に並んだ、正の屈折力を有する第1レンズ群G1と、正の屈折力を有する第2レンズ群G2とから構成される。
第1レンズ群G1は、物体側から順に並んだ、物体側に凸面を向けた負レンズである第11レンズ成分L11と、両凹形状を持った厚肉負レンズと両凸形状を持った正レンズとの接合正レンズである第12レンズ成分L12とから構成される。
第2レンズ群G2は、物体側から順に並んだ、下方コマフレアーをカットする固定絞りFSと、正の屈折力の前方群G2Fと、F値を決定する開口絞りSと、正の屈折力の後方群G2Rとから構成される。前方群G2Fは、物体側から順に並んだ、両凸形状を持った正レンズと両凹形状を持った負レンズとの接合正レンズである第21レンズ成分L21から構成される。後方群G2Rは、物体側から順に並んだ、物体側に凹面を向けた正メニスカスレンズと両凹形状との接合負レンズである第22レンズ成分L22と、物体側に凹面を向けて非球面を物体側の面に設けた負メニスカスレンズと像側に凸面を向けた正メニスカスレンズとの接合正レンズである第23レンズ成分L23と、両凸形状を持った正レンズである第24レンズ成分L24とから構成される。
上記構成である本実施例に係る広角レンズにおいて、無限遠より近距離物体への合焦は、第1レンズ群G1を像面に対し固定し、前方群G2Fと後方群G2Rとを異なる移動量で繰り出すことによって行う。第1実施例では、合焦時の前方群G2Fと後方群G2Rの移動比は、1:1.2である。
表2に第2実施例における各諸元の表を示す。なお、表2における面番号1〜18は、図5に示す面1〜18に対応している。また、第2実施例において、第14面が非球面形状に形成されている。
(表2)
[面データ]
面番号 r d nd νd
物面 ∞ ∞
1 368.3548 2.0000 1.804000 46.57
2 37.5033 10.2832
3 -451.8992 15.8500 1.516800 64.12
4 43.7784 9.5000 1.816000 46.62
5 -104.9084 d5
6 0.0000 0.0000 固定絞りFS
7 43.9953 10.3000 1.882997 40.76
8 -57.8881 2.0000 1.717360 29.52
9 68.4103 d9
10 0.0000 6.0000 開口絞りS
11 -29.9403 3.0000 1.772499 49.60
12 -25.3086 2.3000 1.805180 25.43
13 140.9460 2.0000
14* -303.1323 2.5000 1.743300 49.32
15 -1000.0000 4.0000 1.748100 52.28
16 -55.7918 0.1000
17 283.4488 7.5000 1.748100 52.28
18 -31.6703 Bf
[非球面データ]
第14面
κ=373.9935
A3=0.00000E+00
A4=-1.03900E-05
A6=-5.42160E-09
A8=3.20470E-11
A10=0.00000E+00
A12=0.00000E+00
[各種データ]
f=35.863
FNO=1.45
ω=31.63
Y=21.6
TL=130.580
[可変面間隔データ]
無限遠 近距離1 近距離2
倍率 0.00000 -0.03333 -0.19454
物面 ∞ 1058.1446 169.4204
d5 7.35193 6.26188 1.08512
d9 7.86480 7.64679 6.61144
Bf 38.02972 39.33778 45.54988
[レンズ群データ]
群 始面 焦点距離
G1 1 2089.68452
G2F 7 73.75304
G2R 11 61.50882
[条件式]
条件式(1) f23/f24=2.347
条件式(2) (r2+r1)/(r2−r1)=-0.799
条件式(3) nd=1.805
条件式(4) f/f1=0.01716
条件式(5) Dn/D1=0.42412
条件式(6) n24P/n24N 非対応
表2に示す諸元の表から、本実施例に係る広角レンズでは、上記条件式(1)〜(5)を満たすことが分かる。
図6は、第2実施例に係る広角レンズの無限遠合焦時の諸収差図である。各収差図から明らかなように、第2実施例に係る広角レンズは、球面収差、サジタルコマフレアー等を含め、諸収差が良好に補正され、優れた結像性能を有していることが分かる。
その結果、第2実施例の広角レンズを搭載することにより、デジタル一眼レフカメラ1(撮像装置。図1参照)においても、高い光学性能を有していることが分かる。
(第3実施例)
第3実施例に係る広角レンズについて、図7、図8及び表3を用いて説明する。図7は、第3実施例に係る広角レンズの構成を示す断面図である。第3実施例に係る広角レンズは、図7に示すように、物体側から順に並んだ、正の屈折力を有する第1レンズ群G1と、正の屈折力を有する第2レンズ群G2とから構成される。
第1レンズ群G1は、物体側から順に並んだ、物体側に凸面を向けた負レンズである第11レンズ成分L11と、両凹形状を持った厚肉負レンズと両凸形状を持った正レンズとの接合正レンズである第12レンズ成分L12とから構成される。
第2レンズ群GRは、物体側から順に並んだ、下方コマフレアーをカットする固定絞りFSと、正の屈折力の前方群G2Fと、F値を決定する開口絞りSと、正の屈折力の後方群G2Rとから構成される。前方群G2Fは、物体側から順に並んだ、両凸形状を持った正レンズと両凹形状を持った負レンズとの接合正レンズである第21レンズ成分L21から構成される。後方群G2Rは、物体側から順に並んだ、両凹形状の負レンズである第22レンズ成分L22と、物体側に凹面を向けて非球面を物体側の面に設けた正メニスカスレンズである第23レンズ成分L23と、両凸形状を持った正レンズである第24レンズ成分L24とから構成される。
上記構成である本実施例に係る広角レンズにおいて、無限遠より近距離物体への合焦は、第1レンズ群G1を像面に対し固定し、前方群G2Fと後方群G2Rとを異なる移動量で繰り出すことによって行う。第1実施例では、合焦時の前方群G2Fと後方群G2Rの移動比は、1:1.2である。
表3に第3実施例における各諸元の表を示す。なお、表3における面番号1〜16は、図7に示す面1〜16に対応している。また、第3実施例において、第13面が非球面形状に形成されている。
(表3)
[面データ]
面番号 r d nd νd
物面 ∞ ∞
1 288.3227 2.0000 1.804000 46.57
2 36.4653 10.2500
3 -529.3405 15.8500 1.516800 64.12
4 42.7147 10.5000 1.816000 46.62
5 -108.9838 d5
6 0.0000 0.0000 固定絞りFS
7 43.2020 10.3000 1.882997 40.76
8 -58.6098 2.0000 1.717360 29.52
9 65.8121 d9
10 0.0000 6.0000 開口絞りS
11 -27.7348 2.3000 1.846660 23.78
12 131.7181 1.8000
13* -285.6600 7.3000 1.693500 53.18
14 -42.1982 0.1000
15 347.7121 7.5000 1.748100 52.28
16 -31.1227 Bf
[非球面データ]
第13面
κ=323.5315
A3=0.00000E+00
A4=-1.17610E-05
A6=-7.77510E-09
A8=3.17450E-11
A10=0.00000E+00
A12=0.00000E+00
[各種データ]
f=35.863
FNO=1.45
ω=31.63
Y=21.6
TL=130.040
[可変面間隔データ]
無限遠 近距離1 近距離2
倍率 0.00000 -0.03333 -0.19377
物面 ∞ 1057.9657 169.9604
d5 7.33728 6.24723 1.09482
d9 8.77498 8.55697 7.52649
Bf 38.02739 39.33545 45.51834
[レンズ群データ]
群 始面 焦点距離
G1 1 2089.68452
G2F 7 73.75304
G2R 11 61.50882
[条件式]
条件式(1) f23/f24=1.831
条件式(2) (r2+r1)/(r2−r1)=-0.836
条件式(3) nd=1.847
条件式(4) f/f1=0.01716
条件式(5) Dn/D1=0.4106
条件式(6) n24P/n24N 非対応
表3に示す諸元の表から、本実施例に係る広角レンズでは、上記条件式(1)〜(5)を満たすことが分かる。
図8は、第3実施例に係る広角レンズの無限遠合焦時の諸収差図である。各収差図から明らかなように、第3実施例に係る広角レンズは、球面収差、サジタルコマフレアー等を含め、諸収差が良好に補正され、優れた結像性能を有していることが分かる。
その結果、第3実施例の広角レンズを搭載することにより、デジタル一眼レフカメラ1(撮像装置。図1参照)においても、高い光学性能を有していることが分かる。
(第4実施例)
第4実施例に係る広角レンズについて、図9、図10及び表4を用いて説明する。図9は、第4実施例に係る広角レンズの構成を示す断面図である。第4実施例に係る広角レンズは、図9に示すように、正の屈折力を有する第1レンズ群G1と、正の屈折力を有す
る第2レンズ群G2とから構成される。
第1レンズ群G1は、物体側から順に並んだ、物体側に凸面を向けた負レンズである第11レンズ成分L11と、両凹形状を持った厚肉負レンズと両凸形状を持った正レンズとの接合正レンズである第12レンズ成分L12とから構成される。
第2レンズ群G2は、物体側から順に並んだ、下方コマフレアーをカットする固定絞りFSと、正の屈折力の前方群G2Fと、F値を決定する開口絞りSと、正の屈折力の後方群G2Rとから構成される。前方群G2Fは、物体側から順に並んだ、両凸形状を持った正レンズと両凹形状を持った負レンズとの接合正レンズである第21レンズ成分L21から構成される。後方群G2Rは、物体側から順に並んだ、両凹形状の負レンズである第22レンズ成分L22と、物体側に凹面を向けて非球面を物体側の面に設けた負メニスカスレンズと像側に凸面を向けた正メニスカスレンズとの接合正レンズである第23レンズ成分L23と、両凸形状を持った正レンズである第24レンズ成分L24とから構成される。
上記構成である本実施例に係る広角レンズにおいて、無限遠より近距離物体への合焦は、第1レンズ群G1を像面に対し固定し、前方群G2Fと後方群G2Rとを異なる移動量で繰り出すことによって行う。第1実施例では、合焦時の前方群G2Fと後方群G2Rの移動比は、1:1.2である。
表4に第4実施例における各諸元の表を示す。なお、表4における面番号1〜17は、図9に示す面1〜17に対応している。また、第4実施例において、第13面が非球面形状に形成されている。
(表4)
[面データ]
面番号 r d nd νd
物面 ∞ ∞
1 254.9621 2.0000 1.804000 46.57
2 36.2067 10.2500
3 -397.1159 15.8500 1.516800 64.12
4 42.6798 10.5000 1.816000 46.62
5 -107.3694 d5
6 0.0000 0.0000 固定絞りFS
7 43.7683 10.3000 1.882997 40.76
8 -62.1001 2.0000 1.717360 29.52
9 68.9057 d9
10 0.0000 6.0000 開口絞りS
11 -28.8520 2.3000 1.846660 23.78
12 116.7762 2.0000
13* -316.3150 2.5000 1.743300 49.32
14 -1000.0000 5.0000 1.748100 52.28
15 -44.0819 0.1000
16 325.3134 7.8500 1.748100 52.28
17 -32.4616 Bf
[非球面データ]
第13面
κ=392.0348
A3=0.00000E+00
A4=-9.82060E-06
A6=-6.07170E-09
A8=3.30230E-11
A10=0.00000E+00
A12=0.00000E+00
[各種データ]
f=35.863
FNO=1.45
ω=31.61
Y=21.6
TL=130.685
[可変面間隔データ]
無限遠 近距離1 近距離2
倍率 0.00000 -0.03333 -0.19433
物面 ∞ 1057.8421 169.3153
d5 7.33876 6.24871 1.07866
d9 8.66850 8.45049 7.41648
Bf 38.02747 39.33553 45.53958
[レンズ群データ]
群 始面 焦点距離
G1 1 2089.68452
G2F 7 73.75304
G2R 11 61.50882
[条件式]
条件式(1) f23/f24=1.698
条件式(2) (r2+r1)/(r2−r1)=-0.819
条件式(3) nd=1.847
条件式(4) f/f1=0.01716
条件式(5) Dn/D1=0.4106
条件式(6) n24P/n24N 非対応
表4に示す諸元の表から、本実施例に係る広角レンズでは、上記条件式(1)〜(5)を満たすことが分かる。
図10は、第4実施例に係る広角レンズの無限遠合焦時の諸収差図である。各収差図から明らかなように、第4実施例に係る広角レンズは、球面収差、サジタルコマフレアー等を含め、諸収差が良好に補正され、優れた結像性能を有していることが分かる。
その結果、第4実施例の広角レンズを搭載することにより、デジタル一眼レフカメラ1(撮像装置。図1参照)においても、高い光学性能を有していることが分かる。
ここで、第1〜第4実施例の広角レンズに用いられる反射防止膜について説明する。本実施形態に係る反射防止膜101は、図11に示すように、7層(第1層101a〜第7層101g)からなり、本広角レンズの光学部材102の光学面に形成されている。
第1層101aは真空蒸着法で蒸着された酸化アルミニウムで形成されている。この第1層101aの上に真空蒸着法で蒸着された酸化チタンと酸化ジルコニウムの混合物からなる第2層101bが形成される。続いて、第2層101bの上に真空蒸着法で蒸着された酸化アルミニウムからなる第3層101cが形成され、第3層101cの上に真空蒸着法で蒸着された酸化チタンと酸化ジルコニウムの混合物からなる第4層101dが形成される。さらに、第4層101dの上に真空蒸着法で蒸着された酸化アルミニウムからなる第5層101eが形成され、第5層101eの上に真空蒸着法で蒸着された酸化チタンと酸化ジルコニウムの混合物からなる第6層101fが形成される。そして、第6層101fの上にウェットプロセスによりシリカとフッ化マグネシウムの混合物からなる第7層101gが形成される。このようにして本実施形態の反射防止膜101が形成される。
なお、第7層101gの形成には、ウェットプロセスの一種であるゾル−ゲル法を用いている。ゾル−ゲル法とは、光学部材の光学面上に光学薄膜材料であるゾルを塗布し、ゲル膜を堆積後、液体に浸漬し、この液体の温度及び圧力を臨界状態以上にしてその液体を気化・乾燥させることにより、膜を生成する製法である。但し、ウェットプロセスとして、ゾル−ゲル法に限らず、ゲル状態を経ることなしに固体膜を得る方法を用いてもよい。
以上のように、反射防止膜101は、第1層101a〜第6層101fまではドライプロセスである電子ビーム蒸着により形成され、最表面層(最上層)である第7層101gはフッ酸/酢酸マグネシウム法で調製したゾル液を用いるウェットプロセスにより形成されている。
続いて、上記構成の反射防止膜101を形成する手順を説明する。まず、予めレンズ成膜面(上述の光学部材102の光学面)に真空蒸着装置を用いて、第1層101aとなる酸化アルミニウム層、第2層101bとなる酸化チタン−酸化ジルコニウム混合層、第3層101cとなる酸化アルミニウム層、第4層101dとなる酸化チタン−酸化ジルコニウム混合層、第5層101eとなる酸化アルミニウム層、第6層101fとなる酸化チタン−酸化ジルコニウム混合層を順に形成する。そして、真空蒸着装置より光学部材102を取り出した後、フッ酸/酢酸マグネシウム法により調製したゾル液にバインダー成分を添加したものをスピンコート法により塗布して、第7層101gとなるシリカとフッ化マグネシウムの混合物からなる層を形成する。ここで、フッ酸/酢酸マグネシウム法によって調製される際の反応式を以下の式(b)に示す。
2HF+Mg(CH3COO)2 → MgF2+2CH3COOH …(b)
この成膜に用いたゾル液は、原料混合後、オートクレーブで140℃、24時間高温加圧熟成処理を施した後、成膜に用いられる。光学部材102は、第7層101gの成膜終了後、大気中で160℃、1時間加熱処理して完成される。より具体的には、上記のゾル−ゲル法を用いることにより、大きさが数nmから数十nmのMgF粒子ができ、さらに、それらの粒子が数個集まって二次粒子が形成され、それら二次粒子が堆積することにより第7層101gが形成される。
上記のようにして形成された反射防止膜101の光学的性能について、図12に示す分光特性を用いて説明する。なお、図12は、基準波長λを550nmとしたときに、以下の表5で示される条件で反射防止膜101を設計した場合、光線が垂直入射する時の分光特性を表している。また、表5では、酸化アルミニウムをAl23、酸化チタン−酸化ジルコニウム混合物をZrO2+TiO2、シリカとフッ化マグネシウムの混合物をSiO2+MgF2と示しており、基準波長λを550nmとしたときに、基板の屈折率が1.46、1.62、1.74及び1.85の4種類であるときの各々の設計値を示している。
(表5)
物質 屈折率 光学膜厚 光学膜厚 光学膜厚 光学膜厚
媒質 空気 1.00
第7層 SiO2+MgF2 1.26 0.275λ 0.268λ 0.271λ 0.269λ
第6層 ZrO2+TiO2 2.12 0.045λ 0.057λ 0.054λ 0.059λ
第5層 Al2O3 1.65 0.212λ 0.171λ 0.178λ 0.162λ
第4層 ZrO2+TiO2 2.12 0.077λ 0.127λ 0.13λ 0.158λ
第3層 Al2O3 1.65 0.288λ 0.122λ 0.107λ 0.08λ
第2層 ZrO2+TiO2 2.12 0 0.059λ 0.075λ 0.105λ
第1層 Al2O3 1.65 0 0.257λ 0.03λ 0.03λ
基板の屈折率 1.46 1.62 1.74 1.85
図12より、波長が420nm〜720nmの全域で、反射率が0.2%以下に抑えられていることが分かる。
なお、第1実施例の広角レンズにおいて、第21レンズ成分の正レンズの屈折率は1.882997であり、第21レンズ成分の正レンズにおける物体側のレンズ面に基板の屈折率が1.85に対応する反射防止膜を用いることが可能である。また、負メニスカスレンズL11の屈折率は1.816000であるため、負メニスカスレンズL11の像側のレンズ面に、基板の屈折率が1.85に対応する反射防止膜を用いることが可能である。
また、第2実施例の広角レンズにおいて、第21レンズ成分の負レンズの屈折率は1.717360であるため、第21レンズ成分の負レンズの像側の面に、基板の屈折率が1.74に対応する反射防止膜を用いることが可能である。
また、第3実施例の広角レンズにおいて、負メニスカスレンズL11の屈折率は1.804000であるため、負メニスカスレンズL11における像側のレンズ面に、基板の屈折率が1.85に対応する反射防止膜を用いることが可能である。
また、第4実施例の広角レンズにおいて、負メニスカスレンズL11の屈折率は1.804000であり、負メニスカスレンズL11の像側のレンズ面に、基板の屈折率が1.85に対応する反射防止膜を用いることが可能である。また、第21レンズ成分の正レンズの屈折率は1.882997であり、第21レンズ成分の正レンズの物体側の面に、基板の屈折率が1.85に対応する反射防止膜を用いることが可能である。また、第21レンズ成分の負レンズの屈折率は1.717360であるため、第21レンズ成分の負レンズの像側の面に、基板の屈折率が1.74に対応する反射防止膜を用いることが可能である。
このように、本実施形態の反射防止膜101を、第1〜第4実施例の広角レンズにそれぞれ適用することで、大口径比を有し、バックフォーカスが長く、諸収差が良好に補正され、ゴーストやフレアをより低減させた、高い光学性能を持つ広角レンズ及びこれを有する撮像装置を提供することができる。
なお、上記の反射防止膜101は、平行平面板の光学面に設けた光学素子として利用することも可能であるし、曲面状に形成されたレンズの光学面に設けて利用することも可能である。
次に、上記反射防止膜101の変形例について説明する。この変形例の反射防止膜は5層からなり、以下の表6で示される条件で構成される。なお、第5層の形成に、前述のゾル−ゲル法を用いている。また、表6では、基準波長λを550nmとしたときに、基板の屈折率が1.52であるときの設計値を示している。
(表6)
物質 屈折率 光学膜厚
媒質 空気 1.00
第5層 シリカとフッ化マグネシウムの混合物 1.26 0.269λ
第4層 酸化チタン−酸化ジルコニウム混合物 2.12 0.043λ
第3層 酸化アルミニウム 1.65 0.217λ
第2層 酸化チタン−酸化ジルコニウム混合物 2.12 0.066λ
第1層 酸化アルミニウム 1.65 0.290λ
基板 BK7 1.52
図13に、変形例の反射防止膜に光が垂直入射するときの分光特性を示す。図13により、波長が420nm〜720nmの全域で、反射率が0.2%以下に抑えられていることが分かる。なお、図14に、入射角が30度、45度、60度の場合の分光特性を示す。
比較のため、図15に、従来の真空蒸着法などのドライプロセスのみで成膜し、以下の表7で示される条件で構成される多層広帯域反射防止膜の垂直入射時の分光特性を示す。なお、図16に、入射角が30度、45度、60度の場合の分光特性を示す。
(表7)
物質 屈折率 光学膜厚
媒質 空気 1.00
第7層 MgF 1.39 0.243λ
第6層 酸化チタン−酸化ジルコニウム混合物 2.12 0.119λ
第5層 酸化アルミニウム 1.65 0.057λ
第4層 酸化チタン−酸化ジルコニウム混合物 2.12 0.220λ
第3層 酸化アルミニウム 1.65 0.064λ
第2層 酸化チタン−酸化ジルコニウム混合物 2.12 0.057λ
第1層 酸化アルミニウム 1.65 0.193λ
基板 Bκ7 1.52
図13及び図14で示す変形例の分光特性を、図15及び図16で示す従来例の分光特性と比較すると、変形例に係る反射防止膜の反射率の低さが良く分かる。
以上の各実施例によれば、包括角2ω=63°を越え、さらに、Fナンバー1.45程度の口径を有し、高性能で、球面収差、光線の各波長による球面収差の形状のばらつき(色ごとの球面収差)、非点収差及びサジタルコマフレアーが少なく、ゴーストやフレアがより少ない大口径広角レンズが実現できる。
以下、本実施形態に係る広角レンズの光学性能を損なわない範囲で適宜採用することが可能である。
本実施形態に係る広角レンズの数値実施例として2群構成のものを示したが、広角レンズの群構成はこれに限られず、3群構成等の他の群構成にも適用可能である。
また、本実施形態に係る広角レンズにおいて、レンズ全系、単独または複数のレンズ群、または部分レンズ群を光軸方向に移動させて、無限遠物体から近距離物体への合焦を行う合焦レンズ群としても良い。特に、前方群G2Fと後方群G2Rを合焦レンズ群とすることが好ましい。また、前記合焦レンズ群は、オートフォーカスにも適用でき、オートフォーカス用の(超音波モーター等の)モーター駆動にも適している。
また、本実施形態に係る広角レンズにおいて、レンズ群または部分レンズ群を光軸に垂直な方向に振動させて、手ブレによって生じる像ブレを補正する防振レンズ群としても良い。特に、第2レンズ群G2全体、または後方群G2Rを防振レンズ群とするのが好ましい。
また、本実施形態に係る広角レンズにおいて、各レンズ面を非球面としても良い。非球面は、研削加工による非球面、ガラスを型で非球面形状に形成したガラスモールド非球面、ガラスの表面に樹脂を非球面形状に形成した複合型非球面のいずれの非球面でも構わない。
また、本実施形態に係る広角レンズにおいて、開口絞りSは、前方群G2Fと後方群G2Rとの間に配置されるのが好ましいが、開口絞りとしての部材を設けずにレンズの枠でその役割を代用してもよい。
なお、本実施形態に係る発明を分かりやすくするために、上記実施形態の構成要件を付して説明したが、本発明がこれに限定されるものではないことは言うまでもない。
本実施形態に係る広角レンズを備えた撮像装置(カメラ)の構成を示す図である。 第1実施例に係る広角レンズの構成を示す断面図である。 第1実施例に係る広角レンズの無限遠合焦時の諸収差図である。 第1実施例に係る広角レンズにおいて、入射光線が第1番目のゴースト発生面と第2番目のゴースト発生面で反射する様子を説明する図である。 第2実施例に係る広角レンズの構成を示す断面図である。 第2実施例に係る広角レンズの無限遠合焦時の諸収差図である。 第3実施例に係る広角レンズの構成を示す断面図である。 第3実施例に係る広角レンズの無限遠合焦時の諸収差図である。 第4実施例に係る広角レンズの構成を示す断面図である。 第4実施例に係る広角レンズの無限遠合焦時の諸収差図である。 本実施例に係る反射防止膜の構造を示す説明図である。 本実施例に係る反射防止膜の分光特性を示すグラフである。 変形例に係る反射防止膜の分光特性を示すグラフである。 変形例に係る反射防止膜の分光特性を示すグラフである。 従来技術で作成した反射防止膜の分光特性を示すグラフである。 従来技術で作成した反射防止膜の分光特性を示すグラフである。
符号の説明
1 カメラ(撮像装置) 2 撮影レンズ(広角レンズ)
3 クイックリターンミラー 4 焦点板
5 ペンタプリズム 6 接眼レンズ 7 撮像素子
G1 第1レンズ群 G2 第2レンズ群
S 開口絞り I 像面
101 反射防止膜
101a 第1層 101b 第2層
101c 第3層 101d 第4層
101e 第5層 101f 第6層
101g 第7層 102 光学部材

Claims (22)

  1. 物体側から順に並んだ、正の屈折力を持つ第1レンズ群と、正の屈折力を持つ第2レンズ群とを有し、
    前記第2レンズ群は、物体側から順に並んだ、正屈折力の第21レンズ成分と、負屈折力の第22レンズ成分と、正屈折力の第23レンズ成分と、正屈折力の第24レンズ成分とを有し、合焦時に移動するとともに、前記第23レンズ成分の焦点距離をf23とし、前記第24レンズ成分の焦点距離をf24としたとき、次式
    1.00<f23/f24<5.00
    の条件を満足し、
    前記第1レンズ群及び前記第2レンズ群における光学面のうち少なくとも1面は、ウェットプロセスを用いて形成された層を少なくとも1層含んだ反射防止膜が施されていることを特徴とする広角レンズ。
  2. 前記反射防止膜は多層膜であり、
    前記多層膜の最表面層は、前記ウェットプロセスを用いて形成された層であることを特徴とする請求項1に記載の広角レンズ。
  3. 前記ウェットプロセスを用いて形成された層のd線における屈折率をndとしたとき、次式
    nd≦1.30
    の条件を満足することを特徴とする請求項1または2に記載の広角レンズ。
  4. 前記第2レンズ群中の前記第21レンズ成分と前記第22レンズ成分との間に、開口絞りを有することを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の広角レンズ。
  5. 前記反射防止膜が設けられた光学面は、前記開口絞りから見て凹面であることを特徴とする請求項4に記載の広角レンズ。
  6. 前記第23レンズ成分は、単レンズもしくは接合レンズからなることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の広角レンズ。
  7. 前記第24レンズ成分は、単レンズもしくは接合レンズからなることを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載の広角レンズ。
  8. 前記第21レンズ成分は、正レンズと負レンズとの接合正レンズからなることを特徴とする請求項1〜7のいずれか一項に記載の広角レンズ。
  9. 前記第22レンズ成分は、単レンズもしくは接合レンズからなることを特徴とする請求項1〜8のいずれか一項に記載の広角レンズ。
  10. 前記第1レンズ群は、物体側から順に、負屈折力の第11レンズ成分と、正屈折力の第12レンズ成分とを有することを特徴とする請求項1〜9のいずれか一項に記載の広角レンズ。
  11. 前記第11レンズ成分は、負レンズからなることを特徴とする請求項1〜10のいずれか一項に記載の広角レンズ。
  12. 前記第12レンズ成分は、負レンズと正レンズとの接合正レンズからなることを特徴とする請求項1〜11のいずれか一項に記載の広角レンズ。
  13. 前記第24レンズ成分は、正レンズを有し、
    前記第24レンズ成分中の正レンズの物体側の曲率半径をr1とし、前記第24レンズ成分中の正レンズの像側の曲率半径をr2としたとき、次式
    −1.00<(r2+r1)/(r2―r1)≦0.00
    の条件を満足することを特徴とする請求項1〜12のいずれか一項に記載の広角レンズ。
  14. 前記第23レンズ成分は、非球面を含むことを特徴とする請求項1〜13のいずれか一項に記載の広角レンズ。
  15. 前記第23レンズ成分は、接合レンズであることを特徴とする請求項14に記載の広角レンズ。
  16. 前記第22レンズ成分中の負レンズのd線に対する屈折率をndとしたとき、次式
    1.51<nd<1.85
    の条件を満足することを特徴とする請求項1〜15のいずれか一項に記載の広角レンズ。
  17. 前記第1レンズ群は、物体側より順に並んだ、負レンズよりなる第11レンズ成分と、負レンズと正レンズとの接合正レンズよりなる第12レンズ成分とを有し、前記第1レンズ群の焦点距離をf1とし、全系の焦点距離をfとしたとき、次式
    0.012<f/f1<0.100
    の条件を満足することを特徴とする請求項1〜16のいずれか一項に記載の広角レンズ。
  18. 前記第1レンズ群の光軸上の厚みをD1とし、前記第12レンズ成分中の負レンズの光軸上の厚みをDnとしたとき、次式
    0.31<Dn/D1<0.50
    の条件を満足することを特徴とする請求項1〜17のいずれか一項に記載の広角レンズ。
  19. 前記第24レンズ成分は、負レンズと正レンズとの接合レンズからなることを特徴とする請求項1〜18のいずれか一項に記載の広角レンズ。
  20. 前記第24レンズ成分中の負レンズのd線に対する屈折率をn24Nとし、前記第24レンズ成分中の正レンズのd線に対する屈折率をn24Pとしたとき、次式
    1.000<n24P/n24N<1.200
    の条件を満足することを特徴とする請求項19記載の広角レンズ。
  21. 前記第2レンズ群は、前記開口絞りより物体側に正の屈折力を持つ前方群と、前記開口絞りより像側に正の屈折力を持つ後方群とを有し、近距離物体への合焦は、前記前方群と前記後方群とを異なる移動量で繰り出すことにより行うことを特徴とする請求項4〜20のいずれか一項に記載の広角レンズ。
  22. 請求項1〜21のいずれか一項に記載の広角レンズを有することを特徴とする撮像装置。
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