JP2009198854A - 広角レンズ、これを有する撮像装置及び結像方法 - Google Patents

広角レンズ、これを有する撮像装置及び結像方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 諸収差を良好に補正しつつ、ゴースト、フレアもより低減させることができる、高い光学性能を備えた大口径の広角レンズ、これを有する撮像装置及び結像方法を提供する。
【解決手段】 本実施形態の広角レンズは、物体側から順に並んだ、負の屈折力を持つ前群と、正の屈折力を持つ後群とを有し、前記後群は、物体側から順に並んだ、負レンズと、正レンズと負レンズとの接合からなる接合正レンズと、接合負レンズとを有するとともに、前記後群における前記接合正レンズ中の前記正レンズのd線に対する屈折率をNpとし、前記後群における前記接合正レンズ中の前記負レンズのd線に対する屈折率Nnとしたとき、次式0.0100<Np−Nn<0.4000の条件を満足し、前記前群及び前記後群における光学面のうち少なくとも1面は、ウェットプロセスを用いて形成された層を少なくとも1層含んだ反射防止膜が施されていることを特徴とする。
【選択図】 図2

Description

本発明は、デジタル一眼レフカメラ、フィルムカメラ、ビデオカメラ等の撮影光学系に好適な広角レンズ、これを有する撮像装置及び結像方法に関する。
従来、本出願人によって、大口径を有する広角レンズが提案されている(例えば、特許文献1及び2を参照)。また近年、上記のような大口径を有する広角レンズに対しては、収差性能だけではなく、光学性能を損なう要因の一つであるゴーストやフレアに関する要求も厳しさを増しており、そのためレンズ面に施される反射防止膜にもより高い性能が要求され、要求に応えるべく多層膜設計技術や多層膜成膜技術も進歩を続けている(例えば、特許文献3参照)。
特開平7−35974号公報 特開2003−121735号公報 特開2000−356704号公報
しかしながら、従来の広角レンズでは、光学性能の向上、特に色の球面収差、像面湾曲、非点収差、色コマ収差(横収差の波長による差)及び倍率色収差の改善が十分に図られていないという問題があった。これに加えて、従来の広角レンズでは、最も物体側の負レンズ群の光学面からゴーストやフレアとなる反射光が発生しやすいという問題もあった。
本発明は、このような問題に鑑みてなされたものであり、諸収差を良好に補正しつつ、ゴースト、フレアもより低減させることができる、高い光学性能を備えた大口径の広角レンズ、これを有する撮像装置及び結像方法を提供することを目的とする。
このような目的を達成するため、本発明の広角レンズは、物体側から順に並んだ、負の屈折力を持つ前群と、正の屈折力を持つ後群とを有し、前記後群は、物体側から順に並んだ、負レンズと、正レンズと負レンズとの接合からなる接合正レンズと、接合負レンズとを有するとともに、前記後群における前記接合正レンズ中の前記正レンズのd線に対する屈折率をNpとし、前記後群における前記接合正レンズ中の前記負レンズのd線に対する屈折率Nnとしたとき、次式0.0100<Np−Nn<0.4000の条件を満足し、前記前群及び前記後群における光学面のうち少なくとも1面は、ウェットプロセスを用いて形成された層を少なくとも1層含んだ反射防止膜が施されていることを特徴とする。
また、本発明の撮像装置は、上記広角レンズを有することを特徴とする。
また、本発明の結像方法は、物体側から順に並んだ、負の屈折力を持つ前群と、正の屈折力を持つ後群とを有する広角レンズの結像方法において、前記後群は、物体側から順に並んだ、負レンズと、正レンズと負レンズとの接合からなる接合正レンズと、接合負レンズとを有し、前記後群における前記接合正レンズ中の前記正レンズのd線に対する屈折率をNpとし、前記後群における前記接合正レンズ中の前記負レンズのd線に対する屈折率Nnとしたとき、次式0.0100<Np−Nn<0.4000の条件を満足するとともに、前記前群及び前記後群における光学面のうち少なくとも1面は、ウェットプロセスを用いて形成された層を少なくとも1層含んだ反射防止膜が施されていることを特徴とする。
以上説明したように、本発明によれば、諸収差を良好に補正しつつ、ゴースト、フレアもより低減させることができる、高い光学性能を備えた大口径の広角レンズ、これを有する撮像装置及び結像方法を提供することができる。
以下、好ましい実施形態について、図面を参照しながら説明する。図1に示すように、撮影レンズ2として本実施形態に係る広角レンズを備えた、デジタル一眼レフカメラ1(撮像装置)において、不図示の物体(被写体)からの光は、撮影レンズ2で集光されて、クイックリターンミラー3を介して集点板4に結像される。そして、焦点板4に結像された光は、ペンタプリズム5中で複数回反射されて接眼レンズ6へと導かれる。これにより、撮影者は、物体(被写体)像を接眼レンズ6を介して正立像として観察することができる。
また、撮影者によって不図示のレリーズボタンが押されると、クイックリターンミラー3が光路外へ退避し、撮影レンズ2で集光された不図示の物体(被写体)の光は、撮像素子7上に到達する。これにより、不図示の物体(被写体)からの光は、撮像素子7により撮像され、被写体画像として不図示のメモリに記録される。このようにして、撮影者はカメラ1による物体(被写体)の撮影を行うことができる。
写真レンズを含む対物光学系の設計において、最も困難なことは、大画角化と同時に大口径化を図ることである。これは、即ちザイデル収差を余すところなく補正することに他ならない。加えて、大口径になるほど球面収差及びコマ収差を補正することが困難になり、大画角化するほど像面湾曲、非点収差及びコマ収差を補正することが困難になる。さらに、このような大口径を有する広角レンズに対しては、収差性能だけではなく、光学性能を損なう要因の一つであるゴーストやフレアに関する要求も厳しさを増している。本実施形態の広角レンズでは、高い光学性能、特に球面収差を良好に補正し、色の球面収差(光線の各波長による球面収差の形状のばらつき)、非点収差、コマ収差等の諸収差の発生だけではなく、ゴースト、フレアもより低減させたことに特徴がある。
具体的には、本実施形態に係る広角レンズは、物体側から順に並んだ、負の屈折力を持つ前群と、正の屈折力を持つ後群とを有し、前記後群は、物体側から順に並んだ、負レンズと、正レンズと負レンズとの接合からなる接合正レンズと、開口絞りと、接合負レンズとを有するとともに、後群における接合正レンズ中の正レンズのd線(波長587.6nm)に対する屈折率をNpとし、後群における接合正レンズ中の負レンズのd線に対する屈折率Nnとしたとき、次式(1)の条件を満足するとともに、前群及び後群における光学面のうち少なくとも1面は、ウェットプロセスを用いて形成された層を少なくとも1層含んだ反射防止膜が施された構成となっている。
0.0100<Np−Nn<0.4000 …(1)
上記条件式(1)は、後群における接合正レンズ中の正レンズと負レンズの屈折率差を最適に設定するための条件式である。本実施形態のような大口径の広角レンズの場合、残存収差を極力減らすため、またサジタルコマフレアの発生を抑えるためにも、高屈折率ガラスが使用されることが多く、ペッツバール和が大きくなり過ぎる傾向がある。本実施形態の広角レンズでは、条件式(1)を満足する接合レンズを備えることで、収差補正を良好に保つことができる。すなわち、条件式(1)を満足することは、ペッツバール和を最適な値に保ち、像面湾曲等の最適な収差バランスを実現するために必要な条件となる。
上記条件式(1)の上限値を上回ると、接合正レンズ中の正レンズの屈折率が負レンズの屈折率に比して著しく大きくなるため、ペッツバール和が小さくなり過ぎて好ましくない。また、球面収差が悪化する傾向があり好ましくない。なお、条件式(1)の上限値を0.3000に設定すれば、像面湾曲や球面収差の補正により有利となる。さらに、条件式(1)の上限値を0.2500に設定すれば、本実施形態の効果を最大限に発揮することができる。
一方、条件式(1)の下限値を下回ると、本願において最も重要なペッツバール和の最適化を図ることができなくなり、ペッツバール和が大きい値となり、結果的には像面湾曲を補正することが困難になってしまうため、好ましくない。なお、条件式(1)の下限値を0.0300に設定すれば、像面湾曲の補正により有利となる。さらに、条件式(1)の下限値を0.0500に設定すれば、本実施形態の効果を最大限に発揮することができる。
なお、前記反射防止膜は多層膜であり、この多層膜の最表面層はウェットプロセスを用いて形成された層であることが好ましい。このような構成とすることで、空気との屈折率差を小さくすることができるため、光の反射をより小さくすることが可能になり、ゴーストやフレアをさらに低減させることができる。
また、本実施形態の広角レンズでは、前記ウェットプロセスを用いて形成された層のd線(波長587.6nm)における屈折率をndとしたとき、次式nd≦1.30の条件を満足することが好ましい。この条件式を満足することで、空気との屈折率差を小さくすることができるため、光の反射をより小さくすることが可能になり、ゴーストやフレアをさらに低減させることができる。
また、本実施形態の広角レンズでは、反射防止膜が設けられた光学面は、開口絞りから見て凹面であることが好ましい。開口絞りに対して凹面にゴーストが発生し易いため、この構成により、ゴーストやフレアを効果的に低減させることができる。
なお、反射防止膜は、ウェットプロセスに限らず、(ドライプロセス等により)屈折率が1.30以下となる層を少なくとも1層含むようにしてもよい。このように構成しても、ウェットプロセスを用いた場合と同様の効果を得ることができる。なおこの時、屈折率が1.30以下になる層は、多層膜を構成する層のうち最表面層であることが望ましい。
また、本実施形態の広角レンズでは、後群における接合正レンズの光軸上の総厚をD223とし、レンズ全系の焦点距離をf0としたとき、次式(2)の条件を満足することが好ましい。
0.100<D223/f0<0.800 …(2)
上記条件式(2)は、後群における接合正レンズの光軸上の厚さを、レンズ全系の焦点距離で正規化した条件式である。すなわち、この条件式(2)は、本実施形態の広角レンズに比較的厚肉化された接合正レンズを設けることで、前玉径の小径化、歪曲収差の改善に寄与するために必要な条件である。
この条件式(2)の上限値を上回ると、接合正レンズが著しく厚肉化し、後群が重くなり過ぎてしまうため、好ましくない。また、接合正レンズが厚肉化すると、球面収差が補正不足になる傾向があるため、好ましくない。また、硝材の着色によってカラーバランスが崩れてしまうため、好ましくない。なお、条件式(2)の上限値を0.700に設定すれば、重量の点で有利となる。さらに、条件式(2)の上限値を0.600に設定すれば、本実施形態の効果を最大限に発揮することができる。
一方、条件式(2)の下限値を下回ると、接合正レンズが薄肉化してしまうため、レンズを厚肉化することによる歪曲収差の補正効果(厚肉レンズ効果)が得られなくなり、前玉径の小径化、歪曲収差の改善をすることができなくなる。また、接合正レンズが薄肉化すると、球面収差が補正過剰になる傾向があるため、好ましくない。また、本実施形態の広角レンズにおいて、厚肉化したレンズの存在は各光線の偏角を平均化することに役立っている。これは即ち各公差を緩和し、製造しやすい光学系を設計することに他ならない。したがって、条件式(2)の下限値を下回ると、この効果も減少してしまうため好ましくない。なお、条件式(2)の下限値を0.200に設定すれば、歪曲収差等の補正に効果がある。さらに、条件式(2)の下限値を0.250に設定すれば、本実施形態の効果を最大限に発揮することができる。
以上に述べた条件式(1)と条件式(2)とを同時に満足することが、高性能で、球面収差、色の球面収差(光線の各波長による球面収差の形状のばらつき)、像面湾曲及び非点収差が少なく、製造しやすい大口径の広角レンズを実現する上で、より好ましい。
また、本実施形態の広角レンズでは、後群において、接合正レンズと接合負レンズとの間に正レンズを有することが好ましい。この構成により、球面収差を補正する際の自由度を増やすことができる。
また、本実施形態の広角レンズでは、後群において、接合正レンズと接合負レンズとの間に設けられた正レンズのd線(波長587.6nm)に対する屈折率をN24としたとき、次式(3)の条件を満足することが好ましい。
1.850<N24<2.100 …(3)
上記条件式(3)は、後群における接合正レンズと接合負レンズとの間に位置する、正レンズの屈折率を最適な値に設定するための条件式である。
この条件式(3)の上限値を上回ると、通常の光学ガラスでは分散も著しく大きくなることを意味する。したがって、軸上色収差を補正することが困難になり、またデジタル写真で問題になる色ずれの原因の1つである色の球面収差(光線の各波長による球面収差の形状のばらつき)が発生し、特にg線(波長435.8nm)に対する球面収差が発生してしまうため、好ましくない。また、条件式(3)の上限値を上回るような領域の光学ガラスは着色度が大きく、これを本実施形態の広角レンズのように厚い正レンズに使用する場合には、カラーバランスを最適化することが困難となるため、好ましくない。なお、条件式(3)の上限値を1.9500に設定すれば、本実施形態の効果を最大限に発揮することができる。
一方、条件式(3)の下限値を下回ると、後群における接合正レンズと接合負レンズとの間の正レンズを同じ屈折力に保つ場合に、各レンズ面の曲率が強くなる。このため、収差の発生も増加し、結果的に球面収差を補正することが不利になってしまうため好ましくない。また、上記の条件式(1)のところで述べたように、本実施形態の広角レンズは、大口径であるために、収差補正上、高屈折率ガラスが使用されることが多く、ペッツバール和が大きくなりやすい傾向にある。このため、条件式(3)の下限値を下回ると、ペッツバール和を抑制して最適化することができなくなり、結果的に像面湾曲が最適な値にならないため、好ましくない。なお、条件式(3)の下限値を1.861に設定すれば、本実施形態の効果をさらに発揮することができる。さらに、条件式(3)の下限値を1.865に設定すれば、本実施形態の効果を最大限に発揮することができる。
また、本実施形態の広角レンズでは、後群は、接合正レンズと接合負レンズとの間に、負レンズを有することが好ましい。この構成により、球面収差を補正する際の自由度が増すため、好ましい。
また、本実施形態の広角レンズでは、後群において、接合正レンズと接合負レンズとの間に設けられた負レンズのd線(波長587.6nm)に対する屈折率をN25としたとき、次式(4)の条件を満足することが好ましい。
1.450<N25<1.600 …(4)
上記条件式(4)は、後群における接合正レンズと接合負レンズとの間に設けられた、負レンズの屈折率を最適な値に設定するための条件式である。
この条件式(4)の上限値を上回ると、ペッツバール和が大きくなって最適な値に設定することができなくなるため、好ましくない。また、結果的に、像面湾曲と球面収差との最適なバランスをとることができなくなってしまう。なお、条件式(4)の上限値を1.590に設定すれば、像面湾曲をより良好に補正することが可能となる。さらに、条件式(4)の上限値を1.570に設定すれば、本実施形態の効果を最大限に発揮することができる。
一方、条件式(4)の下限値を下回ると、通常の光学ガラスでは分散が著しく小さくなるため、軸上色収差を補正することが困難になってしまうため、好ましくない。
また、本実施形態の広角レンズでは、後群における接合負レンズの接合面の曲率半径をRaとし、レンズ全系の焦点距離をf0としたとき、次式(5)の条件を満足することが好ましい。
5.02<Ra/f0<18.00 …(5)
上記条件式(5)は、後群における接合負レンズの接合面の曲率半径をレンズ全系の焦点距離で正規化した条件式である。
この条件式(5)の上限値を上回ると、相対的に曲率半径が大きくなるため、前記接合面の屈折力が低下する。したがって、球面収差や上方コマ収差を補正することが困難になり、好ましくない。なお、条件式(5)の上限値を17.15に設定すれば、本実施形態の効果を最大限に発揮することができる。
一方、条件式(5)の下限値を下回ると、相対的に曲率半径が小さくなるため、前記接合面の屈折力が著しく増大する。したがって、この接合面で高次の収差が発生して、色の球面収差、特にg線に対する球面収差が発生してしまうため好ましくない。また、接合負レンズ中の正レンズの縁厚が小さくなるため、当該正レンズに所謂ガラスモールド方式の非球面レンズを用いようとした場合、これを製造するにあたってベースとなるプリフォームを製造することが困難になるため好ましくない。なお、条件式(5)の下限値を5.03に設定すれば、プリフォームの製造の難易度がより下がるため、好ましい。さらに、条件式(5)の下限値を5.05に設定すれば、本実施形態の効果を最大限に発揮することができる。
また、本実施形態の広角レンズでは、後群における接合負レンズ中の正レンズの光軸上の厚さをD27とし、レンズ系全系の焦点距離をf0としたとき、次式(6)の条件を満足することが好ましい。
0.22<D27/f0<0.50 …(6)
上記条件式(6)は、後群における接合負レンズ中の正レンズの光軸上の厚さをレンズ全系の焦点距離で正規化した条件式である。そして、この条件式(6)は、球面収差を良好に補正するための条件式であるとともに、接合負レンズ中の正レンズにガラスモールドの非球面レンズを用いようとした場合に、該非球面レンズの製造を容易にする最適な解を導き出すための条件式である。
この条件式(6)の上限値を上回ると、接合負レンズ中の正レンズが厚くなり過ぎるため、球面収差が補正不足となってしまう。また、ガラスモールドの非球面レンズを精度良く製造することに適さない。そして、結果的にレンズ全系が長くなり、周辺光量が減少してしまうため、好ましくない。なお、条件式(6)の上限値を0.40に設定すれば、加工性のより良いガラスモールドの非球面レンズを製造することができる。さらに、条件式(6)の上限値を0.30に設定すれば、本実施形態の効果を最大限に発揮することができる。
一方、条件式(6)の下限値を下回ると、接合負レンズ中の正レンズが薄くなり過ぎるため、球面収差が補正過剰となってしまう。また、プリフォームを設計する際に、最適な形状設定をすることができなくなり、特に縁厚が不足してしまうため、ガラスモールドの非球面レンズを製造することが困難になるため、好ましくない。なお、条件式(6)の下限値を0.23に設定すれば、プリフォームのさらなる最適化が可能となり、ガラスモールドの非球面レンズの製造が容易になるため好ましい。さらに、条件式(6)の下限値を0.24に設定すれば、本実施形態の効果を最大限に発揮することができる。
また、本実施形態の広角レンズでは、後群は、接合負レンズの像側に、正レンズを有することが好ましい。これにより、本実施形態の広角レンズは、球面収差と上方コマ収差を良好に補正することができる。
また、本実施形態の広角レンズでは、前群は、物体側から順に並んだ、負レンズと、物体側に凸面を向けた正レンズとを有することが好ましい。これにより、本実施形態の広角レンズは、歪曲収差を良好に補正することができる。
また、本実施形態の広角レンズでは、後群において接合負レンズは、非球面を備えていることが好ましい。これにより、本実施形態の広角レンズは、コマ収差と球面収差を良好に補正することができる。
また、本実施形態の広角レンズでは、後群において最も物体側に位置する負レンズは、非球面を備えていることが好ましい。これにより、本実施形態の広角レンズは、下方コマ収差と球面収差、歪曲収差を良好に補正することができる。
また、本実施形態の広角レンズでは、後群を移動させることによって合焦を行うことが好ましい。これにより、本実施形態の広角レンズは、像面湾曲等の近距離収差変動を抑えることができる。
また、本実施形態の撮像装置(例えば、図1に示すデジタル一眼レフカメラ1)は、上記構成の広角レンズを有している。これにより、高い光学性能を備え、大口径で広角の撮像装置を実現することができる。
また、本実施形態の結像方法は、物体側から順に並んだ、負の屈折力を持つ前群と、正の屈折力を持つ後群とを有する広角レンズの結像方法において、後群は、物体側から順に並んだ、負レンズと、正レンズと負レンズとの接合からなる接合正レンズと、接合負レンズとを有し、後群における接合正レンズ中の正レンズのd線に対する屈折率をNpとし、後群における接合正レンズ中の負レンズのd線に対する屈折率Nnとしたとき、次式0.0100<Np−Nn<0.4000の条件を満足するとともに、前記前群及び前記後群における光学面のうち少なくとも1面は、ウェットプロセスを用いて形成された層を少なくとも1層含んだ反射防止膜が施されていることを特徴としている。これにより、高い光学性能を備えた、大口径の広角レンズを実現することができる。
以下、本実施形態に係る各実施例について、図面を参照しつつ説明する。以下に、表1〜表4を示すが、これらは第1〜第4実施例における各諸元の表である。[面データ]においては、面番号は光線の進行する方向に沿った物体側からのレンズ面の順序を、rは各レンズ面の曲率半径を、dは各光学面から次の光学面(又は像面)までの光軸上の距離である面間隔を、ndはd線(波長587.6nm)に対する屈折率を、νdはd線を基準とするアッベ数を示す。なお、物面は物体面、固定絞りFSは固定開口絞り、開口絞りSは開口絞り、像面は像面Iを示している。また、レンズ面が非球面である場合には、面番号に*印を付し、曲率半径rの欄には近軸曲率半径を示す。なお、曲率半径の「0.0000」及び「∞」は平面又は開口を示している。また、空気の屈折率「1.00000」の記載は省略している。
[非球面データ]には、[面データ]に示した非球面について、その形状を次式(a)で示す。すなわち、光軸に垂直な方向の高さをyとし、非球面の頂点における接平面から高さyにおける非球面上の位置までの光軸に沿った距離(サグ量)をS(y)とし、基準球面の曲率半径(近軸曲率半径)をrとし、円錐係数をKとし、n次の非球面係数をAnとしたとき、以下の式(a)で示している。なお、Enは、×10nを表す。例えば、1.234E-05=1.234×10-5である。
S(y)=(y2/r)/{1+(1−K・y2/r21/2}+A3×|y3|+A4×y4
+A6×y6+A8×y8+A10×y10+A12×y12+A14×y14 …(a)
[各種データ]において、fはレンズ全系の焦点距離を、FNOはFナンバーを、2ωは画角(包括角)を、Yは像高を、TLは光学系全長を示す。[可変間隔データ]において、fはレンズ全系の焦点距離を、βは撮影倍率を、d0は物体面から第1面までの焦点距離を、di(但し、iは整数)は第i面の可変の面間隔を示す。なお、1−POSは無限遠合焦時、2−POSは中間距離合焦時、3−POSは近距離合焦時をそれぞれ示している。[条件式]において、上記の条件式(1)〜(6)に対応する値を示す。
なお、表中において、焦点距離f、曲率半径r、面間隔d、その他の長さの単位は、一般に「mm」が使われている。但し、光学系は、比例拡大又は比例縮小しても同等の光学性能が得られるので、単位は「mm」に限定されることなく、他の適当な単位を用いることが可能である。
以上の表の説明は、他の実施例においても同様とし、その説明を省略する。
(第1実施例)
第1実施例に係る広角レンズについて、図2、図3、図4及び表1を用いて説明する。図2は、第1実施例に係る広角レンズの構成を示す断面図である。第1実施例に係る広角レンズは、図2に示すように、物体側から順に並んだ、負の屈折力を有する前群GFと、正の屈折力を有する後群GRとからなる。
前群GFは、物体側から順に並んだ、物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズL11と、物体側に凸面を向けた正メニスカスレンズL12とからなる。
後群GRは、物体側から順に並んだ、物体側に凸面を向けており像側のレンズ面が非球面であってガラスと樹脂の複合からなる非球面負メニスカスレンズL21と、下方コマ収差を有効にカットするための固定絞りFSと、両凸形状の正レンズL22と両凹形状の負レンズL23とからなる接合正レンズL223と、両凸形状の正レンズL24と、物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズL25と、F値を決定する開口絞りSと、両凹形状の負レンズL26と像側のレンズ面が非球面である両凸形状の正レンズL27とからなる非球面接合負レンズL267と、像側に凸面を向けた正メニスカスレンズL28と、像側に凸面を向けた正メニスカスレンズL29とからなる。
上記構成である本実施例に係る広角レンズは、前群GFを像面Iに対して固定し、後群GRを物体側へ繰り出すことにより、近距離物点への合焦を行っている。
表1に第1実施例における各諸元の表を示す。なお、表1における面番号1〜23は、図2に示す面1〜23に対応している。また、第1実施例において、第7面及び第19面は非球面形状に形成されている。
(表1)
[面データ]
面番号 r d nd νd
物面 ∞ ∞
1 59.3881 2.0000 1.795000 45.30
2 26.3497 8.5000
3 58.2056 5.0000 1.846660 23.78
4 151.9046 d4
5 53.0269 2.0000 1.743997 44.78
6 23.0000 0.0300 1.553070 38.73
7* 19.5000 10.3000
8 0.0000 0.0000 固定絞りFS
9 74.5282 10.4000 1.713000 53.89
10 -70.1628 1.5000 1.581439 40.75
11 81.3659 0.1000
12 34.4090 8.5000 1.882997 40.76
13 -109.6466 0.1000
14 84.5036 1.5000 1.516800 64.12
15 33.2580 6.0000
16 0.0000 6.5000 開口絞りS
17 -20.1630 1.5000 1.846660 23.78
18 190.8805 6.6500 1.796680 45.34
19* -43.6868 0.1000
20 -271.3583 6.8000 1.729157 54.68
21 -29.6454 0.1000
22 -146.7024 6.0000 1.487490 70.45
23 -29.2697 BF
像面 ∞
[非球面データ]
第7面
K=0.4892
A3=0.10347E-04
A4=-5.56910E-06
A6=6.80370E-09
A8=-1.10740E-10
A10=-3.95020E-14
A12=0.10277E-14
A14=-0.20250E-17
第19面
K=4.1363
A3=0.23236E-05
A4=1.95290E-05
A6=2.10030E-08
A8=4.37310E-12
A10=-6.33020E-14
A12=0.10159E-15
A14=0.13366E-18
[各種データ]
f=24.70141
FNO=1.45
2ω=83.62
Y=21.6
TL=127.299
[可変間隔データ]
1-POS 2-POS 3-POS
f又はβ 24.70141 -0.03333 -0.17697
d0 ∞ 721.4977 122.7010
d4 5.61885 4.77163 1.03121
BF 38.10019 38.94740 42.68782
[レンズ群データ]
群 始面 焦点距離
前群 1 -159.99879
後群 5 30.40050
[条件式]
条件式(1)Np−Nn=0.1316
条件式(2)D223/f0=0.4818
条件式(3)N24=1.882997
条件式(4)N25=1.51680
条件式(5)Ra/f0=7.728
条件式(6)D27/f0=0.2692
表1に示す諸元の表から、本実施例に係る広角レンズでは、上記条件式(1)〜(6)を全て満たすことが分かる。
図3は、第1実施例に係る広角レンズの無限遠合焦時の諸収差図である。各収差図において、FNOはFナンバーを、Yは像高をそれぞれ示す。なお、球面収差図では最大口径に対応するFナンバーの値を示し、非点収差図及び歪曲収差図では像高の最大値をそれぞれ示し、コマ収差図では各像高の値を示す。また、dはd線(波長587.6nm)、gはg線(波長435.8nm)に対する諸収差を、記載のないものはd線に対する諸収差をそれぞれ示す。また、非点収差図において、実線はサジタル像面を示し、破線はメリディオナル像面を示す。
以上の収差図の説明は、他の実施例においても同様とし、その説明を省略する。
各収差図から明らかなように、第1実施例に係る広角レンズは、球面収差や像面湾曲を含めて諸収差が良好に補正され、優れた結像性能を有していることが分かる。
その結果、第1実施例の広角レンズを搭載することにより、デジタル一眼レフカメラ1(撮像装置。図1参照)においても、高い光学性能を有していることが分かる。
なお、図4に示すように、物体側からの光線BMが上記広角レンズに入射すると、その光は正メニスカスレンズL12における物体側のレンズ面(第1番目のゴースト発生面であり、表1の面番号3に該当)で反射した後に、その反射光は負メニスカスレンズL11における像側のレンズ面(第2番目のゴースト発生面であり、表1の面番号2に該当)で再度反射して像面Iに到達し、ゴーストを発生させてしまう。なお、第1番目のゴースト発生面(面番号3)と第2番目のゴースト発生面(面番号2)は、開口絞りSに対して凹面である。このような面に、より広い波長範囲で広入射角に対応した反射防止膜を形成することで、ゴーストを効果的に低減させることができる。なお、反射防止膜について詳細は後述するが、各実施例に係る反射防止膜は7層からなる多層構造であり、最表面層の第7層はウェットプロセスを用いて形成され、d線に対する屈折率は1.26(以下に示す、表5参照)である。
(第2実施例)
第2実施例に係る広角レンズについて、図5、図6及び表2を用いて説明する。図5は、第2実施例に係る広角レンズの構成を示す断面図である。第2実施例に係る広角レンズは、図5に示すように、物体側から順に並んだ、負の屈折力を有する前群GFと、正の屈折力を有する後群GRとからなる。
前群GFは、物体側から順に並んだ、物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズL11と、物体側に凸面を向けた正メニスカスレンズL12とからなる。
後群GRは、物体側から順に並んだ、物体側に凸面を向けており像側のレンズ面が非球面であってガラスと樹脂の複合からなる非球面負メニスカスレンズL21と、下方コマ収差を有効にカットするための固定絞りFSと、両凸形状の正レンズL22と両凹形状の負レンズL23とからなる接合正レンズL223と、両凸形状の正レンズL24と、物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズL25と、F値を決定する開口絞りSと、両凹形状の負レンズL26と像側のレンズ面が非球面である両凸形状の正レンズL27とからなる非球面接合負レンズL267と、像側に凸面を向けた正メニスカスレンズL28と、像側に凸面を向けた正メニスカスレンズL29とからなる。
上記構成である本実施例に係る広角レンズは、前群GFを像面Iに対して固定し、後群GRを物体側へ繰り出すことにより、近距離物点への合焦を行っている。
表2に第2実施例における各諸元の表を示す。なお、表2における面番号1〜23は、図5に示す面1〜23に対応している。また、第2実施例において、第7面及び第19面は非球面形状に形成されている。
(表2)
[面データ]
面番号 r d nd νd
物面 ∞ ∞
1 63.4533 2.0000 1.795000 45.30
2 26.9501 8.5000
3 61.9151 5.0000 1.846660 23.78
4 208.9930 d4
5 51.6090 2.0000 1.743997 44.78
6 23.0000 0.0300 1.553070 38.73
7* 19.1489 10.7000
8 0.0000 0.0000 固定絞りFS
9 72.8211 5.2000 1.713000 53.89
10 -144.8513 5.0000 1.620040 36.30
11 91.0274 0.1000
12 34.4485 8.5000 1.882997 40.76
13 -105.0335 0.1000
14 81.0087 1.5000 1.516800 64.12
15 33.0624 6.0000
16 0.0000 6.5000 開口絞りS
17 -20.0404 1.5000 1.846660 23.78
18 307.1304 6.7000 1.796680 45.34
19* -44.0600 0.1000
20 -277.0567 6.8000 1.729157 54.68
21 -29.5596 0.1000
22 -143.2909 6.0000 1.487490 70.45
23 -28.8570 BF
像面 ∞
[非球面データ]
第7面
K=0.4925
A3=0.20220E-04
A4=-5.07930E-06
A6=4.70670E-09
A8=-1.10740E-10
A10=1.15680E-14
A12=0.91544E-15
A14=-0.22343E-17
第19面
K=4.0572
A3=-0.22317E-05
A4=1.99800E-05
A6=2.15710E-08
A8=-2.36230E-13
A10=-7.41430E-14
A12=0.17099E-15
A14=0.000000
[各種データ]
f=24.69156
FNO=1.45
2ω=83.57
Y=21.6
TL=126.020
[可変間隔データ]
1-POS 2-POS 3-POS
f又はβ 24.69156 -0.03333 -0.17509
d0 ∞ 721.1133 123.9797
d4 5.61864 4.77541 1.11027
BF 38.07166 38.91488 42.58002
[レンズ群データ]
群 始面 焦点距離
前群 1 -174.59934
後群 5 30.29542
[条件式]
条件式(1)Np−Nn=0.09296
条件式(2)D223/f0=0.4130
条件式(3)N24=1.882997
条件式(4)N25=1.51680
条件式(5)Ra/f0=12.434
条件式(6)D27/f0=0.2713
表2に示す諸元の表から、本実施例に係る広角レンズでは、上記条件式(1)〜(6)を全て満たすことが分かる。
図6は、第2実施例に係る広角レンズの無限遠合焦時の諸収差図である。各収差図から明らかなように、第2実施例に係る広角レンズは、球面収差や像面湾曲を含めて諸収差が良好に補正され、優れた結像性能を有していることが分かる。
その結果、第2実施例の広角レンズを搭載することにより、デジタル一眼レフカメラ1(撮像装置。図1参照)においても、高い光学性能を有していることが分かる。
(第3実施例)
第3実施例に係る広角レンズについて、図7、図8及び表3を用いて説明する。図7は、第3実施例に係る広角レンズの構成を示す断面図である。第3実施例に係る広角レンズは、図7に示すように、物体側から順に並んだ、負の屈折力を有する前群GFと、正の屈折力を有する後群GRとからなる。
前群GFは、物体側から順に並んだ、物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズL11と、物体側に凸面を向けた正メニスカスレンズL12とからなる。
後群GRは、物体側から順に並んだ、物体側に凸面を向けており像側のレンズ面が非球面であってガラスと樹脂の複合からなる非球面負メニスカスレンズL21と、下方コマ収差を有効にカットするための固定絞りFSと、両凸形状の正レンズL22と両凹形状の負レンズL23とからなる接合正レンズL223と、両凸形状の正レンズL24と、物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズL25と、F値を決定する開口絞りSと、両凹形状の負レンズL26と像側のレンズ面が非球面である両凸形状の正レンズL27とからなる非球面接合負レンズL267と、像側に凸面を向けた正メニスカスレンズL28と、像側に凸面を向けた正メニスカスレンズL29とからなる。
上記構成である本実施例に係る広角レンズは、前群GFを像面Iに対して固定し、後群GRを物体側へ繰り出すことにより、近距離物点への合焦を行っている。
表3に第3実施例における各諸元の表を示す。なお、表3における面番号1〜23は、図7に示す面1〜23に対応している。また、第3実施例において、第7面及び第19面は非球面形状に形成されている。
(表3)
[面データ]
面番号 r d nd νd
物面 ∞ ∞
1 59.5725 2.0000 1.795000 45.30
2 26.1220 8.0000
3 56.8929 5.0000 1.846660 23.78
4 151.3695 d4
5 53.0599 2.0000 1.743997 44.78
6 22.0000 0.0300 1.553070 38.73
7* 19.5124 10.4000
8 0.0000 0.0000 固定絞りFS
9 74.6434 10.4000 1.713000 53.89
10 -73.0388 1.5000 1.581439 40.75
11 81.3987 0.1000
12 34.3564 8.5000 1.882997 40.76
13 -112.5568 0.1000
14 87.5021 1.5000 1.487490 70.45
15 31.9683 6.0000
16 0.0000 6.5000 開口絞りS
17 -20.8613 1.5000 1.846660 23.78
18 126.8240 6.8000 1.796680 45.34
19* -43.0638 0.1000
20 -277.9765 8.0000 1.729157 54.68
21 -29.1413 0.1000
22 -149.5422 8.0000 1.487490 70.45
23 -32.0571 BF
[非球面データ]
第7面
K=0.4846
A3=-0.67372E-05
A4=-5.67220E-06
A6=6.84260E-09
A8=-1.15620E-10
A10=-6.92330E-14
A12=0.66615E-15
A14=-0.11155E-18
第19面
K=4.1446
A3=0.23913E-05
A4=1.94580E-05
A6=2.08720E-08
A8=5.31680E-12
A10=-5.76940E-14
A12=0.11817E-15
A14=0.14652E-18
[各種データ]
f=24.70141
FNO=1.45
2ω=83.58
Y=21.6
TL=130.251
[可変間隔データ]
1-POS 2-POS 3-POS
f又はβ 24.70141 -0.03333 -0.18045
d0 ∞ 721.1672 119.7488
d4 5.62730 4.78008 0.94722
BF 38.09386 38.94108 42.77394
[レンズ群データ]
群 始面 焦点距離
前群 1 -159.99879
後群 5 30.40050
[条件式]
条件式(1)Np−Nn=0.1316
条件式(2)D223/f0=0.4818
条件式(3)N24=1.882997
条件式(4)N25=1.48749
条件式(5)Ra/f0=5.135
条件式(6)D27/f0=0.2753
表3に示す諸元の表から、本実施例に係る広角レンズでは、上記条件式(1)〜(6)を全て満たすことが分かる。
図8は、第3実施例に係る広角レンズの無限遠合焦時の諸収差図である。各収差図から明らかなように、第3実施例に係る広角レンズは、球面収差や像面湾曲を含めて諸収差が良好に補正され、優れた結像性能を有していることが分かる。
その結果、第3実施例の広角レンズを搭載することにより、デジタル一眼レフカメラ1(撮像装置。図1参照)においても、高い光学性能を有していることが分かる。
(第4実施例)
第4実施例に係る広角レンズについて、図9、図10及び表4を用いて説明する。図9は、第4実施例に係る広角レンズの構成を示す断面図である。第4実施例に係る広角レンズは、図9に示すように、物体側から順に並んだ、負の屈折力を有する前群GFと、正の屈折力を有する後群GRとからなる。
前群GFは、物体側から順に並んだ、物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズL11と、両凸形状の正レンズL12とからなる。
後群G2は、物体側から順に並んだ、物体側に凸面を向けており像側のレンズ面が非球面であってガラスと樹脂の複合からなる非球面負メニスカスレンズL21と、下方コマ収差を有効にカットするための固定絞りFSと、両凸形状の正レンズL22と両凹形状の負レンズL23とからなる接合正レンズL223と、両凸形状の正レンズL24と、物体側に凸面を向けた負メニスカスレンズL25と、F値を決定する開口絞りSと、両凹形状の負レンズL26と像側のレンズ面が非球面である両凸形状の正レンズL27とからなる非球面接合負レンズL267と、像側に凸面を向けた正メニスカスレンズL28と、像側に凸面を向けた正メニスカスレンズL29とからなる。
上記構成である本実施例に係る広角レンズは、前群GFを像面Iに対して固定し、後群GRを物体側へ繰り出すことにより、近距離物点への合焦を行っている。
表4に第4実施例における各諸元の表を示す。なお、表4における面番号1〜23は、図9に示す面1〜23に対応している。また、第4実施例において、第7面及び第19面は非球面形状に形成されている。
(表4)
[面データ]
面番号 r d nd νd
物面 ∞ ∞
1 64.5076 2.0000 1.816000 46.62
2 28.0548 9.0000
3 69.9486 6.0000 1.755200 27.51
4 -22941.2319 d4
5 60.4280 2.0000 1.743997 44.78
6 23.0000 0.0300 1.553070 38.73
7* 20.2956 11.3000
8 0.0000 0.0000 固定絞りFS
9 71.9402 4.2000 1.713000 53.89
10 -532.0195 3.0000 1.620040 36.30
11 96.7206 0.1000
12 34.0724 7.3000 1.882997 40.76
13 -99.2672 0.1000
14 97.9763 1.0500 1.516800 64.12
15 32.3570 6.0000
16 0.0000 6.5000 開口絞りS
17 -20.0214 1.5000 1.846660 23.78
18 164.2518 7.3000 1.796680 45.34
19* -44.1386 0.1000
20 -272.0698 6.8000 1.729157 54.68
21 -29.7733 0.1000
22 -153.0051 6.2500 1.487490 70.45
23 -28.9988 BF
像面 ∞
[非球面データ]
第7面
K=0.5344
A3=0.29075E-04
A4=-4.25740E-06
A6=1.04410E-08
A8=-1.02060E-10
A10=-1.34340E-15
A12=0.63652E-15
A14=-0.14128E-17
第19面
K=4.0597
A3=-0.51538E-05
A4=1.99550E-05
A6=2.13230E-08
A8=-1.47450E-12
A10=-7.45910E-14
A12=0.19223E-15
A14=0.000000
[各種データ]
f=24.71633
FNO=1.46
2ω=83.53
Y=21.6
TL=124.374
[可変間隔データ]
1-POS 2-POS 3-POS
f又はβ 24.71633 -0.03333 -0.17144
d0 ∞ 720.4521 125.6256
d4 5.61864 4.78527 1.28410
BF 38.12580 38.95917 42.46034
[レンズ群データ]
群 始面 焦点距離
前群 1 -263.87804
後群 5 29.77443
[条件式]
条件式(1)Np−Nn=0.09296
条件式(2)D223/f0=0.2913
条件式(3)N24=1.882997
条件式(4)N25=1.51680
条件式(5)Ra/f0=6.6456
条件式(6)D27/f0=0.2954
表4に示す諸元の表から、本実施例に係る広角レンズでは、上記条件式(1)〜(6)を全て満たすことが分かる。
図10は、第4実施例に係る広角レンズの無限遠合焦時の諸収差図である。各収差図から明らかなように、第4実施例に係る広角レンズは、球面収差や像面湾曲を含めて諸収差が良好に補正され、優れた結像性能を有していることが分かる。
その結果、第4実施例の広角レンズを搭載することにより、デジタル一眼レフカメラ1(撮像装置。図1参照)においても、高い光学性能を有していることが分かる。
ここで、第1〜第4実施例の広角レンズに用いられる反射防止膜について説明する。本実施形態に係る反射防止膜101は、図11に示すように、7層(第1層101a〜第7層101g)からなり、本広角レンズの光学部材102の光学面に形成されている。
第1層101aは真空蒸着法で蒸着された酸化アルミニウムで形成されている。この第1層101aの上に真空蒸着法で蒸着された酸化チタンと酸化ジルコニウムの混合物からなる第2層101bが形成される。続いて、第2層101bの上に真空蒸着法で蒸着された酸化アルミニウムからなる第3層101cが形成され、第3層101cの上に真空蒸着法で蒸着された酸化チタンと酸化ジルコニウムの混合物からなる第4層101dが形成される。さらに、第4層101dの上に真空蒸着法で蒸着された酸化アルミニウムからなる第5層101eが形成され、第5層101eの上に真空蒸着法で蒸着された酸化チタンと酸化ジルコニウムの混合物からなる第6層101fが形成される。そして、第6層101fの上にウェットプロセスによりシリカとフッ化マグネシウムの混合物からなる第7層101gが形成される。このようにして本実施形態の反射防止膜101が形成される。
なお、第7層101gの形成には、ウェットプロセスの一種であるゾル−ゲル法を用いている。ゾル−ゲル法とは、光学部材の光学面上に光学薄膜材料であるゾルを塗布し、ゲル膜を堆積後、液体に浸漬し、この液体の温度及び圧力を臨界状態以上にしてその液体を気化・乾燥させることにより、膜を生成する製法である。但し、ウェットプロセスとして、ゾル−ゲル法に限らず、ゲル状態を経ることなしに固体膜を得る方法を用いてもよい。
以上のように、反射防止膜101は、第1層101a〜第6層101fまではドライプロセスである電子ビーム蒸着により形成され、最表面層(最上層)である第7層101gはフッ酸/酢酸マグネシウム法で調製したゾル液を用いるウェットプロセスにより形成されている。
続いて、上記構成の反射防止膜101を形成する手順を説明する。まず、予めレンズ成膜面(上述の光学部材102の光学面)に真空蒸着装置を用いて、第1層101aとなる酸化アルミニウム層、第2層101bとなる酸化チタン−酸化ジルコニウム混合層、第3層101cとなる酸化アルミニウム層、第4層101dとなる酸化チタン−酸化ジルコニウム混合層、第5層101eとなる酸化アルミニウム層、第6層101fとなる酸化チタン−酸化ジルコニウム混合層を順に形成する。そして、真空蒸着装置より光学部材102を取り出した後、フッ酸/酢酸マグネシウム法により調製したゾル液にバインダー成分を添加したものをスピンコート法により塗布して、第7層101gとなるシリカとフッ化マグネシウムの混合物からなる層を形成する。ここで、フッ酸/酢酸マグネシウム法によって調製される際の反応式を以下の式(b)に示す。
2HF+Mg(CH3COO)2 → MgF2+2CH3COOH …(b)
この成膜に用いたゾル液は、原料混合後、オートクレーブで140℃、24時間高温加圧熟成処理を施した後、成膜に用いられる。光学部材102は、第7層101gの成膜終了後、大気中で160℃、1時間加熱処理して完成される。より具体的には、上記のゾル−ゲル法を用いることにより、大きさが数nmから数十nmのMgF粒子ができ、さらに、それらの粒子が数個集まって二次粒子が形成され、それら二次粒子が堆積することにより第7層101gが形成される。
上記のようにして形成された反射防止膜101の光学的性能について、図12に示す分光特性を用いて説明する。なお、図12は、基準波長λを550nmとしたときに、以下の表5で示される条件で反射防止膜101を設計した場合、光線が垂直入射するときの分光特性を表している。また、表5では、酸化アルミニウムをAl23、酸化チタン−酸化ジルコニウム混合物をZrO2+TiO2、シリカとフッ化マグネシウムの混合物をSiO2+MgF2と示しており、基準波長λを550nmとしたときに、基板の屈折率が1.46、1.62、1.74及び1.85の4種類であるときの各々の設計値を示している。
(表5)
物質 屈折率 光学膜厚 光学膜厚 光学膜厚 光学膜厚
媒質 空気 1.00
第7層 SiO2+MgF2 1.26 0.275λ 0.268λ 0.271λ 0.269λ
第6層 ZrO2+TiO2 2.12 0.045λ 0.057λ 0.054λ 0.059λ
第5層 Al2O3 1.65 0.212λ 0.171λ 0.178λ 0.162λ
第4層 ZrO2+TiO2 2.12 0.077λ 0.127λ 0.13λ 0.158λ
第3層 Al2O3 1.65 0.288λ 0.122λ 0.107λ 0.08λ
第2層 ZrO2+TiO2 2.12 0 0.059λ 0.075λ 0.105λ
第1層 Al2O3 1.65 0 0.257λ 0.03λ 0.03λ
基板の屈折率 1.46 1.62 1.74 1.85
図12より、波長が420nm〜720nmの全域で、反射率が0.2%以下に抑えられていることが分かる。
なお、第1実施例の広角レンズにおいて、正メニスカスレンズL12の屈折率は1.846660であり、正メニスカスレンズL12における物体側のレンズ面に基板の屈折率が1.85に対応する反射防止膜を用いることが可能である。また、負メニスカスレンズL11の屈折率は1.795000であるため、負メニスカスレンズL11の像面側のレンズ面に、基板の屈折率が1.85もしくは1.74に対応する反射防止膜を用いることが可能である。
また、第2実施例の広角レンズにおいて、負メニスカスレンズL21の像側の樹脂の屈折率は1.553070であるため、負メニスカスレンズL21における像側の樹脂面に、後述する基板の屈折率が1.52に対応する反射防止膜を用いることが可能である。
また、第3実施例の広角レンズにおいて、また、第3実施例のレンズ系において、負メニスカスレンズL25の屈折率は1.487490であるため、負メニスカスレンズL25における像側のレンズ面に、基板の屈折率が1.46に対応する反射防止膜を用いることが可能である。
また、第4実施例の広角レンズにおいて、負メニスカスレンズL25の屈折率は1.516800であり、負メニスカスレンズL25の像側のレンズ面に、後述の基板の屈折率が1.52に対応する反射防止膜を用いることが可能である。また、負メニスカスレンズL21の像側の樹脂の屈折率は1.553070であり、負メニスカスレンズL21における像側の樹脂面に、基板の屈折率が1.52に対応する反射防止膜を用いることが可能である。また、正メニスカスレンズL12の屈折率は1.755200であり、正メニスカスレンズL12における物体側の光学面に、基板の屈折率が1.74に対応する反射防止膜を用いることが可能である。また、負メニスカスレンズL11の屈折率は1.816000であるため、負メニスカスレンズL11の像側のレンズ面に、基板の屈折率が1.85に対応する反射防止膜を用いることが可能である。
このように、本実施形態の反射防止膜101を、第1〜第4実施例の広角レンズにそれぞれ適用することで、大口径比を有し、バックフォーカスが長く、諸収差が良好に補正され、ゴーストやフレアをより低減させた、高い光学性能を持つ広角レンズ及びこれを有する撮像装置を提供することができる。
なお、上記の反射防止膜101は、平行平面板の光学面に設けた光学素子として利用することも可能であるし、曲面状に形成されたレンズの光学面に設けて利用することも可能である。
次に、上記反射防止膜101の変形例について説明する。この変形例の反射防止膜は5層からなり、以下の表6で示される条件で構成される。なお、第5層の形成に、前述のゾル−ゲル法を用いている。また、表6では、基準波長λを550nmとしたときに、基板の屈折率が1.52であるときの設計値を示している。
(表6)
物質 屈折率 光学膜厚
媒質 空気 1.00
第5層 シリカとフッ化マグネシウムの混合物 1.26 0.269λ
第4層 酸化チタン−酸化ジルコニウム混合物 2.12 0.043λ
第3層 酸化アルミニウム 1.65 0.217λ
第2層 酸化チタン−酸化ジルコニウム混合物 2.12 0.066λ
第1層 酸化アルミニウム 1.65 0.290λ
基板 BK7 1.52
図13に、変形例の反射防止膜に光が垂直入射するときの分光特性を示す。図13により、波長が420nm〜720nmの全域で、反射率が0.2%以下に抑えられていることが分かる。なお、図14に、入射角が30度、45度、60度の場合の分光特性を示す。
比較のため、図15に、従来の真空蒸着法などのドライプロセスのみで成膜し、以下の表7で示される条件で構成される多層広帯域反射防止膜の垂直入射時の分光特性を示す。なお、図16に、入射角が30度、45度、60度の場合の分光特性を示す。
(表7)
物質 屈折率 光学膜厚
媒質 空気 1.00
第7層 MgF 1.39 0.243λ
第6層 酸化チタン−酸化ジルコニウム混合物 2.12 0.119λ
第5層 酸化アルミニウム 1.65 0.057λ
第4層 酸化チタン−酸化ジルコニウム混合物 2.12 0.220λ
第3層 酸化アルミニウム 1.65 0.064λ
第2層 酸化チタン−酸化ジルコニウム混合物 2.12 0.057λ
第1層 酸化アルミニウム 1.65 0.193λ
基板 BK7 1.52
図13及び図14で示す変形例の分光特性を、図15及び図16で示す従来例の分光特性と比較すると、変形例に係る反射防止膜の反射率の低さが良く分かる。
以上の各実施例によれば、包括角2ω=83°を越え、Fナンバー1.45程度の口径を有し、球面収差、光線の各波長による球面収差の形状のばらつき、像面湾曲、非点収差、色コマ収差、及び倍率色収差が少なく、高い光学性能を備えた製造しやすい大口径の広角レンズを実現することができる。
以下、本実施形態に係る広角レンズの光学性能を損なわない範囲で適宜採用することが可能である。
本実施形態に係る広角レンズの数値実施例として2群構成のものを示したが、本広角レンズの群構成はこれに限られず、3群等の群構成とすることもできる。
また、本実施形態に係る広角レンズにおいて、無限遠物体から近距離物体への合焦を行うために、レンズ群の一部、単独のレンズ群、又は複数のレンズ群を合焦レンズ群として光軸方向へ移動させる構成としてもよい。なお、この合焦レンズ群は、オートフォーカスに適用することも可能であり、オートフォーカス用のモータ、例えば超音波モータ等の駆動にも適している。この点においても、本広角レンズでは後群GRを合焦レンズ群とすることが好ましい。
また、本実施形態に係る広角レンズでは、後群GRを開口絞りSを境に前方群と後方群に分離し、それぞれを異なる移動量で移動させて合焦を行う構成としてもよい。この場合、移動量比を1:1.1〜1.4程度とすれば、近距離収差の変動、特に像面湾曲と球面収差の変動を抑えることができるため好ましい。
また、本実施形態に係る広角レンズにおいて、いずれかのレンズ群全体又はその一部を防振レンズ群として光軸に垂直な方向へシフトさせて、手ブレによって生じる像ブレを補正する構成とすることもできる。特に、本広角レンズでは後群GRの一部又は全体を防振レンズ群とすることが好ましい。
また、本実施形態に係る広角レンズを構成するレンズのレンズ面を非球面としてもよい。なお、非球面は、研削加工による非球面、ガラスを型で非球面形状に成型したガラスモールド非球面、又はガラス表面に設けた樹脂を非球面形状に形成した複合型非球面のいずれでもよい。
また、本実施形態に係る広角レンズにおいては、回折光学素子を用いることも容易である。これにより、特に色収差を良好に補正することが可能となる。
また、本実施形態に係る広角レンズにおいて、開口絞りSは、後群GR中に配置されることが好ましいが、開口絞りとして部材を設けずにレンズ枠でその役割を代用する構成としてもよい。
なお、本実施形態に係る発明を分かりやすくするために、上記実施形態の構成要件を付して説明したが、本発明がこれに限定されるものではないことは言うまでもない。
本実施形態に係る広角レンズを備えた撮像装置(カメラ)の構成を示す図である。 第1実施例に係る広角レンズの構成を示す断面図である。 第1実施例に係る広角レンズの無限遠合焦時の諸収差図である。 第1実施例に係る広角レンズにおいて、入射光線が第1番目のゴースト発生面と第2番目のゴースト発生面で反射する様子を説明する図である。 第2実施例に係る広角レンズの構成を示す断面図である。 第2実施例に係る広角レンズの無限遠合焦時の諸収差図である。 第3実施例に係る広角レンズの構成を示す断面図である。 第3実施例に係る広角レンズの無限遠合焦時の諸収差図である。 第4実施例に係る広角レンズの構成を示す断面図である。 第4実施例に係る広角レンズの無限遠合焦時の諸収差図である。 本実施例に係る反射防止膜の構造を示す説明図である。 本実施例に係る反射防止膜の分光特性を示すグラフである。 変形例に係る反射防止膜の分光特性を示すグラフである。 変形例に係る反射防止膜の分光特性を示すグラフである。 従来技術で作成した反射防止膜の分光特性を示すグラフである。 従来技術で作成した反射防止膜の分光特性を示すグラフである。
符号の説明
1 カメラ(撮像装置) 2 撮影レンズ(広角レンズ)
3 クイックリターンミラー
4 焦点板 5 ペンタプリズム
6 接眼レンズ 7 撮像素子
G1 前群 G2 後群
S 開口絞り I 像面
101 反射防止膜
101a 第1層 101b 第2層
101c 第3層 101d 第4層
101e 第5層 101f 第6層
101g 第7層 102 光学部材

Claims (19)

  1. 物体側から順に並んだ、負の屈折力を持つ前群と、正の屈折力を持つ後群とを有し、
    前記後群は、物体側から順に並んだ、負レンズと、正レンズと負レンズとの接合からなる接合正レンズと、接合負レンズとを有するとともに、前記後群における前記接合正レンズ中の前記正レンズのd線に対する屈折率をNpとし、前記後群における前記接合正レンズ中の前記負レンズのd線に対する屈折率Nnとしたとき、次式
    0.0100<Np−Nn<0.4000
    の条件を満足し、
    前記前群及び前記後群における光学面のうち少なくとも1面は、ウェットプロセスを用いて形成された層を少なくとも1層含んだ反射防止膜が施されていることを特徴とする広角レンズ。
  2. 前記反射防止膜は多層膜であり、
    前記多層膜の最表面層は、前記ウェットプロセスを用いて形成された層であることを特徴とする請求項1に記載の広角レンズ。
  3. 前記ウェットプロセスを用いて形成された層のd線における屈折率をndとしたとき、次式
    nd≦1.30
    の条件を満足することを特徴とする請求項1又は2に記載の広角レンズ。
  4. 前記後群は、前記接合正レンズと前記接合負レンズとの間に、開口絞りを有することを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の広角レンズ。
  5. 前記反射防止膜が設けられた光学面は、前記開口絞りから見て凹面であることを特徴とする請求項4に記載の広角レンズ。
  6. 前記後群における前記接合正レンズの光軸上の総厚をD223とし、レンズ全系の焦点距離をf0としたとき、次式
    0.100<D223/f0<0.800
    の条件を満足することを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の広角レンズ。
  7. 前記後群は、前記接合正レンズと前記接合負レンズとの間に、正レンズを有することを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載の広角レンズ。
  8. 前記後群において、前記接合正レンズと前記接合負レンズとの間に設けられた前記正レンズのd線に対する屈折率をN24としたとき、次式
    1.850<N24<2.100
    の条件を満足することを特徴とする請求項7に記載の広角レンズ。
  9. 前記後群は、前記接合正レンズと前記接合負レンズとの間に、負レンズを有することを特徴とする請求項1〜8のいずれか一項に記載の広角レンズ。
  10. 前記後群において、前記接合正レンズと前記接合負レンズとの間に設けられた前記負レンズのd線に対する屈折率をN25としたとき、次式
    1.450<N25<1.600
    の条件を満足することを特徴とする請求項9に記載の広角レンズ。
  11. 前記後群における前記接合負レンズの接合面の曲率半径をRaとし、レンズ全系の焦点距離をf0としたとき、次式
    5.02<Ra/f0<18.00
    の条件を満足することを特徴とする請求項1〜10のいずれか一項に記載の広角レンズ。
  12. 前記後群における前記接合負レンズ中の前記正レンズの光軸上の厚さをD27とし、レンズ系全系の焦点距離をf0としたとき、次式
    0.22<D27/f0<0.50
    の条件を満足することを特徴とする請求項1〜11のいずれか一項に記載の広角レンズ。
  13. 前記後群は、前記接合負レンズの像側に、正レンズを有することを特徴とする請求項1〜12のいずれか一項に記載の広角レンズ。
  14. 前記前群は、物体側から順に並んだ、負レンズと、物体側に凸面を向けた正レンズとを有することを特徴とする請求項1〜13のいずれか一項に記載の広角レンズ。
  15. 前記後群において前記接合負レンズは、非球面を備えていることを特徴とする請求項1〜14のいずれか一項に記載の広角レンズ。
  16. 前記後群において最も物体側に位置する前記負レンズは、非球面を備えていることを特徴とする請求項1〜15のいずれか一項に記載の広角レンズ。
  17. 前記後群を移動させることによって合焦を行うことを特徴とする請求項1〜16のいずれか一項に記載の広角レンズ。
  18. 請求項1〜17のいずれか一項に記載の広角レンズを有することを特徴とする撮像装置。
  19. 物体側から順に並んだ、負の屈折力を持つ前群と、正の屈折力を持つ後群とを有する広角レンズの結像方法において、
    前記後群は、物体側から順に並んだ、負レンズと、正レンズと負レンズとの接合からなる接合正レンズと、接合負レンズとを有するとともに、前記後群における前記接合正レンズ中の前記正レンズのd線に対する屈折率をNpとし、前記後群における前記接合正レンズ中の前記負レンズのd線に対する屈折率Nnとしたとき、次式
    0.0100<Np−Nn<0.4000
    の条件を満足し、
    前記前群及び前記後群における光学面のうち少なくとも1面は、ウェットプロセスを用いて形成された層を少なくとも1層含んだ反射防止膜が施されていることを特徴とする広角レンズの結像方法。
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