JP2009198415A - 中空光ファイバプローブ及び中空光ファイバプローブの製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】直接マニピュレータにより微粒子にプローブを接近させて補足することができる中空光ファイバプローブ及び中空光ファイバプローブの製造方法、又はエバネッセント光を効率よく受光/照射できる中空光ファイバプローブ及び中空光ファイバプローブの製造方法を提供する。
【解決手段】本発明に係る中空光ファイバプローブ1は、光が伝搬する中空領域14を有し、一端の口径が他端の口径より小さい中空管と、中空管の内壁に、金属ナノ粒子を原料として形成される金属薄膜12とを備える。
【選択図】図1

Description

本発明は、中空光ファイバプローブ及び中空光ファイバプローブの製造方法に関する。特に、本発明は、先端が先鋭化された中空光ファイバプローブ及び中空光ファイバプローブの製造方法に関する。
従来の光ファイバプローブとして、光ファイバの溶融延伸によって形成されたテーパ面を端部に有する光ファイバと、テーパ面にコーティングされたアルミニウム、金等の金属膜とを備える金属コート光ファイバプローブがある(例えば、非特許文献1参照)。
非特許文献1に記載の金属コート光ファイバプローブは、溶融延伸の加熱及び延伸の強度並びにタイミングを調整することにより、50nmの先端径、20°から40°程度の先鋭角を有するテーパを光ファイバの端部に形成できるので、光の波長よりも小さい分解能で測定が可能な近接場光学顕微鏡のプローブとして用いることができる。
また、従来の中空光ファイバとして、中空構造を有するキャピラリと、キャピラリの内壁にコーティングされた金属膜とを備える中空光ファイバがある(例えば、非特許文献2参照)。非特許文献2に記載された中空光ファイバは、硝酸銀を溶解した銀液とブドウ糖を還元剤とする還元液とを真空ポンプで同時に吸引すると共に混合して、中空光ファイバの母材としてのガラスキャピラリに流入させることにより、ガラスキャピラリの内壁に銀粒子を析出させて金属膜としての銀薄膜を形成する。
非特許文献2に記載の中空光ファイバは、中空構造を有するので、高ピークパワーを有するパルスレーザ光、又は赤外吸収損のため伝送媒体として石英材料を用いることができない波長2μm以上の赤外波長帯の光伝送路として用いることができる。
物部秀二、外1名、「近接場光学用プローブの作製法」、精密工学会誌、社団法人精密工学会、2000年、Vol.66,No.5,p.667−670 久保田智、外6名、「銀鏡反応法による低損失細径銀中空ガラス導波路の製作」、レーザー研究、社団法人レーザー学会、1997年6月、第25巻、p.438−441
しかし、非特許文献1に係る光ファイバプローブは、光の伝搬領域としてのコア部がプローブ先端まで達する構造を有しておらず、プローブ先端とコア部の端部とにギャップがある。したがって、非特許文献1に係る光ファイバプローブでは、試料へ照射される励起光の出射効率が低下すると共に、物体表面に局在するエバネッセント光を検出する場合においても、検出光のコア部への結合効率が低下する。
また、非特許文献2に係る中空光ファイバからプローブを製造する場合、先端を先鋭化したガラスキャピラリに銀液と還元液とを流入させてプローブを製造することを要するが、ガラスキャピラリ内における液の流速は先鋭化された端部の口径に依存するので、小さな口径では先鋭化された先端部に十分な金属薄膜を形成できるほどの流速が得られず、比較的口径が大きなプローブ(例えば、100μm以上の口径)しか製造できない。
したがって、本発明の目的は、直接マニピュレータにより微粒子にプローブを接近させて補足することができる中空光ファイバプローブ及び中空光ファイバプローブの製造方法、又はエバネッセント光を効率よく受光/照射できる中空光ファイバプローブ及び中空光ファイバプローブの製造方法を提供することにある。
本発明は、上記目的を達成するため、光が伝搬する中空領域を有し、一端の口径が他端の口径より小さい中空管と、中空管の内壁に、金属ナノ粒子を原料として形成される金属薄膜とを備える中空光ファイバプローブが提供される。
また、上記中空光ファイバプローブは、一端が、光の波長程度の口径、又は光の波長より小さい口径を有して形成することができる。また、上記中空光ファイバプローブは、金属薄膜の内壁と接している面の反対側の表面に形成される光の波長に対して透明な誘電体薄膜を更に備えてもよく、一端は、一端から他端に向かう方向に沿った所定の領域において金属薄膜を露出してもよい。
また、本発明は、上記目的を達成するため、光が伝搬する中空領域を有し、一端の口径が他端の口径よりも小さい中空管の内部に、金属ナノ粒子を含むナノ粒子溶液を他端から注入して、中空管の内壁にナノ粒子溶液を付着させるナノ粒子溶液付着工程と、中空管の内壁に付着したナノ粒子溶液から、中空管の内壁に金属薄膜を形成する金属薄膜形成工程とを備える中空光ファイバプローブの製造方法が提供される。
また、上記中空光ファイバプローブの製造方法は、誘電体を含む誘電体原料溶液を、他端側から中空管に注入して、金属薄膜の内壁と接している面の反対側の表面に誘電体原料溶液を付着させる誘電体溶液付着工程と、金属薄膜に付着した誘電体原料溶液から、光の波長に対して透明な誘電体薄膜を金属薄膜上に形成する誘電体薄膜形成工程とを更に備えてもよく、また、他端側から中空管内を加圧した状態で、一端を所定のエッチング液に浸漬して、一端から他端に向かう方向に沿った所定の領域の誘電体薄膜を除去して金属薄膜を露出させるエッチング工程を更に備えてもよい。
本発明に係る中空光ファイバプローブ及び中空光ファイバプローブの製造方法によれば、直接マニピュレータにより微粒子にプローブを接近させて補足することができる中空光ファイバプローブ及び中空光ファイバプローブの製造方法、又はエバネッセント光を効率よく受光/照射できる中空光ファイバプローブ及び中空光ファイバプローブの製造方法を提供することができる。
を提供できる。
[第1の実施の形態]
図1(a)は、本発明の第1の実施の形態に係る中空光ファイバプローブの部分断面の一例を示し、(b)はA−A線における中空光ファイバプローブの断面の一例を示す。
(中空光ファイバプローブ1の構成)
図1(a)及び(b)に示すように、本発明の第1の実施の形態に係る中空光ファイバプローブ1は、先端を先鋭化した中空管として所定の長さを有するキャピラリ10と、キャピラリ10の内壁に沿って設けられ、中空領域14を伝搬する光を反射する反射層としての機能を有する金属薄膜12とを備える。
中空光ファイバプローブ1の母材としてのキャピラリ10は、円筒筒状を有して、光が伝搬する中空領域14を有して形成され、一端としての先端部16の口径d1が、他端側の口径d2よりも小さく形成される。すなわち、キャピラリ10は、口径d2を有する直胴部分と口径d1を有する傾斜部分(長さL1)、すなわちテーパ部とを含んで形成される。テーパ部の長さL1は、数mm程度に形成される。また、中空光ファイバプローブ1の全長、すなわち、先端部16から他端(図示しない)までの長さは、一例として、数cmから10cm程度に形成される。ここで、直胴部分と傾斜部分との境界としての口径変化点10aから先端部16に向かって、口径d2から口径d1へと徐々に口径が減少する。なお、中空領域14は、空気等の気体が充填されている領域である。
また、先端部16は、中空領域14を伝搬する光の波長程度、又は光の波長より小さい口径d1を有して形成される。先端部16の口径d1は、一例として、100μmより小さく形成される。また、先端部16の口径d1は、効率よくエバネッセント光を受光/発光することを目的として20μm以下に形成することもでき、更に効率よくエバネッセント光を受光/発光することを目的として10μm以下、一例として5μm以下に形成することもできる。なお、中空領域14を伝搬させる光として1μmから数百μm程度の波長を有する光を用いることもできる。この場合、先端部16は、1μmから数百μmより小さい口径d1を有して形成される。
また、キャピラリ10は、一例として、無機材料としての石英ガラスからなる石英ガラスキャピラリから形成することができる。例えば、石英ガラスキャピラリの一部を加熱した後、所定の張力を石英ガラスキャピラリに加えることにより石英ガラスキャピラリを延伸・破断する溶融延伸により、先端部16の口径d1が他端の口径d2より小さいキャピラリ10を形成できる。なお、キャピラリ10を構成する材料として石英ガラスを用いることにより、耐熱性に優れると共に内壁を平滑に形成できる。一例として、内径50μm、外径125μmの細径の石英キャピラリを溶融延伸して、5μmの口径d1を有するキャピラリ10を形成することができる。
金属薄膜12は、キャピラリ10の内壁に、所定の金属ナノ粒子を原料として、この金属ナノ粒子を焼結することにより形成される。金属薄膜12は、一例として、所定の平均粒子径を有する金属ナノ粒子を焼結することにより形成される。ここで、中空領域14を伝搬する光の波長に対して優れた光学的特性(例えば、高い反射率を示す特性)を示す金属薄膜12を形成できる金属ナノ粒子を、金属薄膜12を形成する材料として用いる。例えば、金属ナノ粒子として、金(Au)ナノ粒子、銀(Ag)ナノ粒子、又は銅(Cu)ナノ粒子等を用いることができる。本実施の形態では、例えば、Agナノ粒子を用いる。また、腐食及び/又は変色が実質的に発生しない良好な化学的安定性、及び特性の安定性を金属薄膜12に備えさせることを目的とする場合、Auナノ粒子を金属ナノ粒子として用いることができる。
なお、焼結前の金属ナノ粒子は、その平均粒子径が10nm以下のものを用いる。例えば、平均粒子径が3nmから5nmであるAgナノ粒子を用いて、金属薄膜12としてのAg薄膜を形成できる。そして、金属薄膜12の膜厚は、金属薄膜12を構成する金属材料の粒子径が大きくなることによりキャピラリ10への機械的な応力負荷が実質的に生じず、また、中空光ファイバプローブ1の機械的強度が実質的に劣化しない厚さに形成される。一例として、金属薄膜12の膜厚は、100nm以下に形成される。なお、先端部16近傍の金属薄膜12の膜厚は、プローブ口径を制御することを目的として、100nm以下の膜厚に限られない。
なお、本実施の形態に係る中空光ファイバプローブ1を伝搬する光は、その大部分が中空領域14内を伝搬する。そして、中空光ファイバプローブ1の内壁に設けられる金属薄膜12(例えば、Agナノ粒子から形成されるAg薄膜)に、中空領域14を伝搬する光の光エネルギーが深く侵入することはない。したがって、スキンデプスより十分厚い膜厚を有する金属薄膜12であれば、キャピラリ10の内壁に金属薄膜12を設けたことによる効果が得られる。ここで、スキンデプスとは、光エネルギーがexp(−1)に減衰する膜厚dで定義され、d=λ/(4πk)で表される式により定義される。なお、λは中空領域14を伝搬する光の波長であり、kは材料の消衰係数である。
(中空光ファイバプローブ1の製造方法)
図2Aは、本発明の第1の実施の形態に係る中空光ファイバプローブの製造の流れの一例を示す。また、図2B(a)は、本発明の第1の実施の形態に係る中空光ファイバプローブの製造に用いる溶液注入装置の一例を示し、(b)は、電気炉の一例を示す。
まず、石英ガラスから形成される所定長のキャピラリを溶融延伸する(S100)。これにより、中空領域14を有すると共に、先端部16が先鋭化されたキャピラリ10bが形成される。次に、図2B(a)に示すように、キャピラリ10bの先鋭化された先端部16の反対側の端部としての他端18に、所定の接続部32を介して弾力性を有するチューブ30を接続する。更に、チューブ30の接続部32側の端部とこの端部の反対側の端部との間に、チューブ30を波状に収縮させて所定の溶液を所定の方向に送出する蠕動ポンプとしてのポンプ20を接続する。これにより、本実施の形態に係る溶液注入装置50が構成される。ここで、先端部16から他端18までの長さLを有する部分が、中空光ファイバプローブ1となる部分である。
そして、ポンプ20の回転を所定の駆動方向20aに駆動させ、金属ナノ粒子を所定の溶媒に分散させた所定容量のナノ粒子溶液40を、キャピラリ10bの内部に注入する(S110)。すなわち、キャピラリ10bの先端部16とは反対側の他端18からナノ粒子溶液40を注入する。金属ナノ粒子を分散させる溶媒は、揮発性に優れた有機溶媒を用いることができ、一例として、ヘキサン、トルエン、又はテトラデカン等を用いることができる。
キャピラリ10bの内部に注入されたナノ粒子溶液40は、他端18から先端部16に向かって移動しつつ、キャピラリ10bの内壁に付着する。そして、キャピラリ10bの内壁に付着していないナノ粒子溶液40、すなわち、余分なナノ粒子溶液40は、キャピラリ10bの先端部16からキャピラリ10bの外部に排出させる(S120)。本実施の形態に係る金属ナノ粒子は、揮発性に優れた有機溶媒に分散されているので、キャピラリ10bの内壁に付着したナノ粒子溶液40は、比較的迅速に乾燥する。
ここで、先端部16の口径d1が所定径より大きい場合、余分なナノ粒子溶液40は先端部16から外部に排出される。一方、先端部16の口径d1が光の波長程度又は光の波長以下の場合、先端部16から余分なナノ粒子溶液30を排出するには多大な時間がかかる。このような場合、キャピラリ10bの内壁に光沢を有する金属薄膜12を形成することが困難である。よって、この場合、ナノ粒子溶液40が先端部16に達した後にポンプ20を逆駆動(すなわち、駆動方向20aを逆の方向に設定する)させ、ナノ粒子溶液40を注入した側のチューブ30からナノ粒子溶液40を排出させる。
ここで、キャピラリ10bの内壁に焼結して形成される金属薄膜12の膜の均一性を維持することができ、所望の膜厚の金属薄膜12を得ることを目的として、金属ナノ粒子の含有率が40wt%未満、又はナノ粒子溶液40の粘度が100mPa・s未満のナノ粒子溶液40を用いる。本実施の形態に係るナノ粒子溶液40としてのAgナノ粒子溶液としては、一例として、Agの含有率が35wt%、粘度が10mPa・sから50mPa・sの範囲のAgナノ粒子溶液を用いることができる。なお、ナノ粒子溶液40の粘度、及びキャピラリ10b内を移動するナノ粒子溶液40の流速に応じてキャピラリ10bの内壁に付着するナノ粒子溶液40の付着量は決定される。
次に、図2Bの(b)に示すように、ナノ粒子溶液40が内壁に付着したキャピラリ10bを、電気炉55内に設置する。そして、キャピラリ10bの内に、キャピラリ10bの他端18の側から先端部16の側に向けて、所定の気体を流しながらナノ粒子溶液40を熱処理、すなわち焼結する(S130)。このS130の工程により、ナノ粒子溶液40は、乾燥されると共に高温熱処理により焼結する。これにより、キャピラリ10bの内壁に金属薄膜12が形成される。キャピラリ10bの内に流す気体は、不活性ガスとしての窒素ガス、アルゴンガス、又はヘリウムガスを用いることができる。また、キャピラリ10b内に流す気体として空気を用いることもできる。
なお、熱処理は、形成する金属薄膜12が、所望の光学特性を得られる程度に十分に高い密度と所望の機械的強度とを有すると共に、金属薄膜12とキャピラリ10bとが十分な付着力をもって密着する温度であって、金属ナノ粒子の凝集により粒子径が粗く、脆い金属膜とならない範囲の温度で実施する。本実施の形態においては、一例として、窒素ガスをキャピラリ10b内に流しつつ、150℃から250℃の範囲の温度の熱処理をこのキャピラリ10bに施す。これにより、金属薄膜12としてのAg薄膜が、キャピラリ10bの内壁に密着して形成される。
(第1の実施の形態の効果)
本発明の第1の実施の形態に係る中空光ファイバプローブ1によれば、100μm未満の口径(開口)を有する先端部16を備えると共に、光沢面を有すると共に膜厚が略均一な金属薄膜12をキャピラリ10の内壁に備えることができる。これにより、本実施の形態に係る中空光ファイバプローブ1によれば、物体の微小領域への効率のよいエバネッセント光の照射、又は、物体表面に局在するエバネッセント光の効率のよい受光ができる近接場光学用の光ファイバプローブとして用いることができる。
また、本実施の形態に係る中空光ファイバプローブ1は、20μm以下の口径(開口)を有する先端部16を形成できるので、エバネッセント光を効率よく受光/発光でき、微小粒子を光でトラップして自在に移動させることができる光ピンセットとしても用いることができる。
また、本実施の形態に係る中空光ファイバプローブ1を近接場光学顕微鏡用のプローブとして用いる場合、光の伝搬領域としての中空領域4が中空光ファイバプローブ1の先端まで達しており、先端部分も中空領域14と金属薄膜12及びキャピラリ10とで導波構造を形成しているので、試料へ励起光を照射する場合、先端からの出射効率を向上させることができる。
また、本実施の形態に係る中空光ファイバプローブ1により物体表面に局在するエバネッセント光を検出する場合、先端部16の開口部が直に光の伝搬領域(コア領域)としての中空領域4となっているので、検出項のコア領域への結合効率が非常に高く、近接場光の検出用プローブとして非常に有用である。
更に、本実施の形態に係る中空光ファイバプローブ1は、中空領域14を有しているので、先端部16の微小な領域を開口部として用いることができ、この開口部を、光が伝搬する中空領域14と直結させることができる。したがって、中空光ファイバプローブ1の先端からの光の出射効率、又は検出光の受光効率が、中空領域を有さないガラスファイバから形成したプローブに比べて、大幅に向上する。
また、本実施の形態に係る中空光ファイバプローブ1の製造方法においては、溶融延伸により先端を先鋭化させるので、中空光ファイバプローブ1の先端部16の形状を容易に制御することができ、安定した形状の先端部16を形成できる。
また、本実施の形態に係る中空光ファイバプローブ1の製造方法においては、キャピラリ10bの内壁に付着するナノ粒子溶液40は微量であり、また、余分なナノ粒子溶液40は、先端部16から排出されて他の中空光ファイバプローブの製造に再利用できる。したがって、原料としてのナノ粒子溶液40の利用効率は高く、製造コストを大幅に低減できる。
[第2の実施の形態]
図3(a)は、本発明の第2の実施の形態に係る中空光ファイバプローブの部分断面の一例を示し、(b)はB−B線における中空光ファイバプローブの断面の一例を示す。更に、図3(c)は、第2の実施の形態に係る中空光ファイバプローブの先端部分を拡大した部分断面の一例を示す。
本発明の第2の実施の形態に係る中空光ファイバプローブ1aは、誘電体薄膜13を更に備える点を除き、第1の実施の形態に係る中空光ファイバプローブ1と略同一の構成を備える。したがって、相違点を除き詳細な説明は省略する。
(中空光ファイバプローブ1aの構成)
中空光ファイバプローブ1aは、先端部16側が先鋭化されたキャピラリ10(傾斜部分の長さL1)と、キャピラリ10の内壁に金属ナノ粒子の焼結により形成される金属薄膜12と、金属薄膜12のキャピラリ10の内壁と接している面の反対側の表面に形成される誘電体薄膜13とを備える。なお、金属薄膜12は、第1の実施の形態と同様に、一例として、Agナノ粒子を焼結して形成されるAg薄膜である。
誘電体薄膜13は、中空領域14を伝搬する光の波長帯で透明な高分子材料から形成することができ、例えば、ポリイミド樹脂又はオレフィン樹脂等の樹脂材料から形成することができる。また、第2の実施の形態においては、図3(c)に示すように、キャピラリ10の一端としての先端部16から先端部16の反対側の他端としての端部に向かう方向に沿って、誘電体薄膜13の一部が除去されている。そして、誘電体薄膜13が除去された領域において、金属薄膜12の表面12aが露出した微小領域17が形成されている。
すなわち、本実施の形態においては、先端部16からキャピラリ10の内部の方向に向かって所定の領域だけ誘電体薄膜13が除去されることにより金属薄膜12の表面12aが露出して、誘電体薄膜13の端部としての誘電体先端部16aからキャピラリ10の先端部16までの所定の領域(断面における長さL2)を含む部分が、微小領域17となる。
(中空光ファイバプローブ1aの製造方法)
図4は、本発明の第2の実施の形態に係る中空光ファイバプローブの製造の流れの一例を示す。
第2の実施の形態に係る中空光ファイバプローブ1aは、キャピラリ10の内壁に金属薄膜12を形成するまでの工程(S100からS130の工程)は、第1の実施の形態に係る中空光ファイバプローブ1の製造工程と同一であるので、S100からS130の工程についての説明は省略する。以下は、キャピラリ10の内壁に金属薄膜12を形成した後の工程について説明する。
図2Bの(a)において説明した工程と同様にして、キャピラリ10の先端部16の反対側の端としての他端から、金属薄膜12が内壁に形成されたキャピラリ10に、所定の溶媒に所定の誘電体を溶解した所定容量の誘電体原料溶液を注入する(S140)。なお、誘電体薄膜13をポリイミド等から形成する場合、有機溶媒としてのN−メチル−2−ピロリドン(NMP)又はジメチルアセトアミド(DMA)等にポリイミド等を溶解させることにより、誘電体原料溶液を調製できる。これにより、金属薄膜12のキャピラリ10の内壁と接している面の反対側の表面に、誘電体原料用液が付着する。
そして、金属薄膜12の表面に付着していない誘電体原料溶液、すなわち、余分な誘電体原料溶液は、キャピラリ10の先端部16からキャピラリ10の外部に排出させる(S150)。ここで、先端部16の口径d1が所定径より大きい場合、余分な誘電体原料溶液は先端部16から外部に排出される。一方、先端部16の口径d1が光の波長程度又は光の波長以下の場合は、誘電体原料溶液が先端部16に達した後にポンプ20を逆駆動させ、誘電体原料溶液を注入した側のチューブ30から誘電体原料溶液を排出させる。これにより、金属薄膜12の表面に誘電体薄膜13が形成される。
続いて、先端部16から他端に向かう方向に沿った所定の領域の誘電体薄膜13をエッチングにより除去して金属薄膜12を露出させることにより、微小領域17を形成する(S170)。具体的に、誘電体薄膜13を溶解させる誘電体薄膜用のエッチング液に先端部16から所定の距離(例えば、長さL2に対応する距離)だけキャピラリ10を浸漬することにより、所定の領域の誘電体薄膜13を除去する。
この場合において、毛管現象によってエッチング液が先端部16から他端に向けて侵入して、傾斜部分を含む広範囲の誘電体薄膜13が除去されることを防止すべく、キャピラリ10の一端としての先端部16の反対側の端部としての他端側から、ポンプ20を駆動させることによりキャピラリ10内を加圧する。なお、形成される微小領域17のサイズは、先端部16の口径のサイズに依存する。具体的に、微小領域17のサイズは、先端部16をエッチング液に浸漬した際にエッチングによって先端部16から発生する気泡の直径程度のサイズに制限される。
(第2の実施の形態の効果)
本発明の第2の実施の形態に係る中空光ファイバプローブ1aは、微小領域17を備えているので、微小領域17において露出している金属薄膜12が表面プラズモンを励起させ、中空光ファイバプローブ1aの先端に局在するエバネッセント光と強く相互作用する。そして、表面プラズモンが共鳴的に励起されると、表面のごく近傍において光パワーが集中する。これにより、本実施形態に係る中空光ファイバプローブ1aによれば、近接場での光強度を大幅に増大させることができる。
また、本発明の第2の実施の形態に係る中空光ファイバプローブ1aは、キャピラリ10の内壁に金属薄膜12を介して誘電体薄膜13を備えているので、中空領域14を伝搬する光の伝送損失を、誘電体薄膜13がない場合に比べて低減できる。また、本実施の形態に係る中空光ファイバプローブ1aは、赤外波長帯のレーザ光であるEr−YAGレーザ(波長:2.94μm)、COレーザ(波長:10.6μm)等の伝送に有効に用いることができる他、可視光領域又は近赤外領域の光を伝送する際における伝送損失も低減できる。
以上、本発明の実施の形態を説明したが、上記に記載した実施の形態は特許請求の範囲に係る発明を限定するものではない。また、実施の形態の中で説明した特徴の組合せの全てが発明の課題を解決するための手段に必須であるとは限らない点に留意すべきである。
(a)は、第1の実施の形態に係る中空光ファイバプローブの部分断面図であり、(b)はA−A線における中空光ファイバプローブの断面図である。 第1の実施の形態に係る中空光ファイバプローブの製造の流れを示す図である。 (a)は、第1の実施の形態に係る中空光ファイバプローブの製造に用いる溶液注入装置を示す図であり、(b)は、電気炉を示す図である。 (a)は、第2の実施の形態に係る中空光ファイバプローブの部分断面図であり、(b)はB−B線における中空光ファイバプローブの断面図である。更に、(c)は、第2の実施の形態に係る中空光ファイバプローブの先端部分を拡大した部分断面図である。 第2の実施の形態に係る中空光ファイバプローブの製造の流れを示す図である。
符号の説明
1、1a 中空光ファイバプローブ
10、10b キャピラリ
10a 口径変化点
12 金属薄膜
12a 表面
13 誘電体薄膜
14 中空領域
16 先端部
16a 誘電体先端部
17 微小領域
18 他端
20 ポンプ
20a 駆動方向
30 チューブ
32 接続部
40 ナノ粒子溶液
50 溶液注入装置
55 電気炉
60 窒素ガス

Claims (7)

  1. 光が伝搬する中空領域を有し、一端の口径が他端の口径より小さい中空管と、
    前記中空管の内壁に、金属ナノ粒子を原料として形成される金属薄膜と
    を備える中空光ファイバプローブ。
  2. 前記一端は、前記光の波長程度の口径、又は前記光の波長より小さい口径を有する
    請求項1に記載の中空光ファイバプローブ。
  3. 前記金属薄膜の前記内壁と接している面の反対側の表面に形成される前記光の波長に対して透明な誘電体薄膜
    を更に備える請求項1又は2に記載の中空光ファイバプローブ。
  4. 前記一端は、前記一端から前記他端に向かう方向に沿った所定の領域において前記金属薄膜を露出する
    請求項2に記載の中空光ファイバプローブ。
  5. 光が伝搬する中空領域を有し、一端の口径が他端の口径よりも小さい中空管の内部に、金属ナノ粒子を含むナノ粒子溶液を前記他端から注入して、前記中空管の内壁に前記ナノ粒子溶液を付着させるナノ粒子溶液付着工程と、
    前記中空管の内壁に付着した前記ナノ粒子溶液から、前記中空管の内壁に金属薄膜を形成する金属薄膜形成工程と
    を備える中空光ファイバプローブの製造方法。
  6. 誘電体を含む誘電体原料溶液を、前記他端側から前記中空管に注入して、前記金属薄膜の前記内壁と接している面の反対側の表面に前記誘電体原料溶液を付着させる誘電体溶液付着工程と、
    前記金属薄膜に付着した前記誘電体原料溶液から、前記光の波長に対して透明な誘電体薄膜を前記金属薄膜上に形成する誘電体薄膜形成工程と
    を更に備える請求項5に記載の中空光ファイバプローブの製造方法。
  7. 前記他端側から前記中空管内を加圧した状態で、前記一端を所定のエッチング液に浸漬して、前記一端から前記他端に向かう方向に沿った所定の領域の前記誘電体薄膜を除去して前記金属薄膜を露出させるエッチング工程
    を更に備える請求項6に記載の中空光ファイバプローブの製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN107942459A (zh) * 2017-11-23 2018-04-20 中国建筑材料科学研究总院有限公司 一种光纤传像元件的排板系统

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