JP2009197904A - 転がり機械要素 - Google Patents

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Abstract

【課題】潤滑が希薄な転がり機械要素においても、特殊な材料の使用や、特殊な熱処理や表面処理等の加工を施すことなく、接触面の表面損傷を容易かつ効果的に防止できる転がり機械要素を提供すること。
【解決手段】接触面としてのころの転動面に、接触2物体のドロップ量の和が対数関数で表されるクラウニングを設ける。部分円弧で表されるクラウニングをころの転動面に設けた場合と比べて局所的な面圧を低減でき、接触面に摩耗を生じにくくすることができる。したがって、潤滑剤の微量化や低粘度化により潤滑膜の膜厚比が3以下となる場合においても、ドロップ量が対数関数で表されるクラウニングを採用することにより、接触面の摩耗を防止し、転がり機械要素の損傷を防止することができる。
【選択図】図1

Description

本発明は、微量あるいは低粘度の潤滑剤で潤滑されて集中接触が生じる接触面を有する、例えばころ軸受等の転がり機械要素に関する。
最近、各種の機械装置においては、省エネルギー化を図るため、使用される潤滑油の微量化や低粘度化が進んでいる。このような状況では、相対運動をする接触部を有する機械要素において、接触部相互の接触面に十分な潤滑油膜が形成されず、表面損傷を引き起こす恐れがある。このような問題の対策として、転がり軸受においては、従来、接触面への固体潤滑被膜の形成(特許文献1)や、熱処理による接触面の強化(特許文献2)や、微小なディンプルの形成による接触面の保油性の向上(特許文献3)や、接触面の表面粗さとクラウニングの最適化(特許文献4)が開示されている。
特開2007−170426号公報 特開2003−065226号公報 特開平02−168021号公報 特開2007−146941号公報
しかしながら、上記従来の対策のうち、固体潤滑被膜の形成、熱処理による強化、及び、ディンプルの形成は、通常の転がり軸受の製造工程に対して追加的な工程が必要となり、製造コストが上昇する問題がある。
また、上記表面粗さとクラウニングの最適化では、ころの転動面の輪郭線を、クラウニングとストレート部とを補助円弧で繋いだ形状としているが、ストレート部と、補助円弧と、クラウニングとの曲率は、相互間の境界で不連続に変化している。図4は、部分円弧のクラウニングとストレート部との間を補助円弧とし、補助円弧をクラウニングの部分円弧とストレート部の直線との両方に接する勾配に形成したころの輪郭線と、ころの転動面における接触面圧を重ねて示した図である。図4において、横軸はころの母線方向であり、縦軸は母線直交方向及び面圧である。ころの輪郭線は、内輪又は外輪ところの有効接触部の中央部に横軸の原点Oを設定している。図4に示すように、ストレート部、補助円弧及びクラウニング相互間の境界における勾配が連続であっても、曲率が不連続であると接触面圧が局所的に増加し、油膜切れや表面損傷を招く恐れがあるという問題がある。さらに、クラウニングの表面粗さを大幅に低くする必要があるので、特殊な研磨処理が必要となり、製造コストが嵩むという問題がある。
そこで、本発明は斯かる実情に鑑み、潤滑が希薄な転がり機械要素においても、特殊な材料の使用や、特殊な熱処理や表面処理等の加工を施すことなく、接触面の表面損傷を効果的に防止できる転がり機械要素を提供しようとするものである。
請求項1の発明は、クラウニングが形成された接触面に潤滑剤が供給される転がり機械要素において、上記接触面に形成される潤滑膜の膜厚比が3以下であり、上記クラウニングの輪郭線が対数関数で表されることを特徴とする転がり機械要素である。
通常、転がり機械要素の接触面において、潤滑膜の膜厚比が3以下である場合、混合潤滑状態となって部分的に金属接触が生じる。ここで、膜厚比とは、接触面に形成される潤滑油膜の最小油膜厚さhminと接触面の合成自乗平均粗さσの比hmin/σをいう。σは接触2物体の自乗平均粗さをそれぞれσ1、σ2としたとき、√(σ +σ )で表される。転がり機械要素としての例えばころ軸受では、ころの転動面の輪郭線を部分円弧のクラウニングとストレート部とを有する形状に形成した場合、図5に示すように、クラウニングとストレート部との境界で接触面圧が増加する。そのため、十分な膜厚の潤滑膜が形成されていないと、金属接触による摩耗が生じやすくなる。接触面に部分的に摩耗が生じると、その近辺で、より金属接触が生じやすい状態となるため、接触面の摩耗が促進され、転がり機械要素が損傷に至る不都合が生じる。
ここで、接触面としてのころの転動面に、輪郭線が対数関数で表されるクラウニングを設けた場合、例えば図1に示すように、図5の部分円弧で表されるクラウニングを設けた場合と比べて局所的な面圧が低くなり、接触面に摩耗を生じ難くすることができる。したがって、潤滑剤の微量化や低粘度化により潤滑膜の膜厚比が3以下となる場合においても、接触面の摩耗を防止し、転がり機械要素の損傷を防止することができる。なお、図1及び5には、ころの母線方向を横軸とすると共に母線直交方向を縦軸とする直交座標系に、内輪又は外輪ところの有効接触部の中央部に横軸の原点Oを設定してころの輪郭線を示すと共に、面圧を縦軸として接触面圧を重ねて示している。
請求項2の発明は、請求項1において、上記クラウニングの輪郭線を、最大の荷重条件でエッジロードが発生しない形状に設定することを特徴とする転がり機械要素である。
接触面のクラウニングが対数関数で表される場合であっても、接触面にエッジロードが生じる場合は摩耗の起点となる場合がある。ここで、上記実施形態によれば、クラウニングの輪郭線を最大の荷重条件でエッジロードが発生しない形状とすることにより、接触面の摩耗を防止して、転がり機械要素の損傷を効果的に防止することができる。ここで、エッジロードとは、接触面のクラウニングと他の部分との境界近傍において局所的に増大する接触面圧をいう。
請求項3の発明は、請求項1において、上記接触面が、ストレート部を有することを特徴とする転がり機械要素である。
上記実施形態によれば、ストレート部を形状測定の基準として使用することにより高精度なクラウニングの加工ができると共に、接触面のストレート部とクラウニングとの境界近傍におけるエッジロードの発生を防止することができる。
請求項4の発明は、請求項1において、上記クラウニングの輪郭線を、接触面の母線をy軸とし、母線直交方向をz軸とするy−z座標系における式(1)で表すことを特徴とする転がり機械要素である。
Figure 2009197904

ここで、A=2K1Q/πLE’であり、K1,K2,zmは設計パラメータである。また、Qは荷重、Lは接触面の有効接触部の母線方向長さ、E’は等価弾性係数であり、また、aは接触面の母線上にとった原点から有効接触部の端部までの長さである。荷重Q、有効接触部の母線方向長さL、および、等価弾性係数E’は、設計条件として与えられ、原点から有効接触部の端部までの長さaは、原点の位置によって定められる値である。
上記実施形態によれば、設計パラメータK1,K2,zmを適宜設定することにより、対数関数で表されるクラウニングの輪郭線が得られる。
請求項5の発明は、請求項4に記載の転がり機械要素において、上記K1,K2,zmの少なくとも1つを、面圧を目的関数として最適化するものである。
上記設計パラメータK1,K2,zmは、面圧、応力及び寿命のうちのいずれかを目的関数として最適化して定められるところ、表面起点の損傷は面圧に依存する。ここで、上記実施形態によれば、面圧を目的関数として最適化して設計パラメータK1,K2,zmを設定するので、潤滑剤が希薄な条件においても接触面の摩耗を防止できるクラウニングが得られる。
請求項6の発明は、請求項1において、上記接触面が、グリース潤滑又はエアオイル潤滑されることを特徴とする転がり機械要素である。
上記実施形態によれば、グリース潤滑の場合、接触面は増ちょう剤からにじみ出た少量の基油によって潤滑されるので、接触面に潤滑膜が薄く形成される場合が多い。また、エアオイル潤滑の場合、接触面に供給される潤滑剤が少量となってスターベーションが生じやすい。これらの潤滑が希薄な接触面に対し、本発明により定めたクラウニングを形成することにより、接触面の摩耗を効果的に防止できる。
請求項7の発明は、請求項1において、上記転がり機械要素が、ころ軸受であることを特徴とする転がり機械要素である。
上記実施形態によれば、ころ軸受の接触面の潤滑が希薄な場合においても、接触面の摩耗を防止して損傷を防止でき、高耐久性のころ軸受を得ることができる。
請求項8の発明は、請求項7において、上記ころ軸受が、鉄鋼圧延機のロール軸、コンロッドの往復運動側軸、ロボット関節軸又は冷媒圧縮機の駆動軸に用いられるものであることを特徴とする転がり機械要素である。
上記実施形態によれば、鉄鋼圧延機のロール軸、コンロッドの往復運動側軸、ロボット関節軸又は冷媒圧縮機の駆動軸に用いられるころ軸受は、接触面の潤滑膜の形成不良が生じやすい条件で動作する場合が多い。ここで、本発明により定めたクラウニングを接触面に形成することにより、接触面の摩耗を防止してころ軸受の損傷を防止できる。
請求項9の発明は、請求項1において、上記転がり機械要素が、歯車、トラクションドライブ、直動案内装置又はガイドローラであることを特徴とする転がり機械要素である。
上記実施形態によれば、接触面に荷重が間歇的に作用する歯車や、接触面が広範囲にわたるトラクションドライブや、接触面を有する転動体が急激に停止及び転動する直動案内装置及びガイドローラにおいて、接触面の摩耗を防止して各種転がり機械要素の損傷を防止できる。
本発明の転がり機械要素によれば、接触面に形成される潤滑膜の膜厚比が3以下となり、部分円弧のクラウニングでは金属接触が生じやすい条件においても、接触面圧を効果的に低減させて接触面の摩耗を抑制することができ、転がり機械要素の損傷を効果的に防止することができる。
以下、本発明に係る転がり機械要素を説明する。
図2は、本発明の転がり機械要素を、円筒ころ軸受に適用した一例を示すものである。この円筒ころ軸受は、内輪11と、外輪12と、内輪軌道面11a及び外輪軌道面12aの相互間に転動自在に介在させる複数の円筒ころ13,13,…と、軸受周方向に所定の間隔を隔てて円筒ころ13,13,…を保持する保持器14とを主要な構成要素としている。この実施形態では、各円筒ころ13,13,…の転動面13a,13a,…に、カットクラウニング13b,13cを設け、内輪11の軌道面11a及び外輪12の軌道面12aはそれぞれ円筒面状に形成してある。
図3は、円筒ころ13の母線をy軸とし、円筒ころ13の母線上であって内輪11又は外輪12と円筒ころ13の有効接触部の中央部に原点Oをとると共に、母線直交方向(半径方向)にz軸をとったy−z座標系に、下記の式(1)で表されるクラウニング13bの一例を示したものである。有効接触部は、円筒ころ13にカットクラウニング13b,13cを形成していない場合の内輪11又は外輪12と円筒ころ13との接触部位である。また、円筒ころ13,13,…の各クラウニング13b,13cは、通常、有効接触部の中央部を通るz軸に関して線対称に形成されるので、図3では、一方のクラウニング13bのみを示している。

Figure 2009197904

ここで、A=2K1Q/πLE’であり、K1,K2,zmは設計パラメータである。Qは荷重、Lは接触面の有効接触部の母線方向長さ、E’は等価弾性係数であり、また、aは接触面の母線上にとった原点から有効接触部の端部までの長さである。荷重Q、有効接触部の母線方向長さL、および、等価弾性係数E’は、設計条件として与えられ、原点から有効接触部の端部までの長さaは、原点の位置によって定められる値である。
上記式(1)において、z(y)は、円筒ころ13の母線方向位置yにおけるクラウニング13bのドロップ量を示しており、クラウニング13bの始点O1の座標は(a−K2a,0)であるから、式(1)におけるyの範囲は、y>(a−K2a)である。また、図3では、原点Oを有効接触部の中央部にとっているので、a=L/2となる。さらに、原点Oからクラウニング13bの始点O1までの領域は、円筒面状に形成されるストレート部であるから、0≦y≦(a−K2a)のとき、z(y)=0となる。
設計パラメータK1は荷重Qの倍率、幾何学的にはクラウニング13bの曲率の程度を意味している。設計パラメータK2は、原点Oから有効接触部の端部までの母線方向長さaに対するクラウニング13bの母線方向長さymの割合を意味している(K2=ym/a)。設計パラメータzmは、有効接触部の端部におけるドロップ量、即ちクラウニング13bの最大ドロップ量を意味している。
ここで、図1に示したころのクラウニングは、設計パラメータK2=1であってストレート部の無いフルクライニングであり、エッジロードが発生しない十分なドロップ量が確保されている。しかしながら、ドロップ量が過大であると、加工時に、材料取りされた素材から生じる取代が大きくなり、コスト増大を招くこととなる。そこで、以下のように、設計パラメータK1,K2,zmの最適化を行う。
設計パラメータK1,K2,zmの最適化手法としては種々のものを採用することができ、例えば、Rosenbrock法等の直接探索法を採用することができる。ここで、ころの転動面における表面起点の損傷は面圧に依存するので、最適化の目的関数を面圧とすることにより、希薄潤滑下における接触面の油膜切れを防止するクラウニングを得ることができる。
また、ころに対数クラウニングを施す場合,ころの加工精度を確保するためには転動面の中央部分に全長の1/2以上の長さのストレート部を設けるのが好ましい。この場合は、K2を一定の値とし、K1,zmについて最適化すればよい.
(比較試験)
転がり機械要素としての円筒ころ軸受に関し、実施例と比較例の運転を行い、運転後に接触面の摩耗程度を比較する試験を行った。実施例としては、上記式(1)に荷重条件に基づく最適設計により定めた設計パラメータK1,K2,zmを設定して対数クラウニングを求め、この対数クラウニングをころに形成した円筒ころ軸受を2個用いた。比較例としては、荷重条件に基づく最適設計により部分円弧クラウニングを求め、この部分円弧クラウニングをころに形成した円筒ころ軸受を2個用いた。運転では、粘度グレードがISO VG2の潤滑油を、オイルミスト潤滑により転動面に供給した。転動面の表面粗さと潤滑油供給量に基づいて計算により求めた膜厚比は0.4である。実施例と比較例の設計条件は表1及び表2のとおりであり、試験結果は表3に示すとおりである。
Figure 2009197904

Figure 2009197904

Figure 2009197904
表3から分かるように、部分円弧クラウニングを設けた比較例No.1,2では、運転開始から極めて短時間で異音が発生し、軌道面には凝着摩耗が見られた。ころの転動面においては、クラウニング部とストレート部の境界部分で表面損傷の程度が顕著であった。一方、対数クラウニングを設けた実施例No.1,2では、50時間にわたって問題なく運転することができ、打ち切りにより運転を終了した。実施例、比較例とも試験数2でほぼ同じ結果となっており再現性があることも確認された。このように、本発明を適用することにより、希薄潤滑の状況においても接触面の摩耗を防止できることが明らかとなった。
上記実施形態の円筒ころ軸受は、オイルミスト潤滑が行われたが、グリース潤滑が行われる場合においても接触面の摩耗を防止することができる。グリース潤滑の場合、接触面は増ちょう剤からにじみ出た少量の基油によって潤滑されるので、潤滑油膜の形成が不十分となりやすい。ここで、本発明により定めた対数クラウニングを採用することにより部分的な面圧の増加が生じないため、グリース潤滑の場合においても表面損傷を防ぐことができる。
また、例えば工作機械主軸用の円筒ころ軸受におけるように、エアオイル潤滑が行われる場合においても、上記実施例の円筒ころ軸受を好適に採用できる。すなわち、エアオイル潤滑が行われる場合、接触面に供給される潤滑油量は理論的に形成されうる厚さの油膜を発生させるには十分ではなく、スターベーションを起こして、油膜が十分潤滑の場合より薄くなる。ここで、本発明による対数クラウニングを適用した円筒ころ軸受を採用することにより、エアオイル潤滑が行われる円筒ころ軸受の損傷を防止し、工作機械のメンテナンス性と耐久性の向上を図ることができる。
本発明を適用した転がり機械要素としての円筒ころ軸受は、種々の用途に用いることができる。例えば、鉄鋼圧延機のロール軸を支持する軸受では、軸受内部に水が浸入してグリースと混合されるため、グリースの粘度が低下する。このような使用条件においても、本発明による対数クラウニングを適用した円筒ころ軸受を採用することにより、接触面の表面損傷を防止することができる。
また、エンジン等のクランク機構に用いられるコンロッドの往復運動する側(エンジンではピストン側)に取り付けられる軸受では、クランク軸の1回転につき2度、動作速度が0となる。このとき、接触面の潤滑油膜が形成されにくくなり、軸受の部材(例えばころと外輪及び内輪)が直接接触する可能性が高くなる。また、軸受の回動方向が反転し、急激に運動方向が変化するため、接触面にすべりが発生しやすい。
また、例えばロボット関節に用いられる軸受は、揺動運動が主体となり、頻繁に動作速度が0となり、クランク機構の軸受と同様の問題が存在する。
このようなクランク機構やロボット関節の用途においても、本発明を適用した円筒ころ軸受を採用することにより、接触面に安定して潤滑油膜を形成することができ、損傷を防止することができる。
また、円筒ころ軸受のうち、スラストころ軸受では、ピッチ円上でころが純転がりをする場合においても、ころの端部ではすべりが発生する。摩耗の発生は油膜厚さ及び面圧の他、すべり速度にも依存するから、希薄潤滑の状態で使用されるスラストころ軸受では端部に摩耗が生じやすくなる。ここで、本発明をスラストころ軸受に適用することにより、ころの端部においても十分な潤滑油膜を形成し、すべりによる摩耗を防止することができる。このような軸受として、例えば斜板式の冷媒圧縮機の駆動軸を支持するスラスト針状ころ軸受がある。冷媒圧縮機は、動作中に潤滑油に冷媒が混入して粘度が低下し、油膜が薄くなりやすいところ、本発明を適用したスラストころ軸受を適用することにより、油膜切れによる表面損傷を効果的に防止することができる。
以上、本発明を円筒ころ軸受に適用した例を説明したが、本発明は、円すいころ軸受や自動調心ころ軸受等、他の形式のころ軸受についても適用可能である。さらに、本発明は、軸受に限定されず、歯車、トラクションドライブ、直動案内、ガイドローラ等のように、部材間に接触面が形成される各種機械要素に適用可能である。
輪郭線が対数関数で表されるクラウニングを設けたころを示す図である。 本発明を適用した円筒ころ軸受を示す図である。 クラウニング形状の一例を示すy−z座標図である。 部分円弧のクラウニングとストレート部との間を補助円弧としたころの輪郭線と、ころの転動面における接触面圧を重ねて示した図である。 部分円弧のクラウニングとストレート部を設けたころの輪郭線と、ころの転動面における接触面圧を重ねて示した図である。
符号の説明
13b,13c カットクラウニング

Claims (9)

  1. クラウニングが形成された接触面に潤滑剤が供給される転がり機械要素において、
    上記接触面に形成される潤滑油膜の最小油膜厚さをhmin、接触2物体の合成自乗平均粗さをσとしたとき、膜厚比hmin/σが0を越え3以下であり、
    接触2物体の上記クラウニングのドロップ量の和が対数関数で表されることを特徴とする転がり機械要素。
  2. 請求項1において、上記クラウニングのドロップ量の和を、最大の荷重条件でエッジロードが発生しない形状に設定することを特徴とする転がり機械要素。
  3. 請求項1において、上記接触面が、ストレート部を有することを特徴とする転がり機械要素。
  4. 請求項1において、上記クラウニングのドロップ量の和を、接触面の母線をy軸とし、母線直交方向をz軸とするy−z座標系における式(1)で表すことを特徴とする転がり機械要素。
    Figure 2009197904

    ここで、A=2K1Q/πLE’であり、K1,K2,zmは設計パラメータである。また、Qは荷重、Lは接触面の有効接触部の母線方向長さ、E’は等価弾性係数であり、また、aは接触面の母線上にとった原点から有効接触部の端部までの長さである。荷重Q、有効接触部の母線方向長さL、および、等価弾性係数E’は、設計条件として与えられ、原点から有効接触部の端部までの長さaは、原点の位置によって定められる値である。
  5. 請求項4において、上記式(1)のK1,K2,zmの少なくとも1つを、面圧を目的関数として最適化することを特徴とする転がり機械要素。
  6. 請求項1において、上記接触面が、グリース潤滑又はエアオイル潤滑されることを特徴とする転がり機械要素。
  7. 請求項1において、上記転がり機械要素が、ころ軸受であることを特徴とする転がり機械要素。
  8. 請求項7において、上記ころ軸受が、鉄鋼圧延機のロール軸、コンロッドの往復運動側軸、ロボット関節軸又は冷媒圧縮機の駆動軸に用いられるものであることを特徴とする転がり機械要素。
  9. 請求項1において、上記転がり機械要素が、歯車、トラクションドライブ、直動案内装置又はガイドローラであることを特徴とする転がり機械要素。
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