JP2009195765A - 多孔質で固形の水及び油吸着材及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】かなりの部分が産業廃棄物として処理される植物性の食品残渣から、多孔質で固形の水と油の両方の吸着材を製造し提供すること。
【解決手段】植物性繊維を主成分とする原材料、好ましくはおから又は脱脂大豆が60〜85重量%、でんぷん類、好ましくはコーンスターチが40〜15重量%の均一混合物からなり、嵩比重が0.3〜0.6で圧縮強度が1000〜3000gfである多孔質で固形の水及び油吸着材。多孔質で固形の形状は、径が1〜5mmで長さが1〜12mmの範囲にある円柱又は円筒形状のものが好ましい。
【選択図】なし
【解決手段】植物性繊維を主成分とする原材料、好ましくはおから又は脱脂大豆が60〜85重量%、でんぷん類、好ましくはコーンスターチが40〜15重量%の均一混合物からなり、嵩比重が0.3〜0.6で圧縮強度が1000〜3000gfである多孔質で固形の水及び油吸着材。多孔質で固形の形状は、径が1〜5mmで長さが1〜12mmの範囲にある円柱又は円筒形状のものが好ましい。
【選択図】なし
Description
本発明は、オイル流出事故等で緊急対策に使用される、植物性の有機材料を利用した多孔質で固形の水及び油吸着材とその製造方法に関する。
交通事故、道路工事現場、工場敷地内等において、各種オイルの流出事故がしばしば発生している。路面等に油が漏れた場合、その油が新たな事故の原因になったり、火災の危険もあるため、早急に油を取り除く必要があり、また、河川への流出や、土壌汚染も防ぐ必要がある。かかる緊急時には、通常、流出した油を、砂や珪藻土やオガクズ等で吸着させて取り除く方法が行われている。しかし、各種事故現場で流出した油は、水と共存している場合が多く、砂や珪藻土やオガクズ等は水や油の吸着能力が低く、回収のために多量の材料を必要とする。また、回収した砂やオガクズ等を廃棄すれば土壌汚染の二次災害を招く可能性もある。
砂やオガクズ等に代えて、石油化学製品の吸着材や、油を分解するバクテリアを含む木質油吸着材等も開発あるいは提案されている。木質油吸着材の場合は、自らの持つ細孔のほか、長い繊維の絡み合いの中に多くの油が保持されるだけでなく、石油化学製品と同じく、水をはじいて油になじむ性質があるという特徴がある。しかしながら、石油化学製品は、水は吸着しにくく、油を吸着してゲル状になる場合がある。また、木質油吸着材は、油の吸着能力が必ずしも高くないという問題がある。
本発明者は、植物性繊維を含む廃棄物(おから又は脱脂大豆)からなる無定形片と、無定形片を相互に接合する接合剤(デンプンを含む農産物又はデンプン類)とからなり、嵩比重が0.50〜0.80である多孔質体によって構成された、多孔質体の空隙に動物の尿が吸収されることを特徴とする動物用糞尿処理・消臭材を提案した(特許文献1)。本発明者は、この多孔質体を、水及び油吸着材として利用することについて鋭意研究を展開したものである。特許文献1の他にも、トウモロコシ、大豆、菜種等の食用植物の農産物残渣から生分解性の油吸着材を製造する方法は公知である(例えば、特許文献2と3)。しかしながら、従来のものは、水を吸着すると溶解又はゲル化し、また、油の吸着能力や後処理の容易さ等の点で必ずしも十分ではない。
特開平10−271931号公報
特開平7−60115号公報
特開平8−131824号公報
本発明の課題は、通常、かなりの部分が産業廃棄物として処理される植物性の食品残渣から、多孔質で固形の水と油の両方の吸着材を製造し提供することにある。
本発明は、植物性繊維を主成分とする原材料60〜85重量%、好ましくは70〜80重量%と、でんぷん類40〜15重量%、好ましくは30〜20重量%の均一混合物からなり、嵩比重が0.3〜0.6、好ましくは0.4〜0.5で圧縮強度が1000〜3000gf、好ましくは1500〜2500gfである多孔質で固形の水及び油吸着材である。本発明の前記混合物には、本発明に悪影響を与えない限り、防腐剤や着色剤等の第3成分を含んでいても良いが、その量は全体の約5重量%以下の範囲であるのが好ましい。
本発明において固形とは、固くて一定の形のあるものをいう。そして、本発明の多孔質で固形の水及び油吸着材の形状としては、特に制限はなく、チップ(小片)化したものであれば良いが、径が1〜5mmで長さが1〜12mm、特に、径が2〜5mmで長さが2〜10mmの範囲にある円柱又は円筒形状のものが好ましい。
本発明の多孔質で固形の水及び油吸着材は、水に対してもまた油に対しても吸着能力が高く、水分や油分を吸収・吸着しても溶解又はゲル化することがないので、後処理が非常に便利である。本発明は、その主要成分として、植物性繊維を主成分とする原材料、例えば、おからを使用するものであるが、豆腐を作るために使用される大豆の量は年間約150万トンで、そこから水分を含んで生まれるおからは約700万トンと推定されており、おからのほぼ半分は家畜用の飼料等として有効利用されるものの、それ以外は産業廃棄物として有料で処分されると言われている。従って、本発明は、この様に大量の産業廃棄物を有効活用するものである。また、産業廃棄物を利用するものであるから、コスト的にも非常に有利である。
前記した様に、本発明者は、植物性繊維を含む廃棄物(おから又は脱脂大豆)からなる無定形片と、無定形片を相互に接合する接合剤(デンプンを含む農産物又はデンプン類)とからなり、嵩比重が0.50〜0.80である多孔質体によって構成された、多孔質体の動物用糞尿処理・消臭材を既に提案した(特許文献1)。
特許文献1においては、接合剤の配合量は、通常、廃棄物100重量%に対して1〜20重量%とすることが好ましく、特に2〜15重量%、更には5〜10重量%程度とすることが好ましく、この範囲であれば、適度に発泡し、形状は十分に保持され、且つ尿等を十分に吸収することができる動物用糞尿処理・消臭材を得ることができるとされている。接合剤が20重量%を越える場合は、発泡が過多となり、空隙が多くなりすぎて、得られる糞尿処理・消臭材の形状が安定して保持されない。
また、特許文献1では、その製造方法に関し、押出成形によって製造するのが好ましいこと、そして、押出成形の温度に関しては、100〜130℃、更には115〜125℃であることが好ましく、この温度範囲であれば、形状の保持が十分であって、取り扱い易い動物用糞尿処理・消臭材を得ることができること。押出成形の温度が130℃を越えると、空隙が大きくなって糞尿処理、消臭材が脆くなり、また、消臭効果が損なわれる恐れがあると記載されている。
前記の様に特許文献1に述べられた方法で具体的に得られた多孔質体は、動物用糞尿処理・消臭材としては優れたものであるが、これをそのまま水及び油吸着材として用いたのでは、特に水分を含んだ油分を吸着したとき多孔質体がゲル状となり、後処理に非常に不便であるという問題が起こることが分かった。
これに対し、本発明の多孔質で固形の水及び油吸着材は、植物性繊維を主成分とする原材料60〜85重量%とでんぷん類40〜15重量%の均一混合物からなり、嵩比重が0.3〜0.6で圧縮強度が1000〜3000gfの範囲にあるものである。本発明では、植物性繊維に対するでんぷん類の混合割合を増加し、且つ、製造工程、例えば、押出成形時の温度を60〜90℃に設定することによって、でんぷん類のα化を促し、その結果、吸着材の表面硬度を硬くして、水分を含んだ油分を吸着してもゲル化することなく、後処理が容易な水及び油吸着材を開発したものである。
本発明における圧縮強度とは、固形の水及び油吸着材(製品)の製品強度(圧縮破壊強度)を意味し、具体的には、万能材料試験機(島津製作所製、AG−I・100KN)を使用し(ロードセル100N使用)、圧縮速度:2mm/minの条件で測定したときの値である。また、嵩比重は、固形の水及び油吸着材(製品)をリッター枡に入れて、1リットルの重さを測定して求めたものである。
本発明において、多孔質で固形の水及び油吸着材の形状は特に制限されるものではなく、チップ(小片)化したものであれば、不定形片であっても良いが、多孔質で固形の形状が、径が1〜5mmで長さが1〜12mmの範囲にある円柱又は円筒形状であるものが、取扱い性等の点で好ましい。円筒形状の場合、孔の径は1mm程度が好ましい。
本発明において用いられる植物性繊維を主成分とする原材料としては、特に制限はなく、
各種の食品加工業及び農林業等において排出される植物性繊維を含む廃棄物を使用することができる。この廃棄物に含まれる植物性繊維の量比も特に限定はされないが、廃棄物中の植物繊維の含有量は30重量%以上であることが好ましい。廃棄物は、通常、何ら加工を要することなく、そのまま用いることができるが、押出成形などの際に成形機に問題なく供給することができないほどに粗大なものである場合は、予め適宜の大きさに加工、処理した後、使用してもよい。更に、廃棄物が多量の水分を含んでいる場合は、適宜に乾燥した後、使用してもよい。
各種の食品加工業及び農林業等において排出される植物性繊維を含む廃棄物を使用することができる。この廃棄物に含まれる植物性繊維の量比も特に限定はされないが、廃棄物中の植物繊維の含有量は30重量%以上であることが好ましい。廃棄物は、通常、何ら加工を要することなく、そのまま用いることができるが、押出成形などの際に成形機に問題なく供給することができないほどに粗大なものである場合は、予め適宜の大きさに加工、処理した後、使用してもよい。更に、廃棄物が多量の水分を含んでいる場合は、適宜に乾燥した後、使用してもよい。
植物性繊維を含む廃棄物としては、大豆を豆腐に加工する際に排出される、おから、大豆中の油分を圧搾等によって除いた残査である脱脂大豆、大麦を醗酵させてビールを製造する際に排出されるビール粕、米を醗酵させて清酒を製造する際に排出される酒粕などの他、焼酎粕及び醤油粕等を使用することができる。この廃棄物としては、おから又は脱脂大豆が好ましく、これらを使用して得られる油吸着材は、適度に発泡し、軽量であって、且つ輸送、保管時等、その形状が崩れてしまうようなことがない。また、おからは豆腐の製造に伴って副生するものであり、且つ安価であって、入手し易く、資源の有効な再利用としても有益である。
本発明において好ましく用いられるおからは、乾燥し、粉砕して、嵩密度が0.2〜0.5、特に0.3〜0.4、更には0.35〜0.40程度の粉体とした後、でんぷん類と混合することが好ましい。このおからは水洗した後、乾燥し、使用することが好ましい。水洗によって特におからの表面に付着していた低分子量の有機物等が除去され、品質の安定したおからとすることができる。更に、糖を加水分解する作用のあるα−アミラーゼ、蛋白質を分解する作用のあるプロテアーゼによって処理することにより、より不純物の少ない、安定したおからとすることもできる。また、これら水洗、α−アミラーゼによる処理及びプロテアーゼによる処理を適宜組み合わせて実施することもできる。このような水洗及び特定の処理によって、混合物をより容易に膨化させることができ、得られる油吸着材の品質も安定したものとなる。
本発明において用いられるでんぷん類としては、特に制限されるものではない。でんぷん類としては、トウモロコシ、米、麦、小麦及び根菜類等の農産物から得られるものを使用することができる。これらでんぷん類は、1種のみを用いても良いし、2種以上を併用しても良い。でんぷん類としては、コーンスターチが好適である。
植物性繊維を主成分とする原材料とでんぷん類の配合割合は、植物性繊維を主成分とする原材料60〜85重量%、好ましくは70〜80重量%と、でんぷん類40〜15重量%、好ましくは30〜20重量%であり、これらの均一な混合物とする必要がある。そして、水及び油吸着材の嵩比重が0.3〜0.6、好ましくは0.4〜0.5で圧縮強度が1000〜3000gf、好ましくは1500〜2500gfである。でんぷん類の量が少ない場合、あるいは表面硬度が小さい場合には、特に水分を含有する油を油吸着材が吸着した場合、ゲル化するので不適当である。
本発明の油吸着材は、例えば、油圧機械の整備・分解・組立工場、自動車整備工場、機械整備工場、製油所、船舶内、船舶整備場、航空機整備場、交通事故処理現場、その他の油を扱う場所全般で使用することができる。そして、対象となる吸着可能な油としては、エンジンオイル、ガソリン、灯油、軽油、切削油、作動油、潤滑油、ジェット燃料、油性インク、ギアオイル、植物油、動物油、原油を含む液体油全般、その他炭化水素を含む化学品等が挙げられる。
本発明の水及び油吸着材は、例えば、前記の様な油が漏れた場合、漏れた油又は水と油の混合物にふりかけて吸着させ、その後、ほうき等で掃き集めるだけで漏れた油又は水と油からなる混合物を回収できる。そして、床面や路面等の油膜も残らず吸着させることができる。吸着された油は、べとつきや滲出しがなく、また、油吸着材は元の形状を保ったままであり、床面や路面等からの回収に手間取ることもない。また、回収された水及び油吸着材は、焼却処分が出来るので、使用後の廃棄処分も簡単である。更に、本発明の水及び油吸着材は、焼却しても有毒なガス成分を発生することはなく、有害物質を含まないので毒性がなく、環境汚染を心配することなく利用することができる。
本発明の多孔質で固形の水及び油吸着材の製造方法は限定されないが、例えば、押出成形によって好ましく製造することができる。例えば、植物性繊維を主成分とする原材料60〜85重量%とでんぷん類40〜15重量%の混合物を用い、押出成形の温度(吐出温度)を60〜90℃、好ましくは70〜85℃とし、この混合物に、単位時間当たりの吐出量(Kg)と、単位時間当たりの水の供給量(リットル)との比(吐出量の絶対値/水の供給量の絶対値)が2〜5となる範囲で、連続的に水を供給しつつ、加熱し、混練して、この混合物を膨化させ、その後、吐出させ、チップ化する方法によって製造することができる。
この押出成形では、植物性繊維を主成分とする原材料とでんぷん類との混合、混練、並びに成形化を、一軸又は二軸の押出成形機によって連続的に行うことができ、非常に効率的である。更に、押出速度、ダイスの形状等によって、得られる水及び油吸着材の形状及び寸法を、容易に且つ任意に変えることもできる。押出成形機では、通常、そのバーレル部に混練ゾーンと押出ゾーンとが備えられており、連続的に水及び油吸着材を製造することができる。また、前段に混練機が取り付けられた押出成形機を用いても良い。尚、コーンブレンダー、バンバリーミキサー等によって、植物性繊維を主成分とする原材料とでんぷん類とを予め混合、分散しておき、これを押出成形機に供給する方法が好ましいが、植物性繊維を主成分とする原材料とでんぷん類の形状、大きさ等によっては、押出成形機に直接供給することもできる。
押出成形の成形温度が60℃未満である場合は、でんぷん類のα化が不十分で、水及び油吸着材が吸着に際しゲル化しやすく、形状の保持が難しくなる。一方、90℃を越えると、空隙が大きくなって水及び油吸着材が脆くなり、また、吸着効果が損なわれる恐れがある。この押出成形の温度は、特に70〜85℃であるのが好ましく、この温度範囲であれば、形状の保持が十分であって、取り扱い易い水及び油吸着材を得ることができる。なお、この成形温度(吐出温度)とは吐出物の出口温度であり、押出成形機の供給ゾーン、混練ゾーン、押出ゾーン及びダイス等の温度を適宜設定することにより調整することができる。この温度設定は、供給ゾーン側を低めに、ダイス側を高めにするのが一般的である。
更に、単位時間当たりの吐出量(Kg)と、単位時間当たりの水の供給量(リットル)との比が2未満の場合は、温水等が揮散する際の空隙の形成が過度となる。そのため、空隙の多い脆い油吸着材となり、形状が保持できなくなる。一方、上記の比が高くなるにつれて、言い換えれば、相対的に水の供給量が少なくなると共に、水及び油吸着材は徐々に空隙の少ない硬いものになっていく。また、この比が5を越える場合は、硬く、緻密な水及び油吸着材となってしまって、油分が十分に吸収されない。
本発明では、上記のように単位時間当たりの吐出量と単位時間当たりの水の供給量との比を変えることによって、水及び油吸着材の空隙生成の程度を調整することができる。上記の比が2〜5の範囲であれば、十分な嵩密度を有し、輸送、保管等或いは取扱時などに形状が崩れることがなく、且つ、油分を十分に吸収することができる水及び油吸着材とすることができる。
本発明の方法においては、混合物は加熱され、混練され、膨化させられ、その後、吐出させる。膨化して吐出される吐出物は、その吐出方向に適宜の長さに切断し、チップ化(小片化)することができる。このチップはダイスに設けられる透孔の形状によって、円形、三角形、四角形、中空等、適宜の断面形状のものとすることができる。また、その長さも押出速度と切断速度とを調整することにより、任意に変えることができる。このチップの直径は1〜5mm、長さは1〜12mm程度とすることができる。チップは上記のように円柱状とすることができるが、他の形状の場合も、この寸法に相当する大きさのものとすることが好ましい。
前記のごとくして得られたチップは、そのまま用いても良いが、通常は、70〜100℃程度の乾燥機により乾燥し、水分の含有量を6〜10重量%程度に調整して製品化するのが好ましい。
以下、実施例により本発明の具体的な態様を説明する。
[実施例1]
乾燥したおから80kgにコーンスターチ20kgを加え、コーンブレンダーによって、室温において分散、混合させた。この混合物を、スクリュー径70mmの二軸押出成形機(池貝社製)に供給した。ホッパーから前記混合物を投入する箇所の温度を約60℃に設定し、ホッパーから混合物と共に26リットル/時間の速度で水を供給しつつ、75kg/時間の押出速度(吐出量の絶対値/水の供給量の絶対値=約3)で膨化した混合物を吐出させた。ダイスの温度は約70℃に設定したが、吐出物の出口温度は80℃であった。また、ダイの圧力は6.0〜6.5kgになるようにして吐出した。そして、ダイのノズルの中心部に直径約1mmのピンを設け、円筒状の吐出物になるようにした。
乾燥したおから80kgにコーンスターチ20kgを加え、コーンブレンダーによって、室温において分散、混合させた。この混合物を、スクリュー径70mmの二軸押出成形機(池貝社製)に供給した。ホッパーから前記混合物を投入する箇所の温度を約60℃に設定し、ホッパーから混合物と共に26リットル/時間の速度で水を供給しつつ、75kg/時間の押出速度(吐出量の絶対値/水の供給量の絶対値=約3)で膨化した混合物を吐出させた。ダイスの温度は約70℃に設定したが、吐出物の出口温度は80℃であった。また、ダイの圧力は6.0〜6.5kgになるようにして吐出した。そして、ダイのノズルの中心部に直径約1mmのピンを設け、円筒状の吐出物になるようにした。
上記の様にして得られた直径約2〜3mmの吐出物を長さ8mmに切断し、約90℃に設定した乾燥機中で、含水率が約7%になるまで乾燥し、約100kgの円筒状の多孔質で固形の水及び油吸着材を得た。このものの嵩比重は0.45で、圧縮強度は約2200gfであった(5点測定の平均)。
そして得られた多孔質で固形の水及び油吸着材は、床面にこぼした水分を含む油を、自身の体積の約3〜5倍以上も速やかに吸着し、吸着した状態でもゲル化することもなく元の形状を維持しており、ほうき等で容易に掃き集めることができた。
[比較例1]
比較のために、特許文献1の実施例の方法に従って、多孔質で固形の吸着材を製造した。即ち、乾燥したおから90kgにコーンスターチ10kgを加え、コーンブレンダーによって、室温において分散、混合させた。この混合物を、実施例1と同じ二軸押出成形機に供給した。そして、その際、ホッパーから前記混合物を投入する箇所の温度を約90℃に設定し、ダイスの温度を約120℃に設定する以外は、実施例1の場合と同様な条件で約100kgの多孔質で固形の吸着材を製造した。得られたものは、圧縮強度が低く、約400gfでつぶれてしまった。また、実施例1と同様な方法で吸着実験を行ったところ、吸着材はゲル状になり実用的な使用に耐えるものではなかった。
比較のために、特許文献1の実施例の方法に従って、多孔質で固形の吸着材を製造した。即ち、乾燥したおから90kgにコーンスターチ10kgを加え、コーンブレンダーによって、室温において分散、混合させた。この混合物を、実施例1と同じ二軸押出成形機に供給した。そして、その際、ホッパーから前記混合物を投入する箇所の温度を約90℃に設定し、ダイスの温度を約120℃に設定する以外は、実施例1の場合と同様な条件で約100kgの多孔質で固形の吸着材を製造した。得られたものは、圧縮強度が低く、約400gfでつぶれてしまった。また、実施例1と同様な方法で吸着実験を行ったところ、吸着材はゲル状になり実用的な使用に耐えるものではなかった。
Claims (5)
- 植物性繊維を主成分とする原材料60〜85重量%とでんぷん類40〜15重量%の均一混合物からなり、嵩比重が0.3〜0.6で圧縮強度が1000〜3000gfである多孔質で固形の水及び油吸着材。
- 多孔質で固形の形状が、径が1〜5mmで長さが1〜12mmの範囲にある円柱又は円筒形状である請求項1記載の多孔質で固形の水及び油吸着材。
- 植物性繊維を主成分とする原材料が、おから又は脱脂大豆である請求項1又は2記載の多孔質で固形の水及び油吸着材。
- でんぷん類が、コーンスターチである請求項1〜3のいずれか1項記載の多孔質で固形の水及び油吸着材。
- 植物性繊維を主成分とする原材料60〜85重量%とでんぷん類40〜15重量%の混合物を用い、押出成形によって多孔質で固形の水及び油吸着材を製造する方法であって、該押出成形の成形温度(吐出温度)が60〜90℃であり、該混合物に、単位時間当たりの吐出量(Kg)と、単位時間当たりの水の供給量(リットル)との比(吐出量の絶対値/水の供給量の絶対値)が2〜5となる範囲で、連続的に水を供給しつつ、加熱し、混練して、該混合物を膨化させ、その後、吐出させ、チップ化することを特徴とする多孔質で固形の水及び油吸着材の製造方法。
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