JP2009195184A - IgG−Fab断片抗体結合性ペプチド - Google Patents

IgG−Fab断片抗体結合性ペプチド Download PDF

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Abstract

【課題】 ヒトIgG−Fab断片抗体と結合する性質を有する、プロテインG蛋白質betaドメイン様の新規なポリペプチド、該ポリペプチドを吸着材として用いたヒトIgG−Fab断片抗体およびIgG−Fab断片抗体誘導体を高純度に分離精製する産業上利用可能な新規手法を提供することを目的とする。
【解決手段】 ヒトIgG−Fab断片抗体およびIgG−Fab断片抗体誘導体に結合活性を有するポリペプチドを設計考案し、該ポリペプチドを取得した。また、該ポリペプチドを水不溶性担体に固定化したことを特徴とするヒトIgG−Fab断片抗体またはIgG−Fab断片抗体誘導体の吸着材料、およびヒトIgG−Fab断片抗体またはIgG−Fab断片抗体誘導体を分離精製する方法を考案した。また、遺伝子組換え細胞を用いて、該ポリペプチドを製造する方法を考案した。
【選択図】 なし

Description

本発明は、ヒトIgG−Fab断片抗体と結合する新規なポリペプチドに関する。また、本発明は、該ポリペプチドを担持させた吸着材料に関する。また、本発明は、該吸着材料を用いたIgG−Fab断片抗体およびIgG−Fab断片抗体誘導体を分離精製する方法に関する。また、本発明は、該ポリペプチドをコードするDNA、このDNAを有するベクター、このベクターで形質転換された形質転換体、該ポリペプチドの製造方法に関する。
プロテインG蛋白質は、細菌ストレプトコッカス・エスピー(Streptococcus sp.)より見出された蛋白質であり(以下、SpG蛋白質と称する)、SpG蛋白質はヒトIgG抗体と結合する性質を持つ。その性質の原因はSpG蛋白質のbeta−1ドメイン、beta−2ドメインおよびbeta−3ドメインにある。それら3種類のドメインはいずれも、ヒトIgG抗体のFc部位およびヒトIgG抗体のFab部位の両構造を分子認識し、特異的に結合するとされている(非特許文献1、2)。SpG蛋白質のbeta−1ドメイン、beta−2ドメインおよびbeta−3ドメインのアミノ酸配列は、それらの由来する細菌種や細菌株によって細部が異なっている。SpG蛋白質のうち、いくつかの亜種はbeta−3ドメインを欠く。野生型SpG蛋白質のbeta−1ドメインのアミノ酸配列の一例として配列番号5を、野生型SpG蛋白質のbeta−2ドメインのアミノ酸配列の一例として配列番号6をそれぞれ示す。SpG蛋白質のbeta−1ドメインおよびbeta−2ドメインは互いに配列相同性が高く、両者を一括りとしてプロテインG−betaドメインと呼ばれる(以下、SpGbポリペプチドと称する)。ヒトIgG抗体およびIgG抗体誘導体を分離精製する方法として、SpG蛋白質あるいはSpGbポリペプチドを担持させた吸着剤を用いたアフィニティ・カラム・クロマトグラフィ精製法が知られている(特許文献1〜3)。この精製法においては、SpGbポリペプチドがIgG−Fc部位を特異的に認識し、比較的強く結合するというSpGbポリペプチドの性質が主として利用されている。該方法により分離精製されたヒトIgG抗体およびIgG抗体誘導体は、医薬品、分析試薬あるいは研究用試薬として、産業利用されている。
一方、IgG抗体分子の一部分であるIgG−Fabドメイン(以下、IgG−Fab断片抗体(IgG−Fab antibody fragment)と称する)もまた、医薬品、分析試薬あるいは研究用試薬として利用されている。IgG−Fab断片抗体またはIgG−Fab断片抗体誘導体を分離精製する方法の一つとして、SpG蛋白質あるいはSpGbポリペプチドを担持させた吸着剤を用いたアフィニティ・カラム・クロマトグラフィ精製法が一般的に利用されている。SpGbポリペプチドの別の特徴的な性質として、IgG−Fab断片抗体を特異的に認識し、結合することもできるためである。しかしながら、SpGbポリペプチドとIgG−Fab断片抗体との結合能は、SpGbポリペプチドとIgG−Fc部位との結合能に比べて弱く、アフィニティ・カラム・クロマトグラフィ用途のリガンド分子としては改良の余地があった。
特表平1−502076号公報 特表平3−501801号公報 特開平3−128400号公報 特許第3908278号明細書 特表2002−527107号公報 Sauer−Eriksson,A.E.et.al. 、Structure、1995年、3巻、265頁 Gallagher,T.et.al.、 Biochemistry、1994年、33巻、4712頁
本発明は、野生型プロテインG蛋白質betaドメインと比較して、ヒトIgG−Fab断片抗体とより強く結合する、プロテインG蛋白質betaドメイン様の新規なポリペプチドを提供する。さらに本発明は、該ポリペプチドを吸着リガンドとして用いることを特徴とするIgG−Fab断片抗体吸着剤、ならびに該吸着剤を用いてIgG−Fab断片抗体を分離除去または分離精製する方法を提供する。さらに本発明は該ポリペプチドを形質転換体を用いて生産する方法を提供する。
本発明者らは、上記の課題を解決すべく、蛋白質工学的手法および遺伝子工学的手法を用いて、数多くのポリペプチドを分子設計し、形質転換細胞から取得し、該ポリペプチドの物性を比較検討することにより、本発明を完成させるに至った。
すなわち本発明は、配列番号26に示されるアミノ酸配列を有し、かつ、ヒトIgG抗体のFab部分との結合能を有する、変異型プロテインG−betaドメインを含むポリペプチドに関する。
さらに本発明は、上記ポリペプチドであって、配列番号5または6に示されるアミノ酸配列において、少なくともThr−17が他のアミノ酸残基に置換されたアミノ酸配列を有するポリペプチドに関する。
さらに本発明は、上記のポリペプチドであって、プロテインG−betaドメインが配列番号5に示されるアミノ酸配列からなるプロテインG−beta−1型であるポリペプチド、あるいは、プロテインG−betaドメインが配列番号6に示されるアミノ酸配列からなるプロテインG−beta−2型であるポリペプチドに関する。
さらに本発明は、上記のポリペプチドと他のポリペプチドとが共有結合した融合ポリペプチドに関する。
さらに本発明は、上記のポリペプチドのN末端、C末端または/およびアミノ酸側鎖に1〜100個のアミノ酸残基が共有結合したポリペプチドに関する。
さらに本発明は、上記のポリペプチドを1ドメイン単位として、該ドメイン単位2〜100個を共有結合にて融合させたポリペプチドに関する。
さらに本発明は、上記のポリペプチドを水不溶性担体に固定化したことを特徴とする、吸着材料に関する。
さらに本発明は、上記の吸着材料であって、抗体、抗体誘導体、断片抗体および断片抗体誘導体のいずれかを吸着することができる吸着材料に関する。
さらに本発明は、上記の吸着材料を用いることを特徴とする、抗体、抗体誘導体、断片抗体および断片抗体誘導体のいずれかを分離精製する方法に関する。
さらに本発明は、上記のポリペプチドをコードするDNAに関する。
さらに本発明は、上記のDNAを有するベクターに関する。
さらに本発明は、上記のベクターにより形質転換された形質転換体に関する。
さらに本発明は、上記の形質転換体を用いた、ポリペプチドの製造方法に関する。
本発明は、野生型SpG蛋白質あるいはその断片であるSpGbポリペプチドと比較して、ヒトIgG−Fab断片抗体と特異的により強く結合する性質を有する新規なポリペプチドを提供する。本発明のポリペプチドを水不溶性担体に固定化した吸着材料を用いることにより、ヒトIgG−Fab断片抗体または種々のIgG−Fab断片抗体誘導体を分離精製することが可能となる。また本発明の形質転換細胞を用いることにより、本発明のポリペプチドを製造することが可能となる。
以下、本発明を詳細に説明する。
本明細書において、アミノ酸、ペプチド、タンパク質は下記に示すIUPAC−IUB生化学命名委員会(CBN)で採用された略号を用いて表される。また、特に明示しない限りペプチド及びタンパク質のアミノ酸残基の配列は、左端から右端にかけてN末端からC末端となるように、またN末端が1番になるように表される。
A=Ala=アラニン、C=Cys=システイン、
D=Asp=アスパラギン酸、E=Glu=グルタミン酸、
F=Phe=フェニルアラニン、G=Gly=グリシン、
H=His=ヒスチジン、I=Ile=イソロイシン、
K=Lys=リシン、L=Leu=ロイシン、
M=Met=メチオニン、N=Asn=アスパラギン、
P=Pro=プロリン、Q=Gln=グルタミン、
R=Arg=アルギニン、S=Ser=セリン、
T=Thr=スレオニン、V=Val=バリン、
W=Trp=トリプトファン、Y=Tyr=チロシン、
B=Asx=AspまたはAsn、Z=Glx=GluまたはGln、
X=Xaa=任意のアミノ酸。
本明細書において、「変異体」とは、ポリペプチドのアミノ酸配列に含まれるアミノ酸が少なくとも1つ以上置換、付加、挿入、もしくは欠失、または修飾されたアミノ酸配列を有するポリペプチドをいう。
本明細書において、「ドメイン」とは、蛋白質およびポリペプチドの高次構造上の単位であり、数十から数百のアミノ酸残基配列から構成され、なんらかの物理化学的または生物化学的な機能を発現するに十分なアミノ酸高分子の単位をいう。
本明細書において、「IgG−Fab断片抗体誘導体」とは、ヒトIgG−Fab抗体、ヒトIgG−Fab抗体のCLドメイン部分およびCH1ドメイン部分と他生物種IgG抗体のいくつかのVドメイン部分とを融合させたキメラIgG−Fab抗体、ヒトIgG−Fab抗体のCDR部分を除いた残余の部分と他生物種IgG抗体のCDR部分とを融合させたヒト型化IgG−Fab抗体、およびそれらに化学的修飾を加えた蛋白質であって、IgG抗体のCLドメイン部分およびCH1ドメイン部分とを有するIgG−Fab抗体誘導体をいう。
以下、所望の変異体もしくはポリペプチドを取得するための、タンパク質のアミノ酸の変異について説明する。アミノ酸の置換などを実施する方法は、化学合成、または遺伝子工学を利用する技術においてアミノ酸をコードするDNA配列のコドンを変化させることを含むが、これらに限定されない。
本発明者らは、野生型SpGbポリペプチドのアミノ酸配列を雛形として、ヒトIgG−Fab断片抗体のCH1鎖構造部分およびCL鎖構造部分と特異的に結合する性質を有する新規なポリペプチドの設計を、立体構造のデータを利用した種々の検討およびモデリングによる分析により実施した。これらの設計作業の結果として、ヒトIgG−Fab断片抗体またはIgG抗体誘導体に結合し得る種々のポリペプチドを考案した。考案したポリペプチドを遺伝子工学的手法により数多く取得し、それらポリペプチドの特徴を種々の科学的手法を用いて解析したところ、いくつかのポリペプチドに野生型SpGbポリペプチドと比較して、ヒトIgG−Fab断片抗体とより強く結合する性質を見出した。
前記設計による考案および実施形態を具体的に以下に示す。野生型SpGbポリペプチドとIgG−Fab断片抗体は複合体を形成し、その立体構造情報は公開データベースであるプロテイン・データ・バンク(Protein Data Bank)に、コード番号1IGCとして登録公開されている。この立体構造情報を種々検討し、IgG−Fab断片抗体との結合能を強化すべく、ポリペプチド変異体の分子設計を行った。分子設計により考案された種々のポリペプチドを遺伝子工学的手法により取得し、配列番号1で示される、SpGb様新規ポリペプチドのThr−17残基をGlyへと置換することが特に有効であると判断された。好ましい実施形態としては、配列番号1〜3で示されるSpGb様新規ポリペプチドが挙げられる。配列番号1〜2はSpGのbeta−1ドメイン配列を雛形として設計取得した新規ポリペプチドであり、配列番号3はSpGのbeta−2ドメイン配列を雛形として設計取得した新規ポリペプチドである。別の実施形態としては、配列番号1〜3のいずれかで示されるポリペプチドに対して90%以上の配列同一性を有するポリペプチドが挙げられる。配列番号1〜3で示されるポリペプチドに対して十分な配列同一性を有するポリペプチドに関しても、本発明によるヒトIgG−Fab断片抗体およびIgG−Fab断片抗体誘導体への結合能を示すことが期待できるためである。配列同一性は、プログラムFASTA(Perason W.R.et al.、Genomics、46、24−36(1997))やBLAST(Altschul、Stephen F. et al.、Nucleic Acids Res. 25、3389−3402(1997))を用いたアミノ酸配列相同性解析により、決定することができる。
本発明の別の実施形態としては、それらのポリペプチドのN末端、C末端もしくはアミノ酸側鎖に1〜10個のアミノ酸残基を共有結合により付加したポリペプチドであって、それら付加したアミノ酸残基が該ポリペプチド間のリンカーとして、あるいは担持材料(担体)とのリンカーとして利用できるポリペプチドが挙げられる。好ましくは、ポリペプチド間のリンカーとしてはIgG抗体との相互作用が少ないGly、Ala、Ser等が挙げられ、担体とのリンカーとしてはチオール基を持つCys、アミノ基を持つLys、カルボキシル基を持つGlu、Asp等が挙げられ、さらにそれらのアミノ酸残基を複数個利用することもできる。さらに別の実施形態としては、それらのポリペプチド単位2〜10個を共有結合にて融合させ、ヒトIgG抗体およびIgG抗体誘導体への結合能を高めた融合ポリペプチドが挙げられる。好ましくは、本発明のポリペプチド単位2〜5個および前記した各種のリンカー部分を含む融合ポリペプチドが挙げられる。
また本発明の一つの実施態様としては、上記方法で得られたポリペプチドまたは配列番号4で示されるポリペプチド(特許文献4)を水不溶性担体に固定化したことを特徴とする、ヒトIgG抗体およびIgG抗体誘導体の吸着材料を提供しうる。さらに、その吸着材料を用いることを特徴とする、ヒトIgG抗体およびIgG抗体誘導体を分離精製する方法を提供しうる。
本発明に用いる水不溶性担体としては、ガラスビーズ、シリカゲルなどの無機担体、架橋ポリビニルアルコール、架橋ポリアクリレート、架橋ポリアクリルアミド、架橋ポリスチレンなどの合成高分子や、結晶性セルロース、架橋セルロース、架橋アガロース、架橋デキストランなどの多糖類からなる有機担体、さらにはこれらの組み合わせによって得られる有機−有機、有機−無機などの複合担体などが挙げられる。市販品としては、多孔質セルロースゲルであるGCL2000、アリルデキストランとメチレンビスアクリルアミドを共有結合で架橋したSephacryl S−1000、アクリレート系の担体であるToyopearl、アガロース系の架橋担体であるSepharose CL4B、エポキシ基で活性化されたポリメタクリルアミドであるオイパーギット C250L等を例示することができる。ただし、本発明における水不溶性担体は、例示したこれらの担体、活性化担体のみに限定されるものではない。また、本発明に用いる水不溶性担体は、本吸着材料の使用目的および方法からみて、表面積が大きいことが望ましく、適当な大きさの細孔を多数有する多孔質であることが好ましい。担体の形態としては、ビーズ状、繊維状、膜状(中空糸を含む)など何れも可能であり、任意の形態を選ぶことができる。
本発明のポリペプチドを前記担体へ固定化する方法は特に限定されるものではないが、一般に蛋白質やペプチドを担体に固定化する場合に採用される方法を例示する。担体を臭化シアン、エピクロロヒドリン、ジグリシジルエーテル、トシルクロライド、トレシルクロライド、ヒドラジンなどと反応させて担体を活性化あるいは担体表面に反応性官能基を導入し、リガンドとして固定化する化合物と反応、固定化する方法、また、担体とリガンドとして固定化する化合物が存在する系にカルボジイミドのような縮合試薬、または、グルタルアルデヒドのように分子中に複数の官能基を持つ試薬を加えて縮合、架橋することによる固定化方法が挙げられる。
本発明のポリペプチド結合担体を吸着材料として、ヒトIgG−Fab断片抗体およびIgG抗体誘導体をアフィニティ・カラム・クロマトグラフィ精製法により分離精製することが可能となる。本発明の精製法は、Protein−A蛋白質を担持させた吸着材料を用いたアフィニティ・カラム・クロマトグラフィ精製法に準じる手順(特許文献5)により達成することができる。すなわち、ヒトIgG−Fab断片抗体またはIgG−Fab断片抗体誘導体を含有する緩衝液を中性となるように調整した後、該溶液を本発明の吸着材料を充填したアフィニティ・カラムに通過させ、ヒトIgG−Fab断片抗体またはIgG−Fab断片抗体誘導体を吸着させる。次いで、アフィニティ・カラムに純粋な緩衝液を適量通過させ、カラム内部を洗浄する。この時点では所望のヒトIgG−Fab断片抗体またはIgG−Fab断片抗体誘導体はカラム内の本発明の吸着材料に吸着されている。次いで、適切なpHに調整した酸性もしくはアルカリ性の純粋な緩衝液をカラムに通過させ、所望のヒトIgG−Fab断片抗体またはIgG−Fab断片抗体誘導体を溶出することにより、高純度な精製が達成される。本発明の吸着材料を充填したアフィニティ・カラムは、強酸性もしくは強アルカリ性の純粋な緩衝液を通過させて洗浄することにより、再利用が可能である。
さらに本発明の一つの実施態様としては、前記方法により得られたポリペプチドをコードするヌクレオチド配列、そのヌクレオチド配列を一つ又はそれ以上有する組換えDNA、またはその組換えDNAがプラスミド又はファージである組換えDNA、またはその組換えDNAを少なくとも一つ含有する微生物または細胞を得ることができる。また、本発明のポリペプチドは、該ポリペプチドと細胞での蛋白質発現を補助する作用のある公知の蛋白質との融合蛋白質として取得することができる。すなわち、本発明のポリペプチドと該蛋白質との融合蛋白質をコードする組換えDNAを少なくとも一つ含有する微生物または細胞を得ることができる。該蛋白質の例としては、マルトース結合蛋白質(MBP)、グルタチオン−S−トランスフェラーゼ(GST)等が挙げられるが、それらの蛋白質に限定されるものではない。
本発明のポリペプチドをコードするDNAを改変するための部位特異的な変異の導入は、以下のように、組換えDNA技術、PCR法等を用いて行うことができる。すなわち、組換えDNA技術による変異の導入は、例えば、本発明のポリペプチドをコードする遺伝子中において、変異導入を希望する目的の部位の両側に適当な制限酵素認識配列が存在する場合に、それら制限酵素認識配列部分を前記制限酵素で切断し、変異導入を希望する部位を含む領域を除去した後、化学合成等によって目的の部位のみに変異導入したDNA断片を挿入するカセット変異法によって行うことができる。また、PCRによる部位特異的変異の導入は、例えば、ポリペプチドをコードする二本鎖プラスミドを鋳型として、+および−鎖に相補的な変異を含む2種の合成オリゴプライマーを用いてPCRを行うダブルプライマー法により、行うことができる。
本発明のベクターは、前述したポリペプチドをコードする遺伝子を適当なベクターに連結もしくは挿入することにより得ることができ、遺伝子を挿入するためのベクターは、宿主中で自律複製可能なものであれば特に限定されず、プラスミドDNAやファージDNAをベクターとして用いることができる。例えば、大腸菌を宿主として用いる場合には、pBR322、pUC18、pBluescript II等のプラスミドDNA、EMBL3、M13、λgt11等のファージDNA等を、酵母を宿主として用いる場合は、YEp13、YCp50等を、植物細胞を宿主として用いる場合には、pBI121、pBI101等を、動物細胞を宿主として用いる場合は、pcDNAI、pcDNAI/Amp等をベクターとして用いることができる。
本発明の形質転換細胞は、宿主となる細胞へ本発明の組み換えベクターを導入することにより得ることができる。細菌への組換え体DNAの導入方法としては、例えばカルシウムイオンを用いる方法やエレクトロポレーション法等が挙げられる。酵母への組換え体DNAの導入方法としては、例えばエレクトロポレーション法、スフェロプラスト法、酢酸リチウム法等が挙げられる。植物細胞への組換え体DNAの導入方法としては、アグロバクテリウム感染法、パーティクルガン法、ポリエチレングリコール法等が挙げられる。動物細胞への組換え体DNAの導入方法としては、例えば、エレクトロポレーション法、リン酸カルシウム法等が挙げられる。
本発明のポリペプチドは、前記した形質転換細胞を培地で培養し、培養物(培養菌体または培養上清)中に本発明のポリペプチドを生成蓄積させ、該培養物から所望のポリペプチドを採取することにより製造することができる。また、本発明のポリペプチドは、前記した形質転換細胞を培地で培養し、培養物(培養菌体または培養上清)中に本発明のポリペプチドを含む融合蛋白質を生成蓄積させ、該培養物から該融合蛋白質を採取し、該融合蛋白質を適切なプロテアーゼによって切断し、所望のポリペプチドを採取することにより製造することができる。
本発明の形質転換細胞を培地で培養する方法は、宿主の培養に用いられる通常の方法に従って行われる。大腸菌等の細菌を宿主として得られた形質転換細胞を培養する培地としては、完全培地又は合成培地、例えばLB培地、M9培地等が挙げられる。また、培養温度は20〜40℃で好気的に6〜24時間培養することにより本発明のポリペプチドを菌体内に蓄積させ、回収する。
本発明のポリペプチドの精製は、前述した培養法により得られる培養物を遠心して回収し(細胞についてはソニケーター等にて破砕する)、アフィニティークロマトグラフィー、陽イオンまたは陰イオン交換クロマトグラフィー、ゲル濾過クロマトグラフィー等を単独でまたは適宜組み合わせることによって行うことができる。得られた精製物質が目的のポリペプチドであることの確認は、通常の方法、例えばSDSポリアクリルアミドゲル電気泳動、N末端アミノ酸配列分析、ウエスタンブロッティング等により行うことができる。
前記実施態様の一例として、請求項3に記載のポリペプチド(配列番号3)とIgG−Fabとの結合能を、表面プラズモン共鳴現象を利用したBIACORE分析実験(ビアコア株式会社、BIACORE3000システム、33−1141438−3719)にて測定した結合解離曲線を図1に示した。別の例として、請求項1〜4に記載のポリペプチド(配列番号1〜4)それぞれと、IgG−Fabとの結合能(解離定数)をBIACORE分析実験にて解析した結果を表1に示した。さらに別の例として、配列番号4で示されるポリペプチドをセルロース担体に固定化し、該担体を用いたアフィニティ・クロマトグラフィー精製法により、IgG−Fab分子を含む溶液からIgG−Fab分子を選択的に分離精製した実験から得られた、吸着解離プロフィール図を図2に示した。本発明により、配列番号1〜4で示したポリペプチドは、野生型SpGbポリペプチドに比べて優れたIgG−Fab吸着解離能力を示し、アフィニティ・クロマトグラム担体としての性能が向上していることは明らかである。
以下に、実施例に基づいて本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例によって限定されるものではない。特に明記していない方法についてはMolecular Cloning, A laboratory manual, second edition (Cold Spring Harbor Laboratory Press, 1989)等に記載されている方法に準じて行うことができる。
なお、以下の実施例1〜6では、野生型SpGポリペプチドに相当する、配列番号5、6で示される各ポリペプチド、および、ヒトIgG−Fab断片抗体と特異的により強く結合する性質を有する新規なSpGbポリペプチドとして、配列番号1、2、3で示される各ポリペプチドの取得方法について説明する。以下の配列番号7〜20のDNAは、後述するように、上記配列番号1〜3、5、6をコードする各々の遺伝子のクローニングのために設計した。上記各種DNAについて、シグマ アルドリッチ ジャパン株式会社に合成を依頼した。
(実施例1)
配列番号5をコードするDNAの調製
配列番号7および8に記載のヌクレオチド配列を有する合成DNA300pmolを混合し、オーバーラップPCR反応を行った。ポリメラーゼにはPyrobest(タカラバイオ株式会社)を用い、さらに添付のバッファーとdNTPも反応に用いた。反応液量は0.05mLとした。反応条件は96℃5分1回、96℃2分・55℃30秒・72℃30秒のサイクルを10回とした。PCR反応生成物をアガロース電気泳動にかけ、約90bpのサイズに相当するバンドを切り出し、抽出した二本鎖DNAを制限酵素BamHIとEco52I(いずれもタカラバイオ株式会社)により切断した。
また、配列番号9および10に記載の合成DNA300pmolを混合し、同様の組成および反応条件でオーバーラップPCR反応を行った。PCR反応生成物をアガロース電気泳動にかけ、約110bpのサイズに相当するバンドを切り出し、抽出した二本鎖DNAを制限酵素Eco52IとEcoRI(タカラバイオ株式会社)により切断した。
プラスミドベクターpGEX−2T(GEヘルスケア バイオサイエンス株式会社)のマルチクローニングサイト中のBamHI/EcoRIサイトに上記2種の二本鎖DNAをサブクローニングした。なお、上記2種の二本鎖DNAが、Eco52I切断サイトで結合し、pGEX−2Tにサブクローニングしたときに、配列番号5をコードするように、配列番号7、8、9、10のDNAを設計した。このサブクローニングしたDNAの配列は、配列番号21に示した。この配列番号21のDNAを含むpGEX−2Tを用いて、大腸菌DH5α細胞(タカラバイオ株式会社)の形質転換を行い、定法によって、プラスミドDNAを増幅・抽出した。
また、増幅・抽出したプラスミドDNAを鋳型として、pGEX−3´プライマーおよびpGEX−5´プライマー(両者ともGEヘルスケア バイオサイエンス株式会社)を用いて、配列番号21に相当する二本鎖DNAをPCR反応によって増幅した。鋳型プラスミドDNAを50ng、各プライマーを10pmol、ポリメラーゼとしてTakara Ex Taq(タカラバイオ株式会社)、および、添付のバッファーとdNTPを加えて反応を行った。反応液量は0.05mLとした。反応条件は94℃3分1回、94℃1分・55℃30秒・72℃30秒のサイクルを25回とした。PCR反応生成物から、上記と同様にアガロース電気泳動にて分離・回収した二本鎖DNAを、BamHIとEcoRIにより切断した後に、プラスミドベクターpGEX−6P−1(GEヘルスケア バイオサイエンス株式会社)のBamHI/EcoRIサイトにサブクローニングした。同様に、この配列番号21のDNAを含むpGEX−6P−1を用いて、大腸菌DH5α細胞の形質転換を行い、プラスミドDNAを増幅・抽出した。
(実施例2)
配列番号2をコードするDNAの調製
配列番号11および12に記載の合成DNAを用い、実施例1と同様の方法で、オーバーラップPCR反応を行い、アガロース電気泳動にて分離・回収した二本鎖DNAを、BamHIとEco52Iにより切断した。この二本鎖DNA、および、実施例1において配列番号9および10に記載の合成DNAからPCR反応によって調製したEco52IとEcoRIで切断済みの二本鎖DNAを、プラスミドベクターpGEX−2TのBamHI/EcoRIサイトにサブクローニングした。なお、上記2種の二本鎖DNAが、Eco52I切断サイトで結合し、pGEX−2Tにサブクローニングしたときに、配列番号2をコードするように、配列番号9、10、11、12のDNAを設計した。このサブクローニングしたDNAの配列は、配列番号22に示した。実施例1と同様に、配列番号22のDNAを含むpGEX−2Tを用いて、大腸菌DH5α細胞の形質転換を行い、プラスミドDNAを増幅および抽出した。
また、実施例1と同様の手法によって、配列番号22に相当する二本鎖DNAをPCR反応によって増幅し、pGEX−6P−1にサブクローニングした。この配列番号22のDNAを含むpGEX−6P−1を用いて、大腸菌DH5α細胞の形質転換を行い、プラスミドDNAを増幅および抽出した。
(実施例3)
配列番号1をコードするDNAの調製
配列番号5をコードするDNAを含むpGEX−6P−1を鋳型として、配列番号13および14の合成DNAプライマーを用い、クイックチェンジ法で、配列番号5のアミノ酸配列においてThr−17がGlyに変換された変異体、すなわち配列番号1をコードするDNAを含むpGEX−6P−1を作成した。上記方法で作成した、配列番号1をコードするDNAの配列を、配列番号23に示す。クイックチェンジ法に関しては、QuickChange Site−Directed Mutagenesis Kit(Stratagene社)を用い、添付のプロトコルに従って行った。実施例1と同様に、配列番号23のDNAを含むpGEX−6P−1を用いて、大腸菌DH5α細胞の形質転換を行い、プラスミドDNAを増幅・抽出した。
(実施例4)
配列番号6をコードするDNAの調製
配列番号15および16に記載の合成DNAを用い、実施例1と同様の方法で、オーバーラップPCR反応を行い、アガロース電気泳動にて分離・回収した二本鎖DNAを、BamHIとEco52Iにより切断した。また同様に、配列番号17および18に記載の合成DNAを用い、オーバーラップPCR反応を行い、アガロース電気泳動にて分離・回収した二本鎖DNAを、Eco52IとEcoRIにより切断した。上記2種の二本鎖DNAを、pGEX−6P−1のBamHI/EcoRIサイトにサブクローニングした。上記2種の二本鎖DNAが、Eco52I切断サイトで結合し、pGEX−6P−1にサブクローニングしたときに、配列番号6をコードするように、配列番号15、16、17、18のDNAを設計した。このサブクローニングしたDNAの配列は、配列番号24に示した。実施例1と同様に、配列番号24のDNAを含むpGEX−6P−1を用いて、大腸菌DH5α細胞の形質転換を行い、プラスミドDNAを増幅・抽出した。
(実施例5)
配列番号3をコードするDNAの調製
配列番号6をコードするDNAを含むpGEX−6P−1を鋳型として、配列番号19および20の合成DNAプライマーを用い、実施例3と同様に、クイックチェンジ法で、配列番号6のアミノ酸配列においてThr−17がGlyに変換された変異体、すなわち配列番号3をコードするDNAを含むpGEX−6P−1を作成した。上記方法で作成した、配列番号3をコードするDNAの配列を、配列番号25に示した。実施例1と同様に、配列番号25のDNAを含むpGEX−6P−1を用いて、大腸菌DH5α細胞の形質転換を行い、プラスミドDNAを増幅・抽出した。
(実施例6)
各DNAの配列確認
実施例1〜5で得られた、配列番号21〜25のDNAを含む、各々のプラスミドDNAの配列確認は、DNAシークエンサー3130xl Genetic Analyzer(Applied Biosystems社)を用いて行った。BigDye Terminator v.1.1 Cycle Sequencing Kit(Applied Biosystems社)を用いて、添付のプロトコルに従い、各々のプラスミドDNAのシークエンシングPCR反応を行い、そのシークエンシング産物を精製し、配列解析に用いた。
(実施例7)
各SpGポリペプチド(GST融合蛋白質)の発現
実施例1〜5で得られた、配列番号21〜25のDNAのいずれかを含むpGEX−6P−1を導入したDH5α細胞を、アンピシリン(和光純薬工業株式会社)を0.1g/Lの濃度で含有するLB培地(1%トリプトン、0.5%乾燥酵母エキス、1%NaCl(全て和光純薬工業株式会社))を用い、各々別々に37℃にて8時間培養した。各々の培養液から2.5mL分を、アンピシリンを0.1g/Lの濃度で含有する0.5Lの2×YT培地(1.6%トリプトン、1%乾燥酵母エキス、0.5%NaCl)に接種し、37℃にて培養を始めた。接種から2時間後に、終濃度0.1mMになるようIPTG(イソプロピル1‐チオ‐β‐D‐ガラクトシド、和光純薬工業株式会社)を添加し、さらにIPTG添加後12時間培養した。培養終了後、各々の培養液を遠心にて集菌し、終濃度1mMのAEBSF(4−(2−Aminoethyl)benzenesulfonyl Fluoride Hydrochloride、ナカライテスク株式会社)、終濃度0.5mMのEDTA(Ethylenediaminetetraacetic Acid、和光純薬工業株式会社)、終濃度1mMのDTT(Dithiothreitol、和光純薬工業株式会社)を含むPBS緩衝液(8g/L NaCl、0.2g/L KCl、1.15g/L NaHPO、0.2g/L KHPO、和光純薬工業株式会社)25mLに、各々の集菌ペレットを再懸濁した。超音波破砕にて菌体を破砕し、各々の菌体破砕液を遠心分離にて上清画分と沈殿画分とに分画した(本操作は4℃にて行った)。
pGEX−6P−1のマルチクローニングサイトに遺伝子を導入した大腸菌を培養し、IPTGを添加して発現を誘導すると、GST(グルタチオン−S−トランスフェラーゼ)がN末端に付与した融合蛋白質として発現される。したがって、配列番号21〜25のDNAのいずれかを含むpGEX−6P−1を導入した大腸菌から、配列1、2、3、5、6のいずれかのSpGポリペプチドがGST融合蛋白質として発現された。
各々のGSTが融合したSpGポリペプチドが、IPTGの誘導によって発現されたこと、および、菌体破砕液から遠心分離にて得られた上清画分に存在することを、SDS電気泳動による分析で確認した。
(実施例8)
各GST融合SpGポリペプチドの精製
上記の通り、実施例7において、IPTGにより誘導されたと考えられる各蛋白質は、配列番号1、2、3、5、6のいずれかのSpGポリペプチドが、N末端側にGSTが付与したGST融合蛋白質として発現された。
実施例7で得られた各々の上清画分から、GSTアフィニティ・クロマトグラフィーによって、GST融合SpGポリペプチドを精製した。PBS緩衝液にて平衡化したGlutathione Sepharose Fast Flowカラム(GEヘルスケア バイオサイエンス株式会社)に添加し、PBS緩衝液にてカラムを洗浄、続いて溶出用緩衝液(50mM Tris−HCl、20mM Glutahione、pH 8.0、全て和光純薬工業株式会社)にてGST融合SpGポリペプチドを溶出・分取した。溶出・分取した各々の蛋白質溶液を、PBS緩衝液にて透析した。
透析後に回収した各々の蛋白質溶液を、SDS電気泳動にて分析したところ、目的のGST融合SpGポリペプチドが高純度(90%以上)で存在することを確認した。したがって、透析後に回収した各々の蛋白質溶液を、GST融合SpGポリペプチドの精製サンプルとして、以後の実施例で用いた。
(実施例9)
ポリペプチドの精製
pGEX−6P−1マルチクローニングサイトに遺伝子を導入すると、PreScissionプロテアーゼ(GEヘルスケア バイオサイエンス株式会社)でGSTを切断することが可能な部位も導入された。これにより、導入したDNAがコードするポリペプチドのみを得ることが可能だが、PreScissionプロテアーゼで切断後も、ベクターpGEX−6P−1側のプロテアーゼ認識サイトと制限酵素サイトに由来するアミノ酸配列が、N末端側に付与された形で残った。pGEX−6P−1のBamHI/EcoRIサイトに目的のポリペプチドをコードするDNAをサブクローニングし、そのDNAプラスミドを用いて形質転換した大腸菌で目的のポリペプチドをGSTが融合した形で発現し、そのGST融合ポリペプチドをPreScissionプロテアーゼで切断した場合、N末端側にGly−Pro−Leu−Gly−Serの配列が付与された形の、目的のポリペプチドが得られた。したがって、実施例1〜8で得られたいずれかのGST融合SpGポリペプチドをPreScissionプロテアーゼで切断した場合、配列番号1、2、3、5、6のいずれかのアミノ酸配列のN末端側に、Gly−Pro−Leu−Gly−Serの配列が付与したSpGポリペプチドが得られた。本特許の実施例において用いられた、配列番号1、2、3、5、6に対応する各々のSpGポリペプチドは、上記のように、N末端側に5残基からなるベクター由来のアミノ酸配列が付与したポリペプチドであった。
実施例8で得られた、透析後の各々の蛋白質溶液に、PreScissionプロテアーゼを、GST融合蛋白質1mgあたり1Unit添加し、4℃にて18時間インキュベートした。各々のプロテアーゼ反応溶液をGlutathione Sepharose Fast Flowカラムに添加し、素通り画分(正確には、2カラム分のPBS緩衝液で洗浄した画分も加えている)を回収した。回収した各々の素通り画分について、トリシン‐SDS電気泳動にて分析したところ、各々のSpGポリペプチドと考えられるバンドを確認した。したがって、この素通り画分を回収した各々のポリペプチド溶液を、SpGポリペプチドの精製サンプルとして、以後の実施例で用いた。
(実施例10)
BIACOREによるヒトIgG―Fab断片抗体への結合能の検討
表面プラズモン共鳴(surface plasmon resonance)を利用した分析機器BIACORE3000(ビアコア株式会社、33−1141438−3719)を用いて、取得した各々のSpGポリペプチドのヒトIgG―Fabへの結合を測定した。ヒトIgG―FabをセンサーチップCM5(ビアコア株式会社、ロット番号1150754)に固定し、SpGポリペプチドをチップ上に流し、固定化したヒトIgG―Fabへの結合・解離を観測する実験系で両者の解離定数K(M)を算出した。
ヒトIgG―FabのセンサーチップCM5への固定化は、カップリング剤としてN−ethyl−N−(3−diethylaminpropyl)carbodiimide(EDC、ビアコア株式会社)およびN−hydroxysuccinimide(NHS、ビアコア株式会社)を用い、およびブロッキング剤としてEthanolamine(ビアコア株式会社)を用いて、添付のプロトコルに従い、アミンカップリング法で行った。ヒト血漿由来IgG−Fab(ROCKLAND、ロット番号15167)を、10mM酢酸緩衝液(pH 4.5、ビアコア株式会社)にて0.01mg/mLの濃度に希釈し、注入量を適宜調整しながら、添付のプロトコルに従ってヒトIgG−Fabを固定化した。また、ヒト血清アルブミン(シグマ アルドリッチ株式会社、ロット番号1754B)をPBS緩衝液にて10mg/mLになるよう溶解し、さらに10mM酢酸緩衝液(pH 4.5)にて1000倍希釈し、注入量を適宜調整しながら、添付プロトコルに従ってヒト血清アルブミンを別のフローセルに固定化し、リファレンスセルとした。測定時のランニング緩衝液および試料の希釈液として、PBS緩衝液に終濃度0.005%となるようP−20(ビアコア株式会社)を加えた緩衝液を用いた。配列番号1、2、3、4、5、6に対応する、各々のSpGポリペプチドを、ランニング緩衝液で終濃度250nM、500nM、1000nM、2000nM、4000nM、8000nMになるよう希釈調製した。配列番号1、2、3、5、6に対応するSpGポリペプチドは、実施例1〜8で得られたSpGポリペプチドの精製サンプルを用い、配列番号4に対応するSpGポリペプチドは、特許文献3に開示された方法に従って調製されたSpGポリペプチドの精製サンプル(凍結乾燥サンプル)を用いた。この特許文献3に開示された方法に従って調製されたSpGポリペプチドは、配列番号4のアミノ酸配列のN末端側にMetが、および、C末端側にCysが付与したポリペプチドとなっていた。
センサーチップCM5上のヒトIgG−Fabおよびヒト血清アルブミンが固定化されているレーンに、各々の計6種類のSpGポリペプチドを、上記の通り計6通りの濃度に調製したものを、それぞれ流速0.02mL/分で2分間添加した。各々の測定は25℃で行い、添加している2分間における結合反応曲線、および、添加後2分間における解離反応曲線を得た。解析ソフトBIA evaluation(ビアコア株式会社)を用いて、各々のSpGポリペプチドの固定化ヒトIgG−Fabへの結合・解離反応曲線から固定化ヒト血漿アルブミン(リファレンス)への結合・解離反応曲線を差し引いた結合・解離反応曲線を対象に解析した。各々のSpGポリペプチドと固定化ヒトIgG−Fabの解離定数K(M)は、解析ソフトBIA evaluation(ビアコア株式会社)を用いて、SpGポリペプチドの各々の濃度に対する平衡状態での結合レスポンス(平衡値)のプロットから解離定数K(M)を算出した。
センサーチップCM5に固定したIgG−Fabと配列番号3で示されるSpGポリペプチドとの結合・解離反応曲線を図1に示した。図中の横軸は通液時間(秒)、縦軸は共鳴強度(RU)を示す。各々の結合・解離反応曲線について、図中下部より上部に向かってそれぞれ、250nM、500nM、1000nM、2000nM、4000nM、8000nMの配列番号3で示されるSpGポリペプチドを流した時の反応曲線を示す。
(表1)配列番号1〜4で示されるポリペプチドおよび2種の野生型SpGbとIgG−Fabの解離定数
(実施例11)
SpGポリペプチドの水不溶性担体への固定化
SpGポリペプチドをリガンドとして固定化した担体のIgG−Fab吸着能を検証するため、配列番号4で示されるSpGポリペプチドを固定化した担体を作製した。PCT出願WO96/026786において開示される、水不溶性担体にエポキシ基を導入し、そのエポキシ基の開環・酸化反応によりアルデヒド基を生成させて得られた担体にリガンドを固定化する方法によって、本SpGポリペプチド固定化担体を作製した。
セルロース系多孔質硬質ゲルであるCKA(チッソ株式会社、ロット番号040220−5)60mL(自然沈降体積)に水24.6mL、4N NaOH(和光純薬株式会社)33.6mLを加え40℃で30分加温した後、エピクロロヒドリン(和光純薬株式会社)33mLを加え40℃で2時間攪拌し、エポキシ化反応を行った。反応後、担体の40倍量の水で洗浄した。
次にエポキシ化担体44mL(自然沈降体積)を0.5M炭酸水素ナトリウム緩衝液(和光純薬株式会社)で置換した。配列番号4に対応するSpGポリペプチド440mgをゲルと等量の0.5M炭酸水素ナトリウム緩衝液に溶解し、上記のゲルに加えて40℃で8時間攪拌した。反応後、20倍量の水で洗浄し、反応前後の上清をHCl(和光純薬株式会社)で中和した。
(実施例12)
SpGポリペプチド固定化担体のIgG−Fabアフィニティ・カラムクロマト実験
実施例10で得た、配列番号4で示されるSpGポリペプチドを固定化した担体がIgG−Fabに対してアフィニティ・カラムの様相を示すことを確認するため、以下に示す条件で評価を行った。
カラム中での担体の高さが約5cmとなるよう、配列番号4で示されるSpGポリペプチドを固定化したCKA担体、および、固定化を施していないCKA担体を、内径1cmの空カラムに流し入れ、脱泡水で400cm/hで1時間通液した。さらに、結合用緩衝液(0.02M リン酸ナトリウム、0.15M NaCl、pH7.4)40mLで、各々のカラムを平衡化した。通液するIgG−Fabは、ヒト免疫グロブリン製剤であるガンマガード(バクスター株式会社、ロット番号JK109T)から、非特許文献3に開示される方法にて調製した。なお、パパイン消化には、調製したIgG−Fabにパパインが混入しないよう、パパインが固定化されたゲルである、Papain Agarose(シグマ アルドリッチ株式会社、ロット番号094K7017)を使用した。また、パパイン消化後の副産物であるIgG−Fcを除くために、IgG−Fcを吸着するrProtein A Sepharose Fast Flow(GEヘルスケア バイオサイエンス株式会社、ロット番号311272)も精製に利用した。精製したIgG−Fabを結合用緩衝液で1mg/mLに希釈したもの20mL分を、各々のカラムに通液した。IgG−Fab通液後、各々のカラムを120mLの結合用緩衝液で洗浄し、80mLの溶出用緩衝液(0.05M リン酸ナトリウム、0.05M クエン酸ナトリウム、0.3M NaCl、pH3.0、和光純薬工業株式会社)で溶出した。さらに、40mLの結合用緩衝液で再平衡化した。溶出した画分の回収に利用した試験管には、あらかじめ22.5%量の1.0M Tris−HCl、pH8.0を中和液として投入した。一連の工程において、カラム通過後の溶液の280nmにおける吸光度を測定した。さらに、280nmにおいて高い吸光度を示した画分に、IgG−Fabが含まれているかどうか、SDS電気泳動によって確認した。
配列番号4で示されるSpGポリペプチドを担持させたCKA担体および何も固定化していないCKA担体を用いて、IgG−Fabをアフィニティ・クロマトグラフィー精製した際の吸着解離プロフィール図を図2に示した。図中の横軸は通算通液量(mL)、縦軸は波長280nmにおける吸光度(Absorbance)を示す。CKA−Seq−4は配列番号4で示されるSpGポリペプチドを担持させたCKA担体を、CKAは何も固定化していないCKA担体をそれぞれ示す。
配列番号3で示されるポリペプチドとIgGの結合反応曲線 配列番号4で示されるポリペプチドを担持させたCKA担体を用いて、IgG−Fabをアフィニティ・クロマトグラフィー精製した際の吸着解離プロフィール

Claims (32)

  1. 配列番号26に示されるアミノ酸配列を有し、かつ、ヒトIgG抗体のFab部分との結合能を有する、変異型プロテインG−betaドメインを含むポリペプチド。
  2. 配列番号5または6に示されるアミノ酸配列において、少なくともThr−17が他のアミノ酸残基に置換されたアミノ酸配列を有する請求項1に記載のポリペプチド。
  3. 請求項1に記載のポリペプチドであって、プロテインG−betaドメインが配列番号5に示されるアミノ酸配列からなるプロテインG−beta−1型であるポリペプチド。
  4. 請求項1に記載のポリペプチドであって、プロテインG−betaドメインが配列番号6に示されるアミノ酸配列からなるプロテインG−beta−2型であるポリペプチド。
  5. 請求項3に記載のポリペプチドであって、さらに、Glu−15または/およびGlu−19を他のアミノ酸残基に置換したことを特徴とするポリペプチド。
  6. 請求項4に記載のポリペプチドであって、さらに、Glu−15または/およびLys−19を他のアミノ酸残基に置換したことを特徴とするポリペプチド。
  7. 請求項3に記載のポリペプチドであって、Thr−17をGlyに置換したことを特徴とするポリペプチド。
  8. 請求項7に記載のポリペプチドであって、Glu−15をPheに、または/および、Glu−19をThrに置換したことを特徴とするポリペプチド。
  9. 請求項4に記載のポリペプチドであって、Thr−17をGlyに置換したことを特徴とするポリペプチド。
  10. 請求項9に記載のポリペプチドであって、Glu−15をPheに、または/および、Lys−19をThrに置換したことを特徴とするポリペプチド。
  11. 配列番号5に示されるアミノ酸配列において、少なくともThr−17をGlyに置換した変異を有するアミノ酸配列を含み、かつ、ヒトIgG抗体のFab部分との結合能を有する、ポリペプチド。
  12. 請求項11に記載のポリペプチドであって、さらに、Glu−15をPheに、または/および、Glu−19をThrに置換したことを特徴とするポリペプチド。
  13. 配列番号6に示されるアミノ酸配列において、少なくともThr−17をGlyに置換した変異を有するアミノ酸配列を含み、かつ、ヒトIgG抗体のFab部分との結合能を有する、ポリペプチド。
  14. 請求項13に記載のポリペプチドであって、さらに、Glu−15をPheに、または/および、Lys−19をThrに置換したことを特徴とするポリペプチド。
  15. 請求項11に記載のポリペプチドであって、配列番号1で示されるアミノ酸配列を含むポリペプチド。
  16. 請求項12に記載のポリペプチドであって、配列番号2で示されるアミノ酸配列を含むポリペプチド。
  17. 請求項13に記載のポリペプチドであって、配列番号3で示されるアミノ酸配列を含むポリペプチド。
  18. 請求項14に記載のポリペプチドであって、配列番号4で示されるアミノ酸配列を含むポリペプチド。
  19. 請求項1〜18のいずれかに記載のポリペプチドと他のポリペプチドとが共有結合した融合ポリペプチド。
  20. 請求項1〜19のいずれかに記載のポリペプチドのN末端、C末端または/およびアミノ酸側鎖に1〜100個のアミノ酸残基が共有結合したポリペプチド。
  21. 請求項1〜20のいずれかに記載のポリペプチドを1ドメイン単位として、該ドメイン単位2〜100個を共有結合にて融合させたポリペプチド。
  22. 請求項1〜21のいずれかに記載のポリペプチドを水不溶性担体に固定化したことを特徴とする、吸着材料。
  23. 請求項22に記載の吸着材料であって、抗体、抗体誘導体、断片抗体および断片抗体誘導体のいずれかを吸着することができる吸着材料。
  24. 請求項23に記載の吸着材料であって、IgG抗体、IgG抗体誘導体、IgG−Fab断片抗体およびIgG−Fab断片抗体誘導体のいずれかを吸着することができる吸着材料。
  25. 請求項24に記載の吸着材料であって、ヒトIgG抗体、ヒトIgG抗体誘導体、ヒトIgG−Fab断片抗体およびヒトIgG−Fab断片抗体誘導体のいずれかを吸着することができる吸着材料。
  26. 請求項23に記載の吸着材料を用いることを特徴とする、抗体、抗体誘導体、断片抗体および断片抗体誘導体のいずれかを分離精製する方法。
  27. 請求項24に記載の吸着材料を用いることを特徴とする、IgG抗体、IgG抗体誘導体、IgG−Fab断片抗体およびIgG−Fab断片抗体誘導体のいずれかを分離精製する方法。
  28. 請求項25に記載の吸着材料を用いることを特徴とする、ヒトIgG抗体、ヒトIgG抗体誘導体、ヒトIgG−Fab断片抗体およびヒトIgG−Fab断片抗体誘導体のいずれかを分離精製する方法。
  29. 請求項1〜21のいずれかに記載のポリペプチドをコードするDNA。
  30. 請求項29に記載のDNAを有するベクター。
  31. 請求項30に記載のベクターにより形質転換された形質転換体。
  32. 請求項31に記載の形質転換体を用いた、請求項1〜21のいずれかに記載のポリペプチドの製造方法。
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