本発明は、摺動操作機能及び押圧操作機能を備えた入力装置を実装したデジタルカメラや、ビデオカメラ、携帯電話機、携帯端末装置、パーソナルコンピュータ(以下PCという)、ノート型のPC、ホーム系電子機器及びそのリモートコントローラ等に適用可能な部品実装基板、その製造方法、入力装置及び電子機器に関する。
詳しくは、基板第1面の被操作部品上に当該基板の開口部が位置するように基板第2面を基板第1面上に折り曲げ可能な可撓構造を有した基板を形成し、所定の筐体に対して当該基板を折り曲げた状態で基板実装できるようにすると共に、基板実装後、筐体操作面で基板第2面側から開口部を介して基板第1面上の被操作部品を操作できるようにしたものである。
近年、ユーザ(操作者)は、多種類の動作モードを装備したデジタルカメラを使用して被写体を撮影したり、携帯電話機やPDA(Personal Digital Assistants)等の携帯端末装置に様々なコンテンツを取り込み、それを利用するようになってきた。これらのデジタルカメラや携帯端末装置等には入力装置が具備される。入力装置にはキーボードや、JOGダイヤル等の入力手段、表示部を合わせたタッチパネルなどが使用される場合が多い。
図35は従来例に係る入力装置500の構成例を示す断面図である。図35に示す入力装置500は、筐体501、回転型の操作子(以下JOGダイヤル502という)、回路基板503及びドームスイッチ504を有して構成されている。入力装置500は所定の大きさの筐体501を有しており、筐体501の側部には開口部505が設けられ、この開口部505からJOGダイヤル502のキートップ部分が露出する状態で回路基板503に実装されている。JOGダイヤル502は円形状を有しており、回路基板503にシャフト506(回転軸)を介して回転自在に取り付けられている。JOGダイヤル502は、そのキートップ部分を除く大部分が筐体内を占有する形態が採られている。
JOGダイヤル502の裏面には、図示しない磁石等の磁性体が設けられ、この磁性体による磁界と鎖交する位置であって、回路基板503には所定に角度を置いて2つのホールIC507,508が実装されており、JOGダイヤル裏面の磁性体がホールIC507,508を横切ることで、二相の回転検出信号を出力するようになされている。
また、シャフト506は、回路基板503から筐体501の外側に向けて付勢部材(図示せず)により付勢されている。シャフト506の軸方向と平行に対峙する回路基板503には、ドームスイッチ504が設けられ、JOGダイヤル502を付勢部材の付勢力に打ち勝って押し込むとドームスイッチ504をオン又はオフできるようになっている。
この種のJOGダイヤルを備えた入力装置に関連して特許文献1には、携帯情報端末及びプログラムが開示されている。この携帯情報端末によれば、端末装置本体に表示部と、本体のほぼ中央にJOGダイヤルとを備える。JOGダイヤルは、表示部とは別の位置に設けられる。このJOGダイヤルは、時計方向又は反時計方向に回転され、この回転に連動して表示部に表示された画像が回転するようになされる。しかも、JOGダイヤルを本体の方向に押下すると、画像範囲を変更するようになされる。このように情報端末を構成すると、より快適に各種の操作を実行できるというものである。
図36は従来例に係る他の入力装置600の構成例を示す断面図である。図36に示す入力装置600は、表面平坦状を有した非回転型のキートップ602を備えている。入力装置600は所定の大きさの筐体601を有しており、筐体601の側部には開口部605が設けられ、この開口部605からキートップ602が露出する状態で回路基板に対して可動自在に実装されている。キートップ602は、筐体601の開口部605に組み合わされ、その非操作面が筐体601の内側に向けて実装される。キートップ602は、鍔状のフランジ606を備え、このフランジ606が開口部605の内側に引っ掛けられる。これにより、キートップ602が開口部605から抜け出るのを防止される。
キートップ602の内側には回路基板603が設けられ、当該回路基板603にはドームスイッチが設けられ、キートップ602の押し込み操作によってオン又は/及びオフするように操作される。キートップ602の内側には、センサシート613、押し子619、ドームスイッチ604及び回路基板603の順序で配置される。押し子619はセンサシート613と回路基板603の側部との間で挟持されるように配置される。このように、筐体側部に対して表面平坦状のキートップ602を取り付けると、上述のJOGダイヤルに比べてキートップ部分がほとんど筐体内を占有しない構造を採ることができるというものである。
更に、開口部から露出するキートップに関連して、特許文献2には入力装置が開示されている。この入力装置によれば、ケーシングの所定の位置に窓孔が設けられ、この窓孔から露出する操作釦をスライド操作して項目選択を行ったり、他の操作ノブを押圧操作してページ送りや、スクロール等の項目選択画面の切り替えを行うようにした。このように装置を構成すると、項目選択動作を簡単かつ的確に実行できるというものである。
特開2003−256120号公報(第2乃至3頁 第1図)
特開2005−063230号公報(第9頁 図16)
ところで、従来例に係る触覚入力機能付きのデジタルカメラや、情報処理装置、携帯電話機、情報携帯端末装置等の電子機器によれば、以下のような問題がある。
i.図35に示した入力装置500や、特許文献1に見られるような表示部とJOGダイヤルとが分離配置された携帯情報端末等によれば、JOGダイヤルは、そのキートップ部分を除く大部分が筐体内を占有する形態が採られる。従って、他の部品を取り付ける面積(スペース)が減少したり、当該入力装置を応用した電子機器のコンパクト化の妨げとなる。
ii.図36に示した入力装置600によれば、個別に準備された2枚の回路基板603及びセンサシート613を個々に筐体601に実装する基板実装構造が採られるので、摺動操作時の検出信号をセンサシート613から回路基板603へ送信する回路を構成(なぞり検出機能)しようとした場合に、これらの間を接続するフレキシブルプリント配線(FPC)の引き回し工程や、FPCコネクタ等の取り付け工程の追加が余儀なくされることになる。
iii.因みに特許文献2に見られるような入力装置によれば、ケーシングの所定の位置に設けられた窓孔から露出する操作釦をスライド操作して項目選択を行ったり、他の操作ノブを押圧操作してページ送りや、スクロール等の項目選択画面を切り替えているが、操作機構が複雑となっており、操作部の小型化及び操作性が低下したり、誤動作のおそれが懸念される。このように、筐体への回路基板の組立工程が複雑化したり、基板間の配線引き回し接続工程が煩雑化して、これらの入力装置を実装した電子機器のコストアップやサイズアップに繋がるという問題がある。
そこで、この発明はこのような従来の課題を解決したものであって、基板実装方法を工夫して、基板を筐体へ組み込む工程を簡略できるようにすると共に、基板間の配線引き回し接続工程を省略できるようにした部品実装基板、その製造方法、入力装置及び電子機器を提供することを目的とする。
上述した課題は、所定の位置に開口部を有し、かつ、可撓性を有した基板と、この基板の一方の面を基板第1面とし、当該基板の他方の面を基板第2面としたとき、少なくとも、基板第1面に実装された被操作部品とを備え、基板第1面の被操作部品上に当該基板の開口部が位置するように基板第2面を基板第1面上に折り曲げられた可撓構造を有することを特徴とする部品実装基板によって解決される。
本発明に係る部品実装基板によれば、所定の筐体に対して当該基板を折り曲げた状態で基板実装できるようになる。しかも、基板実装後、筐体操作面で基板第2面側から開口部を介して基板第1面上の被操作部品を操作できるようになる。
本発明に係る部品実装基板の製造方法は、可撓性を有した基板の所定の位置に開口部を形成する工程と、基板の一方の面を基板第1面とし、当該基板の他方の面を基板第2面としたとき、少なくとも、基板第1面に被操作部品を実装する工程と、基板第1面に実装された被操作部品上に当該基板の開口部が位置するように基板第1面上に基板第2面を折り曲げる工程と、折り曲げられた基板を所定の筐体に実装する工程とを有することを特徴とするものである。
本発明に係る部品実装基板の製造方法によれば、個別に準備された2枚の基板を個々に筐体に実装する場合に比べて組立工程の簡略化や配線引き回し接続工程の省略化を図ることができる。
本発明に係る入力装置は、操作体による摺動操作によって情報を入力する入力装置であって、操作面を有した筐体内に設けられて操作体の摺動位置を検出するシート状の検出部材と、この検出部材の一部又は全部を覆うように設けられ、筐体の操作面に沿って摺動操作される操作部とを有する部品実装基板を備え、部品実装基板は、所定の位置に開口部を有し、かつ、可撓性を有した基板と、この基板の一方の面を基板第1面とし、当該基板の他方の面を基板第2面としたとき、少なくとも、基板第1面に実装された押下操作用のスイッチ部材とを含み、基板第1面のスイッチ部材上に当該基板の開口部が位置するように基板第2面を基板第1面上に折り曲げられた可撓構造を有することを特徴とするものである。
本発明に係る入力装置によれば、本発明に係る部品実装基板及びその製造方法が応用されるので、個別に準備された2枚の基板を個々に筐体に実装する場合に比べて組立工程の簡略化や配線引き回し接続工程の省略化を図ることができる。
本発明に係る電子機器は、操作面を有した筐体と、この筐体に設けられて操作体による摺動操作によって情報を入力する入力装置とを備え、入力装置は、操作面を有した筐体内に設けられて操作体の摺動位置を検出するシート状の検出部材と、検出部材の一部又は全部を覆うように設けられ、筐体の操作面に沿って摺動操作される操作部とを有する部品実装基板を有し、部品実装基板は、所定の位置に開口部を有し、かつ、可撓性を有した基板と、この基板の一方の面を基板第1面とし、当該基板の他方の面を基板第2面としたとき、少なくとも、基板第1面に実装された押下操作用のスイッチ部材とを含み、基板第1面のスイッチ部材上に当該基板の開口部が位置するように基板第2面を基板第1面上に折り曲げられた可撓構造を有することを特徴とするものである。
本発明に係る電子機器によれば、本発明に係る入力装置が応用されるので、個別に準備された2枚の基板を個々に筐体に実装する場合に比べて組立工程の簡略化や配線引き回し接続工程の省略化を図ることができる。
本発明に係る部品実装基板及びその製造方法によれば、基板第1面の被操作部品上に当該基板の開口部が位置するように基板第2面を基板第1面上に折り曲げられた可撓構造を有するものである。
この構造によって、所定の筐体に対して当該基板を折り曲げた状態で基板実装できるようになる。従って、個別に準備された2枚の基板を個々に筐体に実装する場合に比べて組立工程を簡略化でき、しかも、配線引き回し接続工程を省略できるようになる。また、基板実装後、筐体操作面で基板第2面側から開口部を介して基板第1面上の被操作部品を操作できるようになる。これにより、当該部品実装基板を内蔵した電子機器の小型化及びその大幅なコストダウンを図ることができる。
本発明に係る入力装置によれば、本発明に係る部品実装基板及びその製造方法が応用されるので、個別に準備された2枚の基板を個々に筐体に実装する場合に比べて組立工程の簡略化や配線引き回し接続工程の省略化を図ることができる。しかも、実装後、筐体操作面で基板第2面側から開口部を介して基板第1面上の被操作部品を操作できるようになる。これにより、当該部品実装基板を内蔵した入力装置の小型化及びその大幅なコストダウンを図ることができる。
本発明に係る電子機器によれば、本発明に係る入力装置が応用されるので、個別に準備された2枚の基板を個々に筐体に実装する場合に比べて組立工程の簡略化や配線引き回し接続工程の省略化を図ることができる。しかも、実装後、筐体操作面で基板第2面側から開口部を介して基板第1面上の被操作部品を操作できるようになる。これにより、当該入力装置を内蔵した電子機器の小型化及びその大幅なコストダウンを図ることができる。
続いて、この発明に係る部品実装基板、その製造方法、入力装置及び電子機器の一実施例について、図面を参照しながら説明をする。
図1は、第1の実施例としての部品実装基板101の構成例を示す斜視図である。図1に示す部品実装基板101は、デジタルカメラや、ビデオカメラ、携帯電話機、携帯端末装置、パーソナルコンピュータ(以下PCという)、ノート型のPC、各種電子機器及びそのリモートコントローラ等に適用可能なものであり、可撓性を有し、かつ、所定の幅W1及び長さL1を有したフレキシブルな基板10を備えている。幅W1は筐体の大きさにもよるが、例えば、携帯電話機の側面に適用する場合、W1=10mm程度で、長さL1が100mm程度である。基板10にはベースフィルムの両面に圧延銅箔を施した厚さ数十μm〜数百μm程度のものが使用される。
この例では、基板10の一方の面を基板第1面(以下単にI面という)とし、当該基板10の他方の面を基板第2面(以下単にII面という)としたとき、少なくとも、基板10のI面側には、被操作部品の一例を構成するドライバ用のIC装置5やLED光源6等が実装されている。基板10のI面側の被操作部品には、IC装置5やLED光源6等の他に、押下操作用のスイッチ部材が実装される。スイッチ部材にはドームスイッチ25が使用される。
基板10のII面側には、他の被操作部品の一例を構成する摺動操作検出用の検出部材が実装されている。検出部材には例えば、シート状の静電容量センサが使用され、操作者の指の摺動操作を検出するようになされる。静電容量センサは、例えば、ライン状に配置された複数の電荷蓄積用の電極パターン7、図示しない誘電体及び対向側の電極パターン等から構成される。検出部材には静電容量センサの他にシート状の抵抗膜センサが使用される。
基板10の所定の位置には開口部10aが設けられ、基板10のII面側から開口部10aを介してそのI面側の被操作部品、この例ではドームスイッチ25を操作するようになされる。開口部10aの大きさは幅がw1で長さがl1である。部品実装基板101は可撓構造を有している。ここに可撓構造とは、基板10のI面側の被操作部品上に、その開口部10aが位置するように当該基板10のII面をI面上に折り曲げられた構造をいう。このような部品実装構造を採ると、組立後、基板10のII面上の静電容量センサ(被操作部品)と共に、そのII面側から開口部10aを介してI面上のドームスイッチ25(被操作部品)を同時又は個々に操作できるようになる。
基板10には、当該I面側からII面側に至る配線パターン8が設けられる。配線パターン8は、基板10のI面側のドライバ用のIC装置5等の図示しない平板電極から、当該基板10のII面側の静電容量シートの電荷蓄積用の電極パターン7等へ至る配線を成している。途中、基板10のI面側からII面側に貫通するコンタクトホールを介在して配線面が入れ換えられている。このような配線パターン構造を採ると、個別に準備された2枚の基板間を接続するための配線引き回し接続工程を省略できるようになる。また、フレキシブル配線用のコネクタ(FPC)分のスペースを省略できるので、電子機器の小型化及びその大幅なコストダウンを図ることができる。
続いて、本発明に係る部品実装基板101の製造方法について説明する。図2〜図7は、部品実装基板101の形成例(その1)〜(その6)を示す工程図である。携帯電話機等の筐体側面で操作可能な入力装置用の部品実装基板101を形成する場合を例に挙げる。図2Bは図2Aの基板10のX1−X1矢視断面図である。
まず、部品実装基板101を得るための図2Aに示すような長細い基板10を準備する。例えば、両面に銅箔11a,11bを有した可撓性の基板材料を切断して長手状部位を有する基板10を得る。基板10の幅W1は10mm程度で、長さL1は100mm程度である。基板材料には膜厚25μm程度のポリイミド組成のベースフィルム11cの両面に、膜厚18μm程度の銅箔11a,11bを圧延したものを使用する。
次に、図3A〜C及び図4A及びBに示す電極パターン7及び配線パターン8の形成例において、両面銅箔を有した可撓性の細長い基板10に電極パターン7や配線パターン8、カバーフィルム9a〜9d等を形成する。電極パターン7は、基板10のI面側のドライバ用のIC装置5やLED光源6、ドームスイッチ25等の取り付け用の平板電極を成し、また、基板10のII面側では静電容量シートの蓄積電極等を成す。静電容量シートの蓄積電極等は他の被操作部品を構成する。この例で、蓄積電極は開口部10aを挟んで両側に分布するように形成される。配線パターン8は、基板10のI面側のドライバ用のIC装置5等の平板電極から、当該基板10のII面側の静電容量シートの蓄積電極等へ至る配線を成すようになる。
このような電極パターン7及び配線パターン8を形成する場合、まず、図3Aに示す基板10の全面に、図示しない所定のレジスト材料91を塗布する。次に、図3Bに示すように基板10上のレジスト材料91をパターニングする。例えば、目的の電極パターン7や配線パターン8等を焼き付けた、図示しないレチクル(乾板)等を使用してフォトリソグラフィ技術により、基板10上のレジスト材料を感光し、マスク用のレジスト膜91a,91b,91c等を形成する。
その後、図3Cに示す基板10上のレジスト膜91a,91b,91cをマスクにして不要部分の銅箔11a,11bをエッチング液等に浸して除去する。これにより、基板10のI面側のドライバ用のIC装置5やLED光源6、ドームスイッチ25等の取り付け用の電極パターン7及び、基板10のI面側のドライバ用のIC装置5等の平板電極から、当該基板10のII面側の静電容量シートの蓄積電極等へ至る配線パターン8を形成できる。更に、基板10に図示しないコンタクトホールを形成して基板10のI面側の配線パターン8とII面側の配線パターン8とを当該コンタクトホールを介して接続するとよい。
その後、図4Aに示す配線パターン8を成す銅箔上にメッキを施す。この例では、まず、基板10の表裏の銅箔11a,11bに膜厚15μm程度のメッキ成長調整用の銅(Cu)をメッキしてCu層(図示せず)を得る。次にCu層上に膜厚2〜6μm程度のメッキ下地用のニッケル(Ni)をメッキして表面にNi層12aを、裏面に,Ni層12bを得る。更に、表裏面のNi層上に膜厚0.03μm程度以上の表面保護用の金(Au)をメッキして表面にAu層13aを、裏面にAu層13bを得る。
次に、図4Bに示す電極パターン7間や配線パターン8等にカバーフィルム9a〜9bを形成する。カバーフィルム9a〜9bは配線パターン8上を絶縁する部分や、パターン間等にポリイミド部材を塗布することで得る。なお、ドライバ用のIC装置5やLED光源6、ドームスイッチ25等の取り付け用の電極上は、カバーフィルム9a等を形成しない。これらの電極上に予め保護膜(テープ)を貼付し、この保護膜をマスクにしてポリイミド部材を塗布する。部材塗布後に保護膜を剥がす。これにより、部品取り付け時まで当該電極表面を保護できる。
このような電極パターン7及び配線パターン8付きの可撓性を有した基板10が準備できたら、図5Aに示す基板10の所定の位置に大きさw1×l1の開口部10aを形成する。開口部10aは、被操作部品にもよるが、幅w1及び長さl1は、開口部10aが正方形状の場合、一辺が1mm〜10mm程度である。この例では、基板10を貫く、3mm×3mm程度の開口部10aを形成する。開口位置は、図5Bに示すように開口部10aがドームスイッチ25の中央上部に位置するように、基板10の右端部からXmmの部位である。開口部10aは、例えば、プレス加工機等を使用して打ち抜き開口する。
次に、図6Aに示す基板10のI面上に被操作部品の一例を成すドライバ用のIC装置5やLED光源6、ドームスイッチ25等を取り付ける。IC装置5やLED光源6等は、半田ボンディング技術により平板電極等に半田付けする。半田付けは、所定のリードフレームを使用したワイヤボンディングや、半田バンプを使用したフリップチップによる接合方法でよい。ドームスイッチ25は、図6Bに示すようにスイッチ部25a及びカバー部材25bから構成する。これにより、基板10のI面側に押下操作検知用のセンサシートが形成できる。
ここで、基板10のII面側において、静電容量シートの蓄積電極と対峙する、図示しない対向電極用の電極パターン等を取り付ける。蓄積電極と対向電極との間には誘電体を形成する。これにより、基板10のII面側に摺動(なぞり)操作検出用のセンサシート1bが形成できる。
このような押下操作検知用のセンサシートから摺動操作検出用のセンサシート1bへ一体して延在する基板10が準備できたら、図7Aに示す基板10のI面に実装されたドームスイッチ25上に当該基板10の開口部10aが位置するようにI面上にII面を折り曲げる。この例では、図6Aに示した基板10の長手状部位の長手方向と直交する方向に折り曲げ部位IIIを設定する。そして、当該折り曲げ部位IIIで基板10のII面を当該基板10のI面上に折り曲げる。
この基板10の長手状部位に折り曲げ部位IIIを設定すると、1枚の基板素材から展開状態の基板10を多く割り付けることができ、無駄に切り落とされる部材を低減でき、生産歩留まりを向上できるようになる(図11参照)。そして、折り曲げられた基板10を所定の筐体に実装すると、押下操作検知及び摺動操作検出機能を有した入力装置100を形成できるようになる(図9参照)。
このように、第1の実施例としての部品実装基板101及びその製造方法によれば、基板10のI面側のドームスイッチ25上に当該基板10の開口部10aが位置するように基板10のII面側をそのI面側上に折り曲げられた可撓構造を有するものである。
従って、携帯電話機等の筐体に対して当該基板10を折り曲げた状態で基板実装できるようになる。例えば、個別に準備された2枚の基板を個々に筐体に実装する場合に比べて組立工程の簡略化及び配線引き回し接続工程の省略化を図ることができる。因みに従来方式のFPC別体部品組立方式の構成に比べて、大きさ7mm×4mm×0.8mmのFPCコネクタとFPC配線延長部位とが不要になる。装置組立時には、約5秒程度のタクトタイムを低減(簡素化)できるようになる。
しかも、基板実装後、筐体操作面(商品の同一体裁面)上で基板10のII面側から開口部10aを介してそのI面上のドームスイッチ25を操作できるので、従来方式に比べて1台当たり、数百円単位程度のコストダウンを図れる。これにより、製造プロセスの簡素化、当該部品実装基板101を内蔵した電子機器の小型化及びその大幅なコストダウンを図ることができる。
図8は、本発明に係る部品実装基板101を実装した第2の実施例としての携帯電話機200の構成例を示す斜視図である。図8に示す携帯電話機200は電子機器の一例を構成し、本発明に係る入力装置100を有して、操作体(ユーザの指等による摺動操作及び押圧操作によって情報を入力するようになされる。携帯電話機200は上部筐体20及び下部筐体40を備えている。
上部筐体20及び下部筐体40間は、ヒンジ機構11によって折り畳み自在に係合されている。ヒンジ機構11によれば、上部筐体20の一端に設けられた軸部と、下部筐体40の一端に設けられた軸受け部とが回動自在に係合され、上部筐体20は下部筐体40に対して角度120°乃至180°の回動自由度を有して片開き結合されている。
上部筐体20は表示部29及び超小型のスピーカー36aを有している。表示部29には、複数のボタンアイコン等の入力情報が表示される。上部筐体20の上方であって、その表示部29の上方にはスピーカー36aが設けられ、通話用のレシーバ(受話器)として使用される。
下部筐体40は上部操作面及び側部操作面を有している。下部筐体40の上部操作面には、複数の押しボタンスイッチ24等から成る操作パネル18が設けられる。押しボタンスイッチ24は、「0」〜「9」数字キー、「*」や「#」等の記号キー、「オン」や「オフ」等のフックボタン、メニューキー等から構成される。その側部操作面にはサイドジョグを構成するキートップ42が設けられる。キートップ42は、操作部の一例を構成し、下部筐体40の側部操作面の一方から摺動方向に沿って盛り上がり、かつ、他方の側部操作面に向かって盛り下がる凸部形状を有している。
下部筐体40の内部には第1の実施例で説明したような部品実装基板101が設けられる。部品実装基板101は、フレキシブルな基板10を有して構成され、基板10は操作パネル用のパッドシート1aと摺動操作検出用のセンサシート1bとを一体化したものである。パッドシート1aは、「0」〜「9」数字キー、「*」や「#」等の記号キー、「オン」や「オフ」等のフックボタン、メニューキー等の複数の押しボタンスイッチ24のベースシートを構成する。パッドシート1aはその一部が押下操作検知用のセンサシートにも成る。
部品実装基板101の一辺には電極パターンを有したセンサシート1bが設けられ、当該携帯電話機200を右手で操作する場合、操作者の指30a(図9参照)の摺動位置を検出するように動作する。センサシート1bには摺動位置の押し込み変位を静電容量に変換して検出する静電容量シート部材が使用される。静電容量シート部材から成るセンサシート1bが実装された場合、操作者の指の摺動位置を検出して位置検出信号S1を出力するようになされる。静電容量シート部材には、特許第3920833号公報に記載の「カーソル移動方法」や、特許第3909230号公報に記載の「座標入力装置」が応用できる。
センサシート1bには静電容量シート部材の他にピエゾ抵抗効果を用いた圧力検出シート部材が使用される。圧力検出シート部材は、摺動位置の押し込みによる抵抗変化を読み取って電気信号に変換するものである。圧力検出シート部材には特開2005−326293号公報に記載の「力センサ、力検出システム及び力検出プログラム」が応用できる。圧力検出シート部材から成るセンサシート1bが実装された場合、操作者の指の摺動位置の押し込みを検出して押し込み検出信号S2を出力するようになされる。
下部筐体40の内部にはバッテリー14や電子部品実装用の回路基板17等が設けられている。下部筐体40において、操作パネル面の下方には、通話用のマイクロフォン43が取り付けられ、送話器として機能するようになされる。下部筐体40の下端部には、モジュール型のアンテナ16が取り付けられ、その上端内部側面には、アクチュエータ兼用の大音響用のスピーカー36bが設けられ、着信メロディ等を放音するようになされる。下部筐体40の裏面にはカメラ34が取り付けられている。もちろん、下部筐体40の内部に、触覚提示用のアクチュエータを取り付けてもよい。
図9は、携帯電話機200に実装可能な入力装置100の構成例を示す断面図である。図9に示す下部筐体40の側の入力装置100は、操作者の指等による摺動操作によって情報を入力する装置である。入力装置100には、第1の実施例に係る部品実装基板101が使用される。
入力装置100はシート状の検出部材の一例となるセンサシート1bを下部筐体40に設けられ、操作者の指等の摺動位置を検出するようになされる。センサシート1bは電極パターン7を有して構成される(図10参照)。
部品実装基板101は下部筐体40内において、例えば、金属製又は樹脂製のシャーシ17’上に固定される。部品実装基板101は、所定の位置に開口部10aを有し、かつ、可撓性を有した基板10と、この基板10の一方の面をI面とし、当該基板10の他方の面をII面としたとき、少なくとも、基板10のI面側に実装された押下操作用のドームスイッチ25とを含み、基板10のI面側のドームスイッチ25上に当該基板10の開口部10aが位置するように、折り曲げ部位IIIを基準にしてそのII面側をI面側上に折り曲げられた可撓構造を有するものである。
この例で、基板10上にはキートップ42が組み合わされ、センサシート1bの一部又は全部を覆うように設けられる。キートップ42は、下部筐体40の開口部40aにおいて、その押下方向に対して可動自在に係合され、下部筐体40の操作面の一方から摺動方向に沿って盛り上がり、かつ、他方の側部操作面に向かって盛り下がる凸部形状を有して、下部筐体40の操作面に沿って摺動操作される。キートップ42にはつば状のフランジ42a及び棒状のリンク部42bが設けられ、開口部10aを介してリンク部42bでドームスイッチ25を押下してオンするように操作される。
ドームスイッチ25は、スイッチ部25a及びカバー部材25bから構成される。スイッチ部25aはバネ部材及び電極部材から構成され、カバー部材25bは絶縁部材から構成される。ドームスイッチ25は、バネ部材の付勢力に打ち勝って強く指30a(図9参照)等により押し込むことで、例えば、ONする。ドームスイッチ25から指30aを離すと、バネ部材の付勢力によって、キートップ42を開口部40aの内周部へ当接するようになされる。
この例では、センサシート1bで操作者の指30aの摺動位置を検出する検出領域が、キートップ42で当該操作者の指30aによって摺動操作される操作領域よりも広く設定されている。このようにすると、操作者の指30aによる摺動操作に対し、凸部形状のキートップ42を挟んだ下部筐体40の一方の操作面と、他方の操作面を摺動操作範囲に含めることができる。この形状のキートップ42は、各種情報を検索する際のスクロールキーの検索ピッチや、音量を調整する際のボリュームキー等の音量調整ピッチを広く設定できるようになる。
続いて、携帯電話機200における下部筐体側への入力装置100の組立例について説明する。図10は、入力装置100の組立例を示す斜視図である。まず、下部筐体40、キートップ42及び部品実装基板101を準備する。下部筐体40には、携帯電話機200の下部筐体40を象った金型を作成し、この金型に樹脂を射出封入して成形したものを使用する。金型は、下部筐体40に開口部40aを開口するための加工が施される。
封入樹脂には、例えば、PC樹脂や、ABS樹脂、これら合成樹脂等が使用される。その後、下部筐体40の外面に金属メッキを施してもよい。もちろん、下部筐体40は樹脂金型成品に限られることはなく、所定の厚みを有したアルミニウムや、SUS等の軽金属をプレス加工したものでもよい。開口部40aは打ち抜き加工により開口するとよい。その後、下部筐体40の外面に防錆用のメッキを施してもよい。
この例で、キートップ42には、センサシート1bの一部又は全部を覆うような非操作面を有したものを形成するとよい。例えば、キートップ42は、下部筐体40の操作面に沿って摺動操作するために、当該キートップ42の非操作面が平坦形状を成し、非操作面の周縁部にはフランジ42a(つば状部)を有し、その中央部にはリンク部42bを有したものを形成する。まず、凸形状のキートップ、フランジ及びリンク部の形状を象ったキートップ用の金型を作成する。
キートップ用の金型には、下部筐体40の一方の操作面から摺動方向に沿って盛り上がり、かつ、他方の操作面に向かって盛り下がるような半月形状の凹部を成したコア及び、これを覆うキャビティが準備される。このような金型が準備できたら、当該金型に樹脂を封入して下部筐体40を成形する。封入樹脂には、例えば、PC樹脂や、ABS樹脂、これら合成樹脂等が使用される。
これにより、所定の高さ及び幅を有した半円弧を成し、円弧の形状に沿って摺動操作可能な凸部形状のキートップ42を形成できるようになる。このようにキートップ42を構成すると、操作者の指30aによる摺動操作に対し、下部筐体40の一方の操作面から摺動方向に沿って円弧状に盛り上がる摺動操作感覚に加えて、他方の操作面に向かって盛り下がる円弧状の摺動操作感覚を与えることができる。
部品実装基板101には第1の実施例で説明した方法で形成したものを使用する(図2〜図7参照)。部品実装基板101には、例えば、図2Aに示したような長細い可撓性の基板10を有し、図3A〜C及び図4A及びBに示したような電極パターン7及び配線パターン8を形成したものを使用する。電極パターン7は、基板10のI面側のドライバ用のIC装置5やLED光源6、ドームスイッチ25等の取り付け用の平板電極を成し、また、基板10のII面側では静電容量シートの蓄積電極等を成す。蓄積電極は開口部10aを挟んで両側に分布するように形成する。
配線パターン8は、基板10のI面側のドライバ用のIC装置5等の平板電極から、当該基板10のII面側の静電容量シートの蓄積電極等へ至る配線を成すように形成する。例えば、基板10のI面側のドライバ用のIC装置5やLED光源6、ドームスイッチ25等の取り付け用の電極パターン7及び、基板10のI面側のドライバ用のIC装置5等の平板電極から、当該基板10のII面側の静電容量シートの蓄積電極等へ至る配線パターン8を形成する。このような電極パターン7及び配線パターン8付きの可撓性を有した基板10が準備できたら、図5Aに示した基板10の所定の位置に開口部10aを形成する。開口部10aは、プレス加工機等を使用して打ち抜き開口する。
その後、図6Aに示した基板10のI面上にドライバ用のIC装置5やLED光源6、ドームスイッチ25等を取り付ける。その後、基板10のI面側に押下操作検知用のセンサシート(図示せず)を形成する。このとき、図6Bに示したようにスイッチ部25a及びカバー部材25bからドームスイッチ25を構成するようにする。基板10のII面側には、摺動(なぞり)操作検出用のセンサシート1bを形成する。基板10は、押下操作検知用のセンサシートから摺動操作検出用のセンサシート1bへ一体して延在する形状を成す。
このような下部筐体40、キートップ42及び部品実装基板101が準備できたら、図7Aに示した基板10のI面に実装されたドームスイッチ25上に当該基板10の開口部10aが位置するようにI面上にII面を折り曲げる。この例では、図6Aに示した基板10の長手状部位の長手方向と直交する方向に折り曲げ部位IIIを設定する。そして、当該折り曲げ部位IIIで基板10のII面を当該基板10のI面上に折り曲げる。部品実装基板101を折り曲げ部位IIIを基準にして、押下操作検知用のセンサシート上に摺動操作検出用のセンサシート1bを折り畳んでキートップ42のリンク部42bを開口部10aに差し込む。
次に、キートップ42が下部筐体40の上部の操作面に開口された矩形状の開口部40aに対して、その操作面の内側から外側へ向けて露出するように、キートップ42を下部筐体40の開口部40aに嵌合して組み合わせる。このとき、キートップ42の非操作面は、下部筐体40の内側に向けられ、フランジ42aが下部筐体40の上部側の開口部40aに引っかかって抜け止めされる状態で実装される。これにより、図9に示したような下部筐体40において、押下操作検知及び摺動操作検出機能付きの入力装置100が完成する。
このように入力装置100によれば、従来方式の回転型のサイドジョグツールと異なる構造であって、当該サイドジョグツールとほぼ類似の操作感覚が得られる非回転型のサイドジョグツール等を提供できるようになる。この形状のキートップ42は、各種情報を検索する際、例えば、電話帳選択時、ファイル選択時、拡大縮小時のスクロールキー、あるいは、これらの決定キー、また、音量を調整する際のボリュームキー等の情報選択キーとして応用できる。
ここで、図11及び図12を参照して、1枚の基板素材1から展開状態の基板10を多く割り付ける(部材取りする)方法について、従来方式と本発明方式の部材取り例について比較する。図11A及びBは、従来方式及び本発明方式に係る基板形状の比較例を示す上面図である。図12A及びBは、部材取り時の基板10’及び基板10の比較例を示す上面図である。
この比較例では、携帯電話機200のテンキーのパッドシート1aと、そのサイドジョグを構成する押下操作検知用及び摺動操作検出用のセンサシート1bとを一体したフレキシブルな基板10を1枚の基板素材1から効率良く部材取りをする場合について、どちらの方式が部材を無駄なく、多くの数の基板10が部材取り可能かを比較した。
図11Aに示す従来方式に係る基板10’の部材取りによれば、パッドシート1aの右側に配置したセンサシート1b’は、縦方向に対して横方向が幅広にレイアウトされている。パッドシート1a及びセンサシート1b’を含む基板10’の全体の幅はw2’である。基板10’は、センサシート1b’の長手方向と並行する方向に折り曲げ部位III’が設定されている。
すなわち、折り曲げ部位III’を基準にしてセンサシート1b’の右側面をパッドシート側に折り曲げる方式が採られている。この方式であると、センサシート1b’の下方部位に多くの無駄に除去される部分IVが生ずる。これにより、図8Aに示すように1枚の基板素材1から展開状態の基板10’が取れる部品取り数が低下し、部品実装基板101’の生産歩留まりが低下する。
これに対して、本発明方式では、部品実装基板101の形状及びその折り返し位置を工夫している。図11Bに示す本発明方式に係る基板10の部材取りによれば、パッドシート1aの右側において、縦方向に対して横方向の幅を狭くしたセンサシート1bがレイアウトされている。パッドシート1a及びセンサシート1bを含む基板10の全体の幅はw2(w2<w2’)である。
基板10は、センサシート1bの長手状部位の長手方向と直交する方向に折り曲げ部位IIIが設定されている。そして、当該折り曲げ部位IIIでセンサシート1bの下方面側を当該センサシート1bの上方面側に折り曲げている。これにより、図8Bに示すように1枚の基板素材1から展開状態の基板10を多く取れるようになる。
このように、本発明方式の部材取り例によれば、センサシート1bの長手状部位に折り曲げ部位IIIを設定しているので、同一面積を有した基板素材1内で、図12Aに示した部材取りに比べて、図12Bに示した部材取りの方が多くの一体型のフレキシブルな基板10を部材取りすることができ、従来方式に比べて部材取り数を向上させることができた。これにより、従来方式に比べて1枚の基板素材1から無駄に切り落とされる部分を低減でき、生産歩留まりを向上できるようになった。
続いて、部品実装基板101を実装した入力装置100を有する携帯電話機200の制御系の構成例について説明する。図13は、携帯電話機200等の制御系の構成例及びその感触フィードバック機能例を示すブロック図である。
図13に示す携帯電話機200等は、下部筐体40の回路基板17等に各機能のブロックを実装して構成される。なお、図8〜図12に示した各部と対応する部分は、同一符号で示している。携帯電話機200等は、制御部15、操作パネル18、受信部21、送信部22、アンテナ共用器23、入力装置100、表示部29、電源ユニット33、カメラ34、記憶部35、受話器用のスピーカー36a、アクチュエータ機能付きの大音響用のスピーカー36bを有している。
図13に示す入力装置100は、センサシート1b、ドームスイッチ25、キートップ42及び部品実装基板101から構成される。当該センサシート1bに関しては、図1〜図12では静電容量シート部材を使用する場合について説明したが、摺動操作(カーソリング)と押し込み(選択決定)の機能を区別できるものであれば何でも良く、例えば、圧力検出シート部材等の入力デバイスであっても良く、好ましくは位置検出情報と押し込み検出情報を制御部15に与えられる構成の入力デバイスであれば良い。
入力装置100は、携帯電話機200を構成する下部筐体40に設けられ、操作者の指30aによる摺動操作及び押圧検知操作によって情報を入力する。例えば、入力装置100はセンサシート1bで操作者の指30aの摺動位置を検出し、ドームスイッチ25でその押し込みを検出して、少なくとも、位置検出信号S1および押し込み検出信号S2を制御部15に出力するようになされる。
この例で、第1の実施例に係る入力装置100が使用される場合、入力装置100は、下部筐体40内に設けられて操作者の指の摺動位置を検出するセンサシート1bを有する。キートップ42はセンサシート1bを覆うように設けられ、下部筐体40の操作面に沿って摺動操作される。キートップ42は、下部筐体40の一方の操作面から摺動方向に沿って盛り上がり、かつ、他方の操作面に向かって盛り下がる凸部形状を含んでいる(図8参照)。
制御部15は制御系を構成し、画像処理部26、A/Dドライバ31、CPU32及びメモリ部37を有している。A/Dドライバ31には、入力装置100からの位置検出信号S1および押し込み検出信号S2が供給される。A/Dドライバ31ではカーソリングとアイコン選択の機能を区別するために位置検出信号S1および押し込み検出信号S2よりなるアナログ信号をデジタルデータに変換する。
この他にA/Dドライバ31は、このデジタルデータを演算処理して、カーソリング入力かアイコン選択情報かを検出し、カーソリング入力かアイコン選択かを区別するフラグデータD3あるいは位置検出情報D1または押し込み検出情報D2をCPU32に供給するようになされる。これらの演算はCPU32内で実行してもよい。
A/Dドライバ31にはCPU32が接続される。CPU32はシステムプログラムに基づいて当該電話機全体を制御するようになされる。記憶部35には当該電話器全体を制御するためのシステムプログラムデータが格納される。図示しないRAMはワークメモリとして使用される。CPU32は電源オンと共に、記憶部35からシステムプログラムデータを読み出してRAMに展開し、当該システムを立ち上げて携帯電話機全体を制御するようになされる。
例えば、CPU32は、A/Dドライバ31からの位置検出情報D1、押し込み検出情報D2及びフラグデータD3(以下単に入力データともいう)を受けて所定の指令データDを電源ユニット33や、カメラ34、記憶部35、メモリ部37、映像&音声処理部44等のデバイスに供給したり、受信部21からの受信データを取り込んだり、送信部2へ送信データを転送するように制御する。
映像&音声処理部44には表示部29が接続され、例えば、センサシート1bによって検出された操作者の指30aの摺動操作や、ドームスイッチ25によって検出された押し込み操作に対応したスクロール画像が表示される。この例で、CPU32は操作者の指30aの摺動操作速度を検出し、当該操作者の指30aの摺動操作速度に応じて表示部29におけるスクロール画像の表示ピッチを調整するようになされる。
このように表示制御をすると、情報検索時、操作者の指30aの摺動操作速度が速い場合に、表示部29におけるスクロール画像の表示ピッチを狭く設定すること、反対に、操作者の指30aの摺動操作速度が遅い場合には、表示部29におけるスクロール画像の表示ピッチを広く設定するように調整できるようになる。従って、情報検索対象が複数存在する場合において、目的のスクロール画像から遠い場合は、スクロール画像を荒く飛ばすように送り、目的のスクロール画像に近づいたときは、ゆっくりとスクロール画像を送りながら検索できるようになる。
この例でセンサシート1bに圧力検出シート部材が使用される場合であって、CPU32はスクロール画像の表示ピッチ調整の他に、入力装置100から得られる押し込み検出情報D2と予め設定された押下判定閾値Fthとを比較し、当該比較結果に基づいてアクチュエータ機能付きのスピーカー36bを振動制御するようにメモリ部37を読み出し制御してもよい。
例えば、入力装置100の押下位置における操作面から伝播される触覚を#a及び#bとすると、触覚#aは、下部筐体40を持った操作者の摺動位置における指30aの摺動操作に応じた操作面を低周波数かつ小振幅の振動パターンから、高周波数かつ大振幅の振動パターンに変化させることによって得られる。また、触覚#bは、その摺動位置における操作者の指30aの押し込み力の有無に応じた操作面を高周波数かつ大振幅の振動パターンから、低周波数かつ小振幅の振動パターンに変化させることよって得られる。
上述のCPU32には記憶部35が接続され、入力項目選択用の表示画面を、例えば、3次元的に表示するための表示情報D4や、当該表示情報D4に対応したアイコンの選択位置及び振動モードに関する制御情報Dc等が表示画面毎に記憶される。制御情報Dcには、表示部29におけるアプリケーション(3次元的な表示や、各種表示内容)に同期した複数の異なった触覚を発生でき、その触覚を発生せしめる複数の具体的な振動波形、及び、アプリケーション毎の具体的な触覚発生モードを設定するアルゴリズムが含まれる。記憶部35には、EEPROMや、ROM、RAM等が使用される。
この例でCPU32は、A/Dドライバ31から出力される位置検出情報D1、押し込み検出情報D2及びフラグデータD3に基づいて表示部29の表示制御及び、アクチュエータ機能付きのスピーカー36bの出力制御をする。例えば、制御部15は、入力装置100のセンサシート1bから得られる位置検出信号S1及び、ドームスイッチ25から得られる押し込み検出信号S2に基づいて記憶部35から制御情報Dcを読み出して、メモリ部37へアクセスし、アクチュエータ機能付きのスピーカー36bに振動発生信号Saを供給するような制御がなされる。
この例でセンサに圧力検出シート部材が使用される場合であって、CPU32は、押下判定閾値Fth以下の押し込み検出情報D2を検出したとき、触覚#aを起動し、その後、入力装置100が押下判定閾値Fthを越える押し込み検出情報D2を検出したとき、触覚#bを起動するように、メモリ部37を読み出し制御する。このようにすると、操作者の指30a等の”押し込み”に基づいて振動パターンを発生させることができる。
CPU32にはメモリ部37が接続され、CPU32からの制御情報Dcに基づいて振動発生データDaを読み出す。振動発生データDaは、正弦波形からなる出力波形を有している。メモリ部37には映像&音声処理部44が接続され、各々の振動発生データDaが映像&音声処理部44に供給され、その振動発生データDaが音声処理(デジタル・アナログ変換・増幅等)され、振動発生信号Sout2となってアクチュエータ機能付きのスピーカー36aに供給される。スピーカー36aは、振動発生信号Sout2に基づいて振動するようになされる。
この例で、メモリ部37は、各アプリケーションに対応する押下判定閾値Fthを記憶する。例えば、押下判定閾値Fthはトリガーパラメータとして記憶部35に設けられたROM等に予め格納される。記憶部35は、CPU32の制御を受けて、押し込み検出情報D2を入力し、予め設定された押下判定閾値Fthと、押し込み検出情報D2から得られる押し込みFを比較し、Fth≧Fの判定処理や、Fth<F等の判定処理を実行する。
例えば、押下判定閾値Fth=100[gf]をメモリ部37に設定すると、クラシックスイッチの触覚を得るための振動パターンに基づいて操作面を振動するようになされる。また、押下判定閾値Fth=20[gf]を設定すると、サイバースイッチの触覚を得るための振動パターンに基づいて操作面を振動するようになされる。
CPU32にはメモリ部37の他に画像処理部26が接続され、スクロール画像をスクロール表示するための表示情報D4を画像処理するようになされる。画像処理後の表示情報D4を表示部29に供給するようになされる。この例で、CPU32は、表示画面中のスクロール画像を奥行方向に遠近感を有して3次元的に表示するように表示部29を表示制御する。
表示部29の表示内容は操作者の目30bによる視覚により、スピーカー36a,36bからの放音は、操作者の耳30cによる聴覚により各機能を判断するようになされる。上述のCPU32には操作パネル18が接続され、例えば、相手方の電話番号を手動入力する際に使用される。表示部29には上述のアイコン選択画面の他に映像信号Svに基づいて着信映像を表示するようにしてもよい。
また、図13に示すアンテナ16は、アンテナ共用器23に接続され、着呼時、相手方からの無線電波を基地局等から受信する。アンテナ共用器23には受信部21が接続され、アンテナ16から導かれる受信データを受信して映像や音声等を復調処理し、復調後の映像及び音声データDinをCPU32等に出力するようになされる。受信部21には、CPU32を通じて映像&音声処理部44が接続され、デジタルの音声データをデジタル/アナログ変換して音声信号Soutを出力したり、デジタルの映像データをデジタル/アナログ変換して映像信号Svを出力するようになされる。
映像&音声処理部44には受話器を構成するスピーカー36a及び、アクチュエータ機能付きの大音響用を構成するスピーカー36bが接続される。スピーカー36aは、音声信号Sout1を入力して相手方の話声30d等を拡大するようになされる。スピーカー36bは、着呼時、音響信号Sout2に基づいて着信音や着信メロディ等を鳴動するようになされる。また、スピーカー36bは、触覚提示時、振動発生信号Sout2’に基づいて振動するようになされる。
この映像&音声処理部44にはスピーカー36a,36bの他に、送話器を構成するマイクロフォン43が接続され、操作者の声30dを集音して音声信号Sinを出力するようになされる。映像&音声処理部44は、発呼時、相手方へ送るためのアナログの音声信号Sinをアナログ/デジタル変換してデジタルの音声データを出力したり、アナログの映像信号Svをアナログ/デジタル変換してデジタルの映像データを出力するようになされる。
CPU32には受信部21の他に、送信部22が接続され、相手方へ送るための映像及び音声データDout等を変調処理し、変調後の送信データをアンテナ共用器23を通じアンテナ16に供給するようになされる。アンテナ16は、アンテナ共用器23から供給される無線電波を基地局等に向けて輻射するようになされる。
上述のCPU32には送信部22の他に、カメラ34が接続され、被写体を撮影して、例えば、静止画情報や動作情報を送信部22を通じて相手方に送信するようになされる。カメラ34は上部筐体20の背面側に設けてもよい。電源ユニット33は、バッテリー14を有しており、操作パネル18、受信部21、送信部22、表示部29、CPU32、カメラ34、記憶部35、メモリ部37、映像&音声処理部44及び入力装置100にDC電源を供給するようになされる。なお、この例で、メモリ部37を映像&音声処理部44とは別個に設ける場合について説明したが、映像&音声処理部44に備え付けの記憶装置を兼用するようにしてもよい。部品点数が低減できる。
このように、第2の実施例としての携帯電話機200によれば、本発明に係る入力装置100が実装され、この入力装置100には第1の実施例に係る部品実装基板101及びその製造方法を応用したものが使用される。
従って、個別に準備された2枚の基板を個々に下部筐体40に実装する場合に比べて組立工程の簡略化や配線引き回し接続工程の省略化を図ることができる。しかも、実装後、下部筐体40の側部操作面(商品の同一体裁面)でII面側のセンサシート1bによる入力検出及び、II面側から開口部10aを介してI面上のドームスイッチ25を入力操作できるようになる。これにより、当該部品実装基板101を内蔵した2つの入力検出機能を有する入力装置100の小型化及びその大幅なコストダウンを図ることができるので、当該入力装置100を実装した携帯電話機200の小型化及びその大幅なコストダウンを図ることができる。
この例では、図8に示したようにキートップ42を下部筐体40の右側に設ける場合について説明したが、もちろん、これに限られることはなく、キートップ42や、以下に述べる他のキートップ等の操作部は、下部筐体40の左側部の操作面や、その上又は下側の操作面、表又は裏面側の操作面等に設けてもよい。更に、上部筐体20の左又は右側部の操作面や、その上又は下側の操作面、その表又は裏面側の操作面等に操作部を設けてもよい。下部筐体40の左側や上部筐体20等に設ける場合についても、同様な効果が得られることは言うまでもない。
図14は、第3の実施例としてのデジタルカメラ300の構成例を示す斜視図である。この実施例では、デジタルカメラ300に本発明に係る部品実装基板103を実装したものである。図14に示すデジタルカメラ300は電子機器の一例を構成し、本発明に係る入力装置301を有して、操作体(ユーザの指等による摺動操作及び押圧操作によって情報を入力するようになされる。デジタルカメラ300は筐体61、操作パネル62及び枠体63を備えている。
筐体61の前面には光学レンズ38が設けられ、被写体からの光を入射して結像する。筐体61の内部には図示しない撮像素子が配設され、光学レンズ38で結像された被写体映像を撮像するように動作する。筐体61の上部には、シャタターボタン39が配設され、被写体映像を撮影する際に押下操作される。筐体61の裏面側には枠体63が取り付けられ、この枠体63の内側には操作パネル62が取り付けられる。操作パネル62及び枠体63は、筐体61の裏面側に、例えば、図示しないビス止め機構によって開閉可能に係合される。
筐体61の裏面側に枠体63を介在して係合された操作パネル62には表示部69が設けられている。表示部69には1インチ〜2インチ程度の液晶表示装置が使用され、複数のボタンアイコン等の入力情報が表示される。表示部69の右隣には複数の押しボタンスイッチ65や十字キー66等が設けられている。押しボタンスイッチ65は、「オン」や「オフ」等のフックボタン、メニューキー等から構成される。押しボタンスイッチ65の上方には開口部62cが設けられ、この開口部62c内には、十字キー66が設けられる。十字キー66は操作部の一例を構成し、操作パネル62の水平方向で一方の操作面から摺動方向に沿って盛り上がり、かつ、他方の操作面に向かって盛り下がる凸部形状と、この凸部形状に直交する垂直方向で同様にして一方から摺動方向に沿って盛り上がり、かつ、他方の操作面に向かって盛り下がる凸部形状を有している。
操作パネル62の内部には本発明に係る部品実装基板103が実装される。部品実装基板103は、フレキシブルな基板60を有して構成され、基板60は操作パネル用のパッドシート61aと摺動操作検出用のセンサシート61bとを一体化したものである。パッドシート61aは、「オン」や「オフ」等のフックボタン、メニューキー等の複数の押しボタンスイッチ65のベースシートを構成する。パッドシート61aは、押下操作検知用のセンサシートにも使用される。
部品実装基板103には電極パターンを有したセンサシート61bが設けられ、当該デジタルカメラ300を左手に持って右手で操作する場合、操作者の指30aの摺動位置を検出するように動作する。センサシート61bには摺動位置の押し込み変位を静電容量に変換して検出する静電容量シート部材が使用される。静電容量シート部材から成るセンサシート61bが実装された場合、操作者の指の摺動位置を検出して位置検出信号S1を出力するようになされる。静電容量シート部材には、特許第3920833号公報に記載の「カーソル移動方法」や、特許第3909230号公報に記載の「座標入力装置」が応用できる。
センサシート61bには静電容量シート部材の他にピエゾ抵抗効果を用いた圧力検出シート部材が使用される。圧力検出シート部材は、摺動位置の押し込みによる抵抗変化を読み取って電気信号に変換するものである。圧力検出シート部材には特開2005−326293号公報に記載の「力センサ、力検出システム及び力検出プログラム」が応用できる。圧力検出シート部材から成るセンサシート61bが実装された場合、操作者の指の摺動位置の押し込みを検出して押し込み検出信号S2を出力するようになされる。操作パネル62の内部にはバッテリー64や電子部品実装用の回路基板67等が設けられている。この例でも、操作パネル62の内部に、触覚提示用のアクチュエータを取り付けてもよい。
図15は、デジタルカメラ300に実装可能な入力装置301の構成例を示す断面図である。図15に示す入力装置301は、筐体61、操作パネル62、枠体63及び十字キー66から構成され、操作者の指等による摺動操作によって情報を入力する装置である。入力装置301には部品実装基板103が使用される。入力装置301はシート状の検出部材の一例となるセンサシート61bを操作パネル62に設けられ、操作者の指等の摺動位置を検出するようになされる。センサシート61bは電極パターン7’を有して構成される(図21参照)。入力装置301の検出感度例については、現在、特許出願中(2007−246071)の「入力装置及び電子機器」を参照されたい。
部品実装基板103は枠体63内において、例えば、金属製又は樹脂製の筐体61の基台上に載置される。部品実装基板103は、所定の位置に開口部60aを有し、かつ、可撓性を有した基板60と、この基板60の一方の面をI面とし、当該基板60の他方の面をII面としたとき、少なくとも、基板60のI面側に実装された押下操作用のドームスイッチ25’とを含み、基板60のI面側のドームスイッチ25’上に当該基板60の開口部60aが位置するように、折り曲げ部位IIIを基準にしてそのII面側をI面側上に折り曲げられた可撓構造を有するものである。
この例でも、基板60のI面側にはドームスイッチ25’の他に、ドライバ用のIC装置5やLED光源6等が実装されている。基板60上にはゴムシート部62aを介在させて十字キー66が組み合わされ、センサシート61bの一部又は全部を覆うように設けられる。十字キー66は、操作パネル62の開口部62cの押下方向に対して可動自在に係合され、操作パネル62の操作面の一方から摺動方向に沿って盛り上がり、かつ、他方の側部操作面に向かって盛り下がる凸部形状を十字形に有して、操作パネル62の操作面に沿って十字に摺動操作される。
十字キー66の下方にはゴムシート部62aが設けられ、このゴムシート部62aの内側面であって、十字キー66の中心部に位置する部分には棒状のリンク部62bが設けられている。ゴムシート部62aとリンク部62bとは、例えば、同一のゴム素材により一体的に成形されている。十字キー66は、開口部60aを介してゴムシート部62a下のリンク部62bでドームスイッチ25’を押下してオンするように操作される。
この例では、センサシート61bで操作者の指30aの摺動位置を検出する検出領域が、十字キー66で当該操作者の指30aによって摺動操作される操作領域よりも広く設定されている。このようにすると、操作者の指30aによる摺動操作に対し、凸部形状の十字キー66を挟んだ操作パネル62の左右の操作面と、上下の操作面を摺動操作範囲に含めることができる。この形状の十字キー66は、各種情報を検索する際のスクロールキーの検索ピッチや、光学レンズ38のズーム量を調整する際にズーム調整ピッチを円滑に設定できるようになる。
続いて、本発明に係る部品実装基板103の製造方法について説明する。図16〜図21は、部品実装基板103の形成例(その1)〜(その6)を示す工程図である。デジタルカメラ等の操作パネル62で操作可能な入力装置用の部品実装基板103を形成する場合を例に挙げる。図16Bは図16Aの基板60のX2−X2矢視断面図である。
まず、部品実装基板103を得るための図16Aに示すような長細い基板60を準備する。例えば、両面に銅箔11a,11bを有した可撓性の基板材料を切断して長手状部位を有する基板60を得る。基板60の幅W3は30mm程度で、長さL3は150mm程度である。基板材料には図16Bに示しように、第1の実施例と同様にして膜厚25μm程度のポリイミド組成のベースフィルム11cの両面に、膜厚18μm程度の銅箔11a,11bを圧延したものを使用する。
次に、図17Aに示す可撓性の細長い基板60に電極パターン7’や配線パターン8’、平板電極111〜113及びカバーフィルム9a〜9d等を形成する。電極パターン7’、配線パターン8’及び、カバーフィルム9a〜9d等の形成例については、第1の実施例を参照されたい(図3A〜C及び図4A及びB)。電極パターン7’は、基板60のI面側に実装するためのIC装置5やLED光源6、ドームスイッチ25’等の取り付け用の平板電極111〜113を成し、また、基板60のII面側ではセンサシート61bとなる静電容量シートの蓄積電極等を成す。なお、図17Bは図17Aの基板60のX2’−X2矢視断面図である。
平板電極111は一部切り欠き円形状の電極パターンを成し、ドームスイッチ25’を構成する。平板電極112は一対の矩形状の電極パターンを成し、LED光源6の取り付け端子を構成する。平板電極113は複数の微細矩形状の電極パターンを成し、IC装置5の取り付け端子を構成する。蓄積電極は開口部60aを挟んで両側に分布するように形成される。配線パターン8’は、図17Bに示す基板60のI面側の平板電極111〜113から、当該基板60のII面側の静電容量シートの蓄積電極等へ至る配線を成すようになる。
このような電極及び配線パターン付きの可撓性を有した基板60が準備できたら、図18Aに示す基板60の所定の位置に大きさw3×l3の開口部60aを形成する。開口部60aは幅w3及び長さl3の大きさに開口する。開口部60aが正方形状の場合、一辺が1mm〜10mm程度である。この例では、基板60を貫く、3mm×3mm程度の開口部60aを形成する。開口位置は、図18Bに示すように開口部60aが図15に示したドームスイッチ25’の中央上部に位置するように、基板60の右端部からXmmの部位に設定する。開口部60aは、例えば、プレス加工機等を使用して打ち抜き開口する。
次に、図19Aに示す基板60上に被操作部品の一例を成すドライバ用のIC装置5やLED光源6等を取り付ける。IC装置5やLED光源6等は、半田ボンディング技術により、図19Bに示すI面上の平板電極112,113等に半田付けする。半田付けは、所定のリードフレームを使用した半田ボンディングや、半田バンプを使用したフリップチップによる接合方法でよい。
その後、図20Aに示す基板60上に被操作部品の一例を成すドームスイッチ25’を取り付ける。ドームスイッチ25’は、図20Bに示す基板60のI面側に半球状のスイッチ部25a’及び正方形状のカバー部材25b’から構成する。これにより、基板60のI面側に押下操作検知用のセンサシート(図示せず)が形成できる。
ここで、基板60のII面側において、静電容量シートの蓄積電極と対峙する、図示しない対向電極用の電極パターン等を取り付ける。蓄積電極と対向電極との間には誘電体を形成する。これにより、基板60のII面側に摺動(なぞり)操作検出用のセンサシート61bが形成できる。
このような押下操作検知用のセンサシートから摺動操作検出用のセンサシート61bへ一体して延在する基板60が準備できたら、図21Aに示す基板60に実装されたドームスイッチ25’上に当該基板60の開口部60aが位置するように、図21Bの基板60のI面上にII面を折り曲げる。この例では、図20Aに示した基板60の長手状部位の長手方向と直交する方向に折り曲げ部位IIIを設定する。そして、当該折り曲げ部位IIIで基板60のII面を当該基板60のI面上に折り曲げる。
この基板60の長手状部位に折り曲げ部位IIIを設定すると、1枚の基板素材から展開状態の基板60を多く割り付けることができ、無駄に切り落とされる部材を低減でき、生産歩留まりを向上できるようになる(図25参照)。
ここで、基板60の折り曲げ方法について説明する。図22は折り曲げ治具800の構成例を示す概念図である。図23及び図24は、部品実装基板103の折り曲げ例(その1,2)を示す工程図である。
第1の実施例では折り曲げ部位IIIが狭いので、手で簡単に曲げられるが、この実施例では第1の実施例に比べて折り曲げ部位IIIが広くなるので、専用の折り曲げ治具800を使用して基板60のII面側を当該基板60のI面側上に折り曲げるようになされる。
図22に示す折り曲げ治具800は第1の可動ブロック801、固定ブロック802及び第2の可動ブロック803を有して構成され、部品実装基板103を約90°に折り曲げるものである。可動ブロック801は垂直方向に移動可能なものであり、部材押圧面811及び折り曲げ規定面812を有している。部材押圧面811及び折り曲げ規定面812の境界は折り曲げ面813となされ、R形状に面取り加工がなされている。部材押圧面811及び折り曲げ規定面812とが成す角度をθとすると、θは約90°に設定されている。
可動ブロック801の部材押圧面811の側には、固定ブロック802が配設されている。固定ブロック802は部材押圧面811の側にステージ814を有している。ステージ814には部品実装基板103の折り曲げ固定側が載置される。固定ブロック802の側面には、水平及び垂直方向に移動可能な可動ブロック803が配設されている。固定ブロック802は上面にステージ815及び部材ストッパ816を有している。ステージ815には部品実装基板103の被折り曲げ側が載置される。被折り曲げ側の部品実装基板103上はフリーとなされている。可動ブロック803のステージ815の先端は突き上げ角面817を成しており、突き上げ角面817もR形状に面取り加工がなされている。
このような折り曲げ治具800を使用して部品実装基板103を約90°に折り曲げる場合、まず、図22Aにおいて、固定ブロック802と可動ブロック803とを位置合わせして段差の無い同一平面のステージ814,815を形成する。次に、固定ブロック802のステージ814から可動ブロック803のステージ815に至る部位に部品実装基板103を載置する。部品実装基板103の先端は部材ストッパ816に当接するように位置合わせする。部材ストッパ816は、固定ブロック802と可動ブロック803の境界点に折り曲げ部位IIIを自動位置合わせする位置に調整されている。
更に、部品実装基板103を可動ブロック801と固定ブロック802で挟んで固定する。これにより、部品実装基板103は、図22に示した部材押圧面811とステージ814とに挟まれて固定される。その後、図23Aに示すように可動ブロック803を垂直方向に上昇させる。この上昇動作により、図23Bに示す部品実装基板103がステージ815から離れて約45度に起きる。このまま可動ブロック803を上昇させると、部品実装基板103が切断してしまう。そこで、図24Aに示すように、可動ブロック803を上昇させると共に、当該可動ブロック803を水平方向(左側)に逃がすように移動して部品実装基板103の折り曲げ部IIIの厚みを保護するようにする。逃がす距離は部品実装基板103の厚み分で十分である。
順次、図24Aに示すように、可動ブロック803を上昇させると共に、可動ブロック801を水平方向(左側)に逃がすように移動すると、図24Bに示すように、部品実装基板103の折り曲げ部IIIの厚みを保持したまま約90°に折り曲げることができる。この例では、可動ブロック803が部品実装基板103の厚み分だけ水平方向に移動を終了し、かつ、所定の位置まで上昇した時点で折り曲げ処理を終了する。このように約90°に折り曲げられた基板60を所定の筐体に実装すると、押下操作検知及び摺動操作検出機能を有した入力装置301を形成できるようになる(図15参照)。
続いて、デジタルカメラ300における操作パネル62への入力装置301の組立例について説明する。図25は、入力装置301の組立例を示す斜視図である。まず、操作パネル62、十字キー66及び部品実装基板103を準備する。操作パネル62には、デジタルカメラ300の枠体63の内周及び開口部62cを象った金型を作成し、この金型に樹脂を射出し封入して成形したものを使用する。開口部62cは操作パネル62を貫通する開口加工と、円形凹部穴状(有底筒状)に加工してもよい。
開口部62cが操作パネル62を貫通する孔形状を採る場合は、操作パネル62の裏面に配置されるゴムシート部62aと十字キー66とが接着され、ゴムシート部62aで十字キー66の脱落を防止される。開口部62cが有底筒状を採る場合は、開口部62cの底部に十字キー66が配置される。もちろん、操作パネル62と十字キー66とを一体的に樹脂成形してもよい。
封入樹脂には、例えば、PC(ポリカーボネート)樹脂や、ABS樹脂、これら合成樹脂(PC+ABS樹脂)等が使用される。その後、操作パネル62の外面に金属メッキを施してもよい。もちろん、操作パネル62は、樹脂成形品に限られることはなく、所定の厚みを有したアルミニウムや、マグネシウム板、SUS304等の軽金属をプレス加工、深絞り加工、あるいは、押出し加工により形成したものでもよい。開口部62cは打ち抜き加工により開口するとよい。その後、操作パネル62の外面に防錆用のメッキを施してもよい。
この例で、十字キー66には、センサシート61bの一部又は全部を覆うような非操作面を有したものを形成するとよい。例えば、十字キー66は、操作パネル62の操作面に沿って摺動操作するために、当該十字キー66の非操作面が平坦形状を成し、その中央部にはリンク部62bを有したものを形成する。まず、十字凸部形状のキートップの形状を象ったキートップ用の金型を作成する。この例では、リンク部62bを別部材で準備するので、キートップの形状からリンク部62bの形状を削除できる。
キートップ用の金型には、操作パネル62の一方の操作面から摺動方向に沿って盛り上がり、かつ、他方の操作面に向かって盛り下がるような半月形状の凹部を十字形に加工したコア及び、これを覆うキャビティが準備される。このような金型が準備できたら、当該金型に樹脂を封入して操作パネル62を成形する。封入樹脂には、例えば、PC(ポリカーボネート)樹脂や、ABS樹脂、これら合成樹脂(PC+ABS樹脂)等が使用される。この例では、十字キー66を成形した後、UV(紫外線)塗装を施す。例えば、摩耗性を向上させる溶液を十字キー66の操作面に塗布する。その後、紫外線を照射して塗膜面を硬化させる。これにより、十字キー66の操作面の耐摩耗性を向上させることができる。
これにより、所定の高さ及び幅を有した十字状の半円弧を成し、円弧の形状に沿って摺動操作可能な十字凸部形状の十字キー66を形成できるようになる。このように十字キー66を構成すると、操作者の指30a(図15参照)による摺動操作に対し、操作パネル62の左方側の操作面から摺動方向に沿って円弧状に盛り上がる摺動操作感覚に加えて、右方側の操作面に向かって盛り下がる円弧状の摺動操作感覚と、これと直交する方向で、操作パネル62の上方側の操作面から摺動方向に沿って円弧状に盛り上がる摺動操作感覚に加えて、下方側の操作面に向かって盛り下がる円弧状の摺動操作感覚とを与えることができる。
部品実装基板103には、図16〜図24で説明したような方法で作成したものを使用する。部品実装基板103には、図16Aに示したような長細い可撓性の基板60を有し、電極パターン7’及び配線パターン8’を形成したものを使用する。電極パターン7’は、基板60のI面側のドライバ用のIC装置5やLED光源6、ドームスイッチ25’等の取り付け用の平板電極111〜113を成し、また、基板60のII面側では静電容量シートの蓄積電極等を成す。蓄積電極は開口部60aを挟んで両側に分布するように形成する。
配線パターン8’は、基板60のI面側のドライバ用のIC装置5等の平板電極111〜113から、当該基板60のII面側の静電容量シートの蓄積電極等へ接続するように形成する。例えば、基板60のI面側のドライバ用のIC装置5やLED光源6、ドームスイッチ25’等の取り付け用の電極パターン7’及び、基板60のI面側のドライバ用のIC装置5等の平板電極111〜113から、当該基板60のII面側の静電容量シートの蓄積電極等へ至る配線パターン8’を形成する。このような電極及び配線パターン付きの可撓性を有した基板60が準備できたら、図18Aに示した基板60の所定の位置に開口部60aを形成する。開口部60aは、プレス加工機等を使用して打ち抜き開口する。
そして、図19Aに示した基板60のI面上にドライバ用のIC装置5やLED光源6、ドームスイッチ25’等を取り付ける。その後、基板60のI面側に押下操作検知用のセンサシート61bを形成する。センサシート61bは静電容量シートの蓄積電極と対峙する、図示しない対向電極用の電極パターン等を取り付ける。このとき、蓄積電極と対向電極との間には誘電体を形成する。これにより、基板60のII面側に摺動(なぞり)操作検出用のセンサシート61bを形成できる。また、図20Bに示したようにスイッチ部25a’及びカバー部材25b’からドームスイッチ25’を構成するようにする。これにより、押下操作検知用のセンサシートから摺動操作検出用のセンサシート61bへ一体して延在する形状を成す基板60が得られる。
このような操作パネル62、十字キー66及び部品実装基板103が準備できたら、図21Aに示した基板60に実装されたドームスイッチ25’上に当該基板60の開口部60aが位置するように折り曲げる。このとき、図22に示したような折り曲げ治具800を使用して、I面上にII面を折り曲げる。この例では、図20Aに示した基板60の長手状部位の長手方向と直交する方向に折り曲げ部位IIIを設定している。そして、当該折り曲げ部位IIIで基板60のII面を当該基板60のI面上に折り曲げる。
例えば、部品実装基板103を折り曲げ部位IIIを基準にして、押下操作検知用のセンサシート上に摺動操作検出用のセンサシート61bを横U状に折り畳む。更に、横U状に折り畳まれた部品実装基板103を図15に示した筐体61に実装する。このとき、図25に示す十字キー66の中央部をリンク部62bに位置合わせすると共に、リンク部62bを開口部60aに差し込む。
次に、十字キー66が操作パネル62に開口された円形状の開口部62cから露出するように、当該十字キー66を操作パネル62の開口部62cに嵌合して組み合わせる。このとき、十字キー66の非操作面は操作パネル62の内側に向けられ、ゴムシート部62aが操作パネル62の下部側で気密を保持する状態で実装される。ゴムシート部62aは所定の部位に棒状のリンク部62bが形成されたものを使用する。ゴムシート部62aは例えば、Siゴム素材を型枠に流してリンク部62bを一体的に成形する。これにより、図15に示したような操作パネル62において、押下操作検知及び摺動操作検出機能付きの入力装置301が完成する。
ここで、図26及び図27を参照して、1枚の基板素材1から展開状態の基板60を多く割り付ける(部材取りする)方法について、従来方式と本発明方式の部材取り例について比較する。図26A及びBは、従来方式及び本発明方式に係る基板形状の比較例を示す上面図である。図27A及びBは、部材取り時の基板60’及び基板60の比較例を示す上面図である。
この比較例では、デジタルカメラ300の押しボタンスイッチ65のパッドシート61aと、その十字キー66を構成する押下操作検知用及び摺動操作検出用のセンサシート61bとを一体したフレキシブルな基板60を1枚の基板素材1から効率良く部材取りをする場合について、どちらの方式が部材を無駄なく、多くの数の基板60が部材取り可能かを比較した。
図26Aに示す従来方式に係る逆L状の基板60’の部材取りによれば、パッドシート61a’の右側に突出して配置されたセンサシート61b’は、縦方向のパッドシート61a’の幅とほぼ等しい幅で横方向にレイアウトされている。パッドシート61a’及びセンサシート61b’を含む基板60’の全体の幅はw3’である。基板60’は、センサシート61b’の長手方向と並行する方向に折り曲げ部位III’が設定されている。
すなわち、折り曲げ部位III’を基準にしてセンサシート61b’の左側境界部位をパッドシート側に折り曲げる方式が採られている。この方式であると、センサシート61b’の下方部位に多くの無駄に除去される部分IV’が生ずる。これにより、図27Aに示すように1枚の基板素材1から展開状態の基板60’が取れる部品取り数が低下し、部品実装基板103’の生産歩留まりが低下する。
これに対して、本発明方式では、部品実装基板103の形状及びその折り返し位置を工夫している。図26Bに示す本発明方式に係る基板60の部材取りによれば、パッドシート61aの領域に連続して、縦方向に同一の幅w3のセンサシート61bをレイアウトするようになされる。パッドシート61a及びセンサシート61bを含む基板60の全体の幅はw3(w3<w3’)である。
基板60は、センサシート61bの長手状部位の長手方向と直交する方向に折り曲げ部位IIIが設定されている。そして、当該折り曲げ部位IIIでセンサシート61bの下方面側を当該センサシート61bの上方面側に折り曲げている。これにより、図27Bに示すように1枚の基板素材1から展開状態の基板60を多く取れるようになる。
上述の本発明方式の部材取り例によれば、センサシート61bの長手状部位に折り曲げ部位IIIを設定しているので、同一面積を有した基板素材1内で、図27Aに示した部材取りに比べて、図27Bに示した部材取りの方が多くの一体型のフレキシブルな基板60を部材取りすることができ、従来方式に比べて部材取り数を向上させることができた。これにより、従来方式に比べて1枚の基板素材1から無駄に切り落とされる部分を低減でき、生産歩留まりを向上できるようになった。
このように第3の実施例としてのデジタルカメラ300によれば、本発明に係る入力装置301が実装され、この入力装置301には部品実装基板103及びその製造方法を応用したものが使用される。
従って、個別に準備された2枚の基板を個々にデジタルカメラ300の筐体61に実装する場合に比べて組立工程の簡略化や配線引き回し接続工程の省略化を図ることができる。しかも、実装後、操作パネル62の背側操作面(商品の同一体裁面)でII面側のセンサシート61bによる入力検出操作、及び、そのII面側から開口部60aを介してI面側のドームスイッチ25’を入力操作できるようになる。これにより、当該部品実装基板103を内蔵した2つの入力検出機能を有する入力装置301の小型化及びその大幅なコストダウンを図ることができるので、当該入力装置301を実装したデジタルカメラ300の小型化及びその大幅なコストダウンを図ることができる。
この例では、図14に示したように十字キー66を操作パネル62の右側に設ける場合について説明したが、もちろん、これに限られることはなく、筐体61の左又は右側部の操作面や、その上又は下側の操作面に設けてもよい。筐体61に設ける場合についても、同様な効果が得られることは言うまでもない。
図28は、携帯電話機200やデジタルカメラ300等に実装可能な第4の実施例としての入力装置401の構成例を示す断面図である。図28に示す入力装置401は、筐体81、操作パネル82、枠体83及び、十字マルチキー86から構成され、操作者の指等による摺動操作によって情報を入力する装置である。入力装置401には部品実装基板104が使用される。入力装置401はシート状の検出部材の一例となるセンサシート81bを操作パネル82下に設けられ、操作者の指30a等の摺動位置を検出するようになされる。センサシート81bは電極パターン7”を有して構成される(図29参照)。入力装置401の検出感度例については、現在、特許出願中(2007−246071)の「入力装置及び電子機器」を参照されたい。
部品実装基板104は枠体83内において、例えば、金属製又は樹脂製の筐体81の基台上に載置される。部品実装基板104は、所定の位置に5個の開口部80a,80b,80c,80d,80eを有し、かつ、可撓性を有した基板80と、この基板80の一方の面をI面とし、当該基板80の他方の面をII面としたとき、少なくとも、基板80のI面側に実装された、5個の押下操作用のドームスイッチ85a,85b,85c,85d,85eとを含む。
この例で部品実装基板104は、基板80のI面側のドームスイッチ85a上に当該基板80の開口部80aが位置し、そのI面側のドームスイッチ85b上にその開口部80bが位置し、そのドームスイッチ85c上にその開口部80cが位置し、そのドームスイッチ85d上にその開口部80dが位置し、そのドームスイッチ85e上にその開口部80eが各々位置するように、折り曲げ部位IIIを基準にしてそのII面側をI面側上に折り曲げられた可撓構造を有するものである。
この例でも、基板80のI面側にはドームスイッチ85a,85b,85c,85d,85eの他に、ドライバ用のIC装置5や、6個のLED光源6a,6b,6c,6d,6e等が実装されている。基板80上にはゴムシート部82fを介在させて十字マルチキー86が組み合わされ、センサシート81bの一部又は全部を覆うように設けられる。
十字マルチキー86は5個のキーパーツ86a〜86eを有して構成される。キーパーツ86aは、円柱状を有して十字マルチキー86の中央部に配設され、例えば、アプリケーション決定キーとして使用される。キーパーツ86b〜86eは、断面が三角形状を有してキーパーツ86aを中心にしてXY方向(十字方向:縦方向及び横方向)に配置角度90°を有して配設されている。
キーパーツ86bは、例えば、図示しない表示画面の左側方向への画像をスクロールする際のスクロール&決定キーとして使用される。キーパーツ86cは、同様にして、表示画面の右側方向への画像をスクロールする際のスクロール&決定キーとして使用される。キーパーツ86dは、同様にして、表示画面の上側方向への画像をスクロールする際のスクロール&決定キーとして使用される。
キーパーツ86eは、同様にして、表示画面の下側方向への画像をスクロールする際のスクロール&決定キーとして使用される。十字マルチキー86は、第3の実施例と同様にして、操作パネル82の開口部82gの押下方向に対して可動自在に係合され、操作パネル82の操作面の一方から摺動方向に沿って盛り上がり、かつ、他方の側部操作面に向かって盛り下がる凸部形状を十字形に有して、操作パネル82の操作面に沿って十字に摺動操作される。
十字マルチキー86の下方にはゴムシート部82fが設けられる。また、十字マルチキー86の中心部に位置する部分、すなわち、キーパーツ86aの非操作面側及び、キーパーツ86aを中心して十字状に配置された4個のキーパーツ86b〜86eの各々の非操作面側には、棒状のリンク部82a〜82eが設けられている。キーパーツ86aの非操作面側にはリンク部82aが取り付けられる。同様にして、キーパーツ86bの非操作面側にはリンク部82bが取り付けられ、キーパーツ86cの非操作面側にはリンク部82cが取り付けられ、キーパーツ86dの非操作面側にはリンク部82dが取り付けられ、キーパーツ86eの非操作面側にはリンク部82eが取り付けられる。
十字マルチキー86では、部品組立時、キーパーツ86aに取り付けられたリンク部82aで、ゴムシート部82fを貫通して実装される。同様にして、キーパーツ86bに取り付けられたリンク部82bで、ゴムシート部82fを貫通し、キーパーツ86cに取り付けられたリンク部82cで、ゴムシート部82fを貫通し、キーパーツ86dに取り付けられたリンク部82dで、ゴムシート部82fを貫通し、キーパーツ86eに取り付けられたリンク部82eで、ゴムシート部82fを貫通して実装される。もちろん、これに限られることはなく、ゴムシート部82fの所定の位置に最初から開口部を設けてリンク部付きのキーパーツ86a〜86eを部品実装基板104に実装してもよい。
なお、十字マルチキー86においては、キーパーツ86aとリンク部82aとを最初から同一の樹脂素材等により一体的に成形したものを使用してもよい。他のキーパーツ86b〜86eについても同様である。
この例で、キーパーツ86aは、入力操作時、開口部80aを介してドームスイッチ85aを押下してオンするように操作される。同様にして、キーパーツ86bは、開口部80bを介してドームスイッチ85bを押下してオンするように操作される。キーパーツ86cは、開口部80cを介してドームスイッチ85cを押下してオンするように操作される。キーパーツ86dは、開口部80dを介してドームスイッチ85dを押下してオンするように操作される。キーパーツ86eは、開口部80eを介してドームスイッチ85eを押下してオンするように操作される。
この例では、センサシート81bで操作者の指30aの摺動位置を検出する検出領域が、十字マルチキー86で当該操作者の指30aによって摺動操作される操作領域よりも広く設定されている。このようにすると、操作者の指30aによる摺動操作に対し、凸部形状の十字マルチキー86を挟んだ操作パネル82の左右の操作面と、上下の操作面を摺動操作範囲に含めることができる。この形状の十字マルチキー86は、各種情報を検索する際のスクロールキーの検索ピッチや、光学レンズ38のズーム量を調整する際にズーム調整ピッチを円滑に設定できるようになる。
続いて、本発明に係る部品実装基板104の製造方法について説明する。図29〜図33は、部品実装基板104の形成例(その1)〜(その5)を示す工程図である。携帯電話機200やデジタルカメラ300等への実装可能な入力装置用の部品実装基板104を形成する場合を例に挙げる。図29Bは図29Aの基板80のX3’−X3矢視断面図である。
まず、部品実装基板104を得るための図16Aに示したような長細い基板80を準備する。例えば、両面に銅箔11a,11bを有した可撓性の基板材料を切断して長手状部位を有する基板80を得る。基板80の幅W3は30mm程度で、長さL3は150mm程度である。基板材料には図16Bに示しように、膜厚25μm程度のポリイミド組成のベースフィルム11cの両面に、膜厚18μm程度の銅箔11a,11bを圧延したものを使用する。
次に、図29Aに示す可撓性の細長い基板80に電極パターン7”や配線パターン8”、平板電極111a〜111e、平板電極112a〜112e、平板電極113及びカバーフィルム9a〜9d等を形成する。電極パターン7”、配線パターン8”及び、カバーフィルム9a〜9d等の形成例については、第1の実施例を参照されたい(図3A〜C及び図4A及びB)。電極パターン7”は、基板80のI面側に実装するためのIC装置5や5個のLED光源6a〜6e、5個のドームスイッチ85a〜85e等の取り付け用の平板電極111a〜111e、平板電極113を成し、また、基板80のII面側ではセンサシート81bとなる静電容量シートの蓄積電極等を成す。
平板電極111aは一部切り欠き円形状の電極パターンを成し、ドームスイッチ85aを構成する。同様にして、平板電極111b〜111eも一部切り欠き円形状の電極パターンを成し、平板電極111bがドームスイッチ85bを構成し、平板電極111cがドームスイッチ85cを構成し、平板電極111dがドームスイッチ85dを構成し、平板電極111eがドームスイッチ85eを構成する。
平板電極112aは一対の矩形状の電極パターンを成し、LED光源6aの取り付け端子を構成する。同様にして、平板電極112b〜112eも一対の矩形状の電極パターンを成し、平板電極112bがLED光源6bの取り付け端子を構成し、平板電極112cがLED光源6cの取り付け端子を構成し、平板電極112dがLED光源6dの取り付け端子を構成し、平板電極112eがLED光源6eの取り付け端子を構成する。
平板電極113は第3の実施例と同様にして、複数の微細矩形状の電極パターンを成し、IC装置5の取り付け端子を構成する。蓄積電極は開口部80a〜80eを含んで周囲に分布するように形成される。配線パターン8”は、図29Bに示す基板80のI面側の平板電極111a〜111e及び平板電極113から、当該基板80のII面側の静電容量シートの蓄積電極等へ至る配線を成すようになる。
このような電極及び配線パターン付きの可撓性を有した基板80が準備できたら、図30Aに示す基板80の所定の位置に5個の開口部80a〜80eを形成する。開口部80a等は幅w4及び長さl4の大きさに開口する。開口部80aが正方形状の場合、一辺が1mm〜10mm程度である。
この例では、基板80を貫く、3mm×3mm程度の開口部80a〜80eを形成する。開口位置は、図30Bに示すように開口部80aが図28に示したドームスイッチ85aの中央上部に位置し、開口部80bがドームスイッチ85bの上部に位置し、開口部80cがドームスイッチ85cの上部に位置し、開口部80dがドームスイッチ85dの上部に位置し、開口部80eがドームスイッチ85eの上部に位置するように、基板80の右端部からXmmの部位に設定する。開口部80a等は、第3の実施例と同様にして、プレス加工機等を使用して打ち抜き開口する。
次に、図31Aに示す基板80上に被操作部品の一例を成すドライバ用のIC装置5や5個のLED光源6a〜6e等を取り付ける。IC装置5やLED光源6a〜6e等は、半田ボンディング技術により、図31Bに示すI面上の平板電極112a〜112e、平板電極113等に半田付けする。半田付けは、所定のリードフレームを使用した半田ボンディングや、半田バンプを使用したフリップチップによる接合方法でよい。
その後、図32Aに示す基板80上に被操作部品の一例を成す5個のドームスイッチ85a〜85eを取り付ける。ドームスイッチ85a〜85eは、図32Bに示す基板80のI面側に半球状のスイッチ部25a’及び正方形状のカバー部材25b’から構成する。これにより、基板80のI面側に押下操作検知用のセンサシート(図示せず)が形成できる。
ここで、基板80のII面側において、静電容量シートの蓄積電極と対峙する、図示しない対向電極用の電極パターン等を取り付ける。蓄積電極と対向電極との間には誘電体を形成する。これにより、基板80のII面側に摺動(なぞり)操作検出用のセンサシート81bが形成できる。
このような押下操作検知用のセンサシートから摺動操作検出用のセンサシート81bへ一体して延在する基板80が準備できたら、図33Aに示す基板80に実装されたドームスイッチ85a〜85e上に当該基板80の開口部80aが位置するように、図33Bの基板80のI面上にII面を折り曲げる。この例では、図32Aに示した基板80の長手状部位の長手方向と直交する方向に折り曲げ部位IIIを設定する。そして、当該折り曲げ部位IIIで基板80のII面を当該基板80のI面上に折り曲げる。
この基板80の長手状部位に折り曲げ部位IIIを設定すると、1枚の基板素材から展開状態の基板80を多く割り付けることができ、無駄に切り落とされる部材を低減でき、生産歩留まりを向上できるようになる(図25参照)。
続いて、デジタルカメラ300における操作パネル82への入力装置401の組立例について説明する。図34は、入力装置401の組立例を示す斜視図である。まず、操作パネル82、十字マルチキー86及び部品実装基板104を準備する。操作パネル82には、デジタルカメラ300の枠体83の内周及び開口部82gを象った金型を作成し、この金型に樹脂を射出し封入して成形したものを使用する。開口部82gは第3の実施例と同様にして、操作パネル82を貫通する開口加工と、円形凹部穴状(有底筒状)に加工してもよい。
この例で、開口部82gが操作パネル82を貫通する孔形状を採る場合は、操作パネル82の裏面に配置されるゴムシート部82fと十字マルチキー86とが接着され、ゴムシート部82fで十字マルチキー86の脱落を防止される。開口部82gが有底筒状を採る場合は、開口部82gの底部に、リンク部82a〜82eの開口部が設けられ、十字マルチキー86の各々キーパーツ86a〜86eが配置される。もちろん、操作パネル82と十字マルチキー86のキーパーツ86a〜86eとを一体的に樹脂成形して、分離可動可能なように構成してもよい。
封入樹脂には、第3の実施例と同様にして、PC(ポリカーボネート)樹脂や、ABS樹脂、これら合成樹脂(PC+ABS樹脂)等が使用される。その後、操作パネル82の外面に金属メッキを施してもよい。もちろん、操作パネル82は、樹脂成形品に限られることはなく、所定の厚みを有したアルミニウムや、マグネシウム板、SUS304等の軽金属をプレス加工、深絞り加工、あるいは、押出し加工により形成したものでもよい。開口部82gは打ち抜き加工により開口するとよい。その後、操作パネル82の外面に防錆用のメッキを施してもよい。
この例で、十字マルチキー86を構成するキーパーツ86a〜86eには、センサシート81bの一部又は全部を覆うような非操作面を有したものを形成するとよい。例えば、十字マルチキー86は、操作パネル82の操作面に沿って摺動操作するために、当該十字マルチキー86のキーパーツ86a〜86eの各々の非操作面が平坦形状を成し、キーパーツ86aの裏面中央部にはリンク部82aを有し、キーパーツ86bの裏面中央部にはリンク部82bを有し、キーパーツ86cの裏面中央部にはリンク部82cを有し、キーパーツ86dの裏面中央部にはリンク部82dを有し、キーパーツ86eの裏面中央部にはリンク部82eを有したものを形成する。
まず、十字凸部形状の十字マルチキー86の形状を象ったキーパーツ用の金型を作成する。この例では、リンク部82a〜82eを別部材で準備するので、十字マルチキー86の形状からリンク部82a〜82eの形状を削除できる。キーパーツ用の金型には、操作パネル82の一方の操作面から摺動方向に沿って盛り上がり、かつ、他方の操作面に向かって盛り下がるような半月形状の凹部を十字形に加工したコア及び、これを覆うキャビティが準備される。このような金型が準備できたら、当該金型に樹脂を封入して操作パネル82を成形する。
封入樹脂には、例えば、PC(ポリカーボネート)樹脂や、ABS樹脂、これら合成樹脂(PC+ABS樹脂)等が使用される。この例では、十字マルチキー86を成形した後、UV(紫外線)塗装を施す。例えば、摩耗性を向上させる溶液を十字マルチキー86の操作面に塗布する。その後、紫外線を照射して塗膜面を硬化させる。これにより、十字マルチキー86の操作面の耐摩耗性を向上させることができる。
これにより、所定の高さ及び幅を有した十字状の半円弧を成し、円弧の形状に沿って摺動操作可能な十字凸部形状の十字マルチキー86を形成できるようになる。このように十字マルチキー86を構成すると、操作者の指30a(図28参照)による摺動操作に対し、操作パネル82の左方側の操作面から摺動方向に沿って円弧状に盛り上がる摺動操作感覚に加えて、右方側の操作面に向かって盛り下がる円弧状の摺動操作感覚と、これと直交する方向で、操作パネル82の上方側の操作面から摺動方向に沿って円弧状に盛り上がる摺動操作感覚に加えて、下方側の操作面に向かって盛り下がる円弧状の摺動操作感覚とを与えることができる。
部品実装基板104には、図29〜図33で説明したような方法で作成したものを使用する。部品実装基板104には、図16Aに示したような長細い可撓性の基板80を有し、電極パターン7”及び配線パターン8”を形成したものを使用する。電極パターン7”は、基板80のI面側のドライバ用のIC装置5やLED光源6a〜6e、ドームスイッチ85a〜85e等の取り付け用の平板電極111a〜111e、平板電極112a〜112e、複数の平板電極113を成し、また、基板80のII面側では静電容量シートの蓄積電極等を成す。蓄積電極は開口部80a〜80eを含んで分布するように形成する。
配線パターン8”は、基板80のI面側のドライバ用のIC装置5等の平板電極111a〜111e、平板電極112a〜112e、複数の平板電極113から当該基板80のII面側の静電容量シートの蓄積電極等へ接続するように形成する。例えば、基板80のI面側のドライバ用のIC装置5やLED光源6a〜6e、ドームスイッチ85a〜85e等の取り付け用の電極パターン7”及び、基板80のI面側のドライバ用のIC装置5等の平板電極111a〜111e、平板電極112a〜112e、複数の平板電極113から、当該基板80のII面側の静電容量シートの蓄積電極等へ至る配線パターン8”を形成する。このような電極及び配線パターン付きの可撓性を有した基板80が準備できたら、図30Aに示した基板80の所定の位置に開口部80a〜80eを形成する。開口部80a〜80eは、プレス加工機等を使用して打ち抜き開口する。
そして、図31Aに示した基板80のI面上にドライバ用のIC装置5やLED光源6a〜6e、ドームスイッチ85a〜85e等を取り付ける。その後、基板80のI面側に押下操作検知用のセンサシート81bを形成する。センサシート81bは静電容量シートの蓄積電極と対峙する、図示しない対向電極用の電極パターン等を取り付ける。このとき、蓄積電極と対向電極との間には誘電体を形成する。これにより、基板80のII面側に、十字マルチキー用の摺動(なぞり)操作検出用のセンサシート81bを形成できる。また、図32Bに示したようにスイッチ部25a’及びカバー部材25b’からドームスイッチ85a〜85eを構成するようにする。これにより、押下操作検知用のセンサシートから摺動操作検出用のセンサシート81bへ一体して延在する形状を成す基板80が得られる。
次に、図34において、操作パネル82に開口された円形状の開口部82gから十字マルチキー86を露出させるように、当該十字マルチキー86の各々のキーパーツ86a〜86eを操作パネル82の開口部82gに嵌合して組み合わせる。このとき、各々のキーパーツ86a〜86eの非操作面は操作パネル82の内側に向けられる。
このような操作パネル82、十字マルチキー86及び部品実装基板104が準備できたら、図33Aに示した基板80に実装されたドームスイッチ85a〜85e上に当該基板80の開口部80aが位置するように折り曲げる。このとき、図22に示したような折り曲げ治具800を使用して、I面上にII面を折り曲げる。この例では、図32Aに示した基板80の長手状部位の長手方向と直交する方向に折り曲げ部位IIIを設定している。そして、当該折り曲げ部位IIIで基板80のII面を当該基板80のI面上に折り曲げる。部品実装基板104を折り曲げ部位IIIを基準にして、押下操作検知用のセンサシート上に摺動操作検出用のセンサシート81bを横U状に折り畳む。
更に、横U状に折り畳まれた部品実装基板104を図28に示した筐体81に実装する。このとき、十字マルチキー86のキーパーツ86aの裏面中央部にリンク部82aを取り付けると共に、リンク部82aをゴムシート部82fを貫いて開口部80aに差し込む。同様にして、キーパーツ86bの裏面中央部にリンク部82bを取り付けると共に、リンク部82bをゴムシート部82fを貫いて開口部80bに差し込み、キーパーツ86cの裏面中央部にリンク部82cを取り付けると共に、リンク部82cをゴムシート部82fを貫いて開口部80cに差し込み、キーパーツ86dの裏面中央部にリンク部82dを取り付けると共に、リンク部82dをゴムシート部82fを貫いて開口部80dに差し込み、キーパーツ86eの裏面中央部にリンク部82eを取り付けると共に、リンク部82eをゴムシート部82fを貫いて開口部80eに差し込む。
このゴムシート部82fにより操作パネル82の下部側で気密を保持する状態で、十字マルチキー86を実装できるようになる。このとき、所定の部位にリンク部82a〜82eの開口部が形成されたゴムシート部82fを使用するとよい。ゴムシート部82fには例えば、Siゴム素材を使用する。これにより、図28に示したような操作パネル82において、押下操作検知及び摺動操作検出機能付きの入力装置401が完成する。
このように携帯電話機200やデジタルカメラ300等に実装可能な第4の実施例としての入力装置401によれば、本発明に係る部品実装基板104及びその製造方法を応用したものが使用される。従って、個別に準備された2枚の基板を個々に携帯電話機200やデジタルカメラ300等の筐体81に実装する場合に比べて組立工程の簡略化や配線引き回し接続工程の省略化を図ることができる。
しかも、実装後、操作パネル82の操作面(商品の同一体裁面)でII面側のセンサシート81bによる入力検出操作、及び、そのII面側から開口部80a〜80eを介してI面側の5個のドームスイッチ85a〜85eを個別に操作できるようになる。これにより、当該部品実装基板104を内蔵した6つの入力検出機能を有する入力装置401の小型化及びその大幅なコストダウンを図ることができるので、当該入力装置401を実装した携帯電話機200やデジタルカメラ300等の小型化及びその大幅なコストダウンを図ることができる。
この例では、図34に示した十字マルチキー86を操作パネル82に設ける場合について説明したが、もちろん、これに限られることはなく、筐体81の左又は右側部の操作面や、その上又は下側の操作面に設けてもよい。筐体81に設ける場合についても、同様な効果が得られることは言うまでもない。
この発明は、摺動操作機能及び押圧操作機能を備えた入力装置を実装したデジタルカメラや、ビデオカメラ、携帯電話機、携帯端末装置、パーソナルコンピュータ(以下PCという)、ノート型のPC、ホーム系電子機器及びそのリモートコントローラ等に適用して極めて好適である。
第1の実施例としての部品実装基板101の構成例を示す斜視図である。
(A)及び(B)は、部品実装基板101の形成例(その1)を示す工程図である。
(A)及び(B)は、部品実装基板101の形成例(その2)を示す工程図である。
(A)及び(B)は、部品実装基板101の形成例(その3)を示す工程図である。
(A)及び(B)は、部品実装基板101の形成例(その4)を示す工程図である。
(A)及び(B)は、部品実装基板101の形成例(その5)を示す工程図である。
(A)及び(B)は、部品実装基板101の形成例(その6)を示す工程図である。
本発明に係る部品実装基板101を実装した第2の実施例としての携帯電話機200の構成例を示す斜視図である。
携帯電話機200に実装可能な入力装置100の構成例を示す断面図である。
入力装置100の組立例を示す斜視図である。
(A)及び(B)は、従来方式及び本発明方式に係る基板形状の比較例を示す上面図である。
(A)及び(B)は、部材取り時の基板10’及び基板10の比較例を示す上面図である。
携帯電話機200等の制御系の構成例及びその感触フィードバック機能例を示すブロック図である。
第3の実施例としてのデジタルカメラ300の構成例を示す斜視図である。
デジタルカメラ300に実装可能な入力装置301の構成例を示す断面図である。
(A)及び(B)は、部品実装基板103の形成例(その1)を示す工程図である。
(A)及び(B)は、部品実装基板103の形成例(その2)を示す工程図である。
(A)及び(B)は、部品実装基板103の形成例(その3)を示す工程図である。
(A)及び(B)は、部品実装基板103の形成例(その4)を示す工程図である。
(A)及び(B)は、部品実装基板103の形成例(その5)を示す工程図である。
(A)及び(B)は、部品実装基板103の形成例(その6)を示す工程図である。
折り曲げ治具800の構成例を示す概念図である。
部品実装基板103の折り曲げ例(その1)を示す工程図である。
部品実装基板103の折り曲げ例(その2)を示す工程図である。
入力装置301の組立例を示す斜視図である。
(A)及び(B)は、従来方式及び本発明方式に係る基板形状の比較例を示す上面図である。
(A)及び(B)は、部材取り時の基板60’及び基板60の比較例を示す上面図である。
携帯電話機200やデジタルカメラ300等に実装可能な第4の実施例としての入力装置401の構成例を示す断面図である。
(A)及び(B)は、部品実装基板104の形成例(その1)を示す工程図である。
(A)及び(B)は、部品実装基板104の形成例(その2)を示す工程図である。
(A)及び(B)は、部品実装基板104の形成例(その3)を示す工程図である。
(A)及び(B)は、部品実装基板104の形成例(その4)を示す工程図である。
(A)及び(B)は、部品実装基板104の形成例(その5)を示す工程図である。
入力装置401の組立例を示す斜視図である。
従来例に係る入力装置500の構成例を示す断面図である。
従来例に係る入力装置600の構成例を示す断面図である。
符号の説明
1・・・基板素材、5・・・IC装置、6,6a〜6e・・・LED光源、7,7’,7”・・・電極パターン、8,8’,8”・・・配線パターン、9a〜9d・・・カバーフィルム、10,10’60,60’80・・・基板、10a,60a,80a〜80e・・・開口部、15・・・制御部、16・・・アンテナ、17,67・・・回路基板、18,62,82・・・操作パネル、21・・・受信部、22・・・送信部、23・・・共用器、25,85a〜85e・・・ドームスイッチ、26・・・画像処理部、29,69・・・表示部、31・・・A/Dドライバ、32・・・CPU、33・・・電源ユニット、34・・・カメラ、35・・・記憶部、36a・・・スピーカー、36b・・・アクチュエータ機能付きのスピーカー、37・・・メモリ部、38・・・光学レンズ、39・・・シャッターボタン、44・・・映像&音声処理部、41・・・ヒンジ機構、42・・・キートップ、61,81・・・筐体、63,83・・・枠体、64・・・バッテリー、65・・・押しボタンスイッチ、66・・・十字キー(操作部)、86・・・十字マルチキー(操作部)、100,301,401・・・入力装置、101〜104・・・部品実装基板、200・・・携帯電話機(電子機器)、300・・・ビデオカメラ(電子機器)、800・・・折り曲げ治具